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Bai Hu Tong : 卷九 - Chinese Text Project
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《卷まき九きゅう》

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《嫁よめ娶めと》

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1 嫁よめ娶めと:
人道じんどう所以ゆえん有ゆう嫁よめ娶めと何なに？以為情じょう性せい之の大だい，莫若男女だんじょ。男女だんじょ之の交，人情にんじょう之の始はじめ，莫若夫婦ふうふ。《易えき》曰：「天地てんち氤氳，萬物ばんぶつ化か淳じゅん。男女だんじょ稱しょう精しらげ，萬物ばんぶつ化生かせい。」人にん承うけたまわ天地てんち施ほどこせ陰陽いんよう，故こ設しつらえ嫁よめ娶めと之これ禮者れいしゃ，重じゅう人倫じんりん、廣こう繼嗣けいし也。《禮れい保ほ傅でん》記き曰：「謹為子こ嫁よめ娶めと，必擇世よ有ゆう仁義じんぎ者しゃ。」

2 嫁よめ娶めと:
禮れい男おとこ娶めと女じょ嫁よめ何なに？陰かげ卑不得とく自じ專せん，就陽而成之の，故こ《傳つて》曰：「陽ひ倡陰和わ，男おとこ行ぎょう女おんな隨ずい。」

3 嫁よめ娶めと:
男おとこ不ふ自じ專せん娶めと，女おんな不ふ自じ專せん嫁よめ，必由父母ちちはは，須媒妁ばいしゃく何なに？遠どお恥はじ防ぼう淫佚いんいつ也。《詩し》云うん：「娶めと妻つま如之何なに？必告父母ちちはは。」又また曰：「娶めと妻つま如之何なに？匪媒不ふ得とく。」

4 嫁よめ娶めと:
男おとこ三さん十じゅう而娶，女おんな二に十じゅう而嫁，陽ひ數奇すうき，陰かげ數すう偶。男おとこ長女ちょうじょ幼者ようしゃ，陽ひ舒，陰かげ促。男おとこ三さん十じゅう，筋骨きんこつ堅けん強きょう，任にん為ため人じん父ちち；女おんな二に十じゅう，肌はだ膚はだ充たかし盛もり，任にん為ため人母ひとぼ。合ごう為ため五ご十じゅう，應おう大だい衍之數すう，生なま萬物ばんぶつ也。故こ《禮れい內則》曰：「男おとこ五ご十じゅう壯たけし有ゆう室しつ，女おんな二に十じゅう壯たけし而嫁。」

5 嫁よめ娶めと:
七なな歲さい之の陽ひ也，八はち歲さい陰かげ也，七なな八はち十じゅう五ご陰陽いんよう之の數すう備，有ゆう相しょう偶之志こころざし。故こ《禮れい記き》曰：「女子じょし十じゅう五ご許嫁いいなずけ，笄而字じ。」禮れい之の稱たたえ字じ，陰かげ繫於陽ひ，所以ゆえん專せん一いち之の節也せつや。陽ひ尊みこと無む所しょ繫，二に十じゅう五ご繫者，就陰節也せつや。陽ひ舒而陰かげ促。三さん十じゅう數すう三さん終おわり，奇き，陽ひ節也せつや。二に十じゅう數すう再さい終おわり，偶，陰かげ節也せつや。陽ひ小成しょうせい於陰，大成たいせい於陽，故こ二に十じゅう而冠，三さん十じゅう而娶。陰かげ小成しょうせい於陽，大成たいせい於陰，故こ十じゅう五ご而笄，二に十じゅう而嫁也。

6 嫁よめ娶めと:
一說いっせつ《春秋しゅんじゅう梁りょう傳つたえ》曰：「男おとこ二に十じゅう五ご繫，女おんな十じゅう五ご許嫁いいなずけ，感かん陰陽いんよう也。」陽ひ數すう七なな，陰かげ數すう八はち，男なん八はち歲さい毀齒，女おんな七なな歲さい毀齒。陽ひ數奇すうき三さん，三さん八はち二に十じゅう四よん，加か一為五而系心也；陰かげ數すう偶，再さい成なり十じゅう四よん，四よん加か一いち為ため五ご，故こ十じゅう五ご許嫁いいなずけ也。各かく加か一いち者しゃ，明あきら專せん一系いっけい心しん。所以ゆえん系けい心しん者しゃ何なに？防ぼう其淫佚也。

