高井たかい研一郎けんいちろう

高井たかい 研一郎けんいちろう
本名ほんみょう	高井たかい研一けんいち
生誕せいたん	(1937-07-18) 1937年ねん7月がつ18日にち 長崎ながさき県けん佐世保させぼ市し
死没しぼつ	(2016-11-14) 2016年ねん11月14日にち（79歳さい没ぼつ） 東京とうきょう都と調布ちょうふ市し
国籍こくせき	日本にっぽん
職業しょくぎょう	漫画まんが家か
活動かつどう期間きかん	1956年ねん - 2016年ねん
ジャンル	少女しょうじょ漫画まんが、ナンセンス漫画まんが、人情にんじょう漫画まんが
代表だいひょう作さく	『総務そうむ部ぶ総務そうむ課か山口やまぐち六ろく平太へいた』（原作げんさく：林はやし律雄りつお） 『プロゴルファー織部おりべ金次郎きんじろう』（原作げんさく：武田たけだ鉄矢てつや）
受賞じゅしょう	第だい20回かい文化庁ぶんかちょうメディア芸術げいじゅつ祭さい （『総務そうむ部ぶ総務そうむ課か山口やまぐち六ろく平太へいた』）

高井たかい 研一郎けんいちろう（たかい けんいちろう、1937年ねん7月がつ18日にち - 2016年ねん11月14日にち）は、日本にっぽんの漫画まんが家か。

生涯しょうがい

長崎ながさき県けん佐世保させぼ市し出身しゅっしん。父ちちが上海しゃんはい租界そかいで書店しょてんを開ひらいていたため、上海しゃんはいで育そだつ。

帰国きこく後ご、『漫画まんが少年しょうねん』に投稿とうこうし、石森いしもり章太郎しょうたろうや赤塚あかつか不二夫ふじおと知しり合あう。松本まつもと晟あきら（後ごの松本まつもと零れい士し）と共ともに東日本ひがしにっぽん漫画まんが研究けんきゅう会かいの九州きゅうしゅう支部しぶを結成けっせい。定時ていじ制せい高校こうこう卒業そつぎょう後ごは赤塚あかつかたちに誘さそわれてトキワ荘そうに入居にゅうきょする約束やくそくをしていたが、上京じょうきょうしてみると高井たかいが入にゅうろうとしていた部屋へやに水野みずの英子えいこが入居にゅうきょしており、トキワ荘そうには入いれなかった。

手塚てづか治虫おさむのアシスタントを経へて、1956年ねん『少女しょうじょ』掲載けいさいの「リコちゃん」でデビュー。赤塚あかつか不二夫ふじおの仕事しごとを手伝てつだいつつ、青年せいねん誌しを中心ちゅうしんにナンセンス漫画まんがを描えがいていた。1985年ねん9月がつ『ビッグコミック増刊ぞうかん号ごう』で『総務そうむ部ぶ総務そうむ課か山口やまぐち六ろく平太へいた』を連載れんさい開始かいし。ヒューマンドラマのストーリー漫画まんが家かとして人気にんきを得える。

手品てじなを趣味しゅみとしており、東京とうきょう都と調布ちょうふ市しに在住ざいじゅうしていた。

2016年ねん11月14日にち、肺気腫はいきしゅによる肺炎はいえんのため、入院にゅういん先さきの調布ちょうふ市内しないの病院びょういんで死去しきょ。体調たいちょうを崩くずして入院にゅういんしていたものの、数日すうじつ前まえまで漫画まんがのネームを切きっていたという。なお、『ビッグコミック』で連載れんさい中ちゅうであった『総務そうむ部ぶ総務そうむ課か山口やまぐち六ろく平太へいた』は、11月10日にちに発売はつばいされた第だい22号ごう（2016年ねん11月25日にち号ごう）掲載けいさいの第だい731話わ「ヒゲ談義だんぎ」（単行本たんこうぼんでは「六ろく平太へいたよ永遠えいえんに」と改題かいだい）を最後さいごとして連載れんさい終了しゅうりょうすることになった。次号じごうのビッグコミック（23号ごう、11月25日にち発売はつばい）では高井たかいの追悼ついとう文ぶんが掲載けいさいされた。

