粟屋あわや元種もとだね

凡例はんれい 粟屋あわや元種もとだね
時代じだい	戦国せんごく時代じだい - 江戸えど時代じだい初期しょき
生誕せいたん	大だい永ひさし4年ねん（1524年ねん）
死没しぼつ	慶長けいちょう10年ねん2月がつ7日にち（1605年ねん3月26日にち）
改名かいめい	粟屋あわや元もと宣せん→粟屋あわや元種もとだね
別名べつめい	与十郎よじゅうろう、余よ十郎じゅうろう（通称つうしょう）
官位かんい	内蔵ないぞう丞すすむ、但馬たじま守まもる
主君しゅくん	毛利もうり元就もとなり→隆りゅう元はじめ→輝元てるもと
氏族しぞく	源みなもと姓せい粟屋あわや氏し
父母ちちはは	父ちち：粟屋あわや元方もとかた
兄弟きょうだい	元良もとら、元種もとだね、元利がんり、盛もり忠ただし
妻つま	正室せいしつ：宍戸ししど隆たかし家かの養女ようじょ（小河内おがうち石見いわみ守まもるの娘むすめ）
子こ	元信もとのぶ、新見にいみ景けい行ぎょう 養子ようし：元げん貞さだ（弟おとうと・元利がんりの次男じなん）

粟屋あわや 元種もとだね（あわや もとたね）は、戦国せんごく時代じだいから江戸えど時代じだい初期しょきにかけての武将ぶしょう。毛利もうり氏しの譜代ふだい家臣かしん。父ちちは粟屋あわや元もと国くにの弟おとうとである粟屋あわや元方もとかた。

生涯しょうがい

大だい永ひさし4年ねん（1524年ねん）、毛利もうり氏しの譜代ふだい家臣かしんである粟屋あわや元方もとかたの次男じなんとして生うまれ、毛利もうり元就もとなり、隆りゅう元はじめ、輝元てるもとの三さん代だいに仕つかえる。

特とくに隆たかし元もとから度々たびたび所領しょりょうを与あたえられており、天文てんもん19年ねん（1550年ねん）12月30日にちに安芸あき国こく実み時じ半はん名めいにおいて1町まち6段だん半はんの田地でんちと屋敷やしき4つと本屋敷もとやしきの上かみの山やま、天文てんもん21年ねん（1551年ねん）2月がつ29日にちに安芸あき国こく高田たかだ郡ぐん佐々部ささべの次郎丸じろうまる名めいにおいて田地でんち3町まち1段だん半はんと米べい6石せき9斗とと代だい4貫かん文ぶん、永えい禄ろく元年がんねん（1558年ねん）7月がつ20日はつかに備後びんご国こく山中さんちゅうの田原たはら三郎さぶろう右みぎ衛門えもんの先さき給きゅう地ち、永えい禄ろく4年ねん（1561年ねん）4月がつ7日にちに安芸あき国こく船木ふなきの内うちの守弘もりひろ名めいと所木ところぎを与あたえられた。

天文てんもん24年ねん（1554年ねん）4月がつ11日にちの矢野やのにおける合戦かっせんでは尾お頸丸切きり崩くずしの際さいに先陣せんじんを務つとめ、元就もとなりと隆たかし元もとに感状かんじょうを与あたえられた。

永えい禄ろく11年ねん（1568年ねん）頃ごろから天正てんしょう13年ねん（1585年ねん）頃ごろまで毛利もうり氏しの奉行ぶぎょう人じんを務つとめており、毛利もうり氏しの五ご奉行ぶぎょうの一人ひとりであった赤川あかがわ元保もとやすが永えい禄ろく10年ねん（1567年ねん）に粛清しゅくせいされたことによって五ご奉行ぶぎょうに加くわえられたとされる。また、元もと亀かめ3年ねん（1572年ねん）の毛利もうり氏し掟おきてにおいても奉行ぶぎょう衆しゅの一人ひとりとして名なを連つらねている。

