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自己じこ株式かぶしき

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金庫きんこかぶから転送てんそう

自己じこ株式かぶしき(じこかぶしき、えい: Treasury stockえい: Treasury share)は、株式会社かぶしきがいしゃゆうする自己じこ株式かぶしきをいう。金庫きんこかぶ(きんこかぶ)、社内しゃないかぶともばれる。

概説がいせつ[編集へんしゅう]

株式会社かぶしきがいしゃ立場たちばからて「自己じこ株式かぶしき」は、日本語にほんごとしては

  1. 当該とうがい株式会社かぶしきがいしゃ発行はっこうする株式かぶしき
  2. 当該とうがい株式会社かぶしきがいしゃ発行はっこうする株式かぶしきのうち、当該とうがい株式会社かぶしきがいしゃみずか保有ほゆうするもの

可能かのうせいかんがえられるが、2006ねん日本にっぽん施行しこうされた会社かいしゃほうでは、自己じこ株式かぶしきを「株式会社かぶしきがいしゃゆうする自己じこ株式かぶしき」と定義ていぎしており(113じょう4こう)、「自己じこ株式かぶしき」と「自己じこ株式かぶしき」とが明確めいかくけられている(すくなくともどうほう条文じょうぶんじょう自己じこ株式かぶしき自己じこ株式かぶしき一部いちぶということになる)。

株式会社かぶしきがいしゃ新株しんかぶ発行はっこうすることで発行済はっこうずみ株式かぶしき総数そうすうやし、資金しきん調達ちょうたつする。自己じこ株式かぶしき取得しゅとくすることはこの反作用はんさよう、すなわち、すんで発行はっこう株式かぶしき入手にゅうしゅ回収かいしゅう (自己じこ株式かぶしき取得しゅとく) し、手元てもと資金しきん放出ほうしゅつして、発行済はっこうずみ株式かぶしきのうち自己じこ株式かぶしき以外いがい総数そうすうらすはたらきをつ。取得しゅとくされた自己じこ株式かぶしきは、それ以外いがい自己じこ株式かぶしき区別くべつしてあつかわれることがある(れいとして、新株しんかぶ予約よやくけん発行はっこう可能かのうすう算出さんしゅつ)。また、様々さまざま目的もくてきのために処理しょり (再度さいど放出ほうしゅつ (自己じこ株式かぶしき処分しょぶん) または消却しょうきゃく (自己じこ株式かぶしき消却しょうきゃく) )されることがある。

制度せいど沿革えんかく[編集へんしゅう]

しょ外国がいこく[編集へんしゅう]

自己じこ株式かぶしき取得しゅとくは、米国べいこくにおいては、おおくのしゅうによってふるくから一般いっぱんてきみとめられていた。一方いっぽう英国えいこくにおいては絶対ぜったい禁止きんしとされていたことがあり、ドイツにおいても「会社かいしゃ重大じゅうだい損害そんがいけるために必要ひつよう場合ばあい」には、資本しほんいちわり限度げんどとして自己じこ株式かぶしき取得しゅとくみとめる[1]ひとしくにによって規制きせい一様いちようではなかった。

日本にっぽん[編集へんしゅう]

日本にっぽんにおいては、つぎのとおり制度せいど変更へんこう現在げんざいいたっている。(商法しょうほう改正かいせい全般ぜんぱんについては、商法しょうほう改正かいせい参照さんしょう)
まず、1890ねん(明治めいじ23ねん)に商法しょうほう制定せいていされた当時とうじは、自己じこ株式かぶしき取得しゅとく絶対ぜったい禁止きんしとされていた[2]。これは株式かぶしきが、株主かぶぬし会社かいしゃたいする権利けんり義務ぎむ主体しゅたいであることから会社かいしゃ取得しゅとくできると民法みんぽうだい520じょう混同こんどう法理ほうりはんする(出資しゅっしつのった株式かぶしき戻入れいにゅうされたのだから消滅しょうめつすべきではないか)とかんがえられること、かつ、会社かいしゃ同時どうじ株主かぶぬし(構成こうせいいん社員しゃいん)になることが不可能ふかのうだからであるという理論りろんもとづくものであった[3]。もっとも、実際じっさいかい学界がっかいはその緩和かんわのぞんでおり、株主かぶぬし失権しっけん株式かぶしき消却しょうきゃくおよび合併がっぺい場合ばあい一時いちじてき自己じこ株式かぶしき取得しゅとく可能かのうであると解釈かいしゃくじょうみとめられていたこともあり、社団しゃだん法理ほうりもとづく前述ぜんじゅつ理由りゆうだけでは禁止きんし説明せつめいきゅうするうえ有価ゆうか証券しょうけんたる株式かぶしき発行はっこう会社かいしゃ自体じたい理論りろんじょう有効ゆうこう取得しゅとくるとされていた(通説つうせつ)[4]

そこで、1938ねん(昭和しょうわ13ねん)の商法しょうほう改正かいせいにより、(1)株式かぶしき消却しょうきゃく、(2)合併がっぺい営業えいぎょう譲渡じょうとおよび(3)権利けんり実行じっこうの3つがはじめて例外れいがいてき許容きょよう事項じこうとして明文めいぶん規定きていされた。

もっとも、自己じこ株式かぶしき取得しゅとく原則げんそく禁止きんしとされたのは、

  1. 会社かいしゃ財産ざいさん充実じゅうじつがい会社かいしゃ債権さいけんしゃおよび会社かいしゃ利益りえきがいする
  2. 会社かいしゃ内情ないじょうつうじた取締役とりしまりやくとう株価かぶか下落げらく自己じこ株式かぶしきめたのち価格かかく高騰こうとうさせる投機とうき取引とりひきおこない、一般いっぱん投資とうし株主かぶぬし欺瞞ぎまんするへいがある(増資ぞうし)
  3. 会社かいしゃ自己じこ株式かぶしき取得しゅとくによる株価かぶか維持いじ工作こうさく増資ぞうしのための株価かぶか工作こうさく(株価かぶかのてこれまたは工作こうさくい)などにより不当ふとう株価かぶか操縦そうじゅうおこない、一般いっぱん投資とうし欺瞞ぎまんするへいがある
  4. 取締役とりしまりやく株式かぶしき価値かち影響えいきょうする内部ないぶ情報じょうほう利用りようして自己じこ株式かぶしき有利ゆうり売買ばいばいおこなうと、一般いっぱん投資とうしがいするおそれおおい。
  5. 自己じこ株式かぶしき取得しゅとくみとめた場合ばあいに、方法ほうほう対価たいかいかんによっては、特定とくてい株主かぶぬし優遇ゆうぐうする結果けっかになり株主かぶぬし平等びょうどう原則げんそくはんする。
  6. 会社かいしゃ支配しはいけん維持いじする目的もくてきで、会社かいしゃ理事りじしゃ会社かいしゃ計算けいさん他人たにん名義めいぎ株式かぶしき取得しゅとくして、その議決ぎけつけん利用りようするときは、株主かぶぬしおよび会社かいしゃ債権さいけんしゃ利益りえきがいされ、資本しほん参加さんかともなわない総会そうかい決議けつぎ支配しはいとうへいしょうじる。
  7. 会社かいしゃ株式かぶしき買占かいしめをおこなったものから株式かぶしき高価こうか買取かいと場合ばあいには、会社かいしゃたいして財産ざいさんてき損害そんがいあたえるとともに、いわゆる会社かいしゃらしを助長じょちょうするへいおおきい。

