エセックス (空母くうぼ)

エセックス
1944年ねん4月がつ15日にち、サンフランシスコにて
基本きほん情報じょうほう
建造けんぞう所しょ	ニューポート・ニューズ造船ぞうせん所しょ
運用うんよう者しゃ	アメリカ海軍かいぐん
艦かん種しゅ	航空こうくう母艦ぼかん (CV) →攻撃こうげき空母くうぼ (CVA) →対たい潜せん空母くうぼ (CVS)
級きゅう名めい	エセックス級きゅう
愛称あいしょう	海軍かいぐんの最さい奮闘ふんとう艦かん (Fightingest Ship in Navy)
艦かん歴れき
発注はっちゅう	1940年ねん7月がつ3日にち
起工きこう	1941年ねん4月がつ28日にち
進水しんすい	1942年ねん7月がつ31日にち
就役しゅうえき	1) 1942年ねん12月31日にち 2) 1951年ねん1月がつ15日にち
退役たいえき	1) 1947年ねん1月がつ9日にち 2) 1969年ねん6月がつ30日にち
除籍じょせき	1973年ねん6月がつ1日にち
その後ご	1973年ねん、スクラップとして売却ばいきゃく
要目ようもく
基準きじゅん排水はいすい量りょう	27,100 トン（竣工しゅんこう時じ） 28,200 トン（SCB-27A改修かいしゅう後ご） 30,800 トン（SCB-125改修かいしゅう後ご）
満載まんさい排水はいすい量りょう	36,380 トン（竣工しゅんこう時じ） 40,600 トン（SCB-27A改修かいしゅう後ご） 41,200 トン（SCB-125改修かいしゅう後ご）
全長ぜんちょう	872フィート (266 m)
水線すいせん長ちょう	820フィート (250 m)
最大さいだい幅はば	147フィート6インチ (44.96 m)
水線すいせん幅はば	97フィート (30 m)
吃水きっすい	34フィート2インチ (10.41 m)（満載まんさい）
主しゅ缶かん	B&W製せい 水すい管かんボイラー×8基き
主おも機き	ウェスティングハウス製せい 蒸気じょうきタービン×4基き
出力しゅつりょく	150,000馬力ばりき (110,000 kW)
推進すいしん器き	スクリュープロペラ×4軸じく
最大さいだい速力そくりょく	33ノット (61 km/h)
航続こうぞく距離きょり	20,000海うみ里さと (37,000 km)/15ノット
乗員じょういん	士官しかん・兵員へいいん2,600名めい
兵へい装そう	5インチ連装れんそう砲ほう×4基き 5インチ単たん装そう砲ほう×4基き 40ミリ四よん連装れんそう機関きかん砲ほう×8基き 20ミリ機関きかん砲ほう×46基き
装甲そうこう	舷側げんそく：2.5–4インチ (64–102 mm) 飛行ひこう甲板かんぱん：1.5インチ (38 mm) 格納かくのう甲板かんぱん：2.5インチ (64 mm) 水密すいみつ隔壁かくへき：4インチ (100 mm)
搭載とうさい機き	90 - 100機き
その他た	艦載かんさい機き用ようエレベーター（中央ちゅうおう2基き、舷側げんそく1基き）

エセックス（USS Essex, CV/CVA/CVS-9）は、アメリカ海軍かいぐんのエセックス級きゅう航空こうくう母艦ぼかんのネームシップ。艦かん名めいはマサチューセッツ州しゅうエセックス郡ぐんに因ちなみ、この名前なまえの艦かんとしては4隻せき目めである。

1943年ねん以降いこうの太平洋たいへいようにおける主要しゅような海戦かいせん全すべてに参加さんかし活躍かつやくしたことから「海軍かいぐんの最さい奮闘ふんとう艦かん」（Fightingest Ship in Navy）の愛称あいしょうをもつ。

艦かん歴れき

「エセックス」は1942年ねん7月がつ31日にちにバージニア州しゅうニューポート・ニューズのニューポート・ニューズ造船ぞうせん & 乾いぬいドック社しゃでアーテムス・L・ゲート夫人ふじん（海軍かいぐん航空こうくう次官じかんの妻つま）によって命名めいめい、進水しんすいし、1942年ねん12月31日にちにドナルド・B・ダンカン大佐たいさの指揮しき下かで就役しゅうえきした。訓練くんれん航海こうかいの後のち、「エセックス」は太平洋たいへいように回航かいこうされた。

第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん

1943年ねん

1943年ねん春はるの「エセックス」の真珠湾しんじゅわん到着とうちゃくは、太平洋艦隊たいへいようかんたい司令しれい長官ちょうかんチェスター・ニミッツ大将たいしょうをして、新あたらしい中部ちゅうぶ太平洋たいへいよう部隊ぶたいの編成へんせいの第だい一いち弾だんとして位置いちづけられた。8月に入はいり第だい5艦隊かんたいが編成へんせいされ、艦隊かんたい司令しれい長官ちょうかんにレイモンド・スプルーアンス中将ちゅうじょうが、指揮しき下かの高速こうそく空母くうぼ任務にんむ部隊ぶたいの司令しれい官かんにチャールズ・A・パウナル少将しょうしょうがそれぞれ就任しゅうにんした。「エセックス」は、続つづいて竣工しゅんこうした空母くうぼ「ヨークタウン」および「インディペンデンス」とともに第だい15任務にんむ部隊ぶたい（パウナル少将しょうしょう）を構成こうせいし、南鳥島みなみとりしま攻撃こうげきのための二に週間しゅうかんに及およぶ訓練くんれん演習えんしゅうを共ともに行いった。第だい15任務にんむ部隊ぶたいによる南鳥島みなみとりしま攻撃こうげきは1943年ねん9月がつ1日にちに行おこなわれ、島しまの施設しせつの70パーセント以上いじょうが破壊はかいされた。この攻撃こうげきは、新しん採用さいようの機動きどう部隊ぶたい戦術せんじゅつの実際じっさいの運用うんようと試験しけん、訓練くんれんを兼かねていた。南鳥島みなみとりしま攻撃こうげきから帰投きとうすると、「エセックス」は「ヨークタウン」とともに第だい14任務にんむ部隊ぶたい（アルフレッド・E・モントゴメリー少将しょうしょう）に配置はいち換かえとなり、10月6日にちから7日にちにかけてのウェーク島とう攻撃こうげきに参加さんかした。

