磐井いわい郡ぐん

• 令れい制せい国こく一覧いちらん > 東山ひがしやま道みち > 陸りく中国ちゅうごく > 磐井いわい郡ぐん
• 日本にっぽん > 東北とうほく地方ちほう > 岩手いわて県けん > 磐井いわい郡ぐん

岩手いわて県けん磐井いわい郡ぐんの範囲はんい

磐井いわい郡ぐん（いわいぐん）は、岩手いわて県けん（陸奥みちのく国こく・陸りく中国ちゅうごく）にあった郡ぐん。

郡ぐん域いき

1878年ねん（明治めいじ11年ねん）に行政ぎょうせい区画くかくとして発足ほっそくした当時とうじの郡ぐん域いきは、現在げんざいの一関いちのせき市し・西磐井にしいわい郡ぐん平泉ひらいずみ町まちおよび奥州おうしゅう市しの一部いちぶ（前沢まえさわ生母せいぼ）にあたる。

歴史れきし

近代きんだい以前いぜんの沿革えんかく

• 802年ねん（延のべ暦れき21年ねん）坂上田村麻呂さかのうえのたむらまろは造みやつこ胆沢いさわ城じょう使しとして、胆沢いさわ城しろの造営ぞうえいを開始かいし、同時どうじに周辺しゅうへん地域ちいきの支配しはい体制たいせいを確立かくりつ。804年ねん(延のべ暦れき23年ねん)に磐井いわい・胆沢いさわ・江刺えさしの「胆沢いさわ三さん郡ぐん」が成立せいりつした。10世紀せいき、磐井いわい郡ぐんは国府こくふ多賀城たがじょう領りょうに編入へんにゅうされた。
• 奥州おうしゅう合戦かっせん以降いこう、豊臣とよとみ秀吉ひでよしの奥州おうしゅう仕置しおきまで、奥州おうしゅう総そう奉行ぶぎょうに任にんじられた葛西かさい氏しの領地りょうちとなる。

近代きんだい以降いこうの沿革えんかく

• 1591年ねん（天正てんしょう19年ねん）に伊達だて政まさし宗むねの所領しょりょうとなり、江戸えど時代じだいを通つうじて仙台せんだい藩はんおよびその支ささえ藩はんである一関いちのせき藩はんの所領しょりょうであった。磐井いわい郡ぐんは86か村そんを擁ようする大だい郡ぐんであったため、これを東山ひがしやま・西にし岩井いわい・流りゅうの三さん区くに分割ぶんかつした。「旧きゅう高こう旧領きゅうりょう取調とりしらべ帳ちょう」によると、幕末ばくまつ時点じてんでは陸奥みちのく国こくに所属しょぞくし、49村むらが仙台せんだい藩はん領りょう、37村むらが一関いちのせき藩はん領りょうであった。

後ごの東磐井ひがしいわい郡ぐん域いき

所属しょぞく町村ちょうそんの変遷へんせんは東磐井ひがしいわい郡ぐん#郡ぐん発足ほっそくまでの沿革えんかく、を参照さんしょう

• 磐井いわい郡ぐん東山ひがしやま

（仙台せんだい藩はん領りょう 34ヵ村かそん）：舞まい草村くさむら、相川あいかわ村むら、薄衣うすぎぬ村むら、門崎かんざき村むら、松川まつかわ村むら、長坂ながさか村むら、田河津たこうづ村むら、曽慶そげい村むら、大原おおはら村むら、渋民しぶたみ村むら、猿沢さるさわ村むら、築館つきだて村むら、天狗てんぐ田村たむら、中川なかがわ村むら、鳥海とりうみ村むら、千厩せんまや村むら、濁にご沼ぬま村むら、黄海こうかい村むら、西口にしぐち村むら、藤沢ふじさわ村むら、新沼しんぬま村むら、増沢ますざわ村むら、砂子田すなごた村むら、保呂羽ほろわ村むら、大籠おおかご村むら、上うえ折壁おりかべ村むら、下した折壁おりかべ村むら、浜横沢はまよこさわ村むら、釘くぎ子こ村むら、津谷川つやがわ村むら、小島こじま村むら、長部ながべ村むら、赤あか生津なまづ村むら、母体もたい村むら

