給湯きゅうとう

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風呂ふろがまから転送てんそう

給湯きゅうとう(きゅうとうき、えい: hot water dispenser[ちゅう 1])とはみずえて供給きょうきゅうする器具きぐのことである。湯沸ゆわかし(ゆわかしき、えい: Boiler)、温水おんすい(おんすいき、えい: Water boiler)ともいう。ここでは日本にっぽん市場いちばけの一般いっぱん家庭かていよう給湯きゅうとうについてべる。

概要がいよう[編集へんしゅう]

日本にっぽん市場いちばにおいては、都市としでも発電はつでんしょ蒸気じょうき供給きょうきゅうとうがごく一部いちぶ地域ちいきでしかおこなわれなかったことから、セントラルしき給湯きゅうとう普及ふきゅう病院びょういん理髪りはつてんなどにまり、家庭かていようとしては1965ねんころ発売はつばいされた台所だいどころとう局所きょくしょしきのガス瞬間しゅんかん湯沸ゆわかし以降いこう普及ふきゅうしたとかんがえられる。また、日本にっぽんにおいては入浴にゅうよくシャワーでなく浴槽よくそうもちいる文化ぶんかがあることから、「風呂ふろがま」とばれる局所きょくしょしき風呂ふろ湯沸ゆわかし専用せんよう装置そうちが、瞬間しゅんかん湯沸ゆわかし以前いぜんから存在そんざいしていた。現代げんだい家庭かていよう給湯きゅうとうしゅとしてセントラルしきであり、供給きょうきゅうするという本来ほんらい意味いみでの給湯きゅうとう機能きのうくわえ、風呂ふろ湯沸ゆわかし機能きのう温水おんすいセントラルヒーティング機能きのうなどもあわつものもある。

用途ようとべつ設置せっち箇所かしょべつ熱源ねつげんべつ以下いかもちいられている。

おもなメーカー[編集へんしゅう]

会社かいしゃめい おも生産せいさん品目ひんもく 国内こくないシェア
リンナイ ガス給湯きゅうとう ガス給湯きゅうとうだい1(42%)[1]
ノーリツ ガス給湯きゅうとう
石油せきゆ給湯きゅうとう
太陽熱たいようねつ温水おんすい
ガス給湯きゅうとうだい2(40%)[1]
石油せきゆ給湯きゅうとうだい2やく40%)[2]
パロマ ガス給湯きゅうとう ガス給湯きゅうとうだい3やく15%)[ちゅう 2]
パーパス
長府製作所ちょうふせいさくしょ ガス給湯きゅうとう
石油せきゆ給湯きゅうとう
太陽熱たいようねつ温水おんすい
エコキュート
石油せきゆ給湯きゅうとうだい1やく40%)[2]
太陽熱たいようねつ温水おんすいだい2[3]
エコキュート:だい7(3%)[4]
コロナ 石油せきゆ給湯きゅうとう
太陽熱たいようねつ温水おんすい
エコキュート
石油せきゆ給湯きゅうとうだい3[5]
太陽熱たいようねつ温水おんすいだい3[3]
エコキュート:だい3(14%)[4]
矢崎総業やざきそうぎょう 太陽熱たいようねつ温水おんすい 太陽熱たいようねつ温水おんすいだい1[3]
パナソニック エコキュート エコキュート:だい1(27%)[4]
三菱電機みつびしでんき エコキュート:だい2(26%)[4]
日立製作所ひたちせいさくしょ エコキュート:だい4(12%)[4]
ダイキン工業だいきんこうぎょう エコキュート:だい5(12%)[4]
東芝とうしばキヤリア エコキュート:だい6(5%)[4]

用途ようとべつ分類ぶんるい[編集へんしゅう]

温水おんすい暖房だんぼう風呂ふろ給湯きゅうとう[編集へんしゅう]

温水おんすいセントラルヒーティングの熱源ねつげん機能きのうあわ風呂ふろ給湯きゅうとう内部ないぶに3系統けいとう以上いじょうねつ交換こうかんち、給湯きゅうとう風呂ふろ循環じゅんかん・セントラルヒーティング熱源ねつげんとしてもちいることができる。風呂ふろ循環じゅんかんおよびセントラルヒーティング水系すいけいには独自どくじにポンプ機能きのうつものがおおい。特徴とくちょう自動じどう風呂ふろ給湯きゅうとう同様どうようである。

自動じどう風呂ふろ給湯きゅうとう[編集へんしゅう]

ボタン操作そうさのみで自動的じどうてき一定いってい水量すいりょうまで風呂ふろ給湯きゅうとうおこない、設定せっていされた時間じかんないにおいて風呂ふろ温度おんど一定いっていたもつようきをおこな機能きのうった給湯きゅうとうである。しゅとしてセントラル方式ほうしきであり、燃焼ねんしょうけい場合ばあい給湯きゅうとうおおくの場合ばあい屋外おくがい設置せっちされる。内部ないぶに2系統けいとう以上いじょうねつ交換こうかんち、給湯きゅうとう風呂ふろ循環じゅんかんおこなうことができる。現代げんだい新築しんちく家屋かおくでは普遍ふへんてきもちいられている。特徴とくちょう給湯きゅうとう同様どうようである。

給湯きゅうとう[編集へんしゅう]

給湯きゅうとう機能きのうのみをたん機能きのう給湯きゅうとうで、シンプルな構造こうぞうである。燃焼ねんしょうけい場合ばあいおおむ屋外おくがい設置せっちされる。貯湯しき瞬間しゅんかんしきおおきくかれ、貯湯しきおおきなタンクを併設へいせつまたは給湯きゅうとう自体じたいがタンク自身じしんである。燃焼ねんしょうけいともな場合ばあいは1系統けいとう以上いじょうねつ交換こうかんつ。おおむ屋内おくない設置せっちされるリモコン温度おんど設定せってい可能かのう風呂ふろ給湯きゅうとうすることも可能かのうであるため、きを必要ひつようとしない、もしくはイニシャルコスト削減さくげんとう目的もくてき自動じどう風呂ふろ給湯きゅうとうもちいずたん機能きのう給湯きゅうとう代用だいようすることも可能かのうであり、アパートなどでもちいられているケースがおおい。

風呂ふろがま[編集へんしゅう]

風呂ふろ湯沸ゆわかし・きにとくした単純たんじゅん構造こうぞう装置そうち給湯きゅうとう機能きのう場合ばあいたない場合ばあいがある。バランスがまひとしともばれる。高度こうど経済けいざい成長せいちょうにおいては普及ふきゅう傾向けいこうだったが、現代げんだいにおいては長所ちょうしょがほとんどないことから減少げんしょうしており、新規しんき設置せっちすることは山小屋やまごやひとし特殊とくしゅ事情じじょう以外いがいではまれである。厳密げんみつには給湯きゅうとうとはべない。

温水おんすい暖房だんぼう熱源ねつげん[編集へんしゅう]

温水おんすいセントラルヒーティングの熱源ねつげん内部ないぶに1系統けいとうねつ交換こうかんとポンプをつものがおおく、循環じゅんかんけい構築こうちくしている。お供給きょうきゅうする機器ききではないため、厳密げんみつには給湯きゅうとうとはべない。

