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中国ちゅうごく
繁体字はんたいじ
簡体字かんたいじ
発音はつおん記号きごう
標準ひょうじゅん中国語ちゅうごくご
漢語かんご拼音
ウェードしきch'i4
IPA[tɕʰî]
国語こくごマ字まじchih
マ字まじqi
きゃく
きゃく拼音hi
粤語
IPA[hēi]
粤拼hei3
閩南
閩南白話はくわkhì
閩東
ふくしゅうマ字まじ
ちゅう古音こおん
ちゅう古音こおんkhjì
上古じょうこおん
バクスター-
サガール
*[C.qʰəp-s]
日本語にほんご
しん字体じたい
きゅう字体じたい
Transcriptions
マ字まじ ki
朝鮮ちょうせん
ハングル
漢字かんじ
発音はつおん記号きごう
RRしきgi
MRしきki
ベトナム
クオック・グーkhí
ハンノム
タイ
タイลมปราณ
RTGSlmprāṇ
インドネシア
インドネシアchi
マレー
マレーchi
ビルマ
ビルマအသက်
IPAaasaat
ラーオ
ラーオຊີວິດ
フィリピン
タガログgi
モンゴル
モンゴルキリル文字もじхийг
モンゴル文字もじ ᠬᠡᠢ ᠶᠢ
発音はつおん記号きごう
SASM/GNCkhiig

: しげる: [ˈ] CHEE zh-qì.ogg )、また(き)とは、中国ちゅうごく思想しそう道教どうきょうちゅう医学いがく漢方かんぽう医学いがく)などの用語ようごひとつ。一般いっぱんてき不可視ふかしであり、流動的りゅうどうてき運動うんどうし、作用さようをおこすとされている。しかし、凝固ぎょうこして可視かしてき物質ぶっしつとなり、万物ばんぶつ構成こうせいする要素ようそ定義ていぎする解釈かいしゃくもある。宇宙うちゅう生成せいせいろん存在そんざいろんでもろんじられた。

字解じかい語源ごげん[編集へんしゅう]

正字せいじは「」(異体いたい「炁」)。日本にっぽんでの略字りゃくじは「」、簡体字かんたいじでは「气」となる。

せつぶんかいでは「」は「饋客芻米也、したがえまい气聲。」とし、だんだまさいちゅうでは「气氣古今ここん以氣ためくも气字、乃又さく餼爲廩氣矣。气本くも气、引伸ため凡气偁。」という。雲気うんきであった气が本字ほんじで、芻米のの「」がおとどおりでつかわれるようになった、その意味いみ雲気うんき意味いみからの派生はせいであるというのである。

また、同様どうようせつぶんでは「气」は「くも气也、象形しょうけい」とある。しかし、雲気うんき意義いぎから気息きそく意義いぎされるというのはややかいしがたい。また「」は「愾」であり、「氣息きそく」のであるという字書じしょもあるため、すくなくとも気息きそく意義いぎ本来ほんらい意義いぎであったとみなすべきであるとおもわれる。(「一語いちご辞典じてん 参照さんしょう

概説がいせつ[編集へんしゅう]

英語えいごAura(アウラ)ラテン語らてんごspiritus(スピリトゥス)ギリシアΨυχήpsycheプシュケー)、πぱいνにゅーεいぷしろんμみゅーαあるふぁpneumaプネウマ)、ヘブライruahルーアハ)、あるいはサンスクリットpranaプラーナ)とおなじく、生命せいめいりょくせいなるものとしてとらえられた気息きそく、つまりいき概念がいねんがかかわっている。しかしそうした霊的れいてき生命せいめいてき気息きそく概念がいねんが、雲気うんき水蒸気すいじょうき区別くべつされずにとらえられた大気たいき概念がいねんとひとつのものであるとみなされることによってはじめて、思想しそうじょう概念がいねんとしての「」が成立せいりつする。

