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プロジェクタ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
投影とうえいから転送てんそう
ホームシアターのビデオプロジェクターからの画像がぞう

プロジェクタえい: projectorまた投影とうえい(とうえいき)は、ディスプレイ装置そうち一種いっしゅで、画像がぞう映像えいぞう大型おおがたスクリーンなどに投影とうえいすることにより表示ひょうじする装置そうちである。プロジェクタには色々いろいろ種類しゅるいがあるが、現在げんざいでは、DLP液晶えきしょう使つかい、画像がぞう拡大かくだいして投影とうえいする装置そうちのことをすのが一般いっぱんてきである。

そのほかには、スライド投影とうえいするスライドプロジェクタ透明とうめいなシートじょういた図版ずはん投影とうえいする、オーバーヘッドプロジェクタ (OHP) などがある。

概要がいよう

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以下いかでは、表示ひょうじデバイスに表示ひょうじされた画像がぞう投影とうえいする装置そうちについてべる。

初期しょきのプロジェクタとしては、油膜ゆまく使つかい、油膜ゆまく電子でんしビームで画像がぞうみ、油膜ゆまくじょう濃淡のうたん表示ひょうじさせる、「アイドホール」(en:Eidophor)があげられる。この方式ほうしきは、油膜ゆまく入射にゅうしゃこう(投影とうえいするためのひかり)を物理ぶつりてきける作用さよう、いいかえれば変調へんちょう作用さよう利用りようしている。このような作用さようおこなう機構きこうのことをライトバルブ(ひかりべん)という。

ライトバルブ方式ほうしきのプロジェクタは、前述ぜんじゅつのアイドホールのほかに、ボッケルス効果こうか利用りようした、電気でんき光学こうがく結晶けっしょうたいし、電子でんしビームをてて濃淡のうたん映像えいぞうす、フィリップスしゃのTitusというもの、液晶えきしょう背面はいめんから、CRTにうつった画像がぞう投影とうえいし、表面ひょうめんからあてたひかり背面はいめんからのひかりけてへんひからし、それを投影とうえいするものなどが開発かいはつされた。

CRTを利用りようするプロジェクタは、1973ねん発売はつばいされているが、たんかんしきのものであった。3かんしきのものは1978ねん発売はつばいされ、画質がしつあかるさが向上こうじょうしたため一般いっぱん使つかわれるようになった。当初とうしょこう輝度きどブラウン管ぶらうんかん光量ひかりりょう問題もんだいから、周囲しゅういをほとんどひかり環境かんきょう暗闇くらやみ)にする必要ひつようせいがあったが、のち改良かいりょうされ手元てもと新聞しんぶんだい見出みだ程度ていどなんとかめる環境かんきょうでも充分じゅうぶんに200インチ程度ていどだい画面がめん投射とうしゃ可能かのう製品せいひん発売はつばいされた。

1989ねんには液晶えきしょうパネルにひかり透過とうかさせて投射とうしゃするタイプ(液晶えきしょうプロジェクタばれる)が登場とうじょうした。これは、さきの、液晶えきしょうへんこう作用さよう使つかうものではなく、液晶えきしょうじょう画素がそ直接ちょくせつ電気でんきてき制御せいぎょして、画面がめん表示ひょうじさせるものである。液晶えきしょうパネルの製造せいぞう技術ぎじゅつ向上こうじょうともなてい価格かかくこう輝度きどあかるい環境かんきょうでもだい画面がめん投射とうしゃできる)がすすみ、また投射とうしゃされるスクリーン高機能こうきのうすすんだ結果けっか、やや照明しょうめいとした程度ていどのホール(新聞しんぶんこまかい文字もじことができる)においても利用りようできるようになってきている。とく液晶えきしょうプロジェクタにかんしては、目覚めざましいてい価格かかく結果けっか一般いっぱん家庭かていにおいても普及ふきゅうすすみ、ホームシアターようのプロジェクタとしてよく利用りようされている。