その頃ころ、ソロモン諸島しょとうの戦たたかいはブーゲンビル島とうの戦たたかいを目前もくぜんにしており、ニミッツ大将たいしょうは上陸じょうりく作戦さくせんを支援しえんする空母くうぼ部隊ぶたいとして南太平洋みなみたいへいよう軍ぐん（ウィリアム・ハルゼー大将たいしょう）指揮しき下かの第だい38任務にんむ部隊ぶたい（フレデリック・C・シャーマン少将しょうしょう）のみをあてる予定よていだった。一方いっぽうで、中部ちゅうぶ太平洋たいへいよう方面ほうめんでもギルバート諸島しょとう攻略こうりゃくのガルヴァニック作戦さくせんの開始かいしが目前もくぜんに迫せまっていた。「エセックス」「ヨークタウン」に続つづく新鋭しんえい空母くうぼの増勢ぞうせいが続つづけられていたとはいえ、この時点じてんでソロモン方面ほうめんに振ふり向むけることが可能かのうだった空母くうぼは、第だい5艦隊かんたいから借かりていたベテランの「サラトガ」と新鋭しんえいの「プリンストン」だけであった。アメリカ軍ぐんは11月1日にちのブーゲンビル島とう上陸じょうりくを成功せいこうさせ、翌よく2日にちに生起せいきしたブーゲンビル島とう沖おき海戦かいせんで大森おおもり仙せん太郎たろう少将しょうしょう率ひきいる日本にっぽん艦隊かんたいを追おい払はらうことに成功せいこうしたが、11月4日にちになって栗田くりた健男たけお中将ちゅうじょう率ひきいる強力きょうりょくな日本にっぽん艦隊かんたいの来航らいこうを発見はっけんし、ハルゼー大将たいしょうはこれに対抗たいこうするため第だい38任務にんむ部隊ぶたいをラバウル近海きんかいに派遣はけんして11月5日にちに第だい1回かいのラバウル空襲くうしゅうを実施じっし。栗田くりた中将ちゅうじょうの艦隊かんたいは大だい損害そんがいを受うけトラック諸島しょとうに逃にげ帰かえった。これに飽あき足たらぬハルゼー大将たいしょうは、ダメ押だめおしのラバウル空襲くうしゅうを行おこなうことを決きめ、ニミッツ大将たいしょうに新手あらての空母くうぼ任務にんむ部隊ぶたいの派遣はけんを要請ようせいしたのである。ニミッツ大将たいしょうはギルバート諸島しょとう方面ほうめんの戦況せんきょうをにらみつつ、新手あらての空母くうぼ任務にんむ部隊ぶたいを派遣はけんすることとし、「エセックス」「バンカー・ヒル」「インディペンデンス」を基幹きかんとする第だい50.3任務にんむ群ぐん（モントゴメリー少将しょうしょう）を派遣はけんすることに決けっした。

護衛ごえい艦艇かんていの手配てはいの関係かんけいで第だい2回かいのラバウル空襲くうしゅうは11月11日にちに行おこなわれ、第だい38任務にんむ部隊ぶたいはブーゲンビル島とう北方ほっぽうから、第だい50.3任務にんむ群ぐんは同島どうとう南方なんぽうから挟はさみ撃うちの格好かっこうで艦載かんさい機きを発進はっしんさせた。第だい2回かいのラバウル空襲くうしゅうは第だい二に水雷すいらい戦隊せんたいに打撃だげきを与あたえて成功せいこうした。しかし、第だい50.3任務にんむ群ぐんは第だい三さん次じブーゲンビル島とう沖おき航空こうくう戦せんに遭遇そうぐうし、反復はんぷく攻撃こうげきを中止ちゅうししてソロモン海域かいいきから引ひき揚あげ、エスピリトゥサント島とうを経由けいゆして第だい5艦隊かんたいに復帰ふっきし、ギルバートの戦場せんじょうに向むかっていった。11月18日にちからはタラワ攻撃こうげきに参加さんかし、洋上ようじょうでの補給ほきゅうの後のち、12月5日にちにはクェゼリン環礁かんしょうを爆撃ばくげきして所在しょざいの施設しせつや艦船かんせんに打撃だげきを与あたえた。

1944 - 1945年ねん

パウナル少将しょうしょうは、南鳥島みなみとりしま攻撃こうげきを皮切かわきりに空母くうぼ作戦さくせんを滞とどこおりなく進すすめていったが部下ぶかから「慎重しんちょうすぎる」などと指揮しきぶりを批判ひはんされ、1944年ねんになって早々そうそうに更迭こうてつされた。後任こうにんの司令しれい官かんにはマーク・ミッチャー少将しょうしょうが就任しゅうにんし、部隊ぶたいの名称めいしょうも「第だい58任務にんむ部隊ぶたい」となった。「エセックス」は空母くうぼ「イントレピッド」「カボット」とともに第だい58.2任務にんむ群ぐん（モントゴメリー少将しょうしょう）に属ぞくし、1月がつ29日にちから2月がつ2日にちまでクェゼリンの戦たたかいの支援しえんに参加さんかした。作戦さくせんが予想よそう外がいに進捗しんちょくしたのを受うけ、エニウェトクの戦たたかいが繰くり上あげて実施じっしされることとなり、その支援しえんのためトラック島とう空襲くうしゅうが実施じっしされた。「エセックス」のいた第だい58.2任務にんむ群ぐんは、第だい58.1任務にんむ群ぐん（ジョン・W・リーヴス少将しょうしょう）および第だい58.3任務にんむ群ぐん（F・C・シャーマン少将しょうしょう）とともに2月がつ17日にちと18日にちに空襲くうしゅうを行おこない、壊滅かいめつ的てきな損害そんがいを与あたえることに成功せいこうした。三さん個こ任務にんむ群ぐんは一旦いったん引ひき揚あげた後のち、2月がつ23日にちにサイパン島とう、テニアン島とうおよびグアムを攻撃こうげきして日本にっぽん側がわの補給ほきゅう路ろに更さらなる打撃だげきを与あたえた（マリアナ諸島しょとう空襲くうしゅう）。一連いちれんの作戦さくせんを終おえると、「エセックス」はオーバーホールのためサンフランシスコに回航かいこうされた。