7 嫁よめ娶めと:
《禮れい》曰：「女子じょし十じゅう五ご許嫁いいなずけ。納采のうさい、問とい名めい、納おさめ吉きち、請期、親おや迎むかえ，以雁贄にえ。納おさめ徵ちょう曰玄纁，故こ不用ふよう鴈かり。」贄にえ用よう鴈かり者しゃ，取と其隨時じ南北なんぼく，不ふ失しつ其節，明あきら不ふ奪だつ女子じょし之の時とき也。又また取と飛ひ成行しげゆき、止とめ成なり列れつ也，明あきら嫁よめ娶めと之これ禮れい，長幼ちょうよう有ゆう序じょ，不ふ相あい踰越也。又また婚禮こんれい贄にえ不用ふよう死し雉，故こ用よう鴈かり也。納おさめ徵ちょう，玄げん纁、束たば帛、離はなれ皮がわ，玄げん三さん法ほう天てん，纁二法ほう地ち也，陽ひ奇き陰かげ偶，明あきら陽ひ道どう之の大だい也。離はなれ皮かわ者しゃ，兩りょう皮かわ也，以為庭にわ實み。庭にわ實み，偶也。《禮れい昏經》曰：「納采のうさい、問とい名めい、納おさめ吉きち、請期、親おや迎むかえ，皆みな用よう雁かり。納おさめ徵ちょう束たば帛、離はなれ皮がわ。」

8 嫁よめ娶めと:
納おさめ徵ちょう詞し曰：「吾子あご有加ゆか命いのち，貺室某ぼう也。有ゆう先人せんじん之の禮れい，離はなれ皮がわ、束たば帛，使つかい某ぼう請納徵ちょう。」上じょう某ぼう者しゃ聲名せいめい也，下した次じ某ぼう者しゃ使し人名じんめい也。女おんな之の父ちち曰：「吾子あご順じゅん先さき典てん，貺某重じゅう禮れい，某ぼう不ふ敢辭，敢不承ぶしょう命いのち！」

9 嫁よめ娶めと:
納采のうさい詞し曰：「吾子あご有ゆう惠めぐみ，貺貺室しつ某ぼう，某ぼう有ゆう先人せんじん之の禮れい，使つかい某ぼう也請納采のうさい。」對たい曰：「某ぼう之子ゆきこ蠢愚，又また不能ふのう教きょう，吾子あご命いのち之の，某ぼう不ふ敢辭。」

10 嫁よめ娶めと:
天子てんし下か至いたり士し，必親迎むかえ授綏者しゃ何なに？以陽下陰したかげ也，欲得よくとく其歡心しん，示しめせ親おや之の心こころ也。夫おっと親おや迎むかえ輪わ三さん周しゅう，下車げしゃ曲きょく顧者，防ぼう淫佚いんいつ也。《詩し》云うん：「文ぶん定てい厥祥，親おや迎むかえ于渭。造みやつこ舟ぶね為ため梁はり，不ふ顯あらわ其光。」《禮れい昏經》曰：「賓まろうど升ます，北面ほくめん奠雁，再拜さいはい拜はい手しゅ稽首，降くだ出だし。婦ふ從したがえ房ぼう中也ちゅうや，從したがえ降ぶ自じ西にし階かい。揖御婦ふ車しゃ，授綏。」

11 嫁よめ娶めと:
遣や女じょ於檷廟びょう者しゃ，重じゅう先人せんじん之の遺のこ支ささえ體たい也，不ふ敢自專せん，故こ告つげ檷也。父ちち母親ははおや男女だんじょ何なに？親おや親おや之の至いたり也。父ちち曰：「誡之，敬之たかゆき，夙夜無む違たがえ命いのち。」女おんな必有端はし繡衣若わか笄之。母はは施ほどこせ襟えり結ゆい帨曰：「勉つとむ之の，敬之たかゆき，夙夜無む違たがえ宮みや事ごと。」父ちち誡於阼階，母はは誡於西階にししな，庶母及門內施鞶，祭まつり絲いと由よし以母之の命めいじ，命いのち曰：「敬たかし恭きょう聽爾父母ちちはは言ごと，夙夜無む愆。」視し衿えり鞶。祭まつり去さ不ふ辭じ，誡不諾だく者しゃ，蓋ぶた恥はじ之の，重じゅう去さ也。

