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暗黒あんこくがい最後さいご

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暗黒あんこくがい最後さいご
監督かんとく 井上いのうえ梅次うめじ
脚本きゃくほん 井上いのうえ梅次うめじ
出演しゅつえんしゃ さん國連こくれん太郎たろう
丹波たんば哲郎てつろう
鶴田つるた浩二こうじ
高倉たかくらけん
梅宮うめみや辰夫たつお
安部あべとおる
佐久間さくま良子りょうこ
久保くぼ菜穂子なほこ
音楽おんがく 鏑木かぶらきはじめ
撮影さつえい 西川にしかわしょうまもる
製作せいさく会社かいしゃ 東映とうえい東京とうきょう撮影さつえいしょ
配給はいきゅう 東映とうえい
公開こうかい 日本の旗 1962ねん10がつ12にち
上映じょうえい時間じかん 104ふん
製作せいさくこく 日本の旗 日本にっぽん
言語げんご 日本語にほんご
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暗黒あんこくがい最後さいご』(あんこくがいさいごのひ)は、1962ねん公開こうかい日本にっぽん映画えいがさん國連こくれん太郎たろう主演しゅえん井上いのうえ梅次うめじ監督かんとく東映とうえい東京とうきょう撮影さつえいしょ製作せいさく東映とうえい配給はいきゅう併映へいえいけむかさ』(大川おおかわきょうぞう主演しゅえん松田まつだ定次さだじ監督かんとく)。

概要がいよう[編集へんしゅう]

日活にっかつから東映とうえいさそわれた時期じき井上いのうえ梅次うめじ監督かんとく手掛てがけたギャング映画えいが[1]主演しゅえんさん國連こくれん太郎たろうら、東映とうえい東京とうきょう撮影さつえいしょオールスターキャストえがく。井上いのうえ東映とうえいった『暗黒あんこくがい最大さいだいけつ』(1963ねん)、『暗黒あんこくがい大通おおどお』(1964ねん)とわせて「暗黒あんこくがいシリーズ」とぶケースもあるが[1][2]東宝とうほう日活にっかつ1950年代ねんだいなかばから1960年代ねんだいにかけて「暗黒あんこくがいシリーズ」「暗黒あんこくがいもの」を製作せいさくしている[3]

あらすじ[編集へんしゅう]

関東かんとうさか縄張なわばりをにぎるボスを株主かぶぬしにしたマル産業さんぎょうめぐ多彩たさい人物じんぶつみだれる。仙台せんだい刑務所けいむしょからマル産業さんぎょうぜん社長しゃちょう中部なかべ恭介きょうすけ出所しゅっしょ。マル産業さんぎょうげん社長しゃちょう星野ほしのつるいちろう子分こぶん中部ちゅうぶ襲撃しゅうげきめいじたが失敗しっぱい虎視眈々こしたんたん縄張なわばりをねら関西かんさいのボス・三鬼みきとおるはこのさわぎを子分こぶん上京じょうきょう芥川あくたがわ太郎たろう検事けんじ近代きんだい会社かいしゃ仮面かめんこうむったマル産業さんぎょうあくあばこうとする。また拳銃けんじゅう名手めいしゅ真木まき鉄雄てつお警部けいぶは、ほお暗黒あんこくがい潜入せんにゅう捜査そうさ開始かいしする[4]

スタッフ[編集へんしゅう]

出演しゅつえんしゃ[編集へんしゅう]

製作せいさく経緯けいい[編集へんしゅう]

企画きかく[編集へんしゅう]