オーバーホールを終おえた「エセックス」は、アメリカ海軍かいぐん航空こうくう隊たいのエース・パイロットであるデヴィッド・マッキャンベル少佐しょうさが率ひきいる第だい15飛行ひこう群ぐんを乗のせ、空母くうぼ「ワスプ」「サン・ジャシント」とともに第だい58.4任務にんむ群ぐんを構成こうせいし、5月19日にちから20日はつかにかけては南鳥島みなみとりしまを、5月24日にちにはウェーク島とうをそれぞれ攻撃こうげき。続つづくマリアナ・パラオ諸島しょとうの戦たたかいでは、6月12日にちから8月がつ10日とおかまでのマリアナ諸島しょとう制圧せいあつ、6月19日にちから20日はつかのマリアナ沖おき海戦かいせん、および9月がつ6日にちから8日にちまでのパラオ制圧せいあつを中心ちゅうしんに、一貫いっかんして航空こうくう支援しえんに努つとめた。この間あいだ、「エセックス」がいた大だい艦隊かんたいの司令しれい長官ちょうかんは第だい5艦隊かんたいのスプルーアンス大将たいしょうから第だい3艦隊かんたいのハルゼー大将たいしょうに代かわり、第だい58任務にんむ部隊ぶたいは第だい38任務にんむ部隊ぶたいと改あらためられた。直後ちょくごの9月がつ9日にちから10日とおかにかけては、第だい38.3任務にんむ群ぐん（F・C・シャーマン少将しょうしょう）の一いち艦かんとしてミンダナオ島みんだなおとう攻撃こうげきを行おこない、ペリリューの戦たたかいを支援しえんした。「エセックス」は占領せんりょうしたばかりのウルシー環礁かんしょうに帰投きとう。10月2日にちに台風たいふうが襲来しゅうらいしたものの乗のり切きって、10月6日にちに南西諸島なんせいしょとうおよび台湾たいわん攻撃こうげきのため出撃しゅつげきした。

「エセックス」に突入とつにゅうする彗星すいせい艦かん爆ばく(1944年ねん11月25日にち)。

「エセックス」に特攻とっこう機きが命中めいちゅうした瞬間しゅんかん（1944年ねん11月25日にち）。

「エセックス」の艦載かんさい機きは10月がつ10日とおかに沖縄おきなわ島とうを（十じゅう・十じゅう空襲くうしゅう）、10月12日にちから14日にちにかけては台湾たいわん各地かくちを空襲くうしゅうしてアメリカ軍ぐんのレイテ島れいてとう上陸じょうりくを支援しえんした。10月24日にちから25日にちのレイテ沖おき海戦かいせんに参加さんかし、戦艦せんかん「武蔵むさし」撃沈げきちん等とうに貢献こうけんした。

その後ご10月がつ30日にちまで日本にっぽん艦隊かんたいの捜索そうさくを行おこなった後のち、ウルシーに一旦いったん帰投きとうして補給ほきゅうを行おこなった。11月に入はいってからはマニラ空襲くうしゅうなどフィリピン北部ほくぶの要所ようしょを空襲くうしゅうし、日本にっぽん軍ぐんに圧力あつりょくをかけ続つづけた。ウルシーに再度さいど帰投きとうしていた際さいの11月20日にち、ウルシーは日本にっぽん海軍かいぐんの人間にんげん魚雷ぎょらい『回天かいてん』による襲撃しゅうげきを受うけ、「エセックス」の眼前がんぜんで給油きゅうゆ艦かん「ミシシネワ」が爆発ばくはつ炎上えんじょうした。11月25日にちから26日にちにかけても「エセックス」の第だい38.3任務にんむ群ぐんはフィリピン各地かくちへの空襲くうしゅうを計画けいかくしていた。しかし、その11月25日にちに「エセックス」は初はじめて敵てきの攻撃こうげきにより損害そんがいを受うけることとなる。この日ひ、日本にっぽん軍ぐんは零れい戦せん、彗星すいせい、銀河ぎんがを基幹きかんとする5隊たいの神風かみかぜ特別とくべつ攻撃こうげき隊たいをマニラ近郊きんこうの航空こうくう基地きちから発進はっしんさせ、すでに第だい38.2任務にんむ群ぐん（ジェラルド・F・ボーガン少将しょうしょう）の「イントレピッド」「カボット」に突入とつにゅうして損害そんがいを与あたえ、「ハンコック」にも軽微けいびな損害そんがいを与あたえていた。「エセックス」は特攻とっこう機き2機きの攻撃こうげきを受うけ、そのうちの1機きを撃墜げきついしたものの、もう1機きが飛行ひこう甲板かんぱんに命中めいちゅう。15名めいが戦死せんしして44名めいが負傷ふしょうしたが、深刻しんこくな損害そんがいとはならず、被災ひさいした「イントレピッド」の艦載かんさい機きを一時いちじ的てきに収容しゅうようして避難ひなんさせた。一連いちれんの神風かみかぜ攻撃こうげきは、ハルゼー大将たいしょうに11月26日にちの攻撃こうげきを中止ちゅうしさせる決断けつだんを引ひき出だすに至いたり、第だい38任務にんむ部隊ぶたい（ジョン・S・マケイン・シニア中将ちゅうじょう）の大半たいはんはフィリピン海域かいいきから一時いちじ撤退てったいすることとなった。