ひとし理由りゆうによるものとされており、このため、許容きょよう事項じこう限定げんてい列挙れっきょするにとどまっていた。
もっとも、1.については配当はいとう可能かのう利益りえき財源ざいげんとした場合ばあいにはへいがないこと、2.については投機とうき取引とりひきのために会社かいしゃ財産ざいさん処分しょぶんするつみ株主かぶぬし差止さしどめ請求せいきゅうけんによる抑止よくし、3.については証券しょうけん取引とりひきほうだい125じょう・58じょうとうによる弊害へいがい防止ぼうし、4.については市場いちば取引とりひきつうじた場合ばあいには該当がいとうしづらいこと、5.については取締役とりしまりやく忠実ちゅうじつ義務ぎむとう、6.および7.については不法ふほう行為こうい自体じたい抑止よくしなど、法令ほうれいにより対策たいさくほどこされていた。
とはいえ、これらの場合ばあい違法いほう追及ついきゅうには実際じっさいじょう立証りっしょう困難こんなんともないやすいことから、法律ほうりつ政策せいさくじょう理由りゆうで、自己じこ株式かぶしき取得しゅとく原則げんそくとして禁止きんしとされた。

1950ねん(昭和しょうわ25ねん)の商法しょうほう改正かいせいにより、合併がっぺい営業えいぎょう譲渡じょうと株式かぶしき買取かいとり請求せいきゅうけん制度せいど導入どうにゅうされたことにともない、(4)合併がっぺい営業えいぎょう譲渡じょうとにおける反対はんたい株主かぶぬし買取かいとり請求せいきゅうけん行使こうしが、あらたに例外れいがいてき許容きょよう事項じこうとして追加ついかされた。つづいて、1966ねん(昭和しょうわ41ねん)の商法しょうほう改正かいせいで、株式かぶしき譲渡じょうと制限せいげんかんする定款ていかん変更へんこうについても株主かぶぬし買取かいとり請求せいきゅうけん制度せいど導入どうにゅうされ、合併がっぺい営業えいぎょう譲渡じょうとくわえ、例外れいがいてき許容きょよう事項じこうとして追加ついかされている。

1994ねん(平成へいせい6ねん)の商法しょうほう改正かいせいにより、あらたに(5)使用人しようにん譲渡じょうとする場合ばあい、(6)定時ていじ総会そうかい決議けつぎ利益りえきにより株式かぶしき消却しょうきゃくする場合ばあい、(7)譲渡じょうと制限せいげん会社かいしゃにおける買受かいうけじんとして指定してい請求せいきゅうをされた場合ばあいについても自己じこ株式かぶしき取得しゅとくができることとされた。取得しゅとくかんする目的もくてき緩和かんわされたことにともない、これをおぎなうものとして以下いか方策ほうさく手当てあてされた。

  1. 手続てつづき規制きせい(株主かぶぬし総会そうかい決議けつぎようし、かつ買付かいつけは公開こうかいおこなう)
  2. 財源ざいげん規制きせい(対価たいか支出ししゅつ配当はいとう利益りえき限定げんていされる)
  3. 数量すうりょう規制きせい(発行済はっこうずみ株式かぶしき一定いってい割合わりあい取得しゅとく上限じょうげんとする)
  4. 開示かいじ規制きせい(営業えいぎょう報告ほうこくしょ記載きさいようする)

また、証券しょうけん取引とりひきほうにおいては自己じこ株式かぶしき取得しゅとくかんする公正こうせい取引とりひき対処たいしょする規定きてい整備せいびすすめられ、自己じこ株券かぶけん買付かいつけ状況じょうきょう報告ほうこくしょ提出ていしゅつ義務付ぎむづけられた。

1997ねん(平成へいせい9ねん)には、株式かぶしき消却しょうきゃく手続てつづきかんする商法しょうほう特例とくれいかんする法律ほうりつ(平成へいせい9ねん法律ほうりつだい55ごう消却しょうきゃく特例とくれいほう)が施行しこうされ、定款ていかんさだめをくことで、取締役とりしまりやくかい決議けつぎ利益りえきにより株式かぶしき消却しょうきゃくすることができるものとされ、手続てつづき規制きせい一部いちぶ緩和かんわされた。このさい取締役とりしまりやくかい決議けつぎ自己じこ株式かぶしき取得しゅとくできるむねのほか、その効力こうりょく発生はっせい開始かいし時期じきおよび取得しゅとくすることができる株式かぶしきすう上限じょうげんさだめなければならなかった。

2001ねん(平成へいせい13ねん)の商法しょうほう改正かいせい議員ぎいん立法りっぽうによりおこなわれ、そのさい目的もくてき規制きせいおよび数量すうりょう規制きせい法文ほうぶんじょうから完全かんぜんくし、あわせて処分しょぶん義務ぎむ廃止はいし取得しゅとくした自己じこ株式かぶしき保有ほゆうみとめた。これにより、自己じこ株式かぶしき取得しゅとくは、原則げんそく禁止きんしから方向ほうこう転換てんかんがなされ、配当はいとう可能かのう利益りえき範囲はんいないであれば定時ていじ株主かぶぬし総会そうかい決議けつぎによっておこなえるようになった。これにともない、前述ぜんじゅつ消却しょうきゃく特例とくれいほう廃止はいしされた。当時とうじのニュースでは、金庫きんこかぶ解禁かいきんという言葉ことば頻繁ひんぱん使用しようされた。これにより、自己じこ株式かぶしき急増きゅうぞうするにいたり、バブルあつめすぎた過剰かじょう資金しきん不景気ふけいきによる資金しきん需要じゅよう低迷ていめい株式かぶしき持合もちあいの解消かいしょうとうかさなった結果けっか増資ぞうしがく自己じこ株式かぶしき消却しょうきゃくがく上回うわまわ事態じたいとなった。

2003ねん(平成へいせい15ねん)の商法しょうほう改正かいせいによって、定款ていかん授権による取締役とりしまりやくかい決議けつぎもとづく自己じこ株式かぶしき取得しゅとく解禁かいきん(商法しょうほうだい211じょうノ3)となり、手続てつづきの簡便かんべんさも手伝てつだって自己じこ株式かぶしき取得しゅとく普及ふきゅうはじめた。とく上場じょうじょう会社かいしゃによる自己じこ株式かぶしき取得しゅとくは、証券しょうけん市場いちばたい会社かいしゃ現在げんざい株価かぶか割安わりやすかんがえているサインをつたえる、いわゆる「シグナリング効果こうか」があるとされている。