企画きかく当時とうじ東映とうえい東京とうきょう撮影さつえいしょ以下いかひがしつまみ所長しょちょう岡田おかだしげる(のち、東映とうえい社長しゃちょう[5]1961ねん9月、ひがしつまみ所長しょちょう赴任ふにんした岡田おかだは、社会しゃかい映画えいががメインでたる映画えいがが1ほんもなかったひがしつまみ大鉈おおなたるい[6][7][8]古手ふるて監督かんとく一掃いっそうして[6][9]深作ふかさく欣二きんじ佐藤さとうじゅんわたる降旗ふるはた康男やすおといった新進しんしん気鋭きえい若手わかてしん東宝とうほうから石井いしい輝男てるお渡辺わたなべ祐介ゆうすけ瀬川せかわ昌治しょうじらをスカウトし[6][7][10]若手わかて中堅ちゅうけんとの混成こんせい改革かいかくすすめていく態勢たいせいった[11][12][13]路線ろせんとして最初さいしょ試行しこうしたのがモダンな「ギャングアクションシリーズ」で[13][14][15]ここから岡田おかだ標榜ひょうぼうする「不良ふりょうせい感度かんど映画えいがはじめるが[9]日活にっかつにいられなくなった井上いのうえ梅次うめじを「東映とうえいで4、5ほんらないか」とさそ[16]企画きかくしたのがほんさくとなる[1][5][16]ほんさくだいヒットして東映とうえいしん路線ろせん決定けっていけた[17]。このため井上いのうえは7ほん東映とうえい映画えいがった[16]

キャスティング・撮影さつえい[編集へんしゅう]

鶴田つるた浩二こうじは、岡田おかだしゅんふじひろししげる使つかって1960ねん東宝とうほうからいた[16][18]高倉たかくらけん岡田おかだ美空みそらひばりませたりチャンスをあたつづけてきたがなや[16][19][20]すで主演しゅえんさくおおかったものの、ほんさくのようにオールスター映画えいがになるとクレジットは2番手ばんてだった[21]くすぶつづける高倉たかくら岡田おかだ路線ろせん方向ほうこう転換てんかん企図きとし、アクションスターとしてほんさく出演しゅつえんさせた[16]鶴田つるた高倉たかくらなかわるいのにもかかわらず[20][22]岡田おかだなん共演きょうえんさせ[23]1963ねんの『人生じんせい劇場げきじょう 飛車ひしゃかく』のさい岡田おかだ仲直なかなおりの手打てうしきをさせている[23]高倉たかくらはここから仕事しごと好転こうてんしたといわれる[23]主演しゅえんさん國連こくれん太郎たろうはこの時期じき東映とうえいせきいていたが、さんこくもやはり鶴田つるたとは犬猿けんえんなか[1]当時とうじ大川おおかわひろし東映とうえい社長しゃちょうがごりしし、現場げんば一触即発いっしょくそくはつだったといわれる。この映画えいが最後さいご鶴田つるたさんこく共演きょうえんしていない。[1]梅宮うめみや辰夫たつおほんさく井上いのうえ監督かんとくられ[1]硬派こうは二枚目にまいめやくとして井上いのうえの「暗黒あんこくがいシリーズ」に出演しゅつえんしたが、岡田おかだ1964ねんの『悪女あくじょ』から、今日きょう梅宮うめみやイメージであるよる帝王ていおうプレイボーイてきやくキャラ変更へんこうさせている[2][24]

脚本きゃくほん[編集へんしゅう]

脚本きゃくほん井上いのうえ梅次うめじであるが、下書したがきは村尾むらおあきらいた[25][26]。それを岡田おかだ鶴田つるたからいて『ギャングたいGメン』(1962ねん)の脚本きゃくほんかせて大映だいえいからき、ギャングシリーズの脚本きゃくほんすうほん手掛てがけたのち、「日本にっぽん侠客きょうかくでんシリーズ」ととも東映とうえい任侠にんきょう路線ろせんさきがけとなった「博徒ばくとシリーズ」の脚本きゃくほん村尾むらお抜擢ばってきしている[25][26]

作品さくひん評価ひょうか[編集へんしゅう]

藤木ふじきTDCは、ほんさく実録じつろく路線ろせん傑作けっさく県警けんけいたい組織そしき暴力ぼうりょく』や『おおかみ』にいた警察けいさつVSやくざ」をえがいた作品さくひん嚆矢こうし位置付いちづけている[27]。 

