ROMANTIQUE (大貫おおぬき妙子たえこのアルバム)

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ROMANTIQUE
大貫おおぬき妙子たえこスタジオ・アルバム
リリース
ジャンル
時間じかん
レーベル RCARVC
プロデュース 牧村まきむら憲一けんいち[1]
チャート最高さいこう順位じゅんい
大貫おおぬき妙子たえこ アルバム 年表ねんぴょう
  • ROMANTIQUE
  • (1980ねん (1980)
『ROMANTIQUE』収録しゅうろくシングル
  1. CARNAVAL
    リリース: 1980ねん8がつ21にち (1980-08-21)
  2. ふたり
    リリース: 1981ねん1がつ21にち (1981-01-21)
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ROMANTIQUE』(ロマンティーク)は、大貫おおぬき妙子たえこの4さくとなるスタジオ・アルバム1980ねん7がつ21にちRVCげんアリオラジャパン)から発売はつばいされた[1]

解説かいせつ[編集へんしゅう]

前作ぜんさくMIGNONNE[注釈ちゅうしゃく 1]リリース大貫おおぬきやく2年間ねんかん沈黙ちんもくはいる。その理由りゆう大貫おおぬきは「『ミニヨン』がまわりの期待きたいはんげがやや不調ふちょうであったことや、プロデューサーといをつけることができなかったつかれから、もう音楽おんがく仕事しごとにしていくことはやめようとかんがえていました。シュガー・ベイブというサブカルチャーからの出発しゅっぱつはヒットを音楽おんがく業界ぎょうかいのパワーには馴染なじめないものだったし、ソロになってからのわたしも、シンガー・ソング・ライターとして時代じだい趨勢すうせいゆだねることができなかったのです。そしてそのころわたし国内こくないたびしたり、湘南しょうなんんでいた友人ゆうじんたくあつまっては、みんなで夜明よあけまでかたったりする日々ひびごしていました」[3]という。そのあいだ山下やました達郎たつおコンサート・ツアーにバック・コーラスとして参加さんかしていたほか[注釈ちゅうしゃく 2][注釈ちゅうしゃく 3]、CMソングの制作せいさくやコーラスでのスタジオ仕事しごとおこなっていた。またそのあいだに、アーティストへの楽曲がっきょく提供ていきょうおこなっていたが、それについては「そのあいだひときょくいたことがじつ勉強べんきょうになっているんですが、歌謡かよう曲畑そりはたひとたちとかにいたりして。といっても採用さいようされたのはいちきょくきょくくらいですが、本当ほんとうなんじゅうきょくいているんです。毎日まいにち毎日まいにちなおしの連続れんぞくで、なんでこんなことやってるんだろうとおもいながらも、ひとのことをかんがえてかりやすいものをくというのはどういうことだろうということをすごくかんがえまして、いままでまったひとのことをかんがえてなかった自分じぶんがついたわけですよね。べつ拒絶きょぜつしていたわけじゃないんですけれど。やっぱり所詮しょせんひとにおかねはらっていただいてレコードをってくれるひとがいなかったら仕事しごとはできない。それでもういちかい、ちゃんとやってみたいというかね、音楽おんがく仕事しごととしてちゃんとやろう。あらためて決心けっしんしたのであります」[4]という。

その沈黙ちんもくのち、80ねん初頭しょとうにレコーディングのはなしがる。そのきっかけを大貫おおぬきは「以前いぜんからの知人ちじんだった牧村まきむら憲一けんいちさんという人物じんぶつが、プロデューサーとして登場とうじょうするんです。“ヨーロッパっぽい音楽おんがくをやってみない? ってるとおもうんだけど”って。すごい資料しりょうなんですよ、かれわたしヌーヴェルヴァーグきだったし、ちょうど“やすみをったのち”だったから。やってもいいかなというになって」[5]かえっている。