2006ねん(平成へいせい18ねん)に会社かいしゃほう施行しこうされたが、改正かいせい商法しょうほう趣旨しゅし(自己じこ株式かぶしき取得しゅとく自由じゆう)はがれ現在げんざいいたっている。もっとも法文ほうぶん構成こうせい自体じたい商法しょうほう時代じだいおなじく、許容きょよう事項じこう限定げんてい列挙れっきょするかたちっている。なお、海外かいがいからの日本にっぽんかぶへの資金しきん流入りゅうにゅう(対外たいがい直接ちょくせつ投資とうし)が増加ぞうかしたこととうにより、アメリカてきかんがかたとして「自己じこ株式かぶしき取得しゅとくは、配当はいとう同様どうよう株主かぶぬし還元かんげんひとつである」というかんがかた浸透しんとうしつつあり、配当性向はいとうせいこうわりそう還元かんげん性向せいこう(配当はいとう総額そうがく自己じこ株式かぶしき取得しゅとくがく合計ごうけいを、当期とうきじゅん利益りえきとうじょして株主かぶぬし還元かんげんりつしめかんがかた)を採用さいようする上場じょうじょう会社かいしゃあらわれている。

論点ろんてん[編集へんしゅう]

メリット[編集へんしゅう]

自己じこ株式かぶしき取得しゅとくすることのメリットとして、つぎのことがげられる。

  • 株式かぶしき解消かいしょうのため株式かぶしき市場いちば売却ばいきゃくされると株価かぶか下落げらくするおそれがあるが、自己じこ株式かぶしき取得しゅとくすることにより市場いちば流通りゅうつうする発行済はっこうずみ株式かぶしきすう減少げんしょうさせることで需給じゅきゅうバランスを調整ちょうせいし、株価かぶか維持いじ期待きたいできること
  • 前述ぜんじゅつのとおり、上場じょうじょう会社かいしゃ場合ばあい自己じこ株式かぶしき取得しゅとく決定けっていすることにより証券しょうけん市場いちばたい株価かぶか割安わりやすであるというメッセージをつたえることができること
  • 会社かいしゃほう施行しこうともな財源ざいげん規制きせい配当はいとう統一とういつされたことにより、株主かぶぬし還元かんげん一環いっかんとして自己じこ株式かぶしき取得しゅとくすることができること
  • 株式かぶしき交換こうかんひとし組織そしき再編さいへん行使こうしされた転換てんかん社債しゃさい新株しんかぶ予約よやくけんのために新株しんかぶ発行はっこうすると、株式かぶしき希薄きはく(ダイリューション)がこり既存きそん株主かぶぬし反発はんぱつ予想よそうされるほか、株価かぶか下落げらくおそれがあるが、取得しゅとくした自己じこ株式かぶしき代用だいよう自己じこ株式かぶしきとしてもちいればこれらの懸念けねんがなくなること

デメリット[編集へんしゅう]

  • 会社かいしゃ支配しはい不公平ふこうへい不法ふほう行為こうい自体じたい抑止よくしにより対応たいおう
  • 会社かいしゃ財産ざいさん毀損きそんするおそれ:財源ざいげん規制きせいにより対応たいおう
  • 株主かぶぬし平等びょうどう原則げんそくはんする:手続てつづき規制きせいにより対応たいおう
  • かぶ取引とりひき不公平ふこうへいしょうじるおそれがある:上場じょうじょう会社かいしゃ場合ばあい金融きんゆう商品しょうひん取引とりひきほう規制きせいにより対応たいおう

各種かくしゅ規制きせい[編集へんしゅう]

  • 財源ざいげん規制きせい
    自己じこ株式かぶしき取得しゅとくには一定いってい剰余じょうよきん必要ひつよう
    (ただし、事業じぎょう全部ぜんぶ譲受ゆずりうけ合併がっぺいおよび吸収きゅうしゅう分割ぶんかつ承継しょうけいする場合ばあい反対はんたい株主かぶぬし買取かいとり請求せいきゅうけん行使こうしされた場合ばあい取得しゅとくするときにかぎり、財源ざいげん規制きせいはない。)
  1. 分配ぶんぱい可能かのうがくとの関係かんけい
    自己じこ株式かぶしき取得しゅとくえに交付こうふする金銭きんせんとう総額そうがくは、当該とうがい取得しゅとく行為こうい効力こうりょく発生はっせいにおける分配ぶんぱい可能かのうがくえてはならない。超過ちょうかした場合ばあいは、関係かんけいしゃ連帯れんたいして金銭きんせん支払しはら義務ぎむう。なお、関係かんけいしゃとは、株式かぶしき譲渡じょうとじん、その取得しゅとく行為こういおこなった会社かいしゃ業務ぎょうむ執行しっこうしゃ株主かぶぬし総会そうかい取締役とりしまりやくかい議案ぎあん提案ていあんしゃのことをいう。
  2. 分配ぶんぱい可能かのうがく計算けいさん※1
    分配ぶんぱい可能かのうがく= (1)+(2)
    (1)(最終さいしゅう事業じぎょう年度ねんど末日まつじつにおける)その資本しほん剰余じょうよきん+その利益りえき剰余じょうよきん自己じこ株式かぶしき帳簿ちょうぼ価額かがく有価ゆうか証券しょうけん評価ひょうか差額さがくきん※2+土地とちさい評価ひょうか差額さがくきん※2
    (2)(最終さいしゅう事業じぎょう年度ねんど末日まつじつ剰余じょうよきん配当はいとうおこなった場合ばあいにおける)剰余じょうよきん配当はいとう総額そうがく準備じゅんびきん積立つみたてがく※3
    ※1前提ぜんてい条件じょうけんは、つぎのとおり。臨時りんじ計算けいさん書類しょるい作成さくせいしていない。最終さいしゅう事業じぎょう年度ねんど末日まつじつ自己じこ株式かぶしき処分しょぶん消却しょうきゃく資本しほんきん準備じゅんびきん減少げんしょう吸収きゅうしゅうがた再編さいへん受入うけいれ行為こうい特定とくてい募集ぼしゅう剰余じょうよきん資本しほんきんへのくみれをおこなっていない。公正こうせい発行はっこうによる責任せきにん履行りこうにより増加ぞうかしたその資本しほん剰余じょうよきんはない。のれんとう調整ちょうせいがくはない。連結れんけつ配当はいとう規制きせい適用てきようけない。資本しほんきんがく準備じゅんびきんがく新株しんかぶ予約よやくけんがく評価ひょうか換算かんさん差額さがくとうがく(差益さえきしょうじている場合ばあいかぎる)が300まんえん以上いじょうである。
    ※2評価ひょうかそんがある場合ばあいのみ
    ※3準備じゅんびきんがく資本しほんきんの1/4にたない場合ばあいにおける
  3. 自己じこ株式かぶしき財源ざいげん規制きせいは「株主かぶぬしへの払戻はらいもどし」として、原則げんそく分配ぶんぱい可能かのうがくへと統一とういつされているが、事前じぜん規制きせい有無うむという観点かんてんで2とおりに区分くぶんできる。
    1. 適用てきようあり
      (1)「配当はいとうとう制限せいげん」(会社かいしゃほう461じょう)として、金銭きんせんとう交付こうふがく分配ぶんぱい可能かのうがくたいする超過ちょうかきんずるもの(原則げんそくろん条文じょうぶん自体じたい取締役とりしまりやく責任せきにんかんするものとなっている)
      (2)取得しゅとく条項じょうこうづけ株式かぶしき取得しゅとく請求せいきゅうけんづけ株式かぶしき(取締役とりしまりやく責任せきにん規律きりつ適用てきようがふさわしくないケース)
    2. 適用てきようなし(自己じこ意思いし無関係むかんけい自己じこ株式かぶしき取得しゅとくするケース)
      組織そしき再編さいへんとう承継しょうけいする場合ばあい
      株主かぶぬし買取かいとり請求せいきゅうによる場合ばあい