ウルシーでの修理しゅうりの後のち、「エセックス」は再ふたたび前線ぜんせんに出動しゅつどうし、12月14日にちから16日にちにかけてはミンドロ島みんどろとうの戦たたかいを支援しえんした。コブラ台風たいふうに遭遇そうぐう後ご、生存せいぞん者しゃの捜索そうさくにあたった。1945年ねんに入はいり、「エセックス」は台湾たいわん、先さき島とう諸島しょとう、沖縄おきなわおよびルソン島るそんとうに対たいする一連いちれんの攻撃こうげきに参加さんかし、リンガエン湾わん上陸じょうりくに端はしを発はっするルソン島るそんとうの戦たたかいの手助てだすけをした。続つづいて第だい38任務にんむ部隊ぶたいは南シナ海みなみしなかいに侵入しんにゅうし、サイゴン、海南かいなん島とう、香港ほんこん、中国ちゅうごく沿岸えんがん部ぶを片かたっ端ぱしから攻撃こうげきし、軽けい巡洋艦じゅんようかん「香椎かしい」率ひきいるヒ86船団せんだんなどを全滅ぜんめつさせるなど猛威もういを振ふるった（グラティテュード作戦さくせん）。1月20日にちから21日にちにかけて台風たいふうに遭遇そうぐうした後のち、1月がつ26日にちから27日にちにかけての台湾たいわん、沖縄おきなわ、宮古島みやこじまへの再度さいどの攻撃こうげきを行おこない、ウルシーに帰投きとうした。この後のち、ハルゼー大将たいしょうはスプルーアンス大将たいしょうと交代こうたいして艦隊かんたいの名称めいしょうは第だい5艦隊かんたいとなり、第だい38任務にんむ部隊ぶたいは第だい58任務にんむ部隊ぶたいとなってミッチャー中将ちゅうじょうが指揮しきを執とる事こととなった。

ブレマートンの海軍かいぐん基地きちにおいて「ヨークタウン」「タイコンデロガ」「レキシントン」「バンカーヒル」「ボノム・リシャール」とともモスボールされる「エセックス」（一番いちばん手前てまえ）（1948年ねん）。

「エセックス」は、硫黄いおう島とうの戦たたかいの援護えんごとして1942年ねん4月がつ18日にちのドーリットル空襲くうしゅう以来いらい初はじめてとなるアメリカ海軍かいぐんによる日本にっぽん本土ほんど空襲くうしゅうのジャンボリー作戦さくせんに参加さんかするため出撃しゅつげきした。2月16日にちから17日にちおよび25日にちの3度どにわたり、艦載かんさい機きは東京とうきょうを初はじめとする関東かんとう地方ちほう各地かくちの軍事ぐんじ施設しせつや工場こうじょうを攻撃こうげきした。日本にっぽん軍ぐんの抵抗ていこうは驚おどろくほど微弱びじゃくで、艦載かんさい機きは大たいした損害そんがいもなく空母くうぼに収容しゅうようされていった。3月7日にちに第だい58任務にんむ部隊ぶたいはウルシーに帰投きとうしたが、3月11日にちに梓あずさ特別とくべつ攻撃こうげき隊たいによる特攻とっこう攻撃こうげきを受うけ、空母くうぼ「ランドルフ」が損傷そんしょうした。3月に続つづいて、「エセックス」は沖縄おきなわ戦せんに参加さんか。3月28日にちから5月がつ23日にちまでの間あいだ、断続だんぞく的てきに航空こうくう支援しえんを提供ていきょうし続つづけた。この間あいだに再ふたたび第だい5艦隊かんたいは第だい3艦隊かんたいとなって、ハルゼー大将たいしょうとマケイン中将ちゅうじょうが部隊ぶたいの指揮しきを執とった。4月7日にちには、沖縄おきなわ水上すいじょう特攻とっこう作戦さくせんに出撃しゅつげきした戦艦せんかん「大和やまと」等とうの撃沈げきちんに貢献こうけんしている（坊ノ岬ぼうのみさき沖おき海戦かいせん）。

レイテ湾わんでの整備せいびの後のち、「エセックス」はボーガン少将しょうしょうの第だい38.3任務にんむ群ぐんの一いち艦かんとして、日本にっぽんの本州ほんしゅう各地かくちに対たいする最終さいしゅう攻撃こうげきに参加さんかした。「エセックス」の艦載かんさい機きは、7月がつ10日とおかの厚木あつぎ海軍かいぐん飛行場ひこうじょう攻撃こうげきを皮切かわきりに、東北とうほく地方ちほう、青函せいかん連絡れんらく船せんなどに対たいする攻撃こうげきを遂行すいこうした。8月15日にちの日本にっぽんの降伏ごうぶくの後のち、「エセックス」は9月3日にちまで戦闘せんとう哨戒しょうかいを継続けいぞくした。その後ご、直すぐにアメリカ本国ほんごくに帰国きこく。9月15日にちにブレマートンに入港にゅうこうし、そのまま1947年ねん1月がつからはブレマートンの海軍かいぐん基地きちにおいて「ヨークタウン」「タイコンデロガ」「レキシントン」「バンカーヒル」「ボノム・リシャール」とともに予備よび艦隊かんたいに編入へんにゅうされ、モスボール処理しょりのうえ保管ほかんされた。

再さい就役しゅうえき、朝鮮ちょうせん戦争せんそうおよび近代きんだい化か改装かいそう

朝鮮ちょうせん戦争せんそう時じの「エセックス」(SCB-27A改装かいそう後ご)とF2H バンシー（1951年ねん）。

1950年ねんに朝鮮ちょうせん戦争せんそうが勃発ぼっぱつすると予備よび役やくに入はいっていたエセックス級きゅう空母くうぼ各かく艦かんも再ふたたび実戦じっせん投入とうにゅうされることが決きまった。

