120mm迫撃 はくげき 砲 ほう M120で砲撃 ほうげき する米兵 べいへい (「イラクの自由 じゆう 」作戦 さくせん )。底 そこ 板 ばん が反動 はんどう を地面 じめん に伝 つた える様子 ようす が分 わ かる
迫撃 はくげき 砲 ほう (はくげきほう、英 えい : mortar 、臼砲 きゅうほう と同 どう 語 かたり )は、簡易 かんい な構造 こうぞう からなる火砲 かほう 。高 たか い射 い 角 かく をとることから砲弾 ほうだん は大 おお きく湾曲 わんきょく した曲射 きょくしゃ 弾道 だんどう [注 ちゅう 1] を描 えが く。
少 しょう 人数 にんずう で運用 うんよう でき操作 そうさ も比較的 ひかくてき 簡便 かんべん なため、砲兵 ほうへい ではなく歩兵 ほへい の装備 そうび であることが一般 いっぱん 的 てき で、最前線 さいぜんせん の戦闘 せんとう 部隊 ぶたい にとっては数少 かずすく ない間接 かんせつ 照準 しょうじゅん による直 じき 協 きょう 支援 しえん 火器 かき の一 ひと つである。
射程 しゃてい を犠牲 ぎせい にして砲 ほう 口 こう 初速 しょそく [注 ちゅう 2] を低 ひく く抑 おさ えることで、各部 かくぶ の必要 ひつよう 強度 きょうど を低減 ていげん し全体 ぜんたい を小型 こがた かつ軽量 けいりょう にできる。また、射撃 しゃげき 時 じ の反動 はんどう を地面 じめん に吸収 きゅうしゅう させる方式 ほうしき によるため駐 ちゅう 退 すさ 機 き や復 ふく 座 ざ 機 き といった反動 はんどう 制御 せいぎょ 機構 きこう を省略 しょうりゃく し、機構 きこう を簡素 かんそ 化 か することができる。多 おお くは砲 ほう 口 こう 装填 そうてん 式 しき (前 ぜん 装 そう 式 しき )のため閉鎖 へいさ 機 き も不要 ふよう であり、同 どう 口径 こうけい [注 ちゅう 3] の榴弾 りゅうだん 砲 ほう と比 くら べ極 きわ めて軽量 けいりょう ・コンパクトである。小中 こなか 口径 こうけい 迫撃 はくげき 砲 ほう は分解 ぶんかい して携行 けいこう でき、120 mmクラスの重 じゅう 迫撃 はくげき 砲 ほう も小型 こがた 車輌 しゃりょう で牽引 けんいん できるなど可 か 搬性に優 すぐ れる。
低 ひく い命中 めいちゅう 精度 せいど や短 みじか い射程 しゃてい といった短所 たんしょ もあるが、軽量 けいりょう で大 おお きな破壊 はかい 力 りょく をもち、速射 そくしゃ 性 せい が高 たか く、安価 あんか で生産 せいさん 性 せい に優 すぐ れるなど、多 おお くの長所 ちょうしょ を有 ゆう している。そのため、かつて師団 しだん 砲兵 ほうへい の標準 ひょうじゅん 的 てき な装備 そうび の一 ひと つであった105 - 122 mmクラスの榴弾 りゅうだん 砲 ほう が近年 きんねん では120 mm迫撃 はくげき 砲 ほう に更新 こうしん されつつあり、このことも本 ほん 砲 ほう の有用 ゆうよう 性 せい を示 しめ している。
本稿 ほんこう では、最 もっと も一般 いっぱん 的 てき な81 mm及 およ び120 mmクラスの(自 じ 走 はし 式 しき でない)迫撃 はくげき 砲 ほう を中心 ちゅうしん に、その他 た の迫撃 はくげき 砲 ほう 、他 た の火砲 かほう との比較 ひかく 、更 さら に古代 こだい の曲射 きょくしゃ 弾道 だんどう 兵器 へいき から迫撃 はくげき 砲 ほう に至 いた る発展 はってん の歴史 れきし などについても敷衍 ふえん する。
火砲 かほう を射程 しゃてい と弾道 だんどう 特性 とくせい によって大別 たいべつ した模 も 式 しき 図 ず (1)対戦 たいせん 車 しゃ 砲 ほう (及 およ び戦車 せんしゃ 砲 ほう )は徹 とおる 甲 きのえ 弾 だん 等 ひとし によって目標 もくひょう の装甲 そうこう を貫徹 かんてつ することが主 しゅ 目的 もくてき で、射 い 角 かく は水平 すいへい に近 ちか く砲弾 ほうだん は低 てい 伸 しん 弾道 だんどう をとる。また、(2)対空 たいくう 砲 ほう は「より高 たか く」、(5)野砲 やほう ・カノン砲 ほう (加 か 農 のう )は「より遠 とお く」へ砲弾 ほうだん を到達 とうたつ させることが求 もと められる。カノン砲 ほう や後述 こうじゅつ する榴弾 りゅうだん 砲 ほう の一般 いっぱん 的 てき な弾道 だんどう は擲射弾道 だんどう と呼 よ ぶ。 (1)(2)(5)は射 い 角 かく が異 こと なるだけで、いずれも砲弾 ほうだん を高 こう 初速 しょそく で発射 はっしゃ する"gun"、つまり広義 こうぎ のカノン砲 ほう に含 ふく まれ長 ちょう 砲身 ほうしん である。したがって、対戦 たいせん 車 しゃ 戦闘 せんとう が可能 かのう な対空 たいくう 砲 ほう やカノン砲 ほう も存在 そんざい し、特 とく に現代 げんだい の艦 かん 砲 ほう は遠距離 えんきょり 砲戦 ほうせん をはじめ至近 しきん での水平 すいへい 射撃 しゃげき から対空 たいくう 戦闘 せんとう まで幅広 はばひろ くカバーする。 これらと比 くら べ、(3)迫撃 はくげき 砲 ほう (臼砲 きゅうほう )の砲弾 ほうだん は大 おお きく湾曲 わんきょく した曲射 きょくしゃ 弾道 だんどう を描 えが き、砲 ほう 口 こう 初速 しょそく を低 ひく く抑 おさ えているため射程 しゃてい は短 みじか い。空気 くうき 抵抗 ていこう と安定 あんてい 翼 つばさ の使用 しよう によって着弾 ちゃくだん 時 じ の角度 かくど は垂直 すいちょく に近 ちか くなる。狭義 きょうぎ の(4)榴弾 りゅうだん 砲 ほう はカノン砲 ほう に比 くら べ短 たん 砲身 ほうしん ・低 てい 初速 しょそく で最大 さいだい 射程 しゃてい も短 みじか い。ただし、榴弾 りゅうだん 砲 ほう とカノン砲 ほう の定義 ていぎ は曖昧 あいまい [注 ちゅう 4] で、現代 げんだい では榴弾 りゅうだん 砲 ほう の長 ちょう 砲身 ほうしん 化 か により野砲 やほう ・カノン砲 ほう は消滅 しょうめつ ・統合 とうごう され、(4)(5)ともに"howitzer"と名付 なづ けられる例 れい が多 おお い。 なお、対 たい 戦車 せんしゃ 砲 ほう ・対空 たいくう 砲 ほう (機関 きかん 砲 ほう を除 のぞ く)は現在 げんざい 多 おお くの軍隊 ぐんたい でミサイル に代替 だいたい されている。
120mm迫撃 はくげき 砲 ほう RT 。
現代 げんだい の
代表 だいひょう 的 てき な
重 じゅう 迫撃 はくげき 砲 ほう の
一 ひと つであり、
被 ひ 牽引 けんいん 用 よう のトレーラーが
砲 ほう 架 か と
一体 いったい になっており、
迅速 じんそく な
移動 いどう ・
展開 てんかい が
可能 かのう である。
単位 たんい 時間 じかん あたりの
炸薬 さくやく 投射 とうしゃ 量 りょう は
自重 じちょう 7t
以上 いじょう の155mm
榴弾 りゅうだん 砲 ほう を
凌駕 りょうが する
81mmクラスの中 ちゅう 口径 こうけい 迫撃 はくげき 砲 ほう は各部 かくぶ に分解 ぶんかい して数 すう 名 めい の兵員 へいいん で運搬 うんぱん でき、また、120mmクラスの重 じゅう 迫撃 はくげき 砲 ほう では支持 しじ 架 か (砲 ほう 架 か )の構造 こうぞう がやや複雑 ふくざつ になり被 ひ 牽引 けんいん 用 よう のトレーラー[注 ちゅう 5] が加 くわ わることも多 おお いが、基本 きほん 構造 こうぞう は同一 どういつ である。
迫撃 はくげき 砲 ほう の主 おも な口径 こうけい は、60mm・81mm・82mm[注 ちゅう 6] ・107mm・120mmであり、#分類 ぶんるい で述 の べるように、各 かく 階梯 かいてい に応 おう じた口径 こうけい のものが配備 はいび されている。現代 げんだい でも実戦 じっせん 配備 はいび されている最大 さいだい 口径 こうけい のものはロシア の240mm重 じゅう 迫撃 はくげき 砲 ほう 2B8で、同国 どうこく の自 じ 走 はし 迫撃 はくげき 砲 ほう である2S4チュリパン にも同 どう 砲 ほう が搭載 とうさい されている。また、フィンランド やイスラエル には160mm重 じゅう 迫撃 はくげき 砲 ほう が存在 そんざい する。
他 た の火砲 かほう と比 くら べて短 みじか い筒 つつ 状 じょう の「砲身 ほうしん (barrelまたはcannon)」、二 に 脚 きゃく によって砲身 ほうしん を支 ささ える「支持 しじ 架 か (bipodまたはmount)」、砲 ほう 尾 お に接合 はぎあわ された「底 そこ 盤 ばん (base plate)」の、主 おも に3つのコンポーネントで構成 こうせい される。
砲身 ほうしん
砲身 ほうしん 長 ちょう は一般 いっぱん に他 た の火砲 かほう と比 くら べ短 みじか く、概 おおむ ね20口径 こうけい 未満 みまん [注 ちゅう 7] であり、例 たと えばL16A2 なら砲身 ほうしん 長 ちょう は1.28mで概 おおむ ね15.8口径 こうけい 、MO120RT の砲身 ほうしん 長 ちょう は2.08mで概 おおむ ね17.3口径 こうけい である。砲身 ほうしん の構造 こうぞう 自体 じたい は単純 たんじゅん であるが、軽量 けいりょう 化 か するため肉 にく 厚 あつ は薄 うす く、また砲弾 ほうだん 外 がい 径 みち と砲 ほう 腔内径 ないけい の公差 こうさ が射撃 しゃげき 精度 せいど を左右 さゆう するために、高 こう 品位 ひんい の鋼材 こうざい を精密 せいみつ に加工 かこう する必要 ひつよう がある。一部 いちぶ の迫撃 はくげき 砲 ほう には冷却 れいきゃく 力 りょく を増 ま すため、砲身 ほうしん 外周 がいしゅう に放熱 ほうねつ フィンが刻 きざ まれている。
砲身 ほうしん 内部 ないぶ は施 ほどこせ 条 じょう されていない滑 すべり 腔砲 であることが多 おお い。そもそも迫撃 はくげき 砲 ほう は低 ひく い砲 ほう 口 こう 初速 しょそく と曲射 きょくしゃ 弾道 だんどう であることから、ライフリング によって砲弾 ほうだん を旋転 せんてん させることで得 え られる弾道 だんどう 安定 あんてい の効果 こうか が低 ひく い。飛翔 ひしょう 中 ちゅう の砲弾 ほうだん の弾道 だんどう を安定 あんてい させるのは、砲弾 ほうだん に取 と り付 つ けられた安定 あんてい 翼 つばさ によるが、この方式 ほうしき は横風 おうふう の影響 えいきょう を受 う け易 やす いため命中 めいちゅう 精度 せいど がやや低下 ていか する。
ただし、第 だい 二 に 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん でアメリカ が使用 しよう したM2 107mm迫撃 はくげき 砲 ほう やその後継 こうけい のM30 107mm迫撃 はくげき 砲 ほう 、陸上 りくじょう 自衛隊 じえいたい が装備 そうび しているフランス 製 せい 120mm迫撃 はくげき 砲 ほう RT の砲身 ほうしん はライフリングされており、弾 たま 体 たい 旋転 せんてん 安定 あんてい 方式 ほうしき をとるため、迫撃 はくげき 砲 ほう が全 すべ て滑 すべり 腔砲身 ほうしん というわけではない。
支持 しじ 架 か
支持 しじ 架 か は二 に 脚 きゃく と支柱 しちゅう で構成 こうせい され砲身 ほうしん 中央 ちゅうおう 部 ぶ 付近 ふきん と接合 せつごう し、底 そこ 盤 ばん と合 あ わせて砲身 ほうしん を三 さん 点 てん 支持 しじ する態様 たいよう をとることが多 おお い。しかし、一部 いちぶ の迫撃 はくげき 砲 ほう の中 なか には二 に 脚 きゃく を用 もち いずに、支柱 しちゅう が直接 ちょくせつ 底 そこ 盤 ばん と接合 せつごう されたものもある。支柱 しちゅう には、照準 しょうじゅん 器 き や砲 ほう の俯仰 ふぎょう (上下 じょうげ )を操作 そうさ するステアリング等 とう が取 と り付 つ けられる。
底 そこ 盤 ばん
射撃 しゃげき 時 じ の反動 はんどう は底 そこ 盤 ばん を介 かい して地面 じめん に吸収 きゅうしゅう させる方式 ほうしき をとり、底 そこ 盤 ばん は接地 せっち 面 めん に強 つよ く固定 こてい されることが望 のぞ ましい。第 だい 二 に 次 じ 大戦 たいせん 前 まえ までは、M2 60mm 迫撃 はくげき 砲 ほう のように四角形 しかっけい の底 そこ 盤 ばん が一般 いっぱん 的 てき であり、この場合 ばあい 、射 い 角 かく を左右 さゆう に大 おお きく変更 へんこう する場合 ばあい は砲 ほう を据 す え直 なお す必要 ひつよう があった。しかし、ソビエト連邦 れんぽう が82mm迫撃 はくげき 砲 ほう BM-37 で円形 えんけい 底 そこ 盤 ばん を導入 どうにゅう したことにより、砲 ほう 尾 お と底 そこ 盤 ばん の接合 せつごう 部 ぶ 付近 ふきん を中心 ちゅうしん に砲 ほう を旋回 せんかい させることで、全 ぜん 周 しゅう 360度 ど を射撃 しゃげき できるようになった。120mm迫撃 はくげき 砲 ほう RTの場合 ばあい 、砲 ほう 架 か はトレーラーも兼 か ねているが、タイヤを左右 さゆう それぞれ逆 ぎゃく 方向 ほうこう に回転 かいてん させることで人力 じんりき でも容易 ようい に砲 ほう を旋回 せんかい させることができ、全 ちょん 周 あまね 射 しゃ 界 かい を確保 かくほ している。
L16の砲身 ほうしん と底 そこ 盤 ばん
120mm迫撃 はくげき 砲 ほう RTの底 そこ 盤 ばん
155mm榴弾 りゅうだん 砲 ほう M198(比較 ひかく のため掲載 けいさい )総 そう 重量 じゅうりょう は7tを超 こ え、駐 ちゅう 退 すさ 復 ふく 座 ざ 機 き ・平衡 へいこう 機 き ・閉鎖 へいさ 機 はた や砲 ほう 架 か など大掛 おおが かりな各種 かくしゅ 構造 こうぞう が覗える。しかし、単位 たんい 時間 じかん あたりの炸薬 さくやく 投射 とうしゃ 量 りょう を比 くら べると、重量 じゅうりょう 600kg未満 みまん の120mm迫撃 はくげき 砲 ほう MO120RTがM198の約 やく 4倍 ばい もの大 だい 火力 かりょく をもつ。(後述 こうじゅつ ) ただし射程 しゃてい では大 おお きく劣 おと り、M198の最大 さいだい 射程 しゃてい 30,000mに比 ひ してMO120RTは13,000mに過 す ぎない。(いずれもRAP使用 しよう 時 じ )
冒頭 ぼうとう で述 の べたように、砲 ほう 口 こう 初速 しょそく を低 ひく く抑 おさ えた上 うえ で、射撃 しゃげき 時 じ の反動 はんどう を地面 じめん に吸収 きゅうしゅう させる という点 てん が、他 た の火砲 かほう と異 こと なる最 もっと も重要 じゅうよう な特徴 とくちょう であり、大 おお きな仰角 ぎょうかく をとって射撃 しゃげき するのはこのためである。
通常 つうじょう の火砲 かほう は、抵抗 ていこう をかけながら砲身 ほうしん を後 こう 座 ざ (スライド)させることで発射 はっしゃ 時 じ の反動 はんどう を緩衝 かんしょう する「駐 ちゅう 退 すさ 機 き 」、後 ご 座 ざ させた砲身 ほうしん を元 もと の位置 いち へ戻 もど す「復 ふく 座 ざ 機 き 」[注 ちゅう 8] 、砲 ほう の俯仰 ふぎょう を円滑 えんかつ にするため砲身 ほうしん のバランスをとる「平衡 へいこう 機 き 」、装 そう 薬 やく の燃焼 ねんしょう ガスが薬 くすり 室 しつ から漏出 ろうしゅつ するのを防 ふせ ぐ「閉鎖 へいさ 機 き 」、及 およ びこれらの機構 きこう と砲身 ほうしん を含 ふく めた大 おお きな重量 じゅうりょう を支持 しじ するための堅牢 けんろう な「揺 ゆら 架 か 」・「砲 ほう 架 か 」などが必要 ひつよう である。(155mm榴弾 りゅうだん 砲 ほう M198の画像 がぞう を参照 さんしょう )
迫撃 はくげき 砲 ほう は、前述 ぜんじゅつ の反動 はんどう 吸収 きゅうしゅう 方式 ほうしき によって駐 ちゅう 退 すさ 復 ふく 座 ざ 機 き を省略 しょうりゃく または簡素 かんそ 化 か できるため、同 どう 口径 こうけい の榴弾 りゅうだん 砲 ほう と比 くら べ極 きわ めて軽量 けいりょう かつコンパクトに収 おさ まる。加 くわ えて、低 ひく い初速 しょそく は各部 かくぶ の強度 きょうど を抑 おさ えることを可能 かのう にし、それだけ砲身 ほうしん の肉 にく 厚 あつ を薄 うす くするなど、軽量 けいりょう ・小型 こがた 化 か に寄与 きよ する。砲身 ほうしん が軽 かる く俯仰 ふぎょう の仕組 しく みもシンプルなため、平衡 へいこう 機 き も不要 ふよう である。
また、後 こう 装 そう 式 しき の火砲 かほう は装 そう 薬 やく の爆発 ばくはつ で生 しょう じる高圧 こうあつ の燃焼 ねんしょう ガスを密閉 みっぺい するため砲 ほう 尾 お に耐 たい 圧 あつ 気密 きみつ 構造 こうぞう の閉鎖 へいさ 機構 きこう を設 もう けるが、弾薬 だんやく を装填 そうてん するためには容易 ようい に開閉 かいへい できねばならず、これらの相反 あいはん する機能 きのう を両立 りょうりつ させる必要 ひつよう がある。このため、閉鎖 へいさ 機 き の製作 せいさく には高 たか い工作 こうさく 精度 せいど を要求 ようきゅう されるが、砲 ほう 口 こう 装填 そうてん 式 しき (前 ぜん 装 そう 式 しき )の迫撃 はくげき 砲 ほう は閉鎖 へいさ 機 き が不要 ふよう で短期間 たんきかん かつ安価 あんか に製造 せいぞう できる。
砲弾 ほうだん を砲身 ほうしん 内 ない へ滑 すべ り落 お とすだけの落発式 しき によるため速射 そくしゃ 能力 のうりょく も高 たか く、迫撃 はくげき 砲 ほう はこれらの優 すぐ れた着想 ちゃくそう を組 く み合 あ わせた画期的 かっきてき な火砲 かほう である。
なお、車載 しゃさい 型 がた 迫撃 はくげき 砲 ほう では車輌 しゃりょう のサスペンション に与 あた える衝撃 しょうげき と疲労 ひろう を軽減 けいげん するため簡易 かんい 的 てき な駐 ちゅう 退 すさ 復 ふく 座 ざ 機 き をもつ場合 ばあい がある。大 だい 口径 こうけい もしくは長 ちょう 砲身 ほうしん の迫撃 はくげき 砲 ほう でも同様 どうよう 。また、後 こう 装 そう 式 しき の場合 ばあい は当然 とうぜん に閉鎖 へいさ 機 き が設 もう けられる。
