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Lunheng : 祀義 - Chinese Text Project
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《祀まつ義よし》

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1 祀まつ義よし:
世よ信しん祭祀さいし，以為祭祀さいし者しゃ必有福ぶく，不ふ祭祀さいし者しゃ必有禍か。是ぜ以病作さく卜ぼく祟たたり，祟たたり得とく脩おさむ祀まつ，祀まつ畢意解かい，意い解かい病びょう已やめ，執と意い以為祭祀さいし之の助じょ，勉つとむ奉たてまつ不ふ絕ぜっ。謂いい死人しにん有ゆう知ち，鬼神きじん飲食いんしょく，猶なお相あい賓客ひんきゃく，賓客ひんきゃく悅えつ喜き，報ほう主人しゅじん恩おん矣。其脩祭祀さいし，是也これや；信しん其事之の，非ひ也。

2 祀まつ義よし:
實み者しゃ、祭祀さいし之の意い，主人しゅじん自盡じじん恩おん懃而已やめ，鬼神きじん未必みひつ欲よく享とおる之の也。何なに以明之の？今いま所しょ祭さい者しゃ報ほう功こう，則のり緣えん生せい人為じんい恩義おんぎ耳みみ，何なに歆享之の有ゆう？今いま所しょ祭さい死人しにん，死人しにん無知むち，不能ふのう飲食いんしょく。何なに以審其不能ふのう歆享飲食いんしょく也？夫おっと天てん者しゃ、體からだ也，與あずか地ち同どう。天てん有ゆう列れつ宿やど，地ち有ゆう宅たく舍しゃ，宅たく舍しゃ附ふ地ち之の體からだ，列れつ宿やど著ちょ天てん之の形かたち。形體けいたい具ぐ，則のり有ゆう口こう乃能食しょく。使つかい天地あまち有ゆう口こう能のう食しょく祭さい，食しょく宜むべ食盡しょくじん。如無口こう，則のり無體むたい，無體むたい則そく氣き也，若わか雲霧うんむ耳みみ，亦また無能むのう食しょく。如天地ち之の精神せいしん，若人わこうど之の有ゆう精神せいしん矣，以人之の精神せいしん，何なに宜むべ飲食いんしょく？中ちゅう人じん之の體からだ七なな八はち尺しゃく，身み大だい四よん五ご圍かこえ，食しょく斗と食しょく，歠斗羹あつもの，乃能飽足；多た者しゃ三さん四よん斗と。天地てんち之の廣大こうだい以萬まん里數りすう，圜丘之の上うえ，一いち蠒栗牛うし，粢しとぎ飴あめ大だい羹あつもの，不ふ過か數すう斛，以此食しょく天地てんち，天地てんち安やす能のう飽？天地てんち用心ようじん，猶なお人ひと用意ようい也，人にん食しょく不ふ飽足，則のり怨主人じん，不ふ報ほう以德矣。必謂天地てんち審しん能のう飽食ほうしょく，則夫のりお古いにしえ之の郊者負ふ天地てんち。

