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PT-76

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
PT-76
PT-76B
性能せいのうしょもと
全長ぜんちょう 7.63m
車体しゃたいちょう 6.91m
全幅ぜんぷく 3.14m
ぜんこう 2.26m
重量じゅうりょう 15.4t
懸架けんか方式ほうしき トーションバー方式ほうしき
速度そくど 44km/h整地せいち
25km/h(整地せいち
10km/h(水上すいじょう
行動こうどう距離きょり 260km整地せいち
370km(外部がいぶ燃料ねんりょうタンク使用しよう
主砲しゅほう 76.2mm戦車せんしゃほうD-56T
ふく武装ぶそう 7.62mm機関きかんじゅうSGMT
装甲そうこう 6-15mm
エンジン V-6
4ストローク直列ちょくれつ6気筒きとう水冷すいれいディーゼル
240馬力ばりき(179kW)
乗員じょういん 3めい
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PT-76(Ob-740)は、ソビエト連邦れんぽう開発かいはつした水陸すいりく両用りょうようけい戦車せんしゃである。

概要がいよう

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1951ねんから量産りょうさん開始かいしされ、改良かいりょうされつつ現在げんざいでも使用しようされている。

PT-76は、水陸すいりく両用りょうようけい戦車せんしゃとしてはかなりの成功せいこうさくえるが、火力かりょくだい世界せかい大戦たいせん後期こうきにはすで陳腐ちんぷしていた76.2mm口径こうけい戦車せんしゃほうであったため、用兵ようへいしゃからは火力かりょく強化きょうかもとめられた。この要求ようきゅうこたえるためにPT-76のコンポーネント流用りゅうようし、火力かりょく強化きょうかしたPT-85(Ob-906)が試作しさくされたが開発かいはつ中止ちゅうしになってしまった。そのもOb-685やOb-934などの浮航戦車せんしゃ開発かいはつされたが、資金しきんなんなどの理由りゆうによりすべ試作しさくいきだっしないままわってしまった。ただし、主力しゅりょく歩兵ほへい戦闘せんとうしゃBMP-2後継こうけいであるBMP-3歩兵ほへい戦闘せんとうしゃはOb-685の設計せっけいもとにしており、たか浮上ふじょう航行こうこう能力のうりょくをもつ。このため、100mm低圧ていあつほう搭載とうさいするBMP-3を、PT-76の後継こうけいしゃとするせつがある。

また、PT-76の車体しゃたい信頼しんらいせいみ、大型おおがたであることもあり、装甲そうこう兵員へいいん輸送ゆそうしゃかたBTR-50やそのライセンス生産せいさんかたOT-62 TOPAS開発かいはつされたほかFROG-2としてられる2K1 マルスFROG-3・FROG-5としてられる2K6 ルナなどの戦術せんじゅつロケットはししき発射はっしゃだいZSU-23-4はししきたい空砲くうほうASU-85空挺くうてい戦車せんしゃなどのベース車体しゃたいとなった。

開発かいはつ生産せいさん

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ソ連それんぐんは、だい世界せかい大戦たいせんまえから水陸すいりく両用りょうようけい戦車せんしゃ開発かいはつ配備はいびしていたが、どくせん開戦かいせん、それらの水陸すいりく両用りょうようけい戦車せんしゃ非力ひりきさが目立めだうえ主力しゅりょく戦車せんしゃじゅう戦車せんしゃ生産せいさん優先ゆうせんされたため、水陸すいりく両用りょうようけい戦車せんしゃT-40以降いこう途絶とだえていた。しかし、戦後せんご偵察ていさつ上陸じょうりく作戦さくせん支援しえんようとして水陸すいりく両用りょうようけい戦車せんしゃ開発かいはつすることとなった。こうして、1947ねん-1950ねん開発かいはつされたのがK-90であるが、K-90は浮航安定あんていせい不足ふそくのため不採用ふさいようとなってしまった。

このK-90の経験けいけんかし、1949ねんから新規しんき開発かいはつ開始かいしされていた水陸すいりく両用りょうようけい戦車せんしゃがPT-76である。K-90の欠点けってんであった浮航安定あんていせい改善かいぜんするため、K-90よりおおきなふねかた車体しゃたいと、車体しゃたい下部かぶから水流すいりゅうれ、こうめんからウォータージェットしき推進すいしん装置そうち排出はいしゅつする機構きこう採用さいようした。エンジンは、戦時せんじちゅうT-34でも搭載とうさいされたV-2 ディーゼルエンジン気筒きとうすう半分はんぶんの6気筒きとうにしたV-6搭載とうさいし、主砲しゅほうも、T-34などが搭載とうさいしていた76.2mm戦車せんしゃほうF-34改良かいりょうしたD-56TまたはD-56TMを採用さいようした。

