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複素 ふくそ 解析 かいせき における整 せい 函数 かんすう (せいかんすう、英 えい : entire function )は、複素数 ふくそすう 平面 へいめん の全域 ぜんいき で定義 ていぎ される正則 せいそく 函数 かんすう を言 い う。そのような函数 かんすう の例 れい として、特 とく に複素 ふくそ 指数 しすう 函数 かんすう や多項式 たこうしき 函数 かんすう およびそれらの和 わ 、積 せき 、合成 ごうせい を用 もち いた組合 くみあわ せとしての三角 さんかく 函数 かんすう および双曲線 そうきょくせん 函数 かんすう などを挙 あ げることができる。
二 ふた つの整 せい 函数 かんすう の商 しょう として有理 ゆうり 型 がた 函数 かんすう が与 あた えられる。
解析 かいせき 函数 かんすう 論 ろん の特定 とくてい の場合 ばあい として考 かんが えれば「整 せい 函数 かんすう の基本 きほん 理論 りろん 」は一般 いっぱん 論 ろん からの単 たん に帰結 きけつ であり、それは本質 ほんしつ 的 てき に複素 ふくそ 関数 かんすう 論 ろん の初歩 しょほ (しばしばヴァイヤシュトラスの因数 いんすう 分解 ぶんかい 定理 ていり によって詳 くわ しく調 しら べられる)である。しかしその研究 けんきゅう は、19世紀 せいき 半 なか ばごろのコーシー , ラゲール (英語 えいご 版 ばん ) , ヴァイヤシュトラス らから始 はじ まり、ボレル , アダマール , モンテル (英語 えいご 版 ばん ) , ピカール , ヴァリロン (英語 えいご 版 ばん ) , ブルメンタール (英語 えいご 版 ばん ) ら(そしてネヴァンリンナ を忘 わす れることはできない)によって著 いちじる しく豊 ゆた かに推 お し進 すす められ、いまや堂々 どうどう たる理論 りろん となった。
整 せい 函数 かんすう の理論 りろん は、整 せい 函数 かんすう をその増大 ぞうだい 度 ど によって分類 ぶんるい しようとするものであり、整 せい 函数 かんすう のテイラー係数 けいすう と増大 ぞうだい 度 ど の間 あいだ の関係 かんけい 、取 と りうる零 れい 点 てん と整 せい 函数 かんすう の振 ふ る舞 ま いの間 あいだ の関係 かんけい 、整 せい 函数 かんすう とその導 しるべ 函数 かんすう の間 あいだ の関係 かんけい を特定 とくてい する。
整 せい 函数 かんすう の理論 りろん におけるこれらの側面 そくめん は、有理 ゆうり 型 がた 函数 かんすう に対 たい するものに拡張 かくちょう される。
解析 かいせき 函数 かんすう 論 ろん における整 せい 函数 かんすう [ 編集 へんしゅう ]
複素 ふくそ 解析 かいせき 函数 かんすう の分類 ぶんるい は普通 ふつう はそれらの複雑 ふくざつ さ、つまりそれらの持 も つ特異 とくい 点 てん に従 したが ってなされる。多項式 たこうしき 函数 かんすう を除 のぞ けば、本 ほん 項 こう の主題 しゅだい である整 せい 函数 かんすう 、整 せい 函数 かんすう の商 しょう として極 きょく のみを特異 とくい 点 てん に持 も つ有理 ゆうり 型 がた 函数 かんすう 、そして真性 しんせい 特異 とくい 点 てん あるいは分岐 ぶんき 点 てん を持 も つような函数 かんすう は一変 いっぺん 数 すう 複素 ふくそ 解析 かいせき 函数 かんすう の中 なか でもっとも複雑 ふくざつ である。
整 せい 函数 かんすう は多項式 たこうしき 函数 かんすう の一般 いっぱん 化 か として現 あらわ れ、ある意味 いみ で「無限 むげん 次数 じすう の多項式 たこうしき 」のように振 ふ る舞 ま う。ゆえに整 せい 函数 かんすう は、多項式 たこうしき 函数 かんすう を除 のぞ いてもっとも単純 たんじゅん な解析 かいせき 函数 かんすう であり、有限 ゆうげん な領域 りょういき において特異 とくい 点 てん を持 も たず、無限 むげん 遠 とお 点 てん においてただ一 ひと つの特異 とくい 点 てん を持 も つ(後述 こうじゅつ )。それでも、整 せい 函数 かんすう の研究 けんきゅう は難 むずか しく、二 に 百 ひゃく 年 ねん 近 ちか い研究 けんきゅう 史 し にも拘 かかわ らず未 いま だに多 おお くの未 み 解決 かいけつ 問題 もんだい を抱 かか えている。
複素 ふくそ 解析 かいせき 函数 かんすう f が z に関 かん して正則 せいそく とすれば、テイラー–マクローリンの公式 こうしき により点 てん z の周 まわ りで整 せい 級数 きゅうすう
f
(
s
)
=
∑
n
=
0
∞
a
n
(
s
−
z
)
n
{\displaystyle f(s)=\sum _{n=0}^{\infty }{a_{n}(s-z)^{n}}}
に展開 てんかい される。整 せい 級数 きゅうすう 論 ろん により、上 うえ の級数 きゅうすう は z を中心 ちゅうしん とし、コーシー–アダマールの定理 ていり により
1
R
=
lim sup
n
→
∞
|
a
n
|
1
/
n
{\displaystyle {\frac {1}{R}}=\limsup _{n\to \infty }|a_{n}|^{1/n}}
で与 あた えられる半径 はんけい R をもつ開 ひらき 円 えん 板 ばん 上 じょう で絶対 ぜったい かつ一様 いちよう に収束 しゅうそく することが分 わ かる。複素 ふくそ 解析 かいせき 函数 かんすう 論 ろん の主 しゅ 結果 けっか は、収束 しゅうそく 半径 はんけい が z と最 もっと も近 ちか くにある特異 とくい 点 てん との間 あいだ の距離 きょり R によって決 き まることである。複素 ふくそ 解析 かいせき 函数 かんすう が整 せい であるとは、それが複素数 ふくそすう 平面 へいめん の任意 にんい の点 てん において正則 せいそく であるときに言 い う。したがって、整 せい 函数 かんすう は有限 ゆうげん の距離 きょり にある特異 とくい 点 てん を持 も たない。ある点 てん y において正則 せいそく な函数 かんすう は y において無限 むげん 回 かい 微分 びぶん 可能 かのう であることを思 おも い出 だ そう。
f が整 せい 函数 かんすう ならば、任意 にんい の点 てん において正則 せいそく であるから、収束 しゅうそく 整 せい 級数 きゅうすう
f
(
z
)
=
∑
n
≥
0
a
n
z
n
{\textstyle f(z)=\sum _{n\geq 0}a_{n}z^{n}}
に展開 てんかい され、また無限 むげん 遠 とお 点 てん を除 のぞ いて特異 とくい 点 てん を持 も たないから整 せい 級数 きゅうすう の収束 しゅうそく 半径 はんけい は無限 むげん 大 だい であり、すなわちこの級数 きゅうすう は任意 にんい の z に対 たい して収束 しゅうそく する。したがって
lim sup
n
→
∞
|
a
n
|
1
/
n
=
0
{\textstyle \limsup _{n\to \infty }|a_{n}|^{1/n}=0}
が成 な り立 た つ。またそれゆえ、整 せい 函数 かんすう の任意 にんい の階数 かいすう の導 しるべ 函数 かんすう もまた整 せい 函数 かんすう になる。
コーシーの積分 せきぶん 公式 こうしき :
f
(
z
)
=
1
2
π ぱい
i
∫
γ がんま
f
(
s
)
s
−
z
d
s
{\displaystyle f(z)={\frac {1}{2\pi i}}\int _{\gamma }{{\frac {f(s)}{s-z}}ds}}
は、分数 ぶんすう 式 しき 1/(s − z ) を整 せい 級数 きゅうすう に展開 てんかい することにより、各 かく テイラー係数 けいすう を積分 せきぶん
a
n
=
f
(
n
)
(
z
)
n
!