くも大気たいき凝結ぎょうけつとしてとらえられ、ふう大気たいき流動りゅうどうであり、そのおな大気たいき呼吸こきゅうされることで体内たいない充満じゅうまんし、循環じゅんかんして、身体しんたい賦活ふかつする生命せいめいりょくとしてはたらく。つまり、ミクロコスモスである人間にんげん身体しんたい呼吸こきゅうとマクロコスモスである自然しぜん気象きしょうとのあいだに、大気たいきつうじて、ダイナミックな流動りゅうどうせいとしての連続れんぞくせい対応たいおう見出みいだし、そこに霊的れいてき生命せいめいてき原理げんりるというアイディアが、という概念がいねん原型げんけいなのである。

一方いっぽうでは人間にんげんいきをすることできているという素朴そぼく経験けいけん事実じじつから、人間にんげん内側うちがわからたし、それにものとしての勢力せいりょく元気げんきあたえている、あるいはそもそもかしているものが気息きそくであるという概念がいねんまれる。そしてまたそこには、精神せいしんせい霊的れいてき次元じげんも、生命せいめいてき次元じげん区別くべつされずにふくまれている。ただし、精神せいしんてき次元じげんは、後代こうだいには概念がいねんによって総括そうかつされ、生命せいめいてきちからとしてのニュアンスのほうがつよまっていく。

他方たほうでは、いき大気たいき連続れんぞくてきなものであるから、気象きしょう、すなわち天気てんきなどの自然しぜん流動りゅうどうとも関係付かんけいづけられ、その原理げんりであるともかんがえられていく。自然しぜんのマクロな事象じしょう動的どうてき原理げんりとしての大気たいきという経験けいけんてき事実じじつから、大気たいきにかかわる気象きしょう関連かんれん現象げんしょうだけでなく、あらゆる自然しぜん現象げんしょうも、ひとつの流動りゅうどう離合りごう集散しゅうさんによって説明せつめいされる。この次元じげんではアルケーとしてのエーテルである。

この霊的れいてき生命せいめいりょくとして把握はあくされた気息きそくであり、かつ万象ばんしょう変化へんか流動りゅうどう原理げんりでもあるという原点げんてんから、ついには、生命せいめいりょくあたえるエネルギーてきなものであるのみならず、もの素材そざいてき基礎きそ普遍ふへんてき媒質ばいしつとまでそうがくではかんがえられるようになった。

こうした由来ゆらいゆえに、は、一方いっぽうでは霊的れいてき生命せいめいてき動的どうてき原理げんりとしての形而上けいじじょうてき側面そくめんをもちながら、他方たほうでは、具体ぐたいてき普遍ふへんてき素材そざい(ヒュレー)てき基体きたいでありかつ普遍ふへんてきなエーテルてき媒質ばいしつであるがゆえに、物質ぶっしつてき形而下けいじかてき側面そくめんつというじゅうせいつことになった。は、もの宿やどり、それをうごかすエネルギーてき原理げんりであると同時どうじに、そのもの構成こうせいし、素材そざいとなっている普遍ふへんてき物質ぶっしつでもある。したがって、たとえば一元論いちげんろんは、かならずしも唯物ゆいぶつろんとはいえない[1][2][3][4][5][6][7]

ちゅう医学いがく[編集へんしゅう]

