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F6F (航空機こうくうき)

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F6Fから転送てんそう

F6F ヘルキャット

飛行するアメリカ海軍のF6F-3。 (第36戦闘飛行隊所属、1943年撮影。)

飛行ひこうするアメリカ海軍かいぐんのF6F-3。
(だい36戦闘せんとう飛行ひこうたい所属しょぞく1943ねん撮影さつえい。)

グラマン F6F ヘルキャット英語えいご: Grumman F6F Hellcat)は、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくグラマンしゃ開発かいはつアメリカ海軍かいぐんだい世界せかい大戦たいせん中盤ちゅうばん以降いこう使用しようした艦上かんじょう戦闘せんとう愛称あいしょうの「ヘルキャット(Hellcat)」は、直訳ちょくやくすれば「地獄じごくねこ」であるが、スラングでは「性悪せいあくおんな」や「意地いじわるおんな」の意味いみつ。

アメリカ海軍かいぐん本命ほんめい1940ねんはつ飛行ひこうしたF4Uであったが、実際じっさいには開発かいはつ時期じきおそいこちらのヘルキャットが艦上かんじょう戦闘せんとう主力しゅりょくとなった。

開発かいはつ

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グラマンしゃによりアメリカ海軍かいぐん主力しゅりょく艦上かんじょう戦闘せんとうとなったF4F後継こうけいとして開発かいはつされた。開発かいはつ1938ねん3月から開始かいしされた。開発かいはつ当初とうしょ社内しゃない名称めいしょうはG-35であり、ライト R-2600(1,600馬力ばりき)エンジンを搭載とうさいする計画けいかくであった。

1940ねんにはF4Uはつ飛行ひこうしており、良好りょうこう飛行ひこう性能せいのう披露ひろうしていた。アメリカ海軍かいぐんはそれぞれエンジンのことなる試作しさく製造せいぞう要求ようきゅうし、G-35を拡大かくだいし、P&W R-2800(2,000馬力ばりき)エンジンを搭載とうさいするG-50を開発かいはつすることとなった。もと複葉ふくようとして設計せっけい開始かいししたF4Fがしゅあし胴体どうたい格納かくのうしきとした(複葉ふくよう時代じだいからあし採用さいようしたグラマンの伝統でんとう)のとことなり、最初さいしょから単葉たんようとして設計せっけいされたほんは、F4Fのながれを機体きたいであるものの、しゅあし一般いっぱんてき単葉たんよう同様どうようつばさない格納かくのうしきとなった。このG-50は、1941ねん6月30にちにXF6F-3として試作しさく製造せいぞうされた[1]

太平洋戦争たいへいようせんそう開戦かいせんともない、1942ねん1がつ7にちには、試作しさく完成かんせいしていないにもかかわらず、1,080量産りょうさん契約けいやくむすばれた。R-2600 サイクロンを搭載とうさいしたXF6F-1のはつ飛行ひこうは1942ねん6がつ26にちのことで、R-2800 ダブルワスプを搭載とうさいしたXF6F-3のはつ飛行ひこうは7がつ30にちである[2]

XF6F-3は8がつ17にちにエンジンの故障こしょうにより墜落ついらくしたため、XF6F-1のエンジンをR-2800 ダブルワスプにかわそうして実用じつよう試験しけん使用しようした。急降下きゅうこうか機体きたい後部こうぶでフラッターがしょうじたが、構造こうぞう強化きょうかすることで解決かいけつされた。P&W R-2800-10とブローニング M2 12.7mm 機関きかんじゅう6てい搭載とうさいしてF6F-3 ヘルキャットとして量産りょうさん開始かいしされ、このはつ量産りょうさんがたF6F-3は1942ねん10がつ3にちはつ飛行ひこうした[1]

量産りょうさんのテンポはどんどんはやくなり1943ねんちゅう合計ごうけい2,545のF6F-3が納入のうにゅうされた。このうち、252はイギリス海軍かいぐん航空こうくうたいわたされた。イギリスではこれをヘルキャットMk.Iび7がつ任務にんむにつけた[3]

しかし、この機体きたいのち発動はつどうP&WR-2800-10Wにかわそうした。そして、F6F-3後期こうきがたのカウリング、エルロン、風防ふうぼう若干じゃっかん設計せっけい変更へんこうし、防弾ぼうだん装備そうびのより強化きょうかされたものがもっと生産せいさんすうおお最初さいしょかたF6F-5であり、1944ねん4がつ4にち飛行ひこうした。武装ぶそう増加ぞうかし、翼下よくかばくだん907kgまたはロケットだん6はつ搭載とうさいすることができた。F6F-5は、夜間やかん戦闘せんとうのシリーズをふくめて、合計ごうけい7,868生産せいさんされた。組立くみたてラインじょうで、夜間やかん戦闘せんとう基準きじゅん改修かいしゅうされたF6F-5Nは1,139生産せいさんされた。イギリス海軍かいぐん合計ごうけい932のヘルキャットを受領じゅりょうし、このうち70はレーダーを装備そうびしていた。このかたヘルキャットMk.IIばれている[4]

XF6F-2とXF6F-4では、それぞれターボチャージャー搭載とうさい高空こうくう性能せいのう向上こうじょうさせた試作しさく製造せいぞうされたが、速度そくど向上こうじょう重要じゅうようしたアメリカ海軍かいぐんには評価ひょうかされなかった。ヘルキャットの生産せいさんは、1945ねん11月に終了しゅうりょうした[5]

設計せっけい

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F6Fは一応いちおう新規しんき設計せっけいされた機体きたいであるが、とりたてて実験じっけんてき革新かくしんてき機構きこう特殊とくしゅ構造こうぞうなどは採用さいようされず、ぞくに「グラマン鉄工てっこうしょ(Grumman IronWorks)」とばれる堅牢けんろうさと生産せいさんせい重視じゅうししたグラマンの設計せっけい思想しそう[6]まえ、それを体現たいげんしたとされるF4Fの長所ちょうしょ強化きょうかしつつ、じつ運用うんようちゅう発覚はっかくした問題もんだい不満ふまんてん解消かいしょう注力ちゅうりょくするにとどめ、全体ぜんたいとしては手堅てがたまとめられている。おなじエンジンを採用さいようしていたF4Uが、工夫くふうらした設計せっけいにより高性能こうせいのうしめしながらも種々しゅじゅ問題もんだいかかえたことで初期しょきには陸上りくじょう運用うんようまわされ「航空こうくう母艦ぼかん搭載とうさいされるための機体きたい設計せっけいをしなかった欠陥けっかん」とまで揶揄やゆされた一方いっぽう、F6Fはその堅実けんじつ設計せっけいゆえ早期そうき艦上かんじょう戦闘せんとうとして実戦じっせんされた。また、実戦じっせん投入とうにゅうまえにF4Uで発覚はっかくしたエンジンの問題もんだいがF6Fにフィードバックされたことも、ほん完成かんせい向上こうじょうつながっている。