=
1
2
π ぱい
i
∫
γ がんま
f
(
s
)
(
s
−
z
)
n
+
1
d
s
{\displaystyle a_{n}={\frac {f^{(n)}(z)}{n!}}={\frac {1}{2\pi i}}\int _{\gamma }{\frac {f(s)}{(s-z)^{n+1}}}ds}
によって決定 けってい できる。ただし上記 じょうき の両方 りょうほう の積分 せきぶん では、積分 せきぶん 路 ろ γ がんま は z を囲 かこ まない閉路 へいろ とする。さらに M (R ) を z を中心 ちゅうしん とする半径 はんけい R の円 えん 板 ばん 上 じょう での函数 かんすう の最大 さいだい 絶対 ぜったい 値 ち とすれば、極 きわ めて重要 じゅうよう なコーシーの不等式 ふとうしき (フランス語 ふらんすご 版 ばん )
|
a
n
|
≤
M
(
R
)
R
n
{\displaystyle |a_{n}|\leq {\frac {M(R)}{R^{n}}}}
が簡単 かんたん な論法 ろんぽう により得 え られる。
整 せい 函数 かんすう に関 かん する重要 じゅうよう な結果 けっか としてリウヴィルの定理 ていり がある:
定理 ていり (Liouville)
整 せい 函数 かんすう が有界 ゆうかい ならば、定数 ていすう 函数 かんすう である。
この定理 ていり はコーシーの不等式 ふとうしき を適用 てきよう して証明 しょうめい できる。すなわち、R が何 なに であっても M (R ) が有界 ゆうかい であることに注意 ちゅうい して、R を無限 むげん 大 だい に飛 と ばせば所望 しょもう の結果 けっか を得 え る。
このリウヴィルの定理 ていり から、代数 だいすう 学 がく の基本 きほん 定理 ていり 「次数 じすう n の任意 にんい の多項式 たこうしき は、重複 じゅうふく 度 ど を込 こ めて n 個 こ の根 ね を持 も つ」の簡単 かんたん な証明 しょうめい が得 え られる。次 つぎ のピカールの小 しょう 定理 ていり はリウヴィルの定理 ていり の強化 きょうか 版 ばん であると考 かんが えられる:
定理 ていり (Picard)
定数 ていすう でない任意 にんい の整 せい 函数 かんすう は、複素数 ふくそすう 平面 へいめん 上 じょう において、高々 たかだか 一 ひと つの値 ね を除 のぞ いたすべての複素数 ふくそすう の値 ね をとる。
詳 くわ しくは後述 こうじゅつ するが、ある意味 いみ で整 せい 函数 かんすう 論 ろん はピカールの小 しょう 定理 ていり のまったく周辺 しゅうへん を周 しゅう っている。
一 ひと つの領域 りょういき —つまり、連結 れんけつ 開 ひらけ 集合 しゅうごう —上 じょう 定義 ていぎ された正則 せいそく 函数 かんすう が整 せい 函数 かんすう に解析 かいせき 的 てき に延長 えんちょう できるための必要 ひつよう 十 じゅう 分 ふん 条件 じょうけん は、そのテイラー級数 きゅうすう の収束 しゅうそく 半径 はんけい がその領域 りょういき 上 じょう の任意 にんい の点 てん において無限 むげん 大 だい となることである。(注 ちゅう :領域 りょういき 上 じょう のある1点 てん に於 お いてテイラー級数 きゅうすう の収束 しゅうそく 判 ばん 型 がた が無限 むげん 大 だい であれば整 せい 関数 かんすう に延長 えんちょう できる。)
整 せい 函数 かんすう 全体 ぜんたい の成 な す集合 しゅうごう は、写像 しゃぞう の合成 ごうせい に関 かん して閉 と じている から、複素数 ふくそすう 平面 へいめん からそれ自身 じしん への連続 れんぞく 函数 かんすう 全体 ぜんたい の成 な す空間 くうかん の複素 ふくそ 部分 ぶぶん 多元 たげん 環 たまき を成 な す。
整 せい 函数 かんすう は有界 ゆうかい ならば定数 ていすう であり、また無限 むげん 遠 とお 点 てん 以外 いがい では特異 とくい 点 てん を持 も てないから、定数 ていすう でない任意 にんい の整 せい 函数 かんすう に対 たい して無限 むげん 遠 とお 点 てん は特異 とくい 点 てん である。可能 かのう 性 せい としてその特異 とくい 点 てん は極 ごく または真性 しんせい 特異 とくい 点 てん であるが、前者 ぜんしゃ の(無限 むげん 遠 とお 点 てん に極 きょく を持 も つ)場合 ばあい 、その整 せい 函数 かんすう は多項式 たこうしき である。後者 こうしゃ の(無限 むげん 遠 とお に真性 しんせい 特異 とくい 点 てん を持 も つ)場合 ばあい 、その函数 かんすう は超越 ちょうえつ 整 せい 函数 かんすう と言 い う。
孤立 こりつ 零 れい 点 てん の原理 げんり
函数 かんすう f は領域 りょういき U 上 うえ で定義 ていぎ された解析 かいせき 函数 かんすう で、a において消 き えているとする。このとき、f は恒等 こうとう 的 てき に零 れい か、さもなくば a を中心 ちゅうしん とする円 えん 板 ばん D が存在 そんざい して、a と異 こと なる任意 にんい の s ∈ D に対 たい して f (s ) ≠ 0 が成 な り立 た つ。
これは解析 かいせき 接続 せつぞく の原理 げんり からの帰結 きけつ である。
開 ひらけ 写像 しゃぞう 定理 ていり
開 ひらけ 集合 しゅうごう U 上 うえ で定数 ていすう でない解析 かいせき 函数 かんすう f に対 たい し、f (U ) もまた開 ひらけ 集合 しゅうごう である。
これは孤立 こりつ 零 れい 点 てん の原理 げんり によっても示 しめ せる。
最大 さいだい 値 ち 原理 げんり
領域 りょういき D 上 うえ で定数 ていすう でない解析 かいせき 函数 かんすう f に対 たい し、開 ひらき 写像 しゃぞう 定理 ていり から以下 いか が直 ただ ちに従 したが う:
f の絶対 ぜったい 値 ち は D に極大 きょくだい 値 ち を持 も たない(したがって、D が有界 ゆうかい ならば |f | は D の境界 きょうかい 上 じょう で最大 さいだい 値 ち を持 も つ);
f が D 上 うえ で消 き えないならば、|f | は D に極大 きょくだい 値 ち を持 も たない;
f の実 み 部 ぶ は D に極大 きょくだい 値 ち も極小 きょくしょう 値 ち も持 も たない。
特 とく にシュヴァルツの補題 ほだい が導 みちび ける。
より一般 いっぱん に、任意 にんい の劣 れつ 調和 ちょうわ 函数 かんすう (例 たと えば |f | や f が消 き えない場合 ばあい の 1/|f | などはそう)は最大 さいだい 値 ち の原理 げんり を満足 まんぞく する。また任意 にんい の調和 ちょうわ 函数 かんすう (例 たと えば Re(f ) はそう)は最大 さいだい 値 ち および最小 さいしょう 値 ち の原理 げんり を満足 まんぞく する。
フラグメン–リンデレーフの原理 げんり (英語 えいご 版 ばん ) は最大 さいだい 絶対 ぜったい 値 ち の原理 げんり の非 ひ 有界 ゆうかい 領域 りょういき への一般 いっぱん 化 か である。
定義 ていぎ により、整 せい 函数 かんすう は無限 むげん 遠 とお 点 てん にのみ孤立 こりつ 特異 とくい 点 てん を持 も つ。整 せい 函数 かんすう f に対 たい して
M
f
(
r
)
=
max
|
z
|
=
r
|
f
(
z
)
|
{\displaystyle M_{f}(r)=\max _{|z|=r}|f(z)|}
と置 お けば、この函数 かんすう は最大 さいだい 値 ち 原理 げんり により単調 たんちょう 増大 ぞうだい で、f が定数 ていすう でなければリウヴィルの定理 ていり から有界 ゆうかい ではない。これを f の最大 さいだい 絶対 ぜったい 値 ち 函数 かんすう と言 い う。
定理 ていり (Hadamard)
最大 さいだい 絶対 ぜったい 値 ち の自然 しぜん 対数 たいすう 函数 かんすう ln Mf (r ) は、ln r の凸 とつ 函数 かんすう である。[1]
定理 ていり (Blumenthal )
最大 さいだい 絶対 ぜったい 値 ち の自然 しぜん 対数 たいすう 函数 かんすう ln Mf (r ) は、任意 にんい の区間 くかん 上 じょう で連続 れんぞく かつ解析 かいせき 的 てき である。[要 よう 出典 しゅってん ]
上記 じょうき の凸 とつ 性 せい からの帰結 きけつ として、ln Mf (r ) は右 みぎ および左 ひだり 微分 びぶん を持 も ち、それらは単調 たんちょう 増大 ぞうだい である。必 かなら ずしも連続 れんぞく でない函数 かんすう v (t ) が存在 そんざい して
ln
M
f
(
r
)
=
ln
M
f
(
1
)
+
∫
1
r
v
(
t
)
d
t
t
{\displaystyle \ln M_{f}(r)=\ln M_{f}(1)+\int _{1}^{r}{v(t){\frac {dt}{t}}}}
が成 な り立 た つ。
関数 かんすう fの絶対 ぜったい 最大 さいだい 値 ち 函数 かんすう Mf (r ) の r に関 かん しての増大 ぞうだい にはいくらでも速 はや いものが存在 そんざい する。より精確 せいかく には、任意 にんい の単調 たんちょう 増大 ぞうだい 函数 かんすう g : [0, +∞) → [0, +∞) に対 たい して、適当 てきとう な函数 かんすう f を選 えら ぶことで、任意 にんい の実数 じっすう x に対 たい して f (x ) が g (|x |) より真 しん に大 おお きい実数 じっすう となるようにできる。そのためには f として