サウンドのイメージは「フランソワーズ・アルディですね。それと『ラジオのように』のブリジット・フォンテーヌ。そのっていろいろときましたけど、映画えいが音楽おんがくつうじていていたフランシス・レイミシェル・ルグラン以外いがいだと、まえもってってたのはその二人ふたりくらいだった」「プロデューサーがアイデアをしてくれた一方いっぽうで、それをおとにしていくうえでは坂本さかもとさんちからおおきかったですね」[5]としている。ただ、アルバム全編ぜんぺんフランスというわけでもなくて、イタリアてき雰囲気ふんいききょくがあったり「ロシアのほうにもおこなっているんじゃないですか。<てなき旅情りょじょう>や<ふたり>は“モスクワッ”ってかんじがするし。ひろがりのある“ヨーロッパ”ですよね。それと、こういうきょくをアレンジしてほしいというときおと以外いがいにもヴィデオとかほんとか、イメージをせる材料ざいりょうをごっそりわたしておくんです。実際じっさい坂本さかもとさんとは一緒いっしょきょくづくりをしていたようなものでしたね。“そのおとはいやだ”とか“もっとこうしてくれ”とか、それこそせんくらい注文ちゅうもんをつけながらやってるんで」「やっぱり映像えいぞうてき表現ひょうげんは、どんなきょくであれいつも意識いしきしてます。歌詞かしがつくのは一番いちばん最後さいごなんですよ。まずメロディがあってサウンドがあって、その段階だんかい大体だいたい世界せかいえていないといやなんです。そこにせるべき言葉ことばさがしていく。歌詞かしなんてべつ重要じゅうようじゃないというと語弊ごへいがあるけど、歌詞かしによってメッセージをつたえるというのはあまりきじゃない。音楽おんがく全体ぜんたいとおしてなにかがえる。むしろ言葉ことばがない部分ぶぶんにこそ重要じゅうようなものがある、そういう状態じょうたい自分じぶんとしてはきだし目指めざしたいですよね」[5]ともこたえていた。また、うたかたもこのアルバムをさかいにはっきりと変化へんかしたが、「それまでは“アーッ”とか結構けっこう乱暴らんぼううたっていたのが、『ロマンティーク』には全然ぜんぜんわなかった。それこそフランソワーズ・アルディじゃないけど、フランス語ふらんすご独特どくとくいきかた意識いしきしたんです。当時とうじかたるようなヴォーカルに、自分じぶんうたかたのひとつをつけたかんじがしました」[5]という。

プロデューサーとして参加さんかした牧村まきむらは、このときの状況じょうきょうを「はじめてのソロ・アルバム『グレイ・スカイズ[注釈ちゅうしゃく 4]ときに、すでに彼女かのじょなかにある“アメリカン・フレーヴァーではないもの”をぼくかんじていた。あのアルバムのなかの<When I Met The Gray Sky>は、のヨーロピアン指向しこうかくれた作品さくひんだとおもう。そのころから、全体ぜんたいなんわりかの部分ぶぶんで、ヨーロッパてきなものがあったとおもっている。『ミニヨン』[注釈ちゅうしゃく 1]では、友達ともだちでもある小倉おぐらエージにプロデュースをおねがいしたが、そのときたのは、やはりアメリカてき世界せかいだった。でも、そのアルバムに“ミニヨン”というタイトルがいたこと非常ひじょう暗示あんじてきだとおもう。そのいちねん以上いじょう彼女かのじょがレコードをしてなかったときぼくが“ターぼうなかいままで表現ひょうげんしていないものを凝縮ぎょうしゅくしてしてみたら”とった。で、スタッフとうかんがえているうちに“今回こんかいぼくがプロデュースしてみよう”とおもった。それが『ロマンティーク』なんだ。『ミニヨン』[注釈ちゅうしゃく 1]ときにエージがことっていたので、それを下敷したじきにして、ドラマツルギーみたいなものを要求ようきゅうしたことが、ああいうサウンドになったんじゃないかな。ヨーロピアン云々うんぬんではなくて、彼女かのじょやメロディーやこえやキャラクターをかすのが、あのサウンドだったわけ。ある意味いみでは危険きけんけだったけど、その結果けっか彼女かのじょ潜在せんざいてき幅広はばひろ音楽おんがくせい目覚めざめたし、彼女かのじょのファンも『ロマンティーク』によって彼女かのじょのイメージを具体ぐたいてきとらえること出来できたんじゃないかな。『ロマンティーク』は本当ほんとう苦労くろうした。準備じゅんび期間きかん半年はんとしからいちねんかかったし、あれだけでぼくなかのノン・アメリカン志向しこう使つかいきったとえるわけ。でも、『ロマンティーク』で彼女かのじょしん境地きょうちけて、彼女かのじょ存在そんざい価値かちがわかってもらえたのなら、駄目押だめおしをしておきたいとおもった。で、『ロマンティーク』で出来できなかった部分ぶぶんを『アヴァンチュール[注釈ちゅうしゃく 5]でやることになったんだ。『アヴァンチュール』[注釈ちゅうしゃく 5]路線ろせん確定かくていしたことによって、ぼくのプロデューサーとしての役目やくめわったわけ。だけど、レコードをプロデュースするだけではなく、いプロデューサーにバトン・タッチするのも、プロデューサーの役割やくわりのひとつなんだ。そのいプロデューサーというのが大貫おおぬき妙子たえこだったというわけ。いままでやってきたことをくわかっていて、具現ぐげんできるひとだったから、ぼく大貫おおぬき妙子たえこにバトン・タッチした」[4]かえってのちにコメントしている。

