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2023 DZ2

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア（Wikipedia）』
2023 DZ2
カナダにあるアビー・リッジ天文台で2023年3月21日に撮影された 2023 DZ2（中央）の60秒露光画像
カナダにあるアビー・リッジ天文台てんもんだいで2023年ねん3月がつ21日にちに撮影さつえいされた 2023 DZ2（中央ちゅうおう）の60秒びょう露光ろこう画像がぞう
分類ぶんるい 地球ちきゅう近傍きんぼう小惑星しょうわくせい (NEO)[1][2]
発見はっけん
発見はっけん日び 2023年ねん2月がつ27日にち[2][3]
発見はっけん者しゃ EURONEAR（英語えいご版ばん）[4]
発見はっけん場所ばしょ ロケ・デ・ロス・ムチャーチョス天文台てんもんだい[2][3]
（スペインの旗 スペイン、ラ・パルマ島とう）
軌道きどう要素ようそと性質せいしつ
元もと期き:TDB 2,460,000.5（2023年ねん2月がつ25.0日にち）[1]
軌道きどうの種類しゅるい アポロ群ぐん[1][2]
軌道きどう長ちょう半径はんけい (a) 2.155 au[1]
近日きんじつ点てん距離きょり (q) 0.994 au[1]
遠日点えんじつてん距離きょり (Q) 3.317 au[1]
離はなれ心しん率りつ (e) 0.539[1]
公転こうてん周期しゅうき (P) 1159.194 日ひ[1]
（3.174 年とし）[1]
軌道きどう傾斜けいしゃ角かく (i) 0.081°[1]
近日きんじつ点てん引数ひきすう (ωおめが) 5.959°[1]
昇のぼり交点こうてん黄き経けい (Ωおめが) 187.914°[1]
平均へいきん近きん点てん角かく (M) 348.674°[1]
最小さいしょう交差こうさ距離きょり 0.000048 au（地球ちきゅう軌道きどうに対たいして）[1]
物理ぶつり的てき性質せいしつ
直径ちょっけい 55 m[5]
41 - 92 m[6]
質量しつりょう 2.1×108 kg[5]
絶対ぜったい等級とうきゅう (H) 24.061 ± 0.444[1]
■Template （■ノート ■解説かいせつ） ■Project

2023 DZ2 は、地球ちきゅう近傍きんぼう小惑星しょうわくせい (NEO) に分類ぶんるいされる小惑星しょうわくせいの一ひとつである。2023年ねん3月25日にちに地球ちきゅうから約やく17万まん kmのところを通過つうかするとみられている。

発見はっけんと軌道きどう

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2023 DZ2 の軌道きどう、各かく天体てんたいの位置いちは2023年ねん1月がつ1日にち時点じてんのもの

2023年ねん2月がつ27日にちにスペイン、カナリア諸島かなりあしょとうのラ・パルマ島とうにあるロケ・デ・ロス・ムチャーチョス天文台てんもんだいのアイザック・ニュートン望遠鏡ぼうえんきょう（英語えいご版ばん）で観測かんそくを行おこなっているEURONEAR（英語えいご版ばん）プロジェクトによって発見はっけんされ[4]、同年どうねん3月16日にちに小惑星しょうわくせいセンターから発行はっこうされた小惑星しょうわくせい電子でんし回報かいほう (MPEC, Minor Planet Electronic center) にて仮かり符号ふごう 2023 DZ2 が付与ふよされた[3]。EURONEARプロジェクトにより発見はっけんされた小惑星しょうわくせいは、発見はっけん後ごに見失みうしなわれたものを除のぞいてこれが12個こ目めであった[4]。

2023 DZ2 の軌道きどうは黄道こうどう面めんに対たいする軌道きどう傾斜けいしゃ角かくがほとんどないが、軌道きどうの離はなれ心しん率りつは0.54と比較的ひかくてき大おおきい。そのため、近日きんじつ点てんではほぼ地球ちきゅう軌道きどう付近ふきんまで太陽たいように接近せっきんするが、遠日点えんじつてんでは太陽たいようから約やく 3.3 au（約やく4億おく9700万まん km）まで遠とおざかる楕円だえん軌道きどうを約やく3.17年ねんの公転こうてん周期しゅうきで公転こうてんしている[1]。地球ちきゅう近傍きんぼう小惑星しょうわくせいの中なかでも、太陽たいようからの近日きんじつ点てん距離きょりが 1.017 au を下回したまわるため、アポロ群ぐんと呼よばれるグループに属ぞくする[1][2][7]。

地球ちきゅうへの接近せっきん

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2023 DZ2 は、2023年ねん3月25日にち19時じ51分ふん (UTC) に地球ちきゅうから 174,650 ± 45 km の距離きょりにまで接近せっきんする[1][8]。これは月つきまでの距離きょりの約やく45%に相当そうとうする。天文てんもん計算けいさん家かの Tony Dann によると最さい接近せっきん時じは見みかけの明あかるさが9.7等級とうきゅうまで明あかるくなると予想よそうされており[9]、天文てんもんウェブサイトの EarthSky は口径こうけい15 cm 以上いじょうの望遠鏡ぼうえんきょうがあれば十分じゅうぶん観測かんそくができるとしている[10]。