f
(
z
)
=
c
+
∑
k
=
1
∞
(
z
k
)
n
k
{\displaystyle f(z)=c+\sum _{k=1}^{\infty }\left({\frac {z}{k}}\right)^{n_{k}}}
の形 かたち のものを、うまく選 えら んだ整 せい 数列 すうれつ nk に対 たい してとればよい。実際 じっさい 、c ≔ g (2) および
n
k
:=
2
⌈
k
ln
g
(
k
+
2
)
⌉
(
∀
k
≥
1
)
{\textstyle n_{k}:=2\lceil k\ln g(k+2)\rceil \quad (\forall k\geq 1)}
と取 と れる[要 よう 出典 しゅってん ] 。
実 じつ はこれはトルステン・カーレマン (英語 えいご 版 ばん ) の一様 いちよう 近似 きんじ 定理 ていり [2] 「 Q が R 上 うえ 定義 ていぎ された複素 ふくそ 数値 すうち 連続 れんぞく 函数 かんすう で、E : R → (0, +∞) が連続 れんぞく ならば、整 せい 函数 かんすう f が存在 そんざい して、任意 にんい の実数 じっすう x に対 たい して
|
f
(
x
)
−
Q
(
x
)
|
<
E
(
x
)
{\textstyle |f(x)-Q(x)|<E(x)}
とできる」の特別 とくべつ の場合 ばあい になっている[3] 。
整 せい 函数 かんすう f が適当 てきとう な値 ね λ らむだ に対 たい して
lim inf
r
→
∞
M
f
(
r
)
r
λ らむだ
=
0
{\displaystyle \liminf _{r\to \infty }{\frac {M_{f}(r)}{r^{\lambda }}}=0}
を満 み たすならば、函数 かんすう f は次数 じすう が高々 たかだか λ らむだ の多項式 たこうしき である。等号 とうごう を満足 まんぞく する λ らむだ が存在 そんざい しないときは、Mf (r ) の増大 ぞうだい 度 ど を exp(rk ) と比較 ひかく する。適当 てきとう な値 ね r 0 より大 おお きい r に対 たい して不等式 ふとうしき
M
f
(
r
)
<
exp
(
r
k
)
{\textstyle M_{f}(r)<\exp(r^{k})}
が常 つね に成 な り立 た つならば、f は有限 ゆうげん 増 ぞう 大度 たいど であると言 い う。整 せい 函数 かんすう f の増大 ぞうだい 度 ど (order of growth ) あるいは上 うえ 増 ぞう 大度 たいど (superior order)[注釈 ちゅうしゃく 1] は、等式 とうしき
ρ ろー
=
ρ ろー
f
=
lim sup
r
→
∞
ln
ln
M
f
(
r
)
ln
r
{\displaystyle \rho =\rho _{f}=\limsup _{r\to \infty }{\frac {\ln \ln M_{f}(r)}{\ln r}}}
によって定義 ていぎ される。同 おな じ増 ぞう 大度 たいど ρ ろー の整 せい 函数 かんすう の間 あいだ でも、
σ しぐま
f
=
lim sup
r
→
∞
ln
M
f
(
r
)
r
ρ ろー
{\displaystyle \sigma _{f}=\limsup _{r\to \infty }{\frac {\ln M_{f}(r)}{r^{\rho }}}}
と定義 ていぎ される型 かた σ しぐま f の函数 かんすう を区別 くべつ することができる。σ しぐま f の値 ね により、極小 きょくしょう 型 がた (σ しぐま f = 0 ), 通常 つうじょう 型 がた (0 < σ しぐま f < ∞ ) または極大 きょくだい 型 がた (σ しぐま f = ∞) に分類 ぶんるい する。
そのとき以下 いか の不等式 ふとうしき が成 な り立 た つ:
ρ ろー
f
+
g
≤
max
(
ρ ろー
f
,
ρ ろー
g
)
;
{\displaystyle \rho _{f+g}\leq \max(\rho _{f},\rho _{g});}
ρ ろー
f
g
≤
max
(
ρ ろー
f
,
ρ ろー
g
)
;
{\displaystyle \rho _{fg}\leq \max(\rho _{f},\rho _{g});}
σ しぐま
f
+
g
≤
max
(
σ しぐま
f
,
σ しぐま
g
)
;
{\displaystyle \sigma _{f+g}\leq \max(\sigma _{f},\sigma _{g});}
σ しぐま
f
g
≤
σ しぐま
f
+
σ しぐま
g
.
{\displaystyle \sigma _{fg}\leq \sigma _{f}+\sigma _{g}.}
指数 しすう 函数 かんすう exp の増大 ぞうだい 度 ど は 1 であり、また正弦 せいげん sin および余弦 よげん 函数 かんすう cos もそうである。
ミッタク゠レフラー函数 かんすう
f
(
z
)
=
∑
n
=
0
∞
z
n
Γ がんま
(
1
+
n
ρ ろー
)
{\displaystyle f(z)=\sum _{n=0}^{\infty }{\frac {z^{n}}{\Gamma \left(1+{\frac {n}{\rho }}\right)}}}
は増大 ぞうだい 度 ど ρ ろー である。リンデレーフ函数 かんすう
f
(
z
)
=
∑
n
=
0
∞
(
z
n
1
/
ρ ろー
)
n
{\displaystyle f(z)=\sum _{n=0}^{\infty }\left({\frac {z}{n^{1/\rho }}}\right)^{n}}
も同 おな じ。
整 せい 函数 かんすう の増大 ぞうだい 度 ど と整 せい 級数 きゅうすう 展開 てんかい の係数 けいすう の間 あいだ には以下 いか のような関係 かんけい がある:
整 せい 函数 かんすう
f
(
z
)
=
∑
n
≥
0
a
n
z
n
{\textstyle f(z)=\sum _{n\geq 0}a_{n}z^{n}}
が十分 じゅうぶん 大 おお きな r に対 たい して
M
f
(
r
)
<
e
A
r
k
{\textstyle M_{f}(r)<e^{Ar^{k}}}
を満 み たすならば、
|
a
n
|
≤
(
e
A
k
n
)
n
/
k
{\displaystyle |a_{n}|\leq \left({\frac {eAk}{n}}\right)^{n/k}}
が十分 じゅうぶん 大 おお きな n に対 たい して成 な り立 た つ。
逆 ぎゃく に、十分 じゅうぶん 大 おお きな n に対 たい して
|
a
n
|
≤
(
e
A
k
n
)
n
/
k
{\textstyle |a_{n}|\leq \left({\frac {eAk}{n}}\right)^{n/k}}
が成 な り立 た つならば、任意 にんい の ε いぷしろん > 0 に対 たい し
M
f
(
r
)
<
e
(
A
+
ϵ
)
r
k
{\displaystyle M_{f}(r)<e^{(A+\epsilon )r^{k}}}
が十分 じゅうぶん 大 おお きな r に対 たい して成 な り立 た つ。
まとめると:
増大 ぞうだい 度 ど と係数 けいすう との関係 かんけい
整 せい 函数 かんすう の増大 ぞうだい 度 ど は、以下 いか の公式 こうしき
ρ ろー
f
=
lim sup
n
→
∞
n
ln
n
ln
1
/
|
a
n
|
{\displaystyle \rho _{f}=\limsup _{n\to \infty }{\frac {n\ln n}{\ln 1/|a_{n}|}}}
によって求 もと まり、また整 せい 函数 かんすう の型 かた は公式 こうしき
σ しぐま
f
=
1
ρ ろー
e
lim sup
n
→
∞
n
|
a
n
|
ρ ろー
/
n
{\displaystyle \sigma _{f}={\frac {1}{\rho e}}\limsup _{n\to \infty }n|a_{n}|^{\rho /n}}
によって決定 けってい できる
円周 えんしゅう 上 じょう の最大 さいだい 値 ち と整 せい 級数 きゅうすう 展開 てんかい の係数 けいすう には関係 かんけい があることを見 み たが、同様 どうよう の関係 かんけい がたとえば函数 かんすう の実 み 部 ぶ のみに関 かん してどのようになるかを問 と うことができる。この関係 かんけい は一般 いっぱん にはボレル-カラテオドリの補題 ほだい (フランス語 ふらんすご 版 ばん ) によって与 あた えられる。それもまた導 しるべ 函数 かんすう の評価 ひょうか を考 かんが えるものである:
定理 ていり (Borel–Carathéodory)
函数 かんすう f (z ) は原点 げんてん 中心 ちゅうしん 、半径 はんけい R の閉球体 きゅうたい B (0, R ) において解析 かいせき 的 てき とし、その実 み 部 ぶ の半径 はんけい r の円上 えんじょう でとる最大 さいだい 値 ち を A (r ) とすると、∀r ∈ (0, R ) に対 たい して、以下 いか の不等式 ふとうしき
M
(
r
)
≤
2
r
R
−
r
A
(
R
)
+
R
+
r
R
−
r
|
f
(
0
)
|
{\displaystyle M(r)\leq {\frac {2r}{R-r}}A(R)+{\frac {R+r}{R-r}}|f(0)|}
を得 え る。また A (R ) ≥ 0 ならば
max
|
z
|
=
r
|
f
(
n
)
(
z
)
|
≤
2
n
+
2
n
!