さんかんしきプロジェクタは磁気じき影響えいきょう映像えいぞうゆがみやすいため、スピーカーとう音響おんきょう機能きのうべつ設置せっちされるようになっていたが、液晶えきしょうプロジェクタにかんしては磁気じき影響えいきょうけないため、スピーカーやアンプを内蔵ないぞうする機種きしゅもある。

2012ねん現在げんざいのプロジェクタは、デジタルTV受像じゅぞうとう一般いっぱんてきHDMIだけでなく、パソコンでもちいられているDVIVGAでの入力にゅうりょく投射とうしゃ可能かのうなものもある。PCを接続せつぞくすることでプレゼンテーションソフト資料しりょうをPCの画面がめん表示ひょうじそのままで投影とうえいすることができるため、会議かいぎ講演こうえんかいとうにおいてアニメーション効果こうかとうゆうするリッチなプレゼンテーションをおこなうために利用りようされる。また、家庭かていにおいてにはゲームやPCを接続せつぞくすることでだい画面がめんゲームたのしむことにも利用りようされる。

プロジェクタの性能せいのう代表だいひょうてき指標しひょうひとつであるルーメンひかりたば)を単位たんいとする数値すうちは、プロジェクタにより投射とうしゃされるひかりりょうあらわし、投影とうえいサイズが同一どういつ条件下じょうけんかではルーメンおおきいほどあかるい画像がぞう投影とうえい可能かのうであり、またルーメンおおきいほどよりおおきな投影とうえいサイズで投影とうえいすることができる。ルーメンおおきいほど、よりあかるい環境かんきょうにおいても投影とうえい画像がぞう観察かんさつ可能かのうである。投影とうえい可能かのうなスクリーンサイズは機種きしゅごとことなる。

プロジェクタの動作どうさ方式ほうしき

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プロジェクタは、おおきくけて2つの動作どうさ方式ほうしきがある。

CRT方式ほうしき
CRT画面がめんじょう、すなわちこう輝度きど発光はっこうしている表示ひょうじ装置そうち表示ひょうじされた画像がぞうを、レンズを使つかって投影とうえいする方式ほうしきである。スクリーンの前面ぜんめんから投影とうえいする方式ほうしきと、背面はいめんから投影とうえいする方式ほうしきがある。通常つうじょうは3原色げんしょくぶんのCRTを用意よういし、それぞれからの映像えいぞうをスクリーンじょう合成ごうせいする。通常つうじょうのカラーCRTのような、1つのCRTでカラー画像がぞうすCRTは使つかわれない。単色たんしょくのCRTが利用りようされる。これは、カラーCRTないにあるシャドウマスクにより、光量ひかりりょうちてしまうためである。大型おおがたのプロジェクタの場合ばあいには、1つのいろ複数ふくすうのCRTをてる場合ばあいもある。
ライトバルブ方式ほうしき
光源こうげんからのひかりを、ライトバルブで変調へんちょう投影とうえいする方式ほうしきである。ライトバルブをフィルムとおもえば、映写機えいしゃきやオーバーヘッドプロジェクタと構造こうぞうおなじである。ライトバルブが1つで3しょく対応たいおうしているもの、1しょくずつ3つのライトバルブをもちいて、その画像がぞう合成ごうせいするもの、透過とうかではなく、ライトバルブからの反射はんしゃこう利用りようするものなど、いくつかの構造こうぞうがある。大変たいへんよく使つかわれている、液晶えきしょうプロジェクタはこの方式ほうしきである。

プロジェクタの種類しゅるい

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CRTプロジェクタ

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1:CRT方式ほうしきのプロジェクタ
2:前面ぜんめん投射とうしゃがた背面はいめん投射とうしゃがた