F4Fがパイロットから頑丈がんじょうさを評価ひょうかされたことを確認かくにんし、F6Fも生産せいさんせいたかさと構造こうぞうつよさを両立りょうりつした骨張ほねばった形状けいじょうとなった。F4Fとおなじく後方こうほうにスライドしてひらくレイザーバックがたのキャノピーを装備そうびしたため後方こうほう視界しかいけっして良好りょうこうではなかったが、ひろめのコクピットゆえ前方ぜんぽう視界しかいすぐれていた。

艦上かんじょうけの主翼しゅよくたた機構きこうがF4Fに採用さいようされたのは改良かいりょうがたのF4F-4からであったが、F6Fでは初期しょきから装備そうびしている。F4Fとおなじくヒンジをじくにして前方ぜんぽうしたになるようにねじってりたたむ方式ほうしきは、グラマン伝説でんせつによると、ルロイ・グラマンが愛用あいようしていたクリップとガムじょうしゴムをもとかんがされたとわれている[1]。F6Fでは操縦そうじゅうせきからロックピンを操作そうさできるようになったが、TBF採用さいようされた油圧ゆあつしきたた装置そうち見送みおくられた。

F4Fではしゅあし胴体どうたい収容しゅうようするため胴体どうたいふとくしていたが、しゅあし主翼しゅよく収納しゅうのうするF6Fにおいてもふと胴体どうたい踏襲とうしゅうされている。しかしF4Fとことなり主翼しゅよく位置いちちゅうつばさ配置はいちではなくていつばさ配置はいちあらためられ、それがあし構造こうぞうにも影響えいきょうした。F6Fはしゅあし後方こうほうみながら、90回転かいてんさせて主翼しゅよくおさめていた。F4Fではパイロットがクランクを使つかって手動しゅどう胴体どうたいしゅあし格納かくのうしたが、F6Fではふくめて油圧ゆあつ作動さどうするようになった。これはみを面倒めんどうがっていたパイロットに歓迎かんげいされた[1]はじめてF6Fと交戦こうせんしたれいしき艦上かんじょう戦闘せんとうのパイロットは、胴体どうたいおなじだがていつばさのためすぐにF4Fとはちが機体きたいだと判別はんべつできたとべている[7]

エンジン出力しゅつりょく向上こうじょうによる重量じゅうりょうてき余裕よゆう防弾ぼうだん装備そうびまわすことで、防弾ぼうだんフロントガラスをはじめとしたそう重量じゅうりょう96kgにおよ厳重げんじゅう防弾ぼうだん装甲そうこう計器けいきばん前方ぜんぽう操縦そうじゅうせき背面はいめんけられた。さらにキャノピー前面ぜんめん機首きしゅ上面うわつら/エンジン下面かめん/オイルクーラー前面ぜんめんたまへん防御ぼうぎょレベルのそとばん配置はいちされ、運動うんどうせい犠牲ぎせいにせずF4F以上いじょう防御ぼうぎょ性能せいのう獲得かくとくした。胴体どうたいないには227リットルの自動じどうぼう燃料ねんりょうタンクがパイロットの座席ざせきにあり、両翼りょうよくにはそれぞれ331リットルのつばさない燃料ねんりょうタンクをはいした。これだけでF4Fの2ばいちか燃料ねんりょう積載せきさいりょう確保かくほできたが、くわえて胴体どうたい容量ようりょう568リットルのぞうそう装備そうびすることもできた。

武装ぶそうは12.7mm機銃きじゅう×6と当時とうじべい軍機ぐんきとしては標準ひょうじゅんてき火力かりょく(よりだい口径こうけいな20mm以上いじょう機銃きじゅうないし機関きかんほう大戦たいせん初期しょきから多用たようしていたにちおう主力しゅりょく戦闘せんとう[よう出典しゅってん]よりはむしろけい武装ぶそう)であったが、運動うんどう性能せいのう重視じゅうし比較的ひかくてきけい装甲そうこう日本にっぽん軍機ぐんき相手あいてにするには総合そうごうてきには十分じゅうぶんであった[ちゅう 1]。エンジン出力しゅつりょくのさらなる向上こうじょうにより外部がいぶへいそうとしてロケットだんばくだん魚雷ぎょらいなどをやく1.8tまで搭載とうさいできるようになりたいかん対地たいち攻撃こうげき可能かのうとなったが、攻撃こうげきとしても運用うんようされていたF4Uほどの積載せきさいりょうにはとどかず、あくまでたい戦闘せんとうようとしての性格せいかくつよ機体きたいであった。

また、ほんだい重量じゅうりょうゆえかん失敗しっぱいあしれてキャットウォークに事故じこ発生はっせいしたが、胴体どうたい強固きょうこなためパイロットが無事ぶじんだれいおおい。

堅牢けんろう構造こうぞうだい出力しゅつりょくエンジンにより運動うんどうせい良好りょうこうで、おも防弾ぼうだん装備そうび武装ぶそう撤去てっきょすれば曲技きょくぎ可能かのうであり、アメリカ海軍かいぐんアクロバットチームであるブルーエンジェルス初代しょだいとして採用さいようされた。

F6Fは一般いっぱんてきには(とくに日本にっぽんでは)れいせん対抗たいこうするため急遽きゅうきょ開発かいはつされた機体きたいであるように紹介しょうかいされることがあるが、制式せいしき採用さいよう経過けいかしん技術ぎじゅつたよらない保守ほしゅてきかつ堅実けんじつ設計せっけいであり、また開発かいはつ時期じきからても、さまざまなしん機軸きじくんだがために、空母くうぼ艦載かんさいとしての採用さいようおくれたどう時期じきのF4Uのいわゆる“保険ほけん”としての採用さいよう経過けいかからも、実際じっさいにはF4Fの発展はってん強化きょうかがたのような存在そんざいであるといえる。

戦歴せんれき

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アメリカ海軍かいぐん

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1943ねん1がつ16にちに、最初さいしょのヘルキャットが空母くうぼエセックス配備はいびされ、ヘルキャットの戦歴せんれきは、1943ねん8がつ31にちの、マーカスとうにある日本にっぽんぐん施設しせつ攻撃こうげきをもって開始かいしされた[8]

