9K52 (ミサイル)

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9K52 ルーナ-M
9M21ロケット搭載とうさいの9P113 TEL
種類しゅるい 戦術せんじゅつ弾道だんどうミサイル
はら開発かいはつこく ソビエト連邦の旗 ソビエト連邦れんぽう
運用うんよう
配備はいび期間きかん 1964 – 現在げんざい
関連かんれん戦争せんそう紛争ふんそう アフガニスタン紛争ふんそう (1978ねん-1989ねん), イラン・イラク戦争せんそう, レバノン内戦ないせん, 湾岸わんがん戦争せんそう, ユーゴスラビア紛争ふんそう, イラク戦争せんそう, リビア内戦ないせん(2011), シリア内戦ないせん, 2015ねんイエメン内戦ないせん
開発かいはつ
派生はせいがた 9M21B (核弾頭かくだんとう) , 9M21F (通常つうじょう弾頭だんとう) 9M21G (化学かがく弾頭だんとう), Laith-90
しょもと (9M21B)
重量じゅうりょう 2.2–2.5 t (350–390 st)
全長ぜんちょう 9 m (30 ft)
直径ちょっけい 0.5 m (1 ft 8 in)
要員よういんすう 4

最大さいだい射程しゃてい 70 km (43 mi)
弾頭だんとう 通常つうじょう弾頭だんとう核弾頭かくだんとう化学かがく弾頭だんとう
炸薬さくやくりょう

9M21B: 核弾頭かくだんとう 重量じゅうりょう 500 kg

9M21G: 重量じゅうりょう 390 kg

速度そくど マッハ 3
発射はっしゃ
プラットフォーム
8 x 8 ZIL-135 ミサイル発射はっしゃ車両しゃりょう
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9K52 ルーナ-M (ロシア: Луна-М)は、ソビエト連邦れんぽう開発かいはつした戦術せんじゅつ弾道だんどうミサイルシステム。発射はっしゃされる9M21ロケットは誘導ゆうどうでスピン安定あんていのみである。9K52GRAU付与ふよした名称めいしょうで、西側にしがわ付与ふよしたNATOコードネームは "Free Rocket Over Ground"のバクロニムであるFROG-7

概要がいよう[編集へんしゅう]

ルーナ-Mは9M21ロケットをZIL-135 8x8 軍用ぐんようトラックをベースにつくられた9P113 TEL搭載とうさいしたものである。このTELの特徴とくちょうは9T29輸送ゆそう車両しゃりょう(こちらもZIL-135ベース)からロケットをさい装填そうてんするためにもちいる大型おおがた油圧ゆあつクレーンが搭載とうさいされていることである。9M21は射程しゃてい70 kmにおよび、CEPは500から700 m である。このロケットには550 kg のペイロードがあり場合ばあいにより通常つうじょう弾頭だんとう核弾頭かくだんとう化学かがく弾頭だんとう搭載とうさい能力のうりょくがある。

歴史れきし[編集へんしゅう]

サンクトペテルブルク砲兵ほうへい博物館はくぶつかん展示てんじされる9T29TELと9M21ミサイルで構成こうせいされた9K52
ひがしドイツの9P113 TEL
9P113 TEL

1962ねん10がつに9M21の初期しょきがたが6はつキューバ危機ききにおいてキューバまれた[よう出典しゅってん]。これらのミサイルは発射はっしゃ可能かのう状態じょうたい核弾頭かくだんとう搭載とうさいされていた[よう出典しゅってん] 。さらに70はつ核弾頭かくだんとう島内とうない保存ほぞんされていた[疑問ぎもんてん]

ルーナはソ連それん衛星えいせいこくひろ配備はいびされたほか、その地域ちいきにも輸出ゆしゅつされ、現在げんざいでもすうおおくが稼働かどう状態じょうたいにある。イラクイランとの戦争せんそうのちエジプト協力きょうりょくし9M21の改良かいりょうおこな[よう出典しゅってん]射程しゃていの90kmへの延長えんちょうとクラスター弾頭だんとう搭載とうさい可能かのうにした。このロケットはLaith-90と名付なづけられた[1]