ちゅう医学いがくにおけるはそのおも活動かつどう部位ぶいにより名称めいしょうことなっている。

はら元気げんき
母体ぼたいから腎臓じんぞう貯蓄ちょちくされる先天せんてんせい変化へんか生成せいせいしたもの。生命せいめい活動かつどう原動力げんどうりょくとなる。はらは、ちゅうこげからもたらされる後天こうてんせいにより補給ほきゅう臍下丹田せいかたんでんかげ交穴うみあな石門せきもんあなせきもとあなのあたり)にあつまり、さんこげはたらきで経絡けいらくかいし、全身ぜんしんを循って、臓腑ぞうふ器官きかん組織そしき活力かつりょくあたえるものである。はら旺盛おうせいなら下腹かふくりがあって、体内たいない臓腑ぞうふ器官きかん力強ちからづよはたらくため、活気かっきがあってねばづよく、疾病しっぺいにもかかりにくい。はらおとろえると、下腹部かふくぶ軟弱なんじゃくとなり、臓腑ぞうふ器官きかんよわ障害しょうがいけやすくなるので、活動かつどう弱々よわよわしく、つかれやすく、えて、疾病しっぺいにかかりやすい。
そう
はいにおいて後天こうてんせいてんまじわって、むねちゅう膻中)にあつまるである。そうは、五臓ごぞうしんはい六腑ろっぷにおいてはさんこげうちうえこげ)と関係かんけいふかく、臓の活動かつどうささえているしんはくどう力強ちからづよく、規則正きそくただしくおこなわせたり、呼吸こきゅう発声はっせいをしっかりとさせる)である。そう不足ふそくすれば、呼吸こきゅう異常いじょうしょう短気たんきなど)がこったり、かたりごえちからがなくて、ほそくなったり、しんはくどうよわまったり、規律きりつせいうしなったり(みゃくゆいだいなど)する。
営気(さかえ
営気は、後天こうてんせいからられる陰性いんせいみずこく精気せいき)である。営気は、えき変化へんかさせて、とともにみゃくちゅうき、1にち人体じんたいを50かい以上いじょうも循って臓腑ぞうふ手足てあしなどの内外ないがいしょ器官きかん栄養えいようして、それらの活動かつどうささえる。
まもる
まもるは、後天こうてんせいからられる陽性ようせいみずこくの悍気)である。まもるは、みゃくがい素早すばやく循るで、とくからだひょうちかくで活動かつどうはだはだあたため(体温たいおん保持ほじ)、腠理をひらけ闔(皮膚ひふ収縮しゅうしゅく弛緩しかん)し、そとよこしまたいする防衛ぼうえいてき役割やくわりをしている。まもるは、昼間ひるま人体じんたいからだひょう)を25しゅうして、夜間やかん人体じんたいかげ体内たいない)を25しゅうする。まもるは営気とみを区別くべつするため日本語にほんごでは「えき」と場合ばあいもある。
正気しょうき
は、先天せんてん後天こうてんからなるもの。人体じんたい正常せいじょう活動かつどうささえるである。
  • 推動作用さよう - ひと成長せいちょう発育はついくや、一切いっさい生理せいりてき活動かつどうおよ新陳代謝しんちんたいしゃをするはたらきで、はらそう、営気、まもる臓腑ぞうふなどすべてのそなわっている。じん関係かんけいする。
  • ゆたか煦作よう - 臓腑ぞうふ器官きかんなどの一切いっさい組織そしきあたため、体温たいおん保持ほじするはたらきで、とくまもるはらじん関係かんけいふかい。
  • 防御ぼうぎょ作用さよう - からだひょうにおいて、そとよこしま侵入しんにゅう防御ぼうぎょするはたらきで、とくまもる関係かんけいふかい。
  • かた作用さよう - えき精液せいえきなどをつなぎめるはたらきで、みゃくがいにもれない(脾のかたみつる作用さよう))ようにしたり、あせ尿にょうがむやみにる(遺精いせいじんかた作用さよう)をふせいだりする。営気、まもる、脾気、じん関係かんけいふかい。
  • 気化きか作用さよう - せいに、えき変化へんかしたり、えきあせ尿にょうになって体外たいがい排泄はいせつするはたらきで、営気、まもるそう、脾気、はいじん関係かんけいふかい。
臓気
五臓ごぞうにおさまり、それぞれの経絡けいらく活動かつどうささえているである。
けい
経絡けいらくちゅう全身ぜんしんを循り、それぞれの経絡けいらく活動かつどうささえているである。
はたらかせるはたらきによってられた後天こうてんのことで、有無うむ重要じゅうよう影響えいきょうおよぼすとされ、診断しんだんじょうとくみゃく)も重要じゅうようされている。みゃくちゅうみゃくる。

ちゅう医学いがくにおける利用りよう[編集へんしゅう]

ちゅう医学いがく漢方かんぽう鍼灸しんきゅう気功きこうなどに分類ぶんるいされる。

漢方かんぽうくすりぜんなどをふくむ)は、生薬きぐすりなどを患者かんじゃ服用ふくようさせることで、臓器ぞうきのバランスをととのえ、経絡けいらくながれを改善かいぜんし、体内たいないながれをくして病気びょうき改善かいぜんさせる方法ほうほう