操縦そうじゅうくせがなく早期そうき教育きょういくのみで投入とうにゅうされた未熟みじゅくなパイロット[ちゅう 2]にもあつかいやすい特性とくせいと、なまざんりつたかめるパイロット背面はいめん堅牢けんろう装甲そうこうばん自動じどうぼうタンクなどの防護ぼうご装備そうびくわえ、エンジンの出力しゅつりょく機体きたい頑丈がんじょうさによりはんして日本にっぽんぐんのパイロットにも一目いちもくかれるほどの良好りょうこう運動うんどう性能せいのうがあった。格闘かくとうせん得意とくいとし積極せっきょくてきもうとする日本にっぽん戦闘せんとう撃破げきはするには最適さいてき機体きたいであり、一撃いちげき離脱りだつ戦法せんぽう中心ちゅうしんたたかうため格闘かくとうせんめば日本にっぽんがわ優位ゆういてるP-38やF4U、P-47などにくらべ、横転おうてん素早すばやくある程度ていど格闘かくとうせんもこなしてみせたF6Fを「もっともいや相手あいて」にげる日本にっぽんぐん搭乗とうじょういんおお[9][ちゅう 3]折畳おりたたしき主翼しゅよくそないちせきあたりの航空こうくう母艦ぼかん多数たすう搭載とうさい可能かのうであったこともあり、大戦たいせん中盤ちゅうばん以降いこうのアメリカぐん機動きどう部隊ぶたい主力しゅりょく戦闘せんとうとして活躍かつやくし、日本にっぽん航空こうくう戦力せんりょく撃滅げきめつもっと貢献こうけんした戦闘せんとうとなった。

弱点じゃくてんは2,000馬力ばりききゅう戦闘せんとうとしてはやや低速ていそくだったことであるが[ちゅう 4]、それでもれいせんはやぶさなどといった日本にっぽんの1,000馬力ばりききゅう戦闘せんとうよりあきらかにゆうそくであり、軍用ぐんよう近代きんだいおくれがちな日本にっぽんぐん相手あいてとするには必要ひつようにして十分じゅうぶんであった。また、だい重量じゅうりょうのためちゃくかん失敗しっぱいあしれる事故じこ発生はっせいしたが、胴体どうたい構造こうぞう非常ひじょう強固きょうこ設計せっけいとなっており、機体きたいないしパイロットは無傷むきず軽傷けいしょうんだれいおおい。

レーダー搭載とうさいしたタイプのF6Fは、TBFアベンジャーんで、当時とうじ主流しゅりゅうであったたいせん攻撃こうげきのハンター&キラー戦術せんじゅつにおけるハンター(捜索そうさく担当たんとうとしても活躍かつやくした。また単座たんざ艦上かんじょう戦闘せんとうでありながら、レーダーを装備そうびした艦上かんじょう夜間やかん戦闘せんとう(F6F-5N)としても運用うんようされた。インディペンデンス (CVL-22)のように夜戦やせん専用せんようになった空母くうぼ運用うんようされたが、さい新鋭しんえいのレーダーがてきわたるのをふせぐためあえて機材きざい撤去てっきょして偵察ていさつおよび戦闘せんとう警戒けいかい飛行ひこう中心ちゅうしんとした運用うんようとなっていた。

より革新かくしんてきかつ基本きほん性能せいのうまさるF4Uが不具合ふぐあい解消かいしょう艦載かんさいとして太平洋戦争たいへいようせんそう終盤しゅうばん配備はいびされるようになると、F6Fは徐々じょじょだい一線いっせんからはげられ、だい大戦たいせん終結しゅうけつすると急速きゅうそく退役たいえきした。終戦しゅうせんほうけ、搭載とうさいしていたF6Fをうみ投棄とうきして帰投きとうした護衛ごえい空母くうぼもいたことが当時とうじ搭乗とうじょういんのインタビューとして記録きろくされている。戦後せんごは、後述こうじゅつのF6F-5Kが朝鮮ちょうせん戦争せんそう実戦じっせん使用しようされたにとどまるのにたいし、F4Uのほうは、まだ技術ぎじゅつてき成熟せいじゅくだい1世代せだいジェット戦闘せんとうとも互角ごかくわたった。

だい世界せかい大戦たいせん終結しゅうけつフランスをはじめとする西側にしがわ諸国しょこく売却ばいきゃくされ各国かっこく運用うんようされたほか少数しょうすうのF6F-5が無線むせん操縦そうじゅう標的ひょうてきF6F-5D、飛行ひこうばくだんF6F-5Kに改修かいしゅうされた。またF6F-5は、チェスター・ニミッツ指示しじで1946ねん組織そしきされた海軍かいぐんアクロバット飛行ひこうたいブルーエンジェルス』の最初さいしょ機体きたいとして利用りようされた。1960年代ねんだいまつのいわゆる「サッカー戦争せんそう」においても、ホンジュラスぐんとエルサルバドルぐんのコルセアが干戈かんかまじえ、ホンジュラス空軍くうぐんのF4Uがてきエルサルバドル空軍くうぐんおなじF4UやF-51撃墜げきついする戦果せんかげた。

との比較ひかく

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れいせん

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F6Fは大柄おおがらだい重量じゅうりょうながら2,000馬力ばりききゅうのエンジンを搭載とうさいしていたため、軽量けいりょうゆえに海面かいめん上昇じょうしょうりつすぐれるれいせん比較ひかくしても、ほぼおな海面かいめん上昇じょうしょうりつであった。また、ズーム上昇じょうしょう強固きょうこ機体きたい構造こうぞうゆえに急降下きゅうこうか速度そくどかせげるF6Fのほうれいせんよりもすぐれていた。さらに、急降下きゅうこうか性能せいのう武装ぶそう防弾ぼうだん性能せいのう横転おうてん性能せいのう旋回せんかい性能せいのうも、時速じそく400km以下いか速度そくどいき以外いがいではれいせんよりすぐれていた。

F6Fの運動うんどう性能せいのう良好りょうこうであるが低速ていそくいきではれいせんおとるため、単独たんどくでの格闘かくとうせんはできるかぎ回避かいひしつつ無線むせんでタイミングをはかりながらサッチウィーブ対抗たいこうするようになっていた。だが1944ねん6がつ硫黄いおうとうにおけるだいさん〇一海軍航空隊とのたたかいでは、経験けいけんんで自信じしんをつけたためか積極せっきょくてき格闘かくとうせんいどむF6Fの姿すがた目撃もくげきされている[10]

れいせんとF6Fが1たい1の格闘かくとうせんおこない、双方そうほう弾薬だんやくくしてけた事例じれいもある[11]

おな艦上かんじょう戦闘せんとうでありながら、かぎられた出力しゅつりょく発動はつどう最大限さいだいげん運動うんどう性能せいのう発揮はっきするため徹底的てっていてき軽量けいりょうしてパイロット個人こじん技量ぎりょうかした格闘かくとうせん仕掛しかけるれいせんたいし、だい出力しゅつりょく発動はつどうによる余裕よゆう防御ぼうぎょ性能せいのう配分はいぶんして生存せいぞんせい確保かくほしつつ、僚機との無線むせんによる連携れんけい戦術せんじゅつてき戦略せんりゃくてきたたかうF6Fは、まさにせい反対はんたい性格せいかくをもつ戦闘せんとうであり、日米にちべい戦闘せんとう設計せっけいたいする思想しそう象徴しょうちょうしているともえる。

