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弾道だんどうがく

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
カタパルトによって投射とうしゃされたいしは、ゆるえがいてんでいく

弾道だんどうがく(だんどうがく、英語えいご:ballistics)とは、発射はっしゃされた弾丸だんがん砲弾ほうだんばくだん誘導ゆうどうだんロケットだんなどの飛翔ひしょうたい移動いどう挙動きょどうかんする[1]軍事ぐんじがくいち分野ぶんやである。

弾道だんどうがくは、当初とうしょ大砲たいほう発生はっせいともはじまったが、さらさかのぼれば投石とうせきカタパルトなど道具どうぐによる投射とうしゃ研究けんきゅうにその萌芽ほうが見出みいだすことが出来できる。軍事ぐんじがくいち分野ぶんやではあるが、物理ぶつりがくから力学りきがくかいして数学すうがくにまで関係かんけいし、その一方いっぽうでは物性ぶっせいにもからんで化学かがくとの接点せってんつなど、多様たよう分野ぶんや関係かんけいしている。コンピュータもその黎明れいめいよりつよ関係かんけいし、膨大ぼうだい弾道だんどう計算けいさん処理しょりする機械きかい計算けいさん延長えんちょう必要ひつようとされ開発かいはつがすすんだ(→ENIAC)。現代げんだいでもコンピュータ・シミュレーション分野ぶんや主要しゅようなテーマの1つとなっている。どう分野ぶんやでは計算けいさん対象たいしょう飛翔ひしょうのみにまらず、ばくもえとどろきもえおかせてっ過程かていといった詳細しょうさい実験じっけん観測かんそく不可能ふかのう物理ぶつり現象げんしょうまでひろがりをせている。

弾丸だんがん砲弾ほうだん発射はっしゃにおいては、弾丸だんがん砲身ほうしんない存在そんざいする状態じょうたいと、発射はっしゃこうから瞬間しゅんかん空間くうかん放物線ほうぶつせんえがいて弾道だんどう飛行ひこうしているあいだ物体ぶったい衝突しょうとつして運動うんどうエネルギー対象たいしょう破壊はかいとなってあらわれる段階だんかいと、いくつもの段階だんかいによって細分さいぶんされており、その各々おのおのせんもん研究けんきゅうしゃさえ存在そんざいする。それぞれはほうない弾道だんどうがく過渡かとだん道学どうがくほうがい弾道だんどうがく終末しゅうまつ弾道だんどうがく破壊はかいだん道学どうがくおかせてっだん道学どうがく)などとばれている。

概要がいよう

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現代げんだいにおいて、もっと単純たんじゅんなモデルはニュートン力学りきがくもとづく天体てんたい力学りきがくてきなものである。単一たんいつ質点しつてんけいにおいて真空しんくうなか質点しつてん質量しつりょうよりも無視むしできるほどちいさい物質ぶっしつがある場合ばあいで、その軌道きどう円錐えんすい曲線きょくせんえがく。 より現実げんじつてき弾道だんどうがく砲弾ほうだん投射とうしゃした場合ばあいで、これは重力じゅうりょく以外いがいにも空気くうき抵抗ていこう気流きりゅうながれの影響えいきょうけ、軌道きどうはぐれながら運動うんどうつづける。それを体現たいげんしているのが人工じんこう衛星えいせいで、一定いってい速度そくどだいいち宇宙うちゅう速度そくど)で発射はっしゃされた物体ぶったいは「延々のびのび地平線ちへいせんこうへ落下らっかつづけ」ている状態じょうたいとなるはずだが、地表ちひょうめん質点しつてんではなくたまなので、地上ちじょう発射はっしゃによるたんだんロケットでは実現じつげんできない(かなら地表ちひょうめんちてくる)。そこで、だんめのアポジキックモ-ターによってとおてんにおいて軌道きどう修正しゅうせいおこな地球ちきゅう周回しゅうかい軌道きどうせている。これにたいし、いわゆる大陸たいりくあいだ弾道だんどうミサイル周回しゅうかい軌道きどうせることをかんがえていないので、おおむねたんだんミサイルである。

つきロケットなどの宇宙うちゅうロケットでは、地球ちきゅうつき太陽たいよう引力いんりょくけるために軌道きどう複雑ふくざつとなり(一般いっぱんさんたい問題もんだい)、解析かいせきてきけない。よってコンピュータによる数値すうち計算けいさんたよらざるをえない[2]

砲弾ほうだん小銃しょうじゅうだんなどの弾道だんどうがくでは、重力じゅうりょく以外いがいにも、弾丸だんがん形状けいじょうによって発生はっせいする空気くうきながれ(流体りゅうたい力学りきがく)やマグヌス効果こうかマッハすうレイノルズすうなどといったちょう音速おんそく音速おんそくかのちがい、湿度しつど温度おんどなどのの空気くうき密度みつど、さらにコリオリりょくなどの影響えいきょうなど様々さまざま要素ようそ複雑ふくざつ関係かんけいしてくる。そのため、単純たんじゅん計算けいさんしきでその軌道きどうあらわすことができない。これらを予測よそく範疇はんちゅうないおさめようと観測かんそく実験じっけん計算けいさんかえ学問がくもんといえる。

兵器へいき有効ゆうこうせいたかめるための軍事ぐんじ研究けんきゅうのひとつとして認知にんちされているが、宇宙うちゅう開発かいはつにおいては(大気圏たいきけんからの離脱りだつさい突入とつにゅうなど)弾道だんどうがくつちかわれた知識ちしき必須ひっすのものとなり、軍事ぐんじだけにまらない科学かがく研究けんきゅう分野ぶんやのひとつとなっている。

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ 弾道だんどうがく研究けんきゅうかいへん火器かき弾薬だんやく技術ぎじゅつハンドブック(改訂かいていばん)』財団ざいだん法人ほうじん防衛ぼうえい技術ぎじゅつ協会きょうかい、2003ねん、3ぺーじ
  2. ^ 戸川とがわ隼人はやと微分びぶん方程式ほうていしき数値すうち計算けいさん』などを参照さんしょうのこと。

関連かんれん項目こうもく

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