鍼灸しんきゅうは、経絡けいらくじょうにあるツボを刺激しげきし、ながれをととのえ、臓器ぞうき調整ちょうせいおこない、病気びょうき改善かいぜんさせる方法ほうほう

気功きこうは、つうじにくくなった経絡けいらくちゅうながれを、より直接的ちょくせつてき開通かいつうさせて病気びょうき改善かいぜんさせるとともに、患者かんじゃ自身じしん体内たいないながれをくしてバランスをはかれるように調整ちょうせいする方法ほうほうである。

道家どうか[編集へんしゅう]

戦国せんごく時代じだい末期まっき、『そう』では集合しゅうごう離散りさん万物ばんぶつ生成せいせい消滅しょうめつという変化へんかこしていると説明せつめいしている。また陰陽いんようという相反あいはんする性質せいしつをもったによって多様たよう世界せかい形作かたちづくられるとした。そして、上位じょういに「みち」という根元ねもとてき実在じつざいがあるとされ、『老子ろうし』42しょうの「道生どうしょういち 一生いっしょう せいさん さんなま萬物ばんぶつ 萬物ばんぶつかげ而抱河上かわかみこう註本では おき以爲(→みちいちしょうじ、いちしょうじ、さんしょうじ、さん万物ばんぶつしょうず。万物ばんぶつかげいていだき、冲気もってす)あいまって根元ねもとてき実在じつざいであるみち万物ばんぶつ構成こうせいするという宇宙うちゅう生成せいせいろんとなえられた。

一方いっぽう道家どうか思想しそうからはのち人体じんたいながれるへの着目ちゃくもくにより「仙人せんにん」の養生ようじょうじゅつとしてのしるべ引がまれた。これが近代きんだい中国ちゅうごくでは宗教しゅうきょうしょくはい気功きこうになる。

儒教じゅきょう[編集へんしゅう]

儒教じゅきょう経書けいしょ宇宙うちゅう生成せいせいろんあつかうのは『えきけい』のつてである。繋辞けいじうえでんには「太極たいきょくりょうよんぞう八卦はっけ」とあり、かんだいには「りょう」はかげに、宇宙うちゅう根元ねもとである「太極たいきょく」には春秋しゅんじゅうがくの「もと」の思想しそうからまれた「元気げんき」に措定そていされ、「元気げんき陰陽いんようよん万物ばんぶつ」というモデルが提出ていしゅつされた。

そうだいになると、しゅうあつしが「太極たいきょく」にもとづいて『太極たいきょく図説ずせつ』をあらわし、道教どうきょうの「きょく」をれて「きょく太極たいきょく陰陽いんようぎょう万物ばんぶつ化生かせい」の宇宙うちゅう生成せいせいろんとなえた。しゅうあつし頤はのちしゅによってげられることになるが、しゅ熹は道教どうきょうてきな「」をきらい、「きょくよりして太極たいきょくをなす」を「きょくにして太極たいきょく」と無理むりやりえている。

ちょうは、世界せかい万物ばんぶつ構成こうせいされており、世界せかいには離散りさんして流動りゅうどうしていて、凝固ぎょうこすると万物ばんぶつができるとかんがえた。またのありかたは人間にんげん道徳どうとくせいかかわり、流動りゅうどうせいたか本来ほんらいてきなありかたを「天地てんちせい」としてすぐれたものとし、凝固ぎょうこした現実げんじつてきなありかたを「気質きしつせい」としておとったものとした。

みなみそうしゅ熹はちょうほどほど融合ゆうごうして二元論にげんろんとなえた。世界せかいアプリオリ存在そんざいし、集合しゅうごう離散りさん秩序ちつじょづける法則ほうそく理法りほうび、さき主張しゅちょうした。しゅ熹は、人間にんげん離散りさんとし、いったん離散りさんしたもともどらないとかんがえた。しかし、弟子でしに「では、祖先そせん祭祀さいしはどうしておこなうのか」とただされ、これは朱子学しゅしがく重大じゅうだい理論りろんじょう欠陥けっかんとなった。

明代あきよ中期ちゅうきになるとさきたいして相即そうそくとなえられるようになり、条理じょうり(いわばイデアではなく形相ぎょうそう)とされるようになった。このようにろん一元論いちげんろんへと収束しゅうそくされていった。そして、きよしの戴震にいたってはによってしょうじるアポステリオリなものとされるにいたった。

