毘舍離はなれ

毘舍離はなれ
毘舍離はなれ; Vaishali
	毘舍離はなれ在ざい印度いんど的てき位置いち
	坐すわ标：25°59′N 85°08′E / 25.99°N 85.13°E
國家こっか	印度いんど
邦くに	比ひ哈爾
縣けん	巴ともえ特とく那な

毘舍離はなれ（梵文ぼんぶん：वैशाली，Vaiśālī，巴ともえ利文としふみ：Vesāli），又また譯わけ為ため毗舍離はなれ、吠ほえ舍しゃ離はなれ、吠ほえ舍しゃ釐國、又また以義譯やく稱しょう廣こう嚴げん城じょう，為ため釋迦しゃか文ぶん佛ほとけ住じゅう世よ時代じだい著名ちょめい的てき大城おおき市し，位い於今天てん印度いんど比ひ哈爾邦くに首府しゅふ巴ともえ特とく那な的てき北邊ほくへん。曾經是ぜ跋ばつ耆國くに首都しゅと。

音義おんぎ[编辑]

《善ぜん見み律りつ毘婆沙すな》記載きさい：

“

毘舍離はなれ者しゃ，此是國名こくめい也。因よし女おんな人相にんそう立りつ為ため名めい，此城人民じんみん眾多，三さん過か開ひらけ廣こう。

”

並なみ記載きさい其王種しゅ為ため波なみ羅ら奈國王こくおう夫人ふじん所生しょせい，一對不足月的雙胞胎兄妹，被ひ置おけ器き中ちゅう順じゅん江こう流下りゅうか，為ため道人どうじん收おさむ養やしなえ，因いん其“皮かわ薄うす”而稱為ため“離はなれ車しゃ子こ”，後こう牧牛ぼくぎゅう人じん繼續けいぞく收おさむ養やしなえ，因いん其脚蹋牧童ぼくどう需躲“避”之の而稱為ため“跋ばつ闍”，二人ふたり長大ちょうだい後ご成婚せいこん，統御とうぎょ牧牛ぼくぎゅう人じん，王おう種たね繁しげる衍眾多た，建立こんりゅう的てき城しろ池ち經けい三次擴建十分廣大而稱為“毘舍離はなれ”城しろ^[1]。

印度いんど《往世書しょ》和わ個別こべつ南みなみ傳でん佛教ぶっきょう經論きょうろん注疏ちゅうそ中ちゅう也有やゆう稱たたえ為ため Visālā^[2]。毘舍離はなれ（Vesāli）的てき語ご音おん近きん於梵語ご中ちゅう牸牛（vaśā：母はは牛うし）^[3]，易えき於讓人じん籍せき此浮想そう聯れん翩。

記載きさい[编辑]

《大だい唐から西域せいいき記き》：「至いたり吠ほえ舍しゃ釐國（舊きゅう曰毘舍しゃ離はなれ國こく，訛なまり也。中ちゅう印度いんど境さかい）。吠ほえ舍しゃ釐國，周しゅう五ご千せん餘あまり里さと。土地とち沃壤，花はな果はて茂しげ盛もり，菴沒羅ら果はて、茂しげる遮さえぎ果はて既すんで多た且貴。氣き序じょ和かず暢とおる，風俗ふうぞく淳じゅん質しつ，好こう福重ふくしげ學がく，邪よこしま正せい雜ざつ信しん。伽藍がらん數すう百ひゃく，多た已やめ圮壞，存そん者しゃ三さん五ご，僧徒そうと稀少きしょう。天てん祠ほこら數すう十じゅう，異い道みち雜居ざっきょ，露ろ形がた之の徒と，寔まこと繁しげる其黨。吠ほえ舍しゃ釐城已やめ甚傾頹，其故基もと趾周六ろく七なな十じゅう里り，宮城みやぎ周しゅう四よん五ご里り，少しょう有居ありい人じん。」

歷史れきし事件じけん與あずか人物じんぶつ[编辑]

釋迦しゃか文ぶん佛ふつ在ざい此城預言よげん自己じこ即そく將しょう涅槃ねはん。佛教ぶっきょう八はち大だい聖地せいち之これ一いち。在ざい佛滅ぶつめつ後こう百ひゃく年ねん，耶舍比丘びく召集しょうしゅう了りょう印度いんど西部せいぶ與あずか東部とうぶ共ども七なな百ひゃく名めい上座かみざ，在ざい此城中ちゅう進行しんこう了りょう第だい二に次じ結集けっしゅう（又また稱たたえ七なな百ひゃく集結しゅうけつ、毗舍離はなれ集結しゅうけつ），造成ぞうせい了りょう日び後ご上座かみざ部ぶ與あずか大だい眾部的てき分裂ぶんれつ，開始かいし了りょう佛教ぶっきょう部ぶ派は佛教ぶっきょう時期じき。在ざい《巴ともえ利とし律藏りつぞう·七なな百ひゃく犍度》記載きさい中ちゅう，毘舍離はなれ結集けっしゅう雖然批判ひはん了りょう毘舍離はなれ跋ばつ闍子比丘びく十じゅう事こと非ひ法ほう，但ただし對たい其地域ちいき族ぞく群ぐん名稱めいしょう使用しよう的てき依然いぜん是これ vesāli（毘舍離はなれ）未み至いたり於 vasala（無む種姓すじょう者しゃ、賤民せんみん）^[6]。