F4U コルセア

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F4Uはつ飛行ひこうはF6Fよりもやく2ねんはやかったが、最高さいこう速度そくどはF6Fにっていた。しかしながら独特どくとくぎゃくガルつばさゆえかん視界しかいわるく、艦上かんじょう戦闘せんとうとしての運用うんようにはなんがあるとされ、F4Fの後継こうけい当初とうしょはF6Fにゆずらざるをなかった。その改良かいりょうちゃくかん方法ほうほう改善かいぜんによってF4Uも艦上かんじょう戦闘せんとうとしての運用うんよう可能かのうになり、F6Fをえて大戦たいせん末期まっきから戦後せんごにかけてのアメリカ海軍かいぐん主力しゅりょく戦闘せんとう戦闘せんとう爆撃ばくげきとなるのだが、格闘かくとうせんけのF6Fを「手強てごわ相手あいて」としていた日本にっぽんのパイロットからは、アメリカぐんパイロットが使つかいこなせていないF4Uはむしろ相対そうたいてきにはくみしやさしい相手あいてであった。

これはF6Fの戦闘せんとうじょうきょう優位ゆういせいとパイロットの平均へいきんてき練度れんど作用さようしたこともあり、実際じっさいには比較ひかくテストなどのおな条件じょうけんであれば、F4UがF6Fより横転おうてんはやく、運動うんどうせい戦闘せんとうであった。1944ねんはる艦上かんじょう運用うんようテストでF6Fと比較ひかくされるF4Uはよりはやく、機動きどうせい上昇じょうしょうりょく優勢ゆうせいであることをしめし、とくにズーム上昇じょうしょうでリードしたので、べい海軍かいぐんは、F6FをF4Uに交替こうたいすることを勧告かんこくする評価ひょうかくだした[12][13]

アメリカぐん鹵獲ろかくしたれいせんとの比較ひかくレポートでは、F6FとF4Uはれいせん相手あいて運動うんどうせい同等どうとう速度そくど上昇じょうしょうりょくはF4Uが優勢ゆうせい旋回せんかいりょくは1まんフィートで同等どうとう、3まんフィートではF6Fが微細びさい(only slight margin)に優勢ゆうせいだが、F4Uが戦闘せんとうフラップを使用しようすると、テストされた機種きしゅなかれいせんに150ノートまでくことが可能かのう唯一ゆいいつべいぐん戦闘せんとうとして、よりすぐれた旋回せんかいりょくせた。[14]

戦後せんごもその評価ひょうかつづき、退役たいえきパイロットたちによって結成けっせいされたSETPでも、1989ねん当時とうじ最新さいしん技術ぎじゅつ利用りようした測定そくていでF4Uの性能せいのう機動きどうせいをよりたか評価ひょうかした[15]

このように、F4Uのほう性能せいのう評価ひょうかたかいにもかかわらず、現場げんばレベルでは日米にちべい双方そうほうでF6Fを支持しじするこえおおかった理由りゆうとして、配備はいび初期しょきにF4Uがてられたパイロットのおおくは戦闘せんとう経験けいけんかったり、水上すいじょうばくげきのパイロット養成ようせいコースからきゅう転換てんかんしたものあつめられたことで、かれらの技量ぎりょう不足ふそくから損害そんがいえたことがあげられる。パイロットがわにとっても、堅実けんじつ設計せっけいされたF4Fのマイナーチェンジばんにとどまり飛行ひこう特性とくせいおおきくはわらないF6Fへは未熟みじゅくなスキルでも比較的ひかくてきスムーズに移行いこうでき、経験けいけん豊富ほうふなベテランはうまでもなくF4F以前いぜんつちかった技量ぎりょうをそのままかせるため機種きしゅ転換てんかん訓練くんれん短時間たんじかん一方いっぽうしん技術ぎじゅつ多用たようにより特性とくせいことなるF4Uへの機種きしゅ転換てんかんにはまとまった時間じかん必要ひつようであった。また、F4Fゆずりの強固きょうこさが信頼しんらいされていたF6Fとことなり、、当初とうしょのさまざまな不具合ふぐあいのこったまま実戦じっせん配備はいびされたF4Uには実態じったい以上いじょうわるいイメージがのこっていたこともあげられる。

運用うんようこく

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日本にっぽん鹵獲ろかくされ、戦後せんご進駐軍しんちゅうぐんによって撮影さつえいされたF6F-5(1945ねん
フランス海軍かいぐん空母くうぼラファイエットうえならべられた16のF6F-5(1951ねん9がつ11にち

このほか、日本にっぽん海軍かいぐん鹵獲ろかくされたのちに、まる塗装とそうされヨ-801というばんてられて、横須賀よこすか海軍かいぐん航空こうくうたい配備はいびされていたF6F-5が1存在そんざいする[16]終戦しゅうせん時点じてんでは破損はそんした状態じょうたいであった。

1945ねん昭和しょうわ20ねん1がつ4にち午前ごぜん台湾たいわん中西部ちゅうせいぶ飛行場ひこうじょうたいするばくげき写真しゃしん偵察ていさつ任務にんむびたTBMアヴェンジャーかんおさむ6護衛ごえいする空母くうぼラングレーだい44戦闘せんとう飛行ひこうたい所属しょぞくで、マルコム・T・ワーデル中佐ちゅうさ(Malcome T. Wordell)指揮しきにあるF6F-5編隊へんたい「ストライクBたい」のいちであるチャールズ・ヴァレンタイン・オウガスト中尉ちゅうい(Charles Valentine August)操縦そうじゅうのF6F-5 / 71441号機ごうきがエンジン不調ふちょうためとら海軍かいぐん飛行場ひこうじょうちかくのはたけ胴体どうたい着陸ちゃくりくした。機体きたいはその整備せいびたいによってきわめて良好りょうこう状態じょうたい回収かいしゅうされとら尾神おかみしゃ境内けいだいもりはこまれ一般いっぱん公開こうかいされた。その消息しょうそく不明ふめいであるが、先述せんじゅつ横須賀よこすか運用うんようされた機体きたいともされる[17]。オウガスト中尉ちゅういはその7ヶ月かげつ終戦しゅうせんむかえたため、収容しゅうようしょ無事ぶじ本国ほんごく帰還きかん出来できた。[18]

かくかた

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F6F Hellcat[19]