81mm迫撃 はくげき 砲 ほう の主 おも な砲弾 ほうだん 。上 うえ からM374A2榴弾 りゅうだん (HighExplosive)、M375A2発煙 はつえん 弾 だん (WhitePhosphorus)、M301A3照明 しょうめい 弾 だん (Illumination)
迫撃 はくげき 砲 ほう の砲弾 ほうだん は弾 たま 体 たい と発射 はっしゃ 薬 やく が一体化 いったいか されたカートリッジ方式 ほうしき であり、榴弾 りゅうだん 砲 ほう に見 み られるような砲弾 ほうだん と薬 くすり 嚢(装 そう 薬 やく を包 つつ んだ袋 ふくろ )が別 べつ になった分離 ぶんり 装填 そうてん 方式 ほうしき をとらない。ただし、射程 しゃてい の延伸 えんしん を図 はか るため、発射 はっしゃ 薬 やく 筒 とう に増加 ぞうか 発射 はっしゃ 薬 やく を1から複数個 ふくすうこ 取 と り付 つ けるモジュール方式 ほうしき を採 と ることが一般 いっぱん 的 てき で、その数 かず によって射距離 しゃきょり を調節 ちょうせつ できる。増加 ぞうか 発射 はっしゃ 薬 やく を使 つか わず、発射 はっしゃ 薬 やく だけでも射撃 しゃげき は可能 かのう である。増加 ぞうか 発射 はっしゃ 薬 やく はリング状 じょう や袋 ふくろ 状 じょう のものを弾 たま 体 たい 後部 こうぶ に取 と り付 つ けるか、袋 ふくろ 状 じょう のものを安定 あんてい 翼 つばさ の間 あいだ に挟 はさ むことで装着 そうちゃく する。ライフリング された砲 ほう の場合 ばあい は安定 あんてい 翼 つばさ が不要 ふよう なため、その部分 ぶぶん に増加 ぞうか 発射 はっしゃ 薬 やく を取 と り付 つ けることもある。
発射 はっしゃ 薬 やく 筒 とう の側面 そくめん には多数 たすう の小 しょう 孔 あな が設 もう けられており、そこから噴出 ふんしゅつ した燃焼 ねんしょう ガスが増加 ぞうか 発射 はっしゃ 薬 やく を点火 てんか する。発射 はっしゃ 薬 やく 筒 とう や増加 ぞうか 発射 はっしゃ 薬 やく の燃焼 ねんしょう ガスは砲弾 ほうだん の後半 こうはん 部分 ぶぶん を加圧 かあつ し、砲 ほう 口 こう に向 む かって推進 すいしん させる。
有 ゆう 翼 つばさ 弾 だん の場合 ばあい は砲 ほう 外 がい 弾道 だんどう を安定 あんてい させるために、安定 あんてい 翼 つばさ の加工 かこう ・組立 くみたて 精度 せいど に加 くわ えて、弾 たま 体 たい の鋳造 ちゅうぞう 精度 せいど が重要 じゅうよう となる。
迫撃 はくげき 砲 ほう に用 もち いられる主 おも な砲弾 ほうだん は榴弾 りゅうだん ・発煙 はつえん 弾 だん ・照明 しょうめい 弾 だん であり、派生 はせい 型 がた として対人 たいじん 用 よう の破片 はへん 榴弾 りゅうだん や焼夷弾 しょういだん も用意 ようい されている。概 おおむ ね榴弾 りゅうだん 砲 ほう と同 おな じ弾 だん 種 しゅ が揃 そろ っており、兵員 へいいん や非 ひ 装甲車 そうこうしゃ 輌 りょう などのソフト・ターゲットを目標 もくひょう とする。また、近年 きんねん では、ストリックス迫撃 はくげき 砲弾 ほうだん や対 たい 装甲 そうこう 破片 はへん 榴弾 りゅうだん (PRAB)などの対 たい 装甲 そうこう 弾 だん も開発 かいはつ ・配備 はいび されている。
迫撃 はくげき 砲 ほう の底 そこ 盤 ばん を運 はこ ぶ兵士 へいし 中 ちゅう 口径 こうけい クラスまでの迫撃 はくげき 砲 ほう は、このように分解 ぶんかい して運搬 うんぱん することが可能 かのう 。現代 げんだい でも、迫撃 はくげき 砲 ほう は歩兵 ほへい が携行 けいこう できる最 もっと も強力 きょうりょく な支援 しえん 火器 かき である
米 べい 軍 ぐん の
重 じゅう 迫撃 はくげき 砲 ほう 陣地 じんち (
朝鮮 ちょうせん 戦争 せんそう )
後方 こうほう に
大量 たいりょう の
砲弾 ほうだん が
集積 しゅうせき されているが、この
程度 ていど の
弾薬 だんやく は
急速 きゅうそく 射撃 しゃげき を
行 おこな えば
数 すう 分 ふん で
打 う ち
尽 つ くしてしまうほど
迫撃 はくげき 砲 ほう の
速射 そくしゃ 能力 のうりょく は
高 たか い
モンテ・カッシーノ で
撮影 さつえい された、ドイツ
空軍 くうぐん 空挺 くうてい 兵 へい が
操作 そうさ する
迫撃 はくげき 砲 ほう 。
砲弾 ほうだん が
砲身 ほうしん に
装填 そうてん された
直後 ちょくご の
一瞬 いっしゅん をとらえた
写真 しゃしん で、
砲弾 ほうだん に
装着 そうちゃく された
増加 ぞうか 発射 はっしゃ 薬 やく が
白 しろ く
写 うつ っている。
砲弾 ほうだん が
砲身 ほうしん の
底 そこ まで
落下 らっか したら
発射 はっしゃ されるので、
砲手 ほうしゅ 達 たち は
発砲 はっぽう 音 おん と
砲 ほう 口 くち 炎 えん に
備 そな えている。
迫撃 はくげき 砲 ほう は
大 おお きな
仰角 ぎょうかく をとって
射撃 しゃげき する
曲射 きょくしゃ 弾道 だんどう をとるため、
砲 ほう を
露出 ろしゅつ せずに
設置 せっち して
射撃 しゃげき することができる
梱包 こんぽう された砲弾 ほうだん と弾薬 だんやく 箱 ばこ 写真 しゃしん は81mm迫撃 はくげき 砲 ほう の白 しろ 燐 りん 発煙 はつえん 弾 だん で訓練 くんれん 中 ちゅう の光景 こうけい 。迫撃 はくげき 砲 ほう は様々 さまざま な用途 ようと で使 つか われるため、弾薬 だんやく を消費 しょうひ し易 やす く、大量 たいりょう の補給 ほきゅう が必要 ひつよう である
近接 きんせつ 支援 しえん 射撃 しゃげき 中 ちゅう の
迫撃 はくげき 砲 ほう (
イタリア 戦線 せんせん )
写真 しゃしん は
米 べい 軍 ぐん の81mm
迫撃 はくげき 砲 ほう M1で、
歩兵 ほへい 大隊 だいたい に
随伴 ずいはん して
行動 こうどう し、
大隊 だいたい の3
個 こ 歩兵 ほへい 中隊 ちゅうたい を
近接 きんせつ 支援 しえん する。
砲兵 ほうへい と
異 こと なり、
中 ちゅう 口径 こうけい までの
迫撃 はくげき 砲 ほう は
歩兵 ほへい に
直 じき 協 きょう できることが
大 おお きな
特徴 とくちょう である
密林 みつりん 戦 せん における迫撃 はくげき 砲 ほう 陣地 じんち (ニューギニア) ジャングルでは密生 みっせい した木々 きぎ が弾道 だんどう の障害 しょうがい となるが、迫撃 はくげき 砲 ほう 弾 だん は直角 ちょっかく に近 ちか い角度 かくど で落下 らっか するため、榴弾 りゅうだん 砲 ほう などに比 くら べ砲撃 ほうげき 効果 こうか が高 たか くなる
外観 がいかん などの特徴 とくちょう については「構造 こうぞう 」の節 ふし に記 しる したため、ここでは性能 せいのう 上 じょう の特性 とくせい について記 しる す。なお、一 ひと つの項目 こうもく が長所 ちょうしょ と短所 たんしょ の両方 りょうほう を包含 ほうがん する場合 ばあい があることに留意 りゅうい 。
操 みさお 用 よう 性 せい
構造 こうぞう がシンプルで操作 そうさ も簡便 かんべん であることから高度 こうど な砲兵 ほうへい 教育 きょういく を要 よう さず、一般 いっぱん の歩兵 ほへい が比較的 ひかくてき 短期間 たんきかん の訓練 くんれん で扱 あつか える。また、同 どう 口径 こうけい の榴弾 りゅうだん 砲 ほう と比 ひ して極 きわ めて軽量 けいりょう のため可 か 搬性に優 すぐ れ、迅速 じんそく な展開 てんかい と陣地 じんち 転換 てんかん が行 おこな え機動 きどう 的 てき に運用 うんよう できる。運用 うんよう に要 よう する兵員 へいいん 数 すう も少 すく ない。
口径 こうけい 60mmや81mmクラスのものは分解 ぶんかい して数 すう 名 めい の兵員 へいいん で運搬 うんぱん できるため、中隊 ちゅうたい レベルなど最前線 さいぜんせん の歩兵 ほへい 部隊 ぶたい が運用 うんよう できる数少 かずすく ない火力 かりょく 支援 しえん 兵器 へいき の一 ひと つであり、自衛隊 じえいたい をはじめ、現代 げんだい の軍隊 ぐんたい でも多用 たよう されている。
速射 そくしゃ 能力 のうりょく
照準 しょうじゅん を調整 ちょうせい した後 のち は砲弾 ほうだん を砲身 ほうしん 内 ない へ落 お とし込 こ むだけというシンプルな射撃 しゃげき メカニズム(落発式 しき )であり、一定 いってい 時間 じかん 内 ない により多 おお くの射撃 しゃげき ができる。また、前述 ぜんじゅつ の反動 はんどう 吸収 きゅうしゅう 方式 ほうしき によるため、多 おお くの迫撃 はくげき 砲 ほう は射撃 しゃげき 時 じ の駐 ちゅう 退 すさ 復 ふく 座 ざ に要 よう する工程 こうてい が不要 ふよう となる。
一般 いっぱん に、持続 じぞく 射撃 しゃげき において毎 まい 分 ぶん 10発 はつ 前後 ぜんこう を発射 はっしゃ でき、緊急 きんきゅう 時 じ の急 きゅう 速射 そくしゃ 撃 げき では短時間 たんじかん に限 かぎ られるが倍 ばい 近 ちか い発射 はっしゃ が可能 かのう である。
例 たと えば、L16A2 の場合 ばあい は持続 じぞく 射撃 しゃげき 時 じ 15発 はつ /分 ぶん で急速 きゅうそく 射撃 しゃげき 時 じ 30発 はつ /分 ぶん 、120mm迫撃 はくげき 砲 ほう RT の場合 ばあい は持続 じぞく 射撃 しゃげき 時 じ 12発 はつ /分 ぶん で急速 きゅうそく 射撃 しゃげき 時 じ 20発 はつ /分 ぶん もの高 たか い速射 そくしゃ 能力 のうりょく を持 も つ。
破壊 はかい 力 りょく
砲 ほう 口 こう 初速 しょそく を低 ひく く抑 おさ えていることから射撃 しゃげき 時 じ の衝撃 しょうげき が小 ちい さく、砲身 ほうしん だけでなく砲弾 ほうだん 外 がい 殻 から の肉 にく 厚 あつ も薄 うす くできるため、それだけ炸薬 さくやく 量 りょう を増加 ぞうか できる。砲弾 ほうだん の爆発 ばくはつ エネルギーは炸薬 さくやく 量 りょう に依存 いぞん するため、同 どう 口径 こうけい の他 ほか の火砲 かほう と比 ひ して1発 はつ あたりの破壊 はかい 力 りょく が大 おお きい。高 たか い速射 そくしゃ 性能 せいのう と合 あ わせ、単位 たんい 時間 じかん あたりの炸薬 さくやく 投射 とうしゃ 量 りょう が多 おお く、低 ひく い命中 めいちゅう 精度 せいど を補完 ほかん している。
(上記 じょうき は榴弾 りゅうだん の場合 ばあい 。徹 とおる 甲 きのえ 弾 だん のような運動 うんどう エネルギーを利用 りよう する砲弾 ほうだん は除 のぞ く。なお、榴弾 りゅうだん は爆 ばく 炎 えん や爆 ばく 風 ふう ではなく弾 たま 殻 から の破片 はへん によって軟目標 もくひょう の殺傷 さっしょう を目的 もくてき とするため、炸薬 さくやく と弾 たま 殻 から の厚 あつ さはバランスが重要 じゅうよう 。単純 たんじゅん に炸薬 さくやく 量 りょう が多 おお ければ良 よ いというわけではない)
例 たと えば、120mm迫撃 はくげき 砲 ほう RTで使用 しよう する榴弾 りゅうだん PR14は砲弾 ほうだん 重量 じゅうりょう が18.5kgで炸薬 さくやく はそのうち約 やく 4.5kg、一方 いっぽう 、米 べい 軍 ぐん のM198 155mm榴弾 りゅうだん 砲 ほう で使用 しよう する榴弾 りゅうだん M107 は砲弾 ほうだん 重量 じゅうりょう が約 やく 44kgで炸薬 さくやく はそのうち7kg前後 ぜんこう である。120mm迫撃 はくげき 砲 ほう RTの発射 はっしゃ 速度 そくど は毎 まい 分 ぶん 12発 はつ 、M198の発射 はっしゃ 速度 そくど は毎 まい 分 ぶん 2発 はつ であり(いずれも持続 じぞく 射撃 しゃげき 時 じ )、単位 たんい 時間 じかん あたりの炸薬 さくやく 投射 とうしゃ 量 りょう を比較 ひかく すると120mm迫撃 はくげき 砲 ほう RTはM198の4倍 ばい 近 ちか い大 おお きな火力 かりょく を有 ゆう する。
費用 ひよう 対 たい 効果 こうか
簡易 かんい な構造 こうぞう であり、他 た の火砲 かほう と比 くら べ各部 かくぶ の強度 きょうど をそれほど必要 ひつよう としないため、低 てい コスト・短期間 たんきかん で製造 せいぞう できる。また、初速 しょそく が低 ひく いために砲身 ほうしん 命数 めいすう (寿命 じゅみょう )が長 なが く、砲身 ほうしん の交換 こうかん に要 よう する運用 うんよう コストも抑 おさ えられる。また、砲弾 ほうだん 重量 じゅうりょう に対 たい する発射 はっしゃ 薬 やく (装 そう 薬 やく )の量 りょう が少 すく なく、炸薬 さくやく 量 りょう も多 おお いことなど、コスト・パフォーマンスが非常 ひじょう に良 よ い。
ただし、汎用 はんよう 性 せい が高 たか いが故 ゆえ に頻繁 ひんぱん に用 もち いられ、面 めん 制圧 せいあつ 兵器 へいき という特性 とくせい からも砲弾 ほうだん を大量 たいりょう に消費 しょうひ しがちで弾薬 だんやく コストは増加 ぞうか する。
曲射 きょくしゃ 弾道 だんどう
砲弾 ほうだん が大 おお きく湾曲 わんきょく した曲射 きょくしゃ 弾道 だんどう を描 えが き垂直 すいちょく に近 ちか い角度 かくど で着弾 ちゃくだん することから、遮蔽 しゃへい 物 ぶつ によって防御 ぼうぎょ された目標 もくひょう に対 たい して直上 ちょくじょう から攻撃 こうげき できる。防御 ぼうぎょ は一般 いっぱん に正面 しょうめん を優先 ゆうせん することが多 おお いため、上方 かみがた への攻撃 こうげき は効果 こうか が高 たか い。また、砲弾 ほうだん の落下 らっか 角度 かくど が垂直 すいちょく に近 ちか いほど、弾 たま 殻 から の破片 はへん が効率 こうりつ 良 よ く飛散 ひさん するため殺傷 さっしょう 効果 こうか も高 たか い。
大 おお きな仰角 ぎょうかく をとって射撃 しゃげき することから、砲 ほう を塹壕 ざんごう や掩体 などの防御 ぼうぎょ 陣地 じんち 内 ない に設置 せっち してそのまま射撃 しゃげき でき、高 たか い防壁 ぼうへき や稜線 りょうせん の後背 こうはい に位置 いち する目標 もくひょう も攻撃 こうげき できる。また、森林 しんりん やジャングルなど樹木 じゅもく が密生 みっせい した戦場 せんじょう において、榴弾 りゅうだん 砲 ほう の弾道 だんどう では木々 きぎ の幹 みき に砲弾 ほうだん が接触 せっしょく してしまうが、迫撃 はくげき 砲 ほう なら生 お い茂 しげ った葉 は を抜 ぬ けてジャングルの下地 したじ に着弾 ちゃくだん させることができる。
例 たと えば、ビルマ戦線 せんせん (1945年 ねん )の英軍 えいぐん は迫撃 はくげき 砲 ほう の方 ほう が役 やく に立 た つことに気付 きづ き、多 おお くの火砲 かほう を迫撃 はくげき 砲 ほう へ換 かわ 装 そう した。また、ベトナム戦争 せんそう でも米 べい 軍 ぐん は迫撃 はくげき 砲 ほう を重視 じゅうし し、地上 ちじょう 部隊 ぶたい に大量 たいりょう の迫撃 はくげき 砲 ほう を配備 はいび している[1] 。
射程 しゃてい 距離 きょり
砲 ほう 口 こう 初速 しょそく が低 ひく い上 うえ に大 おお きく湾曲 わんきょく した曲射 きょくしゃ 弾道 だんどう をとることから、必然 ひつぜん 的 てき に射程 しゃてい は短 みじか い。前 ぜん 各項 かくこう は、ほとんどが射程 しゃてい を犠牲 ぎせい にして得 え られる利点 りてん である。
ただし、軍 ぐん 砲兵 ほうへい や師団 しだん 砲兵 ほうへい などの長距離 ちょうきょり 火力 かりょく 支援 しえん 部隊 ぶたい は、誤 あやま 射 い の恐 おそ れがあるため、友軍 ゆうぐん に近接 きんせつ した目標 もくひょう を砲撃 ほうげき できない。そのため、大隊 だいたい や中隊 ちゅうたい に配備 はいび された迫撃 はくげき 砲 ほう が砲兵 ほうへい のカバーできない範囲 はんい の近接 きんせつ 火力 かりょく 支援 しえん を行 おこな う。つまり、任務 にんむ が異 こと なるため、短 みじか い射程 しゃてい が一概 いちがい に短所 たんしょ とは言 い えない。
なお、近年 きんねん ではロケット・アシスト弾 だん (RAP)の登場 とうじょう によって射程 しゃてい の延伸 えんしん が可能 かのう となっている。
命中 めいちゅう 精度 せいど
安定 あんてい 翼 つばさ を使 つか う砲弾 ほうだん は横風 おうふう の影響 えいきょう を受 う け易 やす く、砲弾 ほうだん が弾道 だんどう の頂点 ちょうてん に達 たっ した後 のち の自由 じゆう 落下 らっか 部 ぶ が長 なが いため、同 おな じ射距離 しゃきょり であれば他 た の火砲 かほう と比 くら べ命中 めいちゅう 率 りつ が低 ひく い。CEP (半数 はんすう 必中 ひっちゅう 界 かい )を比較 ひかく すると、例 たと えば155mm榴弾 りゅうだん 砲 ほう のCEPは射程 しゃてい 20kmの場合 ばあい 300mであり、一方 いっぽう 、120mm迫撃 はくげき 砲 ほう のCEPは射程 しゃてい 7kmでも636mと大 おお きく劣 おと る。ただし、命中 めいちゅう 精度 せいど は距離 きょり に反比例 はんぴれい して向上 こうじょう し、81mm迫撃 はくげき 砲 ほう のCEPは射程 しゃてい 2kmの場合 ばあい 75mのため近接 きんせつ 支援 しえん 火器 かき として十分 じゅうぶん に使用 しよう 可能 かのう である。[疑問 ぎもん 点 てん – ノート ]
この命中 めいちゅう 精度 せいど の低 ひく さと1発 はつ あたりの炸薬 さくやく 量 りょう の多 おお さが相 あい まった結果 けっか として、火力 かりょく 支援 しえん 時 じ の近 きん 迫 せり 距離 きょり (弾着点 だんちゃくてん をどこまで味方 みかた 地上 ちじょう 部隊 ぶたい に近 ちか づけられるか)が榴弾 りゅうだん 砲 ほう よりも長 なが くなることもある。
出典 しゅってん - GlobalSecurity.org. “FM 3-90.2 Appendix G, Fires Integration ” (英語 えいご ). 2011年 ねん 8月 がつ 16日 にち 閲覧 えつらん 。
