目玉焼めだまやき

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調理ちょうり中ちゅうの目玉焼めだまやき。このまま焼やき上あげれば片面かためん焼やき (sunny-side up)、返かえせば両面りょうめん焼やき (turn over)。

目玉焼めだまやき（めだまやき）は、卵たまご料理りょうりの1つで、平坦へいたんな鉄板てっぱんなどに卵たまごを割わり入いれて焼やいたものである。黄身きみと白身しろみが共ともに平ひら円えん状じょうとなり、見みた目めが目玉めだまのようになることからそう呼よばれる。

英語えいごでフライドエッグ（fried egg）と呼よばれるものに近ちかいが、油あぶらを引ひいた鉄板てっぱんで焼やかないものも目玉焼めだまやきと呼よぶ場合ばあいもあるため、必かならずしも同おなじものを指さす言葉ことばではない。

分類ぶんるい

焼やき方かたによる分類ぶんるい

片面かためん焼やき（サニーサイドアップ = sunny-side up）

片面かためんのみを焼やく方法ほうほう。加熱かねつ時間じかんにもよるが、表面ひょうめんに熱ねつが伝つたわりにくいため黄身きみの流動りゅうどう性せいが保たもたれやすい。

両面りょうめん焼やき（ターンオーバー = turn over）

調理ちょうりの途中とちゅうで卵たまごを裏返うらがえし、両面りょうめんを焼やく方法ほうほう。まんべんなく火ひが通とおるが、両面りょうめんに焼やけ跡あとが付つくため片面かためん焼やきのものとは見みた目めが異ことなる。調理ちょうり時間じかんを短縮たんしゅくするために意図いと的てきに黄身きみを壊こわすこともある。形状けいじょうが固定こていされるため扱あつかいやすく、サンドウィッチの具ぐにする際さいに向むいている。

オーバー・イージー（over easy）

白身しろみはやわらかく、黄身きみもほとんど液状えきじょう。オーストラリアなどではサニーサイドダウン（sunny-side down）という。アメリカではover easyが一般いっぱん的てき。

オーバー・ミディアム（over medium）

黄身きみは半熟はんじゅく。

オーバー・ハード（over hard）

黄身きみまで固かた焼やき。オーバー・ウェル（over well）ともいう。

ベイステッド（basted egg）

裏返うらがえしは行おこなわないが、熱ねっした油あぶらを掬すくいかけることで表面ひょうめんからも加熱かねつする調理ちょうり法ほう。黄身きみの表面ひょうめんは膜まくを貼はったように白しろく変色へんしょくする。少量しょうりょうの水みずを加くわえ、蓋ぶたをして蒸むし焼やきにしたものもこう呼よばれる。

焼やき加減かげんによる分類ぶんるい

半熟はんじゅく

火ひを半分はんぶんほど通とおしたもの。半分はんぶん生なまであるため、生なま卵たまごに近ちかい滑なめらかな喉越のどごしを味あじわえる。

固かた焼やき

火ひを完全かんぜんに通とおしたもの。弁当べんとうなどにも使用しようする。

作つくり方かた

二に玉たまの目玉焼めだまやき

目玉焼めだまやきそのものは至極しごく単純たんじゅんな料理りょうりで、料理りょうりの初心者しょしんしゃが最初さいしょに作つくる料理りょうりとしても最適さいてきであり、小学校しょうがっこうの家庭かてい科かの調理ちょうり実習じっしゅうにおいて「最初さいしょのメニュー」として定番ていばんである。しかし一方いっぽうで、単純たんじゅんであるだけに美味おいしく見栄みばえよく作つくるには熟練じゅくれんを要ようする。

また、焼やき方かた・焼やき加減かげん・使用しようする調味ちょうみ料りょうによって、目玉焼めだまやきにも多おおくの種類しゅるいが存在そんざいする。

一般いっぱん的てきな作つくり方かた

1. フライパンにサラダ油さらだゆなどの油あぶらを熱ねっし、暖あたたまったところで弱火よわびにしてから、生なま卵たまごを割わり入いれる。樹脂じゅし加工かこうのフライパンならば、油あぶらをひかずに弱火よわびで焦こげないように加熱かねつしてもよい。
2. 塩しお・コショウを振ふって、味付あじつけする。
3. 少量しょうりょうの水みずを入いれて蓋ぶたをして、弱火よわびで2分ふんほど蒸むらして焼やき上あげると、短時間たんじかんで焼やきあがる。
4. カリカリした食しょく感かんに仕上しあげたい場合ばあいは、フライパンを強火つよびで加熱かねつしながら多おおめの油あぶらがかぶるように焼やき上あげると、白身しろみが焦こげて香こうばしさが味あじわえる。焦こげ付つかないよう鍋なべに油あぶらをなじませるのがコツであるが、鉄てつのフライパンなどではそれなりの技術ぎじゅつが必要ひつようである。