設置せっち箇所かしょべつ分類ぶんるい[編集へんしゅう]

セントラルしき[編集へんしゅう]

蛇口じゃぐち給湯きゅうとう分離ぶんりした構造こうぞうをしている装置そうちで、配管はいかんもち複数ふくすう蛇口じゃぐちへの供給きょうきゅう可能かのうにしているものをいう。蛇口じゃぐちまでの経路けいろながくなることを想定そうていしており、供給きょうきゅう水圧すいあつ連続れんぞくてき変化へんかえられる構造こうぞうつ。屋内おくないがいわず蛇口じゃぐちからはなれた場所ばしょ設置せっちされるケースがおおいため、リモコンで設定せってい変更へんこうすることができるものがおおい。自動じどう風呂ふろ給湯きゅうとう基本きほんてきにセントラルしきである。

局所きょくしょしき[編集へんしゅう]

単一たんいつ蛇口じゃぐちへの給湯きゅうとうもしくは給湯きゅうとう自体じたい蛇口じゃぐちがついており、温水おんすい使用しようする箇所かしょ設置せっちされるものをいう。瞬間しゅんかん湯沸ゆわかし代表だいひょうれいであり、比較的ひかくてき小型こがたであるとともに、屋内おくない設置せっちされる場合ばあいおおい。セントラルしき補助ほじょ装置そうちとしてもちいる場合ばあいもある(瞬間しゅんかんしき)。

熱源ねつげんべつ分類ぶんるい[編集へんしゅう]

電気でんき給湯きゅうとう[編集へんしゅう]

火気かき使つかえない場所ばしょ利用りようされる業務ぎょうむよう電気でんき給湯きゅうとう
日本にっぽん 200V仕様しよう

電熱でんねつヒーターを使つかうタイプとねつ交換こうかん使つかうタイプにかれる。深夜しんや電力でんりょく電力でんりょく会社かいしゃ契約けいやくメニューによってことなる。東京電力とうきょうでんりょくれいでは23からよく7まで)の割安わりやす単価たんか適用てきよう時間じかんたい使つかい、貯湯タンクないに85°C程度ていどかしたを150 - 560リットル程度ていどたくわえて昼間ひるま給湯きゅうとう使用しようする。昼間ひるま時間じかんたいでも運転うんてん可能かのうだが、コストめんからタイマー制御せいぎょとうもちいて深夜しんや電力でんりょく時間じかんたい稼働かどうするように設定せっていする方式ほうしき普及ふきゅうしている。

  • 長所ちょうしょ
    • きゅう排気はいき設備せつび不要ふようなため、設置せっち場所ばしょ制限せいげん燃焼ねんしょうしき給湯きゅうとうくらすくない。
    • 設置せっち場所ばしょでは排気はいきがなく、空気くうき一切いっさいよごさない。
    • ぶしべつ時間じかんたい別電べつでんとう時間じかんたい別電べつでんとう深夜しんや電力でんりょく融雪ゆうせつよう電力でんりょくといった割安わりやす電気でんき料金りょうきんプランが使つかえる。
    • ガスや石油せきゆ灯油とうゆ)の配管はいかん工事こうじだい必要ひつようとしない。
    • オール電化でんか場合ばあいは、ガス契約けいやくおこなわなくてむので、月々つきづきのガスだいらない。
    • ガスしき石油せきゆしき比較ひかくし、作動さどうおん非常ひじょうしずかである。
    • ガスしき石油せきゆしき比較ひかくし、製品せいひん寿命じゅみょうながく、メンテナンスも簡易かんいである。また火災かさいなどの事故じここりにくい。2kWをえない場合ばあい火災報知器かさいほうちき設置せっち義務ぎむはない(地区ちくによる)。
  • 短所たんしょ
    • 契約けいやく運転うんてん時間じかんたいにより電気でんきだい通常つうじょう契約けいやくより割高わりだかとなるため、給湯きゅうとう不足ふそくとならないタンク容量ようりょう機種きしゅ選定せんてい必要ひつようとなる。
    • 貯湯タンクの設置せっち場所ばしょ必要ひつよう集合しゅうごう住宅じゅうたくでは設置せっち場所ばしょゆか面積めんせきふくまれるが、自治体じちたいによってはエコキュートの設置せっちめん積分せきぶん容積ようせきりつ緩和かんわしている場合ばあいがある。
    • 瞬間しゅんかんしきではなく貯湯しきのため、給湯きゅうとうりょう上限じょうげんがある。
    • 水圧すいあつひくい。ガスしき同等どうとうたかめるためには別途べっと加圧かあつユニットが必要ひつよう機種きしゅがある。ただし、一部いちぶ機種きしゅでは水圧すいあつたか水道すいどうちょくあつしきもある。
    • ガスしき石油せきゆしき比較ひかくし、本体ほんたい価格かかくたかい。

電気でんき温水おんすい[編集へんしゅう]

5リットル程度ていど電気でんき小型こがた温水おんすい

電熱でんねつヒーターを使つかう。セントラルヒーティングに使つかえる機種きしゅもあり、北海道ほっかいどうオール電化でんか住宅じゅうたくもちいられている。容量ようりょうが1 - 100リットル程度ていど小型こがたのものもあり、キッチンや洗面せんめんしょくことも可能かのう

  • 長所ちょうしょ
    • 使用しよう地域ちいきそと気温きおん関係かんけいなく、給湯きゅうとう可能かのう
    • 洗面せんめんだい内蔵ないぞうする小型こがたタイプもある。
    • セントラルヒーティング対応たいおうする機種きしゅもある。
    • ヒートポンプしきくらべて設置せっち面積めんせきちいさい。
    • かすさいおとがしない。
    • 構造こうぞうがシンプルで長寿ちょうじゅいのち
    • 深夜しんや電力でんりょく有効ゆうこう利用りようになる。
  • 短所たんしょ
    • ねつ交換こうかんタイプとくらべてランニングコストたかい。
    • きのさいは、昼間ひるま電力でんりょく使用しようすることになるため電気でんきだい割高わりだかになる。
    • 貯湯しきのため湯量ゆりょう限界げんかいがあり、複数ふくすう使用しようには不向ふむき。
電気でんき小型こがた瞬間しゅんかんにえ[編集へんしゅう]
電気でんき小型こがた瞬間しゅんかんにえ

日本にっぽん国外こくがいもちいられているものは、消費しょうひ電力でんりょくが8.5kWから11kWないしそれ以上いじょうで、200Vから240Vを使用しようする。おもにバスルームのシャワーに使つかわれる。

現在げんざい住宅じゅうたくよう日本にっぽんもちいられているガス瞬間しゅんかんしき比較的ひかくてき小型こがたであっても能力のうりょくが16ごうあり、これは効率こうりつ無視むししても27.8kW必要ひつようで、これを電気でんき瞬間しゅんかんしき実現じつげんするには電気でんき設備せつび容量ようりょうめん困難こんなんおおきい。ゆえ手洗てあらようとうとく貯蔵ちょぞう必要ひつようのないものであってもちいさな出力しゅつりょく十分じゅうぶんりょう出湯いでゆさせるために貯湯しきもちいられる場合ばあいおおい。