CRTプロジェクタは、CRT表示ひょうじされた画像がぞうを、光学こうがくけい使つかって拡大かくだいし、投影とうえいするプロジェクタである。おおまかな構造こうぞう1のようになる。3つの、3原色げんしょくのモノクロCRTじょう画像がぞう表示ひょうじし、それを拡大かくだいレンズで拡大かくだいし、スクリーンじょう投影とうえいする。

CRTプロジェクタは、スクリーンの前面ぜんめんから投影とうえいする方式ほうしきと、スクリーンの背面はいめんから投影とうえいする方式ほうしきがある。2に両者りょうしゃおおまかな概要がいようしめす。前面ぜんめん投射とうしゃがたおおきな場所ばしょでの投影とうえい使つかわれるが、この方式ほうしきは、液晶えきしょうプロジェクタの進歩しんぽにともない、あまり使つかわれなくなってきている。一方いっぽう背面はいめん投射とうしゃがたのプロジェクタは、家庭かていよう大型おおがたテレビの1つとして利用りようされている。リアプロともりゃくされる。ただし、リアプロも、CRTから液晶えきしょうへの移行いこうすすんでいるため、全体ぜんたいとして、CRTプロジェクタは衰退すいたい方向ほうこうにある

CRT方式ほうしきは、方式ほうしきにくらべ、以下いか利点りてんがある。

  1. うごきがなめらかで残像ざんぞうすくない
  2. 画面がめん発光はっこうしているため、あかるい部分ぶぶんかがやきがよい
  3. 解像度かいぞうど変更へんこうしても画面がめんにギザギザがでることがない

しかし、以下いかのような欠点けってんもある。

  1. CRTの発生はっせいする
  2. 蛍光けいこうたい電子でんしじゅう寿命じゅみょうがある
  3. 構造こうぞうじょうおおきくなり、おも
  4. 消費しょうひ電力でんりょくおおきい

また、大型おおがたのプロジェクタは、ブラウン管ぶらうんかん地磁気ちじき影響えいきょうけることから、設置せっちする場所ばしょ方角ほうがくわるたびにかく発光はっこうかん映像えいぞう調整ちょうせいをする必要ひつようがあるうえに、すうじゅうまんえんすうひゃくまんえん当然とうぜんあかるい映像えいぞう投射とうしゃできるものほど高価こうかである)という価格かかくのため、一般いっぱん家庭かていにはほとんど普及ふきゅうせず、行楽こうらく施設しせつ企業きぎょうけといったかぎられた用途ようと利用りようされる程度ていどである。とく三原色さんげんしょく分解ぶんかいされた映像えいぞうを、スクリーンじょうひとつの映像えいぞう合成ごうせいするため、任意にんい位置いちにスクリーンを設置せっちするタイプでは、さんしょく別々べつべつ存在そんざいするレンズのズームとピントとをそれぞれ調整ちょうせいしたうえで、ブラウン管ぶらうんかんじょう磁気じき影響えいきょうによってあらわれる映像えいぞうゆがみを調整ちょうせいしなければ、きれいな映像えいぞうたのしむことはできない。

この形式けいしきのものは長時間ちょうじかん投射とうしゃしてもえうるため、2010ねん程度ていどまではゲームセンターの50インチ前後ぜんこうだい画面がめんゲームおお採用さいようされた。走査そうさせん利用りようした安価あんか光線こうせんじゅう・ライトペンが利用りようできるメリットもあり、ガンシューティングゲームにおお採用さいようされた。また飛行機ひこうきないなどにもおお採用さいようされている。CRTプロジェクタでは、映像えいぞうのメンテナンスをおこたるケースもおおく、画面がめんすみなどの映像えいぞうがひどくぼやけたりいろズレをこしているものもしばしば見受みうけられる。