アルバムには坂本さかもと龍一りゅういちほか加藤かとう和彦かずひこもアレンジャーとして参加さんかしているが、その理由りゆう大貫おおぬきは「加藤かとうさんは東芝とうしばの“かげ”という加藤かとうさんのCMではじめてったんです。やっぱりいろんなひと交流こうりゅうちたいし、自分じぶんきだなとおもひと仕事しごとしたいんで、いちきょくきょくでもやっていただけるなら、なるべくすうおおくのひといたいし。そういうひとにおねがいしてるんです」[4]とし、のち加藤かとうは「最初さいしょったのは、CMの仕事しごとときだったんじゃないかな。シュガー・ベイブのレコードやターぼう最初さいしょのソロ・アルバムをっていてってたんだけど、あの声質せいしつ必要ひつようだったの。そのとき、アルディみたいなのをやれば似合にあうんじゃないかってって、テープをあげたのかな。ヨーロッパのかんじがしたの、こえしつとか、うたかたとか。実際じっさい、やってみたら、やっぱりピッタリだった。っているといっても、やらしたということではなく、本人ほんにん自身じしん興味きょうみって。おんなのシンガー・ソング・ライターというのはいっぱいいるけど、うたかた声質せいしつだけでなにかを表現ひょうげんできちゃうというのはってまれたところがあるから、やっぱり、非常ひじょう特異とくい存在そんざいだとおもう」[4]と、のちにコメントしている。

アルバム全体ぜんたいかえって大貫おおぬきは「やはり25をぎると、なにわるんですよね、心理しんりてきにも。おんなおんなになっていくという境目さかいめがあるとしたら、『ロマンティーク』からだとおもいます。たぶん。それからいままではりといたいことってしまっていたほうなんですが、ひとつにしても“あ、これはわないほうがきずつけないからわないほうがいい”とか、そういったおもいやりっていうのかしら、そういうのがこのころになってやっとわかりかけてきたんです」[4]とし、さらにそのいまいてみると、ややプロデュース過剰かじょうきょくもあり、坂本さかもとさんと加藤かとうさんの色合いろあいがくっきりわかれてしまいましたが、映画えいがのようにロマンティックに、あるいは壮大そうだい音楽おんがく表現ひょうげんしようとこころみた結果けっか、そうなってしまったのだとおもいます。このアルバムをつくることによって、わたし自分じぶんこえ曲調きょくちょうたいしてのがかりをいくつも発見はっけんすることが出来できたのです。そして、当時とうじこのアルバムの評価ひょうか予想よそうえて支持しじされたことによって、わたし自分じぶん居場所いばしょつけることができたのです」[3]かえっている。

パッケージ、アートワーク[編集へんしゅう]

ジャケットと歌詞かしカード表面ひょうめん写真しゃしん撮影さつえいすきでん正義まさよしがけたが、のちすきでんはそのときのエピソードを「撮影さつえいでは“奇麗きれいに”、“可愛かわいく”ろうとつとめています。ただ、ジャケットの場合ばあいは“かっこよく”というのがくわわるんですね。『ロマンティーク』も可愛かわい奇麗きれいにですが、ちょっとちからいているんですね。以前いぜんから大貫おおぬきさんをっていましたが初対面しょたいめんですから、おたがいにれるところがあって、なかなか撮影さつえいにならないんです。スタジオでることはめていましたから、代々木公園よよぎこうえんあたりをぶらぶらとそらシャッターにちかいスナップをりながら数時間すうじかんあるきまわって、れてきたころにスタジオにもどりました。それは、そのひと音楽おんがくのイメージを大切たいせつにしたかったからかもしれないですね」[6]かたっていた。