日本にっぽんでは伊藤いとう仁斎じんさい同様どうよう主張しゅちょうとなえた。

武術ぶじゅつ[編集へんしゅう]

武術ぶじゅつでは、独自どくじの「」の概念がいねん理論りろんつ。日本にっぽん武道ぶどうでは合気道あいきどう有名ゆうめいだが、日本にっぽん武道ぶどう中国ちゅうごく武術ぶじゅつでは解釈かいしゃく若干じゃっかんちがいがある。

についてわかりやすくほかものつたえるため宗教しゅうきょうてきとらかた合体がったいさせた流派りゅうは門派もんぱ存在そんざいする。また、とおとう(とおあて)という相手あいて身体しんたい接触せっしょくせず相手あいてたお技術ぎじゅつ存在そんざいする。これははなれた相手あいててるといった技術ぎじゅつである。とおとうはなって相手あいて姿勢しせいくずしたのちゆみはなって射止いとめたとわれている。なお、同名どうめいとおとう)の遠距離えんきょり攻撃こうげきじゅつもある。

武術ぶじゅつにおけるとは、からだの「しんすじちから」、「ちから」、「重心じゅうしん移動いどうちから」といわれることがおおい。これらをきたえるため様々さまざま鍛錬たんれん中国ちゅうごく武術ぶじゅつではねりこう)をおこなう。また、「りきむ」とこごめすじちからはいってしまい、「ちから」を阻害そがいするためぎゃく効果こうかであるともされる。なおしんすじはたらかせても、「りきむ」かんじはく、「る」かんじがするだけである。

ねりこう基本きほん段階だんかいでは、相当そうとうちゅう医学いがくなどの理論りろん体系たいけいもとにしており、まずは健康けんこう目的もくてき中国ちゅうごく武術ぶじゅつはじめるひともいる。その典型てんけいなのが太極拳たいきょくけんであり、中国ちゅうごく政府せいふによりまとめられたじゅうよんしき太極拳たいきょくけん普及ふきゅうによって、太極拳たいきょくけん体操たいそうのようなもので武術ぶじゅつではないという誤解ごかいすらあるが、これは太極拳たいきょくけんという名前なまえだけがあまりにも有名ゆうめいになりすぎたためである(うちこぶし参照さんしょう)。太極拳たいきょくけんをはじめとする中国ちゅうごく武術ぶじゅつ流派りゅうはおおくは、はつ修得しゅうとくすることを入門にゅうもんしゃ目標もくひょうとしており、そのために単調たんちょうさとは裏腹うらはらに、つらい姿勢しせいでのねりこうかえかさねられる。

日本語にほんご表現ひょうげんとしての[編集へんしゅう]

日本語にほんごには「」という言葉ことば使つか表現ひょうげんがいくつかある。中国ちゅうごく哲学てつがく概念がいねんのうち、もの構成こうせい要素ようそ素材そざいとしての意味いみ用法ようほうはほとんどなく、「元気げんき」などの生命せいめいりょくいきおいの意味いみと、気分きぶん意思いし用法ようほうと、状況じょうきょう雰囲気ふんいき意味いみ用法ようほうなど、そうじて精神せいしんめんかんする用法ようほうおもである。になる、をつける、使つかう、く、さわる、る、をやる(セックスにおいてオルガスムスたっすること)、気合きあい、など。

なお、慣用かんようやまいから」の「」は、本来ほんらいは、中国ちゅうごく哲学てつがく伝統でんとう中国ちゅうごく医学いがくであるが、いまでは「気分きぶん」「元気げんき」などの意味いみわっている。

江戸えど時代じだい儒学じゅがくしゃで、日本にっぽん環境かんきょう保全ほぜん先駆さきがけとなった熊沢くまさわ蕃山ばんざんは、その理念りねんもととして「神気しんき」という概念がいねんかかげている[8]熊沢くまさわかた神気しんき中国ちゅうごくのようなながれや作用さようはなく、降雨こううによる湿潤しつじゅん空気くうき多様たよう植物しょくぶつつくアニミズムてき感覚かんかく[8]

問題もんだいてん[編集へんしゅう]