12 嫁よめ娶めと:
《禮れい》曰：「嫁女よめじょ之の家いえ，不ふ絕ぜっ火ひ三さん日にち，思おもえ相しょう離はなれ也。娶めと婦ふ之の家いえ，三日みっか不ふ舉樂，思おもえ嗣親也。」感かん親おや年ねん衰おとろえ老ろう代だい至いたり也。《禮れい》曰：「婚禮こんれい不ふ賀が，人にん之の序じょ也。」

13 嫁よめ娶めと:
授綏，姆辭曰：「未み教きょう，未み乞與為ため禮れい也。」始はじめ親おや迎むかえ，於詞曰：「吾子あご命いのち某ぼう以茲初はつ昏，使つかい某ぼう將しょう請承命いのち。」主人しゅじん曰：「某ぼう故こ敬具けいぐ以酒。」父ちち命いのち醮子，遣や之これ迎むかえ，命いのち曰：「往迎爾なんじ相しょう，承うけたまわ我わが宗むね事ごと，率りつ以敬先さき妣之嗣，若わか則のり有ゆう常つね。」子こ曰：「諾だく，惟おもんみ恐おそれ不堪ふかん，不ふ敢忘命いのち。」

14 嫁よめ娶めと:
娶めと妻つま不ふ先さき告つげ廟びょう到いた者しゃ，示しめせ不ふ必安也。婚禮こんれい請期，不ふ敢必也。婦ふ入いれ三さん月がつ，然しか後こう祭さい行ぎょう。舅しゅうと姑しゅうと既すんで歿，亦また婦ふ入いれ三さん月がつ，奠采於廟。三月さんがつ一いち時じ，物もの有ゆう成なり者しゃ，人にん之の善惡ぜんあく可か得とく知也ともや。然しか後ご可か得とく事ごと宗廟そうびょう之の禮れい。曾子曰：「女おんな未み廟びょう見み而死，歸き葬そう于女氏し之の黨とう，示しめせ未成みせい婦ふ也。」

15 嫁よめ娶めと:
嫁よめ娶めと必以春はる者しゃ？春はる天地てんち交通こうつう，萬物ばんぶつ始はじめ生せい，陰陽いんよう交接こうせつ之の時とき也。《詩し》云うん：「士し如歸妻つま，迨冰未み泮。」《周しゅう官かん》曰：「仲春ちゅうしゅう之これ月がつ，合ごう會かい男女だんじょ。令れい男おとこ三さん十じゅう娶めと，女おんな二に十じゅう嫁よめ。」《夏なつ小正おばさ》曰：「二に月がつ，冠かん子こ娶めと婦ふ之の時とき。」

16 嫁よめ娶めと:
夫おっと有ゆう惡行あくぎょう，妻つま不ふ得え去ざ者もの，地ち無な去さ天てん之の義也よしや。夫おっと雖有惡あく，不ふ得え去ざ也。故こ《禮れい郊特牲》曰：「一いち與あずか之これ齊ひとし，終身しゅうしん不ふ改あらため。」悖もと逆ぎゃく人倫じんりん，殺ころせ妻つま父母ちちはは，廢絕はいぜつ綱紀こうき，亂らん之の大だい者しゃ，義絕ぎぜつ乃得去さ也。

17 嫁よめ娶めと:
天子てんし、諸侯しょこう，一いち娶めと九きゅう女じょ者しゃ何なに？重じゅう國廣くにひろ繼嗣けいし也。適てき也者何なに？法ほう地ち有ゆう九州きゅうしゅう，承うけたまわ天てん之の施ほどこせ，無む所しょ不ふ生なま也。娶めと九きゅう女じょ，亦また足あし以成君くん施ほどこせ也。九きゅう而無子こ，百ひゃく亦また無益むえき也。《王おう度ど記き》曰：「天子てんし，一いち娶めと九きゅう女じょ。」《春秋しゅんじゅう公こう羊ひつじ傳でん》曰：「諸侯しょこう娶めと一いち國こく，則のり二に國こく往媵之の，以侄娣從之の。」侄者何なに？兄あに之子ゆきこ也。娣者何なに？女おんな弟おとうと也。