収録しゅうろくきょく[編集へんしゅう]

SIDE A[編集へんしゅう]

  1. CARNAVAL  – (4:46)
    • 作詞さくし作曲さっきょく大貫おおぬき妙子たえこ編曲へんきょく坂本さかもと龍一りゅういち
    • いわゆる“沈黙ちんもく”からしていたというバグルススパークスなどのきょくきで、そういったタイプのきょくをやってみたいとのおもいからつくられた。バッキングにはこの当時とうじのサポートをふくめたイエロー・マジック・オーケストラのメンバー全員ぜんいん参加さんかしているが[注釈ちゅうしゃく 6]大貫おおぬきは「イエローでやったら、きっとイエロー・サウンドになってしまうだろう。それでは自分じぶん個性こせいがなくなるし、しかし、あのときかれらがああいうおとつくらせたら一番いちばん日本にっぽんでノッているから、かれらと一緒いっしょにやって、しかもイエローにならない方法ほうほうはないだろうかとかんがえたすえ出来できたのが<CARNAVAL>というきょくです」[4]とし、歌詞かしについては「ようするに都会とかいはいつもカーニバルだということです。毎夜まいよ毎夜まいよなににもない、本当ほんとうなににもないおまつさわぎみたいなものだとおもうんです。一夜いちやんでさわぐだけという…。そういうものを東京とうきょうなどのよるの、狂乱きょうらんたとえてうたったうたです。なににもないということなんです」[4]という。のちにシングル・カットもされた[注釈ちゅうしゃく 7]
  2. ディケイド・ナイト  – (3:42)
    • 作詞さくし作曲さっきょく大貫おおぬき妙子たえこ編曲へんきょく坂本さかもと龍一りゅういち
    • このきょくも“なににもない”ことがテーマだという。「ディケイドってくずるとか崩壊ほうかいするという意味いみなんですが、そういうよるのことです。本当ほんとうなににもないとおもっていますから、あそこには。『サンシャワー[注釈ちゅうしゃく 8]で<都会とかい>というきょくきましたけど、あのときよりもっと排他はいたてきになっているというイメージがつよくて、それをきました」[4]としている。
  3. あめ夜明よあ  – (4:30)
    • 作詞さくし作曲さっきょく大貫おおぬき妙子たえこ編曲へんきょく坂本さかもと龍一りゅういち
    • このきょくは、はじめて坂本さかもとつくげたあたらしい世界せかいだとし、「久々ひさびさなにあたらしい世界せかいつくげること出来できたとおもっています。このころからかなり映画えいが意識いしきしていまして、ひとつの言葉ことばのワン・シーンが音楽おんがく言葉ことばとおしてうしろに映像えいぞうえるようにということをとく意識いしきしてきました」[4]という。このきょくはシングル「CARNAVAL[注釈ちゅうしゃく 7]のBめん収録しゅうろくされた。
  4. わか望楼ぼうろう  – (3:54)
    • 作詞さくし作曲さっきょく大貫おおぬき妙子たえこ編曲へんきょく坂本さかもと龍一りゅういち
    • 時代じだいなつかしむ意味いみきょくだという。「でもあまったるいノスタルジーではありません。なつかしいけど、あれでべつかったとおもっているし、二度にどとああいうときないんだろうし、それをつめるは、非常ひじょうめています。おかねなにもなくてもあつえるものはあったという、そういう時代じだいだった」[4]と。
  5. BOHEMIAN  – (4:06)
    • 作詞さくし作曲さっきょく大貫おおぬき妙子たえこ編曲へんきょく坂本さかもと龍一りゅういち
    • 日本人にっぽんじんである自分じぶんのことを“ボヘミアン”にたとえた作品さくひん大貫おおぬきは「ひとりの人間にんげんがひとつのまち成功せいこうすること夢見ゆめみていって、チャンスをつかもうとするんだけどダメで、またつぎまちながれていくというものなんです。それを世界せかいをまたにかけてというとへんだけど、永遠えいえんながれていくといううた自分じぶんなかのテーマとしてはパリ、ニューヨーク、東京とうきょうというのがあって、そこを精神せいしんてきにボヘミアンのようにさすらっていくイメージがつよいんです」[4]という。