R
(
R
−
r
)
n
+
1
(
A
(
R
)
+
|
f
(
0
)
|
)
{\displaystyle \max _{|z|=r}\left|f^{(n)}(z)\right|\leq {\frac {2^{n+2}n!R}{(R-r)^{n+1}}}(A(R)+|f(0)|)}
を得 え る。
整 せい 函数 かんすう の導 しるべ 函数 かんすう はその整 せい 級数 きゅうすう の形式 けいしき 微分 びぶん によって得 え られる。コーシー–アダマールの公式 こうしき を適用 てきよう すると、整 せい 函数 かんすう の導 しるべ 函数 かんすう もまた整 せい 函数 かんすう になることが分 わ かる。導 しるべ 函数 かんすう の増大 ぞうだい 度 ど がどうなるかという問 と いが自然 しぜん に生 しょう じるが、その増大 ぞうだい 度 ど は上記 じょうき の公式 こうしき によって計算 けいさん できて、以下 いか のことが示 しめ される:
命題 めいだい
整 せい 函数 かんすう の導 しるべ 函数 かんすう の増大 ぞうだい 度 ど はもとの整 せい 函数 かんすう の増大 ぞうだい 度 ど に等 ひと しい。
また整 せい 函数 かんすう は無限 むげん 回 かい 微分 びぶん 可能 かのう であるから、任意 にんい の階数 かいすう の導 しるべ 函数 かんすう についても増大 ぞうだい 度 ど はすべて等 ひと しい。
整 せい 函数 かんすう の増大 ぞうだい をより細 こま かく比較 ひかく するために、
lim inf
r
→
∞
ln
ln
M
f
(
r
)
ln
r
{\displaystyle \liminf _{r\to \infty }{\frac {\ln \ln M_{f}(r)}{\ln r}}}
で定義 ていぎ される下 した 増 ぞう 大度 たいど (inferior order ) を考 かんが える。
命題 めいだい
整 せい 函数 かんすう の導 しるべ 函数 かんすう の下 した 増 ぞう 大度 たいど は、もとの整 せい 函数 かんすう の下 した 増 ぞう 大度 たいど に等 ひと しい。
が示 しめ されるが、これではまだ十分 じゅうぶん に精密 せいみつ ではない。有限 ゆうげん 増 ぞう 大度 たいど ρ ろー の整 せい 函数 かんすう f に対 たい して、函数 かんすう ρ ろー (r ) が存在 そんざい して、以下 いか の性質 せいしつ
ρ ろー (r ) は定義 ていぎ されて連続 れんぞく 、各 かく 点 てん において左 ひだり および右 みぎ 微分 びぶん 可能 かのう である;
lim
r
→
∞
ρ ろー
(
r
)
=
ρ ろー
;
{\textstyle \lim _{r\to \infty }\rho (r)=\rho ;}
lim
r
→
∞
ρ ろー
′
(
r
)
r
ln
r
=
0
;
{\textstyle \lim _{r\to \infty }\rho '(r)r\ln r=0;}
lim sup
r
→
∞
ln
M
f
(
r
)
r
ρ ろー
(
r
)
=
1
{\textstyle \limsup _{r\to \infty }{\frac {\ln M_{f}(r)}{r^{\rho (r)}}}=1}
を満 み たすとき、f の精密 せいみつ 増 ぞう 大度 たいど (precise order ) L が定義 ていぎ される。(※校正 こうせい 意見 いけん 、精密 せいみつ 増 ぞう 大度 たいど L の定義 ていぎ が不明 ふめい である。)
エミール・ボレルは、自身 じしん の整 せい 函数 かんすう の研究 けんきゅう において、整 せい 函数 かんすう の増大 ぞうだい 度 ど を
ρ ろー
=
lim
r
→
∞
ln
ln
M
(
r
)
ln
r
{\displaystyle \rho =\lim _{r\to \infty }{\frac {\ln \ln M(r)}{\ln r}}}
と与 あた えることにより、整 せい 函数 かんすう の通常 つうじょう 増大 ぞうだい (regular growth ) を定義 ていぎ した。定義 ていぎ により、これは上 うえ 増 ぞう 大度 たいど と下 した 増 ぞう 大度 たいど が一致 いっち するときのその値 ね であり、函数 かんすう の通常 つうじょう 増大 ぞうだい とはそのような増大 ぞうだい 度 ど を持 も つという意味 いみ で言 い う。
整 せい 函数 かんすう f が増大 ぞうだい 度 ど ρ ろー となるための必要 ひつよう 十 じゅう 分 ふん 条件 じょうけん は、その通常 つうじょう 増大 ぞうだい が十分 じゅうぶん 大 おお きな n と任意 にんい の ε いぷしろん > 0 に対 たい して
|
a
n
|
1
/
n
<
n
−
1
/
ρ ろー
+
ϵ
{\textstyle |a_{n}|^{1/n}<n^{-1/{\rho +\epsilon }}}
を満 み たし、かつ整数 せいすう 列 れつ np が存在 そんざい して
lim
n
→
∞
n
p
+
1
n
p
=
1
{\displaystyle \lim _{n\to \infty }{\frac {n_{p+1}}{n_{p}}}=1}
および
|
a
n
p
|
1
/
n
p
>
n
p
−
1
/
ρ ろー
+
ϵ
p
{\textstyle |a_{n_{p}}|^{1/n_{p}}>n_{p}^{-1/{\rho +\epsilon _{p}}}}
が
lim
n
→
∞
ϵ
p
=
0
{\textstyle \lim _{n\to \infty }\epsilon _{p}=0}
とともに成 な り立 た つことである。
有限 ゆうげん 増 ぞう 大度 たいど 整 せい 函数 かんすう の因数 いんすう 分解 ぶんかい [ 編集 へんしゅう ]
ヴァイヤシュトラスは有限 ゆうげん 増 ぞう 大度 たいど ρ ろー の任意 にんい の整 せい 函数 かんすう f に対 たい し、f が複素数 ふくそすう an ≠ 0 で値 ね が零 れい にならないとすれば、次数 じすう が高々 たかだか ρ ろー である多項式 たこうしき P (s ) と整数 せいすう m ≤ ρ ろー が存在 そんざい して、
f
(
s
)
=
s
p
exp
(
P
(
s
)
)
∏
n
=
1
∞
E
(
s
a
n
,
m
)
{\displaystyle f(s)=s^{p}\exp(P(s))\prod _{n=1}^{\infty }E\left({\frac {s}{a_{n}}},m\right)}
と書 か けることを示 しめ した。ただし、
E
(
u
,
m
)
=
(
1
−
u
)
e
u
+
u
2
/
2
+
⋯
+
u
m
/
m
{\textstyle E(u,m)=(1-u)e^{u+u^{2}/2+\dotsb +u^{m}/m}}
である。因子 いんし sp は、函数 かんすう が原点 げんてん 0 に位 い 数 すう p の零 れい 点 てん を持 も つことに対応 たいおう するものである。
ブートルー–カルタンの定理 ていり は整 せい 函数 かんすう の研究 けんきゅう において頻繁 ひんぱん に用 もち いられる結果 けっか を述 の べる。問題 もんだい は積 せき
P
(
z
)
:=
∏
k
=
1
n
(
z
−
z
k
)
{\textstyle P(z):=\prod _{k=1}^{n}(z-z_{k})}
を零 れい 点 てん の近傍 きんぼう の外 そと において評価 ひょうか することである。いま n は既知 きち と仮定 かてい する。
定理 ていり (Boutroux–Cartan)
任意 にんい の実数 じっすう H > 0 に対 たい し、半径 はんけい の和 わ が高々 たかだか 2H となる n 個 こ の円 えん の外側 そとがわ で
|
P
(
z
)
|
>
(
H
e
)
n
{\displaystyle |P(z)|>\left({\frac {H}{e}}\right)^{n}}
が成 な り立 た つ。
テイラー級数 きゅうすう の最大 さいだい 項 こう [ 編集 へんしゅう ]