ただし、小型こがた構造こうぞう簡単かんたんねつ効率こうりつ非常ひじょう優秀ゆうしゅうである。こうあつ特別とくべつだかあつ電気でんき契約けいやく工場こうじょう・ホテル・病院びょういんとうでその利用りよう価値かちおおきい。

自然しぜん冷媒れいばいヒートポンプ給湯きゅうとう エコキュート[編集へんしゅう]

自然しぜん冷媒れいばい(CO2)をもちいたねつ交換こうかんしき電気でんき給湯きゅうとうで「エコキュート」とばれている。「エコキュート」の名称めいしょう電力でんりょく会社かいしゃ給湯きゅうとうメーカーが自然しぜん冷媒れいばいヒートポンプ給湯きゅうとう総称そうしょうする愛称あいしょうとして使用しようしている(登録とうろく商標しょうひょう権利けんりとしては関西電力かんさいでんりょく保持ほじ管理かんりしている)。よって、自然しぜん冷媒れいばいもちいないHFCヒートポンプ給湯きゅうとうは「エコキュート」とはばれない。2001ねん5月にデンソー電力でんりょく中央ちゅうおう研究所けんきゅうじょ東京電力とうきょうでんりょくの3しゃ共同きょうどう開発かいはつされ、コロナ発売はつばい開始かいしした。構造こうぞうエアコンおな原理げんり大気たいきねつ冷媒れいばいうつし、そのねつかす。

燃焼ねんしょうしき電気でんき温水おんすいことなり大気たいきねつ移動いどうする仕組しくみのため、投入とうにゅうエネルギーよりもおおくのねつエネルギーを利用りようすることができる。

CO2排出はいしゅつ抑制よくせい手段しゅだんとして注目ちゅうもくされており、機種きしゅによっては政府せいふ[6]補助ほじょきんられるものもあったが、補助ほじょきん2010ねん終了しゅうりょうした。加熱かねつ能力のうりょく業務ぎょうむよう10馬力ばりきのものでやく28kW。

  • 長所ちょうしょ
  • 短所たんしょ
    • 非常ひじょう大型おおがたとなるうえ、貯湯タンクのほかにヒートポンプユニットの設置せっち場所ばしょ必要ひつよう一般いっぱん家庭かていには不向ふむきである。
    • 冷媒れいばいにCO2使用しようしているため、ヒートポンプの現場げんば修理しゅうり不可能ふかのう
    • 湯沸ゆわかしにヒートポンプユニットから、運転うんてんおんがする(やく38 - 40db)。
    • 寒冷かんれいきではない。一部いちぶ地域ちいきでは使用しよう不能ふのう
    • イニシャルコストがたかい。
    • 貯湯しきのため、飲用いんようてきさない(貯湯タンクのねつねつ交換こうかんおこな瞬間しゅんかん湯沸ゆわかししき問題もんだいない)。
    • ヒートポンプユニットの寿命じゅみょうやく10ねん

ヒートポンプ給湯きゅうとう ほっとパワーエコ[編集へんしゅう]

エアコンとおなじR410A冷媒れいばいもちいたヒートポンプでかす電気でんき給湯きゅうとう東芝とうしばキヤリア[1]製造せいぞうしている。冷媒れいばいにCO2使用しようしていないためエコキュートの補助ほじょきん制度せいど使つかえないが、ヒートポンプユニットはエアコンと部品ぶひん共通きょうつうしているため、現場げんばでの修理しゅうり対応たいおう可能かのうというメリットがある。寒冷かんれいけに電熱でんねつヒーターを内蔵ないぞうしているものひとし東芝とうしば独自どくじのラインアップがある。

  • 長所ちょうしょ
    • エコキュートと同等どうとう程度ていどのランニングコストと性能せいのう
    • エコキュートとちがって冷媒れいばいにR410Aを使用しようしているためヒートポンプの現場げんば修理しゅうり可能かのう修理しゅうり安価あんか短時間たんじかん通常つうじょうのエアコンと同様どうようでメンテナンスせいすぐれている。
    • 値段ねだんは、補助ほじょきん制度せいど使つかったエコキュートとほぼ同様どうよう
  • 短所たんしょ
    • エコキュートよりも湯沸ゆわかし運転うんてんおんがわずかにおおきい(やく40db)。

ヒートポンプ給湯きゅうとう[編集へんしゅう]

1980年代ねんだいから1990年代ねんだい松下電器産業まつしたでんきさんぎょう発売はつばいしていたもの[ちゅう 3]東芝とうしばの「ほっとパワーエコ」の冷媒れいばいえたもの。[よう出典しゅってん]

ガス給湯きゅうとう[編集へんしゅう]

能力のうりょくごうすう[編集へんしゅう]

日本にっぽんにおいては、ガス給湯きゅうとう能力のうりょくしめ単位たんいとして「ごうすう」という用語ようご使つかわれている。ごうすう水温すいおん+25°Cのおを1分間ふんかんせるりょう(リットル)をしめ[7]たとえば「24ごう」は、水温すいおん+25°Cのおを1分間ふんかんに24リットルせる給湯きゅうとう能力のうりょくである。

ガス小型こがた瞬間しゅんかんにえ[編集へんしゅう]

もとしきガス小型こがた瞬間しゅんかんにえ

台所だいどころやその付近ふきん室内しつない設置せっちされる小型こがた給湯きゅうとうもとしきさきしきがある。

もとしきとは本体ほんたいから直接ちょくせつびたシャワーこうふく給湯きゅうとう配管はいかんにより給湯きゅうとうする方式ほうしきで、さきしきとは本体ほんたい給湯きゅうとう必要ひつようとする場所ばしょはなれたべつ体型たいけい蛇口じゃぐち混合こんごうすいせん)をふく給湯きゅうとう配管はいかん施工しこうし、蛇口じゃぐち開閉かいへいによる水圧すいあつ変化へんかにより制御せいぎょ給湯きゅうとうする方式ほうしきである。