XF6F-1
初期しょき試作しさくがた。ライト R-2600-10エンジン(1,600馬力ばりき搭載とうさい
XF6F-1
XF6F-2
改良かいりょうがた試作しさく。ライト R-2600-16エンジン(ターボチャージャーづけ搭載とうさい完成かんせいまえにXF6F-3に変更へんこう
XF6F-2
XF6F-3
XF6F-1およびXF6F-2からの改装かいそう。ライト R-2800-10エンジン(2,000馬力ばりき搭載とうさい。2製造せいぞう
F6F-3
初期しょき量産りょうさんがた。ライト R-2800-10エンジン(2,000馬力ばりき搭載とうさい
F6F-3
ガネット Mk. I→ヘルキャット F Mk.I
イギリスけの252のF6F-3。のち改称かいしょう。1943ねん7がつから、シーハリケーン装備そうびだい800中隊ちゅうたい最初さいしょ配備はいびされ、ノルウェー方面ほうめんでの艦船かんせん攻撃こうげき攻撃こうげき援護えんごおこなった。
F6F-3E
夜間やかん戦闘せんとうがたみぎ主翼しゅよくにAN/APS-4レーダー搭載とうさい。18改装かいそう。1944ねん実戦じっせん投入とうにゅう
XF6F-3N
F6F-3Nの試作しさくよう改造かいぞうされたF6F-3。
F6F-3N
夜間やかん戦闘せんとうがたみぎ主翼しゅよくにAN/APS-6レーダー搭載とうさい。229改造かいぞう
F6F-3N
F6F-3P
写真しゃしん偵察ていさつかた
XF6F-4
F6F-3より1改装かいそう。ターボチャージャーづけライト R-2800-27エンジン(2,100馬力ばりき搭載とうさい
XF6F-4
F6F-5
改良かいりょう量産りょうさんがた。7,868製造せいぞう。P&W R-2800-10W(みず噴射ふんしゃ装置そうちづけ 2,200馬力ばりき)エンジン搭載とうさい。キャノピーをはじめとした機体きたい形状けいじょう改良かいりょうほどこされた。
F6F-5
ヘルキャット F Mk.II
イギリスけの930のF6F-5。10中隊ちゅうたい編成へんせいされ、太平洋たいへいよう方面ほうめん活動かつどうした。
F6F-5E
夜間やかん戦闘せんとうがたみぎ主翼しゅよくにAN/APS-4レーダーを搭載とうさい
F6F-5K
F6F-5およびF6F-5Nより改造かいぞうされた標的ひょうてき曳航えいこう武装ぶそう撤去てっきょながしをるウインチなどを追加ついか機体きたいしょくはオレンジに塗装とそうされている。標的ひょうてきなど無人むじん航空機こうくうき試験しけんとしても利用りようされたほか、朝鮮ちょうせん戦争せんそうときにはA-1から遠隔えんかく操作そうさする飛行ひこうばくだんとしても使用しようされた[20]無人むじんがた尾翼びよく無線むせん周波数しゅうはすうごとに色分いろわけされている。
クロスロード作戦さくせん観測かんそくとして使用しようされたF6F-5K
F6F-5N
夜間やかん戦闘せんとうがたみぎ主翼しゅよくにAN/APS-6レーダー搭載とうさい一部いちぶ機銃きじゅうかわそうし、20mm機銃きじゅう2もん、12.7mm機銃きじゅう4もん装備そうび
ヘルキャット NF Mk.II
イギリスけの80のF6F-5N。大戦たいせんちゅうに2中隊ちゅうたい編成へんせいされたが、実戦じっせん参加さんかわなかった。
F6F-5P
写真しゃしん偵察ていさつがた。F6F-5の胴体どうたい中央ちゅうおう左側ひだりがわめんにK-18偵察ていさつカメラを搭載とうさいかくVFで少数しょうすう運用うんようされた。
ヘルキャット FR Mk.II
イギリス出荷しゅっかようのF6F-5P。
XF6F-6
2のF6F-5(機体きたい番号ばんごう:70188および70913)にP&W R-2800-18W(みず噴射ふんしゃ装置そうちづけ 2,100馬力ばりき)を搭載とうさいしプロペラも4翅にかわそうした機体きたい。1944ねん7がつ6にちはつ飛行ひこうおこない、最高さいこうそく417mph(671km/h)と良好りょうこう性能せいのうしめしたが次世代じせだいであるF8Fが完成かんせいしていたため量産りょうさんおこなわれず。[21]
XF6F-6
FV-1
カナダで製造せいぞうされた機体きたいけに用意よういされた名称めいしょう製造せいぞうされず[22]

しょもと

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機体きたいめい F6F-3[23] F6F-3N[24]
全長ぜんちょう 33ft 7in (10.24m)
全幅ぜんぷく 42ft 10in (13.06m) → 16ft 2in (4.93m) ※主翼しゅよくたたとき
ぜんこう 14ft 5in (4.39m)
つばさ面積めんせき 334ft² (31.03m²)
プロペラ[25] ブレード3まい 直径ちょっけい13ft 1in (3.99m)
エンジン Pratt & Whitney R-2800-10W (2,000Bhp 最大さいだい:2,110Bhp)
空虚くうきょ重量じゅうりょう 9,207lbs (4,176kg) 9,331lbs (4,232kg)
戦闘せんとう重量じゅうりょう 12,575lbs (5,704kg) 13,015lbs (5,904kg)
つばさめん荷重かじゅう 183.82kg/m² 190.27kg/m²
燃料ねんりょう[ちゅう 5] 250gal (946ℓ)
最高さいこう速度そくど 372mph/18,000ft (599km/h 高度こうど5,486m) 360mph/18,000ft (579km/h 高度こうど5,486m)
上昇じょうしょう能力のうりょく 3,250ft/m S.L. (16.51m/s 海面かいめん高度こうど)
20,000ft (6,096m)まで7ふん
3,090ft/m S.L. (15.70m/s 海面かいめん高度こうど)
20,000ft (6,096m)まで7ふん24びょう
実用じつよう上昇じょうしょう限度げんど[ちゅう 6] 38,800ft (11,826m) 38,100ft (11,613m)
降下こうか制限せいげん速度そくど 415kn (769km/h)[26]
航続こうぞく距離きょり[ちゅう 7] 1,340st.mile (2,157km) ※1×150galタンク搭載とうさい 1,235st.mile (1,988km) ※1×150galタンク搭載とうさい
武装ぶそう AN/M2 12.7mm機関きかんじゅう×6 (たますうけい2,400はつ)
外部がいぶへいそう 以下いかわせより最大さいだい4,000lbs (1,814kg)
胴体どうたい:2,000/1,600/1,000/500lbsばくだん×1、Mk.13魚雷ぎょらい×1、Tiny Tim×1
翼下よくか:1,000/500/250lbsばくだん×2・100lbsばくだん×6、Tiny Tim×2、HVAR / A.R.×6
機体きたいめい F6F-5[27] F6F-5N[28]
全長ぜんちょう 33ft 7in (10.24m)
全幅ぜんぷく 42ft 10in (13.06m) → 16ft 2in (4.93m) ※主翼しゅよくたたとき
ぜんこう 14ft 5in (4.39m)
つばさ面積めんせき 334ft² (31.03m²)
プロペラ[25] ブレード3まい 直径ちょっけい13ft 1in (3.99m)
エンジン Pratt & Whitney R-2800-10W (2,000Bhp 最大さいだい:2,110Bhp)
空虚くうきょ重量じゅうりょう 9,238lbs (4,190kg) 9,240lbs (4,191kg)
戦闘せんとう重量じゅうりょう 12,740lbs (5,779kg) 12,748lbs (5,797kg)
つばさめん荷重かじゅう 186.24kg/m² 186.82kg/m²
燃料ねんりょう[ちゅう 8] 250gal (946ℓ)
最高さいこう速度そくど 330kn/23,400ft (611km/h 高度こうど7,132m) 391mph/18,800ft (629km/h 高度こうど5,730m)
上昇じょうしょう能力のうりょく 2,980ft/m S.L. (15.14m/s 海面かいめん高度こうど)
20,000ft (6,096m)まで7ふん42びょう
2680ft/m S.L. (13.61m/s 海面かいめん高度こうど)
20,000ft (6,096m)まで8ふん30びょう
実用じつよう上昇じょうしょう限度げんど[ちゅう 9] 33,700ft (10,272m) 37,000ft (11,278m)
降下こうか制限せいげん速度そくど 初期しょきがたで430kn (796km/h)、機体きたい番号ばんごう71098以降いこうは440kn (815km/h)[26]
航続こうぞく距離きょり[ちゅう 7] 950n.mile (1,759km) ※1×150galタンク搭載とうさい 1,635st.mile (2,631km) ※1×150galタンク搭載とうさい
武装ぶそう AN/M2 12.7mm機関きかんじゅう×6 (たますうけい2,400はつ)
または AN/M2 12.7mm機関きかんじゅう×4 (たますうけい1,600はつ) + AN-M3 20mm機関きかんほう×2 (たますうけい400はつ)
外部がいぶへいそう 以下いかわせより最大さいだい4,000lbs (1,814kg)
胴体どうたい:2,000/1,600/1,000/500lbsばくだん×1、Mk.13魚雷ぎょらい×1、Tiny Tim×1
翼下よくか:1,000/500/250lbsばくだん×2・100lbsばくだん×6、Tiny Tim×2、HVAR / A.R.×6