迫撃 はくげき 砲 ほう の主要 しゅよう な役割 やくわり の一 ひと つが制圧 せいあつ 射撃 しゃげき であり、たとえ直撃 ちょくげき できなくとも目標 もくひょう を退避 たいひ させ、戦闘 せんとう 行動 こうどう が抑制 よくせい される状態 じょうたい にあれば制圧 せいあつ 目的 もくてき を達 たっ したことになる。そもそも迫撃 はくげき 砲 ほう は対戦 たいせん 車 しゃ 砲 ほう のようなピンポイントの精密 せいみつ 射撃 しゃげき ではなく面 めん 制圧 せいあつ を目的 もくてき とした砲 ほう であり、当然 とうぜん 、移動 いどう 目標 もくひょう に対 たい する攻撃 こうげき は不向 ふむ きである。
また、近年 きんねん では、XM395 (CEPはGPS/INS誘導 ゆうどう で118m、レーザー誘導 ゆうどう [注 ちゅう 9] で2m以下 いか [2] )などの誘導 ゆうどう 砲 ほう 弾 だん が開発 かいはつ されており、非常 ひじょう に精密 せいみつ な射撃 しゃげき が可能 かのう である。また、スウェーデン のSTRIX は赤外線 せきがいせん 映像 えいぞう による目標 もくひょう 識別 しきべつ 能力 のうりょく をもち、移動 いどう 目標 もくひょう であっても自己 じこ 誘導 ゆうどう で命中 めいちゅう する高 たか い精度 せいど を持 も つ。ただしこの場合 ばあい 、砲弾 ほうだん のコストは増大 ぞうだい する。現在 げんざい では安価 あんか な小型 こがた ドローン等 とう で弾 たま 着 ぎ 位置 いち を修正 しゅうせい することで精度 せいど を向上 こうじょう させることが可能 かのう になった。
弾 たま 着 ぎ 速度 そくど
低 ひく い初速 しょそく と大 おお きく湾曲 わんきょく した曲射 きょくしゃ 弾道 だんどう をとるため、飛翔 ひしょう 時間 じかん が長 なが くなり、対 たい 砲 ほう 迫 はさま レーダー に射撃 しゃげき 位置 いち を捕捉 ほそく され易 やす い。同様 どうよう に、発射 はっしゃ 音 おん や砲弾 ほうだん の飛翔 ひしょう 音 おん が聞 き こえてから着弾 ちゃくだん までの時間 じかん が比較的 ひかくてき 長 なが く、目標 もくひょう に退避 たいひ 態勢 たいせい をとられる可能 かのう 性 せい が高 たか くなる(発射 はっしゃ 音 おん を認識 にんしき できるか否 ひ かは、射程 しゃてい や地形 ちけい 、天候 てんこう などにもよる)。
ただし、弾 たま 着 ぎ 速度 そくど が遅 おそ いということは爆発 ばくはつ 時 じ の衝撃 しょうげき が地面 じめん に吸収 きゅうしゅう されにくくなることでもあり、爆発 ばくはつ 効果 こうか の及 およ ぶ範囲 はんい は広 ひろ くなる。口径 こうけい 60mmクラスの迫撃 はくげき 砲 ほう ですら、開闢 かいびゃく 地 ち などの理想 りそう 的 てき な条件下 じょうけんか であれば殺傷 さっしょう 半径 はんけい は20mに達 たっ する[1] 。
貫徹 かんてつ 力 りょく
砲弾 ほうだん の運動 うんどう エネルギーで目標 もくひょう を貫徹 かんてつ する砲 ほう ではないため、迫撃 はくげき 砲 ほう で使用 しよう する弾 たま 種 しゅ には通常 つうじょう 「徹 とおる 甲 きのえ 弾 だん 」は用意 ようい されない。このため、厚 あつ い防御 ぼうぎょ を施 ほどこ された掩体や装甲 そうこう 車両 しゃりょう など、ハード・ターゲットの撃破 げきは には不向 ふむ きである。
ただし、近年 きんねん では成形 せいけい 炸薬 さくやく 弾 だん による平射 へいしゃ が可能 かのう なガンモーターや既存 きそん の120mm迫撃 はくげき 砲 ほう で使用 しよう 可能 かのう な対戦 たいせん 車 しゃ 迫撃 はくげき 砲 ほう 弾 だん 、また、軽 けい 装甲車 そうこうしゃ 輌 りょう なら十分 じゅうぶん に撃破 げきは 可能 かのう な対 たい 装甲 そうこう 破片 はへん 榴弾 りゅうだん (PRAB)などが開発 かいはつ され、「硬 かた 目標 もくひょう は不得手 ふえて 」というかつての定義 ていぎ は変 か わりつつある。
代表 だいひょう 的 てき な迫撃 はくげき 砲 ほう の主要 しゅよう 諸 しょ 元 もと [ 編集 へんしゅう ]
記事 きじ 中 ちゅう の説明 せつめい を補完 ほかん するため、代表 だいひょう 的 てき な迫撃 はくげき 砲 ほう の主要 しゅよう 諸 しょ 元 もと を以下 いか に掲 かか げる。なお、下段 げだん は比較 ひかく のために掲 かか げる他 ほか の火砲 かほう の主要 しゅよう 諸 しょ 元 もと である。
〔凡例 はんれい 〕 「重量 じゅうりょう 」は砲 ほう 本体 ほんたい と一体化 いったいか されたトレーラーなどの総 そう 重量 じゅうりょう 、「要員 よういん 」は運搬 うんぱん および操作 そうさ に要 よう する最低 さいてい 兵員 へいいん 数 すう 、「射程 しゃてい 」は通常 つうじょう 弾 だん 使用 しよう 時 じ の最大 さいだい 射程 しゃてい 、「RAP」はロケット・アシスト弾 だん 使用 しよう 時 じ の最大 さいだい 射程 しゃてい 、「持続 じぞく 」は持続 じぞく 射撃 しゃげき 時 じ の最大 さいだい 射撃 しゃげき 回数 かいすう 、「急速 きゅうそく 」は急速 きゅうそく 射撃 しゃげき 時 じ の最大 さいだい 射撃 しゃげき 回数 かいすう 、「初速 しょそく 」は砲 ほう 口 こう 初速 しょそく 、「俯仰 ふぎょう 」は上下 じょうげ 射 い 角 かく 、「射 い 界 かい 」は左右 さゆう 射 い 界 かい 、「年代 ねんだい 」は実戦 じっせん 配備 はいび 開始 かいし 年代 ねんだい 。
口径 こうけい (mm)
名 な 称 しょう
重量 じゅうりょう (kg)
要員 よういん
射程 しゃてい (m)
RAP (m)
持続 じぞく (r/min)
急速 きゅうそく (r/min)
砲身 ほうしん 長 ちょう (mm)
初速 しょそく (m/s)
俯仰 ふぎょう (°)
射 い 界 かい (°)
開発 かいはつ
年代 ねんだい
備 考 こう
50
八 はち 九 きゅう 式 しき 重 じゅう 擲弾筒 てきだんとう
4.7
1
670
―
25
254
45
―
日 ひ
1930'
旧 きゅう 日本 にっぽん 陸軍 りくぐん の代表 だいひょう 的 てき な軽 けい 迫 せり 。
60
M224
21.1
3
3,490
―
20
30
1,000
213
14
米 べい
1980'
軽 けい 迫 せり モードでは重量 じゅうりょう 8.2kg。
81
M1
61.5
3
3,010
―
18
35
1,210
213
米 べい
1930'
第 だい 二 に 次 じ 大戦 たいせん 中 ちゅう の米 べい 軍 ぐん 標準 ひょうじゅん 中迫 なかざこ 。
81
sGrW34
57.0
3
2,400
―
15
25
1,143
174
45-90
10-23
独 どく
1930'
第 だい 二 に 次 じ 大戦 たいせん 中 ちゅう の独軍 どくぐん 標準 ひょうじゅん 中迫 なかざこ 。
81
L16A2
35.3
3
5,675
15
30
1,280
225
英 えい
1960'
現在 げんざい の代表 だいひょう 的 てき な中 なか 口径 こうけい 迫撃 はくげき 砲 ほう 。
120
PM-43
280.0
5,700
―
15
1,862
272
ソ
1940'
第 だい 二 に 次 じ 大戦 たいせん 中 ちゅう の最優秀 さいゆうしゅう 重 じゅう 迫 せり 。
120
MO120RT
582.0
6
8,135
13,000
12
20
2,080
30-85
14
仏 ふつ
現在 げんざい の代表 だいひょう 的 てき な重 じゅう 迫撃 はくげき 砲 ほう 。
160
ソルタムM66
341.0
6
9,600
30-80
20
以
現代 げんだい の牽引 けんいん 式 しき の中 なか では最大 さいだい 口径 こうけい 。
榴弾 りゅうだん 砲 ほう の主要 しゅよう 諸 しょ 元 もと (比較 ひかく 用 よう )
105
L118
1,858.0
7
17,200
3
8
-5-70
5.6
英 えい
1980'
80~00年代 ねんだい の代表 だいひょう 的 てき な軽 けい 榴弾 りゅうだん 砲 ほう 。
122
2A18(D-30)
3,210.0
8
15,400
21,900
1
8
4,636
-7-70
360
ソ
1960'
冷戦 れいせん 期 き の代表 だいひょう 的 てき なソ連 それん 製 せい 軽 けい 榴弾 りゅうだん 砲 ほう 。
155
M198
7,154.0
9
22,400
30,000
2
4
6,096
-5-72
米 べい
1980'
80~00年代 ねんだい の代表 だいひょう 的 てき な榴弾 りゅうだん 砲 ほう 。
迫撃 はくげき 砲 ほう の運用 うんよう 法 ほう は第 だい 二 に 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん 期 き にほぼ確立 かくりつ され、現代 げんだい においても基本 きほん は変 か わっていない。以下 いか では分類 ぶんるい や編成 へんせい 、戦術 せんじゅつ 上 じょう の役割 やくわり など、運用 うんよう に関 かん する項目 こうもく について記 しる す。
仏 ふつ 軍 ぐん の50mm軽 けい 迫撃 はくげき 砲 ほう F1
160mm迫撃 はくげき 砲 ほう M66
軽 けい ・中 ちゅう ・重 じゅう という区分 くぶん に厳密 げんみつ な定義 ていぎ はないが、概 おおむ ね口径 こうけい ・重量 じゅうりょう ・運用 うんよう で分類 ぶんるい される。同 おな じ口径 こうけい でも時代 じだい によって分類 ぶんるい が異 こと なる場合 ばあい がある点 てん に留意 りゅうい 。
軽 けい 迫撃 はくげき 砲 ほう
口径 こうけい 37-51mm程度 ていど 。分解 ぶんかい せずに兵員 へいいん 1名 めい で携行 けいこう できるものが多 おお い。弾薬 だんやく の運搬 うんぱん も考慮 こうりょ せねばならないため、運用 うんよう 自体 じたい は兵員 へいいん 2-3名 めい で行 おこな い、歩兵 ほへい 小隊 しょうたい ごとに数 すう 門 もん を装備 そうび する。
日本 にっぽん 陸軍 りくぐん では中 ちゅう 口径 こうけい 迫撃 はくげき 砲 ほう を歩兵 ほへい 部隊 ぶたい の標準 ひょうじゅん 装備 そうび とはしなかったため、軽 けい 迫撃 はくげき 砲 ほう である八 はち 九 きゅう 式 しき 重 じゅう 擲弾筒 てきだんとう を多用 たよう した。特 とく に、現代 げんだい ほど無線 むせん 技術 ぎじゅつ が発達 はったつ していなかった第 だい 二 に 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん 期 き においては、最前線 さいぜんせん の歩兵 ほへい 小隊 しょうたい が支援 しえん 火器 かき を直接 ちょくせつ 運用 うんよう できることは大 おお きなメリットであり、相対 あいたい した米 べい 軍 ぐん からも高 たか い評価 ひょうか を得 え ている。
ベトナム戦争 せんそう の頃 ころ から軽 けい 迫撃 はくげき 砲 ほう の役割 やくわり はグレネードランチャー が担 にな うようになったが、間接 かんせつ 射撃 しゃげき が可能 かのう という優 すぐ れた特性 とくせい を有 ゆう するため、仏 ふつ 軍 ぐん のF1 など一部 いちぶ の国 くに では現代 げんだい でも装備 そうび している。
中 ちゅう 迫撃 はくげき 砲 ほう
口径 こうけい 60-82mm程度 ていど 。中 ちゅう 口径 こうけい 迫撃 はくげき 砲 ほう とも。分解 ぶんかい して兵員 へいいん 数 すう 名 めい で運搬 うんぱん でき、迫撃 はくげき 砲 ほう 班 はん 5名 めい 前後 ぜんこう で1門 もん を運用 うんよう することが多 おお い。
中 ちゅう 迫撃 はくげき 砲 ほう 数 すう 門 もん に重 じゅう 機関 きかん 銃 じゅう などを加 くわ えて火力 かりょく 支援 しえん 小隊 しょうたい を編成 へんせい し、歩兵 ほへい 中隊 ちゅうたい 隷下 れいか の各 かく 小隊 しょうたい を支援 しえん する。現代 げんだい では81・82mmクラスの軽量 けいりょう 化 か が進 すす んだため60mm迫撃 はくげき 砲 ほう は減少 げんしょう 傾向 けいこう にあるものの、いまだに多 おお くの軍隊 ぐんたい で使用 しよう されている。
米 べい 軍 ぐん のM224 60mm 迫撃 はくげき 砲 ほう は"Handheld Mode"があり、支持 しじ 架 か を外 はず し、底 そこ 盤 ばん を小型 こがた のものへ変更 へんこう することで重量 じゅうりょう 8.2kgとなり、軽 けい 迫撃 はくげき 砲 ほう として兵員 へいいん 1名 めい で運搬 うんぱん ・操作 そうさ できる。
重 じゅう 迫撃 はくげき 砲 ほう
口径 こうけい は概 おおむ ね100mm以上 いじょう 。主流 しゅりゅう である120mmクラスのものは人力 じんりき で設営 せつえい 可能 かのう だが、長距離 ちょうきょり の移動 いどう や弾薬 だんやく の運搬 うんぱん は車輌 しゃりょう で行 おこな われる。120mm迫撃 はくげき 砲 ほう RT など、被 ひ 牽引 けんいん 用 よう のトレーラーが砲 ほう 架 か に組 く み込 こ まれたものもある。
師団 しだん の重 じゅう 迫撃 はくげき 砲 ほう 大隊 だいたい または連隊 れんたい の重 じゅう 迫撃 はくげき 砲 ほう 中隊 ちゅうたい に配備 はいび され、各 かく 級 きゅう 隷下 れいか の歩兵 ほへい 部隊 ぶたい を支援 しえん する。120mmを超 こ える大 だい 口径 こうけい 迫撃 はくげき 砲 ほう の場合 ばあい 、歩兵 ほへい ではなく砲兵 ほうへい が運用 うんよう することも多 おお い。
近年 きんねん では、かつて105mmや122mmクラスの軽 かる 榴弾 りゅうだん 砲 ほう が担 にな っていた師団 しだん 砲兵 ほうへい としての役割 やくわり を、120mmクラスの重 じゅう 迫撃 はくげき 砲 ほう が代替 だいたい しつつある。
98mm迫撃 はくげき 砲 ほう M-98欧州 おうしゅう 通常 つうじょう 戦力 せんりょく 条約 じょうやく (CFE) では口径 こうけい 100mm以上 いじょう の火砲 かほう の保有 ほゆう 総数 そうすう を制限 せいげん しているため、ポーランドは98mmという例 れい を見 み ない口径 こうけい の迫撃 はくげき 砲 ほう 98mm迫撃 はくげき 砲 ほう M-98 を開発 かいはつ した
米 べい 軍 ぐん ライフル中隊 ちゅうたい の編成 へんせい (1941)歩兵 ほへい 野戦 やせん 教範 きょうはん 「INFANTRY FIELD MANUAL(2 JUN 1941)」より
迫撃 はくげき 砲 ほう の兵科 へいか 記号 きごう (STANAG 2019) APP-6Aの名称 めいしょう で標準 ひょうじゅん 化 か されており、北大西洋 きたたいせいよう 条約 じょうやく 機構 きこう (NATO)加盟 かめい 国 こく 共通 きょうつう の兵科 へいか 記号 きごう である。 ①は迫撃 はくげき 砲 ほう 全般 ぜんぱん を指 さ し、②③④がそれぞれ軽 けい ・中 なか ・重 じゅう 迫撃 はくげき 砲 ほう を示 しめ す。⑤⑥のような表記 ひょうき がなされる場合 ばあい もある。 なお、兵科 へいか 記号 きごう はマップ・アイコンと適切 てきせつ に併用 へいよう しなければ意義 いぎ が小 ちい さいが、ユニット・シンボルとマップ・アイコンだけで1,000ページを超 こ えるマニュアルが用意 ようい されているほどである
アメリカ軍 ぐん 歩兵 ほへい 連隊 れんたい の編成 へんせい 例 れい (1941)
第 だい 二 に 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん 時 どき の米 べい 軍 ぐん では、定数 ていすう 3,068名 めい の1個 いっこ 歩兵 ほへい 連隊 れんたい にM2 60mm 迫撃 はくげき 砲 ほう が27門 もん とM1 81mm 迫撃 はくげき 砲 ほう が18門 もん 配備 はいび されていた。
ライフル中隊 ちゅうたい は3個 こ ライフル小隊 しょうたい と1個 いっこ 火器 かき 小隊 しょうたい で編成 へんせい され、火器 かき 小隊 しょうたい は2個 こ 機関 きかん 銃 じゅう 分隊 ぶんたい と3個 こ 迫撃 はくげき 砲 ほう 分隊 ぶんたい (M2を各 かく 1門 もん 装備 そうび )からなるため、3個 こ ライフル小隊 しょうたい を3門 もん の60mm迫撃 はくげき 砲 ほう が支援 しえん した。
一方 いっぽう 、歩兵 ほへい 大隊 だいたい は3個 こ ライフル中隊 ちゅうたい と1個 いっこ 重火器 じゅうかき 中隊 ちゅうたい で編成 へんせい され、重火器 じゅうかき 中隊 ちゅうたい の迫撃 はくげき 砲 ほう 小隊 しょうたい はM1を6門 もん 装備 そうび していた。1個 いっこ 連隊 れんたい は3個 こ 歩兵 ほへい 大隊 だいたい で構成 こうせい されていたので計 けい 18門 もん となる。
ドイツ軍 ぐん 歩兵 ほへい 連隊 れんたい の編成 へんせい 例 れい (1940)
第 だい 二 に 次 じ 大戦 たいせん 時 じ の独軍 どくぐん 歩兵 ほへい 連隊 れんたい は、連隊 れんたい 本部 ほんぶ の麾下 きか に3個 こ 歩兵 ほへい 大隊 だいたい ・1個 いっこ 歩兵 ほへい 砲 ほう 中隊 ちゅうたい ・1個 いっこ 対戦 たいせん 車 しゃ 中隊 ちゅうたい ・各種 かくしゅ 補給 ほきゅう 段 だん 列 れつ などが配 はい され、各 かく 歩兵 ほへい 大隊 だいたい は3個 こ 歩兵 ほへい 中隊 ちゅうたい と1個 いっこ 重火器 じゅうかき 中隊 ちゅうたい によって構成 こうせい されていた。
そして、歩兵 ほへい 中隊 ちゅうたい は中隊 ちゅうたい 本部 ほんぶ の麾下 きか に3個 こ 歩兵 ほへい 小隊 しょうたい ・1個 いっこ 対戦 たいせん 車 しゃ 銃 じゅう 分隊 ぶんたい ・4種 しゅ の補給 ほきゅう 段 だん 列 れつ が配 はい され、各 かく 歩兵 ほへい 小隊 しょうたい は4個 こ 歩兵 ほへい 分隊 ぶんたい と1個 いっこ 軽 けい 迫撃 はくげき 砲 ほう 班 はん によって構成 こうせい されていた。
