(Translated by https://www.hiragana.jp/)
MG 15 機関銃 - Wikipedia コンテンツにスキップ

MG 15 機関きかんじゅう

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
MG15から転送てんそう
MG 15 機関きかんじゅう
MG 15 機関きかんじゅう
地上ちじょうせんよう形態けいたいだが、前部ぜんぶ照準しょうじゅんきゃく付属ふぞくしていない。
MG 15 機関きかんじゅう
種類しゅるい 航空こうくう機関きかんじゅう
製造せいぞうこく ドイツの旗 ドイツこく
ナチス・ドイツ
設計せっけい製造せいぞう ラインメタルしゃ
年代ねんだい だい世界せかい大戦たいせん
仕様しよう
口径こうけい 7.92mm
銃身じゅうしんちょう 595mm
使用しよう弾薬だんやく 7.92x57mmモーゼルだん
装弾そうだんすう 75はつりサドルがたドラムマガジン
25はつりバナナがたマガジン(MG 13よう
作動さどう方式ほうしき ショートリコイル 回転かいてんボルトしき
全長ぜんちょう 1,334mm(アタッチメントり)、1,078mm(アタッチメントし)
重量じゅうりょう 12.4kg(照準しょうじゅん弾薬だんやく装備そうび
発射はっしゃ速度そくど 1,000-1,050はつ/ぶん、850はつ/ぶん地上ちじょうよう
銃口じゅうこう初速しょそく 755-840m/s
歴史れきし 
設計せっけいねん 1920年代ねんだい
配備はいびさき ドイツ空軍くうぐん
関連かんれん戦争せんそう紛争ふんそう だい大戦たいせん
テンプレートを表示ひょうじ

MG 15 機関きかんじゅう(MG 15 きかんじゅう、ドイツ: )は、1930年代ねんだい初頭しょとう航空機こうくうき自衛じえいよう旋回せんかいしきとして開発かいはつされた航空こうくう機関きかんじゅうである。

だい世界せかい大戦たいせん初期しょきには旧式きゅうしき威力いりょく不足ふそくになっており、1941ねんまでにおおくが新型しんがた機関きかんじゅう更新こうしんされ、余剰よじょうとなったもの地上ちじょう部隊ぶたい転用てんようされた。どう系列けいれつ固定こていしき機関きかんじゅうとしてMG 17があった。

開発かいはつ

[編集へんしゅう]

MG 15は、ラインメタルしゃにより、スイスMG 30発展はってんがたとして開発かいはつされた。ルイス・シュタンゲ(Louis Stange)によって1920年代ねんだいわりごろ発明はつめいされた、ボルト後部こうぶのラグに回転かいてんしきカムをませるロッキング機構きこう採用さいようしている。

モジュラー構造こうぞうで、多様たよう付属ふぞくひん簡単かんたん着脱ちゃくだつ可能かのうなように設計せっけいされていた。

マガジン交換こうかん容易よういなように設計せっけいされており、MG 30とことなりマガジンのきゅうだんこうはレシーバー上面うわつらにあり、75はつりのドラムマガジン「Doppeltrommel 15、DT-15」を使用しようした。このドラムマガジンはじゅう左右さゆうにまたがるようなかたちけられ、サドルドラム(ドイツではドッペル・トロンメル、doppel(ドッペル)は英語えいごのdouble(ダブル)に相当そうとう、トロンメルは「太鼓たいこ」の)とばれていた。これはよく、左右さゆうわせて75はつ×2で150はつ勘違かんちがいされるが、左右さゆうわせてそうたますう75はつである。弾倉だんそう交換こうかんようする時間じかんやく6びょうで、非常ひじょう素早すばやおこなえた。MG 34のようなそらのドラムマガジン(ドイツではグルト・トロンメル)にベルトリンク内蔵ないぞうする方式ほうしきではなく、バラだん装填そうてんしゼンマイ動力どうりょくきゅうだんする方式ほうしきで、飛行ひこうまえ地上ちじょうであらかじめ装弾そうだんみにしておかれた。サドルドラムには、ベルトきゅうだん方式ほうしきくらべてじゅうまわしがく、じゅう左右さゆうおもさのバランスにすぐれている、という利点りてんがあった。

この機関きかんじゅうは、MG 30とことなりセミオート機能きのうくなり、まいぶん1,000はつ以上いじょう発射はっしゃ速度そくどっており、やく4.5びょうでマガジンない銃弾じゅうだん使つかる。そのため通常つうじょう最低さいていでも(装着そうちゃくずみのぞいて)10以上いじょうのマガジンを機内きない搭載とうさいしていた。

航空こうくう機関きかんじゅうとして使用しようするときは、サドルドラムの下方かほうにあるはいさいかちこうそら薬莢やっきょうめる薬莢やっきょうれをけた。これは、機内きないゆかそら薬莢やっきょうらばることで乗員じょういん転倒てんとうすることを防止ぼうしするためである。