現存げんそんする機体きたい

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型名かためい 番号ばんごう 機体きたい写真しゃしん 所在地しょざいち 所有しょゆうしゃ 公開こうかいじょうきょう 状態じょうたい 備考びこう
F6F-3 08825
A.212
写真しゃしん アメリカ アイダホしゅう ウィラード・コンプトン
(Willard Compton)
非公開ひこうかい 保管ほかんちゅう [1]
F6F-3 25910
A.????
アメリカ フロリダしゅう 国立こくりつ海軍かいぐん航空こうくう博物館はくぶつかん[2] 公開こうかい 静態せいたい展示てんじ [3]
F6F-3 40467
A.1733
アメリカ カリフォルニアしゅう ヤンクス航空こうくう博物館はくぶつかん[4] 公開こうかい 修復しゅうふくちゅう アメリカ海軍かいぐん4撃墜げきついおうであったアレクサンダー・ヴラチウ搭乗とうじょうした機体きたいであるが、番号ばんごうには諸説しょせつある。F6F-3 / 08831号機ごうき使用しよう使用しようして修復しゅうふくされている。[5]
F6F-3 41476
A.2742
写真しゃしん アメリカ マサチューセッツしゅう コーリングス財団ざいだん[6] 公開こうかい 飛行ひこう可能かのう 近年きんねんまでエヴァーグリーン航空こうくう宇宙うちゅう博物館はくぶつかんにあったが、左記さき施設しせつ飛行ひこう可能かのう状態じょうたい修復しゅうふくされ、2019ねん再度さいど飛行ひこう可能かのうとなった。[7][8]きゅう塗装とそう
F6F-3K 41834
A.3100
アメリカ ヴァージニアしゅう 国立こくりつ航空こうくう宇宙うちゅう博物館はくぶつかん別館べっかん

スティーヴン・F・ウドヴァーヘイジーセンター[9]