（一関いちのせき藩はん領りょう 12ヵ村かそん）：徳田とくだ村むら、南みなみ小梨おなし村むら、北きた小梨おなし村むら、清水しみず馬場うまば村むら、金田かねだ村むら、熊くま田倉たくら村むら、上うえ奥玉おくたま村むら、中ちゅう奥玉おくたま村むら、下した奥玉おくたま村むら、寺沢てらさわ村むら、摺沢すりさわ村むら、仏ふつ坂村さかむら

後ごの西磐井にしいわい郡ぐん域いき

所属しょぞく町村ちょうそんの変遷へんせんは西磐井にしいわい郡ぐん#郡ぐん発足ほっそくまでの沿革えんかくを参照さんしょう

• 磐井いわい郡ぐん西にし岩井いわい

（仙台せんだい藩はん領りょう 13ヵ村かそん）：山目やまのめ村むら、中里なかさと村むら、赤荻あかおぎ村むら、前ぜん堀村ほりむら、樋口ひぐち村むら、細谷ほそや村むら、作さく瀬せ村むら、五ご串くし村むら、猪岡いのおか村むら、平泉ひらいずみ村むら、中尊寺ちゅうそんじ村むら、達いたる谷村たにむら、戸河内とがうち村むら

（一関いちのせき藩はん領りょう 11ヵ村かそん）：一関いちのせき村むら、二関にぜき村むら、三関さんのせき村むら、牧沢まきざわ村むら、鬼おに死骸しがい村むら、滝沢たきざわ村むら、弧こ禅ぜん寺てら村むら、達いたる古こ袋ふくろ村むら、市野々いちのの村むら、上うえ黒沢くろさわ村むら、下した黒沢くろさわ村むら

• 磐井いわい郡ぐん流りゅう

（仙台せんだい藩はん領りょう 2ヵ村かそん）：西にし永井ながい村むら、東ひがし永井ながい村むら

（一関いちのせき藩はん領りょう 14ヵ村かそん）：金沢かなざわ村むら、清水しみず村むら、金森かなもり村むら、中村なかむら、上うえ油田あぶらた村むら、下した油田あぶらた村むら、蝦えび島村しまむら、涌津わくつ村むら、男沢おざわ村むら、峠とうげ村むら、日形ひかた村むら、富沢とみざわ村むら、楊生村むら、奈良坂ならさか村むら