  • 長所ちょうしょ
    • ガス(都市としガスプロパンガス)と上水道じょうすいどう接続せつぞくすればすぐ稼働かどうでき、手軽てがる必要ひつようとき必要ひつようぶんだけることができる。
    • 給湯きゅうとう配管はいかんのないふる建物たてものでもだい規模きぼなリフォーム工事こうじなしに使用しようできる。
    • 動作どうさよう電源でんげん電池でんちなので停電ていでんでも(ガス供給きょうきゅう停止ていし断水だんすいがなければ)問題もんだいなく使つかえる。
    • とく家庭かていようもちいられるもとしき給湯きゅうとう必要ひつよう場所ばしょにのみ設置せっちされる方式ほうしきであるため、時間じかんく、少量しょうりょう頻繁ひんぱん使用しようする場合ばあい配管はいかんからのねつ損失そんしつ存在そんざいしないため、経済けいざいてきとなる場合ばあいがある。
  • 短所たんしょ
    • 室内しつない燃焼ねんしょう排気はいき放出ほうしゅつする開放かいほうがたばれる方式ほうしきのため、能力のうりょくひくいものに限定げんていされ湯量ゆりょうすくない。
    • 使用しようには室内しつない燃焼ねんしょう排気はいきガス(二酸化炭素にさんかたんそひとし)が直接ちょくせつ放出ほうしゅつされるため、換気かんき不足ふそくつづくと不完全ふかんぜん燃焼ねんしょうこり一酸化いっさんか炭素たんそ中毒ちゅうどくこす可能かのうせいがある。そのため十分じゅうぶん換気かんき必要ひつようとする。かなりふるいものでなければ不完全ふかんぜん燃焼ねんしょう防止ぼうし安全あんぜん装置そうちはついているものの、1980年代ねんだい旧式きゅうしき器具きぐでは安全あんぜん装置そうち故障こしょう着火ちゃっか不良ふりょうによる爆発ばくはつ燃焼ねんしょうこしやすい。
    • 2006ねん発覚はっかくしたパロマにえ死亡しぼう事故じこにより、メーカーをわず小型こがた瞬間しゅんかんにえ経年けいねん使用しようあやうさがクローズアップされるようになり、7 - 10ねん程度ていどでの点検てんけん交換こうかんのぞましいとされる。
    • 台所だいどころりゅうじょうとう使用しよう場所ばしょもうける必要ひつようがあるので美観びかんそこねやすい。

ガス貯湯しき給湯きゅうとう[編集へんしゅう]

タンクないみずあらかじあつしする方式ほうしき。いわば(瞬間しゅんかんしきでない)電気でんき温水おんすい熱源ねつげんをガスにしたようなものである。アメリカから伝播でんぱしたふるくからある器具きぐで、現在げんざいおも理髪りはつてんとう使用しようされる。複雑ふくざつ制御せいぎょ必要ひつようとせず、それでいて非常ひじょう安定あんていした温度おんど供給きょうきゅうできる。ループ配管はいかん施工しこう可能かのうなので配管はいかんいちじるしくなが場合ばあいでも(がっていれば)蛇口じゃぐちけてからぐにるという特徴とくちょうがあり、また多数たすうせん同時どうじひらいても温度おんど安定あんていしていることもあり現在げんざいでも高級こうきゅう設備せつびとして需要じゅようがある。セントラルヒーティングに使つかえる機種きしゅもある。

  • 長所ちょうしょ
    • 構造こうぞう単純たんじゅん故障こしょうすくない。
    • 温度おんど流量りゅうりょう無関係むかんけいで(使用しようにつれゆっくりと降下こうかするのみ)、らんだかしない。
    • おなじ貯湯しきでも電気でんき温水おんすいしてこう熱量ねつりょうのためがりがはやい(最大さいだい1あいだはん)。
    • 一時いちじてき多量たりょう消費しょうひしても瞬時しゅんじ多量たりょうのガスを消費しょうひせず、大型おおがたのものでもガス配管はいかん排気はいき設備せつびへの負担ふたんすくない。
  • 短所たんしょ
    • がりまで時間じかんかる。
    • 非常ひじょう大型おおがたである。
    • 比較的ひかくてき水圧すいあつよわい。
    • 慎重しんちょう機種きしゅ選定せんていをしないとれの危険きけんがあるが、余裕よゆうがありぎて能力のうりょくくらべて必要ひつようりょう極端きょくたんすくない場合ばあい損失そんしつおおい。

ガス給湯きゅうとう瞬間しゅんかんしき[編集へんしゅう]

設置せっち場所ばしょにより屋内おくない設置せっちがた浴室よくしつない設置せっちがた(バランスがま給湯きゅうとう蛇口じゃぐちまたはシャワーのみ)をそなえたもの)、パイプシャフトない設置せっちがた屋外おくがい設置せっちがた分類ぶんるいされる。これらはきゅう排気はいき方式ほうしき能力のうりょくごうすう)よりさら分類ぶんるいされる。セントラルヒーティングに使つかえる機種きしゅもある。

寒冷かんれいとく北海道ほっかいどう)では凍結とうけつ故障こしょう防止ぼうしのために屋内おくない設置せっちすることがおおく、寒冷かんれい仕様しようとしてラインアップしているメーカーがおおい。

ぎゃくに、一部いちぶメーカーにおいては、本体ほんたい仕様しよう通常つうじょうのものと以下いかのようにえることで、沖縄おきなわ仕様しよう製品せいひんとしてラインアップしているところもある。

  • 本体ほんたい塗装とそうたい塩害えんがい仕様しようにする。
  • 排気はいきこうなどの開口かいこうあみなどをけ、むしやヤモリの侵入しんにゅう対策たいさくおこなう。
  • 凍結とうけつ防止ぼうしのための、本体ほんたい内部ないぶのヒータを省略しょうりゃくする。

一般いっぱんてきには戸建こだて住宅じゅうたくではゆかおけしき壁掛かべかけしきが、集合しゅうごう住宅じゅうたくでは壁掛かべかけしき(パイプシャフトまたはベランダ)が普及ふきゅうしている。

おおきくは給湯きゅうとうせんからの給湯きゅうとうのみの機能きのう給湯きゅうとうたんのう浴槽よくそうつい機能きのうわせ風呂ふろ給湯きゅうとうかれるが、近年きんねんはさらに温水おんすい暖房だんぼうゆか暖房だんぼう浴室よくしつ暖房だんぼう)の熱源ねつげんとしても使用しよう可能かのうな「温水おんすい暖房だんぼうねつ原付げんつ給湯きゅうとう」や「温水おんすい暖房だんぼう熱源ねつげん風呂ふろ給湯きゅうとう」も販売はんばいされている。

  • 長所ちょうしょ
    • 都市としガスや料金りょうきん設定せっていやすめなLPガス業者ぎょうしゃ場合ばあいは、電気でんき温水おんすい深夜しんや電力でんりょく以外いがい)より燃料ねんりょうだいやすむ。
    • コンパクトで場所ばしょらないため、都会とかい住宅じゅうたくやマンションなどで採用さいようされることがおおい。
    • 瞬間しゅんかんしきのため、必要ひつようとするぶんだけの即座そくざ使つかえる。貯湯しきようにタンクないすべてのみずあたためる必要ひつようはない。
    • 瞬間しゅんかんしきのため、器械きかい故障こしょう以外いがいみずになることがほとんどない。
    • 給湯きゅうとうあつたかい。こう能力のうりょくのものであれば、3箇所かしょ同時どうじ給湯きゅうとうにおいても圧力あつりょく低下ていかすくない。
  • 短所たんしょ
    • 湯沸ゆわかし運転うんてんおんがする(やく47 - 52db)。
    • 最大さいだいりょうわせた能力のうりょくごうすう選定せんてい必要ひつようである。
    • 微小びしょう流量りゅうりょうでは給湯きゅうとうができない。
    • とく廉価れんか機種きしゅ蛇口じゃぐち開閉かいへい急激きゅうげき流量りゅうりょう変化へんか温度おんど制御せいぎょ追従ついしょうがたく、給湯きゅうとうゆたからんだかくだしやすい(冷水れいすいサンドイッチ現象げんしょう)。
    • 料金りょうきん設定せってい高価こうかなLPガス業者ぎょうしゃ場合ばあいもっと燃料ねんりょうだいかる。
    • 屋内おくない設置せっちではきゅう排気はいき設備せつび必要ひつようとなる。
    • 機器きき本体ほんたい蛇口じゃぐちはなれていると、るまですうじゅうびょうたなければならない。
潜熱せんねつ回収かいしゅうがたガス給湯きゅうとう エコジョーズ[編集へんしゅう]
ガスだか効率こうりつがた給湯きゅうとう「エコジョーズ」

