2S3アカーツィヤ 152mm自じ走はし榴弾りゅうだん砲ほう

2S3アカーツィヤ
152mm 自じ走はし榴弾りゅうだん砲ほう
	2S3; 2009年ねんエカテリンブルクで行おこなわれた軍事ぐんじパレードの予行よこう演習えんしゅう時じの撮影さつえい
性能せいのう諸しょ元もと
全長ぜんちょう	8.40 m
車体しゃたい長ちょう	7.75 m
全幅ぜんぷく	3.25 m
全ぜん高こう	3.05 m
重量じゅうりょう	27.5 t
懸架けんか方式ほうしき	トーションバー方式ほうしき
速度そくど	60 km/h
行動こうどう距離きょり	500 km
主砲しゅほう	2A33榴弾りゅうだん砲ほう（34口径こうけい152mm）×1
副ふく武装ぶそう	7.62mm機関きかん銃じゅうPKT×1
装甲そうこう	最大さいだい20 mm
エンジン	V-59; 4ストロークV型がた12気筒きとう液えき冷ひやディーゼル; 520 馬力ばりき/2,000 rpm
乗員じょういん	4 名めい
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2S3アカーツィヤ 152mm自じ走はし榴弾りゅうだん砲ほう（2S3アカーツィヤ 152ミリじそうりゅうだんほう、ロシア語ご: 2С3 «Акация»、軍ぐん名称めいしょう SO-152）は、ソビエト連邦れんぽうで開発かいはつされた自じ走はし砲ほうである。

アカーツィヤ（Akatsiya）とはアカシア（Acacia）のロシア語ご表記ひょうきである。

概要がいよう[編集へんしゅう]

2S1と並ならぶソビエト連邦れんぽう軍ぐん初はつの本格ほんかく的てきな自じ走はし榴弾りゅうだん砲ほうである。機甲きこう部隊ぶたいに随伴ずいはんして迅速じんそくに支援しえん火力かりょくを与あたえることを主おも目的もくてきとして開発かいはつされた2S1に対たいして、2S3はより汎用はんよう的てきな自じ走はし榴弾りゅうだん砲ほうとして開発かいはつされ、水陸すいりく両用りょうよう性能せいのうなどの機動きどう性せいの追求ついきゅうは求もとめられていない。

1950年代ねんだいに開発かいはつが開始かいしされ、車体しゃたいはウラル運輸うんゆ車両しゃりょう工場こうじょうで「オブイェクト123（Объект 123）」の名称めいしょう^{[注ちゅう 1]}で共通きょうつう装そう軌車両りょうシャーシとして計画けいかくされたもので、2K11 クルーグ（NATOコードネーム SA-4ガネフ）の自じ走はし発射はっしゃ機き（TEL）2P24と2S4 チュリパン自じ走はし迫撃はくげき砲ほう、2S5 ギアツィント-S 自じ走はしカノン砲ほうと共通きょうつうの車体しゃたい部分ぶぶんを採用さいようしている。

設計せっけいはオブイェクト123車体しゃたいに合あわせて152mm榴弾りゅうだん砲ほうを搭載とうさいした全ぜん周旋しゅうせん回かい砲塔ほうとうを搭載とうさいする、という点てんでいくつかの困難こんなんに立たち当あたり、ようやく設計せっけいがまとまったのは1960年代ねんだい末まつのことであった。

1971年ねんに配備はいびが開始かいしされ、西側にしがわ諸国しょこくでは当初とうしょは公式こうしきに確認かくにんされた年としから「M1973 SPH」の名称めいしょうで呼称こしょうし、後のちに判明はんめいした軍ぐんの装備そうび名めい^{[注ちゅう 2]}からSO-152の名称めいしょうが与あたえられている。

牽引けんいん式しき152mm榴弾りゅうだん砲ほうに代かわるものとして自動車じどうしゃ化か狙撃そげき兵へい師団しだんの砲兵ほうへい大隊だいたいに配備はいびが進すすめられた他ほか、砲ほう威力いりょくと射程しゃていが不十分ふじゅうぶん、とされた2S1の代替だいたい車両しゃりょうとしても置おき換かえ配備はいびが進すすめられた。1975年ねんには改良かいりょう型がたとして自動じどう装填そうてん装置そうちの搭載とうさいやエンジン関係かんけいの改良かいりょうが行おこなわれた2S3Mが開発かいはつされた。

2S3はこの種たねの自じ走はし砲ほうとしては標準ひょうじゅん的てきな性能せいのうであり、同どう時代じだいの西側にしがわ車両しゃりょうと比較ひかくしても十分じゅうぶんな性能せいのうを示しめしたが、M109を始はじめとした西側にしがわの自じ走はし砲ほうが砲身ほうしんを長ちょう砲身ほうしん化かして射程しゃていを向上こうじょうさせると共ともに装填そうてん速度そくどの向上こうじょうを進すすめ、射撃しゃげき管制かんせい装置そうちや通信つうしん装置そうちを高度こうど化かさせて高度こうどな砲兵ほうへい戦闘せんとうを行おこなえる方向ほうこうに進歩しんぽしたため、登場とうじょう後程のちほどなくして旧きゅう時代じだい化かすることとなった。それらの点てんを向上こうじょうさせた後継こうけい車種しゃしゅとして2S19ムスタ-S 152mm自じ走はし榴弾りゅうだん砲ほうが開発かいはつされたが、予算よさんの不足ふそくから2S19の配備はいびは進すすんでいないため、ロシア連邦れんぽう軍ぐんを初はじめとして輸出ゆしゅつされた旧きゅう東側ひがしがわ諸国しょこくの他ほかに多おおくの国くにで現在げんざいでも現役げんえきである。