2017年ねん1月がつ23日にち、第だい62回かい「小学館しょうがくかん漫画まんが賞しょう」（審査しんさ委員いいん特別とくべつ賞しょう）受賞じゅしょう。同年どうねん、第だい20回かい文化庁ぶんかちょうメディア芸術げいじゅつ祭さいにて、『総務そうむ部ぶ総務そうむ課か山口やまぐち六ろく平太へいた』がマンガ部門ぶもん優秀ゆうしゅう賞しょうを受賞じゅしょうした。

2022年ねん7月がつ、高井たかいの生誕せいたん85年ねんを記念きねんした展覧てんらん会かい「生誕せいたん85年ねん 高井たかい研一郎けんいちろう展てん」が開催かいさいされる。

作品さくひんリスト

• おまわりさん、敬礼けいれい!（りぼん） - 1959年ねんの初期しょき作品さくひん。スリーポケッツ（谷たに幹みき一いち・関せき敬たかし六ろく・海野うみのかつを）主演しゅえんのテレビコメディを漫画まんが化か。
• えろちかざんまい（漫画まんがエロトピア） - ナンセンス漫画まんが家か時代じだいの代表だいひょう作さく。『総務そうむ部ぶ総務そうむ課か山口やまぐち六ろく平太へいた』連載れんさい開始かいし直前ちょくぜんまで、10年ねん以上いじょう長期ちょうき連載れんさいしていた。
• 総務そうむ部ぶ総務そうむ課か山口やまぐち六ろく平太へいた（作さく：林はやし律雄りつお、ビッグコミック）
• 壁際かべぎわお荷物にもつ社員しゃいん会社かいしゃ乗のっ取とり物語ものがたり小池こいけさん（作さく：林はやし律雄りつお）
• 上海しゃんはいワンダーランド（作さく：林はやし律雄りつお、ビッグコミック1）
• プロゴルファー織部おりべ金次郎きんじろう（作さく：武田たけだ鉄矢てつや、ビッグコミックスペリオール）
• 男おとこはつらいよ（原作げんさく：山田やまだ洋次ようじ・脚色きゃくしょく：林はやし律雄りつお） - 松竹しょうちくの同名どうめい映画えいが作品さくひんを漫画まんが化か。
• 新米しんまい秘書ひしょVS無理むり難題なんだい社長しゃちょうカバン持もち駿しゅん吉よし（作さく：浅野あさの拓たく）
• ジイマゴらぷそでぃー（作さく：浅野あさの拓たく）
• マジデカ（作さく：中原なかはらまこと）
• サラかん（作さく：中原なかはらまこと、週刊しゅうかん現代げんだい）
• プロゴルファー獏ばく（作さく：やまさき十じゅう三さん、パーゴルフ）
• ムチャな弁護士べんごし あんたの代理人だいりにん（作さく：山崎やまざき司つかさ平ひらめ、浅野あさの拓たく、ビッグコミックスペリオール）
• ソーギ屋やケンちゃん（作さく：中原なかはらまこと、コミックGiga）
• 警部補けいぶほ花はなさんの事件じけん簿ぼ（作さく：浅野あさの拓たく）
• 平成へいせいくつぬぎ商店しょうてん街がい警部補けいぶほ花嫁はなよめ愛あい（作さく：浅野あさの拓たく）
• たらちねストリート（作さく：面めん家か哲郎てつろう）
• すずなり横丁よこちょう道楽どうらく商店しょうてん街がい（作さく：中原なかはらまこと）
• 愛あいしのクワアングリコ（作さく：やまさき十じゅう三さん）
• あほう鳥とりの止とまり木き（作さく：やまさき十じゅう三さん、パーゴルフ）
• まるだし君くん（日刊にっかんゲンダイ） - 4コマ漫画まんが。ストーリー漫画まんが家か復帰ふっき後ご、唯一ゆいいつのナンセンス漫画まんが連載れんさいだった。
• 桂かつら三枝みえの上方かみがた落語らくごへいらっしゃ〜い（作さく：桂かつら三枝みえ（現げん・六ろく代だい桂かつら文枝ふみえ）、コミックヨシモト）
• 横浜よこはま百ひゃく年ねん食堂しょくどう（少年画報社しょうねんがほうしゃ「思おもい出で食堂しょくどう」シリーズ） - 最さい晩年ばんねんの作品さくひん。
• 高井たかい研一郎けんいちろうの昭和しょうわ写真しゃしん館かん（朝日新聞あさひしんぶん出版しゅっぱん）
• 水着みずぎ（学習研究社がくしゅうけんきゅうしゃ中学ちゅうがく一いち年ねんコース夏休なつやすみ臨時りんじ増刊ぞうかん号ごう 読切よみき、1974年ねん）

