エンゼルの丘おか

『エンゼルの丘おか』（エンゼルのおか）は、手塚てづか治虫おさむによる少女しょうじょ漫画まんが作品さくひん。人魚にんぎょ伝説でんせつをモチーフにしている。

概要がいよう

1960年ねん-1961年ねんに『なかよし』で連載れんさいされた。人魚にんぎょ族ぞくのプリンセスであるルーナの運命うんめいを、人間にんげん界かいと絡からめて描えがく。

低てい年とし層そうをターゲットとしているが、ストーリーなどの充実じゅうじつ度どは高たかい（単行本たんこうぼん化かのバージョンによって、登場とうじょう人物じんぶつの設定せっていなどに変化へんかがあることに注意ちゅうい）。しかし、この単行本たんこうぼん化かは時代じだいに応おうじて変化へんかし、人ひとによって「ストーリーに整合せいごう性せいが欠かける」(中なかでも虫むしプロ版ばん)とも評ひょうされる^[1]。

なおこのルーナは後ごの作品さくひんであるアニメ版ばんの『海うみのトリトン』のピピの原型げんけいキャラクターとなった。

あらすじ

人魚にんぎょのすむ南海なんかいの美うつくしい島しまエンゼル島とう。

島しまの王女おうじょルーナは掟おきてに触ふれ、海うみに流ながされてしまった。

日本人にっぽんじん青年せいねん・英えい二にに救出きゅうしゅつされたものの、ルーナの記憶きおくは失うしなわれていた…。

連載れんさい版ばんは幸しあわせを求もとめて他人たにんを幸しあわせにしようとするが、後ごの虫むしプロ単行たんこう本ほん版ばんでは、失うしなった過去かこに対たいして今いまを強つよく生いきようとする。

英二えいじの妹いもうとのあけみとルーナはそっくりであるとされ、エンゼル島とうでのルーナの社会しゃかい的てき立場たちば、あけみとルーナ、その家族かぞくや周辺しゅうへん、あけみの家いえの立場たちば、それぞれの国くにの階層かいそうの上下じょうげとありよう、などいろんなものが対比たいひ・入いれ替かわり・変化へんかしながら展開てんかいしていく。