f (s ) ≔ ∑∞n =0 an sn は整 せい 函数 かんすう とする。数列 すうれつ |a 0 |, |a 1 |r , |a 2 |r 2 , … はある番号 ばんごう 以降 いこう は単調 たんちょう に減少 げんしょう して、r に依 よ らず 0 に収束 しゅうそく する。したがって、各 かく r に対 たい しほかの全 すべ ての項 こう 以上 いじょう の値 ね を持 も つ項 こう が存在 そんざい するから、その値 ね を B (r ) , その値 ね をとる(複数 ふくすう あるならば最大 さいだい の)項 こう 番号 ばんごう を μ みゅー (r ) と書 か けば、B (r ) は r に関 かん して単調 たんちょう 増大 ぞうだい で無限 むげん 大 だい に発散 はっさん し、コーシーの不等式 ふとうしき により B (r ) < M (r ) が成 な り立 た つから
命題 めいだい
番号 ばんごう μ みゅー (r ) は r の単調 たんちょう 非 ひ 減少 げんしょう 函数 かんすう で、r とともに無限 むげん 大 だい に発散 はっさん する。
三 みっ つの函数 かんすう B (r ), M (r ), μ みゅー (r ) の間 あいだ には、二 ふた つの不等式 ふとうしき
B
(
r
)
<
M
(
r
)
<
B
(
r
)
[
2
μ みゅー
(
r
+
r
μ みゅー
(
r
)
)
+
1
]
{\displaystyle B(r)<M(r)<B(r)[2\mu (r+{\tfrac {r}{\mu (r)}})+1]}
が成立 せいりつ する。さらにこの不等式 ふとうしき から、
命題 めいだい
有限 ゆうげん 増 ぞう 大度 たいど の整 せい 函数 かんすう に対 たい して、二 ふた つの函数 かんすう ln B (r ), ln M (r ) は漸近 ぜんきん 的 てき に等 ひと しい。 が言 い える。すると μ みゅー (r ) に関 かん して
命題 めいだい
有限 ゆうげん 増 ぞう 大度 たいど ρ ろー および精密 せいみつ 増 ぞう 大度 たいど ρ ろー (r ) を持 も つ完全 かんぜん 正則 せいそく 整 せい 函数 かんすう に対 たい し、μ みゅー (r ) ≈ ρ ろー ⋅rρ ろー (r ) となる ことを得 え る。一般 いっぱん に公式 こうしき
ln
B
(
r
)
=
ln
B
(
r
0
)
+
∫
r
0
r
μ みゅー
(
u
)
u
d
u
{\displaystyle \ln B(r)=\ln B(r_{0})+\int _{r_{0}}^{r}{\frac {\mu (u)}{u}}du}
が成 な り立 た つ。
整 せい 函数 かんすう の値 ね の分布 ぶんぷ に関 かん して最 もっと も深 ふか い結果 けっか はピカールの小 しょう 定理 ていり で、「定数 ていすう でない整 せい 函数 かんすう は高々 たかだか 一 ひと つの例外 れいがい 値 ち を除 のぞ いてすべての複素数 ふくそすう を値 ね としてとる」ことを述 の べる(このとき、とらない値 ね が存在 そんざい すればそれを「ピカールの例外 れいがい 値 ち 」と称 しょう する)。より精確 せいかく な結果 けっか は(先述 せんじゅつ の数 かず を与 あた えられた複素数 ふくそすう の絶対 ぜったい 値 ち で上 うえ から抑 おさ えることにより)函数 かんすう の増大 ぞうだい 度 ど に依存 いぞん する。
非 ひ 整数 せいすう 増 ぞう 大度 たいど の場合 ばあい
増大 ぞうだい 度 ど が整数 せいすう でない場合 ばあい は、ピカールの小 しょう 定理 ていり における例外 れいがい 値 ち を持 も つことはできない。すなわち、そのような整 せい 函数 かんすう は x の値 ね に依 よ らずに方程式 ほうていしき f (s ) = x が無限 むげん 個 こ の解 かい を持 も つ。特 とく に、
増大 ぞうだい 度 ど が整数 せいすう でない任意 にんい の整 せい 函数 かんすう は無限 むげん 個 こ の零 れい 点 てん を許 ゆる す。
整数 せいすう 増 ぞう 大度 たいど の場合 ばあい
増大 ぞうだい 度 ど が整数 せいすう の場合 ばあい には、ピカールの例外 れいがい 値 ち が存在 そんざい しうる。そのような場合 ばあい の詳細 しょうさい はエミール・ボレルにより
方程式 ほうていしき f (s ) = x の絶対 ぜったい 値 ち が r より小 ちい さい根 ね の数 かず n (x , r ) は x の高 こう 々一 ひと つの値 ね を例外 れいがい として ln M (r ) の大 おお きさより小 ちい さい増大 ぞうだい 度 ど を持 も つ。
零 れい 点 てん が有限 ゆうげん 個 こ かつ多項式 たこうしき に還元 かんげん できない整数 せいすう 増 ぞう 大度 たいど の整 せい 函数 かんすう が存在 そんざい することが示 しめ せるが、そのような場合 ばあい は増大 ぞうだい 度 ど が奇数 きすう の偶整函数 かんすう に対 たい しては起 お こらない。(校正 こうせい 意見 いけん :この最後 さいご の文 ぶん は数学 すうがく 的 てき 論理 ろんり がおかしい。)
整 せい 函数 かんすう と角 かく
命題 めいだい
増大 ぞうだい 度 ど ρ ろー > 1/2 の整 せい 函数 かんすう は π ぱい (2 − 1/ρ ろー ) より大 おお きい角度 かくど を持 も つ任意 にんい の角 かく において増大 ぞうだい 度 ど ρ ろー である。
フランスの数学 すうがく 者 しゃ Milloux は1924年 ねん に受理 じゅり された修士 しゅうし 論文 ろんぶん において、「充填 じゅうてん 円 えん 」(cercles de remplissages ) と呼 よ ばれる特定 とくてい の円 えん を定義 ていぎ した。それは以下 いか のような形 かたち で述 の べられる:
定理 ていり (Milloux)
f (z ) は整 せい 函数 かんすう 、1 > ε いぷしろん >0 は望 のぞ むだけ小 ちい さいとして、
A
(
r
)
=
(
ln
M
(
r
)
)
1
−
ϵ
{\textstyle A(r)=(\ln M(r))^{1-\epsilon }}
および
q
(
r
)
=
ϵ
6
ln
ln
M
(
r
)
{\textstyle q(r)={\frac {\epsilon }{6}}\ln \ln M(r)}
と置 お く。ここで r は十分 じゅうぶん 大 おお きく
ln
ln
M
(
r
)
>
343
/
ε いぷしろん
{\textstyle \ln \ln M(r)>343/\varepsilon }
が成立 せいりつ するようにとると、f (z ) は以下 いか の二 ふた つの性質 せいしつ のうち一 ひと つを満足 まんぞく する:
中央 ちゅうおう 円周 えんしゅう が |z | = r の幅 はば π ぱい r /q (r ) の球 たま 冠 かんむり において、不等式 ふとうしき
ln
|
f
(
z
)
|
>
A
(
r
)
{\textstyle \ln |f(z)|>A(r)}
が成 な り立 た つ;
中心 ちゅうしん が円周 えんしゅう |z | = r 上 うえ にある半径 はんけい 8π ぱい r /q (r ) の円 えん (これを充填 じゅうてん 円 えん と呼 よ ぶ)が少 すく なくとも一 ひと つ存在 そんざい して、その円上 えんじょう で函数 かんすう f (z ) は絶対 ぜったい 値 ち A (r ) 以下 いか の値 ね を一 ひと つの値 ね a (r ) の近傍 きんぼう を除 のぞ いて全 すべ てとる。この近傍 きんぼう は a (r ) を中心 ちゅうしん とする半径 はんけい 2/A (r ) の円 えん に含 ふく まれる。
この充填 じゅうてん 円 えん は方程式 ほうていしき f (z ) = a の解 かい の決定 けってい に有用 ゆうよう である。
整 せい 函数 かんすう 補間 ほかん
整 せい 函数 かんすう の増大 ぞうだい 度 ど に制約 せいやく を設 もう けないならば、その整 せい 函数 かんすう は集積 しゅうせき 点 てん を持 も たない集合 しゅうごう (例 たと えば整数 せいすう 全体 ぜんたい の成 な す集合 しゅうごう )U 上 うえ の任意 にんい に固定 こてい した値 ね をとることができる。い換 いか えれば、(an )n ∈N が触 さわ 値 ね (フランス語 ふらんすご 版 ばん ) を持 も たない複素数 ふくそすう 値 ち の単 たん 射 い 数列 すうれつ で、(zn )n ∈N を任意 にんい の値 ね を持 も つ複素 ふくそ 数列 すうれつ とすれば、整 せい 函数 かんすう f が存在 そんざい して f (an ) = zn (∀n ∈ N ) とできる。
