日本語 にほんご の活用 かつよう 形 がた (にほんごのかつようけい)は、日本語 にほんご において、ある語 かたり が活用 かつよう した結果 けっか 、どのような形 かたち になるかについて命名 めいめい したもの。
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命名 めいめい についてはいくつか未 み 整理 せいり な部分 ぶぶん がある。例 たと えば「どこまでを語幹 ごかん とし、残 のこ りの部分 ぶぶん をどのような形態素 けいたいそ として解析 かいせき するか」については、いまのところ学校 がっこう 文法 ぶんぽう を含 ふく む文法 ぶんぽう 理論 りろん において未解決 みかいけつ であり、いくつかの批判 ひはん がある。
ある語 かたり の活用 かつよう 形 がた には語 かたり によって固有 こゆう のパターンがあり、そのパターンによって分類 ぶんるい される。例 たと えば現代 げんだい 語 ご の動詞 どうし については、「一段 いちだん 活用 かつよう 」「五 ご 段 だん 活用 かつよう 」「サ行 ぎょう 変格活用 へんかくかつよう 」「カ行 ぎょう 変格活用 へんかくかつよう 」などに分類 ぶんるい されるが、これを「活用 かつよう 形 がた の種類 しゅるい 」と呼 よ ぶと煩雑 はんざつ になるため、「活用 かつよう 型 がた 」と表記 ひょうき するやりかたが日本語 にほんご 処理 しょり の分野 ぶんや においてはみられるが、国文法 こくぶんぽう 学 がく の研究 けんきゅう や国語 こくご 教育 きょういく ・日本語 にほんご 教育 きょういく の分野 ぶんや においては普及 ふきゅう していない。
活用 かつよう という事実 じじつ についての一 いち 応 おう の認知 にんち は、中世 ちゅうせい において断片 だんぺん 的 てき ではあるが出現 しゅつげん している。初期 しょき のものとしては、鎌倉 かまくら 時代 ときよ に成立 せいりつ したとされる『八 はち 囀 さえず 声 こえ 抄 しょう 』があり、梵語 ぼんご の名詞 めいし の格 かく 変化 へんか である八 はち 囀 さえず 声 こえ と同種 どうしゅ の現象 げんしょう が日本語 にほんご にも存在 そんざい するとして、それを動詞 どうし の語尾 ごび 変化 へんか にあてた。
活用 かつよう に関 かん する諸 しょ 事実 じじつ が明 あき らかになったのは、江戸 えど 時代 じだい に入 はい ってからのことであり、主 しゅ として国学 こくがく において発展 はってん した。例 たと えば賀茂真淵 かものまぶち が『語意 ごい 考 こう 』に示 しめ した「五 ご 十 じゅう 聯 れん 音 おん 」には、「初 はつ 」「体 からだ 」「用 よう 」「令 れい 」の名 な があり、谷川 たにがわ 士 し 清 きよし が『日本書紀 にほんしょき 通 どおり 証 しょう 』に示 しめ した「倭語 わご 通 どおり 音 おん 」には、「未定 みてい 」「已然 いぜん 」「告 つげ 人 じん 」「自 じ 言 げん 」の名 な がある。これらは一種 いっしゅ の概括 がいかつ 的 てき な活用 かつよう 図 ず というべく、この種 たね のものとしては初 はつ のもので[注 ちゅう 1] 、「活用 かつよう 図 ず の源流 げんりゅう 」というよりは「五十音 ごじゅうおん 図 ず の音義 おんぎ 的 てき 解釈 かいしゃく 」と見 み るべきものであるが、活用 かつよう についての一応 いちおう まとまった考察 こうさつ が初 はじ めて出現 しゅつげん した点 てん において、史的 してき 価値 かち がある。