軽 けい 迫撃 はくげき 砲 ほう 班 はん は3名 めい の歩兵 ほへい で編成 へんせい されており、50mm軽 けい 迫撃 はくげき 砲 ほう (5 cm leGrW 36 )各 かく 1門 もん を装備 そうび していたため1個 いっこ 連隊 れんたい で計 けい 27門 もん を装備 そうび していた。ただし、後備 こうび 師団 しだん など装備 そうび の充足 じゅうそく 率 りつ が低 ひく い部隊 ぶたい では全 まった く装備 そうび していないことがある。この砲 ほう は軽 けい 迫 せり ながら精密 せいみつ な構造 こうぞう で命中 めいちゅう 率 りつ も高 たか かったが、重 おも い上 うえ に威力 いりょく が中途半端 ちゅうとはんぱ なため大戦 たいせん 中期 ちゅうき 以降 いこう は第 だい 一線 いっせん から退 しりぞ いていき、後述 こうじゅつ する大隊 だいたい 支援 しえん 用 よう の81mm中迫 なかさこ がその役割 やくわり を併 あわ せて担 にな うようになる。
一方 いっぽう 、重火器 じゅうかき 中隊 ちゅうたい は中隊 ちゅうたい 本部 ほんぶ の麾下 きか に3個 こ 機関 きかん 銃 じゅう 小隊 しょうたい ・1個 いっこ 迫撃 はくげき 砲 ほう 小隊 しょうたい ・複数 ふくすう の補給 ほきゅう 段 だん 列 れつ (歩兵 ほへい 中隊 ちゅうたい の補給 ほきゅう 段 だん 列 れつ より規模 きぼ が大 おお きい)が配 はい され、各 かく 迫撃 はくげき 砲 ほう 小隊 しょうたい は3個 こ 迫撃 はくげき 砲 ほう 分隊 ぶんたい で構成 こうせい されていた。
各 かく 迫撃 はくげき 砲 ほう 分隊 ぶんたい の兵員 へいいん 定数 ていすう は8名 めい 、81mm迫撃 はくげき 砲 ほう (8 cm sGrW 34 など)2門 もん を装備 そうび していたため、1個 いっこ 連隊 れんたい で計 けい 18門 もん を装備 そうび していた。なお、大戦 たいせん 後期 こうき には更 さら に1個 いっこ 重 じゅう 迫撃 はくげき 砲 ほう 小隊 しょうたい を増強 ぞうきょう した連隊 れんたい も存在 そんざい し、この重 おも 迫 さこ 小隊 しょうたい は120mm迫撃 はくげき 砲 ほう (12 cm GrW 42 )を4門 もん 装備 そうび していた。
作戦 さくせん 行動 こうどう 中 ちゅう に迫撃 はくげき 砲 ほう が果 は たす戦術 せんじゅつ 上 じょう の役割 やくわり は、以下 いか の3つに大別 たいべつ される[1] 。
近接 きんせつ 支援 しえん 射撃 しゃげき
敵 てき 部隊 ぶたい を壊滅 かいめつ 、無力 むりょく 化 か 、または制圧 せいあつ して前線 ぜんせん の歩兵 ほへい 部隊 ぶたい を火力 かりょく 支援 しえん すること。迫撃 はくげき 砲 ほう は素早 すばや く展開 てんかい ・陣地 じんち 転換 てんかん でき、携行 けいこう 可能 かのう で前線 ぜんせん の戦闘 せんとう 部隊 ぶたい と密接 みっせつ に連携 れんけい することができるため、近接 きんせつ 支援 しえん 射撃 しゃげき には理想 りそう 的 てき な火器 かき であり、迫撃 はくげき 砲 ほう の最 もっと も主要 しゅよう な任務 にんむ である。
重砲 じゅうほう と異 こと なり、迫撃 はくげき 砲 ほう が敵 てき 部隊 ぶたい を「壊滅 かいめつ 」できるのは掩体 から露出 ろしゅつ した兵員 へいいん に対 たい して弾幕 だんまく 射撃 しゃげき を加 くわ えたときのみで、塹壕 ざんごう 内 うち の敵 てき 兵 へい に対 たい しては「無力 むりょく 化 か 」が最大 さいだい の目的 もくてき となる[注 ちゅう 10] 。
なお、近接 きんせつ 支援 しえん 射撃 しゃげき には攻撃 こうげき 準備 じゅんび 射撃 しゃげき や煙幕 えんまく 射撃 しゃげき 、標示 ひょうじ 射撃 しゃげき も含 ふく む。
「攻撃 こうげき 準備 じゅんび 射撃 しゃげき 」とは、友軍 ゆうぐん の攻勢 こうせい 前 まえ に敵 てき の抵抗 ていこう 陣地 じんち と戦線 せんせん 正面 しょうめん に弾幕 だんまく 射撃 しゃげき を加 くわ えること。主 おも に砲兵 ほうへい の任務 にんむ だが、全 ちょん 火力 かりょく を投 とう ずることが多 おお いため前線 ぜんせん 近 ちか くに配置 はいち される迫撃 はくげき 砲 ほう も支援 しえん する。
「煙幕 えんまく 射撃 しゃげき 」とは、敵陣 てきじん 前方 ぜんぽう に発煙 はつえん 弾 だん を発射 はっしゃ して目標 もくひょう を視認 しにん できなくしたり、戦況 せんきょう を正確 せいかく に把握 はあく できなくすること。友軍 ゆうぐん の突撃 とつげき 時 じ および撤退 てったい 時 じ の両方 りょうほう で使用 しよう される。
「標示 ひょうじ 射撃 しゃげき 」とは、砲兵 ほうへい や航空機 こうくうき の攻撃 こうげき に先 さき んじて、距離 きょり 測定 そくてい や目標 もくひょう 標示 ひょうじ 用 よう のマーカーとして砲弾 ほうだん を発射 はっしゃ すること。カラーリングされた煙幕 えんまく 弾 だん を使用 しよう することもある。
対 たい 射撃 しゃげき
直接 ちょくせつ または間接 かんせつ 照準 しょうじゅん 射撃 しゃげき を行 おこな っている敵 てき の火器 かき や観測 かんそく 所 しょ 、指揮 しき 統制 とうせい 施設 しせつ を破壊 はかい する砲撃 ほうげき である。特 とく に、敵 てき の火砲 かほう ・迫撃 はくげき 砲 ほう に対 たい する射撃 しゃげき を「対 たい 砲 ほう 迫 せり 射撃 しゃげき 」という。
通常 つうじょう 、砲兵 ほうへい の攻撃 こうげき 準備 じゅんび が整 ととの うまでは迫撃 はくげき 砲 ほう による対 たい 射撃 しゃげき を行 おこな うが、これが標示 ひょうじ 射撃 しゃげき を兼 か ねることも多 おお い。
阻止 そし 射撃 しゃげき
まだ攻撃 こうげき や防御 ぼうぎょ の態勢 たいせい が整 ととの っていない敵 てき を攻撃 こうげき して損害 そんがい を与 あた えること。敵 てき の基地 きち や後方 こうほう 連絡 れんらく 線 せん 、集結 しゅうけつ 地点 ちてん 、兵站 へいたん 本部 ほんぶ などを狙 ねら う。
阻止 そし 射撃 しゃげき には、攻撃 こうげき 準備 じゅんび 破砕 はさい 射撃 しゃげき や交通 こうつう 遮断 しゃだん 射撃 しゃげき を含 ふく む。
「攻撃 こうげき 準備 じゅんび 破砕 はさい 射撃 しゃげき 」とは、敵 てき の攻勢 こうせい が開始 かいし される直前 ちょくぜん に、第 だい 一線 いっせん 付近 ふきん に集結 しゅうけつ した敵 てき 部隊 ぶたい を砲撃 ほうげき すること。
「交通 こうつう 遮断 しゃだん 射撃 しゃげき 」とは、敵 てき の予備 よび 兵力 へいりょく の増援 ぞうえん や配置 はいち 転換 てんかん による移動 いどう を妨 さまた げ、弾薬 だんやく ・糧食 りょうしょく などが最前線 さいぜんせん へ補給 ほきゅう されるのを阻止 そし するために道路 どうろ や連絡 れんらく 網 もう に損害 そんがい を与 あた えること。
M252で照準 しょうじゅん を定 さだ める米兵 べいへい M252は81mm迫撃 はくげき 砲 ほう L16の米 べい 軍 ぐん 仕様 しよう モデルである
以下 いか に、射撃 しゃげき 準備 じゅんび から弾 たま 着 ぎ までの簡単 かんたん な流 なが れを示 しめ す。(迫撃 はくげき 砲 ほう の射撃 しゃげき )
射撃 しゃげき 準備 じゅんび
指揮 しき 官 かん が設置 せっち 場所 ばしょ を決定 けってい すると各 かく 分隊 ぶんたい ごとに分隊 ぶんたい 長 ちょう が個別 こべつ の設置 せっち 場所 ばしょ と基準 きじゅん 線 せん の方向 ほうこう を示 しめ す。
迫撃 はくげき 砲 ほう が設置 せっち される場所 ばしょ は小型 こがた のものほど前線 ぜんせん に近 ちか くなり、中隊 ちゅうたい 隷下 れいか の火器 かき 小隊 しょうたい は味方 みかた の歩兵 ほへい 小隊 しょうたい のすぐ後背 こうはい に布陣 ふじん する。このため後方 こうほう の砲兵 ほうへい 部隊 ぶたい に比 くら べ迅速 じんそく な展開 てんかい を要 よう する。
迫撃 はくげき 砲 ほう も他 た の火砲 かほう と同 おな じく水平 すいへい な場所 ばしょ に設置 せっち する必要 ひつよう があるため、円 えん 匙 さじ (シャベル)などで平坦 へいたん にする。
設置 せっち 場所 ばしょ に底 そこ 盤 ばん を強 つよ く固定 こてい して砲 ほう 本体 ほんたい を組 く み立 た てる。
目標 もくひょう に向 む けた基準 きじゅん 線 せん を設定 せってい する。
初期 しょき には通常 つうじょう の測量 そくりょう と同 おな じように測量 そくりょう 棒 ぼう (標 しめぎ 竿 ざお )を立 た てていたが、敵陣 てきじん に近 ちか い位置 いち に布陣 ふじん することの多 おお い迫撃 はくげき 砲 ほう にとっては危険 きけん 度 ど が高 たか い。
第 だい 二 に 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん の頃 ころ にはコリメーター が照準 しょうじゅん 器 き に組 く み込 こ まれるようになり、測量 そくりょう 棒 ぼう は不要 ふよう となった。
近年 きんねん ではレーザー測量 そくりょう とGPS の組 く み合 あ わせなどによる電子 でんし システムにより、これらの作業 さぎょう は大幅 おおはば に簡略 かんりゃく 化 か されている。
簡易 かんい な設営 せつえい 作業 さぎょう では完全 かんぜん に水平 すいへい にすることはできないため、水平 すいへい 器 き によって照準 しょうじゅん を調整 ちょうせい する。
照準 しょうじゅん
目標 もくひょう までの距離 きょり を測定 そくてい する。
射 い 表 ひょう を元 もと に距離 きょり から仰角 ぎょうかく を算出 さんしゅつ して合 あ わせる。射 い 角 かく 表示 ひょうじ 器 き がある場合 ばあい には表示 ひょうじ 器 き に距離 きょり と弾 たま 種 しゅ を設定 せってい して目盛 めも りに合 あ わせる。
基準 きじゅん 線 せん に対 たい して目標 もくひょう がどれだけずれた位置 いち にいるかを判断 はんだん して左右 さゆう 角度 かくど を調節 ちょうせつ する。
装填 そうてん -弾 たま 着 ぎ
砲弾 ほうだん を砲 ほう 口 こう に添 そ え、射撃 しゃげき 指示 しじ によって砲身 ほうしん 内 ない へ落 お とし込 こ む。(装填 そうてん )
ライフリング された砲 ほう の場合 ばあい 、砲身 ほうしん の溝 みぞ と砲弾 ほうだん 側 がわ の弾 たま 帯 たい を噛 か み合 あ わせて装填 そうてん する必要 ひつよう がある。
大 だい 口径 こうけい の迫撃 はくげき 砲 ほう の場合 ばあい 、人力 じんりき で砲 ほう 口 こう から装填 そうてん するのは困難 こんなん なため後 ご 装 そう 式 しき が主流 しゅりゅう 。
砲弾 ほうだん は砲身 ほうしん 内 ない を滑 すべ り落 お ち、砲 ほう 尾 お の底 そこ に設 もう けられた撃 げき 針 はり によって砲弾 ほうだん 側 がわ の雷管 らいかん が作動 さどう する。
120mm迫撃 はくげき 砲 ほう RT など一部 いちぶ の製品 せいひん では、墜発式 しき (落 お とし込 こ み式 しき )と拉 ひしげ 縄 なわ 式 しき とを選択 せんたく できる。後者 こうしゃ では砲弾 ほうだん を装填 そうてん した後 のち 、撃 げき 発 はつ 用 よう のロープを任意 にんい のタイミングで引 ひ っ張 ぱ って発射 はっしゃ する。
雷管 らいかん に起爆 きばく されて発射 はっしゃ 薬 やく が点火 てんか し、その爆発 ばくはつ エネルギーによる砲身 ほうしん 内 ない の圧力 あつりょく で砲弾 ほうだん が発射 はっしゃ される。
発射 はっしゃ された砲弾 ほうだん は、大 おお きく湾曲 わんきょく した曲射 きょくしゃ 弾道 だんどう を描 えが きながら飛翔 ひしょう する。
砲弾 ほうだん は垂直 すいちょく に近 ちか い角度 かくど で着弾 ちゃくだん し、信管 しんかん が作動 さどう して炸薬 さくやく を起爆 きばく させる。
射撃 しゃげき 時 じ の仰角 ぎょうかく によっては、垂直 すいちょく に近 ちか い角度 かくど では着弾 ちゃくだん しない。
信管 しんかん の設定 せってい や種類 しゅるい によって、爆発 ばくはつ 高度 こうど は異 こと なる。
臼砲 きゅうほう の弾薬 だんやく 工廠 こうしょう の模様 もよう (19世紀 せいき 末 まつ )
大量 たいりょう に投棄 とうき された砲弾 ほうだん の空 そら 薬莢 やっきょう 第 だい 一 いち 次 じ 大戦 たいせん では、それまでの戦争 せんそう とは比較 ひかく にならないほど膨大 ぼうだい な弾薬 だんやく が消費 しょうひ された。両 りょう 陣営 じんえい が西部 せいぶ 戦線 せんせん で使用 しよう した砲弾 ほうだん の総 そう 重量 じゅうりょう は1,200万 まん tを超 こ える
迫撃 はくげき 砲 ほう は汎用 はんよう 性 せい が高 たか く戦闘 せんとう の様々 さまざま な局面 きょくめん で火力 かりょく 支援 しえん に使用 しよう される上 じょう 、速射 そくしゃ 性 せい に優 すぐ れるため短時間 たんじかん に多数 たすう の砲弾 ほうだん を消費 しょうひ しがちである。したがって、大量 たいりょう の弾薬 だんやく を供給 きょうきゅう するため輜重 しちょう 段 だん 列 れつ (補給 ほきゅう 部隊 ぶたい )の随伴 ずいはん が不可欠 ふかけつ となる。
特 とく に工業 こうぎょう 生産 せいさん 力 りょく が低 ひく く兵站 へいたん が脆弱 ぜいじゃく だった日本 にっぽん にとってこの問題 もんだい は深刻 しんこく であり、陸軍 りくぐん は第 だい 一線 いっせん の歩兵 ほへい 大隊 だいたい に対 たい する曲射 きょくしゃ 歩兵 ほへい 砲 ほう (十 じゅう 一 いち 年 ねん 式 しき 曲射 きょくしゃ 歩兵 ほへい 砲 ほう と九 きゅう 七 なな 式 しき 曲射 きょくしゃ 歩兵 ほへい 砲 ほう )の全面 ぜんめん 的 てき 配備 はいび を躊躇 ちゅうちょ し、直接 ちょくせつ 照準 しょうじゅん による精密 せいみつ 射撃 しゃげき が可能 かのう な従来 じゅうらい 型 がた の歩兵 ほへい 砲 ほう の配備 はいび を優先 ゆうせん したという経緯 けいい がある。
例 たと えば十 じゅう 一 いち 年 ねん 式 しき 曲射 きょくしゃ 歩兵 ほへい 砲 ほう の場合 ばあい 、砲 ほう 本体 ほんたい の重量 じゅうりょう は63kgだが弾薬 だんやく 定数 ていすう 112発 はつ の重量 じゅうりょう は運搬 うんぱん 用具 ようぐ などを含 ふく めて364kgもあり、砲 ほう 自体 じたい は兵員 へいいん 数 すう 名 めい で携行 けいこう できても弾薬 だんやく の運搬 うんぱん には人員 じんいん 8名 めい と馬 うま 2頭 とう を要 よう した。一 いち 会戦 かいせん にどの程度 ていど の弾薬 だんやく を準備 じゅんび するかは作戦 さくせん によって異 こと なるが、多 おお いときでは1t以上 いじょう もの弾薬 だんやく を輸送 ゆそう せねばならず、十分 じゅうぶん な車輌 しゃりょう を保有 ほゆう し得 え なかった輜重 しちょう 部隊 ぶたい の負担 ふたん は相当 そうとう なものであった(全力 ぜんりょく 射撃 しゃげき を行 おこな えば、定数 ていすう 112発 はつ 全 ぜん 弾 たま を打 う ち尽 つ くすのに10分 ふん も要 よう しない)。
このように、兵站 へいたん への負担 ふたん や弾薬 だんやく コストが膨 ふく らみがちであるという迫撃 はくげき 砲 ほう のデメリットは看過 かんか できない。しかし、これは敵 てき 方 かた も条件 じょうけん は同 おな じであり、「能力 のうりょく 特性 とくせい 」に記 しる した長所 ちょうしょ がこれらの短所 たんしょ を上回 うわまわ るため、迫撃 はくげき 砲 ほう は現代 げんだい でもますます多用 たよう される傾向 けいこう にある。
多量 たりょう の物資 ぶっし と車輌 しゃりょう を揚陸 ようりく する連合 れんごう 軍 ぐん の輸送 ゆそう 船舶 せんぱく (ノルマンディー/1944)
近 きん 現代 げんだい の迫撃 はくげき 砲 ほう は、第 だい 一 いち 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん 時 とき に使用 しよう されたイギリス のストークス・モーターを原型 げんけい としており、英語 えいご で同 おな じ"mortar"である臼砲 きゅうほう とは構造 こうぞう ・運用 うんよう ともに大 おお きく異 こと なる。しかし、「曲射 きょくしゃ 弾道 だんどう 」という核 かく となる特徴 とくちょう において共通 きょうつう しており、曲射 きょくしゃ 弾道 だんどう 兵器 へいき の中 なか で軽量 けいりょう ・小型 こがた 化 か の道 みち へ分化 ぶんか した砲 ほう の一 ひと つの到達 とうたつ 点 てん である。
古代 こだい の投石 とうせき 機 き に始 はじ まり、射 い 石 せき 砲 ほう を経 へ て火砲 かほう が進化 しんか した後 のち も、大 おお きな破壊 はかい 力 りょく をもった曲射 きょくしゃ 弾道 だんどう 兵器 へいき は大 だい 重量 じゅうりょう なものに限 かぎ られていたが、優 すぐ れた設計 せっけい 思想 しそう と榴弾 りゅうだん との組 く み合 あ わせによって、従来 じゅうらい とは比較 ひかく にならないほど軽量 けいりょう 小型 こがた で扱 あつか い易 やす い画期的 かっきてき な砲 ほう が誕生 たんじょう した。
火砲 かほう の変遷 へんせん
南北戦争 なんぼくせんそう 時 どき の203mm臼砲 きゅうほう 臼砲 きゅうほう は、火砲 かほう の中 なか でも早期 そうき に登場 とうじょう し第 だい 二 に 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん 期 き まで使用 しよう され続 つづ けた。外観 がいかん はまさに「臼 うす 」である
マレット砲 ほう (Mallet's Mortar)1857年 ねん に製造 せいぞう された口径 こうけい 36インチ(910mm)という当時 とうじ 最大 さいだい の臼砲 きゅうほう である。英語 えいご では同 おな じ"mortar"だが、もちろん迫撃 はくげき 砲 ほう ではない
八 はち 九 きゅう 式 しき 重 じゅう 擲弾筒 てきだんとう 1930年代 ねんだい に日本 にっぽん が開発 かいはつ した口径 こうけい 50mmの軽 けい 迫撃 はくげき 砲 ほう 。中 ちゅう 口径 こうけい クラスの迫撃 はくげき 砲 ほう の装備 そうび が進 すす んでいなかった日本 にっぽん 軍 ぐん にとって、歩兵 ほへい 部隊 ぶたい に広 ひろ く行 い き渡 わた っていた本 ほん 兵器 へいき は重宝 ちょうほう された。米 べい 軍 ぐん からも高 たか く評価 ひょうか されている
