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遺伝子いでんし改変かいへん動物どうぶつ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

遺伝子いでんし改変かいへん動物どうぶつ(いでんしかいへんどうぶつ、genetically modified animal)は、遺伝子いでんし工学こうがくもちいて人為じんいてき個体こたい遺伝いでん情報じょうほう変化へんかさせた動物どうぶつである。その作製さくせいほうにより、外部がいぶから特定とくてい遺伝子いでんし導入どうにゅうしたトランスジェニック動物どうぶつ特定とくてい遺伝子いでんし破壊はかいしてかけしっさせたノックアウト動物どうぶつなどの種類しゅるいがある。生命せいめい科学かがく分野ぶんやでは、特定とくてい遺伝子いでんし生体せいたいない (in vivo) でどのように機能きのうしているかを研究けんきゅうするために必須ひっす存在そんざいとなっており、とく遺伝子いでんし改変かいへんマウスノックアウトマウス)は、ヒトきんえん高等こうとう哺乳ほにゅう動物どうぶつもっとはや技術ぎじゅつ確立かくりつしたことから、ヒトの生理せいり現象げんしょう疾患しっかん再現さいげんできるモデル生物せいぶつとして現在げんざいもっとおお利用りようされている。

遺伝子いでんし改変かいへん動物どうぶつ作製さくせいには専門せんもんてき知識ちしき技術ぎじゅつ必要ひつようであり、またその利用りよう国際こくさいてきほう規制きせいけるため、専用せんよう施設しせつゆうする大学だいがくなどの研究けんきゅう機関きかん企業きぎょうでのみ作製さくせい維持いじされている。

人為じんいてき作製さくせいされた遺伝子いでんし改変かいへん動物どうぶつ生態せいたいけい影響えいきょうあたえるおそれがあり、2009ねん現在げんざい生物せいぶつ多様たようせいかんする条約じょうやく一部いちぶであるカルタヘナ議定ぎていしょによって世界せかいてき規制きせい枠組わくぐみがさだめられている。日本にっぽんではこれに対応たいおうする国内こくないほうとしていわゆるカルタヘナほうがあり、動物どうぶつだけでなく植物しょくぶつ細菌さいきんきんなどもふくめた遺伝子いでんしぐみ生物せいぶつ[注釈ちゅうしゃく 1]作製さくせい移動いどう保管ほかん制限せいげんされている。

せんちゅうショウジョウバエゼブラフィッシュなど小型こがた動物どうぶつでは、変異へんいばら投与とうよして様々さまざま遺伝子いでんし突然変異とつぜんへんいこすことがひろおこなわれている。このようにしてられた個体こたい人為じんいてき遺伝いでん情報じょうほう変化へんかさせてはいるが、きわめて可能かのうせいひくいものの自然しぜんにもこり変化へんかであり、外来がいらい遺伝子いでんしふくまないため、カルタヘナほうによる規制きせい対象たいしょうとならない。このような個体こたい突然変異とつぜんへんいたいぶのが一般いっぱんてきである。

トランスジェニックマウスの作製さくせいには様々さまざま方法ほうほうがあるが、近年きんねんではマイクロインジェクションほう主流しゅりゅうとなっている。作製さくせい方法ほうほうドナー動物どうぶつから採取さいしゅした受精卵じゅせいらんぜんかく倒立とうりつ顕微鏡けんびきょうでマイクロキャピラリーをもちいてDNA溶液ようえき注入ちゅうにゅうする。DNA溶液ようえき事前じぜん調製ちょうせいしておいたものを使用しようする。その受精卵じゅせいらんレシピエント動物どうぶつ卵管らんかんない移植いしょくし、自然しぜん分娩ぶんべんされた出生しゅっしょう動物どうぶつがトランスジェニックとなる。

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ 議定ぎていしょ規制きせい対象たいしょうとするliving modified organism (LMO)に対応たいおうする訳語やくご。LMOには科学かがくてきに“生物せいぶつ”とされないウイルスとうふくむため、実際じっさいは「遺伝子いでんしぐみ生物せいぶつひとし」と記述きじゅつされている。

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]