レーザーTV

レーザーTV（レーザーテレビ、Laser Television）とは走査そうさにレーザー光ひかりを使用しようした投影とうえい式しき表示ひょうじデバイスである。レーザープロジェクタ、レーザーディスプレイとも言いう。

概要がいよう[編集へんしゅう]

レーザーTVはディスプレイ背面はいめんに光源こうげんを持もち、リアプロジェクションテレビ方式ほうしきとほぼ同様どうような機構きこうで作動さどうする。日本にっぽんではリアプロジェクションテレビの販売はんばいは苦戦くせんした過去かこがある。2007年ねん末すえには、他た企業きぎょうに続つづきソニーも撤退てったいし、日本にっぽん市場いちばでのリアプロジェクションテレビの販売はんばいは失敗しっぱいに終おわった。そこで登場とうじょうしたのがレーザーTVである。レーザーTVは、事実じじつ上じょう、リアプロの後継こうけい機きの一種いっしゅと言いえる。 2008年ねん11月16日にち、初はじめての商用しょうようレーザーTVが三菱電機みつびしでんきよりアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくにおいて発売はつばいされた。日本にっぽんでは2010年ねん 8月がつに国内こくない初はつとなるレーザーTV「LASERVUE（75-LT1）」が発売はつばいされた。

技術ぎじゅつ[編集へんしゅう]

基本きほん的てきなシステムは、ディスプレイ背面はいめんよりレーザー光こうを直接ちょくせつ投射とうしゃして映像えいぞうを再生さいせいする。

以前いぜんは走査そうさ系けいにガルバノメータやポリゴンミラー、プリズム、音響おんきょう光学こうがく素子そし等ひとし複雑ふくざつな機構きこうを用もちいていたが、近年きんねんMEMSの技術ぎじゅつ進展しんてんにより、小型こがた化か、集積しゅうせき化かが可能かのうとなる。

光源こうげんにレーザーを使用しようする為ため、高こう輝度きどで色いろ純度じゅんどが高たかく、色いろ再現さいげん域いきに優すぐれる。現在げんざい、通常つうじょうの液晶えきしょうプロジェクタの様ように投影とうえいする形式けいしきもある。また、ヴァーチャルリアリティの表示ひょうじ用ように偏へん光こうスクリーンと組くみ合あわせた3D表示ひょうじ装置そうちの開発かいはつも進すすめられつつある。また、デジタルシネマの投影とうえい機きとして映画えいが館かん向むけの投影とうえい機きの開発かいはつも進すすみつつある。

使用しようするレーザーにおいても、半導体はんどうたいレーザーを利用りようした赤あかおよび青あおの高こう出力しゅつりょく化かに続つづいて、2006年ねんより小型こがたの高こう出力しゅつりょく緑色みどりいろレーザーの開発かいはつが進すすめられた結果けっか、小型こがた・低てい価格かかく・省しょう電力でんりょく化かが可能かのうとなってきている。

歴史れきし[編集へんしゅう]

レーザーディスプレイの概念がいねんは1966年ねんに提唱ていしょうされたが ^[1] 、当時とうじは既存きそんのディスプレイ光源こうげんの代かわりとしてレーザーを用もちいるには一部いちぶの稀少きしょうな超ちょうハイエンド製品せいひんを除のぞいて性能せいのうが低ひくく、レーザー照射しょうしゃ技術ぎじゅつを民生みんせい品ひんとして利用りようするにはコストが高たかすぎた ^[2] 。そのため、従来じゅうらいはシミュレータ等とうの投影とうえい装置そうちなどの軍事ぐんじ用途ようとや研究けんきゅう開発かいはつに使用しようされていた。

このように一般いっぱんユーザーにはなじみのない表示ひょうじデバイスだったが、日本にっぽんでは1985年ねんのつくば万博ばんぱくや2005年ねんの愛あい・地球ちきゅう博はくで一般いっぱん公開こうかいされている。また2006年ねん、ラスベガスのConsumer Electronics Showにおいて、Novalux Inc.が投影とうえいディスプレイへのレーザー照射しょうしゃ源げんとリアプロジェクションレーザーTVのプロトタイプのデモンストレーションを行おこなった ^[3]。

商業しょうぎょう用ようレーザーTVの歴史れきしにおいては、1993年ねん、ドイツのSchneider AGが、ダイムラー・ベンツおよびJenoptik AGとともに開発かいはつしたレーザーTVのプロトタイプを発表はっぴょうした。しかしSchneider AGが倒産とうさんしたため、このプロトタイプは製品せいひん化かされ市場いちばに発売はつばいされることはなかった。初はじめての商業しょうぎょう用ようレーザーTVの開発かいはつは、2006年ねん2月がつ16日にちに三菱電機みつびしでんきによって発表はっぴょうされ ^[4] ^[5] 、2008年ねん初頭しょとうを目標もくひょうに大だい規模きぼ市場いちば投入とうにゅうすることが報ほうじられた ^[6] 。2008年ねん1月がつ7日にち、 Consumer Electronics Show 2008のイベントにおいて、Mitsubishi Digital Electronics America ^[7] が初はじめての商業しょうぎょうレーザーTV 65" 1080pモデルを公表こうひょうした ^[8]^[9]^[10] 。このレーザーTVはMitsubishi LaserVue TVというブランドで北部ほくぶニュージャージーのElectronics Expo storeおよび他たのいくつかの店みせにて2008年ねん11月16日にちに$6,999で発売はつばいされた ^[11]^[12]。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

