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火災かさい警報けいほう

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

火災かさい警報けいほう(かさいけいほう)や火災かさい注意報ちゅういほう(かさいちゅういほう)は気象きしょう条件じょうけん火災かさい予防よぼうじょう危険きけんである場合ばあい市町村しちょうそんちょう発令はつれいする日本にっぽん警報けいほうである。根拠こんきょほう消防しょうぼうほうだい22じょう。ここでは「火災かさい気象きしょう通報つうほう(かさいきしょうつうほう)」についても説明せつめいする。

概要がいよう

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総務そうむしょう消防庁しょうぼうちょうによれば[1]火災かさい警報けいほう目的もくてきとして、「湿度しつどひく風速ふうそくだいである気象きしょう条件じょうけんしたでは、火災かさい発生はっせいしやすく、また、いったん発生はっせいした火災かさい延焼えんしょう拡大かくだいすることがおおく、人命じんめいあたえる危険きけんせい一段いちだんたかい。このような悪条件あくじょうけんにおいては、普段ふだんよりなお一層いっそう一般いっぱん注意ちゅういしん喚起かんきして、火災かさい発生はっせい未然みぜん防止ぼうしする必要ひつようがあるとともに、まんいち出火しゅっかした場合ばあいにも、その被害ひがい最小さいしょう限度げんどめるため、消防しょうぼう機関きかんをして特別とくべつ警戒けいかい体制たいせいをとらせる必要ひつようがある。」としている。すなわち、火災かさいきやすい気象きしょう条件下じょうけんかで、消防しょうぼう官署かんしょ火災かさいへの警戒けいかいげんにし、火災かさい予防よぼう火災かさいによる被害ひがい拡大かくだい防止ぼうし目的もくてきとした警報けいほうである。警報けいほうであるが発令はつれいしゃ市町村しちょうそんちょうであり、気象台きしょうだいではない。火災かさい警報けいほう発令はつれい市町村しちょうそん火災かさい予防よぼう条例じょうれい違反いはんした場合ばあい消防しょうぼうほう44じょう処罰しょばつされる。

火災かさい注意報ちゅういほうは、火災かさい警報けいほうことなって消防しょうぼうほうもとづく発令はつれいではなく、個々ここ市町村しちょうそん判断はんだんにより告示こくじとうもとづいて発令はつれいされるもので、その運用うんよう実態じったい火災かさい警報けいほう代用だいようであるなどまちまちであって、火災かさい警報けいほういたぜん段階だんかい情報じょうほうとして明確めいかく位置付いちづけられているわけではない[2]

法律ほうりつじょう根拠こんきょ

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以下いか消防しょうぼうほう22じょう規定きてい提示ていじする[3]

消防しょうぼうほうしょう

だい22じょう

1 気象庁きしょうちょう長官ちょうかん管区かんく気象台きしょうだいちょう沖縄おきなわ気象台きしょうだいちょう地方ちほう気象台きしょうだい長又ながまた測候そっこう所長しょちょうは、気象きしょう状況じょうきょう火災かさい予防よぼうじょう危険きけんであるとみとめるときは、その状況じょうきょうただちにその管轄かんかつする都道府県とどうふけん知事ちじ通報つうほうしなければならない。

2 都道府県とどうふけん知事ちじは、前項ぜんこう通報つうほうけたときは、ただちにこれを市町村しちょうそんちょう通報つうほうしなければならない。

3 市町村しちょうそんちょうは、前項ぜんこう通報つうほうけたときまた気象きしょう状況じょうきょう火災かさい予防よぼうじょう危険きけんであるとみとめるときは、火災かさいかんする警報けいほうはっすることができる。

4 前項ぜんこう規定きていによる警報けいほうはっせられたときは、警報けいほう解除かいじょされるまでのあいだ、その市町村しちょうそん区域くいきないものは、市町村しちょうそん条例じょうれいさだめる使用しよう制限せいげんしたがわなければならない

とされている。だい22じょうだい1こう以後いごことわりがなければ「だいなんこう」は「消防しょうぼうほうだい22じょう」の規定きていとする)で定義ていぎされているものが「火災かさい気象きしょう通報つうほう」であり、だい3こう定義ていぎされているものが「火災かさい警報けいほう」である[2]

火災かさい気象きしょう通報つうほう

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火災かさい気象きしょう通報つうほうは、市町村しちょうそんちょうおこな火災かさい警報けいほう発令はつれい支援しえん目的もくてき気象台きしょうだいとう発表はっぴょうされ(だい1こう)、 通報つうほう基準きじゅん担当たんとう気象台きしょうだい都道府県とどうふけん協議きょうぎによりさだめられている[2]。そのため、火災かさい気象きしょう通報つうほう通報つうほう基準きじゅん都道府県とどうふけんによってことなる。

れいとして、熊本くまもとけん火災かさい通報つうほう基準きじゅん提示ていじする[4]

