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『鳥人大系』(ちょうじんたいけい)は、1971年3月から1975年2月に『S-Fマガジン』(早川書房)において連載された手塚治虫の漫画作品。
一つ一つの短編集的な作品でありながら、全体で壮大な一つの物語が進行していくといった形をとる。
SFやサスペンス・ホラーの色が濃い内容になっていて、『人間昆虫記』『きりひと讃歌』『奇子』『MW』などと同じく、大人向けの作風で描かれた暗く重い作品。
物語は、人類が退化していき代わりに鳥類が人類に近付くといった内容で、その中で人間文化に対する皮肉や風刺が強く描かれている。
とある民家で火災が起きる。それはただの火災ではなく鳥が起こしたものだった。
世界中のあちこちで特定の理由により鳥類が高い知能を持ち始め、万物の霊長たる人類の地位を脅かし始める。そしてついに彼らは人類を追い落として新たなる地球の支配者となった。
鳥類はやがて鳥人となり、人類は彼らの家畜となって次第に姿を消していった。だが高度な文明をき上げた鳥人たちはかつての人類と同様に迷信や偏見や物欲に囚われ、羽の色や模様で互いを差別しあい、戦争や環境破壊を起こすようになる。そして遂には滅亡への道を歩み出す。
本作品は、以上のような物語を背景にして各時代のエピソードを描く連作短編である。
- 第一章「ウロロンカ・ドメスティカ・イグニス」
- 第二章「ラルス・フスクス・イグニス」
- 第三章「パイロマニアック・マグピー」
- 第四章「むかしむかし……めでたしめでたし」
- 第五章「オーベロンと私」
- 第六章「トゥルドス・メルラ・サピエンス(ブラック・バード)」
- 第七章「ローデシアにて」[1]
- 第八章「スポークスマン」
- 第九章「ドゥブルゥド査定委員会への要請」
- 第十章「うずらが丘」
- 第十一章「クロパティア・ピティアルム」
- 第十二章「ポロロ伝」
- 第十三章「ミュータント」
- 第十四章「ファルコ・チンヌンクルス・モルツス」
- 第十五章「赤嘴党」
- 第十六章「カモメのジョンガラサン」
- 第十七章「ブルー・ヒューマン」
- 第十八章「ラップとウィルダのバラード」
- 第十九章「ドゥブルゥドへの査定委員会懲罰動議」
- ^ 有田一家の主導する黒人差別をなくす会の抗議を受け、手塚プロの自主規制により削除されていた。デジタル版などでは収録されている。
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