従来じゅうらいのガス給湯きゅうとうねつ効率こうりつがおよそ80%であったのにたいやく15%たかい、95%のねつ効率こうりつ実現じつげんさせた新型しんがたのガス給湯きゅうとう

ガス給湯きゅうとうではみずとおねつ交換こうかん燃焼ねんしょうによってしょうじた高温こうおんガスにてることで、ガスからねつ回収かいしゅう温水おんすいる。このとき従来じゅうらいがた給湯きゅうとうではねつ交換こうかん排気はいきガスは200°C程度ていどであり、燃料ねんりょうエネルギーのおよそ80%しか回収かいしゅうできていなかった。潜熱せんねつ回収かいしゅうがたガス給湯きゅうとうでは、従来じゅうらい排出はいしゅつしていた(いちねつ交換こうかんのガスをねつ交換こうかん給水きゅうすい予熱よねつする。ねつ交換こうかん排気はいき温度おんどみず沸点ふってん以下いかの60°C程度ていどまでげることで排気はいきガスちゅうふくまれる水蒸気すいじょうき液体えきたいみずとし、潜熱せんねつ凝縮ぎょうしゅくねつ)を回収かいしゅうできる。これによって全体ぜんたいとして95%程度ていどねつ効率こうりつ実現じつげんし、液体えきたいみずとなった水蒸気すいじょうきぶんだけ排気はいきりょうすくなくなる。2000ねん6がつ高木産業たかぎさんぎょうげんパーパス)がはじめて発売はつばい開始かいしした。

  • 長所ちょうしょ
    • くに[8]地方自治体ちほうじちたい導入どうにゅう補助ほじょりる場合ばあいがあり、該当がいとうすれば申請しんせいにより補助ほじょけられる。
    • 効率こうりつたかまるぶん必要ひつようとするガス使用しようりょうり、二酸化炭素にさんかたんそ排出はいしゅつ削減さくげん光熱こうねつ削減さくげんとなる。
  • 短所たんしょ
    • ねつ交換こうかんからドレンみず排水はいすい処理しょり必要ひつよう
    • 排気はいき温度おんど従来じゅうらいがたよりひくい(60°C程度ていど)ため排気はいきちゅう残留ざんりゅう水蒸気すいじょうき結露けつろしやすく、排気はいき方向ほうこう金属きんぞくせい障害しょうがいぶつがある場合ばあい結露けつろにより腐食ふしょくおそれがある(開放かいほう空間くうかんけて排気はいきするよう設置せっちする)。
    • 湯沸ゆわかし運転うんてんおん従来じゅうらいがたより若干じゃっかんおおきい(やく47 - 52db)。

ハイブリッド給湯きゅうとう[編集へんしゅう]

2015ねん登場とうじょうした、エコキュートによる電気でんき自然しぜん冷媒れいばいヒートポンプしきとエコジョーズによるガス瞬間しゅんかんしきわせた給湯きゅうとうのため、ガス給湯きゅうとうただいちしょう暖房だんぼうにも対応たいおうしている。

両方りょうほうのメリットとデメリットもいでいるので、電気でんきでの貯湯室外しつがいからこる騒音そうおんもそのまま反映はんえいされている。電気でんきでの貯湯は、エコキュートよりも容量ようりょうすくなめでかつひく温度おんどめており、ガスによる瞬間しゅんかん給湯きゅうとう適温てきおんにしている。エコキュートとちがい、電気でんきでの貯湯が電気でんきだいやす深夜しんや時間じかんたいおこなわれているのみであり、電気でんきめたおれてすぐにガスの給湯きゅうとう単独たんどくおこなわれるため、追加ついか貯湯はおこなわれない。

ランニングコストとしては、のガス給湯きゅうとうちがい、ガスだい大幅おおはばやすくなるわりに電気でんきだいたかくなるものの、導入どうにゅう費用ひようがエコキュートやガス給湯きゅうとうよりもたかくなるため、都市としガスよりもランニングコストがたかめのプロパンガスの家庭かていでの利用りよう非常ひじょうおおい。

リンナイより「エコワン(ECO ONE)」の商品しょうひんめいで、ノーリツからは「ハイブリッド(HYBRID)給湯きゅうとうシステム」の名称めいしょう発売はつばいされている。

石油せきゆ給湯きゅうとう[編集へんしゅう]

1960ねんころ住宅じゅうたく採用さいようされたはん貯湯しき石油せきゆ給湯きゅうとう
画面がめん中央ちゅうおうにある円筒えんとうがた物体ぶったい

石油せきゆ灯油とうゆバーナーによる給湯きゅうとう経済けいざいてき効果こうか燃費ねんぴ)を期待きたいし、浴槽よくそうなどの多量たりょう給湯きゅうとうもちいられる。かつては燃焼ねんしょう制御せいぎょ技術ぎじゅつ問題もんだいもあり、比較的ひかくてき容量ようりょうおおきいかん内蔵ないぞうするはん貯湯しきもしくはセミ貯湯しきばれるものがおおかったが、現在げんざい必要ひつようりょうだけその都度つどぬくして利用りようする瞬間しゅんかんしきちょくあつしき)もある。

瞬間しゅんかんしきこまかい制御せいぎょ可能かのうなため、1°C単位たんいでの給湯きゅうとう温度おんど設定せってい可能かのうかんたいたないので、水道すいどうすい圧力あつりょくのままもちいることができる。またガス瞬間しゅんかんしき同様どうよう給湯きゅうとう水圧すいあつ上水道じょうすいどうあつとほぼ同一どういつであり蛇口じゃぐちねじればただちに点火てんか出湯いでゆするなどのメリットがあるがそのぶん構造こうぞう制御せいぎょ複雑ふくざつになり、本体ほんたい価格かかく高価こうかである。また、ガス瞬間しゅんかんしき同様どうよう微小びしょう流量りゅうりょうでは燃焼ねんしょう開始かいしできなかったり給湯きゅうとう能力のうりょく超過ちょうかした出湯いでゆ場合ばあいただちにゆたか低下ていかたす欠点けってんがある。瞬間しゅんかんしき本来ほんらい、ガスのよう燃焼ねんしょう制御せいぎょきわめて容易ようい燃料ねんりょうもちいられるものであるので、このてんではやや不利ふりである。