この結果 けっか は、ラグランジュ補間 ほかん の類似 るいじ であり、ヴァイヤシュトラスの因数 いんすう 分解 ぶんかい 定理 ていり およびミッタク=レフラーの定理 ていり の帰結 きけつ である[5] (th. 15.15, p. 286–287.) 。さらに言 い えば、そのような函数 かんすう 二 ふた つの差 さ は U 上 うえ で消 き えている整 せい 函数 かんすう となり、以下 いか の段落 だんらく の定理 ていり を適用 てきよう することができる。
定理 ていり
複素 ふくそ 変数 へんすう s の函数 かんすう f を級数 きゅうすう f (s ) ≔ ∑n fn (s ) で定義 ていぎ し、それが絶対 ぜったい 収束 しゅうそく であると仮定 かてい する。R が n を動 うご かすとき fn (s ) の引数 ひきすう の変動 へんどう が π ぱい より小 ちい さいような複素数 ふくそすう 平面 へいめん 上 じょう の領域 りょういき とすれば、函数 かんすう f はその領域 りょういき R の外側 そとがわ でのみ消 き える。
代数 だいすう 学 がく の基本 きほん 定理 ていり の帰結 きけつ として次数 じすう n の多項式 たこうしき は複素 ふくそ 平面 へいめん C においてちょうど n 個 こ の零 れい 点 てん を持 も つから、多項式 たこうしき は零 れい 点 てん を多 おお く持 も つとそれだけ増大 ぞうだい 度 ど もより速 はや くなる。このことは整 せい 函数 かんすう においても同様 どうよう であるが、より複雑 ふくざつ である。整 せい 函数 かんすう の増大 ぞうだい 度 ど と零 れい 点 てん 分布 ぶんぷ の間 あいだ の関係 かんけい として
定理 ていり
有限 ゆうげん 増 ぞう 大度 たいど ρ ろー および精密 せいみつ 増 ぞう 大度 たいど ρ ろー (r ) の函数 かんすう が、絶対 ぜったい 値 ち r 以下 いか の零 れい 点 てん を n (r ) 個 こ 持 も つとすれば、不等式 ふとうしき
n
(
r
)
<
(
1
+
o
(
1
)
)
ρ ろー
e
r
ρ ろー
(
r
)
{\displaystyle n(r)<\left(1+o(1)\right)\rho \,e\,r^{\rho (r)}}
が成 な り立 た つ は、整 せい 函数 かんすう 論 ろん の主 しゅ 定理 ていり の一 ひと つに挙 あ げられる。
イェンゼンの公式 こうしき は、それを陽 ひ に述 の べなくとも、整 せい 函数 かんすう 論 ろん の一部 いちぶ を成 な すものである。それは例 たと えばグリーンの公式 こうしき から示 しめ される。
与 あた えられた函数 かんすう が ak に零 れい 点 てん を持 も ち、r < ρ ろー の円 えん 板 ばん 上 じょう に極 きょく を持 も たないとして、x ≔ re iφ ふぁい とおくと
ln
|
f
(
r
e
i
φ ふぁい
)
|
=
1
2
π ぱい
∫
0
2
π ぱい
ln
|
f
(
ρ ろー
e
i
u
)
|
(
ρ ろー
2
−
r
2
)
ρ ろー
2
+
r
2
−
2
r
ρ ろー
cos
(
u
−
φ ふぁい
)
d
u
−
∑
k
ln
|
ρ ろー
2
−
a
k
¯
x
ρ ろー
(
x
−
a
k
)
|
{\displaystyle \ln |f(re^{i\varphi })|={\frac {1}{2\pi }}\int _{0}^{2\pi }\ln |f(\rho e^{iu})|{\frac {(\rho ^{2}-r^{2})}{\rho ^{2}+r^{2}-2r\rho \cos(u-\varphi )}}du-\sum _{k}\ln \left|{\frac {\rho ^{2}-{\bar {a_{k}}}x}{\rho (x-a_{k})}}\right|}
が成 な り立 た つ。これをポワソン–イェンゼンの公式 こうしき という。ここからイェンゼンの公式 こうしき :
命題 めいだい (Jensen)
解析 かいせき 函数 かんすう f が円 えん 板 ばん |z | < r の内部 ないぶ に零 れい 点 てん a 1 , a 2 , …, an を持 も つならば
ln
|
f
(
0
)
|
=
−
∑
k
=
1
n
ln
(
r
|
a
k
|
)
+
1
2
π ぱい
∫
0
2
π ぱい
ln
|
f
(
r
e
i
θ しーた
)
|
d
θ しーた
{\displaystyle \ln |f(0)|=-\sum _{k=1}^{n}\ln \left({\frac {r}{|a_{k}|}}\right)+{\frac {1}{2\pi }}\int _{0}^{2\pi }\ln |f(re^{i\theta })|d\theta }
が成 な り立 た つ。 が導 みちび かれる。この公式 こうしき により、零 れい 点 てん の個数 こすう と整 せい 函数 かんすう の増大 ぞうだい 度 ど を結 むす びつけることが可能 かのう である。すなわち、f (s ) が整 せい 函数 かんすう で、その任意 にんい の零 れい 点 てん ak が半径 はんけい r の円 えん 板 いた 内 ない に含 ふく まれるとき、絶対 ぜったい 値 ち が x 以下 いか の零 れい 点 てん の個数 こすう を n (x ) と書 か けば、
∑
k
ln
r
|
a
k
|
=
∫
0
r
n
(
u
)
d
u
u
(
=:
W
(
r
)
)
{\displaystyle \sum _{k}\ln {\frac {r}{|a_{k}|}}=\int _{0}^{r}n(u){\frac {du}{u}}(=:W(r))}
が成 な り立 た ち、したがって 0 において非 ひ 零 れい な整 せい 函数 かんすう に対 たい して、イェンゼンの公式 こうしき を
W
(
r
)
+
ln
|
f
(
0
)
|
<
ln
M
(
r
)
{\displaystyle W(r)+\ln |f(0)|<\ln M(r)}
の形 かたち で与 あた えることができる。有限 ゆうげん 増 ぞう 大度 たいど ρ ろー の整 せい 函数 かんすう に対 たい しては n (r ) < r ρ ろー +ε いぷしろん が示 しめ せる。
級数 きゅうすう
∑
k
|
a
k
|
−
τ たう
{\textstyle \sum _{k}|a_{k}|^{-\tau }}
は τ たう > ρ ろー に対 たい して収束 しゅうそく し、この級数 きゅうすう が収束 しゅうそく するような最小 さいしょう の τ たう の値 ね を、これら零 れい 点 てん 列 れつ の(ボレルの)実 じつ 位 い 数 すう (ordre réel ) または収束 しゅうそく 冪 べき 数 すう (exposant de convergence ) と言 い う。そのとき以下 いか のボレルの定理 ていり が成 な り立 た つ:
定理 ていり (Borel)
整 せい 函数 かんすう の零 れい 点 てん 列 れつ の収束 しゅうそく 冪 べき 数 すう はその整 せい 函数 かんすう の増大 ぞうだい 度 ど 以上 いじょう である。
整 せい 函数 かんすう f が種 たね 数 すう p であるとは、ラゲールによれば、それが
f
(
z
)
=
e
Q
(
z
)
P
(
z
)
{\textstyle f(z)=e^{Q(z)}P(z)}
または
f
(
z
)
=
z
s
e
Q
(
z
)
∏
n
=
1
∞
(
1
−
z
a
n
)
e
(
z
a
n
+
z
2
2
a
n
2
+
⋯
+
z
p
p
a
n
p
)
{\textstyle f(z)=z^{s}e^{Q(z)}\prod _{n=1}^{\infty }\left(1-{\frac {z}{a_{n}}}\right)e^{({\frac {z}{a_{n}}}+{\frac {z^{2}}{2a_{n}^{2}}}+\dots +{\frac {z^{p}}{pa_{n}^{p}}})}}
