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R-60 (ミサイル)

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AA-8から転送てんそう
R-60/Р-60
AA-8 エイフィド
ウクライナ空軍くうぐんSu-15TM主翼しゅよく内側うちがわハードポイント装備そうびされたR-60
種類しゅるい 短距離たんきょりそら対空たいくうミサイル
製造せいぞうこく ソビエト連邦の旗 ソビエト連邦れんぽう/ロシアの旗 ロシア
製造せいぞう ヴィーンペル科学かがく製造せいぞう連合れんごう
性能せいのうしょもと
ミサイル直径ちょっけい 120mm
ミサイル全長ぜんちょう 2,090mm
ミサイル全幅ぜんぷく 390mm
ミサイル重量じゅうりょう 43.5kg
弾頭だんとう 連続れんぞくロッドしきHE破片はへん効果こうか(3kg)
射程しゃてい 8km
推進すいしん方式ほうしき 固体こたい燃料ねんりょうロケット
誘導ゆうどう方式ほうしき 赤外線せきがいせんホーミング
飛翔ひしょう速度そくど M2.7
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R-60ロシア: Р-60、は、ソビエト連邦れんぽうだい4設計せっけいきょく「モルニヤ」(現在げんざいヴィーンペル科学かがく製造せいぞう連合れんごう)が開発かいはつした、赤外線せきがいせん追尾ついびしき短距離たんきょりそら対空たいくうミサイルである。アメリカ国防総省こくぼうそうしょう(DoD)がさだめた識別しきべつ番号ばんごうはAA-8、北大西洋きたたいせいよう条約じょうやく機構きこう(NATO)がさだめたコードネームは「エイフィド」(Aphid、アブラムシ)。

歴史れきし

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R-60は、当初とうしょMiG-23けの装備そうびとして1960年代ねんだい後半こうはん開発かいはつ開始かいしされ、モルニヤ設計せっけいきょく内部ないぶではK-60(изделие 62)のコードネームあたえられた。1973ねんには生産せいさん開始かいしされ、R-60(NATOコードネーム:エイフィドA)として制式せいしき採用さいようされた。

R-60は、44kgの全体ぜんたい重量じゅうりょうなど、採用さいよう当時とうじとしては世界せかい最小さいしょうそら対空たいくうミサイルの1つであった。このため、ハードポイント専用せんようの2連装れんそう発射はっしゃレールをけることによって、前任ぜんにんR-3/R-13よりも多数たすうミサイル装着そうちゃくすることも可能かのうである。後継こうけいR-73登場とうじょうも、ソビエト連邦れんぽう構成こうせいこくはじめとするおおくの国々くにぐに運用うんようされている。

誘導ゆうどう方式ほうしき赤外線せきがいせん追尾ついび方式ほうしきで、シーカーヘッドのコマール(Комар:ロシアで「」のこと)は冷却れいきゃく装置そうちたないが、±12°の視野しやかく標的ひょうてき捕捉ほそく追尾ついびする能力のうりょくがある。推進すいしん方向ほうこうのコントロールは、前面ぜんめん三角さんかくがたどうつばさこうつばさフィンを使つかって制御せいぎょする。どうつばさ前部ぜんぶにカナードが配備はいびされるエンテがた形状けいじょうをしており、これによりどうつばさきゅう角度かくどにおける姿勢しせい制御せいぎょ効果こうか向上こうじょうさせ、最大さいだい8Gでのきゅう旋回せんかい実現じつげんさせた。

2017ねん現在げんざい生産せいさんおこなわれていないがいま多数たすう現役げんえきでありいくつかのアップグレードも提供ていきょうされている。ウクライナのアーセナルではUA-96シーカーと交換こうかんするアップグレードを提案ていあん。シーカーの冷却れいきゃく方式ほうしき空冷くうれいとし赤外線せきがいせんウィンドウのうしろに4つのちいさな吸気きゅうきこうもうけることで、ヘッド・オン・クローズ・エンゲージメントを提供ていきょうする検出けんしゅつ能力のうりょくたかめている。アーセナルは、前半ぜんはん半分はんぶん最大さいだい10km(5.4nm)のエンゲージメント能力のうりょく要求ようきゅうしている[1]。ベラルーシのBSVTではR-60BMを提案ていあんしている(後述こうじゅつ)。