これにたいして、セミ貯湯しき構造こうぞう単純たんじゅんなため瞬間しゅんかんしきちょくあつしき)にくらべて安価あんかであるが、容積ようせきのある円筒えんとうかんたいつためほう規制きせいけかつては圧力あつりょく上限じょうげんが0.1Mpaとされていて、給湯きゅうとう水圧すいあつひくく(ただし最近さいきんこうあつがた0.2Mpaもある)使用しよう開始かいしかんみずあらかじあたためなければならないので、すうじゅうびょう程度ていど時間じかん発生はっせいする(たずに給湯きゅうとうせんけばいつまでもぬるいままともなる)。温度おんど設定せっていが「あつい - ぬるい」などの感覚かんかくてき設定せっていしかできないひとし制約せいやくがある。反面はんめん低圧ていあつであるので在来ざいらい太陽熱たいようねつ温水おんすいとの結合けつごうきわめて容易よういであり、かん湯量ゆりょうがあるので、ゆたからん高下こうげ比較的ひかくてき緩和かんわされる。

かつてはランニングコストのめんから寒冷かんれい都市としガスの供給きょうきゅう地域ちいきでの採用さいようおおかったが、原油げんゆ価格かかく高騰こうとうやオール電化でんか普及ふきゅうともない、電気でんき給湯きゅうとうへシフトする傾向けいこうにある。

  • 長所ちょうしょ
    • 石油せきゆ安価あんかなときは、パワフルなわり経済けいざいてき
    • 瞬間しゅんかんしきのため、実用じつようじょう限度げんど水量すいりょうがない。
    • とく低圧ていあつはん貯湯しき太陽熱たいようねつ温水おんすいとの接続せつぞく容易よういである。
  • 短所たんしょ
    • 石油せきゆ高騰こうとうしたときは、値段ねだん反映はんえいされてしまう。
    • 石油せきゆ独特どくとくにおいやバーナー作動さどうおんがする。湯沸ゆわかし運転うんてんおんやく47 - 52db。
      • ただし、47 - 52dbの運転うんてんおん機器きき深夜しんや稼働かどうさせた場合ばあい環境かんきょう基本きほんほうだい16じょうだい1こう規定きていもとづく「騒音そうおんかか環境かんきょう基準きじゅんについて」に違反いはんする可能かのうせいがある[9]
    • 大型おおがた燃料ねんりょうタンク設備せつび必要ひつよう
    • 定期ていきてき給油きゅうゆ必要ひつよう
    • 低圧ていあつはん貯湯しきで2かいへも給湯きゅうとうする場合ばあいとくにシャワーをこうあつにする場合ばあいは、ポンプの付置ふち必要ひつよう

潜熱せんねつ回収かいしゅうがただか効率こうりつちょくあつしき石油せきゆ給湯きゅうとう エコフィール[編集へんしゅう]

従来じゅうらい石油せきゆ給湯きゅうとうねつ効率こうりつが83%だったのとくらべ14%たかい、95%のねつ効率こうりつ実現じつげんさせた新型しんがた石油せきゆ給湯きゅうとう従来じゅうらいまではてていた高温こうおん排気はいき有効ゆうこう利用りようすることで、ねつ効率こうりつたかめている。2006ねん12月にノーリツが発売はつばい開始かいしした。石油せきゆ業界ぎょうかいならびに給湯きゅうとう機器きき業界ぎょうかいは、石油せきゆエネルギーのこう効率こうりつ利用りよう促進そくしん観点かんてんからエコフィール購入こうにゅう支援しえん事業じぎょう展開てんかいしている。

形態けいたいとしてはガス給湯きゅうとうの「エコジョーズ」と類似るいじする。排気はいき温度おんどが200°Cから60°Cがるため、しょうエネせいほか安全あんぜんじょうのメリットもある。ただし、日本にっぽん国内こくない流通りゅうつうねつ機器ききようガスとことなり、石油せきゆわずかではあるが硫黄いおうなどの不純物ふじゅんぶつふくむため、給湯きゅうとうクラスの大量たいりょう排気はいき沸点ふってん以下いか排出はいしゅつされて低温ていおんがわねつ交換こうかん結露けつろしたさい、これら不純物ふじゅんぶつんで酸性さんせい液体えきたいになったドレンをそのまま排出はいしゅつすると周囲しゅうい腐食ふしょくさせてしまう。このため、本体ほんたいないにドレン中和ちゅうわ内蔵ないぞうされ、さら設置せっちには特別とくべつ排気はいきドレン工事こうじ必要ひつようとなる。これは、本体ほんたい価格かかく従来じゅうらいがたより10まんえんだかとなるうえ工事こうじもかかるため、ていコストをもとめられる石油せきゆ給湯きゅうとうとしてはおおきなデメリットでもあり、このことからエコジョーズほどラインアップが充実じゅうじつしていない。

コージェネレーションシステムに付属ふぞくする給湯きゅうとう[編集へんしゅう]

エコウィル(家庭かていようガスエンジンコージェネレーション)付属ふぞく補助ほじょ熱源ねつげん[編集へんしゅう]

家庭かていようガスエンジンコージェネレーションシステム付属ふぞくする貯湯ユニットにまれた給湯きゅうとう。貯湯を使つかったとき設定せってい温度おんどまでたかまっていないとき補助ほじょ熱源ねつげんとして稼働かどうする。燃料ねんりょうは、都市としガスやLPガス。

エネファーム(家庭かていよう燃料ねんりょう電池でんちコージェネレーション)付属ふぞく補助ほじょ熱源ねつげん[編集へんしゅう]

家庭かていよう燃料ねんりょう電池でんちコージェネレーションシステム付属ふぞくする貯湯ユニットにまれた給湯きゅうとう。貯湯を使つかったとき設定せってい温度おんどまでたかまっていないとき補助ほじょ熱源ねつげんとして稼働かどうする。燃料ねんりょうは、都市としガスやLPガス、石油せきゆ

太陽熱たいようねつ温水おんすい[編集へんしゅう]

太陽熱たいようねつ利用りようして温水おんすいつくる。太陽光たいようこう発電はつでんくらべるとおな面積めんせきで4 - 5ばいねつエネルギーをることができる。あめくもりのにあっては能力のうりょくがるので、単独たんどくでの設置せっち現実げんじつてきでない。

自然しぜん循環じゅんかんしき[編集へんしゅう]

ガラス張がらすばりのはこないおさめた平板へいばんじょうしゅうねつとその上部じょうぶに貯湯そうもうけ、水道すいどうからあつの(大気たいき開放かいほうされた)貯湯そうへボールタップにより補給ほきゅうされる方式ほうしき給湯きゅうとうせんへは屋根やねじょう太陽熱たいようねつ温水おんすいからの落差らくさ供給きょうきゅうされる。廉価れんか方式ほうしきであり、国内こくないでは現在げんざいもっともありふれた方式ほうしきである。