これを受 う けて本 ほん 居 きょ 宣長 のりなが は『御国 みくに 詞 し 活用 かつよう 抄 しょう 』で活用 かつよう を分類 ぶんるい した。宣長 のりなが とは別 べつ に富士 ふじ 谷 たに 成章 しげあき は、『脚 あし 結 ゆい 抄 しょう 』冒頭 ぼうとう の「装 そう 図 ず 」において「本 ほん 」「末 まつ 」「引靡」「往」「目 め 」「未 ひつじ 」「靡伏」「伏目 ふしめ 」「立 たて 本 ほん 」と区分 くぶん し、語形 ごけい 変化 へんか と下位 かい 類 るい 化 か を示 しめ している。両者 りょうしゃ の研究 けんきゅう は、いずれも和歌 わか の「てにをは」研究 けんきゅう から出発 しゅっぱつ しており、その深化 しんか のうちから活用 かつよう 論 ろん が生 う まれたのである。
『詞 し 八 はち 衢』
やがて活用 かつよう 研究 けんきゅう は、主 しゅ として宣長 のりなが の弟子 でし 筋 すじ によって展開 てんかい した。鈴木 すずき 朖 は『活 かつ 語 ご 断続 だんぞく 譜 ふ 』で活用 かつよう 形 がた を1等 とう から8等 とう に分 わ け、それぞれの役割 やくわり を明 あき らかにした。これにより、活用 かつよう 現象 げんしょう が語 かたり の切 き れ続 つづ きによるものであることが明確 めいかく 化 か した。宣長 のりなが の実子 じっし である本 ほん 居 きょ 春 はる 庭 にわ は、『詞 し 八 はち 衢』で動詞 どうし の活用 かつよう を「四 よん 段 だん 」「一段 いちだん 」「中 ちゅう 二 に 段 だん 」「下 した 二 に 段 だん 」「変格 へんかく 」の5種類 しゅるい に分類 ぶんるい しているほか[注 ちゅう 2] 、『詞 し 通路 つうろ 』では動詞 どうし を「自他 じた 」「兼用 けんよう 」「延 のべ 約 やく 」の3種 しゅ の観点 かんてん により1段 だん から6段 だん に分 わ けている。
その後 ご 、『詞 し 八 はち 衢』の欠 かけ を補 おぎな ったり、誤 あやま を正 ただ したりなどの研究 けんきゅう が多 おお く出現 しゅつげん した[注 ちゅう 3] 。中 なか でも注目 ちゅうもく すべきは東条 とうじょう 義 よし 門 もん の存在 そんざい である。義 ぎ 門 もん は『活 かつ 語 ご 指南 しなん 』において活用 かつよう 形 がた を「将 はた 然 しか 言 げん (未然 みぜん 言 げん とも)」「連用 れんよう 言 ごと 」「截断 せつだん 言 ごと 」「連体 れんたい 言 げん 」「已然 いぜん 言 げん 」「希求 ききゅう 言 ごと 」という6つに分類 ぶんるい しており、その本質 ほんしつ 論 ろん を『山口 やまぐち 栞 しおり 』などで整理 せいり した。あまりに活用 かつよう を重視 じゅうし するため、活用 かつよう 語 ご を一 ひと つに混 こん じて形式 けいしき の類似 るいじ によって表示 ひょうじ するのみならず、言語 げんご の分類 ぶんるい においても活用 かつよう を至上 しじょう の原理 げんり と考 かんが えたことで、他 た の重要 じゅうよう な言語 げんご の性質 せいしつ に目 め を覆 おお ってしまっているが、これは義 ぎ 門 もん が活用 かつよう に機能 きのう 的 てき 意義 いぎ を認 みと めていたからである。
この他 ほか には富樫 とかし 広 ひろ 蔭 かげ がいる。広 こう 蔭 かげ は『詞 し 玉 だま 橋 きょう 』と『辞 じ 玉 だま 襷 たすき 』において、単語 たんご を「言 げん 」「詞 し 」「辞 じ 」に分類 ぶんるい した上 うえ で[注 ちゅう 4] 、「辞 じ 」を活用 かつよう の有無 うむ から「静 せい 辞 じ 」と「動 どう 辞 じ 」に分 わ けている。この分類 ぶんるい は近代 きんだい の文法 ぶんぽう 学 がく においても大体 だいたい が通用 つうよう するものとなっている。なお、広 こう 蔭 かげ は活用 かつよう 形 がた の名称 めいしょう に「未然 みぜん 段 だん 」「続 ぞく 詞 し 段 だん 」「断 だん 止 とめ 段 だん 」「続 ぞく 言 げん 段 だん 」「已然 いぜん 段 だん 」「仰 おおせ 」を用 もち いている。