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ a b c d e f 井上いのうえ梅次うめじまどした裕次郎ゆうじろうがいた ...映画えいがのコツ、人生じんせいのコツ』ネスコ、1987ねん、77-91ぺーじISBN 4-89036-724-1 
  2. ^ a b 梅宮うめみや辰夫たつおさん インタビュー 昭和しょうわキネマ横丁よこちょう - Part 2”. 2014ねん12月5にち時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2020ねん10がつ11にち閲覧えつらん
  3. ^ 深作ふかさく欣二きんじ山根やまね貞男さだお映画えいが監督かんとく深作ふかさく欣二きんじワイズ出版しゅっぱん、2003ねん、119ぺーじISBN 4-89830-155-X 
  4. ^ キネマ旬報きねまじゅんぽう』1962ねん10がつ下旬げじゅんごう、31、84-85ぺーじ 
  5. ^ a b 日本にっぽん映画えいが製作せいさくしゃ名鑑めいかん」『キネマ旬報きねまじゅんぽう』1966ねん3がつ上旬じょうじゅんごう、34ぺーじ 
  6. ^ a b c 岡田おかだしげるいなきわが映画えいが人生じんせい東映とうえいと、ともあゆんだ50ねん財界ざいかい研究所けんきゅうじょ、2001ねん、133-136ぺーじISBN 4-87932-016-1 岡田おかだしげる波瀾万丈はらんばんじょう映画えいが人生じんせい岡田おかだしげる自伝じでん角川書店かどかわしょてん、2004ねん、145-148ぺーじISBN 4-04-883871-7 
  7. ^ a b 東映とうえいキネマ旬報きねまじゅんぽう 2011ねんなつごう Vol.17 | 電子でんしブックポータルサイト 5-7ぺーじ Archived 2015ねん7がつ3にち, at the Wayback Machine.
  8. ^ 春日かすが太一たいち仁義じんぎなき日本にっぽん沈没ちんぼつ 東宝とうほうVS.東映とうえい戦後せんごサバイバル』新潮社しんちょうしゃ、2012ねん、102-103ぺーじISBN 978-4-10-610459-6 嶋崎しまざき信房のぶふさ小説しょうせつ 高倉たかくらけん 孤高ここう生涯しょうがいうえ任侠にんきょうへん)』音羽おとわ出版しゅっぱん、2015ねん、177-179、194-195ぺーじぺーじISBN 978-4-90100761-0 わたし新人しんじん時代じだい - 日本にっぽん映画えいがテレビプロデューサー協会きょうかい 吉田よしだいたる
  9. ^ a b 黒沢くろさわきよし四方田よもだいぬ吉見よしみ俊哉としやおおとりへん)「日本にっぽん映画えいがとやくざ、あるいは『不良ふりょうせい感度かんど映画えいが』の時代じだい 内藤ないとうまこと」『日本にっぽん映画えいがきている だいよんかん スクリーンのなかの他者たしゃ岩波書店いわなみしょてん、2010ねん、267-268ぺーじISBN 978-4-00-028394-6 
  10. ^ わたし東映とうえい』 x 中島なかじま貞夫さだお監督かんとくだいかいぜんかい証言しょうげん 製作せいさく現場げんばから映倫えいりんカット問題もんだい格好かっこう宣伝せんでん効果こうかむ』 岡田おかだしげる」『クロニクル東映とうえい:1947-1991』 1かん東映とうえい、1992ねん、174-175ぺーじ 佐藤さとう忠男ただおへん)『日本にっぽん映画えいがじん日本にっぽん映画えいが創造そうぞうしゃたち』日外にちがいアソシエーツ、2007ねん、122ぺーじISBN 978-4-8169-2035-6 山根やまね貞男さだおべいはら尚志ひさし『「仁義じんぎなきたたかい」をつくったおとこたち 深作ふかさく欣二きんじ笠原かさはら和夫かずお日本にっぽん放送ほうそう出版しゅっぱん協会きょうかい、2005ねん、131ぺーじISBN 4-14-080854-3 欲望よくぼうする映画えいが カツドウ岡田おかだしげる時代じだい」『キネマ旬報きねまじゅんぽう』2011ねん7がつ上旬じょうじゅんごう、50ぺーじ 東映とうえい不良ふりょうせい感度かんど映画えいが世界せかい」『映画えいが秘宝ひほう』、よういずみしゃ、2011ねん8がつ、44ぺーじ 
  11. ^ 山平やまひら重樹しげき任侠にんきょう映画えいが青春せいしゅんだった ぜん証言しょうげん伝説でんせつのヒーローとその時代じだい徳間書店とくましょてん、2004ねん、10-16、35ぺーじぺーじISBN 978-4-19-861797-4 