ガス瞬間しゅんかんしき石油せきゆ瞬間しゅんかんしきとの連携れんけい水圧すいあつ問題もんだいから困難こんなんで、とく自動的じどうてき温度おんど設定せっていをする機種きしゅとは相性あいしょうくない。いずれも専用せんよう機器きき太陽熱たいようねつ連携れんけい前提ぜんていとした機種きしゅもうけることで解決かいけつできるが、その機器ききさら費用ひようかり保守ほしゅじょう難点なんてんしょうずる。また、なかには設定せっていぬる以下いかなかてい温度おんど太陽熱たいようねつ温水おんすいまった利用りようしない機種きしゅもあるので、太陽熱たいようねつ温水おんすい経済けいざい効果こうかうすれるものも存在そんざいする。

たん機能きのうの(低圧ていあつがたはん貯湯しき石油せきゆ給湯きゅうとう、ガス貯湯しき在来ざいらい電気でんき温水おんすいであれば、単純たんじゅん太陽熱たいようねつ温水おんすい出口でぐち給湯きゅうとうかんたい接続せつぞくするだけで連携れんけい運用うんよう可能かのう設備せつび費用ひようやすく、それでいて最大限さいだいげん太陽熱たいようねつ利用りようできる(電気でんき温水おんすい一部いちぶには過去かこ使用しようしたパターンから通電つうでん時間じかんめるものがあるが、この場合ばあい設定せっていくるってしまうので直接ちょくせつ連携れんけいけたほうがい)。

太陽熱たいようねつとその熱源ねつげん給湯きゅうとう選択せんたくすることが可能かのうみずせん存在そんざいし、これを使用しようした場合ばあい使用しようするとき太陽熱たいようねつ温水おんすいへの給水きゅうすいをストップし、使用しようちゅう温度おんど降下こうか抑制よくせいすることもできる(とくにこの使用しようほう落水おちみずしきしょうする)。また、このみずせん使用しようした場合ばあいはガス瞬間しゅんかんしき石油せきゆ瞬間しゅんかんしきとも簡単かんたん接続せつぞくでき設備せつび費用ひよう比較的ひかくてきやすくなるが、蛇口じゃぐちまわりの配管はいかん輻輳ふくそうするのが難点なんてんで、さら風呂場ふろばとうせん用水ようすいせん設置せっち場所ばしょでのみえが可能かのうでない欠点けってんもある。

  • 長所ちょうしょ
    • 燃料ねんりょうだい節減せつげんができる。ランニングコストがかからない。
    • 化石かせき燃料ねんりょう使用しようしないため、環境かんきょう負荷ふかひくい。
  • 短所たんしょ
    • 屋根やね方角ほうがく日照ひでり時間じかん天候てんこうそと気温きおんなど設置せっち場所ばしょ環境かんきょうによって給湯きゅうとう能力のうりょく左右さゆうされる。とく冬場ふゆば低温ていおん積雪せきせつによってほとんど水温すいおんがらない場合ばあいもある。
    • 満水まんすいは300kg前後ぜんこう重量じゅうりょうがあるため家屋かおく強度きょうど耐震たいしんせい注意ちゅうい必要ひつようである。
    • 寒冷かんれいでは、冬場ふゆば落水おちみずみずき)をしないと凍結とうけつにより破損はそんすることがある。
    • ていしょ設置せっちした場合ばあい給湯きゅうとうあつ極端きょくたんひくくなる。
自然しぜん循環じゅんかんねつ交換こうかんしき[編集へんしゅう]

上記じょうき自然しぜん循環じゅんかんしきの貯湯そうない直接ちょくせつ使用しようせず、ふねないねつ交換こうかんようのコイルを設置せっちし、水道すいどうすいぬくして供給きょうきゅうする方式ほうしき

使用しようする水道すいどうすい直接ちょくせつ貯蔵ちょぞうされず、必要ひつようぶんのみあつしされて供給きょうきゅうされ衛生えいせいてきかつ、水道すいどうすい圧力あつりょくをそのまま利用りようできるため、地面じめんじょうあるいはひく屋根やねじょう設置せっちした場合ばあいでも給湯きゅうとうあつ確保かくほしやすい利点りてんがある。ただし、貯湯そうない上部じょうぶ高温こうおん選択せんたくてき使用しようする方式ほうしき採用さいようできないので、使用しようにしたがってのゆたか低下ていか比較ひかくてきおおきくなる欠点けってんをもつ。ガスしきないし石油せきゆしきへの接続せつぞく前提ぜんていとした方式ほうしきともいえる。

ヒートパイプ真空しんくうかん方式ほうしき[編集へんしゅう]

魔法瓶まほうびんじょうじゅうガラス管内かんないヒートパイプもうけ、その発熱はつねつたいあつのあるステンレスせい貯湯そうないあつしする方式ほうしき中国ちゅうごく普及ふきゅうしている方式ほうしきであるが、品質ひんしつ安定あんていしたが国内こくないでも輸入ゆにゅうおおられるようになった。比較的ひかくてき外気がいき影響えいきょうけにくく、また、貯湯そう密閉みっぺいたいあつがたであるために水道すいどう圧力あつりょく利用りようしやすい。快晴かいせいつづきで使用しようりょう極端きょくたんすくない場合ばあい沸騰ふっとうするおそれがあるために沸騰ふっとう防止ぼうしべんゆたかあつべん)をもうけ、また高温こうおんとなりやすいため、ミキングバルブをもうけ、出湯いでゆ温度おんど一定いってい連結れんけつする機器きき配管はいかん保護ほごをする。

また、ごく少数しょうすうであるが、真空しんくうじゅう管内かんないしゅうねつおおくはヒートパイプでない)かん設置せっちし、平板へいばんしき同様どうようあつの貯湯そうないみずあつしする方式ほうしきもある。これは従来じゅうらい平板へいばんしき自然しぜん循環じゅんかん方式ほうしき本質ほんしつてき同一どういつ性質せいしつである。ただし、給水きゅうすい出湯いでゆ制御せいぎょ電動でんどうとなっているものがおおい。

強制きょうせい循環じゅんかんしき[編集へんしゅう]

平板へいばんしきしゅうねつ真空しんくうかんしきしゅうねつのみを屋根やねじょう設置せっちし、任意にんい場所ばしょへ貯湯そうき、両者りょうしゃ日照ひでりのあるあいだ、ポンプで循環じゅんかんさせる方式ほうしきとく不凍液ふとうえきもちい、貯湯そうないねつ交換こうかんする方式ほうしき存在そんざいする。屋根やねじょうへはしゅうねつのみが設置せっちされ、だい面積めんせきしゅうねつ使用しようしやすく、また外観がいかんそこがたい。住宅じゅうたくようとしても存在そんざいするが、とく大掛おおがかりな太陽熱たいようねつ利用りようシステムとしての採用さいようおおい。この方式ほうしきたん給湯きゅうとうのみでなく、暖房だんぼう目的もくてきとしても利用りようされる。

そののボイラー[編集へんしゅう]

ペレットボイラー[編集へんしゅう]