の形 かたち に書 か けて、かつ p − 1 に対 たい しては同様 どうよう の形 かたち に書 か けない場合 ばあい であることを言 い う。ただし、Q は次数 じすう が高々 たかだか p の多項式 たこうしき であり、P は任意 にんい の多項式 たこうしき であり、無限 むげん 積 せき はヴァイヤシュトラスの積 せき であるとする。
収束 しゅうそく 冪 べき 数 すう を上 うえ から抑 おさ える最小 さいしょう の整数 せいすう も函数 かんすう の「種 たね 数 すう 」と呼 よ ばれる。
種 たね 数 すう はラゲールの公式 こうしき によって決定 けってい できる:
定理 ていり (Laguerre)
整 せい 函数 かんすう f が種 たね 数 すう n であるための必要 ひつよう 十 じゅう 分 ふん 条件 じょうけん は |s | を無限 むげん 大 だい に飛 と ばす極限 きょくげん で
s
n
f
′
(
s
)
f
(
s
)
{\textstyle s^{n}{\frac {f'(s)}{f(s)}}}
が一様 いちよう に 0 に収束 しゅうそく することである。
種 たね 数 すう の概念 がいねん に注意深 ちゅういぶか くなりすぎる必要 ひつよう はない。リンデレーフは函数 かんすう
f
(
z
)
=
∏
n
=
2
∞
(
1
+
z
n
(
ln
n
)
α あるふぁ
)
(
1
<
α あるふぁ
<
2
)
{\displaystyle f(z)=\prod _{n=2}^{\infty }\left(1+{\frac {z}{n(\ln n)^{\alpha }}}\right)\quad (1<\alpha <2)}
は増大 ぞうだい 度 ど 1 かつ種 たね 数 すう 0 だが、f (z ) − 1 は種 たね 数 すう 1 となることを示 しめ した。同様 どうよう に f (z ) + f (−z ) は種 たね 数 すう 1 だが f′ (z ) は種 たね 数 すう 0 となる。しかしヴァリロンは以下 いか の定理 ていり を証明 しょうめい した:
定理 ていり (Valiron)
f が種 たね 数 すう n の函数 かんすう であるとき、高々 たかだか 一 ひと つの値 ね を除 のぞ く任意 にんい の a に対 たい して、函数 かんすう f − a は、やはり種 たね 数 すう n である。
Dans ses investigations sur les fonctions entières à la suite du mémoire fondateur de Weierstrass, エドモン・ラゲール (英語 えいご 版 ばん ) は
定理 ていり (Laguerre)
整 せい 函数 かんすう f が任意 にんい の実 じつ 引数 ひきすう において零 れい 点 てん を持 も ち、その導 しるべ 函数 かんすう もそうであるならば、f の種 たね 数 すう は 0 または 1 である ことを示 しめ した。(※校正 こうせい 意見 いけん 、この定理 ていり (Laguerre)の記述 きじゅつ は意味 いみ が不明 ふめい である)
「定数 ていすう でない整 せい 函数 かんすう が、適当 てきとう な領域 りょういき において有限 ゆうげん な漸近 ぜんきん 値 ち をもつことがあるか、常 つね に有限 ゆうげん な極限 きょくげん を持 も つかの何 いず れであるか」を問題 もんだい にすることができる。リウヴィルの定理 ていり により、任意 にんい の方向 ほうこう において有限 ゆうげん な漸近 ぜんきん 値 ち を持 も つということが不可能 ふかのう であることは既知 きち である。
f が漸近 ぜんきん 値 ち を許 ゆる すとは、適当 てきとう な方向 ほうこう の経路 けいろ が存在 そんざい して s がその経路 けいろ に沿 そ って無限 むげん 大 だい に発散 はっさん するとき f (s ) が値 ね a に収束 しゅうそく するときに言 い う(そのような経路 けいろ は「a の決定 けってい 路 ろ 」(chemin de détermination a ) と呼 よ ぶ)。したがって定数 ていすう でない任意 にんい の整 せい 函数 かんすう は、少 すく なくとも一 ひと つ ∞ の決定 けってい 路 ろ を持 も つ。
増大 ぞうだい 度 ど が 1/2 より小 ちい さい整 せい 函数 かんすう f に対 たい しては、原点 げんてん 中心 ちゅうしん かつ半径 はんけい が限 かぎ りなく大 おお きくなる無限 むげん 個 こ の円 えん が存在 そんざい して、その上 うえ での f の最小 さいしょう 絶対 ぜったい 値 ち は無限 むげん 大 だい に発散 はっさん する。したがって、増大 ぞうだい 度 ど が 1/2 より小 ちい さい整 せい 函数 かんすう に対 たい しては、有限 ゆうげん な漸近 ぜんきん 値 ち は存在 そんざい しない。実 じつ はワイマンは以下 いか の定理 ていり を示 しめ した:
定理 ていり (Wiman)
増大 ぞうだい 度 ど ρ ろー < 1/2 かつ精密 せいみつ 増 ぞう 大度 たいど ρ ろー (r ) の整 せい 函数 かんすう f に対 たい して、ε いぷしろん > 0 は任意 にんい として、不等式 ふとうしき
ln
|
f
(
s
)
|
>
(
cos
(
π ぱい
ρ ろー
)
−
ϵ
)
r
ρ ろー
(
r
)
{\textstyle \ln |f(s)|>(\cos(\pi \rho )-\epsilon )r^{\rho (r)}}
が、無限 むげん 大 だい に発散 はっさん する半 はん 直線 ちょくせん に沿 そ って分布 ぶんぷ する無限 むげん 個 こ の円上 えんじょう で成 な り立 た つ。したがって、それらの円上 えんじょう で
ln
|
f
(
s
)
|
>
(
cos
(
π ぱい
ρ ろー
)
−
ϵ
)
ln
M
(
r
)
{\displaystyle \ln |f(s)|>(\cos(\pi \rho )-\epsilon )\ln M(r)}
である。
いま、整 せい 函数 かんすう が二 ふた つの値 ね a, b の決定 けってい 路 ろ を持 も つとすれば、それら二 ふた つの決定 けってい 路 ろ に挟 はさ まれた領域 りょういき に ∞ の決定 けってい 路 ろ が存在 そんざい するか、あるいは a = b であって二 ふた つの決定 けってい 路 ろ に挟 はさ まれた無限 むげん 大 だい へ向 む かう任意 にんい の経路 けいろ が a (したがって b )の決定 けってい 路 ろ となる。
ダンジョワは有限 ゆうげん 増 ぞう 大度 たいど ρ ろー の整 せい 函数 かんすう は高々 たかだか 2ρ ろー 個 こ の漸近 ぜんきん 値 ち を持 も つと予想 よそう した。この予想 よそう はアールフォルスの定理 ていり (英語 えいご 版 ばん ) となった。
したがって、0 から無限 むげん 大 だい を結 むす ぶ異 こと なる漸近 ぜんきん 値 ち を導 みちび く直線 ちょくせん が ρ ろー 本 ほん よりも多 おお く存在 そんざい することは不可能 ふかのう である。結果 けっか としてそのような二 に 直線 ちょくせん のなす角 かく は π ぱい /ρ ろー 以上 いじょう である。
フラグメン–リンデレーフの指示 しじ 函数 かんすう [ 編集 へんしゅう ]
有限 ゆうげん 増 ぞう 大度 たいど 整 せい 函数 かんすう の増大 ぞうだい 度 ど ρ ろー の定義 ていぎ とフラグメン–リンデレーフの原理 げんり の示唆 しさ するところにより、ひとつの半 はん 直線 ちょくせん 上 じょう の増大 ぞうだい はその近傍 きんぼう にある直線 ちょくせん 上 じょう のそれに影響 えいきょう されるのだから、函数 かんすう
h
(
θ しーた
)
=
lim sup
r
→
∞
ln
|
f
(
r
e
i
θ しーた
)
|
r
ρ ろー
(
θ しーた
∈
[
−
π ぱい
,
π ぱい
]
)
{\displaystyle h(\theta )=\limsup _{r\to \infty }{\frac {\ln \left|f(re^{i\theta })\right|}{r^{\rho }}}\quad (\theta \in [-\pi ,\pi ])}