派生はせいがた

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R-60(NATOコードネーム:エイフィドA)
初期しょきがたシーカー冷却れいきゃくしきで、視野しやかくは±12°。
UZ-62, UZR-60
R-60の訓練くんれんよう模擬もぎだん
R-60M(NATOコードネーム:エイフィドB)
シーカーを窒素ちっそ冷却れいきゃくしき変更へんこう視野しやかくを±20°に拡大かくだいするとともに、限定げんていてきながらもぜん方位ほうい交戦こうせん能力のうりょく獲得かくとく最小さいしょう射程しゃていも200mに短縮たんしゅく弾頭だんとう重量じゅうりょうを3.5kgに増強ぞうきょう[2]
R-60MK
R-60Mの輸出ゆしゅつがた
R-60MU
R-60Mの訓練くんれんよう模擬もぎだん
R-60BM
2017ねんにベラルーシのBSVTが公開こうかいしたアップグレードがた。ミサイルの妨害ぼうがい抵抗ていこう大幅おおはば増加ぞうかさせるあたらしい2レンジシーカーを特徴とくちょうとし、あたらしいデュアルモードエンジンとあたらしいオートパイロットコントロールユニットをそなえミサイルの動作どうさ範囲はんいは10㎞、最大さいだいは20kmとなっている。また目標もくひょうちかくで確実かくじつ弾頭だんとう起爆きばくするためあたらしいレーザー近接きんせつ信管しんかん装備そうびされている。戦闘せんとうまたは防空ぼうくうミサイルシステムから発射はっしゃすることが可能かのうである[3]

採用さいようこく

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現用げんよう
退役たいえき

搭載とうさい航空機こうくうき

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ソ連それん空軍くうぐんMiG-21SM主翼しゅよく内側うちがわハードポイントにR-60、外側そとがわハードポイントにR-3RSARH誘導ゆうどう)を装備そうび
ポーランド空軍くうぐんMiG-23MF胴体どうたい下部かぶ搭載とうさいしている小型こがたミサイルがR-60で、2連装れんそうしきラックをかいして胴体どうたい下部かぶハードポイントに搭載とうさいしている
主翼しゅよく下部かぶ搭載とうさいしている大型おおがたのミサイルは、中距離ちゅうきょりそら対空たいくうミサイルR-23もしくはR-24NATOコードネーム:AA-7 エイペックス)
セルビア空軍くうぐんおよ防空ぼうくうぐん英語えいごばんL-18MiG-29主翼しゅよくのミサイル。内側うちがわからR-27R-73、R-60
ポーランド空軍くうぐんSu-22M4左右さゆうかく主翼しゅよく下部かぶなかあいだのハードポイントはR-60専用せんよう
グルジア空軍くうぐんSu-25主翼しゅよく一番いちばん外側そとがわのハードポイントにR-60を装備そうび
ソ連それん海軍かいぐん航空こうくうたいYak-38内側うちがわ主翼しゅよくにR-60を装備そうび
後期こうきがたのMiG-21SM/MF/MT/SMT/ST/bis/-93/Bison/LanceRが装備そうび可能かのう
改良かいりょうがたのMiG-25PD/PDSが装備そうび
Su-17M3(WTO加盟かめいこくけのSu-22M3、そのおやこくけのSu-22Mをふくむ)、Su-17M4(輸出ゆしゅつがたのSu-22M4をふくむ)が装備そうび可能かのう主翼しゅよく専用せんようハードポイントパイロン装備そうび
へいそう訓練くんれんけい攻撃こうげき仕様しようのL-39ZAが運用うんよう能力のうりょくゆうする。

関連かんれん項目こうもく

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出典しゅってん参考さんこうサイト

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外部がいぶリンク

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