もう歯磨はみがきは不要ふよう？虫歯むしば・歯は周しゅう病びょうを激減げきげんさせる画期的かっきてき方法ほうほうがあった！

「Thinkstock」より

　昨年さくねん、話題わだいになったスポーツといえばラグビーだ。ワールドカップで絶対ぜったいに勝かてないといわれていた南みなみアフリカを倒たおし、スコットランドには負まけたものの、サモア、アメリカを破やぶり3勝しょうもしたのに、決勝けっしょうトーナメントに進すすめなかったのは本当ほんとうに残念ざんねんだった。

　今回こんかいは、五郎丸ごろうまる選手せんしゅなどがしていたマウスピースに注目ちゅうもくしたい。ラグビーでもボクシングでもマウスピースをする。これは、歯はを守まもり口こうの中なかが切きれたりしないように使用しようするが、もうひとつ役割やくわりがある。奥歯おくばをぐっとかみしめることで力ちからがそれこそグンと増ますのだが、奥歯おくばがかみしめられるように設計せっけいされているマウスピースをして、力ちからを振ふり絞しぼるのである。

　今回こんかい取とり上あげるのは、スポーツ選手せんしゅのするマウスピースではない。虫歯むしばや歯は周しゅう病びょうを予防よぼうするためのそれだ。虫歯むしばや歯は周しゅう病びょうは細菌さいきんによって起おこるが、この細菌さいきんを除菌じょきんできれば防ふせぐことができる。しかし、仮かりに歯はに薬剤やくざいをつけても唾液だえきですぐに流ながされてしまう。そこで、役立やくだつのがマウスピースである。

　マウスピースの内側うちがわに薬剤やくざいを塗ぬってそれを歯はにはめれば、薬剤やくざいが流ながれることなく歯はについている細菌さいきんを除菌じょきんすることができる。歯科しかで使つかうマウスピースは、スポーツのそれとは違ちがって、歯はと歯茎はぐきにぴったりと張はり付ついて、薬剤やくざいが外そとに出でないようになっている。

　使つかわれるのは、歯はの型かたをとるときに使つかうトレーである。トレーは、個人こじんの歯はに合あわせてつくられているので、多少たしょう歯並はならびが悪わるくてもぴったりつくることができる。トレーに薬剤やくざいを塗ぬって、決きめられた時間じかん（5分ふんほど）付つけておくと、歯はの表面ひょうめんについている細菌さいきんが除菌じょきんされる。

　最初さいしょにこの方法ほうほうを知しったとき、もう歯磨はみがきはしなくてもいいのかと思おもったが、食たべたり飲のんだりする口くちには細菌さいきんが侵入しんにゅうしやすいし、歯はの表面ひょうめん以外いがいにも細菌さいきんがたくさんいるので歯磨はみがきは必要ひつようだという。しかし、この方法ほうほうを行おこなえば、虫歯むしばや歯は周しゅう病びょうはかなり減へらせる。

　この方法ほうほうを3DSという。デンタル（D）、ドラッグ（D）、デリバリー（D）システム（S）の略りゃくだが、この方法ほうほうは脳のう梗塞こうそくや骨折こっせつなどで起おき上あがれない人ひとが、歯はを磨みがく代かわりに薬剤やくざいを塗布とふしたマウスピースを装着そうちゃくして、虫歯むしばや歯は周しゅう病びょうを予防よぼうするために有効ゆうこうだ。

　3DSは保険ほけん適用てきよう外がいだが、高齢こうれい社会しゃかいになった今いま、歯はを守まもるための新あたらしい方法ほうほうとしてもっと広ひろまることを期待きたいしたい。
（文ぶん＝蒲谷かばや茂しげる／医療いりょうジャーナリスト）