語源 ごげん
英語 えいご の"mortar"(モーター)は、乳鉢 にゅうばち や擂鉢 すりばち (すりばち)など臼状 きゅうじょう のものを意味 いみ する仏語 ふつご の"mortier"から派生 はせい しており、臼砲 きゅうほう (きゅうほう)を指 さ すのはそのため。幕末 ばくまつ の日本 にっぽん では「モルチール(砲 ほう )」と称 しょう された。建築 けんちく 材料 ざいりょう のモルタルもスペル・発音 はつおん ともに同 おな じで、「練 ね って混 ま ぜる」ことからラテン語 らてんご の"mortarium"(乳鉢 にゅうばち の意 い )に由来 ゆらい しており語源 ごげん は同 おな じである。
臼砲 きゅうほう
初期 しょき の射 い 石 せき 砲 ほう "bombard"は素材 そざい の強度 きょうど 不足 ふそく から著 いちじる しく肉 にく 厚 あつ で短 みじか い砲身 ほうしん をしており、その外観 がいかん は臼 うす のようであった。近世 きんせい に入 はい り野戦 やせん での平射 へいしゃ を主 おも 目的 もくてき とする初期 しょき の野砲 やほう "howitzer"が出現 しゅつげん すると、これと区別 くべつ するために従来 じゅうらい 型 がた の短 たん 砲身 ほうしん 砲 ほう は臼砲 きゅうほう "mortar"と呼 よ ばれるようになる(当時 とうじ 、"bombard"という用語 ようご は火砲 かほう 全般 ぜんぱん を指 さ した)。
近世 きんせい を通 つう じて火砲 かほう は徐々 じょじょ に進化 しんか し、特 とく に産業 さんぎょう 革命 かくめい が起 お こった近代 きんだい 以降 いこう は冶金 やきん ・鋳造 ちゅうぞう 技術 ぎじゅつ の発達 はったつ で臼砲 きゅうほう も大 だい 口径 こうけい ・長 ちょう 砲身 ほうしん 化 か が進 すす む。しかし、砲 ほう の外観 がいかん が変化 へんか してからも、大 おお きな仰角 ぎょうかく を取 と って低 ひく い初速 しょそく で射撃 しゃげき する砲 ほう は引 ひ き続 つづ き"mortar"=臼砲 きゅうほう と呼 よ ばれた。駐 ちゅう 退 すさ 復 ふく 座 ざ 機 き や平衡 へいこう 機 き が発明 はつめい されていなかった頃 ころ の大型 おおがた 砲 ほう の多 おお くは、迫撃 はくげき 砲 ほう と同様 どうよう に射撃 しゃげき 時 じ の反動 はんどう を地面 じめん に吸収 きゅうしゅう させる方式 ほうしき を採用 さいよう している。
迫撃 はくげき 砲 ほう
臼砲 きゅうほう は一時期 いちじき 廃 すた れていたが、日 にち 露 ろ 戦争 せんそう から第 だい 一 いち 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん にかけて塹壕 ざんごう 戦 せん や要塞 ようさい 戦 せん が本格 ほんかく 化 か すると、射程 しゃてい は短 みじか くとも威力 いりょく の大 おお きな臼砲 きゅうほう の需要 じゅよう が増 ま し、再 ふたた び多数 たすう の臼砲 きゅうほう が作 つく られた。この中 なか には従来 じゅうらい とは逆 ぎゃく に軽量 けいりょう ・小型 こがた 化 か を追求 ついきゅう した砲 ほう もあり、ここから発展 はってん したものが現代 げんだい の迫撃 はくげき 砲 ほう である。
以上 いじょう のように、歴史 れきし 上 じょう の経緯 けいい から"mortar"という単語 たんご は臼砲 きゅうほう ・迫撃 はくげき 砲 ほう の両方 りょうほう を指 さ す。ただし、現代 げんだい では単 たん に"mortar"と称 しょう した場合 ばあい は本稿 ほんこう の主題 しゅだい である近 きん 現代 げんだい 型 がた の迫撃 はくげき 砲 ほう を指 さ す。また、臼砲 きゅうほう と明確 めいかく に区別 くべつ するため、"infantry mortar"あるいは"modern mortar"と表記 ひょうき することもある。
日本 にっぽん
日本語 にほんご の「迫撃 はくげき 砲 ほう 」という用語 ようご は、日 にち 露 ろ 戦争 せんそう において現地 げんち 部隊 ぶたい で急造 きゅうぞう された即製 そくせい の擲弾発射 はっしゃ 機 き を「敵 てき に迫 せま って撃 う つ」という意 い で迫撃 はくげき 砲 ほう と命名 めいめい したのが嚆矢 こうし である。後 のち に、この迫撃 はくげき 砲 ほう という名称 めいしょう が公文書 こうぶんしょ で使用 しよう されたことから、英語 えいご で"mortar"と一 いち 括 くく りにされる曲射 きょくしゃ 弾道 だんどう 兵器 へいき が日本 にっぽん では臼砲 きゅうほう と迫撃 はくげき 砲 ほう に分 わ けられた。更 さら に大正 たいしょう 期 き に入 はい って迫撃 はくげき 砲 ほう は砲兵 ほうへい 科 か の管轄 かんかつ であるとされたことから、歩兵 ほへい 科 か が運用 うんよう する迫撃 はくげき 砲 ほう は「曲射 きょくしゃ 歩兵 ほへい 砲 ほう 」と称 しょう することとなり、分類 ぶんるい 上 じょう の複雑 ふくざつ 化 か を招 まね いている。
なお、日本 にっぽん 陸軍 りくぐん の八 はち 九 きゅう 式 しき 重 じゅう 擲弾筒 てきだんとう は構造 こうぞう ・用法 ようほう から軽 けい 迫撃 はくげき 砲 ほう に分類 ぶんるい してもよい兵器 へいき だが、英語 えいご では"grenade discharger"(擲弾発射 はっしゃ 機 き )として紹介 しょうかい されることが多 おお い。
ドイツ
ドイツ では、迫撃 はくげき 砲 ほう のことを"Granatwerfer"(擲弾投射 とうしゃ 機 き )と称 しょう しており、それ以前 いぜん の小型 こがた 曲射 きょくしゃ 砲 ほう (後述 こうじゅつ )も"Minenwerfer"(爆薬 ばくやく 投射 とうしゃ 機 き )としている。これは、擲弾 は歩兵 ほへい 科 か 、砲弾 ほうだん は砲兵 ほうへい 科 か 、爆薬 ばくやく は工兵 こうへい 科 か [注 ちゅう 11] というセクショナリズムによるもので、性能 せいのう や形状 けいじょう で区別 くべつ しているわけではない。
イギリス
イギリス においてもリーベンス・プロジェクター や対戦 たいせん 車 しゃ 兵器 へいき PIAT のように、構造 こうぞう が簡易 かんい で射程 しゃてい が短 みじか いものは「砲 ほう 」というよりも投射 とうしゃ 機 き (英 えい :projector/独 どく :Werfer)として扱 あつか われている。
英国 えいこく は、後述 こうじゅつ するスピガット・モーターの射出 しゃしゅつ 方式 ほうしき を利用 りよう した兵器 へいき を数多 かずおお く開発 かいはつ しており、ヘッジホッグ のように現代 げんだい でも派生 はせい 型 がた が利用 りよう されている兵器 へいき も少 すく なくない。
アメリカ
アメリカ国防総省 こくぼうそうしょう (DoD)による"Mortar"の定義 ていぎ は砲 ほう 口 こう 装填 そうてん 式 しき の間接 かんせつ 射撃 しゃげき 兵器 へいき でライフルまたは滑 すべり 腔砲身 ほうしん 。榴弾 りゅうだん 砲 ほう よりも短 たん 射程 しゃてい 、大 おお きな仰角 ぎょうかく をとって射撃 しゃげき し、砲身 ほうしん 長 ちょう は10-20口径 こうけい である[3] 。
ただし、近年 きんねん では後 こう 装 そう 式 しき の砲 ほう の登場 とうじょう 、榴弾 りゅうだん 砲 ほう に匹敵 ひってき する射程 しゃてい 、平射 へいしゃ が可能 かのう なものなど、定義 ていぎ に当 あ てはまらない迫撃 はくげき 砲 ほう も増 ふ えつつある。
古代 こだい に用 もち いられたオナガー (onager )、あるいは中世 ちゅうせい に登場 とうじょう したマンゴネル (mangonel )やトレビュシェット (trebuchet )といった投石 とうせき 機 き は、火薬 かやく こそ使用 しよう しないものの曲射 きょくしゃ 弾道 だんどう 兵器 へいき という点 てん で共通 きょうつう しており、臼砲 きゅうほう や迫撃 はくげき 砲 ほう の系譜 けいふ に連 つら なっている。また、バリスタ (ballista )やスコーピオ (scorpio )などの弩 いしゆみ 弓 ゆみ の中 なか には大 おお きな仰角 ぎょうかく をとって曲射 きょくしゃ できるものもあり、防壁 ぼうへき などの遮蔽 しゃへい 物 ぶつ 越 ご しに攻撃 こうげき できた。
火薬 かやく の燃焼 ねんしょう エネルギーを利用 りよう した砲身 ほうしん 内 ない の圧力 あつりょく (装 そう 薬 やく の化学 かがく 変化 へんか によって生 しょう じるガスの膨張 ぼうちょう 圧 あつ )で砲弾 ほうだん を加速 かそく する、いわゆる「火砲 かほう 」は12世紀 せいき 初頭 しょとう のイスラム世界 せかい でようやく誕生 たんじょう するが、初期 しょき のマスケット(銃 じゅう )が長 なが いあいだ長 ちょう 弓 ゆみ に及 およ ばなかったのと同様 どうよう 、火砲 かほう の進化 しんか にも長 なが い年月 としつき を要 よう し、トレビュシェットは火砲 かほう の登場 とうじょう 後 ご も300年 ねん 近 ちか く使用 しよう され続 つづ けた。
なお、遥 はる か後代 こうだい の第 だい 一 いち 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん 中 なか 、フランス軍 ぐん はオナガーやマンゴネルを簡易 かんい 縮小 しゅくしょう 化 か した「スプリングガン」を前線 ぜんせん に多数 たすう 配備 はいび した。ゴムやバネの力 ちから で擲弾を発射 はっしゃ する仕組 しく みで投石 とうせき 機 き の近代 きんだい 再 さい 設計 せっけい 版 ばん と言 い えたが、射出 しゃしゅつ できる擲弾が小 ちい さく威 い 力不足 ちからぶそく な上 うえ に射程 しゃてい も短 みじか く、射距離 しゃきょり の調節 ちょうせつ や照準 しょうじゅん が難 むずか しいことから早期 そうき に使用 しよう されなくなった。
聖 ひじり ヨハネ騎士 きし 団 だん の射 い 石 せき 砲 ほう 自重 じちょう は3.3tもあり、260kgの砲弾 ほうだん を射出 しゃしゅつ できる。ロードス島 とう の攻防 こうぼう 戦 せん で城壁 じょうへき の内側 うちがわ から防御 ぼうぎょ 用 よう に用 もち いられた。砲身 ほうしん 中央 ちゅうおう 部 ぶ の突起 とっき が15世紀 せいき 半 なか ばに発明 はつめい された「砲 ほう 耳 みみ 」で、これを支点 してん にして容易 ようい に砲 ほう の俯仰 ふぎょう をとることが可能 かのう になった
草創 そうそう 期 き の火砲 かほう の種類 しゅるい は幾 いく つかあるが、その中 なか から発展 はってん を遂 と げて主流 しゅりゅう をなしたものの一 ひと つが射 い 石 せき 砲 ほう (bombard )である。英 えい 仏 ふつ 百 ひゃく 年 ねん 戦争 せんそう (1339-1453)の頃 ころ には火砲 かほう が普遍 ふへん 的 てき に使用 しよう されるようになり、トレビュシェットはほぼ完全 かんぜん に駆逐 くちく された。火砲 かほう が、操 みさお 用 よう 性 せい や生産 せいさん 性 せい そして何 なに よりも威力 いりょく の点 てん で従来 じゅうらい の投石 とうせき 機 き を凌駕 りょうが するに至 いた ったためである(射 い 「石 いし 」砲 ほう と和訳 わやく されるが鉄 てつ 弾 だん も発射 はっしゃ する)。
投石 とうせき 機 き と同様 どうよう 、射 い 石 せき 砲 ほう の最大 さいだい の目的 もくてき は城壁 じょうへき や塔 とう の破壊 はかい つまり攻 おさむ 城 しろ 戦 せん にあった。したがって、より大 おお きく重 おも い砲弾 ほうだん を投射 とうしゃ すべく大 だい 口径 こうけい の砲 ほう が求 もと められたが、冶金 やきん 工学 こうがく や鋳造 ちゅうぞう 技術 ぎじゅつ の限界 げんかい で砲身 ほうしん に用 もち いられる鉄 てつ の強度 きょうど が弱 よわ く、初期 しょき の射 い 石 せき 砲 ほう は著 いちじる しく肉 にく 厚 あつ で砲身 ほうしん は短 みじか い。
中世 ちゅうせい 末期 まっき 、射 い 石 せき 砲 ほう は「モンス・メグ 」や「ウルバンの巨 きょ 砲 ほう 」に代表 だいひょう されるように大 だい 口径 こうけい 化 か が進 すす み砲身 ほうしん も長 なが くなっていくが、一部 いちぶ のものは初期 しょき の射 い 石 せき 砲 ほう の形態 けいたい を踏襲 とうしゅう し、臼砲 きゅうほう として砲 ほう の一 いち 分野 ぶんや を形成 けいせい しつつ第 だい 二 に 次 じ 大戦 たいせん 期 き まで500年 ねん 以上 いじょう にわたって使用 しよう され続 つづ けた。
これは、巨大 きょだい 化 か した砲 ほう に大 おお きな仰角 ぎょうかく をとらせることが至難 しなん で、防壁 ぼうへき などの遮蔽 しゃへい 物 ぶつ 越 ご しに曲射 きょくしゃ する目的 もくてき であれば射 い 角 かく の変更 へんこう が容易 ようい な臼砲 きゅうほう のほうが扱 こ い易 やす かったためである。大型 おおがた の砲 ほう が俯仰 ふぎょう を自在 じざい に変更 へんこう するためには、平衡 へいこう 機 き の発明 はつめい を待 ま たねばならない。
15世紀 せいき 半 なか ばまで大半 たいはん の火砲 かほう は鉄製 てつせい だったが、近世 きんせい に入 はい ると青銅 せいどう 砲 ほう が主流 しゅりゅう となる。その理由 りゆう は、(1)柔軟 じゅうなん 性 せい の高 たか い青銅 せいどう は鉄 てつ に比 くら べ砲身 ほうしん の厚 あつ みや口径 こうけい を規格 きかく どおりに生産 せいさん でき、射撃 しゃげき 時 じ の燃焼 ねんしょう エネルギーの損失 そんしつ が少 すく なかったこと、(2)加熱 かねつ 法 ほう の問題 もんだい から、鍛造 たんぞう の鉄製 てつせい 砲 ほう よりも鋳造 ちゅうぞう の青銅 せいどう 砲 ほう のほうが短時間 たんじかん で製造 せいぞう でき、また、錫 すず と銅 どう の鉱山 こうざん 開発 かいはつ が進 すす んで原料 げんりょう が恒常 こうじょう 的 てき に入手 にゅうしゅ できるようになり量産 りょうさん が容易 ようい になったこと、(3)火薬 かやく の改良 かいりょう が進 すす んで爆発 ばくはつ 力 りょく が向上 こうじょう し、当時 とうじ の粗 そ 鉄 てつ では砲 ほう 腔破裂 はれつ が頻発 ひんぱつ するようになったため、粘 ねば りがある青銅 せいどう のほうが耐久 たいきゅう 性 せい に優 すぐ れていたこと、などである。この結果 けっか 、16世紀 せいき 前半 ぜんはん (1520年 ねん 頃 ころ )に鉄製 てつせい 砲 ほう は消滅 しょうめつ した。
砲身 ほうしん の肉 にく 厚 あつ を薄 うす くしても強度 きょうど を保 たも てるようになると、軍 ぐん の移動 いどう に随伴 ずいはん できる機動 きどう 的 てき な「野砲 やほう 」(howitzer )が登場 とうじょう し、主 おも に野戦 やせん 用 よう であったが攻 おさむ 城 しろ 戦 せん にも用 もち いられた。また、従来 じゅうらい の大 だい 口径 こうけい ・短 たん 砲身 ほうしん 砲 ほう も軽量 けいりょう 化 か が進 すす み、野砲 やほう と区別 くべつ するため「臼砲 きゅうほう 」と呼 よ ばれるようになった。臼砲 きゅうほう は射程 しゃてい こそ短 みじか いものの、大 だい 口径 こうけい 砲弾 ほうだん の破壊 はかい 力 りょく は攻 おさむ 城 しろ 戦 せん に欠 か かせないものとなる。これらの砲 ほう の普及 ふきゅう によって、重量 じゅうりょう 過大 かだい で運搬 うんぱん や設置 せっち に多大 ただい な労力 ろうりょく を要 よう する重 じゅう ボンバルドは急速 きゅうそく に姿 すがた を消 け していった。
野砲 やほう や臼砲 きゅうほう の登場 とうじょう で、野戦 やせん ・攻 おさむ 城 しろ 戦 せん ともに戦術 せんじゅつ 面 めん で大 おお きな変革 へんかく が起 お こる。特 とく に攻 おさむ 城 しろ 戦 せん では城砦 じょうさい の防御 ぼうぎょ 力 りょく と比 ひ して火砲 かほう の攻撃 こうげき 力 りょく が圧倒的 あっとうてき になり、薄 うす く高 たか い防壁 ぼうへき と尖塔 せんとう からなる中世 ちゅうせい 様式 ようしき の城砦 じょうさい は容易 ようい に粉砕 ふんさい されるようになった。例 たと えばイタリア戦争 せんそう (1494-1559)において、140門 もん の機動 きどう 火砲 かほう を率 ひき いたフランス のシャルル8世 せい はイタリア の諸 しょ 都市 とし を瞬 しばた く間 あいだ に席捲 せっけん している。かつて、一 ひと つの城砦 じょうさい を陥落 かんらく させるために長 た ければ数ヶ月 すうかげつ あるいは年 とし 単位 たんい の攻囲 こうい を要 よう したことに比 くら べると革命 かくめい 的 てき な変化 へんか であり、火砲 かほう の発達 はったつ に伴 ともな い城郭 じょうかく の様式 ようしき はヴォーバン に代表 だいひょう される星 ほし 型 がた 稜 りょう 堡式 へと順次 じゅんじ 変貌 へんぼう していく。
また、砲 ほう の発展 はってん と共 とも に重要 じゅうよう な点 てん が錬鉄 れんてつ 弾 だん の開発 かいはつ である。この鉄 てつ 弾 だん の登場 とうじょう までは石 いし 弾 だん が使用 しよう されていたが、錬鉄 れんてつ 弾 だん は城壁 じょうへき に対 たい する貫徹 かんてつ 力 りょく が石 いし 弾 だん と比 くら べ3倍 ばい も高 たか く、これが石造 いしづく りの中世 ちゅうせい 式 しき 城砦 じょうさい に対 たい して絶大 ぜつだい な威力 いりょく を発揮 はっき したのである[4] 。
なお、野砲 やほう は射程 しゃてい の向上 こうじょう を狙 ねら って次第 しだい に長 ちょう 砲身 ほうしん 化 か していきカノン砲 ほう (field gun )へと進化 しんか するが、臼砲 きゅうほう の外観 がいかん は時代 じだい が進 すす んでもほとんど変化 へんか していない。ただし、17世紀 せいき 後期 こうき には「クーホルン砲 ほう 」と呼 よ ばれる可 か 搬式臼砲 きゅうほう が登場 とうじょう しており、重量 じゅうりょう 90kg前後 ぜんこう で兵員 へいいん 4名 めい が運搬 うんぱん できた。現代 げんだい の迫撃 はくげき 砲 ほう と比 くら べれば遥 はる かに重 おも いが、携行 けいこう 可能 かのう という当時 とうじ としては画期的 かっきてき な軽量 けいりょう 小型 こがた の砲 ほう であり、迫撃 はくげき 砲 ほう の始祖 しそ の一 ひと つと言 い える。