西洋 せいよう 文典 ぶんてん の影響 えいきょう を受 う けた活用 かつよう の解釈 かいしゃく は、すでに幕末 ばくまつ の頃 ころ から出現 しゅつげん している。例 たと えばオランダ語 ご 文典 ぶんてん を下敷 したじ きにした鶴 つる 峯 みね 戊 つちのえ 申 さる 『語学 ごがく 新書 しんしょ 』は、「現在 げんざい 格 かく (終止 しゅうし 形 がた にあたる形 かたち )・過去 かこ 格 かく (連用形 れんようけい にあたる形 かたち )・未来 みらい 格 かく (未然 みぜん 形 がた にあたる形 かたち )」という3つを説 と いた。
明治 めいじ 時代 じだい に入 はい ると、古来 こらい の日本語 にほんご 研究 けんきゅう と西洋 せいよう 言語 げんご 学 がく とを吟味 ぎんみ して文法 ぶんぽう 理論 りろん を整理 せいり したものが続出 ぞくしゅつ した。中 なか でも大槻 おおつき 文彦 ふみひこ は、『言 げん 海 うみ 』の中 なか で文法 ぶんぽう 論 ろん 「語法 ごほう 指南 しなん 」を記 しる し、後 のち にこれを増補 ぞうほ して『広 こう 日本 にっぽん 文典 ぶんてん 』として、体系 たいけい 的 てき な近代 きんだい 的 てき 文法 ぶんぽう 学説 がくせつ を作 つく り上 あ げた[注 ちゅう 5] 。なお、大槻 おおつき は活用 かつよう 形 がた を「第 だい 一 いち 終止 しゅうし 法 ほう 」「連体 れんたい 法 ほう ・第 だい 二 に 終止 しゅうし 法 ほう 」「第 だい 三 さん 終止 しゅうし 法 ほう 」「不定 ふてい 法 ほう 」「中止 ちゅうし 法 ほう ・連用 れんよう 法 ほう ・名詞 めいし 法 ほう 」「命令 めいれい 法 ほう 」の順 じゅん に挙 あ げている。
大槻 おおつき は黒川 くろかわ 真頼 まより の『詞 し の栞 しおり 』の講義 こうぎ にたびたび列席 れっせき しており、真頼 まより の文法 ぶんぽう 学説 がくせつ には義 ぎ 門 もん の『詞 し の道 みち しるべ』の受容 じゅよう が指摘 してき されている。事実 じじつ 、真頼 まより は活用 かつよう 形 がた を「将 はた 然 しか 言 げん 」「連用 れんよう 言 ごと 」「終止 しゅうし 言 ごと 」「連体 れんたい 言 げん 」「已然 いぜん 言 げん 」「希求 ききゅう 言 ごと 」と名 な づけている。
この
節 ふし には
複数 ふくすう の問題 もんだい があります。
改善 かいぜん や
ノートページ での
議論 ぎろん にご
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「未然 みぜん 形 がた 」「連用形 れんようけい 」は活用 かつよう 形 がた であるが、活用 かつよう が行 おこな われる際 さい には何 なに 種類 しゅるい かのパターンがあり、「五 ご 段 だん 活用 かつよう 」「一段 いちだん 活用 かつよう 」「不規則 ふきそく 活用 かつよう 」などの分類 ぶんるい が、これにあたる。これは「活用 かつよう の型 かた 」あるいは「活用 かつよう 型 がた 」とも書 か く。「かつようけい」と「かつようがた」と呼 よ びわけることもある。活用 かつよう 型 がた は動詞 どうし 以外 いがい の形容詞 けいようし 、および形容動詞 けいようどうし などにもあるとされる。「です」「ます」などは、活用 かつよう 表 ひょう そのものが一 ひと つの活用 かつよう 型 がた とみなして差 さ し支 つか えない。