液晶えきしょうプロジェクタ

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液晶えきしょうパネル内蔵ないぞうし、放電ほうでんこう利用りようした非常ひじょうあかるい光源こうげんランプからのひかり透過とうかさせ、これをレンズを使つかってスクリーンじょう拡大かくだい投射とうしゃする。とくさんかんしきプロジェクタのように複雑ふくざつ調整ちょうせい必要ひつようとせず、大抵たいていはスライド映写機えいしゃきのようにズームとピントさえ調整ちょうせいすればすぐさま利用りようできるように設計せっけいされている。

これらは当初とうしょ液晶えきしょうパネルのひかり透過とうかりつひくさや、温度おんど変化へんかによって液晶えきしょう反応はんのう変化へんかするほか、パネルや光源こうげんランプ、へんこういた寿命じゅみょうみじかいことから、映画えいがとう長時間ちょうじかん視聴しちょうにはかず、短時間たんじかん使用しよう限定げんていされていたが、この問題もんだい最近さいきん機種きしゅでは解消かいしょうしている。

その一方いっぽう液晶えきしょうパネルのマトリクス表示ひょうじ方眼ほうがんのマス想像そうぞうしてもらいたい)によって画像がぞう表現ひょうげんしているため、解像度かいぞうど固定こていであることから、パソコンからの映像えいぞう信号しんごう一般いっぱんのテレビ放送ほうそうやビデオ・DVDとう利用りようされるNTSC、さらには外国がいこくのテレビ受像じゅぞう利用りようされているSECAM/PAL、またハイビジョンひとしといった広範囲こうはんいにわたる画面がめん解像度かいぞうど変更へんこうによってしょうじる苦手にがてとするところで、近年きんねんでは特殊とくしゅ画像がぞう処理しょりチップを内蔵ないぞうすることでだいぶ改善かいぜんされたとはいえ、ことなる解像度かいぞうど映像えいぞう信号しんごう入力にゅうりょくした場合ばあいにシャギーが目立めだつなどの問題もんだい発生はっせいすることがある。(なお、これらは一般いっぱん家庭かていではそれらの解像度かいぞうど変更へんこうもとめる機会きかいがまずないため、あまりにする必要ひつようがないともいえる)

光源こうげんこうあつ水銀すいぎんとうなどの放電ほうでんこう利用りようするため、光源こうげん厳密げんみつには固定こていされておらず、微妙びみょう位置いちらぐ(アークジャンプ)。一般いっぱんにはリフレクタ、フライアイレンズ、インテグレータレンズなどの工夫くふう目立めだたなくしているが、らぎがおおきくなると映像えいぞう明暗めいあんとなってあらわれ、画質がしつ劣化れっか原因げんいんとなる。ランプの寿命じゅみょう比較的ひかくてきみじかく、寿命じゅみょうないであっても色調しきちょう変化へんかする。LCDパネルは、ランプよりも長寿ちょうじゅいのちであるものの、(おもへんこういたの)劣化れっかにより色調しきちょう変化へんかし、寿命じゅみょうむかえる。

液晶えきしょう利用りようしていることから、液晶えきしょうプロジェクタにはまれにドットけがられることがある。 通常つうじょう液晶えきしょうディスプレイと同様どうように、一部いちぶ画素がそ一定いっていいろ常時じょうじ点灯てんとうしているのが画素がそけしたプロジェクタではうつされる。

DLPプロジェクタ

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DLP」とは「デジタル・ライト・プロセッシング」の頭文字かしらもじをとった略語りゃくごで、DMD(デジタル・マイクロミラー・デバイス)をもちいて映画えいがやテレビなどの映像えいぞう表示ひょうじするためのシステムをす(米国べいこく Texas Instruments しゃ登録とうろく商標しょうひょう)。1987ねん同社どうしゃのラリー・ホーンベック博士はかせ開発かいはつしたDMDは、半導体はんどうたいじょう独立どくりつしてうご極小きょくしょうのミラーがやく48まん~200まんめられており、このアリのあしおおきさにもたないちょう極小きょくしょうミラーにランプこうをあて、かがみ反射はんしゃしたひかりをレンズをとおしてプロジェクタのスクリーン、リアプロジェクションテレビの画面がめん投影とうえいする仕組しくみになっている。