気象きしょう警報けいほうとう定義ていぎおよ基準きじゅん

(7)火災かさい気象きしょう通報つうほう

火災かさい気象きしょう通報つうほうとは、消防しょうぼうほうもとづいて熊本くまもと地方ちほう気象台きしょうだいちょうが、気象きしょう状況じょうきょう火災かさい予防よぼうじょう危険きけんであるとみとめるときにその状況じょうきょうただちに知事ちじ通報つうほうするものである 知事ちじはこの通報つうほうけたときは 、ただちに、これを市町村しちょうそんちょう通報つうほうしなければならない。火災かさい気象きしょう通報つうほうおこな場合ばあい基準きじゅんは、つぎのとおりである。

実効じっこう湿度しつどが65パーセント以下いか最小さいしょう湿度しつどが40パーセント以下いか、かつ熊本くまもと最大さいだい風速ふうそくが7メートル をこえる見込みこみのとき。

火災かさい気象きしょう通報つうほう通知つうちから火災かさい警報けいほう発令はつれいまで

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火災かさい気象きしょう通報つうほうはまず、気象台きしょうだいから都道府県とどうふけん知事ちじへと通報つうほうされる(だい2こう)。市町村しちょうそんちょう都道府県とどうふけん知事ちじより火災かさい気象きしょう通報つうほうった場合ばあい、または気象きしょう状況じょうきょう火災かさい予防よぼうじょう危険きけんであると市町村しちょうそんちょうみとめる場合ばあい火災かさい警報けいほう発令はつれいできる(だい3こう[1][2]後者こうしゃ実際じっさい発表はっぴょう基準きじゅん条例じょうれい消防しょうぼう本部ほんぶ火災かさい警報けいほう発令はつれい基準きじゅんさだめられていることがおおい。そのため、発令はつれい基準きじゅん市町村しちょうそん消防しょうぼう本部ほんぶによりことなる。

火災かさい警報けいほう発表はっぴょうした場合ばあい市町村しちょうそんちょう住民じゅうみんにそのむね伝達でんたつしなければならない(災害さいがい対策たいさく基本きほんほうだい56じょう[1]。また、その市町村しちょうそん区域くいきないものは、市町村しちょうそん条例じょうれいさだめる使用しよう制限せいげんしたがわなければならない(だい4こう[1]。この条例じょうれい火災かさい予防よぼう条例じょうれいあん)」(昭和しょうわ36ねん11月22にち けしかぶとはつだい73ごう 消防庁しょうぼうちょう長官ちょうかん通知つうちじゅんじてかく市町村しちょうそん条例じょうれいされている。

具体ぐたいれいとして、福島ふくしまけんいわきのいわき火災かさい予防よぼう条例じょうれいだい29じょう提示ていじする[5]

いわき火災かさい予防よぼう条例じょうれいだい29じょうしょう

  1. 山林さんりん原野げんやとうにおいて火入ひいれをしないこと

  2. 煙火えんか花火はなび)をおこなわないこと

  3. 屋外おくがい火遊ひあそびやたきをしないこと

  4. 屋外おくがいにおいて、えやすいものの付近ふきん喫煙きつえんをしないこと

  5. 山林さんりん原野げんやとうにおいて、屋外おくがい喫煙きつえんしないこと

  6. 残火ざんか(たばこのがらふくむ。)、取灰とりばいまた始末しまつすること

  7. 屋内おくないにおいてはだか使用しようするときは、まど出入口でいりぐちとうじておこなうこと

火災かさい警報けいほう発令はつれい基準きじゅん

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れいとして、埼玉さいたまけん三郷みさと三郷みさと消防しょうぼう本部ほんぶ火災かさい警報けいほう発令はつれい基準きじゅん提示ていじする[6]

火災かさい警報けいほう発令はつれい基準きじゅん規程きていしょう

だい2じょう 気象きしょう状況じょうきょうつぎ基準きじゅん該当がいとうし、火災かさい発生はっせいおよ延焼えんしょう拡大かくだい危険きけんきわめてだいであるとみとめる場合ばあいは、火災かさい警報けいほう発令はつれいし、平常へいじょう気象きしょうふくしたときは解除かいじょする。

(1) 実効じっこう湿度しつどが55パーセント以下いか最少さいしょう湿度しつどが25パーセント以下いかになったとき。

(2) 実効じっこう湿度しつどが60パーセント以下いか最少さいしょう湿度しつどが30パーセント以下いかとなり、最大さいだい風速ふうそく毎秒まいびょう10メートルをえる見込みこみのとき。

(3) 風速ふうそく毎秒まいびょう12メートル以上いじょうかぜが1時間じかん以上いじょう連続れんぞくして見込みこみのとき。

火災かさい警報けいほう発令はつれい基準きじゅんは「消防しょうぼう信号しんごうあつかいについて」(昭和しょうわ24ねんこくけしかんはつだい136ごう)にしたがい、地域ちいき実情じつじょうまえて制定せいていされている[1][7]