「エセックス」の近代きんだい化か改装かいそう工事こうじ（SCB-27A改装かいそう）は、予備よび役やく艦隊かんたい在籍ざいせき時じの1949年ねん2月がつから行おこなわれ、新あたらしい操縦そうじゅう室しつや洗練せんれんされた艦橋かんきょう構造こうぞう物ぶつが設置せっちされた他ほか、ジェット機じぇっとき運用うんよう能力のうりょくを持もつことになった。1951年ねん1月がつ16日にちの工事こうじ終了しゅうりょう後ご、「エセックス」はA・W・ウィーロック大佐たいさが艦長かんちょうに就任しゅうにんして再さい就役しゅうえきした。ハワイ近海きんかいでの簡潔かんけつな訓練くんれんの後のち、エセックスは朝鮮ちょうせん戦争せんそうに第だい1空母くうぼ戦隊せんたいと第だい77任務にんむ部隊ぶたい（エセックス、ボクサー、ボノム・リシャール、以後いご順次じゅんじ追加ついか及および交代こうたい）の旗艦きかんを兼かねて極東きょくとう水域すいいきに向むかった。朝鮮ちょうせん戦争せんそうにおける「エセックス」の行動こうどう期間きかんは、1951年ねん8月がつから1952年ねん3月がつまでと同年どうねん7月がつから1953年ねん1月がつまでの2度どにわたり、その間あいだ横須賀よこすかを拠点きょてんとした。「エセックス」は、F2H バンシーを実戦じっせんで初はじめて発はつ艦かんさせた空母くうぼとなった。1951年ねん9月がつ16日にち、被弾ひだんし帰かえってきた1機きのF2Hが爆発ばくはつと炎ほのおで7名めいを戦死せんしさせた後のち、飛行ひこう甲板かんぱん前部ぜんぶに待機たいき中ちゅうの他ほかの航空機こうくうきに衝突しょうとつした。「エセックス」は朝鮮ちょうせん水域すいいきから引ひき揚あげて横須賀よこすかで修理しゅうりを行おこない、10月3日にちには前線ぜんせんに戻もどって鴨かも緑みどり江こう近辺きんぺんへの中国ちゅうごく志願しがん軍ぐん攻撃こうげきの支援しえんを行おこなった。1952年ねん3月がつに一旦いったんサンフランシスコへ帰国きこくした後のち7月がつに戦線せんせん復帰ふっきしたが、その際さいに台湾たいわん海峡かいきょうを通過つうかし、国民党こくみんとう軍ぐん支援しえんのための警備けいび行動こうどうを行おこなった。1952年ねん8月がつ29日にちに「エセックス」の艦載かんさい機きは「ボクサー」の艦載かんさい機きと陸上りくじょう基地きちから発進はっしんした空軍くうぐん機き約やく1,000機きと協力きょうりょくして平壌ぴょんやんを爆撃ばくげきし壊滅かいめつさせ、9月1日にちには「ボクサー」「プリンストン」とともに慶けい興おき郡ぐんの石油せきゆ基地きちを攻撃こうげきし、北朝鮮きたちょうせんの保有ほゆうしていた燃料ねんりょうの三さん分ぶんの一いちを焼やき払はらった。後年こうねん、アポロ11号ごうの船長せんちょうとなるニール・アームストロングはこの頃ころ、「エセックス」にパイロットとして配属はいぞくされていた。また従軍じゅうぐん作家さっかのジェームズ・ミッチェナーは作戦さくせん中ちゅうの「エセックス」に取材しゅざいで乗船じょうせんしており、その経験けいけんを元もとに『トコリの橋はし』を執筆しっぴつし、後のちに映画えいが化かされた。

朝鮮ちょうせん戦争せんそうにアメリカ海軍かいぐんはエセックス級きゅう航空こうくう母艦ぼかん8隻せきとコメンスメント・ベイ級きゅう航空こうくう母艦ぼかん等ひとしの小型こがた空母くうぼ6隻せきを投入とうにゅうしたが殆ほとんどが初はつ実戦じっせんで、太平洋戦争たいへいようせんそうからの空母くうぼは「エセックス」以外いがいでは「ボノム・リシャール」とインディペンデンス級きゅう航空こうくう母艦ぼかんの「バターン」だけであった。エセックス級きゅうの後継こうけいの空母くうぼとしてミッドウェイ級きゅう航空こうくう母艦ぼかんがあったが3隻せきしか建造けんぞうされず、朝鮮ちょうせん戦争せんそうにも投入とうにゅうされなかった。

1953年ねん12月1日にちからは、東シナ海ひがししなかいにおいて休戦きゅうせん監視かんし哨戒しょうかいを行おこなった。フランス領りょうインドシナにおける第だい一いち次じインドシナ戦争せんそうが1954年ねん3月がつから5月がつにかけてのディエンビエンフーの戦たたかいで大詰おおづめを迎むかえると、アイゼンハワー大統領だいとうりょうは極東きょくとうにいた「エセックス」と「ボクサー」にフランス軍ぐん救援きゅうえんの準備じゅんびを行おこなうように指示しじし（ヴァルチャー作戦さくせん）、トンキン湾わんに展開てんかいしたが実行じっこうされることはなかった。 1954年ねん11月から1955年ねん6月がつにかけては訓練くんれんに従事じゅうじ。その間あいだの3ヵ月かげつ、「エセックス」は空母くうぼ「キアサージ」や、「エセックス」に続つづいて再さい就役しゅうえきした「ヨークタウン」「ワスプ」、ミッドウェイ級きゅう航空こうくう母艦ぼかん一いち番ばん艦かんの「ミッドウェイ」などの第だい7艦隊かんたいと行動こうどうをともにし、1955年ねん2月がつの大だい陳ひね島とう撤退てったい作戦さくせんへの支援しえんおよび、沖縄おきなわ沖おきでの艦隊かんたい行動こうどうに従事じゅうじした。1955年ねん7月がつ、極東きょくとう水域すいいきでの行動こうどうを終おえた「エセックス」は本国ほんごくに帰投きとうし、ピュージェット・サウンド海軍かいぐん造船ぞうせん所しょに入渠にゅうきょして修理しゅうりと大だい改修かいしゅう工事こうじ（SCB-125改修かいしゅう）が行おこなわれた。近代きんだい化か計画けいかくとして行おこなわれたこの大だい改修かいしゅうは、ジェット機じぇっとき運用うんようのためのアングルド・デッキ設置せっちと後部こうぶエレベーターの再さい配置はいちを主しゅとして行おこなわれた。工事こうじ終了しゅうりょう後ごの1956年ねん3月がつに「エセックス」は太平洋艦隊たいへいようかんたいに編入へんにゅうされ、14ヵ月かげつもの間あいだを西海岸にしかいがん水域すいいきで行動こうどうした後のち、第だい7艦隊かんたいで行動こうどうした6ヵ月かげつ間あいだを除のぞいたほとんどの期間きかんを大西洋たいせいよう艦隊かんたいで行動こうどうすることとなった。「エセックス」は1957年ねん8月がつ21日にちにサンディエゴを出港しゅっこうし、ホーン岬みさきを巡めぐって8月がつ1日にちにメイポート海軍かいぐん補給ほきゅう基地きちに到着とうちゃくした。