明治維新めいじいしん以降いこう

• 明治めいじ元年がんねん
  • 9月24日にち（1868年ねん11月8日にち） - 仙台せんだい藩はん主あるじ伊達だて慶けい邦くにが薩長さっちょう軍ぐんに降伏ごうぶく。全ぜん領土りょうど62万まん石せきを没収ぼっしゅうされる。
  • 12月7日にち（1869年ねん1月がつ19日にち） - 陸奥みちのく国こくが分割ぶんかつされ、本郡ほんぐは陸りく中国ちゅうごくの所属しょぞくとなる。
  • 12月23日にち（1869年ねん2月がつ4日にち） - 仙台せんだい藩はん領りょう49か村そんおよび一関いちのせき藩はん領りょうのうち東山ひがしやま・流ながれ26か村そんが上野うえの沼田ぬまた藩はん取締とりしまり地ちとなる。
• 明治めいじ2年ねん
  • 2月がつ30日にち（1869年ねん4月がつ11日にち） - 沼田ぬまた藩はん取締とりしまり地ちが上野うえの前橋まえばし藩はん取締とりしまり地ちとなり（ただし、旧きゅう・一関いちのせき藩はん領りょう26か村そんは前橋まえばし藩はんの取締とりしまりから除のぞかれる）、伊沢いさわ県けんを称しょうする。
  • 3月 - 磐城いわき平ひら藩はん主あるじ安藤あんどう信しん勇いさむが平たいらから千厩せんまやに転てん封ふうされ、東山ひがしやまのうち36か村そんを領りょうす。
  • 3月14日にち（1869年ねん4月がつ25日にち） - 旧きゅう・一関いちのせき藩はん領りょう東山ひがしやまのうち7か村そん（上うえ奥玉おくたま・中奥なかおく玉だま・下した奥玉おくたま・北小きたこ梨なし・南小みなみこ梨なし・摺沢すりさわ・寺沢てらさわ）が伊沢いさわ県けんの管轄かんかつとなる。
  • 8月がつ3日にち（1869年ねん9月8日にち） - 安藤あんどう信しん勇いさむが旧領きゅうりょうへの復帰ふっきを許ゆるされ、東山ひがしやまのうち36村むらは伊沢いさわ県けんの管轄かんかつ下かに戻もどされる。
  • 8月がつ18日にち（1869年ねん9月23日にち） - 胆沢いさわ県けんが発足ほっそくし、伊沢いさわ県域けんいきを管轄かんかつ。
• 明治めいじ4年ねん
  • 7月がつ14日にち（1871年ねん8月がつ19日にち） - 廃藩置県はいはんちけんにより、藩はん領りょうが一関いちのせき県けん（第だい1次じ）となる。
  • 11月2日にち（1871年ねん12月13日にち） - 第だい1次じ府県ふけん統合とうごうにより、全域ぜんいきが一関いちのせき県けん（第だい2次じ）の管轄かんかつとなる。
  • 12月13日にち（1872年ねん1月がつ22日にち） - 一関いちのせき県けん（第だい2次じ）が水沢すいざわ県けんに改称かいしょう。
• 明治めいじ8年ねん（1875年ねん）11月22日にち - 水沢すいざわ県けんが磐井いわい県けんに改称かいしょう。
• 明治めいじ9年ねん（1876年ねん）4月がつ18日にち - 第だい2次じ府県ふけん統合とうごうにより岩手いわて県けんの管轄かんかつとなる。
• 明治めいじ11年ねん（1878年ねん）11月26日にち - 郡こおり区く町村ちょうそん編制へんせい法ほうの岩手いわて県けんでの施行しこうにより、行政ぎょうせい区画くかくとしての磐井いわい郡ぐんが発足ほっそく。
• 明治めいじ12年ねん（1879年ねん）1月がつ4日にち - 分割ぶんかつされ、東山ひがしやま34村むらの区域くいきをもって東磐井ひがしいわい郡ぐんが、西にし岩井いわい・流ながれ26村むらの区域くいきをもって西磐井にしいわい郡ぐんがそれぞれ発足ほっそく。同日どうじつ磐井いわい郡ぐん廃止はいし。

行政ぎょうせい

歴代れきだい郡ぐん長ちょう

代だい	氏名しめい	就任しゅうにん年月日ねんがっぴ	退任たいにん年月日ねんがっぴ	備考びこう
1		明治めいじ11年ねん（1878年ねん）11月26日にち	明治めいじ12年ねん（1879年ねん）1月がつ3日にち	分割ぶんかつにより磐井いわい郡ぐん廃止はいし

参考さんこう文献ぶんけん

• 「角川かどかわ日本にっぽん地名ちめい大だい辞典じてん」編纂へんさん委員いいん会かい 編へん『角川かどかわ日本にっぽん地名ちめい大だい辞典じてん』 3 岩手いわて県けん、角川書店かどかわしょてん、1985年ねん2月がつ7日にち。ISBN 4040010302。 
• 『岩手いわて県けん史し』第だい7巻かん〔近代きんだい編へん2〕（岩手いわて県けん、1962年ねん）
• 『千厩せんまや町まち史し』第だい四よん巻かん（岩手いわて県けん東磐井ひがしいわい郡ぐん千厩せんまや町まち、2000年ねん）

外部がいぶリンク

• 旧きゅう高こう旧領きゅうりょう取調とりしらべ帳ちょうデータベース

関連かんれん項目こうもく

• 消滅しょうめつした郡ぐんの一覧いちらん
• 両りょう磐いわ - 現代げんだいにおける旧きゅう磐井いわい郡ぐん域いきの総称そうしょう

先代せんだい -----

行政ぎょうせい区くの変遷へんせん - 1879年ねん

次代じだい 西磐井にしいわい郡ぐん・東磐井ひがしいわい郡ぐん