大乘だいじょう佛教ぶっきょう中ちゅう著名ちょめい的てき維摩詰つめ居士こじ就居住きょじゅう在ざい這個地方ちほう，因よし文殊もんじゅ問とい病びょう而出現しゅつげん了りょう維摩詰つめ經けい。以及佛陀ぶっだ曾在此處ここ的てき樂音がくおん樹下じゅか講說こうせつ了りょう藥師やくし經けい。

註釋ちゅうしゃく與あずか引用いんよう[编辑]

^ 《善ぜん見み律りつ毘婆沙すな》：「法師ほうし曰：我わが今いま廣こう說せつ毘舍離はなれ根本こんぽん因緣いんねん。往昔おうせき波なみ羅ら奈國王おう王おう夫人ふじん懷妊かいにん。此夫人じん自じ知ち懷妊かいにん而白王おう言げん。王おう即そく供給きょうきゅう侍さむらい養やしなえ。皆みな使し調ちょう適てき。期き月がつ已やめ滿まん。即そく入いり產さん堂どう。若わか有福ありふく德之のりゆき人じん。平ひら旦だん時じ生せい。此夫人じん平たいら旦だん時じ。生出おいで肉にく一いち段だん。赤あか如木槿むくげ華はな。又また餘よ夫人ふじん生せい兒じ。色いろ如金色しょく。此夫人見ひとみ傍はた夫人ふじん生せい兒じ端正たんせい微妙びみょう。而生羞恥心しゅうちしん。而作是ぜ念ねん。若わか王おう見み諸しょ夫人ふじん兒じ端正たんせい。而我生子おいご唯ただ一いち段だん肉にく。無む有ゆう手足てあし。王おう設しつらえ見み者しゃ必生惡あく賤。作さく是ぜ念ねん。即そく取と盛もり貯器中ちゅう。打だ金作きんさく薄うす。以朱砂すな書しょ題だい。是ぜ波は羅ら奈國王おう夫人ふじん所生しょせい。蓋ぶた覆くつがえ器うつわ頭あたま。以王印しるし印しるし之の。以金薄うす書置かきおき器き外がい。送おく放ひ江中えなか。使つかい人じん棄已。諸しょ鬼神きじん營護。使つかい無む風浪ふうろう漂沒。
爾なんじ時じ有ゆう一いち道士どうし。依よ止とめ牧牛ぼくぎゅう人じん。住じゅう於江邊べ。此道士し清朝せいちょう往江邊べ澡洗。遙はるか見み此器而念言ごと。我わが當とう拾ひろえ取ど。此器近きん已やめ而取。又また見み金きん薄うす書しょ字じ。復ふく見み有ゆう王おう印しるし印しるし之の。便びん開ひらき器き看み。唯ただ見み有ゆう肉にく一いち段だん。而作是ぜ念ねん。若わか是ぜ死し肉にく。久ひさ應おう爛ただれ臭しゅう。必有異相いそう。即そく取と將はた歸かえり住處すみか。善ぜん舉一處しょ。過か半月はんつき已やめ而成二に片へん。道士どうし見み如是にょぜ瑞相ずいそう。安置あんち好こう處しょ。自じ爾なんじ之これ後ご。復ふく經けい半月はんつき。二に片へん各かく生せい五ご胞。又また却後半月はんつき。一片いっぺん成男しげお。一片いっぺん成なり女おんな。男色なんしょく如黃金きん。女色じょしょく如白銀はくぎん。道士どうし見み如是にょぜ相しょう已やめ。心こころ生なま愛重あいちょう。如自子こ無む異こと。以慈心力しんりょく故ゆえ。兩手りょうて拇指ぼし。自然しぜん出で乳ちち。一指いっし飲いん男おとこ。一指いっし飲いん女おんな。乳ちち入子いれこ腹はら。譬たとえ如清水しみず入にゅう摩ま尼あま珠たま。內外明あかり徹てっ。道士どうし號ごう兒じ。名めい為ため離はなれ車しゃ子こ(漢かん言ごと皮かわ薄うす。亦また言げん同どう皮かわ)。
道士どうし養やしなえ此二に子し。極ごく為ため辛苦しんく。日にち入にゅう聚落しゅうらく乞食こじき。兼けん為ため二に子し覓諸飲食いんしょく。日にち晏方還かえ。是ぜ時じ牧牛ぼくぎゅう人じん。見み道士どうし為ため此二に子し辛苦しんく如是にょぜ。來らい白しろ言ごと。大德だいとく。出家しゅっけ人じん正せい應おう行道ぎょうどう。何なに以為此二に子し妨さまたげ廢はい道どう業ぎょう。可か持じ乞我。我わが等ひとし為ため養やしなえ活かつ。道士どうし言ごと。善哉ぜんざい。於是牧牛ぼくぎゅう人じん各かく還かえ。到いた明日あした。與あずか諸しょ同伴どうはん。平治へいじ道路どうろ。竪たて立りつ幢旛。散ち雜色ざっしょく華はな。鳴な鼓こ來迎らいごう二に子し。到いた道士どうし處しょ。白しろ道士どうし言ごと。今こん此二に子し。時とき將はた去さ矣。道士どうし答こたえ言ごと。善ぜん。道士どうし復ふく更さら付づけ囑しょく。此二に子し者しゃ。有ゆう大だい福德ふくとく。不可ふか度量どりょう。汝なんじ等とう善ぜん好こう料理りょうり。當とう以乳酪にゅうらく生せい熟じゅく酥五ご種しゅ而供養くよう之の。若わか此二に子し長大ちょうだい。還かえ自じ共とも匹ひき對たい。覓好平たいら博ひろし處しょ所しょ。安立あだち住じゅう止どめ。可か拜はい男おとこ為ため王おう。女おんな為ため夫人ふじん。牧牛ぼくぎゅう人じん等とう受教勅みことのり已やめ。即そく將はた還かえ本ほん住處すみか。