大西おおにし洋ひろし・地中海ちちゅうかい

SCB-125改装かいそう後ごの「エセックス」(1956年ねん)。

1957年ねん秋あき、「エセックス」はNATOによる演習えんしゅうストライクバック作戦さくせんに対たい潜せん空母くうぼとして参加さんか。これは従来じゅうらい型がたの空母くうぼ7隻せき（エセックス、タラワ、ワスプ、イントレピッド、アーク・ロイヤル、ブルワーク、イーグル）、戦艦せんかん2隻せき（アイオワ、ウィスコンシン）、重じゅう巡洋艦じゅんようかん2隻せき（メイコン、オールバニ、戦術せんじゅつ指揮しき艦かんノーザンプトン、軽けい巡洋艦じゅんようかん3隻せきに加くわえて戦後せんご第だい１世代せだい型がた空母くうぼのフォレスタル級きゅう航空こうくう母艦ぼかん2隻せき（フォレスタル、サラトガ）、世界せかい初はつの防空ぼうくうミサイル巡洋艦じゅんようかん2隻せき（ボストン、キャンベラ）と原子力げんしりょく潜水せんすい艦かん2隻せき（ノーチラス、シーウルフ）等とうの計けい200隻せきが参加さんかする大だい規模きぼなもので、“ノルウェー北方ほっぽう沖おきからの脅威きょうい” を想定そうていしたものだった。1958年ねん2月がつからは第だい6艦隊かんたいに加くわわって地中海ちちゅうかい東部とうぶに向むかった。7月15日にちには、イラク7月がつ14日にち革命かくめいとレバノン危機ききに呼応こおうして空母くうぼ「サラトガ」「ワスプ」やミサイル巡洋艦じゅんようかん「ボストン」、重じゅう巡洋艦じゅんようかん「デモイン」とともにベイルートに進出しんしゅつするアメリカの平和へいわ維持いじ軍ぐんの上陸じょうりくを手助てだすけし、8月がつ20日はつかまで哨戒しょうかい活動かつどうを続つづけた。次ついで、第だい二に次じ台湾たいわん海峡かいきょう危機ききが起おきたため、「エセックス」は第だい7艦隊かんたいの増援ぞうえんとして極東きょくとう水域すいいきに進出しんしゅつするよう命いのちを受うけ、スエズ運河うんがを通過つうかして台湾たいわん近海きんかいに向むかった。9月16日にちに真珠湾しんじゅわんへ戻もどる空母くうぼ「ミッドウェイ」と入いれ替かわる形かたちで空母くうぼ「シャングリラ」「ハンコック」「レキシントン」等とうとともに台湾たいわん海峡かいきょうに展開てんかいした。

任務にんむを終おえた後のち、メイポートに帰投きとうし所定しょていの航空こうくう業務ぎょうむを終おえた。「エセックス」は地中海ちちゅうかい東部とうぶに戻もどり、1959年ねん秋あきには第だい2艦隊かんたいおよびイギリス艦隊かんたいと合流ごうりゅうして行動こうどう。同年どうねん12月がつには、フランスのフレジュスで発生はっせいした洪水こうずいの被災ひさい者しゃの救援きゅうえん活動かつどうに従事じゅうじした。

1960年ねん春はる、「エセックス」は対たい潜せん支援しえん空母くうぼ（ASW）に艦かん種しゅ変更へんこうされ、ロードアイランド州しゅうクォンセット・ポイントを母港ぼこうとし、第だい18空母くうぼ戦隊せんたいと第だい3対たい潜せん空母くうぼ群ぐんの旗艦きかんを兼かねることとなった。ニュージャージー州しゅう沖おきでの救助きゅうじょ活動かつどうの後のち、「エセックス」は海軍かいぐん少尉しょうい候補こうほ生せいを乗のせ、インド洋いんどように向むかった。その途中とちゅう、NATOとCENTOの訓練くんれんに参加さんかし、スエズ運河うんがを通過つうかしてカラチとアデン、イギリス連邦れんぽう内うちの二に港こうに寄港きこうした。11月には、フランス海軍かいぐんとの合同ごうどう演習えんしゅう「ジェットストリーム作戦さくせん」に参加さんかした。

ピッグス湾ぴっぐすわん事件じけんとキューバ危機きき

ピッグス湾ぴっぐすわん事件じけんの際さいに撮影さつえいされた「エセックス」とA-4攻撃こうげき機き。

「ピッグス湾ぴっぐすわん事件じけん」も参照さんしょう

1961年ねん4月がつ、「エセックス」はジャクソンビルの海軍かいぐん航空こうくう隊たいの隊員たいいん技量ぎりょう維持いじのための訓練くんれんに参加さんかするため、2週間しゅうかんの通常つうじょう訓練くんれん航海こうかいの名目めいもくでフロリダ沖おきを航行こうこうした。この時とき、「エセックス」には12機きのA-4 スカイホークを搭載とうさいし、パイロットはVA-34 ブルー・ブラスターズから派遣はけんされていた。A-4は20ミリ機銃きじゅうで武装ぶそうされており、数日すうじつ後ごには識別しきべつ標識ひょうしきは機体きたいと同おなじグレーの塗装とそうで塗ぬりつぶされた。やがて、A-4の一いち隊たいは事実じじつ上じょうの戦闘せんとう哨戒しょうかい飛行ひこうのため昼夜ちゅうや分わかたず飛行ひこうするようになった。一連いちれんの行為こういは4月がつ15日にちから19日にちにかけて起おこったピッグス湾ぴっぐすわん事件じけんでニカラグアから出撃しゅつげきした反はんカストロ軍ぐんの爆ばく撃げき機き護衛ごえいのための任務にんむであったが、「エセックス」の一般いっぱんの乗組のりくみ員いんには真相しんそうは知しらされなかった。「エセックス」の航空こうくう活動かつどうは、ジョン・F・ケネディ大統領だいとうりょうとエセックスの高級こうきゅう幹部かんぶの間あいだで交かわされた極秘ごくひ指令しれいにより中止ちゅうしされた。計画けいかくでは反はんカストロ軍ぐんが樹立じゅりつした臨時りんじ政府せいふの要請ようせいでアメリカ海兵かいへい隊たいが空母くうぼからの航空こうくう支援しえんのもとキューバに上陸じょうりく・進駐しんちゅうする予定よていであったが反はんカストロ軍ぐんが敗北はいぼくしたため中止ちゅうしになった。