SIDE B[編集へんしゅう]

  1. てなき旅情りょじょう  – (4:42)
    • 作詞さくし作曲さっきょく大貫おおぬき妙子たえこ編曲へんきょく加藤かとう和彦かずひこ、ストリングス編曲へんきょく清水しみず信之のぶゆき
    • このきょくについては「ひとりの少女しょうじょ自分じぶんあいもとめて、それから自分じぶん仕事しごとというか、あたらしいまちはなかせようとしてたびつづけるうたなんですが、テーマになっているのはヨーロッパのまちからまちへっていうのかしら、そういううたですね」[4]としている。
  2. ふたり  – (3:47)
    • 作詞さくし作曲さっきょく大貫おおぬき妙子たえこ編曲へんきょく加藤かとう和彦かずひこ、ストリングス編曲へんきょく清水しみず信之のぶゆき
    • このきょくはロシアのイメージだという。「さむくて荒涼こうりょうとしてて、キエフってところはロシアのなかでもあたらしいものがまれてところで、すごくそこに興味きょうみがあったんです。ある意味いみでは亡命ぼうめいうたなんです。で、亡命ぼうめいしようと、をとってげようということなのにおとこげなかった、おんなだけげてしまうという」[4]こたえていた。このきょくのちにシングル・カットされた[注釈ちゅうしゃく 9]
  3. 軽蔑けいべつ  – (3:37)
    • 作詞さくし作曲さっきょく大貫おおぬき妙子たえこ編曲へんきょく加藤かとう和彦かずひこ
    • なかすべてのことをかたっているきょくだという。「もっとしぼんでいけば、こういう仕事しごとをしていると非常ひじょう私生活しせいかつまで云々うんぬんわれるわけです。ひとこいうしなおうとだれわかれようと、ひとさけさかなになるため自分じぶんこいをしているわけじゃないし、うるさいなっていうのがすごくあって、ほっといてほしいっていうのが。ひとかなしみさえもさけさかなにしてしまうなかたいしてのいかりです」[4]かたっている。
  4. あたらしいシャツ  – (3:59)
    • 作詞さくし作曲さっきょく大貫おおぬき妙子たえこ編曲へんきょく坂本さかもと龍一りゅういち
    • 大貫おおぬきはこのきょくを「おとこおんなわかれ、わかれていくまさにその瞬間しゅんかん、どんなふうに自分じぶんしんうごいたかということうたったうたです。だから、人生じんせいなかでは、おもすと色々いろいろなみだにくれることがあったとしても、一瞬いっしゅんそのときって、たとえばまえきなひとんでしまったとしてもなみだないだろうという、一瞬いっしゅんは。そういうことだろうとおもうんです、本当ほんとうのショックって。で、あいしばこと出来できない、あしにしがみついてかないでとっても、ダメなものはダメなんだと。それだったら最後さいごぐらいは泥沼どろぬまになるよりも、いままでふたりがそだててきたものを大切たいせつにしたほうがいいという、あいたいするかんがかたっていうのかしら、これもひとつのかたちです」[4]としている。
  5. 蜃気楼しんきろうまち  – (2:45)
    • 作詞さくし作曲さっきょく大貫おおぬき妙子たえこ編曲へんきょく加藤かとう和彦かずひこ
    • シュガー・ベイブのアルバム『SONGS[注釈ちゅうしゃく 10]収録しゅうろくきょくさいレコーディング。このきょく収録しゅうろくした理由りゆう大貫おおぬきは「随分ずいぶん御無沙汰ごぶさたしたわけです、ながあいだ。それまでいてくださったファンのためにというか、それからあらたにこの『ロマンティーク』からってくれるひとためれたんです。もう一度いちどシュガー・ベイブのときうたれることで、ここからはじまりであり、ここまでたということ分岐ぶんきてんみたいなものもありました」[4]としている。