学校 がっこう 文法 ぶんぽう に基 もと づく現代 げんだい 語 ご の文法 ぶんぽう においては、日本語 にほんご の動詞 どうし の活用 かつよう 形 がた には「未然 みぜん 形 がた 」「連用形 れんようけい 」「終止 しゅうし 形 がた 」「連体 れんたい 形 がた 」「仮定 かてい 形 がた 」「命令 めいれい 形 がた 」の六 むっ つがあるとされる。
しかし、この分類 ぶんるい では五 ご 段 だん 動詞 どうし の「書 か く(kak-u)」の未然 みぜん 形 がた 「書 か かない(kak-a-na-i)」「書 か こう(kak-ou)」では接尾 せつび 部分 ぶぶん が「-a-」「-ou-」と異 こと なっているため、「-a-」以降 いこう に「ない」「ず」「ぬ」などの否定 ひてい の意味 いみ を表 あらわ す語 かたり が続 つづ く形 かたち を「打 だ 消 けし 形 がた 」と呼 よ んで区別 くべつ するという方法 ほうほう もある(実際 じっさい に、多 おお くの日本語 にほんご 処理 しょり 系 けい ではそうされている)。
また、「仮定 かてい 形 がた 」は「原因 げんいん →結果 けっか 」「前提 ぜんてい →結論 けつろん 」などを表 あらわ すので「寄 よ らば斬 き るぞ」「人 ひと を呪 のろ わば穴 あな 二 ふた つ」「毒 どく を喰 く らわば皿 さら までねぶれ」には適合 てきごう するが、「柿 かき くへば鐘 かね が鳴 な るなり法隆寺 ほうりゅうじ 」では「柿 かき をくふ」ことは「鐘 かね が鳴 な る」ことの原因 げんいん ではなく、単 たん なる事象 じしょう の生起 せいき 順序 じゅんじょ を表 あらわ すものでしかない。そこでこれを区別 くべつ して、
仮定 かてい 形 がた :寄 よ らば・呪 のろ わば・喰 く わば・急 いそ がば
已然 いぜん 形 がた :寄 よ れば・呪 のろ えば・喰 く えば・急 いそ げば
と分類 ぶんるい する必要 ひつよう がある。
もう一 ひと つは連用形 れんようけい ・連体 れんたい 形 がた における「現在 げんざい 時制 じせい 」と「過去 かこ または完了 かんりょう 時制 じせい 」の違 ちが いがある。連用形 れんようけい 「書 が き・書 か いて」と連体 れんたい 形 がた 「書 か く・書 か いた」では、「連用 れんよう ・連体 れんたい 」の関係 かんけい と「現在 げんざい 時制 じせい ・過去 かこ または完了 かんりょう 時制 じせい 」の関係 かんけい が直交 ちょっこう しているため、二 ふた つではなく四 よっ つの活用 かつよう 形 がた を用意 ようい しないと機械 きかい 的 てき には処理 しょり できない。そこで、「連用 れんよう 現在 げんざい 形 かたち 」「連用 れんよう 過去 かこ 完了 かんりょう 形 がた 」「連体 れんたい 現在 げんざい 形 かたち 」「連体 れんたい 過去 かこ 完了 かんりょう 形 がた 」などとする。
この結果 けっか 、日本語 にほんご の動詞 どうし の活用 かつよう 形 がた は、「未然 みぜん ・連用 れんよう ・終止 しゅうし ・連体 れんたい ・仮定 かてい ・命令 めいれい 」の六 むっ つではなく、
未然 みぜん 形 がた
打 だ 消 けし 形 がた
連用 れんよう 現在 げんざい 形 かたち
連用 れんよう 過去 かこ 完了 かんりょう 形 がた
終止 しゅうし 形 がた
連体 れんたい 現在 げんざい 形 かたち
連体 れんたい 過去 かこ 完了 かんりょう 形 がた
仮定 かてい 形 がた
已然 いぜん 形 がた
仮定 かてい 形 がた