3 祀まつ義よし:
山やま、猶なお人ひと之の有ゆう骨こつ節也せつや，水みず、猶なお人ひと之の有ゆう血脈けちみゃく也。故人こじん食しょく腸滿ちょうまん，則のり骨こつ節ぶし與あずか血脈けちみゃく因いん以盛矣。今いま祭さい天地てんち，則のり山川やまかわ隨ずい天地てんち而飽。今別いまべつ祭さい山川やまかわ，以為異い神かみ，是ぜ人じん食しょく已やめ，更さら食しょく骨ほね節ぶし與あずか血脈けちみゃく也。社稷しゃしょく，報ほう生せい穀こく、物もの之の功こう。萬民ばんみん生せい於天地ち，猶なお毫毛生せい於體也。祭まつり天地てんち，則のり社稷しゃしょく設しつらえ其中矣，人君じんくん重之しげゆき，故こ復ふく別べつ祭さい。必以為ため有ゆう神しん，是ぜ人じん之の膚はだ肉にく當とう復ふく食しょく也。五祀初本在地，門もん、戶と用よう木與きよ土ど，土木どぼく生せい於地，井い、竈かまど、室しつ中ちゅう霤皆屬ぞく於地，祭まつり地ち，五祀設其中矣，人にん君くん重之しげゆき，故こ復ふく別べつ祭さい。必以為ため有ゆう神しん，是ぜ食しょく已やめ當とう復ふく食しょく形體けいたい也。風伯ふうはく、雨師あめし、雷公らいこう，是ぜ群ぐん神かみ也。風ふう猶なお人ひと之の有ゆう吹喣也，雨あめ猶なお人ひと之の有精ゆうせい液えき也，雷かみなり猶なお人ひと之の有ゆう腹はら鳴な也。三者さんしゃ附ふ於天地ち，祭まつり天地てんち，三さん者しゃ在ざい矣，人君じんくん重之しげゆき，故こ別べつ祭さい。必以為ため有ゆう神しん，則のり人じん吹喣、精液せいえき、腹はら鳴な當とう復ふく食しょく也。日にち、月つき猶なお人ひと之の有ゆう目め，星辰せいしん猶なお人ひと之の有髮うはつ。三光さんこう附ふ天てん，祭まつり天たかし，三光さんこう在ざい矣，人君じんくん重之しげゆき，故こ復ふく別べつ祭さい。必以為ため有ゆう神しん，則のり人じん之の食くえ已やめ，復ふく食しょく目め與あずか髮かみ也。

4 祀まつ義よし:
宗廟そうびょう、己おのれ之の先せん也。生存せいぞん之の時とき，謹敬供養くよう，死し不ふ敢不信しんじ，故こ脩おさむ祭祀さいし，緣先えんさき事ごと死し，示しめせ不ふ忘先。五帝三王郊宗黃帝、帝みかど嚳之屬ぞく，報ほう功こう堅けん力りょく，不ふ敢忘德とく，未必みひつ有ゆう鬼神きじん審しん能のう歆享之の也。夫おっと不能ふのう歆享，則のり不能ふのう神しん；不能ふのう神しん，則のり不能ふのう為ため福ぶく，亦また不能ふのう為ため禍か。禍福かふく之の起おこり，由ゆかり於喜怒きど；喜怒きど之の發はつ，由ゆかり於腹腸ちょう。有ゆう腹はら腸ちょう者しゃ輒能飲食いんしょく，不能ふのう飲食いんしょく則そく無む腹はら腸ちょう，無む腹はら腸ちょう則そく無用むよう喜怒きど，無用むよう喜怒きど則そく無用むよう為ため禍福かふく矣。

5 祀まつ義よし:
或ある曰：「歆氣，不能ふのう食しょく也。」夫おっと歆之與あずか飲食いんしょく，一實かずみ也。用よう口こう食しょく之の，用よう口こう歆之。無む腹はら腸ちょう則そく無口むくち，無口むくち，無用むよう食しょく，則のり亦また無用むよう歆矣。何なに以驗其不能ふのう歆也？以人祭祀さいし有ゆう過か，不能ふのう即時そくじ犯はん也。夫おっと歆不用よう口こう則のり用よう鼻はな矣。口くち鼻はな能のう歆之，則のり目め能見のみ之の，目め能見のみ之の，則のり手しゅ能のう擊げき之の。今こん手て不能ふのう擊げき，則のり知ち口こう鼻はな不能ふのう歆之也。