Taeko Ohnuki RCA Years Paper Sleeve Collection (CD:BVCK-37118)[編集へんしゅう]

ROMANTIQUE
大貫おおぬき妙子たえこスタジオ・アルバム
リリース
ジャンル
時間じかん
レーベル RCABMG JAPAN
プロデュース 牧村まきむら憲一けんいち[1]
EANコード
  • JAN 4988017656501
  • ASIN B001031SJS
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解説かいせつ[編集へんしゅう]

2006ねん (2006)大貫おおぬき監修かんしゅう書下かきおろしセルフライナー収載しゅうさいによるかみジャケット仕様しよう限定げんていばんにて再発さいはつ。シングルばん収録しゅうろくだった「あいにすくわれたい」をボーナス・トラックとして収録しゅうろく。2006ねん (2006)リマスタリング音源おんげん使用しよう

収録しゅうろくきょく[編集へんしゅう]

  1. CARNAVAL  – (4'47")
  2. ディケイド・ナイト  – (3'45")
  3. あめ夜明よあ  – (4'33")
  4. わか望楼ぼうろう  – (3'55")
  5. BOHEMIAN  – (4'09")
  6. てなき旅情りょじょう  – (4'44")
  7. ふたり  – (3'48")
  8. 軽蔑けいべつ  – (3'40")
  9. あたらしいシャツ  – (4'02")
  10. 蜃気楼しんきろうまち  – (2'48")
  11. あいにすくわれたい  – (3'11")BONUS TRACK
    • 作詞さくし作曲さっきょく : 大貫おおぬき妙子たえこ編曲へんきょく : 清水しみず信之のぶゆき
    • シングル「ふたり」[注釈ちゅうしゃく 9]のBめんにのみ収録しゅうろくされた。その理由りゆうを「本当ほんとうはAめんになる予定よていだったんですがろくってみたらいかにもわたしらしくないのではないかというがしてBめんれてしまったんです。やっぱりわないことはやらないほういと。これでれたとしても後々あとあと<あいにすくわれたい>のイメージがつよいと、そうでないものをつくっても、やりにくいですよね。仕事しごとが。だから、なるべく地味じみれなくても、自分じぶんにそったものをしていったほうがいということになりましてBめんれました」[4]かたっていた。のちに「こんなきょくいていたのかと苦笑くしょうしています」[3]ともしている。

レコーディング・メンバー[編集へんしゅう]

CARNAVAL[編集へんしゅう]

ディケイド・ナイト[編集へんしゅう]

  • Arranger : 坂本さかもと龍一りゅういち
  • Acoustic Piano, Rhodes Piano, Prophet 5 : 坂本さかもと龍一りゅういち
  • Electric Guitar : 大村おおむら憲司けんじ
  • Electric Bass : 細野ほその晴臣はるおみ
  • Drums : 高橋たかはし幸宏ゆきひろ
  • Background Vocal : 大貫おおぬき妙子たえこ

あめ夜明よあ[編集へんしゅう]

  • Arranger : 坂本さかもと龍一りゅういち
  • Rhodes Piano, Prophet 5 : 坂本さかもと龍一りゅういち
  • Drums : 高橋たかはし幸宏ゆきひろ
  • Strings : グループ

わか望楼ぼうろう[編集へんしゅう]

  • Arranger : 坂本さかもと龍一りゅういち
  • Acoustic Piano, Hammond Organ : 坂本さかもと龍一りゅういち
  • Electric Guitar : 大村おおむら憲司けんじ
  • Electric Bass : 細野ほその晴臣はるおみ
  • Drums : 高橋たかはし幸宏ゆきひろ

BOHEMIAN[編集へんしゅう]

  • Arranger : 坂本さかもと龍一りゅういち
  • Acoustic Piano, Rhodes Piano, Prophet 5 : 坂本さかもと龍一りゅういち
  • Electric Guitar : 大村おおむら憲司けんじ
  • Electric Bass : 細野ほその晴臣はるおみ
  • Drums : 高橋たかはし幸宏ゆきひろ
  • Background Vocal : Frank Noël

∴ translated by Frank Noël

てなき旅情りょじょう[編集へんしゅう]