ユーゴスラビア紛争ふんそうにおいてセルビアがわがこのロケットをジュパニャ[2]、1992ねん12月12にち首都しゅとザグレブなどクロアチアがわ都市とし多数たすう発射はっしゃし、1993ねん9がつ11にちメダク包囲ほういせん英語えいご: Operation Medak Pocketにおいてももちいられた[3]

2003ねんのイラク侵攻しんこうにおいてべいぐんだいさん歩兵ほへい師団しだん隷下れいかだい旅団りょだん司令しれい 戦術せんじゅつ作戦さくせんセンター英語えいご: Tactical Operations Center の David Perkins まい大佐たいさ目標もくひょうとして指揮しき兵士へいしとジャーナリストを殺傷さっしょうしたイラクのFROG-7[4]およびAl-Samoud 2英語えいご: Al-Samoud 2ミサイルを指定してい攻撃こうげきした。14にん兵士へいし負傷ふしょうぬしハンヴィーなどの車両しゃりょう22りょう撃破げきはないし大破たいはさせられていた[5][6]

2011ねんリビア内戦ないせんにおいてイギリス空軍くうぐん航空機こうくうきカダフィ大佐たいさ支持しじ勢力せいりょくもちいるFROG-7を破壊はかいした[7]

2012ねんからのシリア内戦ないせんにおいてシリアぐん複数ふくすうはん政府せいふ勢力せいりょく支配しはい地域ちいきたいしFROG-7を発射はっしゃした[8]

派生はせいがた[編集へんしゅう]

9M21B
核弾頭かくだんとう 弾頭だんとう重量じゅうりょう500kg
9M21G
弾頭だんとう重量じゅうりょう390kg
Laith-90
射程しゃてい90kmに増進ぞうしんされたイラクのクラスター弾頭だんとうがた

運用うんようしゃ[編集へんしゅう]

あお現役げんえきあか退役たいえきずみ

現在げんざい運用うんようちゅう[編集へんしゅう]

退役たいえきずみ[編集へんしゅう]

不明ふめい[編集へんしゅう]

  • レバノンの旗 レバノン - レバノン内戦ないせん末期まっき、シリアと対決たいけつ姿勢しせいしめしたアウンレバノン国軍こくぐんに、(シリアと対立たいりつする)イラクのきゅうサダム・フセイン政権せいけん供与きょうよしたとうわさされた。射程しゃてい圏内けんないにレバノンばかりかシリアの首都しゅとダマスカスはいことから、レバノンおよびシリアの一部いちぶ住民じゅうみん混乱こんらんしょうじた。イラクがこの時期じき装備そうび供与きょうよおこなったのは事実じじつだが、9K52がイラクからレバノンに供与きょうよされたとはかんがえられていない。

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ Cordesman, Anthony: Iraq and the War of Sanctions. Greenwood Publishing Group, 1999. Page 453. ISBN 0275965287
  2. ^ “Serbs Fired Surface-to-Surface Missile at Zupanja”. FBIS Daily Report: East Europe, Issues 241-252 (The Service). (12 December 1992). 
  3. ^ Wood, John (2003). The Chance of War: Canadian Soldiers in the Balkans, 1992-1995. Dundurn. pp. 107. ISBN 1550024264 
  4. ^ Engineers quietly do job, face deadly missile strike”. Toledo Blade. 2015ねん12月29にち閲覧えつらん
  5. ^ "He (Lt. Col. Wesley, second in command) had gotten only thirty feet from his vehicle when a powerful Abril (sic) missile hit it dead center." Lacey, Jim:Takedown: the 3rd Infantry Division's twenty-one day assault on Baghdad. Naval Institute Press, 2007, page 243. ISBN 1-59114-458-2
  6. ^ Zucchino, David (2004). Thunder Run: The Armored Strike to Capture Baghdad. Grove Press. pp. 162 
  7. ^ UK MOD Operation Ellamy from Global Security website, 9 May 2011
  8. ^ http://aoav.org.uk/2013/syrias-dirty-dozen-luna-mfrog-7/
  9. ^ http://www.globalsecurity.org/wmd/world/dprk/missile-designation.htm

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]