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P-5 (ミサイル)

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
P-5から転送てんそう
P-5
モスクワの中央ちゅうおう軍事ぐんじ博物館はくぶつかん屋外おくがい展示てんじされているP-5
種類しゅるい 巡航じゅんこうミサイル
製造せいぞうこく ソビエト連邦の旗 ソビエト連邦れんぽう
設計せっけい だい52設計せっけいきょくOKB-52
性能せいのうしょもと
ミサイル直径ちょっけい 0.9m
ミサイル全長ぜんちょう 11.2m
ミサイルつばさはば 2.5m
ミサイル重量じゅうりょう 5.2t
射程しゃてい 650キロメートル (350 nmi)
推進すいしん方式ほうしき 固体こたい燃料ねんりょうロケット・ブースター+
ターボジェット・サステナー
誘導ゆうどう方式ほうしき 慣性かんせい航法こうほう(INS)
飛翔ひしょう速度そくど 338m/sマッハ0.99)
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P-5ロシア: П-5ペー・ピャーチ)は、ソビエト連邦れんぽう開発かいはつされたちょう射程しゃてい潜水せんすいかん発射はっしゃがた巡航じゅんこうミサイルGRAUインデックスは4K44であった。また非公式ひこうしき呼称こしょうとして、数字すうじ5の愛称あいしょうがたピャチョールカ«Пятерка»)でばれたが、これは5段階だんかい評価ひょうかの「5」という意味いみつ。

西側にしがわ諸国しょこくにおいては、アメリカ国防総省こくぼうそうしょう(DoD)識別しきべつ番号ばんごうとしてはSS-N-3CNATOコードネームとしては「シャドック」とばれた。なお、P-5から派生はせいしたP-6/35おなじNATOコードネームを付与ふよされているが、西側にしがわ諸国しょこくによる確認かくにんおくれたことから、DoD識別しきべつ番号ばんごうではぎゃくにP-6/35にSS-N-3A/Bというわか記号きごうあたえられている。

来歴らいれき

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だい2世界せかい大戦たいせん終結しゅうけつ連合れんごうこくによるドイツ占領せんりょうソ連それんはドイツからおおくの技術ぎじゅつ導入どうにゅうしたが、そのなかにはV-1Hs 293などの巡航じゅんこうミサイル技術ぎじゅつふくまれていた。ソ連それんでは、戦中せんちゅう1944ねんより、V-1をモデルとして、ウラジーミル・チェロメイ主任しゅにん設計せっけいかんによって巡航じゅんこうミサイルの開発かいはつ着手ちゃくしゅしていたが、ドイツからの技術ぎじゅつ導入どうにゅうによってこの研究けんきゅうはさらに進展しんてんした。そして1953ねんRDS-6水素すいそばくだん保有ほゆう成功せいこうすると、弾道だんどうミサイルよりも開発かいはつすすんでいて、軽量けいりょうかつ安価あんか巡航じゅんこうミサイルは、ソ連それん海軍かいぐんにとって「絶対ぜったい兵器へいき」としてとらえられるようになっていった[1]

チェロメイ主任しゅにん設計せっけいかん在籍ざいせきするだい52設計せっけいきょくOKB-52)は、まず1940年代ねんだい、V-1をもとにラストチカ10Xを試作しさくした。その1951ねんより、発射はっしゃ自動的じどうてきつばさてんはりするARK-5自動じどうひらきつばさ装置そうち開発かいはつ着手ちゃくしゅし、1956ねんには実用じつよう段階だんかいたっした。これを採用さいようして開発かいはつされたのがP-5である[1]

設計せっけい

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644がた潜水せんすいかん搭載とうさいされた発射はっしゃとう

P-5は、窒素ちっそ充填じゅうてんした密閉みっぺいがたコンテナに収容しゅうようされた状態じょうたい潜水せんすいかん巡航じゅんこうミサイル潜水せんすいかん)に搭載とうさいされている。発射はっしゃ搭載とうさいかんはまず浮上ふじょうして、コンテナに15仰角ぎょうかくをつける。ミサイルはまず2固体こたい燃料ねんりょうロケットブースター推力すいりょく36.6トン)によって射出しゃしゅつされる。ブースターは2びょうはなされ、KRD-26ターボジェット・サステナー(推力すいりょく2.25トン)を始動しどうさせて巡航じゅんこうはいる。初期しょきがたにおいては、巡航じゅんこう高度こうど気圧きあつ高度こうどけいによって管理かんりされ、400メートルに制限せいげんされていた。射程しゃてい速度そくど気温きおんによっておおきく変動へんどうするが、たとえば40℃の場合ばあい射程しゃていは650キロメートル (350 nmi)、速度そくどは338メートル毎秒まいびょう(マッハ0.99)となる[1]

ただし平均へいきん誤差ごさ半径はんけい(CEP)3,000メートルと命中めいちゅう精度せいどわるく、このため弾頭だんとうかくとせざるをなかった。かく出力しゅつりょく初期しょきがたTNT換算かんさん200キロトン、のちに650キロトンに増強ぞうきょうされた。また巡航じゅんこう高度こうど気圧きあつ高度こうどけい管理かんりする関係かんけいじょうやまえて反対はんたいがわ目標もくひょう攻撃こうげきできないという欠点けってんもあった[1]

その改良かいりょうされたAP-70D自動じどう操縦そうじゅう装置そうち導入どうにゅうによって、CEPを2ぶんの1ないし3ぶんの1,巡航じゅんこう高度こうども250メートルまでてい高度こうどした改良かいりょうがたのP-5Dが実用じつようされた[1]

配備はいび

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1957ねんより地上ちじょうで、ついで洋上ようじょうでのじつ試験しけん開始かいしされ、1959ねん6月19にち制式せいしきされた。また改良かいりょうがたのP-5Dは、1961ねん3月2にちより海軍かいぐんへの引渡ひきわたしが開始かいしされた[1]

地上ちじょう配備はいびがたはSPU-35V "Redut" (NATOコードネーム:SSC-1 Sepal) とばれ、4じく8りんじゅうトラックのZIL-135搭載とうさいされた沿岸えんがん防衛ぼうえいミサイルとして運用うんようされた。

搭載とうさいかん

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イナリ事故じこ

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1984ねん12月28にち、SS-N-3ミサイルが標的ひょうてきとして使用しようされフィンランドの国境こっきょうえてイナリ墜落ついらくした[2][3]

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ a b c d e f Polutov Andrey V.「ソ連それん/ロシア原潜げんせん建造けんぞう(9)」『世界せかい艦船かんせんだい612ごう海人あましゃ、2003ねん7がつ、96-101ぺーじNAID 40005825474 
  2. ^ “Scandinavia Wayward Missile” (英語えいご). TIME. (1985ねん1がつ14にち). オリジナルの2012ねん9がつ14にち時点じてんにおけるアーカイブ。. https://archive.is/hf54 
  3. ^ “Finns Return Soviet Missile That Strayed in Maneuvers” (英語えいご). Reuters (NYT). (1985ねん6がつ25にち). http://www.nytimes.com/1985/06/25/world/finns-return-soviet-missile-that-strayed-in-maneuvers.html 

参考さんこう文献ぶんけん

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外部がいぶリンク

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