18 嫁よめ娶めと:
或ある曰：天子てんし娶めと十じゅう二に女じょ，法ほう天てん有ゆう十じゅう二に月がつ，萬物ばんぶつ必生也。必一娶めと何なに？防ぼう淫いん泆也，為ため其棄德とく嗜色，故こ一娶而已，人にん君くん無む再さい娶めと之これ義也よしや。

19 嫁よめ娶めと:
備侄娣從者しゃ，為ため其必不ふ相あい嫉妒也。一人ひとり有子ゆうこ，三さん人にん共之ともゆき，若わか己おのれ生せい之の。不ふ娶めと兩りょう娣何？博ひろし異い氣き也。娶めと三さん國こく女おんな何なに？廣こう異類いるい也。恐おそれ一いち國こく血脈けちみゃく相似そうじ，俱無子こ也。侄娣年ねん雖少，猶なお從したがえ適てき人じん者しゃ，明人あきと者しゃ。明人あきと君くん無む再さい娶めと之これ義也よしや。還かえ待まち年ねん於父母ちちはは之の國くに，未み任にん答こたえ君子くんし也。《詩し》云うん：「侄娣從したがえ之これ，祁祁如雲。韓かん侯こう顧之，爛ただれ其盈門もん。」《公おおやけ羊ひつじ傳でん》曰：「叔姬歸き于紀。」明あきら待まち年ねん也。二に國こく來らい媵，誰だれ為ため尊者そんじゃ？大國たいこく為ため尊みこと，國くに等とう以德，德とく同どう以色。質しつ家法かほう天てん尊みこと左ひだり，文ぶん家法かほう地ち尊みこと右みぎ。

20 嫁よめ娶めと:
所以ゆえん不ふ聘妾何なに？人ひと有ゆう子孫しそん，欲よく尊たかし之の義ぎ，義ぎ不可ふか求人きゅうじん以為賤也。《春秋しゅんじゅう傳でん》曰：「二に國こく來らい媵。」可か求人きゅうじん為ため士し，不可ふか求人きゅうじん為ため妾わらわ何なに？士し即そく尊みこと之の漸やや，賢けん，不ふ止とめ於士，妾わらわ雖賢，不ふ得とく為ため適てき。

21 嫁よめ娶めと:
娶めと妻つま卜ぼく之の何なに？卜ぼく女おんな之の德とく，知ち相しょう宜むべ否いな。《昏禮經けい》曰：「將はた加か諸しょ卜ぼく，敢問女おんな為ため誰だれ氏し也。」

22 嫁よめ娶めと:
人君じんくん及宗子こ父母ちちはは，自じ定じょう娶めと者しゃ，卑不主ぬし尊みこと，賤不主ぬし貴たか，故こ自じ定之さだゆき也。《昏禮經けい》曰：「親おや皆みな沒ぼつ，己おのれ聘命之の。」《詩し》云うん：「文ぶん定てい厥祥，親おや迎むかえ於渭。」

23 嫁よめ娶めと:
大夫たいふ功こう成なり受封，得とく備八妾わらわ者しゃ，重じゅう國廣くにひろ繼嗣けいし也。不ふ更さら聘大國たいこく者しゃ，不ふ忘本適てき也。故こ《禮れい》曰：「納おさめ女おんな於諸侯こう，曰：備掃灑。」天子てんし、諸侯しょこう之の世子せいし，皆みな以諸侯こう禮れい娶めと，與あずか君きみ同どう，示しめせ無む再さい娶めと之これ義也よしや。

24 嫁よめ娶めと:
王者おうじゃ之の娶めと，必先選せん于大國たいこく之の女おんな，禮儀れいぎ備，所見しょけん多た。《詩し》云うん：「大邦たいほう有子ゆうこ，人見ひとみ天たかし之の妹いもうと。文ぶん定てい厥祥，親おや迎むかえ於渭。」明王みょうおう者しゃ必娶大國たいこく也。《春秋しゅんじゅう》曰：「紀き侯こう來朝らいちょう。」紀子のりこ以嫁女おんな於天子こ，故こ增ぞう爵稱侯こう，至いたり數すう十じゅう年ねん之の間あいだ，紀き侯こう無む他た功こう，但ただし以子為ため天王てんのう后きさき，故こ爵稱侯こう。知ち雖小國こく者しゃ必封以大國たいこく，明あきら其尊所しょ不ふ臣しん也。王者おうじゃ娶めと及庶人じん者しゃ何なに？開ひらき天下でんか之の賢けん示しめせ不ふ遺のこ善ぜん也。故こ《春秋しゅんじゅう》曰：「紀き侯こう來朝らいちょう。」文ぶん加か為ため侯こう，明あきら封ふう之の也，先さき封ふう之の，明あきら不ふ與あずか聖人せいじん交禮也。