地上ちじょうせんようでは、75はつりサドルがたドラムマガジンのほかに、MG 13ようの25はつりバナナがたマガジンも使用しようされた。

サドルドラムの直後ちょくご上方かみがたにはマガジンリリースがある。サドルドラムの後方こうほうには、S(Sicherheit)とF(Feuer)をえるリングじょう安全あんぜん装置そうちがある。安全あんぜん装置そうち後方こうほう右側みぎがわには、ボルトハンドルがある。発射はっしゃさいにボルトハンドルをく(とロックされる)、オープンボルト方式ほうしきである。ボルトハンドルは射撃しゃげきちゅう前後ぜんご往復おうふくする。

トリガーガードは、寒冷かんれい手袋てぶくろ使用しよう対応たいおうできるよう、あなおおきめにつくられていた。

運用うんよう

[編集へんしゅう]

MG 15は、さい軍備ぐんびはじまったドイツ空軍くうぐん最初さいしょ旋回せんかい機銃きじゅうとして1932ねん採用さいようされ、1933ねん以降いこう幅広はばひろ航空機こうくうき搭載とうさいされた。だい世界せかい大戦たいせん開戦かいせん、MG 15は可動かどうしき銃座じゅうざそなえているドイツ空軍くうぐんのほぼすべてに搭載とうさいされていた。

MG 15はだい大戦たいせんには旧式きゅうしきしており、1940ねん後半こうはんには7.92mm MG 81、MG 81Z(MG 81の連装れんそうがた)、13mm MG 131機関きかんじゅうあるいは20mm MG 151/20機関きかんほう更新こうしんされていった。

1943ねん末期まっきには、「Zusatzgerät 15 (ZG 15) ツザッツゲレート 15」という、MG 15よう地上ちじょうせん転用てんようキットが製作せいさくされた。意味いみはそのまま「追加ついか装置そうち」である。ZG 15をけて地上ちじょうせんよう改造かいぞうしたMG 15を、「MG 15 mit ZG 15」と、表記ひょうきする。[1]

余剰よじょうとなったMG 15に、きゃく、バレルジャケット(きゃくけるためのブラケット)、金属きんぞくせいパイプストック、キャリングハンドル、スリング、スパイダーサイト(または十字じゅうじサイト)、などの追加ついか部品ぶひんからなる、ZG 15をけ、発射はっしゃ速度そくどを850はつ/ぶんとして、空軍くうぐん地上ちじょう部隊ぶたい降下こうかりょうへい装備そうびとして使用しようされた。地上ちじょうせんよう前後ぜんご照準しょうじゅんは、既存きそん航空こうくうよう照準しょうじゅんそとけするかたち追加ついかされた。

また、三脚さんきゃく搭載とうさいして対空たいくう機銃きじゅうとしても使用しようされた。[2]

射撃しゃげきには、パイプストックのストック部分ぶぶんもしくはパッド部分ぶぶん(パイプストックが場合ばあいは、レシーバーの)をトリガーをとは反対はんたい右手みぎてでも左手ひだりてでもよい)でおさえて保持ほじする。三脚さんきゃく使用しようは、三脚さんきゃくべつ人間にんげんおさえることもある。

しかし、もとが航空こうくうようであるため、野戦やせん使つかうにはバランスがわるい(全長ぜんちょうながすぎ、弾倉だんそうも75はつりサドルがたドラムマガジンなので嵩張かさばり、たか作動さどう速度そくどでの連射れんしゃしかできないため、地上ちじょうでの運用うんよう不便ふべん)・デリケートな機関きかんといっためんもあり、好評こうひょうとはいえなかった。

また、あまりられていないが、地上ちじょうせんようなかには銃身じゅうしんをウォータージャケットでおおった水冷すいれいしきもの存在そんざいした。[3]

日本にっぽんにおけるMG 15

[編集へんしゅう]

MG 15は日本にっぽんでもライセンス生産せいさんおこなわれ、陸軍りくぐんきゅうはちしき旋回せんかい機関きかんじゅう海軍かいぐん一式いっしき旋回せんかい機銃きじゅうとして可動かどう銃座じゅうざけて使用しようされた。また、戦車せんしゃよう試製しせいよんしき車載しゃさいじゅう機関きかんじゅうのベースにもなっている。

搭載とうさい

[編集へんしゅう]
Ju87

ベルクマン MG 15 n.A.

[編集へんしゅう]
ベルクマン MG 15 n.A.

制式せいしき番号ばんごうのMG 15は、だいいち世界せかい大戦たいせんとき使用しようされたテオドール・ベルクマン開発かいはつ機関きかんじゅう共通きょうつうのものであるが、両者りょうしゃ設計せっけい関連かんれんせいはない。区別くべつのため、ラインメタル MG 15の開発かいはつ/制式せいしき以後いごベルクマン MG 15は「MG15n.A.」とばれることがある。

ラインメタル MG 15はゾロターンしき実際じっさいにはうらでラインメタルも開発かいはつかかわっている)の回転かいてんしきボルト/ロッキング方式ほうしき使用しようしていたのにたいし、ベルクマン MG 15は先端せんたんロッキング方式ほうしき使用しようしている。

関連かんれん項目こうもく

[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク

[編集へんしゅう]
  • [4] - YouTube動画どうが「The MG-15: A Flexible Aircraft Machine Gun Pushed into Infantry Service」