を調 しら べることには意義 いぎ がある。この函数 かんすう h (θ しーた ) をフラグメン–リンデレーフの指示 しじ 函数 かんすう と呼 よ ぶ。この函数 かんすう は周期 しゅうき が 2π ぱい の周期 しゅうき 函数 かんすう で、実 じつ 数値 すうち 以外 いがい に −∞ または +∞ も値 ね として取 と りうる。これに関 かん して
f は増大 ぞうだい 度 ど ρ ろー の整 せい 函数 かんすう で、h (θ しーた ) は上記 じょうき の指示 しじ 函数 かんすう とする。h が閉区間 あいだ [a , b ] 上 うえ 有限 ゆうげん ならば、任意 にんい の ε いぷしろん 0 に対 たい し r 0 = r 0 (ε いぷしろん ) が存在 そんざい して、r > r 0 ならば必 かなら ず
ln
|
f
(
r
e
i
θ しーた
)
|
<
r
ρ ろー
(
h
(
θ しーた
)
+
ϵ
)
{\displaystyle \ln \left|f(re^{i\theta })\right|<r^{\rho }\left(h(\theta )+\epsilon \right)}
が (a , b ) の任意 にんい の小 しょう 区間 くかん に関 かん して一様 いちよう に成 な り立 た つ。
が言 い える。したがって同 おな じ仮定 かてい のもとで
h (θ しーた ) > 0 となる任意 にんい の小 しょう 区間 くかん は π ぱい /ρ ろー より大 おお きい長 なが さを持 も ち、h (θ しーた ) < 0 となる任意 にんい の小 しょう 区間 くかん の長 なが さは π ぱい /ρ ろー 以下 いか である。さらに言 い えば、h (θ しーた ) < 0 となる任意 にんい の小 しょう 区間 くかん は h (θ しーた ) = 0 なる点 てん と h (θ しーた ) > 0 となる任意 にんい の区間 くかん から得 え られる。
「整 せい 函数 かんすう が可算 かさん 集合 しゅうごう 上 じょう でとる値 ね から一意 いちい に決定 けってい されることが保証 ほしょう される条件 じょうけん はあるか」という問 と いは自然 しぜん である。集合 しゅうごう をこのように制限 せいげん しない場合 ばあい には、この問 と いはアプリオリ に否決 ひけつ されるものと思 おも われ、実際 じっさい 成 な りたないことが示 しめ せる。この種 たね の問 と いにおいて、カールソンの結果 けっか は tout un pan de recherche に起源 きげん を持 も つ。それは以下 いか のように述 の べられる:
定理 ていり (Carlson)
増大 ぞうだい 度 ど 1 かつ型 かた σ しぐま f < π ぱい の整 せい 函数 かんすう f は n = 1, 2, … に対 たい する函 はこ 数値 すうち f (n ) によって完全 かんぜん に決定 けってい される。さらに言 い えば、型 かた が ln 2 よりも真 しん に小 ちい さいならば
f
(
z
)
=
∑
n
=
0
∞
z
(
z
−
1
)
…
(
z
−
n
+
1
)
n
!
(
Δ でるた
n
f
)
(
0
)
{\displaystyle f(z)=\sum _{n=0}^{\infty }{{\frac {z(z-1)\ldots (z-n+1)}{n!}}(\Delta ^{n}f)(0)}}
と書 か ける。
証明 しょうめい にはフラグメン–リンデレーフの指示 しじ 函数 かんすう を用 もち いる。
整 せい 函数 かんすう が適当 てきとう な集合 しゅうごう 上 じょう で整数 せいすう 値 ち をとるという条件 じょうけん は、その増大 ぞうだい に制限 せいげん を課 か す。Pólya (1915) [6] は例 たと えば以下 いか の定理 ていり を証明 しょうめい した:
定理 ていり (Pólya)
f は非負 ひふ 整数 せいすう 全体 ぜんたい の成 な す集合 しゅうごう 上 じょう で整数 せいすう 値 ち をとる整 せい 函数 かんすう とする。
lim sup
r
→
∞
M
f
(
r
)
2
r
<
1
{\displaystyle \limsup _{r\to \infty }{\frac {M_{f}(r)}{2^{r}}}<1}
ならば f は多項式 たこうしき である。
い換 いか えれば、自然 しぜん 数 すう 全体 ぜんたい の成 な す集合 しゅうごう 上 じょう で整数 せいすう 値 ち をとる多項式 たこうしき でない整 せい 函数 かんすう として(増大 ぞうだい 度 ど の意味 いみ で)最小 さいしょう のものは、函数 かんすう 2s である。
この結果 けっか は幾何 きか 数列 すうれつ 上 じょう 整数 せいすう 値 ち をとる整 せい 函数 かんすう に対 たい するものに一般 いっぱん 化 か できる。
クラフト–ブルメンタール理論 りろん [ 編集 へんしゅう ]
増大 ぞうだい 度 ど が有限 ゆうげん でない整 せい 函数 かんすう は無限 むげん 増 ぞう 大度 たいど であるという。有限 ゆうげん 増 ぞう 大度 たいど ρ ろー の場合 ばあい には、エミール・ボレルにより「その上 うえ で増大 ぞうだい 度 ど が exp(rρ ろー ) となる半径 はんけい r の円 えん が無限 むげん 個 こ 存在 そんざい するならば、それら以外 いがい の無限 むげん 個 こ の円上 えんじょう で増大 ぞうだい 度 ど が著 いちじる しく低 ひく くなることが起 お こり得 え る」(そのような整 せい 函数 かんすう は異常 いじょう 増大 ぞうだい (irregular growth ) であるという)という言及 げんきゅう がかなり早 はや い時期 じき に与 あた えられているが、同 おな じ現象 げんしょう は無限 むげん 増 ぞう 大度 たいど の場合 ばあい にも存在 そんざい する。
そのような理論 りろん は、整 せい 函数 かんすう の型 かた の存在 そんざい と公式 こうしき
M
(
r
)
=
max
|
z
|
=
r
|
f
(
z
)
|
=
e
r
ρ ろー
(
r
)
{\textstyle M(r)=\max _{|z|=r}|f(z)|=e^{r^{\rho (r)}}}
に従 したが って与 あた えられる増大 ぞうだい 度 ど ρ ろー = ρ ろー (r ) に基 もと づく。
整 せい 函数 かんすう 論 ろん の応用 おうよう [ 編集 へんしゅう ]
整 せい 函数 かんすう 論 ろん は、リウヴィルの定理 ていり により、代数 だいすう 学 がく の基本 きほん 定理 ていり のシンプルでエレガントな証明 しょうめい を可能 かのう にする。
増大 ぞうだい 度 ど が整数 せいすう でない整 せい 函数 かんすう は無限 むげん 個 こ の零 れい 点 てん を持 も つという性質 せいしつ により、リーマンゼータ函数 かんすう が 0 < ℜe (z ) < 1 に無限 むげん 個 こ の零 れい 点 てん を持 も つことの証明 しょうめい にも整 せい 函数 かんすう 論 ろん はあらわれる。
二 ふた つの整 せい 函数 かんすう の商 しょう である有理 ゆうり 型 がた 函数 かんすう の研究 けんきゅう にも整 せい 函数 かんすう 論 ろん は応用 おうよう される。有理 ゆうり 型 がた 函数 かんすう はさまざまな微分 びぶん 方程式 ほうていしき に関 かん する問題 もんだい に自然 しぜん にあらわれる。
整 せい 函数 かんすう や有理 ゆうり 型 がた 函数 かんすう に対 たい する方法 ほうほう 論 ろん は、より複雑 ふくざつ な(複数 ふくすう の変数 へんすう などに関 かん する……)解析 かいせき 函数 かんすう の研究 けんきゅう に対 たい する重要 じゅうよう な示唆 しさ や直観 ちょっかん の源 みなもと を与 あた えるものでもある。
^ superior は上 うえ 極限 きょくげん limsup を取 と ることに由来 ゆらい する。すぐ後 うしろ で下 か 極限 きょくげん に対応 たいおう する下 した 増 ぞう 大度 たいど なども定義 ていぎ する
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