25 嫁よめ娶めと:
女おんな行ぎょう虧缺而去其國，如之何なん以封為ため諸侯しょこう比例ひれい矣。諸侯しょこう所以ゆえん不ふ得とく自じ趣おもむき國こく中ちゅう何なに？諸侯しょこう不ふ得とく專せん封ふう，義ぎ不可ふか臣しん其父母ちちはは。《春秋しゅんじゅう傳でん》曰：「宋そう三さん代だい無む大夫たいふ，惡あく其內娶也。」

26 嫁よめ娶めと:
不ふ娶めと同どう姓せい者しゃ，重じゅう人倫じんりん，防ぼう淫いん泆，恥はじ與あずか禽獸きんじゅう同どう也。《論語ろんご》曰：「君きみ娶めと於吳為ため同姓どうせい，謂いい之の吳ご孟子もうし。」《曲きょく禮れい》曰：「買かい妾わらわ不知ふち姓せい則そく卜ぼく之の。」外そと屬ぞく小しょう功こう已上いじょう亦また不ふ得え娶めと也，以《春秋しゅんじゅう傳でん》曰：「譏そし娶めと母はは黨とう也。」

27 嫁よめ娶めと:
王者おうじゃ嫁女よめじょ必使同姓どうせい諸侯しょこう主ぬし之の何なに？婚禮こんれい貴き和わ，不可ふか相しょう答こたえ，為ため傷きず君臣くんしん之の義よし，亦また欲よく使し女おんな不ふ以天子てんし尊みこと乘じょう諸侯しょこう也。《春秋しゅんじゅう傳でん》曰：「天子てんし嫁女よめじょ于諸侯こう，必使諸侯しょこう同姓どうせい者しゃ主ぬし之の；諸侯しょこう嫁女よめじょ于大夫たいふ，使つかい大夫たいふ同姓どうせい者しゃ主ぬし之の。」以其同どう宗むね共ども祖そ可か以主親おや也，故こ使つかい攝と父ちち事ごと。不ふ使つかい同姓どうせい卿きょう主ぬし之の何なに？尊みこと加か諸侯しょこう，為ため威い厭いや不ふ得とく舒也。

28 嫁よめ娶めと:
不ふ使つかい同姓どうせい諸侯しょこう就京師し主ぬし之の何なに？諸侯しょこう親おや迎むかえ入京にゅうきょう師し，當とう朝あさ天子てんし，為ため禮れい不ふ兼けん。《春秋しゅんじゅう傳でん》曰：「築ちく王おう姬ひめ觀かん於外。」明あきら不ふ往京師し也。

29 嫁よめ娶めと:
所以ゆえん必更築ちく觀かん者しゃ何なに？尊みこと之の也，不ふ於路寢ね，路みち寢ね本ほん所以ゆえん行政ぎょうせい處しょ，非ひ婦人ふじん之の居い也。小しょう寢ね則そく嫌いや群ぐん公子こうし之の捨則已やめ卑矣，故こ必改築かいちく於城郭じょうかく之の內。《傳つて》曰：「築ちく之これ，禮れい也。于外，非禮ひれい也。」

30 嫁よめ娶めと:
卿きょう、大夫たいふ一いち妻つま二に妾わらわ者しゃ何なに？尊みこと賢けん重じゅう繼嗣けいし也。不備ふび侄娣何なに？北面ほくめん之の臣しん賤，不足ふそく盡つき執と人骨じんこつ肉にく之の親おや。《禮服れいふく經けい》曰：「貴き臣しん貴き妾わらわ。」明あきら有ゆう卑賤妾わらわ也。士し一いち妻つま何なに？下しも卿きょう大夫たいふ禮れい。《喪服もふく小しょう記き》曰：「士し妾わらわ有子ゆうこ，則のり為之ためゆき緦。」