公開こうかい 静態せいたい展示てんじ [10]
F6F-3 41930
A.3196
写真しゃしん アメリカ テキサスしゅう チノ・ウォーバーズ株式会社かぶしきがいしゃ
(Chino Warbirds Inc.)
非公開ひこうかい 飛行ひこう可能かのう きゅう塗装とそう
F6F-3 42874
A.4140
写真しゃしん アメリカ カリフォルニアしゅう サンディエゴ航空こうくう宇宙うちゅう博物館はくぶつかん[11] 公開こうかい 静態せいたい展示てんじ [12]
F6F-3 43014
A.4280
みぎ アメリカ フロリダしゅう ファンタジー・オブ・フライト[13] 公開こうかい 修復しゅうふくちゅう
F6F-3 66237
A.1257
アメリカ ニュージャージーしゅう 海軍かいぐん航空こうくう基地きちワイルドウッド航空こうくう博物館はくぶつかん[14] 公開こうかい 静態せいたい展示てんじ けい航空こうくう母艦ぼかんカボット搭載とうさい初代しょだいだい31戦闘せんとう飛行ひこうたい所属しょぞく[ちゅう 10]塗装とそうがされている。国立こくりつ海軍かいぐん航空こうくう博物館はくぶつかんにあったが、2019ねん4がつからげん博物館はくぶつかん貸与たいよされている。[15][16][17]
F6F-3 (不明ふめい、2) アメリカ コロラドしゅう 国立こくりつだい世界せかい大戦たいせん航空こうくう博物館はくぶつかん[18] 公開こうかい 静態せいたい展示てんじ 2のF6F-3が修復しゅうふくされている。[19]
F6F-5 70185
A.5597
写真しゃしん アメリカ フロリダしゅう 国立こくりつ海軍かいぐん航空こうくう博物館はくぶつかん 非公開ひこうかい 保管ほかんちゅう かつてクォンセット航空こうくう博物館はくぶつかん修復しゅうふくされていた。
F6F-5 70222
A.5634
アメリカ カリフォルニアしゅう 記念きねん空軍くうぐん(CAF)[20] 公開こうかい 飛行ひこう可能かのう アメリカ海軍かいぐん1撃墜げきついおうであったデイヴィッド・マッキャンベル搭乗とうじょうしたF6F-5 / 70143号機ごうき塗装とそうがされている。[21]
F6F-5K 77722
A.8867
写真しゃしん アメリカ メリーランドしゅう アンドリューズ海軍かいぐん予備よびやく基地きち
(アンドリューズ空軍くうぐん基地きち)
公開こうかい 静態せいたい展示てんじ
F6F-5 78645
A.9790
アメリカ ミネソタしゅう フェイゲン・ファイタースだい世界せかい大戦たいせん博物館はくぶつかん[22] 公開こうかい 保管ほかんちゅう 2018ねん3がつヤンクス航空こうくう博物館はくぶつかんより取得しゅとくされた。[23]
F6F-5K 79192
A.10337
アメリカ コネティカットしゅう ニューイングランド航空こうくう博物館はくぶつかん[24] 公開こうかい 静態せいたい展示てんじ [25]
F6F-5K 79593
A.10738
アメリカ サウスカロライナしゅう ペイトリオッツ・ポイント海軍かいぐん海事かいじ博物館はくぶつかん[26]
(空母くうぼヨークタウン(CV-10))
公開こうかい 静態せいたい展示てんじ [27]
F6F-5K 79683
A.10828
アメリカ ミシガンしゅう エア・ズー航空こうくう宇宙うちゅう科学かがく博物館はくぶつかん[28] 公開こうかい 静態せいたい展示てんじ [29]
F6F-5
ヘルキャット Mk.II
79779
KE209
A.10924
イギリス サマセットしゅう イギリス海軍かいぐん航空こうくう博物館はくぶつかん[30] 公開こうかい 静態せいたい展示てんじ [31]
F6F-5K 79863
A.11008
アメリカ ワシントンしゅう フライング・ヘリテージ・コレクション[32] 公開こうかい 飛行ひこう可能かのう [33]
F6F-5K 80141
A.11286
アメリカ テキサスしゅう ルイス・エア・レジェンズ 公開こうかい 飛行ひこう可能かのう F6F-3/08831の胴体どうたい中央ちゅうおう使用しようして修復しゅうふくされた。
F6F-5 94203
A.11955
アメリカ フロリダしゅう 国立こくりつ海軍かいぐん航空こうくう博物館はくぶつかん 公開こうかい 静態せいたい展示てんじ アメリカ海軍かいぐん1撃墜げきついおうであったデイヴィッド・マッキャンベル搭乗とうじょうしたF6F-5 / 70143号機ごうき塗装とそうがされている。[34]
F6F-5N 94204
A.11956
アメリカ オレゴンしゅう エリクソン航空機こうくうきコレクション[35] 公開こうかい 飛行ひこう可能かのう ローンスター飛行ひこう博物館はくぶつかん所有しょゆうしていたが、2017ねん10がつ左記さき施設しせつ購入こうにゅうした。[36]
F6F-5K 94263
A.12015
アメリカ ニューヨークしゅう 航空こうくう発祥はっしょう博物館はくぶつかん[37] 公開こうかい 静態せいたい展示てんじ [38]
F6F-5 94385
A.12137
アメリカ カリフォルニアしゅう マイケル・E・カウチス
(Michael E. Coutches)
非公開ひこうかい 修復しゅうふくちゅう [39]
F6F-5N
F6F-5K
94473
A.12225
みぎ アメリカ カリフォルニアしゅう パームスプリングス航空こうくう博物館はくぶつかん[40] 公開こうかい 飛行ひこう可能かのう F6F-3/08831の胴体どうたい使用しようして修復しゅうふくされた。[41]

登場とうじょう作品さくひん

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映画えいが

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おとこたちの大和やまと/YAMATO
アメリカ海軍かいぐん所属しょぞく登場とうじょう終盤しゅうばんにて、TBF アヴェンジャーSB2C ヘルダイバーともに、菊水きくすい作戦さくせんのために沖縄おきなわかっていた大和やまとがた戦艦せんかん大和やまと」を襲撃しゅうげきする。
War Thunder
プレイヤーの操縦そうじゅう機体きたいとしてアメリカツリーでF6F-5、夜間やかん戦闘せんとう仕様しようのF6F-5Nが使用しよう可能かのう。またイギリスツリーでは課金かきんわくでF6F MK1が使用しよう可能かのう
艦隊かんたいこれくしょん -かんこれ-
航空こうくう母艦ぼかんかんむすめ装備そうびできる艦載かんさい装備そうびとして、F6F-3、F6F-5、F6F-3N、F6F-5Nが登場とうじょう
鋼鉄こうてつ咆哮ほうこう ウォーシップコマンダー』
アメリカがた航空機こうくうきとして登場とうじょう派生はせい作品さくひんの「鋼鉄こうてつ咆哮ほうこう2 ウォーシップガンナー」では英国えいこく供与きょうよがた登場とうじょうする。

アニメ・漫画まんが

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戦場せんじょうまんがシリーズ
シリーズさくいちへん音速おんそく雷撃らいげきたい』に敵役かたきやくべい軍機ぐんきとして登場とうじょう機体きたいには、旭日きょくじつはた5、日章旗にっしょうき5のけい10ぶん撃墜げきついマークがペイントされており、相応そうおうエース・パイロットであることがうかがえる。
はだしのゲン
原作げんさくだいいちかんははちち空想くうそうシーンで登場とうじょうほん発射はっしゃしたロケットだん浩二こうじ命中めいちゅうし、浩二こうじからだぷたつになって死亡しぼうする。しかしあくまでこれはにん空想くうそうのため、浩二こうじはそもそも攻撃こうげきけておらず、死亡しぼうしていなかった。

小説しょうせつ

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連合れんごう艦隊かんたい西進せいしん
にちえいふつ同盟どうめい締結ていけつされ連合れんごう国軍こくぐん一員いちいんとなった日本にっぽんが、ドイツぐん戦闘せんとう高性能こうせいのうれいせん対抗たいこうしきれなくなり、後継こうけい開発かいはつおくれから「さんしき艦上かんじょう戦闘せんとう えんふう」として導入どうにゅうした。速度そくど運動うんどうせい向上こうじょうくわえ、防弾ぼうだん性能せいのうれいせん比較ひかくにならないたかさからパイロットを中心ちゅうしんこう評価ひょうかされている。