1961年ねん後半こうはんの「エセックス」は「人々ひとびとから人々ひとびとへ」と題だいされた北部ほくぶヨーロッパへの航海こうかいを行おこない、ロッテルダム、ハンブルクおよびグリーノックを訪問ほうもんした。これはベルリン危機ききの警備けいび目的もくてきもあった。ハンブルク寄港きこう時じには、100万まん人にんもの人々ひとびとが「エセックス」を見学けんがくした。ハンブルク出港しゅっこうの際さい、「エセックス」はエルベ川がわの浅瀬あさせに座礁ざしょうしかけたが、この時ときは事ことなきを得えた。しかし、1962年ねん1月がつに北大西洋きたたいせいようにおいて暴風雨ぼうふううに遭遇そうぐうし、艦かん全体ぜんたいにわたって大おおきな損害そんがいを受うけた。「エセックス」はこの損傷そんしょうの修理しゅうりとオーバーホールのため、1962年ねん上半期かみはんきの大半たいはんをブルックリン海軍かいぐん工廠こうしょうの乾いぬいドックで過すごした。

「キューバ危機きき」も参照さんしょう

1962年ねん撮影さつえい(後方こうほうより)。

「エセックス」が6ヵ月かげつにわたるオーバーホールを終おえ、グアンタナモ湾わん周辺しゅうへんで試験しけん航海こうかいを行おこなっていた1962年ねん10月がつ、ケネディ大統領だいとうりょうは、キューバにソ連それん製せい準じゅん中距離ちゅうきょり弾道だんどうミサイルが配備はいびされていたことが判明はんめいしたため、キューバ周辺しゅうへんの公海こうかい上じょうの海上かいじょう封鎖ふうさを行おこなう旨むね宣言せんげんを行おこなった。「エセックス」もエセックス級きゅう空母くうぼ「ランドルフ」、フォレスタル級きゅう空母くうぼ「インディペンデンス」、それから就役しゅうえきしたばかりの世界せかい初はつの原子力げんしりょく空母くうぼ「エンタープライズ」とともに10月がつ24日にち以降いこう「キューバに対たいする攻撃こうげき用よう兵器へいき輸送ゆそう全すべての隔離かくり」に参加さんかした。翌日よくじつ、「エセックス」と駆逐くちく艦かん「ギアリング」は最初さいしょにソ連それん籍せきタンカー「ブカレスト」を捕捉ほそくしたが、兵器へいき輸送ゆそうに使つかわれていないことが明あきらかだったので通過つうかさせた。一方いっぽう何なん隻せきかのソ連それん船せんは臨検りんけんされる前まえに引ひき返かえした。ソ連それん船団せんだんには4隻せきのフォックストロット型がた潜水せんすい艦かんが護衛ごえいに就ついていたが駆逐くちく艦かんとソノブイや磁気じき探知たんち機きを装備そうびした艦上かんじょう対たい潜せん哨戒しょうかい機きによって4隻せき中ちゅう3隻せきが捕捉ほそく・強制きょうせい浮上ふじょうさせられた。以後いご、カリブ海かりぶかいでの1ヵ月かげつに及およぶ海上かいじょう封鎖ふうさに参加さんかし、ソ連それんが核かくミサイルを貨物かもつ船せんに詰つめてキューバから撤退てったいするのを監視かんしした。その後ご感謝かんしゃ祭さい直前ちょくぜんに母港ぼこうに帰投きとうした。

アポロ計画けいかく

「エセックス」艦上かんじょうで歓迎かんげいされるアポロ7号ごうクルー。

「エセックス」は1967年ねんに行おこなわれたアポロ1号ごうにおいて、宇宙うちゅう飛行ひこう士しを収容しゅうようして回復かいふくされる母艦ぼかんとして使つかわれる予定よていだった。計画けいかくでは、14日間にちかんの周回しゅうかいの後のちにプエルトリコ北方ほっぽう海上かいじょうに1967年ねん3月がつ7日にちに着水ちゃくすいが予定よていされていた宇宙うちゅう飛行ひこう士しを収容しゅうようする予定よていだった。しかし、打うち上あげ予定よていの宇宙船うちゅうせんAS-204 は1月がつ27日にちに訓練くんれん中ちゅうの事故じこで炎上えんじょうし、宇宙うちゅう飛行ひこう士し3名めいが死亡しぼうしたので任務にんむは行おこなわれなかった。この後のち、「エセックス」は1968年ねん10月がつに行おこなわれたアポロ7号ごうで再ふたたび母艦ぼかんとして起用きようされ、10月22日にちにプエルトリコ北方ほっぽう海上かいじょうでアポロ7号ごうのクルーを無事ぶじ収容しゅうようした。その間あいだの1968年ねん5月がつ25日にちには、ノルウェー海うみを航行こうこう中ちゅうに、旧きゅうソ連それん海軍かいぐんのツポレフ Tu-16による威力いりょく偵察ていさつを受うける、Tu-16は「エセックス」に対たいして異常いじょう接近せっきんやエセックス飛行ひこう甲板かんぱんと同おなじ高たかさほどを低空ていくう飛行ひこうを行おこなっていたが、Tu-16は「エセックス」の近ちかくに墜落ついらくした。