自己じこ株式かぶしき取得しゅとく[編集へんしゅう]

2001ねん商法しょうほう改正かいせいともな解禁かいきんされた金庫きんこかぶ制度せいどながれをうけ、自己じこ株式かぶしき取得しゅとく(えい: Aquisition of own shareどく: Erwerb eigener Aktienふつ: rachat par une société de ses propres actions)は、会社かいしゃほうじょうつぎのとおりさだめられている。

  • 株式会社かぶしきがいしゃによる自己じこ株式かぶしき取得しゅとく(155じょう)
    取得しゅとく条項じょうこうづけ株式かぶしき取得しゅとく(155じょう 1ごう)
    譲渡じょうと制限せいげん株式かぶしき取得しゅとく(155じょう 2ごう)
    株主かぶぬし総会そうかい決議けつぎ(155じょう 3ごう)
    取得しゅとく請求せいきゅうけんづけ株式かぶしき取得しゅとく(155じょう 4ごう)
    全部ぜんぶ取得しゅとく条項じょうこうづけ株式かぶしき取得しゅとく(155じょう 5ごう)
    株式かぶしき相続そうぞくじんとうへのうれわたり請求せいきゅうもとづく取得しゅとく(155じょう 6ごう)
    単元たんげん未満みまん株式かぶしき買取かいとり(155じょう 7ごう)
    所在しょざい不明ふめい株式かぶしき買取かいとり(155じょう 8ごう)
    はしすう処理しょり手続てつづきにおける買取かいとり(155じょう 9ごう)
    会社かいしゃ事業じぎょう全部ぜんぶゆずける場合ばあいにその会社かいしゃゆうする株式かぶしき取得しゅとく(155じょう 10ごう)
    合併がっぺい消滅しょうめつする会社かいしゃからの株式かぶしき承継しょうけい(155じょう 11ごう)
    吸収きゅうしゅう分割ぶんかつをする会社かいしゃからの株式かぶしき承継しょうけい(155じょう 12ごう)
    以上いじょうほか法務省ほうむしょうれいさだめる場合ばあい(155じょう 13ごう規則きそく27じょう)
    自己じこ株式かぶしき無償むしょう取得しゅとくする場合ばあい(規則きそく27じょう 1ごう)
    法人ほうじんとうおこな剰余じょうよきん配当はいとうまた残余ざんよ財産ざいさん分配ぶんぱいとうによって自己じこ株式かぶしき交付こうふける場合ばあい(規則きそく27じょう 2ごう)
    法人ほうじんとうおこなつぎかかげる行為こういさいして法人ほうじんとう株式かぶしき引換ひきかえに自己じこ株式かぶしき交付こうふける場合ばあい(規則きそく27じょう 3ごう)
    組織そしき変更へんこう(規則きそく27じょう 3ごうイ)
    合併がっぺい(規則きそく27じょう 3ごうロ)
    株式かぶしき交換こうかん(外国がいこく法令ほうれいとうもとづく株式かぶしき交換こうかん相当そうとうする行為こういふくむ。)(規則きそく27じょう 3ごうハ)
    取得しゅとく条項じょうこうづけ株式かぶしき(これに相当そうとうする株式かぶしきふくむ。)の取得しゅとく(規則きそく27じょう 3ごうニ)
    全部ぜんぶ取得しゅとく条項じょうこうづけ種類しゅるい株式かぶしき(これに相当そうとうする株式かぶしきふくむ。)の取得しゅとく(規則きそく27じょう 3ごうホ)
    法人ほうじんとう新株しんかぶ予約よやくけんとうさだめにもとづき取得しゅとく引換ひきかえに自己じこ株式かぶしき交付こうふけるとき(規則きそく27じょう 4ごう)
    株式会社かぶしきがいしゃほうだい116じょうだい5こうだい469じょうだい5こうだい785じょうだい5こうとうさだめる反対はんたい株式かぶしき買取かいとり請求せいきゅうおう自己じこ株式かぶしき取得しゅとくする場合ばあい(規則きそく27じょう 5ごう)
    合併がっぺい消滅しょうめつする法人ほうじんとう(会社かいしゃのぞく。)から自己じこ株式かぶしき承継しょうけいする場合ばあい(規則きそく27じょう 6ごう)
    法人ほうじんとう(会社かいしゃおよ外国がいこく会社かいしゃのぞく。)の事業じぎょう全部ぜんぶゆずける場合ばあいに、法人ほうじんとうゆうする自己じこ株式かぶしきゆずけるとき(規則きそく27じょう 7ごう)
    その権利けんり実行じっこうたり目的もくてき達成たっせいするために自己じこ株式かぶしき取得しゅとくすることが必要ひつようかつ不可欠ふかけつである場合ばあい(ぜん各号かくごうかかげる場合ばあいのぞく。)(規則きそく27じょう 8ごう)
  • 子会社こがいしゃからの自己じこ株式かぶしき取得しゅとく場合ばあいは、取締役とりしまりやくかい設置せっち会社かいしゃにあっては、取締役とりしまりやくかいにおいて取得しゅとくかんする事項じこうさだめる(163じょう)。

取得しゅとく方法ほうほう[編集へんしゅう]

手続てつづ関係かんけい[編集へんしゅう]

会計かいけい処理しょり[編集へんしゅう]

自己じこ株式かぶしき取得しゅとくかんする会計かいけいじょうかんがかたは2種類しゅるい存在そんざいしている。財務ざいむ会計かいけい税務ぜいむ会計かいけいとも2001ねん商法しょうほう改正かいせいともな金庫きんこかぶ制度せいど解禁かいきん影響えいきょうけた。

  1. 資産しさんせつ
    自己じこ株式かぶしき資産しさんとして取扱とりあつか理由りゆうは、自己じこ株式かぶしき取得しゅとく有価ゆうか証券しょうけん取得しゅとく同様どうよう資産しさん取得しゅとくであるというかんがえによる。したがって取得しゅとく価額かがく貸借たいしゃく対照たいしょうひょう資産しさん(無形むけい固定こてい資産しさんまたは流動りゅうどう資産しさん)に計上けいじょうする。2001ねん商法しょうほう改正かいせいまえは、自己じこ株式かぶしき継続けいぞく保有ほゆうきんじられていたことゆえ取得しゅとく自体じたいまれであるとの認識にんしきから、このかんがかたにより会計かいけい処理しょりされていた。これにより個別こべつ財務諸表ざいむしょひょうにおいては自己じこ株式かぶしき資産しさん計上けいじょうされ、一方いっぽう連結れんけつ財務諸表ざいむしょひょうにおいては資本しほん控除こうじょとして処理しょりされていた。
  2. 資本しほん控除こうじょせつ
    自己じこ株式かぶしき資本しほん控除こうじょとして取扱とりあつか理由りゆうは、自己じこ株式かぶしき取得しゅとくが、会社かいしゃ株主かぶぬしあいだ資本しほん取引とりひきであるというかんがえによる。ちょうど、株主かぶぬし出資しゅっし新株しんかぶ発行はっこうするのとせい反対はんたいに、株主かぶぬしたいして出資しゅっしはらもど会社かいしゃ株式かぶしき取得しゅとくする。したがって、自己じこ株式かぶしき資本しほん控除こうじょ項目こうもくとして処理しょりされる。とくに2001ねん商法しょうほう改正かいせい以降いこうは、自己じこ株式かぶしき保有ほゆうつづけることが想定そうていされたため、債権さいけんしゃ保護ほごする観点かんてんからもあるべきろんとして資本しほん控除こうじょせつ採用さいようされた。会計かいけいじょうかんがかたは、従来じゅうらいから資本しほん控除こうじょせつっていたため、上記じょうきのとおり連結れんけつ財務諸表ざいむしょひょうにおいて自己じこ株式かぶしき資本しほん控除こうじょとして処理しょりしていたが、個別こべつ財務諸表ざいむしょひょうについては商法しょうほう整合せいごうさせていた。