その他たの著作ちょさく

文庫ぶんこ解説かいせつ

• 『男おとこおいどん』2巻かん（著ちょ：松本まつもと零れい士し 1996年ねん 講談社こうだんしゃ）

関連かんれん人物じんぶつ

赤塚あかつか不二夫ふじお

赤塚あかつかとは石ノ森いしのもり章太郎しょうたろうが主宰しゅさいした「東日本ひがしにっぽん漫画まんが研究けんきゅう会かい」を通つうじて知しり合あった。1962年ねん、赤塚あかつかが『週刊しゅうかん少年しょうねんサンデー』で「おそ松まつくん」を始はじめるにあたり、彼かれを手助てだすけすべく共同きょうどう執筆しっぴつ者しゃとなった。この漫画まんがを特徴付とくちょうづけたイヤミ、デカパン、ハタ坊ぼうなどのキャラクターは、高井たかいが赤塚あかつかの「口伝くちづて」をもとにデザインしたものである。他ほかにも赤塚あかつか漫画まんがへの貢献こうけんは大おおきく、同どう時期じきにアシスタントを務つとめていた北見きたみけんいちによれば、多忙たぼうな赤塚あかつかが描えがいたのは基本きほん的てきなアイディアとコマ割わりのみで、下書したがきは殆ほとんど高井たかいの絵えだったという。

1963年ねんには赤塚あかつか、山内やまうちジョージ、横山よこやま孝雄たかお、よこたとくお、長谷ながたに邦夫くにおらと「七なな福ぶく人じんプロダクション」を設立せつりつしたが、1年ねんほどで解散かいさん。その後ご、1965年ねんに赤塚あかつかが創立そうりつしたフジオ・プロダクションに作画さくがスタッフのチーフとして事実じじつ上じょう所属しょぞくしていたが、本来ほんらいはフリーで山内やまうちとの共同きょうどう作品さくひんも発表はっぴょうしていたことから、枚数まいすう単価たんか契約けいやくの客分きゃくぶん扱あつかいであった。

従したがって、赤塚あかつかとの関係かんけいはパートナー（共同きょうどう執筆しっぴつ者しゃ）である。高井たかいは1970年ねんにフジオ・プロを離はなれたため、古谷ふるや三さん敏さとしが後任こうにんの作画さくがチーフにあだち勉つとむを誘さそったのだが、赤塚あかつか、古谷ふるや、北見きたみとの個人こじん的てきな交流こうりゅうは続つづいていたので、赤塚あかつか門下もんか四天王してんのうとして、古谷ふるや、北見きたみ、あだちと共ともに紹介しょうかいされることもある。

山内やまうちジョージ

2人ふたりの共同きょうどうペンネームとして「太宰だざい勉つとむ」があり（2人ふたりが太宰だざい治おさむの愛読あいどく者しゃだったことと、当時とうじの人気にんき作家さっか水上みずかみ勉つとむにちなむ）、少年しょうねん漫画まんがを1970年ねん頃ごろまで少年しょうねん誌し各誌かくしに発表はっぴょう（「ハッスルBOYカンスケ」「さすらいのデレ助すけ」「パピヨン王子おうじ」など）していた。コンビ解消かいしょう後ごはイラストレーターに転てんじ、動物どうぶつ文字もじ絵え、絵本えほん、広告こうこく、デザインなどの分野ぶんやで活動かつどうしている。