構造こうぞう[編集へんしゅう]

車内しゃない配置はいちは車体しゃたい前部ぜんぶ右みぎにエンジン、左側ひだりがわに操縦そうじゅう席せき、後部こうぶに砲塔ほうとうおよび戦闘せんとう室しつというこの種たねの自じ走はし砲ほうの標準ひょうじゅん的てきな配置はいちとなっている。

搭載とうさい砲ほうはD-20榴弾りゅうだん砲ほう（25口径こうけい152mm）を車載しゃさい用ように改造かいぞうした2A33榴弾りゅうだん砲ほう（34口径こうけい152mm）で車体しゃたい後部こうぶに設置せっちされた360度ど旋回せんかい可能かのうな密閉みっぺい式しき砲塔ほうとうに搭載とうさいしている。最大さいだい射程しゃていは17.3km（OF-546 高性能こうせいのう榴弾りゅうだんの場合ばあい）、RAP（ロケットアシスト弾だん）を使用しようした場合ばあい24kmになる。装填そうてん補助ほじょ装置そうちが搭載とうさいされており、発射はっしゃ速度そくどは毎まい分ぶん3発はつ、継続けいぞくの場合ばあいは毎まい分ぶん1発はつほどになる。

車内しゃないには砲弾ほうだんと装そう薬やくを46発はつ分ぶん搭載とうさいしている。間接かんせつ射撃しゃげき用ようの榴弾りゅうだん等ひとしの他ほかに、徹とおる甲きのえ弾だんや成形せいけい炸薬さくやく弾だんが用意よういされており、限定げんてい的てきにだが直接ちょくせつ戦闘せんとうも行おこなう事ことが出来できる。

車くるま長ちょう用よう展望てんぼう塔とうには対空たいくう用ようおよび近接きんせつ戦闘せんとう用ようにPKT 7.62mm機関きかん銃じゅうが装備そうびされている。

採用さいよう国こく[編集へんしゅう]

アゼルバイジャン - 6両りょう（2009年ねん現在げんざい）
アルジェリア - 30両りょう※
アンゴラ - 4両りょう※
アルメニア - 28両りょう※
ベラルーシ - 163両りょう※
エチオピア - 10両りょう（1999年ねん現在げんざい）
ジョージア - 11両りょう※2
ハンガリー - 5両りょう（1995年ねん現在げんざい）
カザフスタン - 120両りょう※2
リビア - 60両りょう※
南みなみオセチア - 42両りょう※（2S1と併あわせての保有ほゆう数すう）
ロシア
- - 陸軍りくぐん　1600両りょう
- - 海軍かいぐん歩兵ほへい　18両りょう※
スロバキア - 両りょう数すう不明ふめい
シリア - 50両りょう※
トルクメニスタン - 16両りょう
ウクライナ - 463両りょう※2
キューバ - 両りょう数すう不明ふめい
アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく - 7両りょう（※研究けんきゅう用ように保有ほゆう
- - 1993年ねん　ドイツから4両りょうを購入こうにゅう
- - 2000年ねん　ウクライナから3両りょうを購入こうにゅう
ウズベキスタン - 18両りょう※
ベトナム - 30両りょう※

※ - 2007年ねん現在げんざい
※2 - 2010年ねん現在げんざい

かつての採用さいよう国こく

ブルガリア - 20両りょう
東ひがしドイツ - 95両りょう
イラク - 35両りょう

登場とうじょう作品さくひん[編集へんしゅう]

『ソビエト侵攻しんこう　〜バルバロッサ作戦さくせん1941〜』: 2003年ねん製作せいさく（日本にっぽんでは劇場げきじょう未み公開こうかい）の戦争せんそう映画えいが。2S3がドイツ国防こくぼう軍ぐん戦車せんしゃ役やくで登場とうじょう。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

^ 軍制ぐんせい式しき装備そうびとしての名称めいしょうは「GM-123（Гм-123：Гусеничная машина - 123）」
^ 「2S3」とはソビエト政府せいふによる軍事ぐんじ工業こうぎょう生産せいさん品ひんとしての統一とういつ番号ばんごうで、「SO-152」が兵器へいきとしての形式けいしき番号ばんごうである。現在げんざいでは、車種しゃしゅ全体ぜんたいを呼称こしょうする場合ばあいは統一とういつ番号ばんごうである「2S3」の名称めいしょうが主おもに用もちいられる。