クーホルン砲 ほう 1673年 ねん の登場 とうじょう 以来 いらい 盛 さか んに使用 しよう されたが、近世 きんせい 末期 まっき に一時 いちじ 的 てき に廃 すた れた。近代 きんだい に入 はい ってから再 ふたた び脚光 きゃっこう を浴 あ び、南北戦争 なんぼくせんそう の頃 ころ まで使用 しよう されている
近世 きんせい の野砲 やほう 当時 とうじ の野砲 やほう は射撃 しゃげき のたびに砲 ほう 架 か や車輪 しゃりん を含 ふく む砲 ほう 全体 ぜんたい が反動 はんどう で後退 こうたい するため、射撃 しゃげき する度 たび に一 いち から照準 しょうじゅん し直 なお す必要 ひつよう があった。 20世紀 せいき に入 はい り駐 ちゅう 退 すさ 復 ふく 座 ざ 機 き をもつ砲 ほう が登場 とうじょう し、反動 はんどう による後退 こうたい は砲身 ほうしん だけで済 す むようになるが、その意義 いぎ は極 きわ めて大 おお きい
近世 きんせい の
星 ほし 型 がた 稜 りょう 堡式
要塞 ようさい (ヴォーバンの
第 だい 一 いち 様式 ようしき から
第 だい 三 さん 様式 ようしき への
変遷 へんせん を
示 しめ した
模 も 式 しき 図 ず )
ロシア軍 ぐん が使用 しよう した迫撃 はくげき 砲 ほう 既存 きそん の47mm砲 ほう を流用 りゅうよう したスピガット・モーターで、砲弾 ほうだん と射出 しゃしゅつ の仕組 しく みをレオニード・ゴビャート が考案 こうあん した。日本 にっぽん 軍 ぐん の即製 そくせい 迫撃 はくげき 砲 ほう とは構造 こうぞう が異 こと なる
日 にち 露 ろ 戦争 せんそう は第 だい 一 いち 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん の前哨 ぜんしょう 戦 せん とも言 い え、新 しん 兵器 へいき である機関 きかん 銃 じゅう と塹壕 ざんごう ・堡塁 ほうるい を組 く み合 あ わせた本格 ほんかく 的 てき な野戦 やせん 防御 ぼうぎょ 陣地 じんち が構築 こうちく された初 はつ の大 だい 規模 きぼ 近代 きんだい 戦争 せんそう であり、迫撃 はくげき 砲 ほう のプロトタイプである小型 こがた 軽量 けいりょう の近接 きんせつ 支援 しえん 火器 かき も本戦 ほんせん 役 やく で初 はじ めて登場 とうじょう する。
旅順 りょじゅん における日本 にっぽん 第 だい 3軍 ぐん の死闘 しとう はつとに名高 なだか いが、最前線 さいぜんせん では敵 てき の塹壕 ざんごう に至近 しきん から爆薬 ばくやく を投擲 とうてき しあう肉弾 にくだん 戦 せん が展開 てんかい され、両 りょう 軍 ぐん ともに甚大 じんだい な損害 そんがい を出 だ していた。これを憂慮 ゆうりょ した日本 にっぽん 軍 ぐん 攻 おさむ 城 じょう 砲兵 ほうへい 司令 しれい 部 ぶ の今沢 いまざわ 義雄 よしお 中佐 ちゅうさ が、より遠方 えんぽう へ爆薬 ばくやく を投射 とうしゃ するために打上花火 うちあげはなび の仕組 しく みを応用 おうよう して即製 そくせい の擲弾発射 はっしゃ 機 き を考案 こうあん し、「敵 てき に迫 せま って砲撃 ほうげき する」という意 い から迫撃 はくげき 砲 ほう と名付 なづ けられた。
このとき各 かく 部隊 ぶたい で急造 きゅうぞう された擲弾発射 はっしゃ 機 き は、木製 もくせい の筒 つつ に竹 たけ の箍 たが (たが)を連 つら ねて補強 ほきょう した口径 こうけい 12-18cmの砲身 ほうしん をもち、黒色 こくしょく 火薬 かやく の装 そう 薬 やく に導火 どうか 線 せん で点火 てんか するという簡素 かんそ な構造 こうぞう であった。また、砲弾 ほうだん と装 そう 薬 やく が分離 ぶんり しており、第 だい 一 いち 次 じ 大戦 たいせん で登場 とうじょう したストークス型 がた 迫撃 はくげき 砲 ほう のようにカートリッジ方式 ほうしき ではない。
なお、この木製 もくせい 砲 ほう は後 のち に技術 ぎじゅつ 審査 しんさ 部 ぶ における鉄製 てつせい の十 じゅう 糎 せんちめーとる 半 はん 携帯 けいたい 迫撃 はくげき 砲 ほう の開発 かいはつ へと発展 はってん し、明治 めいじ 38年 ねん 8月 がつ には下志津原 しもしづはら で射撃 しゃげき 試験 しけん が行 おこな われた。しかし、砲身 ほうしん が破裂 はれつ して死者 ししゃ 3名 めい と負傷 ふしょう 者 しゃ 多数 たすう を出 だ す事故 じこ を起 お こし、改良 かいりょう を模索 もさく しているうちに日 にち 露 ろ 戦争 せんそう が終結 しゅうけつ してしまい実戦 じっせん には間 ま に合 あ わず開発 かいはつ 中止 ちゅうし となった。これ以降 いこう 、第 だい 一 いち 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん が始 はじ まるまで日本 にっぽん における迫撃 はくげき 砲 ほう の開発 かいはつ は停滞 ていたい することになる[5] 。
日本 にっぽん 軍 ぐん は他 ほか にも口径 こうけい 7cm・12cm・18cmの迫撃 はくげき 砲 ほう を開発 かいはつ していたことが記録 きろく に残 のこ っている[6] 。この12cm迫撃 はくげき 砲 ほう は、幕末 ばくまつ に購入 こうにゅう した旧式 きゅうしき の十 じゅう 二 に 栂 つが 臼砲 きゅうほう の砲弾 ほうだん を再 さい 利用 りよう していた。また、明治 めいじ 38年 ねん 付 づけ の資料 しりょう には、後 ご の擲弾筒 てきだんとう を彷彿 ほうふつ させる口径 こうけい 44mm・砲身 ほうしん 長 ちょう 200mm・全長 ぜんちょう 329mmという軽 けい 迫撃 はくげき 砲 ほう が記載 きさい されている[7] 。
同様 どうよう の小型 こがた 曲射 きょくしゃ 兵器 へいき はロシア軍 ぐん も使用 しよう しており、レオニード・ゴビャート が開発 かいはつ したものは"Бомбомёт "(直訳 ちょくやく すれば爆 ばく 弾 だん (擲弾)発射 はっしゃ 機 き )と呼 よ ばれ、第 だい 一 いち 次 じ 大戦 たいせん が終 お わる頃 ころ までは迫撃 はくげき 砲 ほう を意味 いみ していた。ゴビャートが考案 こうあん した迫撃 はくげき 砲 ほう は後 のち に「スピガット・モーター」(後述 こうじゅつ )として彼 かれ の著書 ちょしょ と共 とも に欧米 おうべい へ広 ひろ まり、第 だい 一 いち 次 じ 大戦 たいせん で広 ひろ く使用 しよう されることになる。
なお、本戦 ほんせん 役 やく には外国 がいこく からも多数 たすう の観戦 かんせん 武官 ぶかん が日 にち 露 ろ 両 りょう 軍 ぐん に随伴 ずいはん し、新 しん 兵器 へいき の威力 いりょく や従来 じゅうらい とは異 こと なった戦闘 せんとう の推移 すいい について多 おお くの報告 ほうこく が本国 ほんごく に送 おく られたが、極東 きょくとう における局地 きょくち 戦 せん の一 いち 事象 じしょう としてほとんど顧 かえり みられず、続 つづ く世界 せかい 大戦 たいせん で各国 かっこく は日 にち 露 ろ 戦争 せんそう 以上 いじょう の代償 だいしょう を支払 しはら うことになる。
第 だい 一 いち 次 じ 大戦 たいせん 期 き (1914~1918)[ 編集 へんしゅう ]
塹壕 ざんごう で待機 たいき するロシア軍 ぐん の兵士 へいし (東部 とうぶ 戦線 せんせん /1917年 ねん )
第 だい 一 いち 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん では日 にち 露 ろ 戦争 せんそう 以上 いじょう の塹壕 ざんごう 戦 せん が特徴 とくちょう であり、西部 せいぶ 戦線 せんせん においてスイス から北海 ほっかい に至 いた る長大 ちょうだい な前線 ぜんせん に張 は り巡 めぐ らされた塹壕 ざんごう の総 そう 延長 えんちょう は40,000kmに達 たっ した。これは、日 にち 露 ろ 戦争 せんそう でもその威力 いりょく を発揮 はっき した「機関 きかん 銃 じゅう 」の普及 ふきゅう により、砲兵 ほうへい による攻撃 こうげき 準備 じゅんび 射撃 しゃげき と歩兵 ほへい の突撃 とつげき という従来 じゅうらい の戦術 せんじゅつ では敵 てき 陣地 じんち 突破 とっぱ が困難 こんなん になったためである。その防御 ぼうぎょ 火力 かりょく は絶大 ぜつだい で、「1挺 てい の機関 きかん 銃 じゅう が1個 いっこ 大隊 だいたい の突撃 とつげき を阻止 そし する」と言 い われたほどであった。
攻撃 こうげき 前 まえ にどれほど砲弾 ほうだん の雨 あめ を降 ふ らせても塹壕 ざんごう 内 ない に伏在 ふくざい する機関 きかん 銃 じゅう を完全 かんぜん に排除 はいじょ することはできず、戦線 せんせん は長期 ちょうき にわたって膠着 こうちゃく 状態 じょうたい に陥 おちい り、交戦 こうせん する両 りょう 陣営 じんえい ともに敵 てき の機関 きかん 銃 じゅう 陣地 じんち を沈黙 ちんもく させることが最 さい 重要 じゅうよう 目標 もくひょう の一 ひと つとなった。そこで、砲兵 ほうへい による攻撃 こうげき の後 のち は、前進 ぜんしん する最前線 さいぜんせん の部隊 ぶたい が敵 てき の機関 きかん 銃 じゅう を発見 はっけん 次第 しだい に近傍 きんぼう から直接 ちょくせつ 攻撃 こうげき して破壊 はかい する方法 ほうほう がとられることになる。
その結果 けっか 、協商 きょうしょう 国 こく 側 がわ では「ストークス・モーター 」、同盟 どうめい 国 こく 側 がわ では「ミーネンヴェルファー 」という二 ふた つの小型 こがた 曲射 きょくしゃ 砲 ほう が誕生 たんじょう する。ミーネンヴェルファーは直訳 ちょくやく すると「爆薬 ばくやく 投射 とうしゃ 機 き (mine launcher)」で、大 おお きな仰角 ぎょうかく をとることが可能 かのう な小型 こがた で精密 せいみつ な曲射 きょくしゃ 砲 ほう である。一方 いっぽう 、ストークス・モーターは現代 げんだい の迫撃 はくげき 砲 ほう と同 おな じ構造 こうぞう の簡易 かんい 曲射 きょくしゃ 砲 ほう であった。いずれも従来 じゅうらい の砲 ほう とは異 こと なり小型 こがた 軽量 けいりょう だが、特 とく にストークス・モーターはかなり狭隘 きょうあい な塹壕 ざんごう 内 ない でも設置 せっち できるほどコンパクトな上 うえ 、僅 わず か数 すう 名 めい の兵員 へいいん で携行 けいこう ・操作 そうさ できた。
ミーネンヴェルファーもストークス・モーターも塹壕 ざんごう 戦 せん を契機 けいき として誕生 たんじょう した砲 ほう だが、ストークス・モーターは塹壕 ざんごう 戦 せん に留 と まらず歩兵 ほへい の直 じき 協 きょう 支援 しえん 火器 かき として以後 いご も更 さら に発展 はってん し、それとは逆 ぎゃく にミーネンヴェルファーは第 だい 一 いち 次 じ 大戦 たいせん 後 ご に廃 すた れていった。これは、ストークス・モーターの方 ほう が簡易 かんい な構造 こうぞう で生産 せいさん が容易 ようい であり、軽量 けいりょう で扱 あつか い易 やす く歩兵 ほへい が直接 ちょくせつ 扱 あつか えたためで、現代 げんだい の迫撃 はくげき 砲 ほう はストークス・モーターを原型 げんけい としている 。
なお、迫撃 はくげき 砲 ほう を発明 はつめい した始祖 しそ はイギリス のウィルフレッド・ストークス だが、その標準 ひょうじゅん 化 か に影響 えいきょう を及 およ ぼしたのはフランス のエドガー・ウィリアム・ブラント である。ブラントが開発 かいはつ した60mm・81mm・120mmの迫撃 はくげき 砲 ほう が各国 かっこく でライセンス生産 せいさん され、弾薬 だんやく の互換 ごかん 性 せい を保 たも つために後継 こうけい の砲 ほう でも同 おな じ砲 ほう 口 こう 直径 ちょっけい のものを用 もち いざるを得 え なかったため、現代 げんだい でもNATO標準 ひょうじゅん 規格 きかく (STANAG )ではこれらと同 おな じ口径 こうけい の迫撃 はくげき 砲 ほう 弾 だん が指定 してい されている。
戦 せん 間 あいだ 期 き ~第 だい 二 に 次 じ 大戦 たいせん 期 き (~1945)[ 編集 へんしゅう ]
オマハ・ビーチ/1944年 ねん 6月 がつ 6日 にち 第 だい 二 に 次 じ 大戦 たいせん 中 ちゅう 、ドイツ軍 ぐん は敵陣 てきじん から僅 わず か550-800mの距離 きょり に迫撃 はくげき 砲 ほう を配備 はいび して連合 れんごう 軍 ぐん に砲撃 ほうげき を浴 あ びせた。ノルマンディー上陸 じょうりく 作戦 さくせん においてこの戦術 せんじゅつ によって死傷 ししょう した連合 れんごう 軍 ぐん 兵士 へいし は作戦 さくせん 全体 ぜんたい の死傷 ししょう 者 しゃ の70%にも達 たっ した[1]
出現 しゅつげん した当初 とうしょ からストークス型 がた 迫撃 はくげき 砲 ほう の完成 かんせい 度 ど は高 たか く、第 だい 二 に 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん 期 き に更 さら に洗練 せんれん され、現代 げんだい に至 いた るまで基本 きほん 構造 こうぞう に大 おお きな変化 へんか はない。主要 しゅよう な参戦 さんせん 国 こく の地上 ちじょう 部隊 ぶたい は必 かなら ず迫撃 はくげき 砲 ほう を装備 そうび していた。
日本 にっぽん 陸軍 りくぐん においては、ストークス型 がた 迫撃 はくげき 砲 ほう の導入 どうにゅう 以前 いぜん から「曲射 きょくしゃ 歩兵 ほへい 砲 ほう 」という名称 めいしょう でミーネンベルファー類似 るいじ の小型 こがた の迫撃 はくげき 砲 ほう を装備 そうび していたが、これを更新 こうしん するものとして軽量 けいりょう の榴弾 りゅうだん 砲 ほう を配備 はいび したため、直接 ちょくせつ 照準 しょうじゅん での射撃 しゃげき のできないストークス型 がた 迫撃 はくげき 砲 ほう については当初 とうしょ は導入 どうにゅう を見送 みおく り、瓦斯 がす 弾 だん 投射 とうしゃ 機 き 兼用 けんよう の砲兵 ほうへい 装備 そうび として採用 さいよう された拡大 かくだい 型 がた (口径 こうけい 90mm・射程 しゃてい 3,800m)の迫撃 はくげき 砲 ほう を砲兵 ほうへい 所管 しょかん の独立 どくりつ 部隊 ぶたい に配備 はいび するに留 とど まっていた。しかし、支 ささえ 那 な 戦線 せんせん において中国 ちゅうごく 軍 ぐん が使用 しよう するドイツ製 せい 迫撃 はくげき 砲 ほう の威力 いりょく を目 ま の当 あ たりにし、改 あらた めて口径 こうけい 81mmのストークス型 がた 迫撃 はくげき 砲 ほう を九 きゅう 七 なな 式 しき 曲射 きょくしゃ 歩兵 ほへい 砲 ほう という名称 めいしょう で歩兵 ほへい 部隊 ぶたい にも配備 はいび することになったという経緯 けいい がある。また、海軍 かいぐん では九 きゅう 七 なな 式 しき 曲射 きょくしゃ 歩兵 ほへい 砲 ほう を簡略 かんりゃく 化 か した三 さん 式 しき 迫撃 はくげき 砲 ほう を海防 かいぼう 艦 かん の艦橋 かんきょう 前 まえ に設置 せっち し、潜水 せんすい 艦 かん に対 たい する威嚇 いかく 攻撃 こうげき に用 もち いたほか、陸軍 りくぐん も機動 きどう 艇 てい などの揚陸 ようりく 艦 かん の艦 かん 首 くび に迫撃 はくげき 砲 ほう を装備 そうび して揚陸 ようりく 時 じ の支援 しえん 射撃 しゃげき に用 もち いた。なお、陸軍 りくぐん においては砲兵 ほうへい 所管 しょかん のものを「迫撃 はくげき 砲 ほう 」、歩兵 ほへい 所管 しょかん のものを「曲射 きょくしゃ 歩兵 ほへい 砲 ほう 」と称 しょう するが、形式 けいしき としてはいずれも同 おな じ迫撃 はくげき 砲 ほう である。
第 だい 二 に 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん では歩兵 ほへい の機械 きかい 化 か が進 すす み、自 じ 走 はし 式 しき の迫撃 はくげき 砲 ほう も登場 とうじょう した。軽量 けいりょう の迫撃 はくげき 砲 ほう は車載 しゃさい 化 か も容易 ようい で、トラック の車台 しゃだい に既製 きせい の迫撃 はくげき 砲 ほう を搭載 とうさい しただけのものから、既存 きそん の装甲 そうこう 車両 しゃりょう を改造 かいぞう して固定 こてい 武装 ぶそう 化 か したものまで様々 さまざま である。
また、迫撃 はくげき 砲 ほう ではないが、同 おな じ"mortar"である臼砲 きゅうほう ・曲射 きょくしゃ 砲 ほう では、ドイツ の「カール自 じ 走 はし 臼砲 きゅうほう (口径 こうけい 540mmまたは600mm)」、米国 べいこく の「リトル・デーヴィッド (口径 こうけい 914mm)といった巨 きょ 砲 ほう も製造 せいぞう された。
5cm迫撃 はくげき 砲 ほう IGrW36第 だい 二 に 次 じ 大戦 たいせん 中 ちゅう のドイツ軍 ぐん が使用 しよう した軽 けい 迫撃 はくげき 砲 ほう 。命中 めいちゅう 精度 せいど は良 よ かったが構造 こうぞう が複雑 ふくざつ で重 おも く、50mm口径 こうけい では威力 いりょく 不足 ふそく のため大戦 たいせん 中盤 ちゅうばん 以降 いこう は第 だい 一線 いっせん を退 しりぞ いた
120mm迫撃 はくげき 砲 ほう PM-38後継 こうけい のPM-43と併 あわ せ、第 だい 二 に 次 じ 大戦 たいせん 中 ちゅう の最優秀 さいゆうしゅう 迫撃 はくげき 砲 ほう と称 しょう されるソ連 それん 軍 ぐん の傑作 けっさく 重 じゅう 迫撃 はくげき 砲 ほう 。ドイツ軍 ぐん は本 ほん 砲 ほう の性能 せいのう を高 たか く評価 ひょうか し、ほぼフルコピーである12cm迫撃 はくげき 砲 ほう GrW42を開発 かいはつ した