発見はっけんから約やく1ヶ月かげつ弱じゃくが経過けいかした2023年ねん3月17日にち、そのときまでに実施じっしされた56回分かいぶんの 2023 DZ2 の観測かんそく結果けっかを基もとに軌道きどうを計算けいさんした結果けっか、2026年ねん3月27日にちに地球ちきゅうへ衝突しょうとつする確かく率りつが0.17%（約やく590分ぶんの1）と算出さんしゅつされたことから、ジェット推進すいしん研究所けんきゅうじょ (JPL) 内ないにある地球ちきゅう近傍きんぼう天体てんたい研究けんきゅうセンター（英語えいご版ばん） (CNEOS) は 2023 DZ2 のトリノスケールを「1」と評価ひょうかした[11]。トリノスケールは天体てんたいが地球ちきゅうへ衝突しょうとつする確かく率りつおよび衝突しょうとつした際さいの被害ひがいの大おおきさを0から10までの11段階だんかいで評価ひょうかする尺度しゃくどであり、「1」は下したから2番目ばんめのレベルとなる。このとき算出さんしゅつされた地球ちきゅうへの最さい接近せっきん距離きょりは約やく1000万まん kmであったが、± 3800万まん km という非常ひじょうに大おおきな不ふ確実かくじつ性せい (3σしぐま) があった[11]。

その後ごは一時いちじ、2026年ねんの地球ちきゅうへの衝突しょうとつ確かく率りつは 0.23%（約やく430分ぶんの1）にまで上昇じょうしょうしたが[12]、同年どうねん3月19日にちに122回分かいぶんの観測かんそく結果けっかから算出さんしゅつされた計算けいさん結果けっかでは、地球ちきゅうへの最さい接近せっきん距離きょりよりもその不ふ確実かくじつ性せいが下回したまわったことで 2023 DZ2 が2026年ねんの接近せっきんで衝突しょうとつしないことがほぼ確実視かくじつしされ、衝突しょうとつ確かく率りつは 0.0014%（約やく7700分ぶんの1）にまで急減きゅうげんした。これを受うけて、CNEOS は 2023 DZ2 のトリノスケールを最もっとも低ひくい「0」に格下かくさげした[13]。その後ご、同年どうねん3月21日にちに CNEOSそれまでの観測かんそく結果けっかから、2023 DZ2 が地球ちきゅうへ衝突しょうとつする潜在せんざい的てきな危険きけん性せいは完全かんぜんに排除はいじょされたと判断はんだんし、個別こべつページでの衝突しょうとつリスク評価ひょうかを終了しゅうりょうした[14]。

2026年ねん3月がつ27日にち 14:53 (UTC) における 2023 DZ2 の地球ちきゅうへの名目めいもく上じょうの最さい接近せっきん距離きょりと衝突しょうとつ確かく率りつの計算けいさん結果けっかの変化へんか[15]
軌道きどう解かい 観測かんそく弧こ[注ちゅう 1]
（括弧かっこ内ないは観測かんそく回数かいすう） 		JPL Horizonsによる
名目めいもく上じょうの最さい接近せっきん距離きょり
（地ち心こころ距離きょり） 		不ふ確実かくじつ性せい (3σしぐま) 衝突しょうとつ確かく率りつ
（CNEOSによる） 		トリノスケール
（CNEOSによる） 		最大さいだい
パレルモスケール
（CNEOSによる）
JPL #1
2023年ねん3月がつ16日にち算出さんしゅつ		 2日にち（31回かい） 0.6249 au
（約やく9349万まん km）		 ± 6億おく7950万まん km 0.042%[16] 0 –2.19
JPL #3
2023年ねん3月がつ17日にち算出さんしゅつ		 18日にち（56回かい） 0.0673 au
（約やく1007万まん km）		 ± 3809万まん km 0.17%[11] 1 –1.19
JPL #4
2023年ねん3月がつ18日にち算出さんしゅつ		 63日にち（94回かい） 0.0355 au
（約やく531万まん km）		 ± 927万まん km 0.23%[12] 1 –1.17
JPL #5
2023年ねん3月がつ19日にち算出さんしゅつ		 64日にち（122回かい） 0.0334 au
（約やく500万まん km）		 ± 386万まん km 0.0014%[13] 0 –3.40
JPL #6
2023年ねん3月がつ20日はつか算出さんしゅつ		 65日にち（142回かい） 0.0329 au
（約やく492万まん km）		 ± 276万まん km 0.0000026%[5] 0 –6.14
2023年ねん3月がつ21日にち15時じ2分ふん (UTC)、CNEOSによる 2023 DZ2 の衝突しょうとつリスク評価ひょうか終了しゅうりょう[14]
JPL #7
2023年ねん3月がつ21日にち算出さんしゅつ		 66日にち（182回かい） 0.0303 au
（約やく453万まん km）		 ± 108万まん km 評価ひょうか終了しゅうりょう 評価ひょうか終了しゅうりょう 評価ひょうか終了しゅうりょう
JPL #8
2023年ねん3月がつ22日にち算出さんしゅつ		 67日にち（246回かい） 0.0305 au
（約やく456万まん km）		 ± 104万まん km 評価ひょうか終了しゅうりょう 評価ひょうか終了しゅうりょう 評価ひょうか終了しゅうりょう