ホテル風ふうの目玉焼めだまやき

高級こうきゅうホテルのモーニングとして出だされるような目玉焼めだまやきにするには、下記かきのようなレシピで作つくると美味おいしく出来上できあがる。ツルツルした触感しょっかんと濃厚のうこうでコクのある風味ふうみ、コンパクトで焦こげ目めのない黄身きみの鮮あざやかな、見栄みばえの良よい目玉焼めだまやきを実現じつげんできる。

1. 冷蔵庫れいぞうこから取とり出だしたら、30秒びょうほど水みずに入いれて常温じょうおんに戻もどす。
2. 卵たまごを割わり、網目あみめの細こまかいザルに入いれて、卵たまごの水気みずけを取とる。
3. 熱ねっしたフライパンを弱火よわびにしたら、ごく少量しょうりょうのバター(マヨネーズでも可か)を入いれる。
4. 溶とかしたバターに、あらかじめ塩しおコショウを軽かるく振ふっておく。
5. 充分じゅうぶんに熱ねっしたフライパンに、低ひくい位置いちから卵たまごを投入とうにゅうする。
6. 卵たまごを入いれてすぐに、黄身きみが真まん中なかにくるよう手てでつまんで数すう秒びょうほど抑おさえる。
7. 水みずは入いれず、蓋ぶたをして「極ごく弱火よわび」で3～4分ふんほどかけてじっくり焼やく。

オーブン調理ちょうり

耐たい熱ねつ容器ようき・金属きんぞく容器ようき・アルミホイル等ひとしに卵たまごを割わり入いれて、オーブンの熱源ねつげんによって焼やく調理ちょうり法ほうもある。英語えいごではベイクトエッグあるいはシャードエッグと呼よばれる別べつの料理りょうりであるが、これを「目玉焼めだまやき」に含ふくめることもある。

電子でんしレンジ調理ちょうり

電子でんしレンジを使用しようし、その電磁波でんじはにより加熱かねつさせる方法ほうほうもある。しかし、電子でんしレンジの出力しゅつりょくや使用しようする容器ようきの形状けいじょう、卵たまごのサイズ・量りょうによって加熱かねつ時間じかんをうまく調節ちょうせつしないと卵たまごが破裂はれつしやすくなるため、注意ちゅういを要ようする。

これを防止ぼうしするには、割わった生なま卵たまごを一度いちど容器ようきに移うつし替かえて黄身きみの部分ぶぶんに小ちいさな穴あなを空あけ、ラップを掛かけてから電子でんしレンジに入いれる方法ほうほうがある。他たに、容器ようきに卵たまごを割わり入いれた後のちに破裂はれつ防止ぼうしのため、卵たまごが浸ひたる量りょうの水みずを入いれて加熱かねつする調理ちょうり法ほうもある。また、電子でんしレンジ専用せんようで目玉焼めだまやき調理ちょうり用ように特とく化かした調理ちょうり器具きぐも存在そんざいする。

これらの調理ちょうり法ほうで作つくった目玉焼めだまやきは、通常つうじょう焼やき目めや焦こげ目めができないが、機能きのうを持もった電子でんしレンジ専用せんよう調理ちょうり器具きぐを使用しようすれば、焼やき目めや焦こげ目めのある目玉焼めだまやきを電子でんしレンジで作つくることが可能かのう。

食たべ方かた

• 目玉焼めだまやきは手早てばやく作つくれて栄養えいよう価あたいも高たかいことから、朝食ちょうしょくのメニューによく用もちいられる。

目玉焼めだまやきに使用しようする主おもな調味ちょうみ料りょう

味付あじつけには塩しお、胡椒こしょう、醤油じょうゆ、ウスターソース、トマトケチャップなど様々さまざまな調味ちょうみ料りょうが用もちいられる。味付あじつけをせず食たべる人ひともいるが、多おおくの場合ばあいは好このみにより調味ちょうみ料りょうを使用しようして食たべる。日本にっぽんにおいては醤油じょうゆ派はが多おおいが、国くにや地域ちいき、個人こじんの好このみによってまちまちである。バラエティ番組ばんぐみや雑誌ざっしのアンケートなどで、どの調味ちょうみ料りょうがどの地域ちいきで好このまれるかを調査ちょうさする企画きかくがしばしば見みられる※総務そうむ省しょう大臣だいじん官房かんぼう管理かんり室しつが主催しゅさいした「インターネット博覧はくらん会かい」における、「目玉焼めだまやきに何なにかける？」の2001年ねん5月2日にちから5月31日にちまで実施じっしされた投票とうひょうによる。