  12. ^ 石井いしい輝男てるお福間ふくま健二けんじ石井いしい輝男てるお映画えいがたましいワイズ出版しゅっぱん、1992ねん、117-120ぺーじISBN 4-948735-08-6 かつら千穂ちほ鈴木すずき尚之なおゆき」『にっぽん脚本きゃくほんクロニクル』あおじんしゃ、1996ねん、850ぺーじISBN 4-88296-801-0 
  13. ^ a b 東映とうえい50周年しゅうねんと『せんねんこい ひかる源氏物語げんじものがたり岡田おかだしげるインタビュー」『キネマ旬報きねまじゅんぽう』2001ねん12がつ上旬じょうじゅんごう、42-43ぺーじ 
  14. ^ 証言しょうげん 製作せいさく現場げんばから映倫えいりんカット問題もんだい格好かっこう宣伝せんでん効果こうかむ』 岡田おかだしげる」『クロニクル東映とうえい:1947-1991』 1かん東映とうえい、1992ねん、174-175ぺーじ 
  15. ^ 映画えいが監督かんとく深作ふかさく欣二きんじ』、111-114ぺーじ、「欲望よくぼうする映画えいが カツドウ岡田おかだしげる時代じだい」『キネマ旬報きねまじゅんぽう』2011ねん7がつ上旬じょうじゅんごう、67ぺーじ鈴木すずきのりぶん『トラック野郎やろう風雲ふううんろく国書刊行会こくしょかんこうかい、2010ねん、242-243ぺーじISBN 978-4-336-05234-6 歴史れきし東映とうえい株式会社かぶしきがいしゃ任侠にんきょう実録じつろく
  16. ^ a b c d e f 岡田おかだしげる波瀾万丈はらんばんじょう映画えいが人生じんせい岡田おかだしげる自伝じでん角川書店かどかわしょてん、2004ねん、148-152、180ぺーじぺーじISBN 4-04-883871-7 
  17. ^ キネマ旬報きねまじゅんぽう』1962ねん12がつ上旬じょうじゅんごう、84ぺーじ 
  18. ^ 松島まつしま利行としゆき風雲ふううん映画えいがじょうした講談社こうだんしゃ、1992ねん、130ぺーじISBN 4-06-206226-7 しゅんふじひろししげる山根やまね貞男さだお任侠にんきょう映画えいがでん講談社こうだんしゃ、1999ねん、92-94ぺーじISBN 4-06-209594-7 小説しょうせつ 高倉たかくらけん 孤高ここう生涯しょうがいうえ任侠にんきょうへん)』、191ぺーじ
  19. ^ 高倉たかくらけん Ken Takakura 1956-2014』文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう文春ぶんしゅんムック〉、2015ねん、168-169ぺーじISBN 978-4-16-008621-0 
  20. ^ a b 相原あいはらひとしけんさんをさがして 最後さいご銀幕ぎんまくスターがのこした言葉ことば」、日刊にっかんスポーツ、2015ねん2がつ16にち 
  21. ^ キネマ旬報きねまじゅんぽう』1962ねん11がつ上旬じょうじゅんごう、199ぺーじ 
  22. ^ 「マキノ雅裕まさひろ映画えいがかい内緒ないしょばなし(1)」『週刊文春しゅうかんぶんしゅん』、文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう、1981ねん9がつ3にちごう、139-142ぺーじ 
  23. ^ a b c 小説しょうせつ 高倉たかくらけん 孤高ここう生涯しょうがいうえ任侠にんきょうへん)』、224-225、235ぺーじ
  24. ^ 梅宮うめみや辰夫たつおインタビュー」『映画えいが秘宝ひほう』2014ねん11がつごうよういずみしゃ、78-79ぺーじ 
  25. ^ a b 任侠にんきょう映画えいが青春せいしゅんだった ぜん証言しょうげん伝説でんせつのヒーローとその時代じだい』、25-26ぺーじ
  26. ^ a b 風雲ふううん映画えいがじょう(した)』、83-109ぺーじ
  27. ^ 藤木ふじきTDC暴力ぼうりょく残酷ざんこく!エロス!ヤバイ日本にっぽん映画えいが2018 HISTORY 警察けいさつVSやくざ!東映とうえい実録じつろくモノの系譜けいふ」『映画えいが秘宝ひほう』2018ねん5がつごうよういずみしゃ、52ぺーじ 

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]