ふたり[編集へんしゅう]

軽蔑けいべつ[編集へんしゅう]

  • Arranger : 加藤かとう和彦かずひこ
  • KORG Σしぐま : 岡田おかだとおる
  • Electric Guitars : 加藤かとう和彦かずひこ, 白井しらい良明よしあき
  • Electric Bass : 鈴木すずき博文ひろぶみ
  • Drums : 橿かしふち哲郎てつろう
  • Background Vocal : 大貫おおぬき妙子たえこ

あたらしいシャツ[編集へんしゅう]

  • Arranger : 坂本さかもと龍一りゅういち
  • Acoustic Piano, Hammond Organ, Prophet 5, Moog Synthesizer : 坂本さかもと龍一りゅういち
  • Electric Guitar : 大村おおむら憲司けんじ
  • Electric Bass : 細野ほその晴臣はるおみ
  • Drums : 高橋たかはし幸宏ゆきひろ
  • Computer programmed by まつたけ秀樹ひでき

蜃気楼しんきろうまち[編集へんしゅう]

  • Arranger : 加藤かとう和彦かずひこ
  • Strings Arranger : 清水しみず信之のぶゆき
  • Acoustic Piano : 清水しみず信之のぶゆき
  • Electric Guitar : 岩倉いわくら健二けんじ
  • Classic Guitar : 加藤かとう和彦かずひこ
  • Electric Bass : 田中たなか章弘あきひろ
  • Drums : 上原うえはらひろし
  • Percussion : ペッカー・橋田はしだ
  • Background Vocal : 大貫おおぬき妙子たえこ

あいにすくわれたい[編集へんしゅう]

クレジット[編集へんしゅう]

  • All songs written by 大貫おおぬき妙子たえこ
  • All songs arranged & conducted by 坂本さかもと龍一りゅういち, 加藤かとう和彦かずひこ
  • Produced by 牧村まきむら憲一けんいち[1]
  • Directed by 宮田みやた茂樹しげき[1]
  • Recording Engineer 佐藤さとう康夫やすお
  • Remix Engineers 佐藤さとう康夫やすお, 坂本さかもと龍一りゅういち(A-1,2,3)
  • Assistant Engineer 原井はらい祐二ゆうじ
  • photography すきでん正義まさよし
  • Art Direction 奥村おくむらうつぼただし
  • Design 奥村おくむら勒正, 宮本みやもと俊裕としひろ
  • Hair, Make up & Stylist 瓜生うりゅう実千代みちよ
  • Supervisor 小倉おぐらエージ
  • Recording Co-ordinator 日笠ひかさ雅子まさこ (ROMANTIC PLANET)
  • Recording Management 小川おがわ英則ひでのり (OUR HOUSE)
  • 細野ほその晴臣はるおみ, 坂本さかもと龍一りゅういち, 高橋たかはし幸宏ゆきひろ appear through the courtesy of Alfa Records
  • 岡田おかだとおる, 白井しらい良明よしあき, 鈴木すずき博文ひろぶみ, 橿かしふち哲郎てつろうappear through the courtesy of CROWN Record
  • 加藤かとう和彦かずひこ appear through the courtesy of Warner Pioneer Corporation
  • 向井むかいしげるはる appear through the courtesy of Nippon Columbia
  • 清水しみず信之のぶゆき appear through the courtesy of KING Record
  • Special thanks to 大蔵おおくらりょ&ヨロシタMUSIC, MOON RIDERS Office, 加藤かとう和彦かずひこ事務所じむしょ

CD:BVCK-37118[編集へんしゅう]

  • “Taeko Ohnuki RCA Years Paper Sleeve Collection”
  • 監修かんしゅう : 大貫おおぬき妙子たえこ
  • Remastered in November 2006 by 中里なかさと正男まさお (音響おんきょうハウス)
  • Originally Released in 1980/7/21 as RCA LP:RVL-8049

カバー[編集へんしゅう]