燃料ねんりょう木質もくしつペレット使用しようする。たきぎ給湯きゅうとうことなり、こまかな燃焼ねんしょう制御せいぎょ自動じどう運転うんてん可能かのう。ペレットストーブに給湯きゅうとう機能きのうそなわっているものもある。欧米おうべいせいおおい。自治体じちたいによっては導入どうにゅう促進そくしん補助ほじょきん対象たいしょうとなっていることもある。近年きんねん石油せきゆ価格かかく高騰こうとうにより石油せきゆよりも燃料ねんりょうやす場合ばあいおおい。また、木質もくしつペレットには硫黄いおうなどの成分せいぶんふくまれないため、低温ていおん腐食ふしょくかんたい腐食ふしょくがほとんどいことからメンテナンス頻度ひんどすくなくはいガスの公害こうがい防止ぼうし装置そうち必要ひつようない。排出はいしゅつされる木灰きばい土壌どじょう改良かいりょうざいとして利用りようできる。それらのてんから農業のうぎょう温室おんしつようなどにいている。近年きんねんはCO2排出はいしゅつけん買取かいとり対象たいしょうともなっている[10]自然しぜんエネルギーということで近年きんねん農業のうぎょうしゃけに自治体じちたいでの実証じっしょう実験じっけん補助ほじょはじまっている。

たきぎ木屑きくずき(焼却しょうきゃく)ボイラー[編集へんしゅう]

たきぎ木屑きくず入手にゅうしゅ容易ようい場所ばしょもちいられ、紙屑かみくずとう焼却しょうきゃく可能かのうである。燃焼ねんしょう制御せいぎょ事実じじつじょう不可能ふかのうであるので、貯湯しきのみである。かんたい上限じょうげん0.1MPaまでの圧力あつりょくゆうする製品せいひんと、かんたいあつ開放かいほうとし給湯きゅうとうかん体内たいないのコイルでねつ交換こうかんおこなうものとがある。前者ぜんしゃ太陽熱たいようねつ温水おんすいとの連結れんけつき、後者こうしゃ水道すいどうちょくあつであるため給湯きゅうとうあつたかく、かんないの貯湯を温水おんすい暖房だんぼうにも流用りゅうようしやすい利点りてんがある。一旦いったんちたり、たきぎときあらたにたきぎをくべる労力ろうりょく緩和かんわするために石油せきゆバーナーを付属ふぞくさせた機種きしゅ一般いっぱんてきである。電気でんき温水おんすいやガス貯湯しき同様どうよう使用しようする湯量ゆりょうおうじて機種きしゅ選定せんていしないと石油せきゆバーナーへの依存いぞんたかくなる。たきぎ木屑きくずがなければようさないので採用さいようまれであるが、イソライト、長府製作所ちょうふせいさくしょ、エーテーオー、ノーリツとう製造せいぞうしている。

練炭れんたんボイラー[編集へんしゅう]

韓国かんこくられた形式けいしきで、練炭れんたん燃料ねんりょうとして使用しようする。電気でんき制御せいぎょ回路かいろ一切いっさいなく構造こうぞう非常ひじょう単純たんじゅんで、給湯きゅうとう本体ほんたい価格かかく日本円にほんえん換算かんさんで2まんえん程度ていどからあり、練炭れんたん燃料ねんりょうとしていることでランニングコストも安価あんかであるが、1にち1かいまたは数時間すうじかんごと人間にんげんによる練炭れんたん作業さぎょう必要ひつようであり、またその都度つど大量たいりょう練炭れんたんから発生はっせいする。煙突えんとつかならそなわっているが排出はいしゅつガスによる事故じこふせぐため、ほとんどの場合ばあい屋外おくがい設置せっちされる。

籾殻もみがらボイラー[編集へんしゅう]

籾殻もみがら燃料ねんりょうとするボイラー[11]給湯きゅうとう暖房だんぼう同時どうじおこなうことができ、燃料ねんりょうとして籾殻もみがら消費しょうひすると同時どうじに、燃焼ねんしょうはい土壌どじょう改良かいりょうざいとして有用ゆうような「籾殻もみがらいぶしずみ」となる。燃料ねんりょう供給きょうきゅう燃焼ねんしょうはい排出はいしゅつ燃焼ねんしょうちゅうのファンの稼働かどうなどに電力でんりょく必要ひつようとするが、籾殻もみがら無料むりょう入手にゅうしゅできる環境かんきょうであれば、燃料ねんりょうはタダであり、いぶしずみ販売はんばいすることでの利益りえきられる。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ これは電気でんきポットすことがおおい。
  2. ^ 事故じこ以降いこう国内こくないシェアは減少げんしょう一方いっぽう海外かいがいシェアはたかく、アメリカではやく50%。
  3. ^ 当時とうじ電気でんき温水おんすいカタログに記載きさいされていた。

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ a b “"ガス給湯きゅうとう・ガス風呂ふろ給湯きゅうとう"市場いちば、870おくえん. リフォーム産業さんぎょう新聞しんぶん (リフォーム産業さんぎょう新聞しんぶんしゃ). (2014ねん2がつ4にち). https://www.reform-online.jp/story/4063.php 2021ねん1がつ4にち閲覧えつらん 
  2. ^ a b “"長府製作所ちょうふせいさくしょのガス・石油せきゆ給湯きゅうとう、ノーリツと協業きょうぎょう本格ほんかく、コスト削減さくげん部品ぶひん共通きょうつう。”. 日本経済新聞にほんけいざいしんぶん (日本経済新聞社にほんけいざいしんぶんしゃ): pp. 地方ちほう経済けいざいめん 中国ちゅうごく 11. (2016ねん8がつ27にち) 
  3. ^ a b c “"「ソーラーシステム」市場いちばは46おくえん、5100だい. リフォーム産業さんぎょう新聞しんぶん (リフォーム産業さんぎょう新聞しんぶんしゃ). (2014ねん7がつ15にち). https://www.reform-online.jp/story/4923.php 2021ねん1がつ4にち閲覧えつらん 
  4. ^ a b c d e f g アスクラスト『こう効率こうりつ給湯きゅうとう機器きき専門せんもん Qtopia No.1』アスクラスト〈Qtopia〉、2017ねん 
  5. ^ “"「石油せきゆ給湯きゅうとう市場いちばは350おくえん、40まんだい. リフォーム産業さんぎょう新聞しんぶんしゃ. (2014ねん5がつ27にち). https://www.reform-online.jp/story/4662.php 2021ねん1がつ4にち閲覧えつらん 
  6. ^ 一般いっぱん社団しゃだん法人ほうじん 日本にっぽんエレクトロヒートセンター
  7. ^ 給湯きゅうとう能力のうりょくごうすう)について|一般いっぱん社団しゃだん法人ほうじん 日本にっぽんガス石油せきゆ機器きき工業こうぎょうかい(JGKA)”. 2019ねん2がつ2にち閲覧えつらん
  8. ^ 一般いっぱん社団しゃだん法人ほうじん 都市としガス振興しんこうセンター
  9. ^ 騒音そうおんかか環境かんきょう基準きじゅんについて
  10. ^ 株式会社かぶしきがいしゃ丸文まるぶん製作所せいさくしょ木質もくしつペレットボイラについて」
  11. ^ 日本にっぽんホープ株式会社かぶしきがいしゃ

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]