命令 めいれい 形 がた
の 11 個 こ になる。ただし、このうち終止 しゅうし 形 がた は現代 げんだい の日本語 にほんご では連体 れんたい 形 がた のあとに「~のだ」「~のです」が省略 しょうりゃく されているとみなして差 さ し支 つか えない(実際 じっさい に、反例 はんれい が見 み つからない)ので、「現代 げんだい 日本語 にほんご の活用 かつよう 形 がた には(文藝 ぶんげい 上 じょう の表現 ひょうげん として残 のこ ってはいるものの)終止 しゅうし 形 がた は残 のこ ってはいない」と結論 けつろん して実用 じつよう 上 じょう 問題 もんだい はない。日常 にちじょう 会話 かいわ レベルで「美味 うま い!」(連体 れんたい 形 がた )を「美味 うま し!」(終止 しゅうし 形 がた )と表現 ひょうげん することには、特 とく に問題 もんだい はない。とくに、男性 だんせい の名 な づけにおいては、「哲 あきら ・聡 さとし (さとし)」「剛 つよし ・毅 あつし (つよし)」「太 ふとし (ふとし)」などの形容詞 けいようし の終止 しゅうし 形 がた は珍 めずら しくない。
ささやかな問題 もんだい 点 てん としては、いままで「終止 しゅうし 形 がた 」だと思 おも っていた国語 こくご 辞典 じてん の見出 みだ し語 ご が、じつは「連体 れんたい 形 がた 」であったということになる(古語 こご 辞典 じてん では終止 しゅうし 形 がた が見出 みだ し語 ご になる。「赤 あか き」ではなく「赤 あか し」が見出 みだ し語 ご となる)が、古典 こてん と現代 げんだい 文 ぶん が混在 こんざい するテキストを日本語 にほんご 処理 しょり するときに構文 こうぶん 解析 かいせき の手続 てつづ きが(文法 ぶんぽう 定義 ていぎ 上 じょう において)ややこしくなる以上 いじょう の弊害 へいがい はない。「プログラマが理解 りかい しづらい」というのは、ユーザにもコンピュータにも何 なん の関係 かんけい もない。
また、この活用 かつよう 形 がた 以外 いがい に、語幹 ごかん に相当 そうとう する「原形 げんけい 」という活用 かつよう 形 がた を考 かんが え、打 だ 消 けし 形 がた を形態素 けいたいそ である「な」「ぬ」「ず」「ん」と考 かんが えることもできる。そうすると使役 しえき の「せる/させる」・可能 かのう ・受動 じゅどう /尊敬 そんけい の「れる/られる」と統合 とうごう できるため、日本語 にほんご 処理 しょり の分野 ぶんや では使 つか われていることもある。
なお、この分類 ぶんるい には助動詞 じょどうし 「ます」に続 つづ く形 かたち は(「ございます」「おっしゃいます」「いらっしゃいませ」等 とう )含 ふく まれていない。
活用 かつよう 型 がた としては、文語文 ぶんごぶん 法 ほう では母音 ぼいん 末尾 まつび 動詞 どうし は一段 いちだん 活用 かつよう ・子音 しいん 末尾 まつび 動詞 どうし は四 よん 段 だん 活用 かつよう という原則 げんそく があったが、末尾 まつび 音 おん の「h」音 おと が聞 き きとりづらくなったため、現代 げんだい では a・o・u 音 おと 末尾 まつび 動詞 どうし は「母音 ぼいん 末尾 まつび だが五 ご 段 だん 活用 かつよう 」とされる。現代 げんだい 語 ご の五 ご 段 だん 活用 かつよう ワ行 くだり に分類 ぶんるい される動詞 どうし は、古語 こご 辞典 じてん では h 音 おと 四 よん 段 だん と対応 たいおう する[注 ちゅう 6] 。
