ザンブーラキ

南みなみアジアのザンブーラキの一いち例れい

ムガル帝国ていこくでは、様々さまざまなタイプのザンブーラキが使用しようされた。

ザンブーラキ (zamburak、zumbooruk) とは、近代きんだいから20世紀せいきまで使つかわれた駱駝らくだ騎兵きへいと火器かきとを組くみ合あわせた特殊とくしゅな動物どうぶつ兵器へいきである。ザンブーラキの騎乗きじょう者しゃは zamburakchi または zumboorukchee と呼よばれていた。

ザンブーラキは旋回せんかい砲ほう（小型こがたのファルコネット砲ほう）、それをヒンジ止とめしたサドルを背負せおったラクダ、そしてそれに騎乗きじょうする兵士へいしで構成こうせいされる。1850年ねん以降いこうからはガトリング砲ほうも同様どうようにラクダに取とり付つけられている様子ようすがみられる。

背負せおった旋回せんかい砲ほうを特とくにシャテーナル (Shutermal) と呼称こしょうするとも言いわれている。使用しよう法ほうは砲ほう自体じたいをラクダから下おろして発砲はっぽうするとも、載のせたまま砲撃ほうげきを加くわえるとも諸説しょせつあってはっきりしないが、砲撃ほうげき時じの反動はんどう問題もんだいから下おろして使用しようするのが主おもで、機動きどう戦時せんじのみ駄だ載の状態じょうたいで（走行そうこうせずに座すわり込こませて、右みぎ図ず）発砲はっぽうするのが妥当だとうな使用しよう法ほうだと思おもわれる。砲弾ほうだんは主おもに対人たいじん用ようのキャニスター弾だんを用もちいた。

語源ごげん

語源ごげんはアラビア語ご: زنبور‎（zambūr、スズメバチの意い。おそらく クロスボウの発射はっしゃ音おんから）に由来ゆらいしている。

歴史れきし

インド軽装けいそう騎兵きへい部隊ぶたい

ザンブーラキはエジプトの兵士へいしが大型おおがたのクロスボウをラクダの背せに乗のせたのが始はじまりである。

ザンブーラキは急速きゅうそくにアラブ、アフガニスタン、ムガル帝国ていこく、ペルシャ、サファヴィー朝あさ、アフガニスタンに広ひろまった。

ムガル帝国ていこく時代じだいに駱駝らくだ騎兵きへいとクロスボウの組くみ合あわせから、旋回せんかい砲ほうを取とり付つける駱駝らくだと砲兵ほうへいを組くみ合あわせに改良かいりょうされた。

ムガル帝国ていこく崩壊ほうかい後ごも、駱駝らくだと砲兵ほうへいを組くみ合あわせた駱駝らくだ砲兵ほうへいは、軽装けいそう騎兵きへい部隊ぶたいとして砂漠さばく地方ちほうのインドで使用しようされ続つづけていた。

ザンブーラキは19世紀せいきのペルシャ軍ぐん近衛このえ部隊ぶたいの1ユニットとして使つかわれた。この部隊ぶたいには巨大きょだいな太鼓たいこを載のせたラクダが随伴ずいはんし敵てきを威嚇いかくした。実戦じっせんでは、アフガン戦争せんそうとシク戦争せんそうで侵略しんりゃくする英国えいこくに対たいして使用しようされた。

参考さんこう文献ぶんけん

• Hobson-Jobson
• digital.library.upenn.edu/women/sheil/persia/185.jpeg an image
• Answers.com entry (citing 1913 Webster's Dictionary)
• Thefreedictionary.com entry

• 市川いちかわ定じょう春はる『武器ぶき辞典じてん』新しん紀元きげん社しゃ、1996年ねん。 

関連かんれん項目こうもく

• 自じ走はし砲ほう - 大砲たいほうを自じ走はし可能かのうな車体しゃたいに乗のせた兵器へいき
• 軽装けいそう騎兵きへい
• 動物どうぶつ兵器へいき
• 旋回せんかい砲ほう
• ジャンジャウィード - 駱駝らくだや馬うまに騎乗きじょうする民兵みんぺい組織そしき
• 竜騎兵りゅうきへい - 騎兵きへいに火器かきを持もたせた兵科へいか
• カービン - 騎乗きじょうした時ときの取とり回まわしを考慮こうりょして設計せっけいされた銃じゅう
• タチャンカ - 4輪りん馬車ばしゃに機関きかん銃じゅうを取とり付つけた即席そくせき戦闘せんとう車両しゃりょう。
• テクニカル - ピックアップトラックなどの民間みんかん用よう車両しゃりょうに機関きかん銃じゅうなどの兵器へいきを取とり付つけた即席そくせき戦闘せんとう車両しゃりょう。
• ガトリング砲ほう - 「キャメルガン」と称しょうし、ラクダの背せに搭載とうさい射撃しゃげき可能かのうにしたと軽量けいりょう小型こがたをアピールした、手回てまわし式しきガトリング砲ほうが生産せいさん販売はんばいされた。