消防しょうぼう信号しんごうあつかいについて」(昭和しょうわ24ねんこくけしかんはつだい136ごう)(しょう

実効じっこう湿度しつどが60%以下いか最低さいてい湿度しつどが40%をくだり、最大さいだい風速ふうそくが7mをえる見込みこみのとき。

平均へいきん風速ふうそく10m以上いじょうかぜが1時間じかん以上いじょう連続れんぞくして見込みこみのとき。

それぞれの地域ちいき気象きしょう消防しょうぼうりょくその特殊とくしゅ実情じつじょうもとづき、上記じょうき基準きじゅんことなる基準きじゅんもうけてつかえない。

火災かさい注意報ちゅういほう

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火災かさい気象きしょう通報つうほう火災かさい警報けいほうのほかに火災かさい危険きけんかんして注意ちゅういうなが情報じょうほうとしては、おも気象台きしょうだい発表はっぴょうする乾燥かんそう注意報ちゅういほう強風きょうふう注意報ちゅういほう市町村しちょうそん発令はつれいする火災かさい注意報ちゅういほうがある。

火災かさい気象きしょう通報つうほう気象台きしょうだいから行政ぎょうせい機関きかんたいしてのみ通報つうほうされるのにたいし、乾燥かんそう注意報ちゅういほう強風きょうふう注意報ちゅういほうはマスコミとうつうじて一般いっぱんけても発表はっぴょうされる。また、降雨こうう降雪こうせつとう場合ばあいのぞいて、乾燥かんそう注意報ちゅういほう強風きょうふう注意報ちゅういほう発表はっぴょうされるような状況じょうきょうにおいては、火災かさい気象きしょう通報つうほう発表はっぴょうされることがおお[2]。しかしながら、火災かさい注意報ちゅういほう警報けいほう一般いっぱんてき消防しょうぼう防災ぼうさい行政ぎょうせい無線むせんによる発表はっぴょうおおく、マスコミ発表はっぴょう一般いっぱんてきではないゆえ知名度ちめいどひくい。

しかしながら、火災かさい警報けいほう使用しよう制限せいげんともなうなど、住民じゅうみん生活せいかつきびしい制約せいやくすものであり、いきなりの火災かさい警報けいほう発令はつれい社会しゃかいてき影響えいきょうおおきくなることから、その発令はつれいまえ段階だんかい住民じゅうみんたい火災かさいへの注意ちゅういびかけるものとして、火災かさい注意報ちゅういほう位置付いちづけることが必要ひつよう、とされている[2]

罰則ばっそく規定きてい

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火災かさい警報けいほう発令はつれいちゅうに、使用しよう制限せいげん違反いはんした場合ばあい市町村しちょうそん火災かさい予防よぼう条例じょうれいだい29じょう、すなわち消防しょうぼうほうだい22じょうだい4こう違反いはんとなり消防しょうぼうほうだい44じょうだいじゅうさんごう該当がいとうする。消防しょうぼうほうだい44じょう規定きていにより20まんえん以下いか罰金ばっきんまた拘留こうりゅうしょされる。

脚注きゃくちゅう出典しゅってん

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  1. ^ a b c d e 火災かさい警報けいほう消防しょうぼうほうだい22じょう気象きしょう状況じょうきょう通報つうほうおよ警報けいほう発令はつれい” (PDF). 総務そうむしょう消防庁しょうぼうちょう. 2019ねん1がつ28にち閲覧えつらん
  2. ^ a b c d e f 林野りんや火災かさい有効ゆうこう低減ていげん方策ほうさく検討けんとうかい報告ほうこくしょ だいしょう 火災かさい気象きしょう通報つうほう火災かさい警報けいほう連携れんけい” (PDF). 消防しょうぼう防災ぼうさい博物館はくぶつかん. 2019ねん1がつ28にち閲覧えつらん
  3. ^ 消防しょうぼうほう平成へいせいさんじゅうねん法律ほうりつだいろくじゅうななごう改正かいせい”. 電子でんし政府せいふ総合そうごう窓口まどぐち e-Gov. 2019ねん1がつ29にち閲覧えつらん
  4. ^ 気象きしょう警報けいほうとう定義ていぎおよ基準きじゅん” (PDF). 熊本くまもとけん. 2019ねん1がつ29にち閲覧えつらん
  5. ^ 火災かさい警報けいほうをご存知ぞんじですか?”. いわき消防しょうぼう本部ほんぶ. 2019ねん1がつ28にち時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2019ねん1がつ28にち閲覧えつらん
  6. ^ 火災かさい警報けいほう発令はつれい基準きじゅん規程きてい 昭和しょうわ53ねん9がつ4にち きえほん訓令くんれいだい2ごう”. 三郷みさと消防しょうぼう本部ほんぶ. 2019ねん1がつ28にち閲覧えつらん
  7. ^ 消防しょうぼう信号しんごうとうかんする規則きそく”. 東京とうきょう神津島こうづしまむら. 2019ねん1がつ28にち閲覧えつらん

関連かんれん項目こうもく

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