二に子し漸やや漸やや長大ちょうだい。共きょう諸しょ牧牛ぼくぎゅう人じん兒じ子こ。出だし門もん遊戲ゆうぎ。此二子便以脚蹋牧牛兒。牧牛ぼくぎゅう兒じ涕泣ていきゅう。還かえ向こう父母ちちはは說せつ。此無父ちち母子ぼし蹋打我が等とう。父母ちちはは答こたえ言ごと。汝なんじ等とう各自かくじ避去。因よし此戲處しょ。名めい為ため跋ばつ闍(跋ばつ闍者漢かん言げん避也)。
二子ふたご年ねん至いたり十じゅう六ろく。牧牛ぼくぎゅう人見ひとみ子こ已やめ長ちょう。又また見み平ひら博はく地ち處しょ。縱たて廣こう一いち百ひゃく由旬ゆじゅん。即そく於中央ちゅうおう。起立きりつ宅たく舍しゃ。牧牛ぼくぎゅう人じん以女嫁よめ與あずか男おとこ。立たて為ため夫婦ふうふ。即そく拜はい男おとこ為ため王おう。女おんな為ため夫人ふじん。後こう懷妊かいにん一いち產さん二に兒じ。一男かずお一女いちじょ。如是にょぜ十じゅう六ろく倒たおせ生せい兒じ。諸しょ牧牛ぼくぎゅう人見ひとみ王子おうじ漸やや多おお。復ふく各かく更さら為ため開立かいりゅう舍しゃ宅たく。造みやつこ諸しょ園池そのいけ。合ごう三さん十じゅう二に人にん宅たく舍しゃ。如是にょぜ展てん轉うたて乃至ないし三倒開廣故。名めい為ため毘舍離はなれ。此是根本こんぽん因緣いんねん也。」
^ 《Monier-Williams Sanskrit-English Dictionary》:वैशालि vaiśālī f. a daughter of the king of Viśālā Lit. MBh.
विशाल viśāla viśālá m. f. n. (prob. fr. √viś; accord. to others , fr. [ vi-√śṛ ] ) spacious, extensive, broad, wide, large Lit. TS. (am ind. extensively Lit. PañcavBr.) great , important , powerful , mighty , illustrious , eminent Lit. MBh. Lit. Kāv.
^ 《雜ざつ阿おもね含經·九きゅう三さん經けい》：「時じ，有ゆう長身ちょうしん婆羅門ばらもん，作さく如是にょぜ邪よこしま盛もり大會たいかい，以七なな百ひゃく特とく牛うし，行列ぎょうれつ繫柱，特とく、牸、水牛すいぎゅう，及諸羊ひつじ犢，種種しゅじゅ小しょう蟲むし，悉皆しっかい繫縛，辦諸飲食いんしょく，廣行ひろゆき布施ふせ，種種しゅじゅ外道げどう，從したがえ諸國しょこく國こく，皆みな悉來集らいしゅう，邪よこしま盛會せいかい所しょ。」
^ 長なが阿おもね含2經けい·遊行ゆぎょう經けい
^ Lars Fogelin. An Archaeological History of Indian Buddhism. Oxford University Press. 2015: 83–84. ISBN 9780199948239.
^ 《巴ともえ利とし律藏りつぞう·七なな百ひゃく犍度》：Tena kho pana samayena vassasataparinibbute bhagavati vesālikā vajjiputtakā bhikkhū vesāliyaṃ dasa vatthūni dīpenti.
《善ぜん見み律りつ毘婆沙すな·跋ばつ闍子品ひん第だい二に集しゅう法藏ほうぞう》：「世尊せそん涅槃ねはん已やめ一いち百ひゃく歲さい時じ。毘舍離はなれ跋ばつ闍子比丘びく。毘舍離はなれ中ちゅう十じゅう非ひ法ほう起おこり。」