財務ざいむ会計かいけい[編集へんしゅう]

日本にっぽんにおいては2001ねん商法しょうほう改正かいせい転機てんきとして資産しさんせつから資本しほん控除こうじょせつへとことなるかんがかた採用さいようされ、企業きぎょう会計かいけい基準きじゅん委員いいんかい2002ねん(平成へいせい14ねん)2がつ21にちけでつぎのとおり会計かいけい基準きじゅんもうけ、同年どうねん4がつ1にち以降いこう適用てきようとなった。

  1. 自己じこ株式かぶしきおよ法定ほうてい準備じゅんびきんくずしとうかんする会計かいけい基準きじゅん」(企業きぎょう会計かいけい基準きじゅん1ごう)
  2. 自己じこ株式かぶしきおよ法定ほうてい準備じゅんびきんくずしとうかんする会計かいけい基準きじゅん適用てきよう指針ししん」(企業きぎょう会計かいけい基準きじゅん適用てきよう指針ししん2ごう)
  3. 「その資本しほん剰余じょうよきん処分しょぶんによる配当はいとうける株主かぶぬし会計かいけい処理しょり」 (企業きぎょう会計かいけい基準きじゅん適用てきよう指針ししん3ごう)

これらの会計かいけい基準きじゅんは、2005ねん12月27にち改正かいせいされたのち会社かいしゃほう施行しこうわせて2006ねん5がつにこれらを改正かいせいし、上記じょうき1.は「自己じこ株式かぶしきおよ準備じゅんびきんがく減少げんしょうとうかんする会計かいけい基準きじゅん」に、上記じょうき2.は「自己じこ株式かぶしきおよ準備じゅんびきんがく減少げんしょうとうかんする会計かいけい基準きじゅん適用てきよう指針ししん」となっている。

資産しさんせつから資本しほん控除こうじょせつへの移行いこうともな会計かいけい処理しょり変化へんかは、下表かひょうのとおり。

商法しょうほう改正かいせいまえ貸借たいしゃく対照たいしょうひょう(資産しさんせつ)
資産しさん 金額きんがく 負債ふさい資本しほん 金額きんがく
流動りゅうどう資産しさん 90 負債ふさい 50
自己じこ株式かぶしき 10 資本しほん 50
       
資産しさん合計ごうけい 100 負債ふさい資本しほん合計ごうけい 100
2001ねん商法しょうほう改正かいせい貸借たいしゃく対照たいしょうひょう(資本しほん控除こうじょせつ)
資産しさん 金額きんがく 負債ふさい資本しほん 金額きんがく
流動りゅうどう資産しさん 90 負債ふさい 50
    資本しほん 50
     自己じこ株式かぶしき -10
資産しさん合計ごうけい 90 負債ふさい資本しほん合計ごうけい 90

なお、自己じこ株式かぶしき取得しゅとくようした附随ふずい費用ひようは、損益そんえき計算けいさんしょうえ営業えいぎょうがい費用ひよう計上けいじょうされる。また、会社かいしゃほう施行しこうともな資本しほんは、純資産じゅんしさんへと名称めいしょう変更へんこうしているが、上表じょうひょうでは便宜上べんぎじょう旧称きゅうしょうのままとしている。

税務ぜいむ会計かいけい[編集へんしゅう]

  • 2006ねん3月31にちまで
    法人ほうじん自己じこ株式かぶしき取得しゅとくした場合ばあいは、資産しさんとして計上けいじょうされていた(資産しさんせつ購入こうにゅう手数料てすうりょう資産しさん計上けいじょうふくめる)。取得しゅとくともな交付こうふきんぜにとうが、当該とうがい法人ほうじん取得しゅとく直前ちょくぜん資本しほんとう金額きんがくえる場合ばあいは、そのえる部分ぶぶん金額きんがくは、自己じこ株式かぶしき譲渡じょうとした株主かぶぬしにみなし配当はいとうしょうじることとされており、自己じこ株式かぶしき取得しゅとくした法人ほうじんは、そのえる部分ぶぶん金額きんがく利益りえき積立つみたてきんから減算げんざんしていた。これは、株主かぶぬし払込はらいこんだぶんだけの資本しほんきん払戻はらいもどしにくわえ、当該とうがい法人ほうじん利益りえき積立つみたてが株主かぶぬし還元かんげんされるというかんがかたるもので、税務ぜいむ会計かいけいじょう基本きほんとなっている。自己じこ株式かぶしき取得しゅとくは、自己じこ株式かぶしき取得しゅとくという資産しさん取得しゅとくと、一部いちぶ利益りえき積立つみたてきん払戻はらいもどしという資本しほん取引とりひき混合こんごう処理しょり採用さいようされ、税務ぜいむじょう自己じこ株式かぶしき簿計上けいじょうされていた。また、取得しゅとく事由じゆうによりつぎのとおり処理しょりがなされた。
    (1)原則げんそく(相対そうたい取引とりひき)
    法人ほうじん自己じこ株式かぶしき取得しゅとくした場合ばあい株主かぶぬし交付こうふした金銭きんせんとうがく当該とうがい株式かぶしき対応たいおうする取得しゅとく資本しほんとうがくえる場合ばあいには、そのえる金額きんがく利益りえき積立つみたてきんから控除こうじょする。
    (2)例外れいがい(市場いちば買付かいつけ公開こうかいかいづけ)
    上場じょうじょう会社かいしゃとう市場いちばかいづけ公開こうかいかいづけ方法ほうほうによって自己じこ株式かぶしき取得しゅとくした場合ばあいについては、株主かぶぬし交付こうふした金銭きんせんとうがく当該とうがい株式かぶしき対応たいおうする取得しゅとく資本しほんとうがくえても、そのえるがく利益りえき積立つみたてきんから控除こうじょしない。
  • 2006ねん4がつ1にち以降いこう
    法人ほうじん自己じこ株式かぶしき取得しゅとくした場合ばあいは、資本しほんきんとうがく利益りえき積立つみたて金額きんがく減少げんしょうさせることとなった(資本しほん控除こうじょせつ)。つまり、法人ほうじん税法ぜいほうじょうでも有価ゆうか証券しょうけん定義ていぎから自己じこ株式かぶしきはずされた。2006ねん4がつ1にち時点じてん自己じこ株式かぶしき所有しょゆうしていた会社かいしゃは、自己じこ株式かぶしき税務ぜいむうえ簿資本しほんきんとう相殺そうさいされ、ゼロとなる措置そちこうじられた。また、取得しゅとく事由じゆうによりつぎのとおり処理しょり変更へんこうがなされ、原則げんそくとして資本しほんきんとう減額げんがくし、例外れいがいてき資本しほんきんとう利益りえき積立つみたてきんわせて減額げんがくすることとされた。
    (1)証券しょうけん取引とりひきしょでの買付かいつ
    (2)店頭てんとう売買ばいばい登録とうろく銘柄めいがら店頭てんとう売買ばいばいでの買付かいつ
    (3)事業じぎょう全部ぜんぶ譲受じょうじゅ
    (4)合併がっぺいたいする反対はんたい株主かぶぬし買取かいとり請求せいきゅうけん行使こうしもとづく買取かいと
    (5)単元たんげん未満みまん株式かぶしき買取かいとり請求せいきゅうまたは端株はかぶ買取かいとり請求せいきゅうもとづく買取かいと
借方かりかた 金額きんがく 貸方かしかた 金額きんがく
資本しほんきんとう      100 現金げんきん        100
  • (6)剰余じょうよきん配当はいとう(利益りえき配当はいとう剰余じょうよきん分配ぶんぱいふくむ)、解散かいさんによる残余ざんよ財産ざいさん分配ぶんぱいまたは合併がっぺいともな合併がっぺい法人ほうじんからの交付こうふ
借方かりかた 金額きんがく 貸方かしかた 金額きんがく
資本しほんきんとう      100 受取うけとり配当はいとうきん     100
  • (7)合併がっぺい会社かいしゃ分割ぶんかつ現物げんぶつ出資しゅっしによる合併がっぺい法人ほうじん分割ぶんかつ法人ほうじん現物げんぶつ出資しゅっし法人ほうじんからの移転いてん
    (8)組織そしき再編さいへんともな抱合ほうごう株式かぶしき発生はっせい
借方かりかた 金額きんがく 貸方かしかた 金額きんがく
資本しほんきんとう      150 資本しほんきんとう      100
            利益りえき積立つみたてきん     50
  • (9)上記じょうき(1)~(8)以外いがい事由じゆうによる取得しゅとく
借方かりかた 金額きんがく 貸方かしかた 金額きんがく
資本しほんきんとう      100 現金げんきん        150
利益りえき積立つみたてきん     50            