こうして開発かいはつされたPT-76は、満足まんぞくする性能せいのうゆうしていたため1951ねんから量産りょうさん開始かいしされた。

1959ねんからは改良かいりょうがたのPT-76B(Ob-740B)の生産せいさん開始かいしされた。PT-76Bは、かく戦争せんそうしたでの活動かつどう視野しやれ、PAZとばれる放射線ほうしゃせん防護ぼうごシステムを装備そうびしている。そのにも、主砲しゅほうへのスタビライザー付与ふよ操縦そうじゅうよう赤外線せきがいせん暗視装置あんしそうち搭載とうさい燃料ねんりょうタンク拡大かくだいによる航続こうぞく距離きょり延伸えんしんなどがはかられている。

PT-76の生産せいさん1969ねんまで継続けいぞくされ、生産せいさん終了しゅうりょうまでに総計そうけいやく7,000りょう生産せいさんされた。

配備はいび運用うんよう

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ソ連それんぐんでは、PT-76をもと開発かいはつされたBTR-50装甲そうこう兵員へいいん輸送ゆそうしゃとも自動車じどうしゃ狙撃そげきへい連隊れんたい偵察ていさつ中隊ちゅうたい海軍かいぐん歩兵ほへい支援しえん車両しゃりょうとして配備はいびされた。現在げんざいロシア連邦れんぽうぐんでは、その開発かいはつされたBRDM-1BRDM-2などの偵察ていさつよう装甲そうこう車両しゃりょう代替だいたいされた。

そう生産せいさんすううちやく2,000りょう友好ゆうこう諸国しょこく供与きょうよされた。友好ゆうこう諸国しょこく供与きょうよされたPT-76は、ベトナム戦争せんそう中東ちゅうとう戦争せんそうだいさんしるし戦争せんそうなどで実戦じっせん投入とうにゅうされ、本来ほんらい偵察ていさつ任務にんむ支援しえんまらない活躍かつやくをしている。あくつよいPT-76は、インフラ整備せいび地域ちいきでの作戦さくせん重宝ちょうほうされた。中国ちゅうごくでは1966ねんから「60しき水陸すいりく両用りょうよう戦車せんしゃ」としてライセンスしにコピー生産せいさんおこなわれ、その火力かりょく強化きょうかし85mm戦車せんしゃほう搭載とうさいした63しき水陸すいりく両用りょうよう戦車せんしゃ開発かいはつされ、これらの車両しゃりょうもベトナム戦争せんそうカンボジア内戦ないせん中越なかごえ戦争せんそう投入とうにゅうされたり、中国ちゅうごく友好ゆうこう諸国しょこくひろ供与きょうよまたは販売はんばいされた。

そのにも、PT-76はポーランド北朝鮮きたちょうせんインドネシアなどやく25ヶ国かこく配備はいびされ、イスラエルぐんエジプトシリアから鹵獲ろかくした車両しゃりょう運用うんようしていた。

かくかた

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Ob-740
試作しさくがた
PT-76
最初さいしょ量産りょうさんがた
PT-76B
改良かいりょうがた
PT-76M(オブィエークト907)
エンジン出力しゅつりょく強化きょうか車体しゃたい先端せんたん形状けいじょう鋭角えいかくてきふねかたとし、側面そくめんがよりふくらんだ形状けいじょうとした改良かいりょうがた試作しさくのみ。
PT-76M
ベラルーシのMinotor Serviceが開発かいはつした改良かいりょうがた機能きのう強化きょうか移動いどうせい火力かりょく重点じゅうてんいている。砲塔ほうとうがBMP-2歩兵ほへい戦闘せんとうしゃ(IFV)に装備そうびされた完全かんぜんユニットにえられ、みぎくるまちょうすわり、ひだり砲手ほうしゅすわる。上面うわつらには9M113のランチャーが装備そうびされる。タレットのどちらかのがわには、電動でんどうしきの81mmグレネードランチャーが3ほんそなえられる。エンジンも240馬力ばりきV-6B水冷すいれいしきディーゼルから300馬力ばりき発揮はっきするUTD-20S1ディーゼルユニットにかわそうされて強化きょうかされている[1]

運用うんようこく

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運用うんようこく赤色あかいろられているくに退役たいえき

登場とうじょう作品さくひん

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War Thunder
ランク3のソ連それんけい戦車せんしゃツリーに登場とうじょう水上すいじょう航行こうこう可能かのう
バトルフィールド ベトナム
きたベトナムぐんベトコン戦車せんしゃとして登場とうじょうする。
Project Reality(BF2)
きたベトナムぐんけい戦車せんしゃとしてPT-76Aが登場とうじょうする。装備そうびはTPKU-2B・TShK-66のカメラ2しゅ、TDA 煙幕えんまく生成せいせいシステム、
D-56T 76.2mm戦車せんしゃほう英語えいごばん(BM-354P 76mm HVAPだん・BK-350M 76mm HEATだん・OF-350 76mm HE-FRAGだん)、7.62mm SGMT同軸どうじく機銃きじゅうDShK38じゅう機関きかんじゅう

脚注きゃくちゅう

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関連かんれん項目こうもく

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