具体 ぐたい 的 てき には、日本語 にほんご の動詞 どうし には「段 だん で活用 かつよう する」母音 ぼいん 末尾 まつび の動詞 どうし と「行 くだり 」で活用 かつよう する子音 しいん 末尾 まつび 末尾 まつび の動詞 どうし があるとされるが、この違 ちが いを五十音 ごじゅうおん 図 ず (つまりかなベース)で説明 せつめい すると複雑 ふくざつ になるため、ロ ろ ーマ字 まじ で説明 せつめい しようという試 こころ みがある。ただし「五 ご 段 だん ワ行 くだり 」の説明 せつめい がうまくゆかなかった。そこで「h 音 おと の消失 しょうしつ 」を考慮 こうりょ に入 い れ、現代 げんだい 日本語 にほんご に関 かん しては末尾 まつび 音 おん を
* i/e 「見 み る(mi-)」「出 で る(de-)」
* a/o/u 「会 あ う(a-)」「思 おも う(omo-)」「食 く う(ku-)」
* k/g 「書 か く(kak-)」「漕 こ ぐ(kog-)」
* s 「押 お す(os-)」
* t/r 「打 う つ(ut-)」「取 と る(tor-)」
* n/b/m 「死 し ぬ(sin-)」「飛 と ぶ(tob-)」「読 よ む(yom-)」
の六 ろく グループに分類 ぶんるい すればほぼ足 た りることが、計量 けいりょう 言語 げんご 学 がく 的 てき に確 たし かめられている。ただ文語 ぶんご に対 たい しては、語幹 ごかん が h 音 おと で終 お わる語 かたり (「経 けい (h-)」など。「語幹 ごかん のない語 かたり 」として知 し られる)などを追加 ついか する必要 ひつよう がある。また、これにより、年代 ねんだい や地方 ちほう 性 せい などが検出 けんしゅつ されることもある(「歩 ある いて」を「歩 ふ って」と表現 ひょうげん するなど)。
また、s 音 おと 末尾 まつび の五 ご 段 だん 活用 かつよう 動 どう のうち「漢字 かんじ 一 いち 字 じ + s音 おと 」は「サ変 さへん 」、「漢字 かんじ 一 いち 字 じ +z+i音 おと 」は「ザ変 へん 」との交絡があるため、「愛 あい す/愛 あい する」「感 かんじ ず/感 かん じる/感 かん ずる」のような表現 ひょうげん に対応 たいおう を要 よう す/要 よう する 。[注 ちゅう 7] という。
現代 げんだい 語 ご では連用形 れんようけい 「~く」と連体 れんたい 形 がた 「~い」があるが、文語 ぶんご では連用形 れんようけい 「~く」と連体 れんたい 形 がた 「~き」以外 いがい に終止 しゅうし 形 がた 「~し」がある。
活用 かつよう 型 がた としては a 音 おと 末 まつ 、o・u 音 おと 末 まつ 、i音 おと 末 まつ 、si 音 おん 末 まつ 、e 音 おと 末 まつ がある。a 音 おと 末 まつ を o・u 音 おと 末 まつ と別 べつ 立 だ てにしたのは「赤 しゃっ く/赤 あか う」「高 たか く/高 たか う」などの例 れい があり、「ありがとう」「おめでとう」「もったいのう」など、定型 ていけい 表現 ひょうげん に含 ふく まれていて出現 しゅつげん 頻度 ひんど が高 たか いからである。
ただし計量 けいりょう 言語 げんご 学 がく による検証 けんしょう によれば i 音 おと 末 まつ は「みみっちい」ほか数 すう 語 ご (「ずるっちい」「ばっちい」「ばばっちい」)があるのみであり、e 音 おと 末 まつ も「かそけし」「さやけし」「猛 たけし し」「むくつけし」等 とう が文藝 ぶんげい 的 てき 表現 ひょうげん として遺 のこ っているのみである。数 かず が少 すく なく、現代 げんだい 語 ご の活用 かつよう と一致 いっち しないため、活用 かつよう 形 がた そのものをデータテーブル(=辞書 じしょ )に登録 とうろく することが日本語 にほんご 処理 しょり の分野 ぶんや では行 おこな われることがある。『新 しん 明解 めいかい 国語 こくご 辞典 じてん 』(三省堂 さんせいどう 、第 だい 七 なな 版 はん )によれば、形容詞 けいようし の活用 かつよう 形 がた は