ファイナンス[編集へんしゅう]

  • 自己じこ株式かぶしき取得しゅとく会社かいしゃがキャッシュ・アウトするものであるが、しょうじる効果こうかは、会社かいしゃ純資産じゅんしさん(自己じこ資本しほん)の状況じょうきょうによってことなる。
    1. そう資産しさん=純資産じゅんしさん(負債ふさい0)のケース
      単純たんじゅんにキャッシュ・アウトするだけなので、企業きぎょう価値かち毀損きそんさせる効果こうかしょうじる。たとえば現金げんきん100がそう資産しさんかつ純資産じゅんしさん会社かいしゃがあり、自己じこ株式かぶしき取得しゅとくを10だけおこなうと、10だけ現金げんきんうしなうこととなる。
    2. 負債ふさい純資産じゅんしさん存在そんざいするケース
      1. 同様どうようにキャッシュ・アウトはするものの、その結果けっか資本しほんコスト減少げんしょうさせレバレッジ効果こうかしょうじる。現金げんきん100がそう資産しさん会社かいしゃがあり、この現金げんきん負債ふさい50・純資産じゅんしさん50で構成こうせいされている場合ばあい自己じこ株式かぶしき取得しゅとくを10だけおこなうとそう資産しさんは90に減少げんしょうするものの、純資産じゅんしさんが40に減少げんしょうすることにより、D/Eレシオは1(50/50)から1.25(50/40)へと変化へんかする。このことは、後述こうじゅつのとおり、ROE向上こうじょうへとつながる一方いっぽうで、安全あんぜんせいそこなう効果こうかもある。
    これらを仕訳しわけあらわすとつぎのとおりとなる。
そう資産しさん=純資産じゅんしさん(上段じょうだん)
現金げんきん10で自己じこ株式かぶしき取得しゅとく(下段げだん)
資産しさん 金額きんがく 負債ふさい純資産じゅんしさん 金額きんがく
現金げんきん 100 純資産じゅんしさん 100
資産しさん合計ごうけい 100 負債ふさい純資産じゅんしさん合計ごうけい 100
資産しさん 金額きんがく 負債ふさい純資産じゅんしさん 金額きんがく
現金げんきん 90 純資産じゅんしさん 90
資産しさん合計ごうけい 90 負債ふさい純資産じゅんしさん合計ごうけい 90
負債ふさい純資産じゅんしさん存在そんざい(上段じょうだん)
現金げんきん10で自己じこ株式かぶしき取得しゅとく(下段げだん)
資産しさん 金額きんがく 負債ふさい純資産じゅんしさん 金額きんがく
現金げんきん 100 負債ふさい 50
    純資産じゅんしさん 50
資産しさん合計ごうけい 100 負債ふさい純資産じゅんしさん合計ごうけい 100
資産しさん 金額きんがく 負債ふさい純資産じゅんしさん 金額きんがく
現金げんきん 90 負債ふさい 50
    純資産じゅんしさん 40
資産しさん合計ごうけい 90 負債ふさい純資産じゅんしさん合計ごうけい 90
  • 自己じこ株式かぶしき取得しゅとくしたことで、ROEすなわち自己じこ資本しほん(純資産じゅんしさん)にたいする利益りえきりつたかめることができる。
    たとえば上記じょうき負債ふさい純資産じゅんしさん存在そんざいするケースの場合ばあいで、あるに10の利益りえき創出そうしゅつしたと仮定かていすると、自己じこ株式かぶしき取得しゅとくまえのROEは20%(10/50)であるが、自己じこ株式かぶしき取得しゅとくのROEは25%(10/40)に向上こうじょうすることとなる。

自己じこ株式かぶしき処理しょり[編集へんしゅう]

保有ほゆうしている自己じこ株式かぶしき処理しょりには、(1)自己じこ株式かぶしき消却しょうきゃく、(2)自己じこ株式かぶしき処分しょぶん(狭義きょうぎ)および(3)新株しんかぶ代用だいようの3つ方法ほうほうがある((2)と(3)、またはすべてを自己じこ株式かぶしき処分しょぶん取扱とりあつか場合ばあいもある)。会社かいしゃほうにおいては、消却しょうきゃく直接的ちょくせつてき規定きていする条文じょうぶん存在そんざいしているが、処分しょぶんについてはきゅう商法しょうほうことなり間接かんせつてき規定きていする程度ていどで、新株しんかぶ代用だいよういたっては規定きていしている条文じょうぶん存在そんざいしない。もっとも新株しんかぶ代用だいようきんじられているわけではなく、「株式かぶしき交付こうふする」という文言もんごん使用しようされており、株式かぶしき交付こうふには新株しんかぶ発行はっこうかぎらず自己じこ株式かぶしき代用だいよう許容きょようされているとされ従前じゅうぜんのとおり運用うんようされている。なお、4つ処理しょり方法ほうほうとして、「自己じこ株式かぶしき市場いちば売却ばいきゃく」(179じょう)が会社かいしゃほう立案りつあん当初とうしょ検討けんとうされていたが、国会こっかい審議しんぎさい規定きてい削除さくじょされることとなり、会社かいしゃほう施行しこうされたときからじょうすうのみが残存ざんそんしている。