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ 編隊へんたい空戦くうせん訓練くんれん不十分ふじゅうぶんのままフィリピンでたたかった、341そら竹村たけむら中尉ちゅういは「機銃きじゅう口径こうけいだけは紫電しでんおおきいが、運動うんどうせいはF6Fのほううえ」とひょうしている。
  2. ^ 当時とうじ戦闘せんとうパイロットの平均へいきん飛行ひこう時間じかんは300~500あいだ程度ていどであった。これは現代げんだいのジェット戦闘せんとうのパイロットにとっては実戦じっせん参加さんかできないレベルであり、アマチュアパイロットとしてもすくない部類ぶるいである。
  3. ^ たとえば坂井さかい三郎さぶろうは、れいせんでF6Fとたたかった体験たいけんを「ここまでれいせん旋回せんかいいてきたられるやついままでなかった」「やつならとっくに撃墜げきついしている」と回想かいそうしている。
  4. ^ スペックをるに日本にっぽん海軍かいぐん紫電しでんあらためのほうが低速ていそくであるが、実際じっさいにはF6Fのほうが低速ていそくだったことについては複数ふくすう証言しょうげんがある。そうじて日本にっぽん機体きたい戦後せんごのアメリカぐんのテストにおいて、日本にっぽんおおやけためし結果けっか上回うわまわ速度そくど性能せいのうしめしている。
  5. ^ 搭載とうさい可能かのう燃料ねんりょう機体きたいない燃料ねんりょうタンクに250gal (946ℓ)、落下らっかぞうそうタンクを150gal (568ℓ)×3の合計ごうけい700gal (2,650ℓ)
  6. ^ 100fpm R/Cでの実用じつよう上昇じょうしょう限度げんど
  7. ^ a b 航続こうぞく距離きょりはF6F-3/3N/5では燃料ねんりょう消費しょうひりょう+5%、F6F-5Nでは燃料ねんりょう消費しょうひりょう+15%の補正ほせい算出さんしゅつされている
  8. ^ 搭載とうさい可能かのう燃料ねんりょう機体きたいない燃料ねんりょうタンクに250gal (946ℓ)、落下らっかぞうそうタンクを150gal (568ℓ)×3の合計ごうけい700gal (2,650ℓ)
  9. ^ F6F-5は500fpm R/C、F6F-5Nは100fpm R/Cでの実用じつよう上昇じょうしょう限度げんど
  10. ^ アメリカ海軍かいぐん10撃墜げきついおうであったアーサー・レイ・ホーキンス搭乗とうじょうしたとされることがあるが、実際じっさいにホーキンスが搭乗とうじょうしていたのはしろい12のマーキングがされたF6F-5 / 58937号機ごうきである。

出典しゅってん

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  1. ^ a b c d The Grumman F6F Hellcat & F8F Bearcat 英語えいご
  2. ^ Warbird Alley Grumman F6F Hellcat 英語えいご
  3. ^ 万有ばんゆうガイド・シリーズ 5⃣ 航空機こうくうき だい大戦たいせん II』93ぺーじ
  4. ^ 万有ばんゆうガイド・シリーズ 5⃣ 航空機こうくうき だい大戦たいせん II』94ぺーじ
  5. ^ 万有ばんゆうガイド・シリーズ 5⃣ 航空機こうくうき だい大戦たいせん II』94ぺーじ
  6. ^ Treadwell, Terry. Ironworks: Grumman's Fighting Aeroplanes. Shrewsbury, UK: Airlife Publishers, 1990. ISBN 1-85310-070-6
  7. ^ 宮崎みやざきいさむかえって紫電しでんあらため 紫電しでんあらため戦闘せんとうたい物語ものがたり』(光人みつひとしゃ、1993)85ぺーじ
  8. ^ 万有ばんゆうガイド・シリーズ 5⃣ 航空機こうくうき だい大戦たいせん II』93~94ぺーじ
  9. ^ れいせん無敵むてき神話しんわ」が崩壊ほうかいした歴戦れきせん搭乗とうじょういん前線ぜんせんたもの(神立かんだつ 尚紀なおき - 現代げんだいビジネス
  10. ^ 宮崎みやざきいさむかえって紫電しでんあらため 紫電しでんあらため戦闘せんとうたい物語ものがたり』(光人みつひとしゃ、1993)135-136ぺーじ
  11. ^ れいせん搭乗とうじょういんそら戦記せんき』(光人みつひとしゃ、2000)19ぺーじ、1943ねん12月27にちしょうはちじゅう幸太郎こうたろう戦闘せんとう
  12. ^ Barrett., Tillman, (2002). Corsair : the F4U in World War II and Korea. Annapolis, Md.: Naval Institute Press. ISBN 1557509948. OCLC 48515565. https://www.worldcat.org/oclc/48515565 
  13. ^ W., Bowman, Martin (2002). Vought F4U Corsair. Marlborough: Crowood. ISBN 1861264925. OCLC 48931986. https://www.worldcat.org/oclc/48931986 
  14. ^ TAIC Report No. 17 November 1944 - Combat Evaluation of Zeke 52 with F4U-1D, F6F-5 and FM-2
  15. ^ https://www.scribd.com/document/324696219/Flight-Test-Comparison
  16. ^ 押尾おしび一彦かずひこ野原のはらしげる日本にっぽんぐん鹵獲ろかく秘録ひろく光人みつひとしゃ、2002ねん、140ぺーじISBN 978-4769810476 
  17. ^ Pacific Wrecks
  18. ^ 押尾おしび一彦かずひこ野原のはらしげる日本にっぽんぐん鹵獲ろかく秘録ひろく光人みつひとしゃ、2002ねん、135-136ぺーじISBN 978-4769810476 
  19. ^ Appendix 1: Aircraft Data--Technical Information and Drawings, BG to F9F (F-9) ドキュメント番号ばんごう17,18
  20. ^ Jackson, Robert. Air War Korea 1950–1953. Shrewsbury, UK: Airlife Publishing, 1998. ISBN 1-85310-880-4. p126
  21. ^ Hellcat FlyPast
  22. ^ Norton 2008, p. 38.
  23. ^ F6F-3 Hellcat Specifications AIRPLANE CHARACTERISTICS & PERFORMANCE
  24. ^ F6F-3N Hellcat Specifications AIRPLANE CHARACTERISTICS & PERFORMANCE
  25. ^ a b F6F-3/3N/5/5N:Propeller:HAMILTON STANDARD C.S.、Blade:No.6501A-0 (×3)、Diameter:13ft 1in (3.99m)、Area:12.49m²
  26. ^ a b PILOTS HANDBOOK OF OPERATING INSTRUCTIONS FOR NAVY MODELS F6F-3,F6F-3N,F6F-5,F6F-5N AIRPLANES
    Pilot's Handbook for NAVY MODEL F6F-3・F6F-3N・F6F-5・F6F-5N Airplanes
  27. ^ F6F-5 Hellcat Specifications STANDARD AIRCRAFT CHARACTERISTICS
  28. ^ F6F-5N Hellcat Specifications AIRPLANE CHARACTERISTICS & PERFORMANCE

参考さんこう文献ぶんけん

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  • 世界せかい傑作けっさく No.71 グラマンF6Fヘルキャット』(ISBN 978-4893190680ぶん林堂はやしどう、1998
  • 『F6Fヘルキャット/F4Uコルセア (ハンディばん図解ずかい軍用ぐんようシリーズ)』(ISBN 978-4769809180光人みつひとしゃ、2000
  • 『グラマンF6Fヘルキャット (エアロ・ディテール 17)』 (ISBN 978-4499226639) だい日本にっぽん絵画かいが、1996
  • だい大戦たいせんまい海軍かいぐん全集ぜんしゅう 航空こうくうファン イラストレイテッドNo.73』ぶん林堂はやしどう、1993

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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