永えい禄ろく12年ねん（1569年ねん）10月がつに大内おおうち輝弘てるひろの乱らんが勃発ぼっぱつし、大内おおうち輝弘てるひろが周防すおう国こく山口やまぐちへ侵攻しんこうした際さい、山口やまぐち奉行ぶぎょうの市川いちかわ経けい好このみは北九州きたきゅうしゅうへ出征しゅっせい中ちゅうであったため、留守るすを守まもっていた元種もとだねと内藤ないとう就藤と山県やまがた元重もとしげや、市川いちかわ経けい好このみの妻つまなどが百ひゃく余人よにんの守兵しゅへいと共ともに高嶺たかね城しろに立たて籠こもった。

天正てんしょう6年ねん（1578年ねん）には石山いしやま本願寺ほんがんじ支援しえんのために摂津せっつ国こく木津きづ城しろの主将しゅしょうとして在ざい番ばんを命めいじられ、その恩賞おんしょうとして備後びんご国こく山中さんちゅうの田原たはら右みぎ京きょう進すすむの先さき知行ちぎょう分ぶんを与あたえられた。

天正てんしょう8年ねん（1580年ねん）4月がつ14日にち、輝元てるもとの備中びっちゅう出陣しゅつじんにおいて先鋒せんぽう部隊ぶたいの将しょうを務つとめていた嫡男ちゃくなん・元信もとのぶが備中びっちゅう国こく下加茂したかもの山中さんちゅうにおいて伊賀いが久隆ひさたかの強襲きょうしゅうを受うけ戦死せんしした。この戦たたかいは元信もとのぶの他ほかにも児玉こだま元もと房ぼう、井上いのうえ元もと勝かち、奈古なご屋や元もと賀が、小寺こでら就武、三戸さんのへ元もと好このみ、宇多うた田藤たふじ右みぎ衛門えもんなどが討うち取とられる大敗たいはいであった（加茂かも崩くずれ）。嫡男ちゃくなんの元もと信しんが戦死せんししたことによって元種もとだねの後継こうけいがいなくなったため、元種もとだねの弟おとうとである元利がんりの次男じなん・元げん貞さだを養子ようしとし、家督かとくを相続そうぞくさせた。

天正てんしょう16年ねん（1588年ねん）7月がつ28日にちに輝元てるもとの参議さんぎ任官にんかん式しきが宮中きゅうちゅうで行おこなわれた際さいに、元種もとだねは国司こくし元もと蔵ぞうと共ともに折烏帽子おりえぼしと風ふう折おり狩衣かりぎぬ姿すがたで輝元てるもとの供ともとして従したがった。

慶長けいちょう10年ねん（1605年ねん）2月がつ7日にちに死去しきょ。享年きょうねん82。

参考さんこう文献ぶんけん

• 『萩はぎ藩閥はんばつ閲録』巻まき9「粟屋あわや帯刀たてわき」
• 防長新聞社ぼうちょうしんぶんしゃ山口やまぐち支社ししゃ編へん 編へん『近世きんせい防ぼう長ちょう諸家しょか系図けいず綜覧そうらん』三坂みさか圭けい治ち監修かんしゅう、防長新聞社ぼうちょうしんぶんしゃ、1966年ねん3月がつ。 NCID BN07835639。OCLC 703821998。全国ぜんこく書誌しょし番号ばんごう:73004060。 国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかんデジタルコレクション
• 加藤かとう益えき幹みき「戦国せんごく大名だいみょう毛利もうり氏しの奉行ぶぎょう人じん制せいについて」（藤木ふじき久志ひさし編へん『戦国せんごく大名だいみょう論集ろんしゅう14 毛利もうり氏しの研究けんきゅう』、1984年ねん）
• 舘たて鼻はな誠まこと「元就もとなり・隆りゅう元もと家臣かしん団だん事典じてん」（河合かわい正治しょうじ編へん『毛利もうり元就もとなりのすべて（新装しんそう版ばん）』新人物往来社しんじんぶつおうらいしゃ、1996年ねん）