自己じこ株式かぶしき消却しょうきゃく[編集へんしゅう]

株式会社かぶしきがいしゃは、取得しゅとくした自己じこ株式かぶしきを、取締役とりしまりやくかい設置せっち会社かいしゃ場合ばあいには取締役とりしまりやくかい決議けつぎ(設置せっち会社かいしゃ場合ばあいには取締役とりしまりやく決定けってい)により、消却しょうきゃくすることができ(178じょう)、これを自己じこ株式かぶしき消却しょうきゃく(えい: Cancellation of Treasury shareどく: Einziehung von Aktienどく: Amortisationふつ: amortissement des actions)という。そのさい決定けっていすべき事項じこうつぎのとおり。

  1. 消却しょうきゃくする株式かぶしき種類しゅるい(種類しゅるい株式かぶしき発行はっこうしている場合ばあいのみ)
  2. 消却しょうきゃくする株式かぶしきすう(自己じこ株式かぶしきかずえることは当然とうぜんにできない)
  3. 効力こうりょく発生はっせい(時期じきさだめなければ決定けってい)

商法しょうほうにおいては、自己じこ株式かぶしき消却しょうきゃくには(1)取締役とりしまりやくかい決議けつぎによる消却しょうきゃく(きゅう商法しょうほう212じょう)、(2)資本しほん減少げんしょう規定きていしたが消却しょうきゃく(どうほう213じょう)または(3)定款ていかん規定きていもとづき株主かぶぬし配当はいとうすべき利益りえきをもってする消却しょうきゃく(どうほうどうじょう)の3種類しゅるいがあり、消却しょうきゃくしたさい減少げんしょうする資本しほん項目こうもくは、取締役とりしまりやくかいとう決議けつぎしたがうこととされていた。また、自己じこ株式かぶしき消却しょうきゃくした場合ばあいには、同時どうじに授権資本しほんわく(発行はっこう可能かのう株式かぶしき総数そうすう)を減少げんしょうさせることが通常つうじょうとされていたため、消却しょうきゃく株式かぶしきすうふんだけ自己じこ株式かぶしきと授権資本しほんわく両方りょうほうげんずる必要ひつようがあった。本来ほんらい、授権資本しほんわく株主かぶぬし総会そうかい特別とくべつ決議けつぎさだめられる「わく」であるから、消却しょうきゃくによってこれをらさなければならないという実務じつむ慣行かんこう異議いぎとなえるせつもあった。会社かいしゃほう施行しこうともない、自己じこ株式かぶしき消却しょうきゃくによりげんぜられるのは自己じこ株式かぶしき限定げんていされることが明確めいかくにされ、授権資本しほんわく減少げんしょうさせる必要ひつようがなくなった(定款ていかん一律いちりつ減少げんしょうさせる規定きていがある場合ばあいべつ)。また、会社かいしゃほうじょう公開こうかい会社かいしゃは、定款ていかん変更へんこうによって授権資本しほんわく発行済はっこうずみ株式かぶしき総数そうすうの4ばいえて増加ぞうかさせてはならないとされている(113じょう)が、消却しょうきゃくによって結果けっかてきに授権資本しほんわく発行済はっこうずみ株式かぶしき総数そうすうの4ばいえた場合ばあいは、どう規定きていはんしないとされている[5]

上場じょうじょう会社かいしゃ場合ばあい取得しゅとくにより減少げんしょうした流通りゅうつう株式かぶしきを、消却しょうきゃくによりさい流通りゅうつうさせないことが確定かくていするため証券しょうけん市場いちばから歓迎かんげいされ、株価かぶか一定いってい効果こうかをもたらすとされている。ただし、授権資本しほんわく変化へんかはないことから、たん発行はっこう可能かのう株式かぶしきかず増加ぞうかする効果こうかんでいるというせつ一方いっぽうではある。

会計かいけい処理しょり[編集へんしゅう]

  • 財務ざいむ会計かいけい
    自己じこ株式かぶしき会計かいけい処理しょりは、消却しょうきゃく手続てつづきが法的ほうてき完了かんりょうしたときにおこなう。より具体ぐたいてきには、消却しょうきゃく手続てつづきが完了かんりょうする効力こうりょく発生はっせいがこれに該当がいとうする。会社かいしゃ計算けいさん規則きそくにおいて、その資本しほん剰余じょうよきんから優先ゆうせんてき減額げんがくすることが規定きていされた(どう規則きそくだい47じょう)ことをけ、「自己じこ株式かぶしきおよ準備じゅんびきんがく減少げんしょうとうかんする会計かいけい基準きじゅん」(企業きぎょう会計かいけい基準きじゅんだい1ごう)においてもおな取扱とりあつかいがされることとなった。その仕訳しわけ下表かひょうのとおり。
借方かりかた 金額きんがく 貸方かしかた 金額きんがく
その資本しほん剰余じょうよきん     100 自己じこ株式かぶしき     100
  • この仕訳しわけによって、資本しほん控除こうじょ項目こうもくである自己じこ株式かぶしき正数せいすう加算かさんされ消却しょうきゃく相当そうとうがくぶんのマイナスがえ、一方いっぽう同額どうがくのその資本しほん剰余じょうよきん(繰越くりこし利益りえき剰余じょうよきん)が減少げんしょうすることとなる。その結果けっかほん仕訳しわけのみが貸借たいしゃく対照たいしょうひょうじょうそう資産しさんがくおよぼす影響えいきょうは「0」となる。
借方かりかた 金額きんがく 貸方かしかた 金額きんがく
            その利益りえき剰余じょうよきん     100
自己じこ株式かぶしき   -100
その資本しほん剰余じょうよきん     100 自己じこ株式かぶしき     100
  • なお、きゅう商法しょうほうにおける会計かいけい基準きじゅんでは、資本しほん剰余じょうよきん(その資本しほん剰余じょうよきん)または利益りえき剰余じょうよきん(その利益りえき剰余じょうよきん)のいずれから減額げんがくするかは、会社かいしゃ意思いし決定けってい(取締役とりしまりやくかいとう決議けつぎ)にゆだねることとされていた。


  • 税務ぜいむ会計かいけい
    会社かいしゃほう施行しこうともない2006ねん4がつ1にちから自己じこ株式かぶしき有価ゆうか証券しょうけんとして取扱とりあつかわれなくなった。このため、自己じこ株式かぶしき消却しょうきゃくは、税務ぜいむ会計かいけいにおいてなに認識にんしきされない取引とりひきへと取扱とりあつかいがわった(仕訳しわけなし)。また、附随ふずい費用ひよう損金そんきん参入さんにゅうできるようになった。
  • ファイナンス
    自己じこ株式かぶしき消却しょうきゃくによって、キャッシュ・フローがしょうじるわけではないため、ファイナンスじょう効果こうかしょうじない。