おも金銭きんせん授受じゅじゅふくまれる医療いりょうめんで、問題もんだいとなるケースがある。西洋せいよう医療いりょうには、「」という概念がいねんはないが、前述ぜんじゅつのようにちゅう医学いがく領域りょういきにおいて「」という概念がいねんあつかわれることがある。また気功きこう療法りょうほうにおいては概念がいねんくてはならないものである。

  • かく分野ぶんやによって都合つごう解釈かいしゃくがされており、統一とういつした概念がいねんがなく、曖昧あいまい存在そんざいとなっている。医学いがく分野ぶんやかぎっても、漢方かんぽうにおける「」と気功きこうでいう「」のあいだにはおおきな乖離かいりがある。
  • 凝固ぎょうこして可視かしてき物質ぶっしつという概念がいねんもあるが、数値すうちして測定そくていすることができなく、存在そんざい科学かがくてき証明しょうめいできていない。
  • 上記じょうきにも関連かんれんするが、科学かがくてき手法しゅほう解析かいせきされた学術がくじゅつ論文ろんぶん皆無かいむであること。[9]
  • 治療ちりょう指導しどうが、医師いし鍼灸しんきゅう以外いがいによってされるケースもすくなくないこと。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ DENG Yu, ZHU Shuanli, Deng Hai (2002). “Generalized Quanta Wave with Qi on Traditional Chinese Medecine”, Journal of Mathematical Medicine, 15(4), pp. 369-371.
  2. ^ DENG Yu, Zhu Shuanli, X. Peng, Deng Hai (2003). “Ration of Qi with Modern Essential on Traditional Chinese Medicine Qi: Qi Set, Qi Element”, Journal of Mathematical Medicine, 16(4).
  3. ^ 邓宇[Deng Yu]・しゅせんりつZhu Shuanli]・じょ彭[Xu Peng]・邓海[Deng Hai](2000)〈五行阴阳的特征与新英译[New Translator with Characteristic of Wu xing Yin Yang]〉《中国ちゅうごく中西なかにし结合杂志[Chinese Journal of Integrative Medicine]》20(12):987。
  4. ^ 邓宇[Deng Yu]・しゅせんりつZhu Shuanli]・じょ彭[Xu Peng]・邓海[Deng Hai](2000)〈五行阴阳的特征与新英译[Fresh Translator of Zang Xiang Fractal five System]〉《中国ちゅうごく中西なかにし结合杂志[Journal of Integrative Medicine]》(12):937。
  5. ^ 邓宇[Deng Yu]とう(1998)〈阴阳てき科学かがくほん质及数理すうりけん构〉《中国ちゅうごくちゅうもと础医がく杂志[Chinese Journal of basic medicine in traditional chinese medicine]》2:59-61。
  6. ^ 邓宇[Deng Yuとう(1999)〈ちゅうぶんかたちしゅうTCM Fractal Sets]〉《数理すうり药学杂志[Journal of Mathematical Medicine]》12:(3):264-265。
  7. ^ 邓宇[Deng Yu]・しゅせんりつZhu Shuanli]・じょ彭[Xu Peng]・邓海[Deng Hai](2000)〈经络英文えいぶんしん释译与实质[Essence and New Translator of Channels]〉《中国ちゅうごく中西なかにし结合杂志[Chinese Journal of Integrative Medicine]》20(8):615。
  8. ^ a b 上田うえだしん風水ふうすいという環境かんきょうがく: ながれる大地だいち』、のうやま漁村ぎょそん文化ぶんか協会きょうかい図説ずせつ中国ちゅうごく文化ぶんかひゃくはなだい15かん、2007ねん、182-195ぺーじISBN 978-4-540-03097-0
  9. ^ 医学いがく中央ちゅうおう雑誌ざっし検索けんさくしても2005ねん~2010ねん該当がいとうする論文ろんぶんは1けんのみである。
    • 定方さだかた美恵子みえこ山田やまだ幸子さちこ看護かんご療法りょうほうとしての気功きこう: その可能かのうせい模索もさくする」『日本にっぽん看護かんご技術ぎじゅつ学会がっかいだい7かんだい1ごう日本にっぽん看護かんご技術ぎじゅつ学会がっかい、2008ねん3がつ、34-36ぺーじNAID 40015971701

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]