「エセックス」は1969年ねん6月がつ30日にちにボストン港こうにて退役たいえきした。1973年ねん7月がつ1日にちに除籍じょせきされ、1975年ねん6月がつ1日にちに防衛ぼうえい再さい利用りようマーケティングサービス（Defense Reutilization and Marketing Service, DRMS）によってスクラップとして売却ばいきゃくされ、ニュージャージー州しゅうカーニーにて解体かいたいされた。

「エセックス」は殊勲しゅくん部ぶ隊章たいしょうを与あたえられる9隻せきの空母くうぼのうちの一いち隻せきであり、第だい二に次じ世界せかい大戦たいせんの戦功せんこうで13の従軍じゅうぐん星章せいしょうを、朝鮮ちょうせん戦争せんそうの戦功せんこうで海軍かいぐん部隊ぶたい栄誉えいよ章あきらと3つの従軍じゅうぐん星章せいしょうを受章じゅしょうした。ベトナム戦争せんそうには参加さんかしなかった。

参考さんこう文献ぶんけん

• 防衛ぼうえい研究所けんきゅうじょ戦史せんし室しつ編へん『戦史せんし叢書そうしょ93 大本営だいほんえい海軍かいぐん部ぶ・聯合れんごう艦隊かんたい(7)戦争せんそう最終さいしゅう期き』朝あさ雲くも新聞しんぶん社しゃ、1976年ねん
• 防衛ぼうえい研究所けんきゅうじょ戦史せんし室しつ編へん『戦史せんし叢書そうしょ96 南東なんとう方面ほうめん海軍かいぐん作戦さくせん（3）ガ島とう撤収てっしゅう後ご』朝あさ雲くも新聞しんぶん社しゃ、1976年ねん
• 石井いしい勉つとむ『アメリカ海軍かいぐん機動きどう部隊ぶたい 英和えいわ対訳たいやく対たい日にち戦闘せんとう報告ほうこく/1945』成山なりやま堂どう書店しょてん、1988年ねん。ISBN 4-425-30121-8。 
• 木俣きまた滋しげる郎ろう『日本にっぽん空母くうぼ戦史せんし』図書としょ出版しゅっぱん社しゃ、1977年ねん
• 木俣きまた滋しげる郎ろう『日本にっぽん戦艦せんかん戦史せんし』図書としょ出版しゅっぱん社しゃ、1983年ねん
• 木俣きまた滋しげる郎ろう『日本にっぽん水雷すいらい戦史せんし』図書としょ出版しゅっぱん社しゃ、1986年ねん
• 木俣きまた滋しげる郎ろう『日本にっぽん潜水せんすい艦かん戦史せんし』図書としょ出版しゅっぱん社しゃ、1993年ねん。ISBN 4-8099-0178-5。 
• 谷たに光太郎こうたろう『米べい軍ぐん提督ていとくと太平洋戦争たいへいようせんそう』学習研究社がくしゅうけんきゅうしゃ、2000年ねん。ISBN 978-4054009820。 
• デニス・ウォーナー、ペギー・ウォーナー/妹尾せのお作さく太ふとし男おとこ（訳わけ）『ドキュメント神風かみかぜ 特攻とっこう作戦さくせんの全貌ぜんぼう 上じょう・下した』時事通信社じじつうしんしゃ、1982年ねん、ISBN 4-7887-8217-0、ISBN 4-7887-8218-9
• C・レイモンド・カルフォーン/妹尾せのお作さく太ふとし男おとこ・大西おおにし道みち永えい（訳わけ）『神風かみかぜ、米べい艦隊かんたい撃滅げきめつ』朝日あさひソノラマ、1985年ねん、ISBN 4-257-17055-7
• C. W. ニミッツ、E. B. ポッター 著ちょ、実松さねまつ譲ゆずる、冨永とみなが謙吾けんご 訳やく『ニミッツの太平洋たいへいよう海戦かいせん史し』恒文社こうぶんしゃ、1992年ねん。ISBN 4-7704-0757-2。 
• リチャード・P. ハリオン/手島てじま尚しょう（訳わけ）『朝鮮半島ちょうせんはんとう空そら戦記せんき』朝日あさひソノラマ、1990年ねん、ISBN 4257172312
• トーマス・B・ブュエル 著ちょ、小城おぎ正ただし 訳やく『提督ていとくスプルーアンス』学習研究社がくしゅうけんきゅうしゃ、2000年ねん。ISBN 4-05-401144-6。 
• E. B. ポッター 著ちょ、秋山あきやま信雄のぶお 訳やく『BULL HALSEY/キル・ジャップス！ ブル・ハルゼー提督ていとくの太平洋たいへいよう海戦かいせん史し』光人みつひと社しゃ、1991年ねん。ISBN 4-7698-0576-4。 
• St. John, Philip A., USS Essex (CV/CVA/CVS-9), Nashville, Tennessee: Turner Publishing Company, 1983, ISBN 1-56311-492-5

関連かんれん項目こうもく

• アポロ計画けいかく
• ニール・アームストロング

登場とうじょう作品さくひん

• 『終戦しゅうせんのローレライ』（小説しょうせつ）
• 『戦艦せんかん少女しょうじょR』『蒼あおい青あおのミラージュ』（ゲーム）　
• 『アズールレーン』（ゲーム）
• 『ブラック・サージナイト』（ゲーム）
• 『World of Warships』（現在げんざいはtier改変かいへんの影響えいきょうでモバイル版ばんでのみ実装じっそう）

外部がいぶリンク

• Navy photographs of Essex (CV-9) - ウェイバックマシン（2000年ねん12月5日にちアーカイブ分ぶん）
• Life and Death Aboard the U.S.S. Essex - Review of book by Richard W. Streb, who served aboard Essex during World War II.
• YouTube『Tu-16 crash after a low pass by aircraft carrier USS Essex』
• Navy Ships in WWII Dazzle Camouflage 1944-1945 Aircraft Carriers Fleet Carriers USS Essex
• NavSource Online: Aircraft Carrier Photo Archive　USS USS ESSEX(CV-9)(later CVA-9 and CVS-9)