自己じこ株式かぶしき処分しょぶん[編集へんしゅう]

会社かいしゃほう施行しこうともない、自己じこ株式かぶしき処分しょぶん(えい: Disposal of Treasury share)は、募集ぼしゅう株式かぶしき(199じょう)の規定きていにおいて、株式かぶしき引受ひきうける株主かぶぬし募集ぼしゅうする行為こういなかで、引受ひきうける対象たいしょうとして新株しんかぶ発行はっこう自己じこ株式かぶしき処分しょぶん同等どうとうのものとして整理せいりされている。これは、自己じこ株式かぶしき処分しょぶん新株しんかぶ発行はっこう同様どうよう効果こうかゆうしていることに着目ちゃくもくし、すんで発行はっこうなのか発行はっこうなのかが実質じっしつてき問題もんだいとならないてん着目ちゃくもくしているからである。したがって、自己じこ株式かぶしき処分しょぶんについては、会社かいしゃ新株しんかぶ発行はっこう同様どうよう手続てつづきをとらなければならない。

会計かいけい処理しょり[編集へんしゅう]

  • 財務ざいむ会計かいけい
    自己じこ株式かぶしきは、取得しゅとくした価額かがく(取得しゅとく原価げんか)が帳簿ちょうぼ価額かがく(いわゆる簿)として貸借たいしゃく対照たいしょうひょう計上けいじょうされ、投資とうし有価ゆうか証券しょうけんことなり時価じか評価ひょうかされない(取得しゅとく原価げんか主義しゅぎ)。とく上場じょうじょう株式かぶしき場合ばあい簿自己じこ株式かぶしき処分しょぶんするさい価額かがく(処分しょぶん価額かがく)とのあいだ差額さがくしょうじることがあり、そのさいには自己じこ株式かぶしき処分しょぶん損益そんえき計上けいじょうすることとなる。プラスがしょうじたときは、その資本しほん剰余じょうよきん自己じこ株式かぶしき処分しょぶん差益さえき計上けいじょうし、マイナスがしょうじたときは、その資本しほん剰余じょうよきんから自己じこ株式かぶしき処分しょぶん差損さそんぶん減額げんがくする。その資本しほん剰余じょうよきんえた差損さそんしょうじた場合ばあいは、そのぶんをその利益りえき剰余じょうよきん(繰越くりこし利益りえき剰余じょうよきん)から減額げんがくする。

その仕訳しわけ下表かひょうのとおり。

自己じこ株式かぶしき処分しょぶん差益さえきしょうじた場合ばあい
借方かりかた 金額きんがく 貸方かしかた 金額きんがく
現金げんきん 100 自己じこ株式かぶしき 90
     その資本しほん剰余じょうよきん 10
自己じこ株式かぶしき処分しょぶん差益さえきしょうじた場合ばあい
借方かりかた 金額きんがく 貸方かしかた 金額きんがく
現金げんきん 80 自己じこ株式かぶしき 90
その資本しほん剰余じょうよきん 10
  • 税務ぜいむ会計かいけい
    会社かいしゃほう施行しこうともない2006ねん4がつ1にちから自己じこ株式かぶしき取得しゅとくしたときの税務ぜいむうえ簿がゼロとされたため、自己じこ株式かぶしき処分しょぶん資本しほん取引とりひきとされ、通常つうじょう増資ぞうしおなじく課税かぜい所得しょとく発生はっせいしない取引とりひきへと取扱とりあつかいがわった。
借方かりかた 金額きんがく 貸方かしかた 金額きんがく
現金げんきん     100 資本しほんきんとう     100
  • ファイナンス
    自己じこ株式かぶしき処分しょぶんはキャッシュ・イン・フローをしょうじさせるため、企業きぎょう価値かち向上こうじょうさせるといえる。ただし、自己じこ株式かぶしき取得しゅとくとはぎゃく、すなわち資本しほんコスト増加ぞうかさせレバレッジ変化へんかしょうじる。すなわち自己じこ資本しほん(純資産じゅんしさん)にたいする利益りえきりつ低下ていかするが、安全あんぜんせいたかめることができる。

新株しんかぶ代用だいよう[編集へんしゅう]

吸収きゅうしゅう合併がっぺいとう組織そしき再編さいへんとう、また新株しんかぶ予約よやくけん転換てんかん社債しゃさいがた新株しんかぶ予約よやくけんづけ社債しゃさい対価たいかとして受渡うけわたし新株しんかぶえて交付こうふすることができる。これを「代用だいよう自己じこ株式かぶしき」(えい: Substitute for share issue)という。
また、会社かいしゃ定款ていかんさだめれば、株主かぶぬしからの単元たんげん未満みまん株式かぶしきうれわたり請求せいきゅう(194じょうかいぞう請求せいきゅう(かいましせいきゅう))にたいし、保有ほゆうする自己じこ株式かぶしきわたすことができる。この場合ばあい市場いちば売却ばいきゃくではなく株主かぶぬしとの相対そうたい取引とりひきおこなうため、上場じょうじょう会社かいしゃ場合ばあい請求せいきゅう到達とうたつした終値おわりねもちいて自己じこ株式かぶしき売却ばいきゃくするのが一般いっぱんてきである。なお、当該とうがいうりわたり請求せいきゅうたいし、会社かいしゃ自己じこ株式かぶしき交付こうふすることと明文化めいぶんかされており、上記じょうきれいことなり、新株しんかぶ発行はっこうする義務ぎむがそもそもない。

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ 田中たなかこう太郎たろうへん株式会社かぶしきがいしゃほう講座こうざだいかん有斐閣ゆうひかくかん、1956ねん2がつ29にち発行はっこう(603,611ページ)
  2. ^ 上柳うえやなぎ克郎かつろうおおとり常夫つねお竹内たけうち昭夫あきお編集へんしゅう代表だいひょう新版しんぱん注釈ちゅうしゃく会社かいしゃほう(3)株式かぶしき(1)』有斐閣ゆうひかくかん、1986ねん4がつ10日とおか発行はっこう(226-236ページ)
  3. ^ 宮田みやたとおるちょ株式会社かぶしきがいしゃほう実務じつむへん実業じつぎょう世界せかいしゃかん、1915ねん9がつ1にち発行はっこう(256ページ)
  4. ^ 上柳うえやなぎ克郎かつろうおおとり常夫つねお竹内たけうち昭夫あきお編集へんしゅう代表だいひょう新版しんぱん注釈ちゅうしゃく会社かいしゃほう(3)株式かぶしき(1)』有斐閣ゆうひかくかん、1986ねん4がつ10日とおか発行はっこう(229ページ)
  5. ^ 相澤あいざわあきらだま匡美きょうみこおりたに大輔だいすけ編著へんちょ論点ろんてん解説かいせつ しん会社かいしゃほう せんもん道標どうひょう商事しょうじ法務ほうむかん、2006ねん6がつ10日とおか発行はっこう(182ページ)