未然 みぜん 形 がた 「かろ」(「う」は含 ふく めない)
連用形 れんようけい 「く」(用言 ようげん 、たとえば「なる」や助詞 じょし 「て」に接続 せつぞく する)
連用形 れんようけい 「かっ」(「た」は活用 かつよう 語尾 ごび に含 ふく めない)
終止 しゅうし 形 がた 「し」で言 い いきる。
連体 れんたい 形 がた (体言 たいげん に接続 せつぞく し、助動詞 じょどうし 「ようだ」「ような」に接続 せつぞく する)
仮定 かてい 形 がた (助詞 じょし 「ば」に接続 せつぞく する)
命令 めいれい 形 がた 「かれ」
の七 なな 種 しゅ に分類 ぶんるい されている。
助動詞 じょどうし 「です」(「だ」「である」)「ます」も活用 かつよう するが、不規則 ふきそく であるため、活用 かつよう 表 ひょう (データテーブル)そのものを活用 かつよう 型 がた と考 かんが えることが日本語 にほんご 処理 しょり においては行 おこ なわれる。
「だ」を助詞 じょし あるいは形態素 けいたいそ に含 ふく めず、形容動詞 けいようどうし に接続 せつぞく する助詞 じょし とみる立場 たちば もある。その場合 ばあい 、
未然 みぜん 形 がた 「だろ」
連用形 れんようけい 「で」「に」
連用形 れんようけい 「だっ」(「た」、「て」)に接続 せつぞく する
終止 しゅうし 形 がた 「だ」
連体 れんたい 形 がた 「な」
仮定 かてい 形 がた 「なら」
の六 ろく 種 しゅ に分類 ぶんるい されている。
ただし、「です」「である」および「である」の「ある」や「ない」との交絡があり、確定 かくてい 的 てき ではない。日本語 にほんご 処理 しょり の分野 ぶんや では、
未然 みぜん 形 がた 「でしょう」「だろう」「では(「ある」「ない」に接続 せつぞく するので、扱 あつか いとしては連用形 れんようけい )」「であろう」は「ある」の活用 かつよう 形 がた 。
連用形 れんようけい 「でして」「で」。
連用形 れんようけい 「だっ」(「て」「た」)に接続 せつぞく し、連用形 れんようけい ・連体 れんたい 形 がた になる。
終止 しゅうし 形 がた 「です」「だ」
連体 れんたい 形 がた 「でした」「だった」。「で・あった」は動詞 どうし 「ある」から派生 はせい 。
仮定 かてい 形 がた 「ある」の仮定 かてい 形 がた から「あらば」「あれば」になる。
命令 めいれい 形 がた 「あれ」の命令 めいれい 形 がた から「であれ」になる。
といった扱 あつか いがされていたりするが、トレードシークレット に関 かか わる問題 もんだい でもあり、ほとんど企業 きぎょう 内部 ないぶ からは出 で てこない。
なお、「活用 かつよう 語尾 ごび か形態素 けいたいそ か接尾 せつび 辞 じ か」の分類 ぶんるい について議論 ぎろん になっており、「助動詞 じょどうし 」と呼称 こしょう されているものには以下 いか のようなものがある。
未然 みぜん :「う」「よう」
打 だ 消 けし :「ぬ」「ん」「ず」「ない」
被 ひ 動 どう ・尊敬 そんけい :「れる」「られる」
使役 しえき :「せる」「させる」「しむ」「しめる」
可能 かのう :「れる」「られる」
丁寧 ていねい :「ます」
連体 れんたい (言 い いきりとして終止 しゅうし に含 ふく めることもある):「た」「だ」)
「たい」「たがる」 - 「たい」は欲求 よっきゅう 、「がる」は表出 ひょうしゅつ
伝聞 でんぶん ・様態 ようたい :「そうだ」