T5E1迫撃 はくげき 砲 ほう 輸送 ゆそう 車 しゃ 第 だい 二 に 次 じ 大戦 たいせん では、このような自 じ 走 はし 迫撃 はくげき 砲 ほう も初 はじ めて登場 とうじょう した。ただし、当時 とうじ のものは兵員 へいいん 輸送 ゆそう 車輌 しゃりょう 等 とう に既存 きそん の迫撃 はくげき 砲 ほう を搭載 とうさい しただけのものが多 おお い
82mm自動 じどう 迫撃 はくげき 砲 ほう 2B9"Vasilek" クリップで連結 れんけつ された4発 はつ の砲弾 ほうだん を連射 れんしゃ できる
前述 ぜんじゅつ のとおり、一般 いっぱん 的 てき な迫撃 はくげき 砲 ほう の外観 がいかん や基本 きほん 構造 こうぞう は第 だい 二 に 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん 時 とき からほとんど変化 へんか していないが、近年 きんねん ではアルミニウム合金 ごうきん の多用 たよう など素材 そざい の改良 かいりょう によって軽量 けいりょう 化 か が進 すす んでおり、各国 かっこく の軍隊 ぐんたい では従来 じゅうらい 装備 そうび していたものより一 いち 回 まわ り大 おお きな口径 こうけい の迫撃 はくげき 砲 ほう に更新 こうしん する例 れい が多 おお い。105-122mmクラスの榴弾 りゅうだん 砲 ほう を120mm重 じゅう 迫撃 はくげき 砲 ほう へ換 かわ 装 そう する例 れい も増 ふ えており、迫撃 はくげき 砲 ほう は今後 こんご も砲撃 ほうげき 用 よう プラットフォームとして更 さら に多用 たよう される傾向 けいこう にある。
砲弾 ほうだん の進化 しんか では、例 たと えばロケット・アシスト弾 だん (RAP)の採用 さいよう で射程 しゃてい は更 さら に延伸 えんしん しており25,000mもの射程 しゃてい をもつ迫撃 はくげき 砲 ほう も存在 そんざい する。120mm迫撃 はくげき 砲 ほう RT のRAP弾 だん は射程 しゃてい 約 やく 13,000mであり、105mmまたは122mm榴弾 りゅうだん 砲 ほう の射程 しゃてい (通常 つうじょう 弾 だん )15,000mに迫 せま りつつある。また、赤外線 せきがいせん やレーザーによる対戦 たいせん 車 しゃ 誘導 ゆうどう 弾 だん の開発 かいはつ など、命中 めいちゅう 精度 せいど を著 いちじる しく向上 こうじょう させた砲弾 ほうだん も出現 しゅつげん しており、これらの先進 せんしん 的 てき な砲弾 ほうだん は高価 こうか だが弾薬 だんやく 消費 しょうひ 量 りょう は激減 げきげん する。
自 じ 走 はし 迫撃 はくげき 砲 ほう にも様々 さまざま なものが登場 とうじょう しているが、大半 たいはん は車体 しゃたい 容積 ようせき の大 おお きな装甲 そうこう 兵員 へいいん 輸送 ゆそう 車 しゃ などに既存 きそん の迫撃 はくげき 砲 ほう の砲身 ほうしん を設置 せっち するターンテーブル[注 ちゅう 12] と砲弾 ほうだん 格納 かくのう 架 か を搭載 とうさい したもので、砲身 ほうしん を取 と り外 はず して車外 しゃがい で運用 うんよう することも想定 そうてい し、支持 しじ 架 か や底 そこ 盤 ばん を別途 べっと 用意 ようい していることも多 おお い。
ただし、自 じ 走 はし 迫撃 はくげき 砲 ほう として専用 せんよう に開発 かいはつ された車輌 しゃりょう も存在 そんざい し、ロシア の2S4チュリパン 240mm自 じ 走 はし 迫撃 はくげき 砲 ほう は自動 じどう 装填 そうてん 機構 きこう を有 ゆう した後 のち 装 そう 式 しき の自 じ 走 はし 迫撃 はくげき 砲 ほう であり、2S9ノーナ-S 120mm自 じ 走 はし 砲 ほう のように砲塔 ほうとう を備 そな え、直接 ちょくせつ 照準 しょうじゅん による平射 へいしゃ も可能 かのう な自 じ 走 はし 迫撃 はくげき 砲 ほう も登場 とうじょう した。もちろん自動 じどう 装填 そうてん 装置 そうち を有 ゆう し高 たか い速射 そくしゃ 能力 のうりょく をもつ。また、特殊 とくしゅ な例 れい だが、イスラエル の戦車 せんしゃ は対 たい 歩兵 ほへい 用 よう として砲塔 ほうとう 外部 がいぶ に60mm迫撃 はくげき 砲 ほう を装備 そうび していることが多 おお く、特 とく に国産 こくさん 戦車 せんしゃ メルカバ のMk.2以降 いこう は後 こう 装 そう 式 しき のソルタム60mm迫撃 はくげき 砲 ほう を砲塔 ほうとう に内蔵 ないぞう して車内 しゃない からの操作 そうさ が可能 かのう となっている。
自 じ 走 はし 式 しき ではない迫撃 はくげき 砲 ほう でも1970年代 ねんだい に自動 じどう 装填 そうてん タイプのものが登場 とうじょう し、例 たと えば2B9 82mm自動 じどう 迫撃 はくげき 砲 ほう は4発 はつ の砲弾 ほうだん を連射 れんしゃ でき、榴弾 りゅうだん 砲 ほう のような外観 がいかん をもつ。また、フランス のトムソン・ブラント社 しゃ は、ガン・モーター と呼 よ ばれる迫撃 はくげき 砲 ほう と旧来 きゅうらい の歩兵 ほへい 砲 ほう を組 く み合 あ わせたような射撃 しゃげき システムを開発 かいはつ し、60mmおよび81mmのものが歩兵 ほへい 戦闘 せんとう 車 しゃ などを改修 かいしゅう して装備 そうび されている。いずれも直接 ちょくせつ 照準 しょうじゅん による平射 へいしゃ が可能 かのう で、対 たい 歩兵 ほへい 戦 せん で大 おお きな威力 いりょく を発揮 はっき する。
なお、安価 あんか で操作 そうさ が容易 ようい な上 うえ 、軽量 けいりょう なわりに大 おお きな破壊 はかい 力 りょく をもつ迫撃 はくげき 砲 ほう (特 とく に60-82mmの中 なか 口径 こうけい 迫撃 はくげき 砲 ほう )は、正規 せいき 軍 ぐん 以外 いがい にもゲリラ や反 はん 政府 せいふ 武装 ぶそう 組織 そしき に使用 しよう されることも多 おお く、他 た の小 しょう 火器 かき と併 あわ せ、地域 ちいき 紛争 ふんそう を激化 げきか させることが懸念 けねん されている。
最新 さいしん または開発 かいはつ 中 ちゅう の迫撃 はくげき 砲 ほう [ 編集 へんしゅう ]
機関 きかん 銃 じゅう や榴弾 りゅうだん 砲 ほう の基本 きほん 構造 こうぞう が80年 ねん 前 まえ にほぼ完成 かんせい され、現代 げんだい でもほとんど変化 へんか していないのと同様 どうよう に、迫撃 はくげき 砲 ほう のメカニズムも砲 ほう 本体 ほんたい の構造 こうぞう は既 すで に固 かた まっているため、冷戦 れいせん 後 ご の1990年代 ねんだい に入 はい ってからは砲弾 ほうだん や給 きゅう 弾 だん 機構 きこう 、射撃 しゃげき 管制 かんせい システム の改良 かいりょう が開発 かいはつ の主眼 しゅがん となっている。
例 たと えば、スイス のRUAG社 しゃ が開発 かいはつ した120mm迫撃 はくげき 砲 ほう 射撃 しゃげき システム"BIGHORN "は、セミ・オートマチック装填 そうてん 方式 ほうしき のため比較的 ひかくてき 軽量 けいりょう で高 たか い発射 はっしゃ 速度 そくど を確保 かくほ しており、歩兵 ほへい 戦闘 せんとう 車 しゃ などに搭載 とうさい して高 たか い機動 きどう 性 せい を発揮 はっき する。STRIXなどの誘導 ゆうどう 砲弾 ほうだん も使用 しよう でき、操作性 そうさせいわる の高 たか い射撃 しゃげき 管制 かんせい システムが攻撃 こうげき をアシストする。
また、フィンランド のパトリア社 しゃ およびスウェーデン のBAEヘグルント社 しゃ が協同 きょうどう で開発 かいはつ した"AMOS "も連装 れんそう 型 がた の120mm迫撃 はくげき 砲 ほう 射撃 しゃげき システムで、車両 しゃりょう だけでなく小型 こがた 舟艇 しゅうてい にも搭載 とうさい が可能 かのう となっている。単 たん 装 そう 型 がた は"NEMO "と称 しょう する。いずれも平射 へいしゃ が可能 かのう で近距離 きんきょり 戦闘 せんとう にも対応 たいおう できる。
アメリカ海兵 かいへい 隊 たい においてもEFSSドラゴンファイア を開発 かいはつ 中 ちゅう であり、歩兵 ほへい 戦闘 せんとう 車 しゃ クラスの車輌 しゃりょう に搭載 とうさい できる120mmクラスの自動 じどう 装填 そうてん 式 しき 迫撃 はくげき 砲 ほう と新型 しんがた の射撃 しゃげき 管制 かんせい システムを統合 とうごう したユニットの開発 かいはつ が近年 きんねん の傾向 けいこう である。
これらの射撃 しゃげき システムを搭載 とうさい した車輌 しゃりょう は、射程 しゃてい こそ短 みじか いものの迫撃 はくげき 砲 ほう の速射 そくしゃ 性 せい を併 あわ せもつため軽量 けいりょう ながら従来 じゅうらい 型 がた の自 じ 走 はし 砲 ほう よりも大幅 おおはば に攻撃 こうげき 力 りょく が向上 こうじょう している。装 そう 輪 わ タイプの車輌 しゃりょう に搭載 とうさい されたものも多 おお いが、装 そう 輪 わ 車輌 しゃりょう は砂漠 さばく や泥濘 でいねい 地 ち 以外 いがい なら装 そう 軌車輌 りょう よりも機動 きどう 力 りょく が高 たか く、流動的 りゅうどうてき な戦闘 せんとう の推移 すいい にも迅速 じんそく に追随 ついずい でき、戦場 せんじょう の変化 へんか に柔軟 じゅうなん な対応 たいおう が可能 かのう である。また、小型 こがた 舟艇 しゅうてい にも搭載 とうさい 可能 かのう であることから、沿岸 えんがん 部 ぶ や河川 かせん などでの地上 ちじょう ・水上 みずかみ 戦闘 せんとう における戦術 せんじゅつ も変化 へんか することが予測 よそく される。
EFSS"DragonFireII"
BIGHORN
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58mm迫撃 はくげき 砲 ほう 2型 がた 第 だい 一 いち 次 じ 大戦 たいせん でフランスが使用 しよう した
イスラエルのダヴィドカ珍 めずら しく戦後 せんご も使用 しよう されたスピガット・モーターである
"spigot mortar "、直訳 ちょくやく すると「差込 さしこみ 型 がた 迫撃 はくげき 砲 ほう 」となるこの兵器 へいき は、第 だい 一 いち 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん 時 とき にミーネンヴェルファーやストークス・モーターと共 とも に多用 たよう された曲射 きょくしゃ 砲 ほう の一 いち 形態 けいたい で、ロケットランチャー に近 ちか い運用 うんよう がなされた。ただし、砲弾 ほうだん はロケット弾 だん のように飛翔 ひしょう 中 ちゅう に推進 すいしん されるわけではない。
構造 こうぞう は一般 いっぱん 的 てき な迫撃 はくげき 砲 ほう よりも更 さら に簡素 かんそ で、基 もと 底部 ていぶ (台座 だいざ )に棒状 ぼうじょう または中空 なかぞら のロッドが接合 はぎあわ され、砲弾 ほうだん をロッドに差 さ し込 こ むことで装填 そうてん される。支持 しじ 架 か はないことも多 おお い。ロッド(砲身 ほうしん )の直径 ちょっけい よりも大 だい 口径 こうけい の砲弾 ほうだん を装填 そうてん できるため、砲 ほう 自体 じたい のサイズと比 ひ してかなり大 おお きい砲弾 ほうだん を射出 しゃしゅつ できることが特徴 とくちょう である。ただし、破壊 はかい 力 りょく が大 おお きい反面 はんめん 、命中 めいちゅう 精度 せいど や射程 しゃてい 、発射 はっしゃ 速度 そくど は劣 おと り、例 たと えば第 だい 一 いち 次 じ 大戦 たいせん で用 もち いられた2インチ中 ちゅう 迫撃 はくげき 砲 ほう の射程 しゃてい はニュートン6インチ迫撃 はくげき 砲 ほう の半分 はんぶん 以下 いか である(砲弾 ほうだん 重量 じゅうりょう はいずれも約 やく 24kg)。
このため、第 だい 一 いち 次 じ 大戦 たいせん 後 ご はストークスの迫撃 はくげき 砲 ほう に淘汰 とうた されてほとんど用 もち いられなくなった。歩兵 ほへい の直 じき 協 きょう 支援 しえん 用 よう としては砲弾 ほうだん が重 おも 過 す ぎて少量 しょうりょう しか携行 けいこう できない上 うえ にストークス型 がた ほどの速射 そくしゃ はできず、また、火力 かりょく 支援 しえん 用 よう としてはロケットランチャーのほうが射程 しゃてい も長 なが く軽便 けいべん で、性能 せいのう が中途半端 ちゅうとはんぱ だったためである(ロケットランチャーも命中 めいちゅう 精度 せいど は同様 どうよう に悪 わる い)。
しかし、日本 にっぽん 陸軍 りくぐん は大 だい 威力 いりょく を簡便 かんべん に扱 あつか える点 てん に着目 ちゃくもく して九 きゅう 八 はち 式 しき 臼砲 きゅうほう を開発 かいはつ し、太平洋戦争 たいへいようせんそう で運用 うんよう した。また第 だい 二 に 次 じ 大戦 たいせん 中 ちゅう のドイツ国防 こくぼう 軍 ぐん は、二 に 線 せん 級 きゅう 兵器 へいき となった小 しょう 口径 こうけい 火砲 かほう にスピガット・モーターのような差込 さしこみ 式 しき の外 そと 付 づ け砲弾 ほうだん を用 もち いて火力 かりょく の不足 ふそく を補 おぎな っていた。戦後 せんご においても、第 だい 一 いち 次 じ 中東 ちゅうとう 戦争 せんそう で兵器 へいき 不足 ふそく に悩 なや まされたイスラエル がダヴィドカ迫撃 はくげき 砲 ほう を生産 せいさん して使用 しよう している。
なお、野戦 やせん 用 よう としては使 つか われなくなったが、スピガット・モーターの構造 こうぞう や射出 しゃしゅつ 方式 ほうしき は幅広 はばひろ く応用 おうよう されており、スピガット・モーターから派生 はせい した兵器 へいき は下記 かき のとおり少 すく なくない。それぞれの詳細 しょうさい は当該 とうがい 記事 きじ を参照 さんしょう 。
小銃 しょうじゅう 擲弾
小銃 しょうじゅう 擲弾 は小銃 しょうじゅう の先端 せんたん に装着 そうちゃく して曲射 きょくしゃ する擲弾 のこと。第 だい 一 いち 次 じ 大戦 たいせん 時 じ に使用 しよう された初期 しょき のものは反動 はんどう が強 つよ く、台座 だいざ を利用 りよう したり銃床 じゅうしょう を接地 せっち して軽 けい 迫撃 はくげき 砲 ほう のように射撃 しゃげき するものが多 おお かった。
現代 げんだい ではグレネードランチャー が普及 ふきゅう したため、米 べい 軍 ぐん では殆 ほとん ど用 もち いられないが、22mmライフルグレネード として東西 とうざい 両 りょう 陣営 じんえい で標準 ひょうじゅん 化 か されている。「専用 せんよう のランチャーなしでも撃 う てる、小銃 しょうじゅう さえあれば誰 だれ でも撃 う てる」という、グレネードランチャーにはない特長 とくちょう があるため、自衛隊 じえいたい をはじめ、イタリア軍 ぐん やフランス軍 ぐん などグレネードランチャーより積極 せっきょく 的 てき に用 もち いている国 くに もある。
対戦 たいせん 車 しゃ 兵器 へいき
第 だい 二 に 次 じ 大戦 たいせん 中 ちゅう に開発 かいはつ されたイギリス のブラッカー・ボンバード やPIAT は、薬 くすり 室 しつ 後方 こうほう が閉鎖 へいさ されているという構造 こうぞう 上 じょう の特徴 とくちょう や曲射 きょくしゃ 弾道 だんどう という点 てん でスピガット・モーターに分類 ぶんるい される。
また、戦後 せんご 登場 とうじょう したソ連 それん のRPG-7 は、発射 はっしゃ 機 き のサイズのわりに大 おお きめの砲弾 ほうだん を使用 しよう できるというスピガット・モーターの特徴 とくちょう と、ロケット弾 だん を組 く み合 あ わせた画期的 かっきてき な携行 けいこう 型 がた 対戦 たいせん 車 しゃ 兵器 へいき である。
対 たい 潜 せん 兵器 へいき
爆雷 ばくらい をより遠 とお くまで投射 とうしゃ するためにスキッド やリンボー 、ヘッジホッグ などの対 たい 潜 せん 兵器 へいき が開発 かいはつ され、駆逐 くちく 艦 かん やフリゲート などに搭載 とうさい された。これらは「対 たい 潜 せん ロケット弾 だん 」と訳 やく されることが多 おお いが、厳密 げんみつ には多連装 たれんそう のスピガット・モーターである。日本語 にほんご の「迫撃 はくげき 砲 ほう 」という用語 ようご には馴染 なじ まないが、「対 たい 潜 せん 迫撃 はくげき 砲 ほう 」と訳 やく されることも多 おお い。
22mmライフルグレネード
画像 がぞう は
M1ガーランド に
装着 そうちゃく されたもの。
銃弾 じゅうだん より
重 おも いグレネードは、
反作用 はんさよう の
影響 えいきょう で
反動 はんどう も
相当 そうとう 大 おお きくなる
PIAT (ピアット)
第 だい 二 に 次 じ 大戦 たいせん 中 ちゅう に
英国 えいこく が
使用 しよう した
歩兵 ほへい 携行 けいこう 型 がた の
対戦 たいせん 車 しゃ 兵器 へいき 。
構造 こうぞう 上 じょう の
特徴 とくちょう から"anti-tank mortar"に
分類 ぶんるい される。
最大 さいだい 射程 しゃてい 350mで、100mm
厚 あつ の
装甲 そうこう を
貫徹 かんてつ できる
成形 せいけい 炸薬 さくやく 弾 だん を
射出 しゃしゅつ した
ヘッジホッグ こちらも
第 だい 二 に 次 じ 大戦 たいせん 中 ちゅう に
英国 えいこく が
開発 かいはつ した
対 たい 潜 せん 兵器 へいき で、
一 いち 度 ど に24
発 はつ など
多数 たすう の
弾頭 だんとう を
射出 しゃしゅつ できた。
事前 じぜん の
深度 しんど 調 ちょう 定 じょう が
必要 ひつよう な
爆雷 ばくらい とは
異 こと なり
接触 せっしょく 起爆 きばく 型 がた のため
深度 しんど に
制約 せいやく が
無 な く、
一発 いっぱつ でも
命中 めいちゅう すれば
他 た の
弾頭 だんとう も
誘爆 ゆうばく するため、
対 たい 潜水 せんすい 艦 かん 戦 せん で
大 おお きな
効果 こうか を
発揮 はっき した。ちなみに、「ヘッジホッグ」とは「ハリネズミ」のことである