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ 天体てんたいが最初さいしょに観測かんそくされて最後さいごに観測かんそくされるまでの期間きかんを示しめす。

出典しゅってん

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r “JPL Small-Body Database Browser: (2023 DZ2)”. JPL Small-Body Database. Jet Propulsion Laboratory (2023-03-22 last obs.). 2023年ねん3月がつ23日にち閲覧えつらん。
  2. ^ a b c d e “2023 DZ2”. Minor Planet Center. 2023年ねん3月がつ20日はつか閲覧えつらん。
  3. ^ a b c “MPEC 2023-F12 : 2023 DZ2”. Minor Planet Electronic Center (MPEC). Minor Planet Center (2023年ねん3月がつ16日にち). 2023年ねん3月がつ20日はつか閲覧えつらん。
  4. ^ a b c “EURONEAR - Discoveries”. euronear.org. EURONEAR. 2023年ねん3月がつ20日はつか閲覧えつらん。
  5. ^ a b c “Archive of Sentry Risk Table: 2023 DZ2 (64.6 day arc)”. Center for Near Earth Object Studies (CNEOS). NASA/JPL. 2023年ねん3月がつ20日はつか時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。2023年ねん3月がつ23日にち閲覧えつらん。
  6. ^ “CNEOS Close Approaches”. Center for Near Earth Object Studies (CNEOS). NASA/JPL. 2023年ねん3月がつ23日にち閲覧えつらん。
  7. ^ “NEO Groups”. Center for Near Earth Object Studies (CNEOS). NASA/JPL. 2023年ねん3月がつ20日はつか閲覧えつらん。
  8. ^ “JPL Horizons: 2023 DZ2 geocentric distance and uncertainty on 25 March 2023”. JPL Horizons On-Line Ephemeris System. Jet Propulsion Laboratory. 2023年ねん3月がつ18日にち時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。2023年ねん3月がつ23日にち閲覧えつらん。
  9. ^ @tony873004 (2023年ねん3月がつ18日にち). "Newly-discovered asteroid 2023 DZ2 will pass less than half the Moon's distance on March 25". X（旧きゅうTwitter）より2023年ねん3月がつ20日はつか閲覧えつらん。
  10. ^ Eddie Irizarry (2023年ねん3月がつ17日にち). “200-foot asteroid 2023 DZ2 to pass closer than moon”. EarthSky. 2023年ねん3月がつ20日はつか閲覧えつらん。
  11. ^ a b c “Archive of Sentry Risk Table: 2023 DZ2 (17.1 day arc)”. Center for Near Earth Object Studies (CNEOS). NASA/JPL. 2023年ねん3月がつ17日にち時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。2023年ねん3月がつ20日はつか閲覧えつらん。
  12. ^ a b “Archive of Sentry Risk Table: 2023 DZ2 (62.9 day arc)”. Center for Near Earth Object Studies (CNEOS). NASA/JPL. 2023年ねん3月がつ18日にち時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。2023年ねん3月がつ20日はつか閲覧えつらん。
  13. ^ a b “Archive of Sentry Risk Table: 2023 DZ2 (63.9 day arc)”. Center for Near Earth Object Studies (CNEOS). NASA/JPL. 2023年ねん3月がつ19日にち時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。2023年ねん3月がつ20日はつか閲覧えつらん。
  14. ^ a b “Sentry: Earth Impact Monitoring Object Details | Removed Objects”. Center for Near Earth Object Studies (CNEOS). NASA/JPL. 2023年ねん3月がつ23日にち閲覧えつらん。
  15. ^ “Sentry: Earth Impact Monitoring Object Details | 2023 DZ2”. Center for Near Earth Object Studies (CNEOS). NASA/JPL. 2023年ねん3月がつ20日はつか閲覧えつらん。
  16. ^ “Archive of Sentry Risk Table: 2023 DZ2 (1.98 day arc)”. Center for Near Earth Object Studies (CNEOS). NASA/JPL. 2023年ねん3月がつ16日にち時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。2023年ねん3月がつ20日はつか閲覧えつらん。

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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2023年ねんに発見はっけんされた天体てんたい
主おもな太陽系たいようけい外がい惑星わくせい
主おもな小惑星しょうわくせい
主おもな衛星えいせいなど
木星もくせい
土星どせい
その他た
主おもな彗星すいせい
その他た
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