31 嫁よめ娶めと:
聘嫡夫おっと往而死し，媵當往否乎？人君じんくん不ふ再さい娶めと之これ義也よしや。天命てんめい不可ふか保たもて，故こ一いち娶めと九きゅう女じょ。以《春秋しゅんじゅう》伯はく姬ひめ卒そつ，時じ娣季姬ひめ更さら嫁よめ曾阜，《春秋しゅんじゅう》譏そし之これ。適てき夫人ふじん死後しご更さら立りつ夫人ふじん者しゃ，不ふ敢以卑賤承宗廟そうびょう。自立じりつ其娣者しゃ，尊みこと大國たいこく也。《春秋しゅんじゅう傳でん》曰：「叔姬歸き於紀。」叔姬者しゃ，伯はく姬ひめ之の娣也。伯はく姬ひめ卒そつ，叔姬升ます於嫡，《經けい》不ふ譏そし也。或ある曰：嫡死不ふ復ふく更さら立りつ，明あきら嫡無二に，防ぼう篡煞也。祭まつり宗廟そうびょう攝と而已。以禮不ふ聘為妾わらわ，明あきら不ふ升ます。

32 嫁よめ娶めと:
《曾子問とい》曰：「昏禮既すんで納おさめ幣ぬさ，有吉ありよし日にち，女おんな之の父母ちちはは死し，何なに如？孔子こうし曰：『婿むこ使し人じん吊つるし之の，如婿之の父母ちちはは死し，女おんな亦また使つかい人じん吊つるし之の。父ちち喪も稱しょう父ちち，母はは喪も稱しょう母はは。父母ちちはは不在ふざい，則のり稱しょう伯父おじ、世尊せそん。婿むこ已やめ葬そう，婿むこ之の伯父おじ、叔父おじ使し人じん致命ちめい女おんな氏し曰：某ぼう子こ有ゆう父母ちちはは之の喪も，不ふ得とく嗣為兄弟きょうだい，使つかい某ぼう致命ちめい。女おんな氏し許諾きょだく不ふ敢嫁，禮れい也。婿むこ免めん喪も，女おんな父ちち使し人じん請，婿むこ不ふ娶めと而後嫁よめ之の，禮れい也。女おんな之の父母ちちはは死し，婿むこ亦また如之。』」

33 嫁よめ娶めと:
婦人ふじん所以ゆえん有ゆう師し何なに？學事がくじ人じん之の道也みちや。《詩し》云うん：「言げん告つげ師し氏し，言げん告つげ言げん歸き。」《昏禮經けい》曰：「告つげ於公宮みや三さん月がつ，婦人ふじん學がく一いち時じ，足あし以成矣。」與あずか君きみ無む親おや者しゃ，各かく教きょう於宗廟そうびょう婦ふ之これ室しつ。國くに君くん取と大夫たいふ之の妾わらわ、士し之の妻つま老ろう無む子こ者しゃ而明於婦道どう，又また祿ろく之の，使つかい教きょう宗室そうしつ五ご屬ぞく之の女おんな，大夫たいふ、士し皆みな有ゆう宗族そうぞく，自じ於宗子こ之これ室しつ學事がくじ人じん也。女おんな必有傅でん姆何？尊みこと之の也。《春秋しゅんじゅう傳でん》曰：「傅でん至いたる矣，姆未至いたり。」

34 嫁よめ娶めと:
婦人ふじん學事がくじ舅しゅうと姑しゅうと，不ふ學事がくじ必父母ちちはは者しゃ，示しめせ婦ふ與あずか夫おっと一體いったい也。《禮れい內則》曰：「妾わらわ事ごと夫人ふじん如事舅しゅうと姑しゅうと，尊みこと嫡絕妒嫉之の原はら。」《禮服れいふく傳でん》曰：「妾わらわ事ごと女おんな君くん與あずか事こと舅しゅうと姑しゅうと同どう也。」婦ふ事ごと夫おっと有ゆう四よん禮れい焉：雞初鳴な，咸盥漱，櫛くし縱たて笄總而朝，君臣くんしん之の道也みちや；惻隱そくいん之の恩おん，父子ふし之の道也みちや；會計かいけい有無うむ，兄弟きょうだい之の道也みちや；閨ねや閫之內，衽おくみ席せき之の上うえ，朋友ほうゆう之の道也みちや。聞見異い詞し，故こ設しつらえ此也。