DLPの特徴とくちょうとして、「画像がぞう信頼しんらいせいこう精細せいさいせい」「きつきやいろあせがない」「ふかみのある濃厚のうこう色彩しきさい」「非常ひじょうたかいコントラスト」などがげられ、スポーツやライブ・アトラクションなどうごきのはや動画どうが高画質こうがしつ再生さいせいできる。

かく画素がそが1ビットのデジタルであるため、中間なかまかい調ちょう表示ひょうじするためにはフレームかい調ちょう処理しょりおこな必要ひつようがある。そのためとく初期しょきのものはチップの動作どうさ周波数しゅうはすう限界げんかいから、うごきのはや動画どうが場合ばあいにカラーブレイキングとう現象げんしょうこすことがあった。現在げんざいでは機器きき設計せっけい制御せいぎょ(6ばいそく駆動くどうのカラーホイールなど)によって目立めだたなくなっている。

DMDはシリコンチップじょうのマイクロミラーをうごかすことでっているが、劣化れっかおも温度おんど条件じょうけん)により徐々じょじょ動作どうさかくあさくなり、結果けっかとしてドット発生はっせいする(一般いっぱんには、LCDパネルよりは長寿ちょうじゅいのちである)。

このほか、固定こてい画素がそであるてん放電ほうでんけい光源こうげん問題もんだい液晶えきしょう方式ほうしき同様どうようである。

LCOSプロジェクタ

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LCOSとはLiquid Crystal On Siliconのりゃくであり、反射はんしゃがた液晶えきしょう素子そしのことをう。透過とうかがたLCDが配線はいせんあいだ画素がそ電極でんきょくつという構造こうぞうじょう開口かいこうりつひくいのにたいして、ひかり反射はんしゃさせるがわ配線はいせん電極でんきょくつということでたか開口かいこうりつ実現じつげんする理想りそうてき液晶えきしょう素子そしとして、半導体はんどうたい電気でんき機器ききメーカー各社かくしゃふるくから開発かいはつおこなっていた。しかし、量産りょうさんにおいて歩留ぶどまりがわるくコストが非常ひじょうたかいため、ビジネスとしてはりたないという理由りゆうとう大半たいはんのメーカーはLCOS事業じぎょうから撤退てったいした。量産りょうさん成功せいこうしたのは日本にほんビクターソニーの2しゃだけであり、この2しゃから高級こうきゅうプロジェクタとして販売はんばいされている。なお、日本にほんビクターのLCOSをD-ILA(Directdrive Image Light Amplifier)といい、ソニーのLCOSをSXRD(Silicon X-tal Reflective Display)という。日本にほんビクターはD-ILA素子そし外販がいはんおこなっており、キヤノンからもD-ILAプロジェクタが販売はんばいされている。2008ねんにキヤノンはLCOSの自社じしゃ開発かいはつ発表はっぴょうしている。

液晶えきしょう配向はいこうまく無機むき配向はいこうまく使つかう(反射はんしゃがた必然ひつぜんというわけではない)ことにより、透過とうかがた液晶えきしょうにくらべ寿命じゅみょうながいという特徴とくちょうがある。ソニーは、印加いんかされた電圧でんあつによって液晶えきしょう反射はんしゃりつ制御せいぎょするアナログ駆動くどう方式ほうしきぜん製品せいひん採用さいようしている。ビクターは、ソニーと同様どうようのアナログ方式ほうしきくわえて、時分じぶんわりのオン/オフの回数かいすうによって反射はんしゃりつ制御せいぎょするパルス駆動くどう方式ほうしきとを製品せいひんによって使つかけている。一般いっぱんてきにはアナログ駆動くどうのほうがかい調ちょうせいゆたかで高画質こうがしつだが、製品せいひん手間てまとコストがかかるといわれている。