スピガット・モーター以外 いがい にも、以下 いか のような迫撃 はくげき 砲 ほう の亜種 あしゅ や類似 るいじ する兵器 へいき が存在 そんざい する。
ルフトミーネンヴェルファー
第 だい 一 いち 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん でオーストリア=ハンガリー帝国 ていこく が用 もち いた空 そら 圧 あつ 式 しき の迫撃 はくげき 砲 ほう で("Luft"=空気 くうき )、火薬 かやく ではなく圧縮 あっしゅく 空気 くうき の力 ちから で砲弾 ほうだん を射出 しゃしゅつ する。迫撃 はくげき 砲 ほう は着弾 ちゃくだん までの時間 じかん が長 なが いため、敵 てき が退避 たいひ 態勢 たいせい をとる可能 かのう 性 せい も増 ま すが、圧縮 あっしゅく 空気 くうき では射撃 しゃげき 時 じ の閃光 せんこう ・砲煙 ほうえん が出 で ず、発射 はっしゃ 音 おん も小 ちい さいという利点 りてん がある。このため砲撃 ほうげき したことを敵 てき に察知 さっち されにくく、射撃 しゃげき 位置 いち も特定 とくてい されにくい。しかし、空気 くうき を圧縮 あっしゅく するためのコンプレッサーと貯蔵 ちょぞう 用 よう のボンベが必要 ひつよう なうえ、再 さい 充填 じゅうてん に手間 てま がかかり重 おも く不便 ふべん であることから第 だい 一 いち 次 じ 大戦 たいせん 後 ご は廃 すた れた。なお、開発 かいはつ したのはドイツ だが、自軍 じぐん では使用 しよう していない。
対空 たいくう 迫撃 はくげき 砲 ほう
第 だい 二 に 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん 中 なか 、きわめて珍 めずら しいが日本 にっぽん の阻塞弾 だん 発射 はっしゃ 機 き やイギリス のホールマン投射 とうしゃ 機 き のように迫撃 はくげき 砲 ほう を対空 たいくう 兵器 へいき として利用 りよう しようという試 こころ みもなされた。しかし、高射 こうしゃ 砲 ほう や機関 きかん 砲 ほう が不足 ふそく していた故 ゆえ の代替 だいたい 兵器 へいき にすぎず、所期 しょき の成果 せいか を得 え ることはできなかったため普及 ふきゅう には至 いた らなかった。
その他 た の粗製 そせい 迫撃 はくげき 砲 ほう
迫撃 はくげき 砲 ほう の射撃 しゃげき メカニズムは非常 ひじょう にシンプルで、命中 めいちゅう 精度 せいど や耐久 たいきゅう 性 せい を度外視 どがいし すれば砲身 ほうしん は鉄 てつ パイプでも代用 だいよう 可能 かのう である。構造 こうぞう が簡単 かんたん で製造 せいぞう に高度 こうど な技術 ぎじゅつ や設備 せつび を必要 ひつよう としない粗製 そせい 迫撃 はくげき 砲 ほう は、アイルランドのバラックバスター や日本 にっぽん の迫撃 はくげき 弾 だん のように、テロリストの密造 みつぞう 兵器 へいき として世界中 せかいじゅう で使用 しよう されてきた。
防毒 ぼうどく マスクを装着 そうちゃく した西部 せいぶ 戦線 せんせん の兵士 へいし (1917年 ねん /ベルギー)
リーベンス・プロジェクター
化学 かがく 兵器 へいき の運用 うんよう 部隊 ぶたい の多 おお くは迫撃 はくげき 砲 ほう を装備 そうび していた。これは、毒 どく ガスなどの化学 かがく 物質 ぶっしつ が充填 じゅうてん された砲弾 ほうだん を短時間 たんじかん で大量 たいりょう に投射 とうしゃ する手段 しゅだん として迫撃 はくげき 砲 ほう が適 てき していたためである。化学 かがく 戦 せん での運用 うんよう を前提 ぜんてい に開発 かいはつ された迫撃 はくげき 砲 ほう も存在 そんざい し、これらは前述 ぜんじゅつ の理由 りゆう から大 だい 口径 こうけい のものが多 おお い。第 だい 一 いち 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん では広 ひろ く利用 りよう された毒 どく ガスだが、戦術 せんじゅつ 上 じょう きわめて扱 あつか いにくく効果 こうか の測定 そくてい も不確 ふたし かなため、第 だい 二 に 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん では実戦 じっせん で使用 しよう される機会 きかい が少 すく なく、通常 つうじょう 弾 だん を用 もち いる火力 かりょく 支援 しえん などを行 おこな うようになった部隊 ぶたい が多 おお い。
イギリス軍 ぐん
第 だい 一 いち 次 じ 大戦 たいせん 中 ちゅう に使用 しよう されたリーベンス・プロジェクター は、化学 かがく 戦 せん 専用 せんよう に開発 かいはつ された迫撃 はくげき 砲 ほう である。第 だい 一 いち 次 じ 大戦 たいせん では、英国 えいこく 以外 いがい の軍隊 ぐんたい も毒 どく ガスを多用 たよう した。
アメリカ軍 ぐん
第 だい 二 に 次 じ 大戦 たいせん 中 ちゅう 、一部 いちぶ の歩兵 ほへい 師団 しだん の隷下 れいか に化学 かがく 迫撃 はくげき 砲 ほう 大隊 だいたい (chemical mortar battalion)という化学 かがく 戦 せん 部隊 ぶたい を編成 へんせい しており、M2 107mm迫撃 はくげき 砲 ほう を装備 そうび していた。
日本 にっぽん 軍 ぐん
九 きゅう 四 よん 式 しき 軽 けい 迫撃 はくげき 砲 ほう は当初 とうしょ から化学 かがく 戦 せん 用 よう のガス弾 だん 投射 とうしゃ 機 き として開発 かいはつ された。
ドイツ軍 ぐん
10cmNbW35 や10cmNbW40 といった化学 かがく 戦 せん 用 よう の迫撃 はくげき 砲 ほう を開発 かいはつ していた。"NbW"はネーベルヴェルファー を指 さ し、ロケット・ランチャーである41型 がた 以降 いこう がよく知 し られているが、初期 しょき の35型 がた ・40型 がた は迫撃 はくげき 砲 ほう である。直訳 ちょくやく すれば「煙幕 えんまく 発射 はっしゃ 機 き 」で、本来 ほんらい の用途 ようと を欺瞞 ぎまん するための名称 めいしょう である。
一斉 いっせい に放出 ほうしゅつ される毒 どく ガスの白 しろ 煙 けむり 。風向 かざむ き次第 しだい では友軍 ゆうぐん に被害 ひがい を及 およ ぼすため、兵器 へいき としては大変 たいへん 扱 あつか いにくかった
以下 いか では、時代 じだい ごとの迫撃 はくげき 砲 ほう を列挙 れっきょ する。一部 いちぶ 、参考 さんこう のため近 きん 現代 げんだい の迫撃 はくげき 砲 ほう (ストークス型 がた 迫撃 はくげき 砲 ほう )以外 いがい の"mortar"も掲載 けいさい 。
^ 真空 しんくう 中 ちゅう であれば砲弾 ほうだん は放物線 ほうぶつせん を描 えが くが、迫撃 はくげき 砲 ほう は最 もっと も強 つよ く空気 くうき 抵抗 ていこう の影響 えいきょう を受 う けるため砲弾 ほうだん の落下 らっか 角度 かくど は垂直 すいちょく に近 ちか くなる。詳 くわ しくは斜 はす 方 かた 投射 とうしゃ を参照 さんしょう
^ 砲 ほう 口 こう 初速 しょそく (muzzle velocity)とは、砲身 ほうしん から射出 しゃしゅつ された直後 ちょくご の砲弾 ほうだん の飛翔 ひしょう 速度 そくど のこと。単 たん に初速 しょそく ともいう。砲弾 ほうだん が砲身 ほうしん 内 ない を進 すす んでいる間 あいだ は装 そう 薬 やく の燃焼 ねんしょう ガスによる圧力 あつりょく で加速 かそく し続 つづ けるため、長 ちょう 砲身 ほうしん であるほど初速 しょそく は高 たか くなる(ただしバランスがあり、砲身 ほうしん 長 ちょう が長 た ければ長 なが いほど良 よ いとは限 かぎ らない)
^ 「口径 こうけい 」には二 に 通 とお りの意味 いみ があり、ストレートに砲 ほう 口 こう 直径 ちょっけい が何 なに mmであるかを指 さ す場合 ばあい (例 たと えば「口径 こうけい 155 mm」と表記 ひょうき )と、砲身 ほうしん 長 ちょう が砲 ほう 口 こう 直径 ちょっけい の何 なん 倍 ばい であるかを指 さ す場合 ばあい (例 たと えば「71口径 こうけい 88 mm砲 ほう 」と表記 ひょうき )がある。後者 こうしゃ は「口径 こうけい 長 ちょう 」を略 りゃく した「口径 こうけい 」である。紛 まぎ らわしいのが拳銃 けんじゅう や小銃 しょうじゅう ・機関 きかん 銃 じゅう などの口径 こうけい 表記 ひょうき で、例 たと えば30口径 こうけい は銃身 じゅうしん 長 ちょう ではなく口径 こうけい 7.62 mmを指 さ す。50口径 こうけい なら12.7 mmで、これは1インチ (25.4 mm)の0.3倍 ばい 、0.5倍 ばい であることから。「.30」「.50」と表記 ひょうき することもある
^ 砲 ほう 全般 ぜんぱん の分類 ぶんるい や用語 ようご そのものが曖昧 あいまい で、厳密 げんみつ な分類 ぶんるい は非常 ひじょう に困難 こんなん 。同 おな じ用語 ようご でも国 くに や時代 じだい によって語義 ごぎ やその範囲 はんい が異 こと なることもある。また、日本語 にほんご には紛 まぎ らわしい和訳 わやく や造語 ぞうご が多 おお いので注意 ちゅうい を要 よう する。例 れい として、英語 えいご の"cannon(キャノン)"は全 すべ ての火砲 かほう を包括 ほうかつ する名詞 めいし だが、大日本帝国 だいにっぽんていこく 陸軍 りくぐん において「加 か 農 のう (カノン砲 ほう )」とは長 ちょう 砲身 ほうしん 砲 ほう を指 さ す(帝国 ていこく 陸軍 りくぐん はドイツ式 しき に範 はん をとったため、ドイツ語 ご の"kanone"に由来 ゆらい )。また、「榴弾 りゅうだん 」は弾 たま 種 しゅ を指 さ す用語 ようご でほぼ全 すべ ての火砲 かほう (砲 ほう 種 しゅ )で使用 しよう する砲弾 ほうだん だが、「榴弾 りゅうだん 砲 ほう 」として砲 ほう 自体 じたい の名称 めいしょう に用 もち いられる。
^ 「被 ひ 牽引 けんいん 用 よう のトレーラー」とは、タイヤとトレイル(脚 あし )で構成 こうせい された車台 しゃだい のことで、牽引 けんいん する側 がわ (牽引 けんいん 車 しゃ )のトラクターのことではない
^ ロシア製 せい (または旧 きゅう 共産 きょうさん 圏 けん )の中 なか 口径 こうけい 迫撃 はくげき 砲 ほう は81mmではなく82mm口径 こうけい であり、ロシア軍 ぐん は敵 てき の81mm砲弾 ほうだん も使用 しよう できるが相手 あいて 側 がわ はロシア軍 ぐん の82mm砲弾 ほうだん を使用 しよう できない。ただし、間隙 かんげき が1mm増 ま すため射程 しゃてい 距離 きょり や命中 めいちゅう 精度 せいど などの点 てん で所期 しょき の性能 せいのう を発揮 はっき できるわけではない
^ 砲身 ほうしん 長 ちょう 10口径 こうけい 未満 みまん は「臼砲 きゅうほう 」とする定義 ていぎ もあるが、ほとんどの臼砲 きゅうほう は更 さら に短 みじか い砲身 ほうしん であることが多 おお い
^ 駐 ちゅう 退 すさ 機 き と復 ふく 座 ざ 機 き は一体化 いったいか されていることも多 おお く、「駐 ちゅう 退 すさ 復 ふく 座 ざ 機 き 」と称 しょう する
^ レーザー誘導 ゆうどう を行 おこな うためには目標 もくひょう にレーザーを照射 しょうしゃ する観測 かんそく 班 はん が必要 ひつよう である
^ 「壊滅 かいめつ 」とは、部隊 ぶたい が30%以上 いじょう の人員 じんいん 損耗 そんこう を受 う け、戦闘 せんとう 力 りょく を大幅 おおはば に喪失 そうしつ して補充 ほじゅう などを受 う けねば戦力 せんりょく にならない状態 じょうたい を指 さ す。「無力 むりょく 化 か 」とは、部隊 ぶたい が10%以上 いじょう の人員 じんいん 損耗 そんこう を受 う け、数時間 すうじかん は交戦 こうせん できない状態 じょうたい を指 さ す。「制圧 せいあつ 」とは、敵 てき 兵 へい の攻撃 こうげき を中断 ちゅうだん させ、掩蔽 えんぺい へ追 お い立 た てて応射 おうしゃ の精度 せいど と威力 いりょく を削 そ ぐことである
^ 第 だい 一 いち 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん 時 じ において、ミーネンヴェルファー を扱 あつか うのは戦闘 せんとう 工兵 こうへい であり、工兵 こうへい 科 か の管轄 かんかつ に属 ぞく していた。同 どう 時期 じき に砲兵 ほうへい 部隊 ぶたい ではミーネンヴェルファーそっくりな形状 けいじょう と性能 せいのう の臼砲 きゅうほう を運用 うんよう していた
^ ターンテーブルは360度 ど 旋回 せんかい が可能 かのう なものが多 おお く、最新 さいしん 型 がた では発射 はっしゃ 時 じ の反動 はんどう による車体 しゃたい やサスペンションへの負担 ふたん を軽減 けいげん させるために駐 ちゅう 退 すさ 復 ふく 座 ざ 機 き を設 もう けていることがある
^ 口径 こうけい が90mmであるにもかかわらず「軽 けい 」と付 つ いている理由 りゆう は欺瞞 ぎまん 用 よう にあえて低 てい 威力 いりょく であるかのように装 よそお ったためという記述 きじゅつ も見 み られるが、単 たん に同 どう 時期 じき に開発 かいはつ された3種 しゅ の迫撃 はくげき 砲 ほう 中 ちゅう 最小 さいしょう 口径 こうけい であった故 ゆえ の名称 めいしょう である。元来 がんらい が第 だい 一 いち 級 きゅう 秘密 ひみつ 兵器 へいき であり、存在 そんざい そのものが秘匿 ひとく されていた。これは化学 かがく 戦 せん での運用 うんよう を第 だい 一 いち とするガス弾 だん 投射 とうしゃ 兵器 へいき であったためであるが、通常 つうじょう 榴弾 りゅうだん も用意 ようい され、実戦 じっせん では中国 ちゅうごく 戦線 せんせん で一部 いちぶ 毒 どく ガス弾 だん を使用 しよう した他 ほか は通常 つうじょう 弾 だん で戦 たたか っている。ストークブラン式 しき 迫撃 はくげき 砲 ほう であるが、簡易 かんい な駐 ちゅう 退 すさ 復 ふく 座 ざ 機 き が設 もう けられている
^ 九 きゅう 四 よん 式 しき 軽 けい 迫撃 はくげき 砲 ほう と同様 どうよう 、150mmクラスであるにもかかわらず欺瞞 ぎまん 用 よう に「中 ちゅう 迫撃 はくげき 砲 ほう 」と名付 なづ けられたとも言 い われるが、同 どう 時期 じき に開発 かいはつ された迫撃 はくげき 砲 ほう で中間 ちゅうかん の口径 こうけい であった故 ゆえ の命名 めいめい である。ストークブラン式 しき 迫撃 はくげき 砲 ほう としては珍 めずら しい大型 おおがた の駐 ちゅう 退 すさ 復 ふく 座 ざ 機 き が設 もう けられ、その複雑 ふくざつ さと大 だい 重量 じゅうりょう が仇 かたき となりほとんど生産 せいさん されずに終 お わった。
^ 九 きゅう 四 よん 式 しき 軽 けい 迫撃 はくげき 砲 ほう から駐 ちゅう 退 すさ 復 ふく 座 ざ 機 き を省 はぶ き、大型 おおがた の木製 もくせい 床板 とこいた を併用 へいよう することで本体 ほんたい の軽量 けいりょう 化 か を図 はか った。ただし、木製 もくせい 床板 とこいた を含 ふく めた重量 じゅうりょう は九 きゅう 四 よん 式 しき 軽 けい 迫撃 はくげき 砲 ほう よりも重 おも くなっている
^ 九 きゅう 六 ろく 式 しき 中 ちゅう 迫撃 はくげき 砲 ほう から駐 ちゅう 退 すさ 復 ふく 座 ざ 機 き を省 はぶ いた簡易 かんい 版 ばん で、「長 ちょう 」(およそ12.9口径 こうけい )と「短 たん 」(およそ9.3口径 こうけい )の2種類 しゅるい が存在 そんざい する。重量 じゅうりょう はそれぞれ「長 ちょう 」342kg、「短 たん 」232.5kgで、九 きゅう 六 ろく 式 しき 中 ちゅう 迫撃 はくげき 砲 ほう の722kgから軽量 けいりょう 化 か が図 はか られたものの、「長 ちょう 」の木製 もくせい の副 ふく 床板 とこいた の重量 じゅうりょう は370kgに及 およ び、本体 ほんたい と合 あ わせた場合 ばあい の重量 じゅうりょう はさほど変化 へんか なく、「短 たん 」は軽量 けいりょう 化 か のために射程 しゃてい を半分 はんぶん 以下 いか に抑 おさ えている
^ 空挺 くうてい 部隊 ぶたい 及 およ び歩兵 ほへい の近接 きんせつ 支援 しえん 火器 かき であるが、曲射 きょくしゃ 歩兵 ほへい 砲 ほう ではなく迫撃 はくげき 砲 ほう という名称 めいしょう が付 つ けられている
出典 しゅってん は列挙 れっきょ するだけでなく、脚注 きゃくちゅう などを用 もち いてどの記述 きじゅつ の情報 じょうほう 源 げん であるかを明記 めいき してください。記事 きじ の信頼 しんらい 性 せい 向上 こうじょう にご協力 きょうりょく をお願 ねが いいたします。(2008年 ねん 11月 )
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『第 だい 二 に 次 じ 大戦 たいせん 世界 せかい の軍用 ぐんよう 車両 しゃりょう 』 (2008) 学習研究社 がくしゅうけんきゅうしゃ ISBN 405605259X
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ウィリアムソン・マーレイ 『戦略 せんりゃく の形成 けいせい 下 か ―支配 しはい 者 しゃ 、国家 こっか 、戦争 せんそう 』 歴史 れきし と戦争 せんそう 研究 けんきゅう 会 かい 訳 やく (2007) 中央公論 ちゅうおうこうろん 新 しん 社 しゃ ISBN 4120038874
ジェイムズ・F・ダニガン 『戦争 せんそう のテクノロジー』 岡 おか 芳輝 よしき 訳 やく (1992) 河出書房新社 かわでしょぼうしんしゃ ISBN 4309241352
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分類 ぶんるい
弾道 だんどう 形状 けいじょう 別 べつ 使用 しよう 目的 もくてき 別 べつ プラットフォーム別 べつ 構造 こうぞう 別 べつ
時代 じだい 別 べつ
その他 た
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