^ “2006 Laser Projection Systems Report”. Insight Media (2006年ねん2月がつ2日にち). 2007年ねん1月がつ4日にち閲覧えつらん。
^ “Big Blue Laser in a Small Package: Is it Coming Soon? - Greg Niven” (PDF). Coherent Inc. (2003年ねん2月がつ1日にち). 2007年ねん1月がつ4日にち閲覧えつらん。
^ “Novalux Wins Insight Media “Best Buzz” Award at Consumer Electronics Show 2006”. Insight Media (2006年ねん2月がつ1日にち). 2007年ねん1月がつ4日にち閲覧えつらん。
^ “Mitsubishi Joins the Laser-TV Club”. Display Daily (2006年ねん2月がつ16日にち). 2007年ねん1月がつ4日にち閲覧えつらん。
^ Marriott, Michel (2006年ねん4月がつ3日にち). “Mitsubishi Harnesses Colored Lasers to Produce New-Generation Lightweight HDTV”. The New York Times 2010年ねん5月がつ7日にち閲覧えつらん。
^ “Laser TV Technology: Plasma and LCD Killer”. Gizmodo (2006年ねん10月がつ11日にち). 2007年ねん1月がつ4日にち閲覧えつらん。
^ “Mitsubishi Digital Electronics America, Inc. Announces Screen Sizes for LaserVue Laser TV Shipping in Third Quarter 2008” (PDF). Mitsubishi Digital Electronics America, Inc. (2008年ねん6月がつ25日にち). 2007年ねん1月がつ4日にち閲覧えつらん。^{[リンク切きれ]}
^ “Mitsubishi Unveils Laser TV, 3-D Home Theater”. MIT (2008年ねん1月がつ8日にち). 2007年ねん1月がつ4日にち閲覧えつらん。
^ “HDTVs: Mitsubishi Laser TV's Colors Look Even Juicier Than the Girls on the Set”. Gizmodo (2008年ねん1月がつ8日にち). 2007年ねん1月がつ4日にち閲覧えつらん。
^ “Mitsubishi laser TV unveiled”. Engadget (2008年ねん1月がつ8日にち). 2007年ねん1月がつ4日にち閲覧えつらん。
^ “Mitsubishi announces prices for its laser-based HDTV”. Bitstream (2008年ねん9月がつ8日にち). 2008年ねん9月がつ8日にち時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。2007年ねん1月がつ4日にち閲覧えつらん。
^ “Mitsubishi Electric LaserVue - FAQ”. Mitsubishi Digital Electronics America, Inc. (2008年ねん4月がつ7日にち). 2009年ねん9月がつ25日にち閲覧えつらん。

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]

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[1] “2006 Laser Projection Systems Report”. Insight Media (2006年ねん2月がつ2日にち). 2007年ねん1月がつ4日にち閲覧えつらん。

[2] “Big Blue Laser in a Small Package: Is it Coming Soon? - Greg Niven” (PDF). Coherent Inc. (2003年ねん2月がつ1日にち). 2007年ねん1月がつ4日にち閲覧えつらん。

[3] “Novalux Wins Insight Media “Best Buzz” Award at Consumer Electronics Show 2006”. Insight Media (2006年ねん2月がつ1日にち). 2007年ねん1月がつ4日にち閲覧えつらん。

[4] “Mitsubishi Joins the Laser-TV Club”. Display Daily (2006年ねん2月がつ16日にち). 2007年ねん1月がつ4日にち閲覧えつらん。

[5] Marriott, Michel (2006年ねん4月がつ3日にち). “Mitsubishi Harnesses Colored Lasers to Produce New-Generation Lightweight HDTV”. The New York Times 2010年ねん5月がつ7日にち閲覧えつらん。

[6] “Laser TV Technology: Plasma and LCD Killer”. Gizmodo (2006年ねん10月がつ11日にち). 2007年ねん1月がつ4日にち閲覧えつらん。

[7] “Mitsubishi Digital Electronics America, Inc. Announces Screen Sizes for LaserVue Laser TV Shipping in Third Quarter 2008” (PDF). Mitsubishi Digital Electronics America, Inc. (2008年ねん6月がつ25日にち). 2007年ねん1月がつ4日にち閲覧えつらん。^{[リンク切きれ]}

[8] “Mitsubishi Unveils Laser TV, 3-D Home Theater”. MIT (2008年ねん1月がつ8日にち). 2007年ねん1月がつ4日にち閲覧えつらん。

[9] “HDTVs: Mitsubishi Laser TV's Colors Look Even Juicier Than the Girls on the Set”. Gizmodo (2008年ねん1月がつ8日にち). 2007年ねん1月がつ4日にち閲覧えつらん。

[10] “Mitsubishi laser TV unveiled”. Engadget (2008年ねん1月がつ8日にち). 2007年ねん1月がつ4日にち閲覧えつらん。

[11] “Mitsubishi announces prices for its laser-based HDTV”. Bitstream (2008年ねん9月がつ8日にち). 2008年ねん9月がつ8日にち時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。2007年ねん1月がつ4日にち閲覧えつらん。

[12] “Mitsubishi Electric LaserVue - FAQ”. Mitsubishi Digital Electronics America, Inc. (2008年ねん4月がつ7日にち). 2009年ねん9月がつ25日にち閲覧えつらん。

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