GLVプロジェクタ

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GLVとはGrating Light Valveのりゃくであり、回折かいせつ現象げんしょう利用りようした反射はんしゃがた表示ひょうじ素子そしである。アメリカSilicon Light Machines開発かいはつしたもので、同社どうしゃからのライセンスをけたソニーあい地球ちきゅうはくにて出展しゅってんした[1]

レーザープロジェクタ

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光源こうげんとして従来じゅうらいのハロゲンランプやLEDにわりレーザーを利用りようする。単色たんしょくこう光源こうげんとして使用しようするため、えんじしょくせいすぐれる。1985ねん開催かいさいされたつくばはくや2005ねん開催かいさいされたあい地球ちきゅうはく出展しゅってんされた。RGBかくいろこう出力しゅつりょく半導体はんどうたいレーザーが開発かいはつされたことにより、2000年代ねんだいはい普及ふきゅうきざしをせる。MEMSガルバノメータ走査そうさするため、従来じゅうらい液晶えきしょうパネルやDMD方式ほうしき比較ひかくして光学こうがくけい簡略かんりゃく小型こがたすることが可能かのう携帯けいたいがたのプロジェクタとう応用おうよう期待きたいされる[2][3]

スクリーン

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ここではおもにスクリーンの表面ひょうめん生地きじかんしてべる。

かつてはしろかべかみキャンバスぬのなどが代用だいようされることめずらしくなかったスクリーンだが、近年きんねんでは表面ひょうめん様々さまざま加工かこうほどこした多種たしゅ多様たよう製品せいひん市販しはんされており、設置せっちする環境かんきょう用途ようとたい適切てきせつなスクリーンをえらこと推奨すいしょうされている。かくスクリーンの性能せいのうは、おもスクリーンゲイン反射はんしゃ輝度きど)と反射はんしゃ特性とくせい視野しやかく特性とくせい)でしめされる。スクリーンゲインとは、投射とうしゃこうたいする反射はんしゃこう輝度きど比率ひりつあらわしたもので、標準ひょうじゅん白板しらいたばれる純白じゅんぱくいたでの輝度きどを1としている。スクリーンゲインのたかいほど画面がめんあかるくなる。反射はんしゃ特性とくせいとは、スクリーン正面しょうめんを0°、真横まよこを90°とし、それぞれの角度かくどでのスクリーンゲインをひょうまたはグラフであらわしたものである。0°での輝度きどを「ピークゲイン」、左右さゆう5°での輝度きどを「5°ゲイン」、おもにピークゲイン(もしくは5°ゲイン)にたい輝度きど半分はんぶん(ハーフゲイン、1/2ゲイン)になるとき角度かくどを「半値はんねかく(ハーフゲインかく)」とび、0°から左右さゆう半値はんねかくまでが視聴しちょうてきした角度かくど視野しやかく)とされている。半値はんねかくおおきい(角度かくどひろい)ほど多人数たにんずうでの視聴しちょうてきすようになる。に、数値すうちとうしめされないスクリーンの性能せいのうとしては、いろ再現さいげんせいコントラストかんじかいぞうかん反射はんしゃこう指向しこうせいなどがある。