1. (54%) - 醤油じょうゆ
2. (16%) - 塩しお
3. (13%) - ソース

以下いかは、「コショウ」・「マヨネーズ」・「トマトケチャップ」・「なにもかけない」が続つづいている。

別べつのアンケート結果けっかでは、下記かきのような結果けっかとなっている。

1. 醤油じょうゆ（245票ひょう）
2. 塩しおこしょう（81票ひょう）
3. 塩しお（48票ひょう）
4. ウスターソース（39票ひょう）
5. マヨネーズ（27票ひょう）
6. とんかつソース（15票ひょう）
7. ケチャップ（14票ひょう）
8. こしょう（13票ひょう）
9. 何なにもかけない（12票ひょう）
10. お好このみ焼やきソース（2票ひょう）

付つけ合あわせに生なま野菜やさいや温ゆたか野菜やさいなどを添そえたりする。

応用おうよう料理りょうり・他た料理りょうり

ハムエッグ

目玉焼めだまやきを利用りようしたり、目玉焼めだまやきを応用おうようした料理りょうりも多おおい。焼やきそばや焼やきうどん、ハンバーグなどさまざまな料理りょうりの付つけ合あわせとして、多おおくの場合ばあい、メインとなる料理りょうりのうえに乗のせて利用りようされる。

ベーコンエッグ

焼やいた薄切うすぎりベーコンを添そえたもの。欧米おうべいでは油あぶらが抜ぬけてカリカリになるまで焼やくのが通例つうれいだが、日本にっぽんではベーコンにあまり火ひを通とおさず、卵たまごをかぶせるように割わり入いれることが多おおい。

ハムエッグ

ハムを用もちいてベーコンエッグと同様どうようの調理ちょうりを施ほどこしたもの。

目玉焼めだまやき丼どんぶり

米飯べいはんの上うえに載のせた丼物どんぶりもの。ベーコンエッグやハムエッグにする場合ばあいもある。鉄道てつどうの現場げんばでは、食堂しょくどう車しゃで車掌しゃしょう用ようの賄まかないメニューとされており、「ハチクマライス」と呼よばれていた。

他たに、荷に包つつみ蛋・ロコモコ・焼豚やきぶた卵たまご飯めし・ナシゴレン・ラピュタパン・横手よこてやきそば・天窓てんまどなど多数たすうがある。

付つけ合あわせ

目玉焼めだまやきだけだと見栄みばえがせず、栄養えいようバランスもとれないため、下記かきのような付つけ合あわせを加くわえることが望のぞましい。

• ハム、ベーコン、ソーセージ
• ブロッコリー・人参にんじんなどの温ゆたか野菜やさい
• レタス

目玉焼めだまやきの登場とうじょうする作品さくひん

家族かぞくゲーム

伊丹いたみ十三じゅうざの『女おんなたちよ!』所収しょしゅうのエッセイに「目玉焼めだまやきの正ただしい食たべ方かた」があり、白身しろみから食たべるか、黄身きみから食たべるか、黄身きみに白身しろみをつけて食たべるかの葛藤かっとうが描えがかれている。映画えいが『家族かぞくゲーム』の冒頭ぼうとうには伊丹いたみ自身じしんによるパロディがある。

美味おいしんぼ

日本にっぽんの漫画まんが『美味おいしんぼ』では、コミックス7巻かん収録しゅうろくの「黄身きみと白身しろみ」に「国際こくさい目玉焼めだまやき学会がっかい(IFEC)」なる架空かくうの学会がっかいが登場とうじょうし、作つくり方かたや食たべ方かたについて侃侃諤諤かんかんがくがくの討論とうろんが繰くり広ひろげられる。

目玉焼めだまやきの黄身きみ いつつぶす?

日本にっぽんの漫画まんが『目玉焼めだまやきの黄身きみ いつつぶす?』では、主人公しゅじんこうと恋人こいびとが目玉焼めだまやきの食たべ方かたをめぐって対立たいりつする様子ようすが描写びょうしゃされる。

VIVANT

2023年ねんのテレビドラマ『VIVANT』において、美味おいしい目玉焼めだまやきの作つくり方かたが説明せつめいされた。

関連かんれん項目こうもく

• サルモネラ菌さるもねらきん - 生食なましょくによる食中毒しょくちゅうどく
• 日章旗にっしょうき - 英語えいごの俗語ぞくごで、日章旗にっしょうきの事ことをfried egg と言いう。
• 貧乳ひんにゅう - 英語えいご（主おもにオーストラリア）の俗語ぞくごで、ペチャパイの事ことをfried egg と言いう。
• ドイツ十字じゅうじ章あきら - ナチス・ドイツ時代じだいに制定せいていされた戦功せんこう章しょうの一種いっしゅ。シュピーゲルアイ（Spiegelei、目玉焼めだまやきを意味いみするドイツ語ご）と俗称ぞくしょうされた。

外部がいぶリンク

• 全日本ぜんにほん目玉焼めだまやき学会がっかい
• 目玉焼めだまやき - きょうの料理りょうり（NHK）2006年ねん4月がつ3日にち放送ほうそう分ぶん