「ようだ」「みたいだ」
「らしい」
述語 じゅつご :「だ」「です」(いわゆる形容動詞 けいようどうし の活用 かつよう 語尾 ごび として扱 あつか われることもある)
禁止 きんし :「な」
「まい」「まじ」
詳細 しょうさい は接尾 せつび 辞 じ の項 こう を参照 さんしょう のこと。
文語 ぶんご 「なり」「たり」も活用 かつよう するが、「たり」は「と・あり」の省略形 しょうりゃくけい なので、動詞 どうし 「あり」と同 おな じ。いわゆる「タルト」活用 かつよう (「堂々 どうどう たる」など)は、「と・あり」から派生 はせい したため、やや不規則 ふきそく である。同 おな じく形容動詞 けいようどうし に分類 ぶんるい されるもののうち、「複雑 ふくざつ 」などは「~な」「~に」と活用 かつよう されると学校 がっこう 文法 ぶんぽう では教 おし えられるが、単 たん に助詞 じょし と考 かんが えたほうが文法 ぶんぽう 記述 きじゅつ が簡単 かんたん になることが日本語 にほんご 処理 しょり の分野 ぶんや では知 し られている。
接尾 せつび 辞 じ の「使役 しえき 、可能 かのう 、尊敬 そんけい ・受動 じゅどう 」を表 あらわ す形態素 けいたいそ は、動詞 どうし の活用 かつよう 形 がた と同 おな じである。ただし、運用 うんよう 上 じょう においては相互 そうご 作用 さよう とも謂 いい える相関 そうかん 関係 かんけい があり、「書 か かせる」は正 せい だが「書 か かす」は規範 きはん 文法 ぶんぽう 上 うえ は不正 ふせい (というか、「俗 ぞく 」)とされるが、「書 か かせられる」よりも「書 か かされる」のほうが自然 しぜん であるという意見 いけん もある。使役 しえき の形態素 けいたいそ 「-sase-」と「-sas-」の用法 ようほう の違 ちが いについては、「日本語 にほんご ネイティブにとっては分 わ かりきったこと」なので、国語 こくご 教育 きょういく においてはほとんど問題 もんだい にはされない。日本語 にほんご 教育 きょういく においてはある程度 ていど 重要 じゅうよう な点 てん ではあるので、強調 きょうちょう はしておきたい。
^ 両者 りょうしゃ の相互 そうご 関係 かんけい については不明 ふめい である。
^ 下 した 一 いち 段 だん という名 な は林 はやし 圀雄 『詞 し の緒 いとぐち 環 たまき 』によって造 つく られ、中 ちゅう 二 に 段 だん の名称 めいしょう はのちに黒沢 くろさわ 翁 おう 満 みつる 『言霊 ことだま 指南 しなん 』によって上 うえ 二 に 段 だん に改 あらた められた。
^ いわゆる「八 はち 衢派」と称 しょう される国学 こくがく 者 しゃ の研究 けんきゅう である。
^ これは中世 ちゅうせい の「体 からだ 」「用 よう 」「てにをは」以来 いらい の伝統 でんとう を継承 けいしょう するものである。
^ ただし品詞 ひんし 分類 ぶんるい においては一応 いちおう 解決 かいけつ したが、文 ぶん の扱 あつか いにおいては課題 かだい が残 のこ った。
^ 月刊 げっかん 『言語 げんご 』(大修館書店 たいしゅうかんしょてん )の1992年 ねん 1月 がつ 号 ごう ・3月 がつ 号 ごう ・5月 がつ 号 ごう の『言語 げんご 空間 くうかん 』欄 らん において議論 ぎろん がある。
^ 「る」を名詞 めいし として登録 とうろく してこれを回避 かいひ するという手法 しゅほう があるが、辞書 じしょ 管理 かんり 者 しゃ がこれを削除 さくじょ してしまって製品 せいひん の回収 かいしゅう に至 いた った例 れい がある。
図書 としょ
論文 ろんぶん
辞書 じしょ 類 るい