スクリーンは光学こうがくてき特性とくせいによっておも拡散かくさんがた反射はんしゃがた回帰かいきがた透過とうかがたの4種類しゅるいけられる。

拡散かくさんがた

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マットスクリーン
もっと一般いっぱんてき比較的ひかくてき安価あんかなスクリーン。表面ひょうめん白色はくしょくまたはあわいグレーだが、白色はくしょくのものはたんホワイトスクリーンともばれる。塗料とりょう塗布とふされたマット(つやし)仕上しあげの布地ぬのじか、マット仕上しあげの樹脂じゅしシートのものが一般いっぱんてきである。投射とうしゃこう拡散かくさん反射はんしゃするため視野しやかく非常ひじょうひろく、どの視聴しちょう角度かくどでもいろあかるさがおおきくわらないので多人数たにんずうでの視聴しちょういているが、スクリーンゲインがひくいので、輝度きどひくいプロジェクタをだい画面がめん使用しようする場合ばあい画面がめんくらくなるので注意ちゅうい必要ひつようである。また照明しょうめいとう外乱がいらんこう影響えいきょうけやすいので視聴しちょう環境かんきょう出来できかぎくらところにすることのぞましい。視聴しちょう環境かんきょうあかるくなるにしたが映像えいぞう全体ぜんたいくらしろっぽくなりづらくなる。また、拡散かくさん反射はんしゃのため迷光(スクリーンの反射はんしゃこう周囲しゅうい壁面へきめんなどに反射はんしゃして再度さいどスクリーンにもどってきてしまう現象げんしょう)をみやすい。布地ぬのじせい表面ひょうめん規則きそくてきえるものはプロジェクタの画素がそあみ干渉かんしょうして映像えいぞうモアレしょうじる場合ばあいがある(近年きんねん不規則ふきそくならびにしている製品せいひんおおい)。

反射はんしゃがた

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パールスクリーン
スクリーン表面ひょうめんにパールけい樹脂じゅし塗布とふされているスクリーンで、スクリーンゲインはマットスクリーンよりたかい。表面ひょうめんこまかなエンボス加工かこうほどこされているので、ある程度ていど視野しやかく確保かくほされている。せい反射はんしゃ性質せいしつがあり、プロジェクタがてんつるし場合ばあいあかるい画面がめんられやすい。スクリーンの平面へいめんせいわるいと映像えいぞうあかるさやいろのムラが出来できやすい。
シルバースクリーン
金属きんぞく粉末ふんまつけい塗料とりょう塗布とふされた銀色ぎんいろのスクリーンで、スクリーンゲインが非常ひじょうたかい。せい反射はんしゃ性質せいしつつよく、視野しやかくせまい。投射とうしゃこうへんこう特性とくせい維持いじする性質せいしつがあるためへんこう方式ほうしきの3Dプロジェクタには必須ひっすのスクリーンである。特殊とくしゅなシルバースクリーンとして、アルミコーティング表面ひょうめんレンチキュラー加工かこうほどこしたタイプが存在そんざいする。

回帰かいきがた

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ビーズスクリーン
スクリーン表面ひょうめん極少きょくしょう光学こうがくレンズガラスだま塗布とふされている比較的ひかくてき高価こうかなスクリーン。投射とうしゃこうおな方向ほうこう反射はんしゃこうもど性質せいしつ再帰さいきせい反射はんしゃ)がある。スクリーンゲインはたかく、外乱がいらんこう影響えいきょうけにくく迷光にもつよい。視野しやかくはパールスクリーンよりせまい。プロジェクタと視聴しちょう位置いち近接きんせつ場合ばあいあかるくあざやかな画面がめんられる反面はんめんてんつるしなどでプロジェクタと視聴しちょう位置いち高低こうていがある場合ばあいには不向ふむきとされる。表面ひょうめんこするとビーズがはがれることがあるため、あつかいにはとく注意ちゅうい必要ひつようである。