35 嫁よめ娶めと:
有ゆう五ご不ふ娶めと：亂らん家之子いえのこ不ふ娶めと，逆ぎゃく家之子いえのこ，世せい有ゆう刑けい人じん，惡疾あくしつ，喪も婦ふ長子ちょうし，此不娶めと也。

36 嫁よめ娶めと:
出で婦ふ之の義よし，必送之の。接せっ以賓客きゃく之の禮れい，君子くんし絕ぜっ愈いよいよ於小人じん之の交。《詩し》云うん：「薄うす送おく我わが畿。」

37 嫁よめ娶めと:
天子てんし妃ひ謂いい之の后きさき何なに？後ご君くん也。天下てんか尊とうと之これ妃ひ至尊しそん，故こ謂いい之これ後ご，明海あけみ內小人じん之の君子くんし也，天下てんか尊みこと之の，故こ繫王言ごと之の。《春秋しゅんじゅう傳でん》曰：「迎むかえ王おう后きさき於紀。」國こく君くん之の妻つま稱しょう之の曰夫人じん何なに？明あきら當とう扶進夫人ふじん，謂いい八はち妾わらわ也。國人くにびと尊みこと之の，故こ稱しょう君くん夫人ふじん也。自稱じしょう小童こわっぱ者しゃ，謙也けんや，言げん己おのれ智能ちのう寡少如童蒙どうもう也。《論語ろんご》曰：「國くに君くん之の妻つま，稱しょう之の曰夫人じん，夫人ふじん自稱じしょう曰小童こわっぱ，國くに人稱にんしょう之の曰君夫人ふじん，稱たたえ諸しょ異邦いほう曰寡小しょう君くん。」謂いい聘問兄弟きょうだい之の國くに及臣他國たこく稱しょう之の。謙之けんじ詞し也。

38 嫁よめ娶めと:
妻つま者しゃ，何なに謂いい？妻つま者しゃ，齊ひとし也，與あずか夫おっと齊ひとし體からだ，自じ天子てんし下か至いたり庶人其義一也かずや。妾わらわ者しゃ，接せっ也，以時接見せっけん也。

39 嫁よめ娶めと:
嫁よめ娶めと者しゃ，何なに謂いい也？嫁よめ者しゃ，家いえ也，婦人ふじん外がい成なり，以出適てき人為じんい家か。娶めと者しゃ，取と也。男女だんじょ謂いい男おとこ者しゃ，任にん也，任にん功業こうぎょう也；女おんな者しゃ，如也，從したがえ如人也。在家ざいけ從したがえ父母ちちはは，既すんで嫁よめ從したがえ夫おっと，夫おっと歿從子こ也。《傳つて》曰：「婦人ふじん有ゆう三さん從したがえ之の義也よしや。」夫婦ふうふ者しゃ，何なに謂いい也？夫おっと者しゃ，扶也，扶以人道じんどう者しゃ也；婦ふ者しゃ，服ふく也，服ふく於家事かじ，事こと人じん者しゃ也。配はい疋者何なに？謂いい相しょう與あずか為ため偶也。婚姻こんいん者しゃ，何なに謂いい也？昏時行ぎょう禮れい，故こ謂いい之の婚こん也，婦人ふじん因いん夫おっと而成；故こ曰姻。《詩し》云うん：「不ふ惟おもんみ舊きゅう因いん。」謂いい夫おっと也。又また曰：「燕つばめ爾なんじ新婚しんこん。」謂いい婦ふ也。所以ゆえん昏時行ぎょう禮れい何なに？示しめせ陽ひ下陰したかげ也，婚こん亦また陰陽いんよう交時也。

40 嫁よめ娶めと:
男子だんし六ろく十じゅう閉房何なに？所以ゆえん輔衰也，故こ重じゅう性せい命いのち也。又また曰：父子ふし不同ふどう示しめせ施ほどこせ。為ため亂らん長幼ちょうよう之の序じょ也。《禮れい內則》曰：「妾わらわ雖老，未滿みまん五ご十じゅう，必預五ご日にち之の御ご，滿まん五ご十じゅう不ふ御ご，俱為助じょ衰おとろえ也。至いたり七なな十じゅう大だい衰おとろえ，食しょく非ひ肉にく不ふ飽，寢ね非人ひにん不ふ暖だん；七なな十復開房也。」

URN: ctp:bai-hu-tong/juan-jiu