曲名きょくめい アーティスト 収録しゅうろく作品さくひん初出しょしゅつのみ) 発売はつばい 規格きかく 生産せいさん番号ばんごう
あたらしいシャツ 高橋たかはし洋子ようこ あたらしいシャツ 1996ねん10月2にち
SCD
KTDR-2169
Living with joy 1996ねん10月25にち
CD
KTCR-1401
SMOOTH ACE Smooth Le Gout Avec Piano 2002ねん5月22にち
CD
TOCT-24782
CARNAVAL Studio Mule feat. 甲田こうだ益也子みやこ (dip in the pool) Carnaval feat. Miyako Kouda aka Dip in the Pool[注釈ちゅうしゃく 11] 2018ねん3がつ23にち 12" Single STUDIOMULE3

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ a b c MIGNONNE1978ねん9月21にち発売はつばい RCA ⁄ RVC LP:RVL-8035
  2. ^ 山下やました達郎たつお『FLYING TOUR '79 PART-1』 1979ねん6月2にち-10月21にちぜん9公演こうえん。『どう PART-2』12月11にち-12月30にちぜん5公演こうえん
  3. ^ 山下やました達郎たつお『CONCERT '80』 1980ねん1がつ14にち-2がつ16にちぜん5公演こうえん
  4. ^ Grey Skies』 1976ねん9月25にち発売はつばい PANAM ⁄ CROWN LP:GW-4023
  5. ^ a b AVENTURE1981ねん5月21にち発売はつばい RCA ⁄ RVC LP:RHL-8507
  6. ^ 2005ねんには、YMOの3にんなんらかのかたちかかわったきょくあつめたコンピレーション・アルバム『イエローマジック歌謡かようきょく』(2005ねん2がつ23にち発売はつばい GT music ⁄ SMDR 3CD:MHCL490~2)に収録しゅうろくされた。
  7. ^ a b CARNAVAL」 1980ねん8がつ21にち発売はつばい RCA ⁄ RVC 7":RHS-503
  8. ^ SUNSHOWER1977ねん7がつ25にち発売はつばい PANAM ⁄ CROWN LP:GW-4029
  9. ^ a b ふたり」 1981ねん1がつ21にち発売はつばい RCA ⁄ RVC 7":RHS-509
  10. ^ シュガー・ベイブSONGS1975ねん3月25にち発売はつばい NIAGARAELEC LP:NAL-0001
  11. ^ Superpitcherによるremixシングル「Carnaval Superpitcher Remixes」もMULE MUSIQから発売はつばい (2020ねん8がつ21にち)

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ a b c d e 4th Album: ROMANTIQUE”. 大貫おおぬき妙子たえこ Taeko Onuki. 2023ねん12月1にち閲覧えつらん
  2. ^ オリコン 2006, p. 119
  3. ^ a b c かみジャケット仕様しよう再発さいはつばん『ROMANTIQUE』(2006ねん12月20にち発売はつばい RCA ⁄ BMG JAPAN CD:BVCK-37118)収載しゅうさい「ライナーノーツ」大貫おおぬき妙子たえこ
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q ミュージック・ステディ』1983 10がつごう No.8(ステディ出版しゅっぱん)67-114ページ、1983ねん10月30にち発行はっこう
  5. ^ a b c d レコード・コレクターズ』JUL., 1997 Vol.16, No.7(ミュージック・マガジン)60-69ページ 特集とくしゅう大貫おおぬき妙子たえこ“インタヴュー〜つよあこがれがリアルな表現ひょうげんすこともある”(ききて=真保しんぼみゆき)、1997ねん7がつ1にち発行はっこう
  6. ^ 『レコード・コレクターズ』2001 Vol.20, No.8(ミュージック・マガジン)126~129ページ “Jacket Design In Japan だい4かいすきでん正義まさよし”(取材しゅざいぶん=備酒もと一郎いちろう)、2001ねん8がつ1にち発行はっこう
  7. ^ 大貫おおぬき妙子たえこ/ROMANTIQUE<かみジャケット仕様しよう初回しょかい限定げんていばん” (日本語にほんご). TOWER RECORDS ONLINE. タワーレコード株式会社かぶしきがいしゃ. 2023ねん12月4にち閲覧えつらん

参考さんこう資料しりょう[編集へんしゅう]

  • オリコン『ALBUM CHART-BOOK COMPLETE EDITION 1970-2005』オリコン・マーケティング・プロモーション、2006ねん4がつISBN 978-4-87131-077-2 

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]

SonyMusic
その