透過とうかがた

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透過とうかスクリーン
別名べつめいリアスクリーンリアタイプスクリーンリアプロジェクションスクリーン。ビニールやアクリル、ガラスとう出来できはん透明とうめいのスクリーン。スクリーン背面はいめん映像えいぞう投射とうしゃ前面ぜんめんから視聴しちょうする。スクリーン裏側うらがわにプロジェクタや反射はんしゃミラーひとし設置せっちする空間くうかん必要ひつようで、コントラストをげるためには裏側うらがわ空間くうかんくらところにする必要ひつようがある。ひかり透過とうかりつとうえることでスクリーンゲインと視野しやかくおおきくわってくるので、性能せいのうちがすうパターンの製品せいひんがラインナップされていることおおい(通常つうじょうスクリーンゲインがたかいと視野しやかくせまい)。視聴しちょう環境かんきょう照明しょうめいなどのあかりしょでもコントラストのたか映像えいぞうこと可能かのうことと、スクリーンのまえっても映像えいぞう遮断しゃだんされないことおも利点りてんである。またアクリルやガラスを使用しようしたものは平面へいめんせいたかく、ゆたか湿度しつど振動しんどう影響えいきょうけにくい。リアプロジェクションテレビ透過とうかスクリーンを使用しようした製品せいひんである。特殊とくしゅ透過とうかスクリーンとして、映像えいぞう投射とうしゃされていないときかがみのようになるもの、電源でんげんのON/OFFで透明とうめい/はん透明とうめいえられるもの、表面ひょうめんタッチパネルになっているもの、投射とうしゃした映像えいぞう表裏ひょうり両面りょうめんられるもの、後述こうじゅつのブラックスクリーンタイプなどがある。

特殊とくしゅなスクリーン

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サウンドスクリーン
スクリーンめん微細びさいあな無数むすうひらいている音響おんきょう透過とうかがたスクリーン。拡散かくさんがた反射はんしゃがた使用しようしたものがある。スピーカーをスクリーン背面はいめん設置せっちする場合ばあい使用しようする。スクリーンめんがあたかも音源おんげんであるかのように映像えいぞうおと一体いったいとなった定位ていいかんられることから、ほぼすべての商用しょうよう映画えいがかんがサウンドスクリーンを使用しようしている。あな規則きそくてきならんでいる場合ばあい固定こてい素子そしつプロジェクタの画素がそあな干渉かんしょうして映像えいぞうにモアレがしょうじる場合ばあいがある。また、あなひかりとおすのでスクリーン背面はいめん照明しょうめい機器ききランプとうがあるとけてえる場合ばあいがある。背面はいめんのスピーカーやスクリーンフレームとう光沢こうたく部分ぶぶんがある場合ばあいも、あなからの入射にゅうしゃこう反射はんしゃして視聴しちょう位置いちからえる場合ばあいがあるので、黒幕くろまくったりつやしのくろるなどの処置しょちおこなことのぞましい。スクリーンの製品せいひんたいしてTHX認定にんてい取得しゅとくするためにはサウンドスクリーンであることが必須ひっす条件じょうけんである。

その

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照明しょうめい外乱がいらんこうのある環境かんきょうではスクリーン自体じたいしろがってくるため、必然ひつぜんとして映像えいぞうなか黒色こくしょくしろっぽくなる(くろうわき)。そのくろうわきを軽減けいげんするためにスクリーン自体じたいいろをつけたり、照明しょうめいでも使つかえるようにくろちかいろにした製品せいひんなどが存在そんざいする。くろちかいろのものは「ブラックスクリーン」ともばれる。本来ほんらい、スクリーンをくろくすると画面がめん極端きょくたんくらくなるはずだが、これらのスクリーンは特殊とくしゅ素材そざい使用しようするひとしによってマットスクリーンよりもスクリーンゲインをたかめている。

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ 菊池きくちあきら. "レーザープロジェクターようこう変調へんちょう素子そし." (2006): 301-306.
  2. ^ 安藤あんどうえい由樹ゆき, 雨宮あまみや智浩ともひろ, 前田まえだ太郎たろう、「ARにおける注釈ちゅうしゃく表示ひょうじのためのウェアラブル・スキャニング・レーザー・プロジェクター(「投影とうえいがたインタフェース」特集とくしゅう)」『日本にっぽんバーチャルリアリティ学会がっかい論文ろんぶん』 2005ねん 10かん 2ごう p.191-199, doi:10.18974/tvrsj.10.2_191, 日本にっぽんバーチャルリアリティ学会がっかい
  3. ^ MP-CD1 SONY

関連かんれん項目こうもく

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