6 祀まつ義よし:
或ある難なん曰：「宋そう公こう鮑あわび之の身み有ゆう疾やまし。祝しゅく曰夜姑しゅうと，掌てのひら將しょう事ごと於厲者しゃ。厲鬼杖つえ楫かじ而與之の言げん曰：『何なに而粢盛もり之の不ふ膏あぶら也？何なに而芻犧之不ふ肥こえ碩せき也？何なに以珪璧之不ふ中ちゅう度量どりょう也？而罪歟？其鮑之の罪つみ歟？』夜よる姑しゅうと順じゅん色しょく而對曰：『鮑あわび身み尚なお幼よう，在ざい襁褓おしめ，不ふ預あずか知ち焉。審しん是ぜ掌てのひら之の。』厲鬼舉楫而掊之の，斃於壇だん下か。此非能のう言げん用よう手しゅ之の驗けん乎？」曰：夫おっと夜よる姑しゅうと之の死し，未必みひつ厲鬼擊げき之の也，時じ命いのち當とう死し也。妖象厲鬼，象ぞう鬼おに之の形かたち則そく象ぞう鬼おに之の言げん，象ぞう鬼おに之の言げん則そく象ぞう鬼おに而擊矣。何なに以明之の？夫おっと鬼おに者しゃ、神かみ也，神かみ則そく先さき知ち，先さき知則とものり宜よろし自じ見み粢しとぎ盛もり之の不ふ膏あぶら、珪璧之の失しつ度ど、犧牲ぎせい之の臞小，則のり因いん以責讓ゆずる夜よる姑しゅうと，以楫擊げき之の而已，無為むい先さき問とい。先さき問とえ，不知ふち之の效こう也；不知ふち，不ふ神かみ之の驗けん也；不知ふち不ふ神かみ，則のり不ふ能見のみ體からだ出で言げん，以楫擊げき人じん也。夜よる姑しゅうと、義よし臣しん也，引罪自じ予よ已やめ，故こ鬼おに擊げき之の。如無義ぎ而歸之の鮑あわび身み，則のり厲鬼將しょう復ふく以楫掊鮑之の身み矣。且祭祀さいし不備ふび，神かみ怒いか見み體たい，以殺掌てのひら祀まつ。如禮備神喜き，肯見體たい以食賜たまもの主祭しゅさい乎？人ひと有ゆう喜怒きど，鬼おに亦また有ゆう喜怒きど。人ひと不為ふため怒いか者しゃ身み存そん，不為ふため喜き者しゃ身み亡ほろび，厲鬼之の怒いか，見み體たい而罰。宋そう國之くにゆき祀まつ，必時中ちゅう禮れい，夫神おかみ何なに不ふ見み體たい以賞之の乎？夫おっと怒いか喜き不ふ與あずか人ひと同どう，則のり其賞罰ばつ不ふ與あずか人ひと等とう；賞罰しょうばつ不ふ與あずか人ひと等とう，則のり其掊夜よる姑しゅうと，不可ふか信也しんや。

7 祀まつ義よし:
且夫歆者、內氣也，言げん者しゃ、出で氣き也。能のう歆則能のう言ごと，猶なお能のう吸則能のう呼よび矣。如鬼神しん能のう歆，則のり宜むべ言げん於祭祀さいし之の上うえ。今こん不能ふのう言ごと，知ち不能ふのう歆，一也かずや。凡能歆者，口くち鼻はな通どおり也。使つかい鼻はな鼽不通どおり，口くち鉗不開ひらけ，則のり不能ふのう歆矣。人ひと之の死し也，口くち鼻はな腐朽ふきゅう，安やす能のう復ふく歆？二に也。《禮れい》曰：「人死ひとじに也，斯惡之の矣。」與あずか人ひと異類いるい，故こ惡あく之の也。為ため尸しかばね不動ふどう，朽くち敗はい滅亡めつぼう，其身不ふ與あずか生なま人ひと同どう，則のり知ち不ふ與あずか生なま人通ひとどおり矣。身み不同ふどう，知ち不通ふつう，其飲食いんしょく不ふ與あずか人ひと鈞ひとし矣。胡えびす、越えつ異類いるい，飲食いんしょく殊こと味あじ。死し之の與あずか生なま，非ひ直ちょく胡えびす之の與あずか越えつ也。由よし此言之の，死人しにん不ふ歆，三也みつや。當人とうにん之の臥が也，置おけ食物しょくもつ其旁，不能ふのう知也ともや。覺さとし乃知之の，知ち乃能食しょく之の。夫おっと死し、長ちょう臥が不覺ふかく者しゃ也，安やす能のう知ち食しょく？不能ふのう歆之，四よん也。

8 祀まつ義よし:
或ある難なん曰：「『祭まつり則そく鬼おに享とおる之これ』，何なに謂いい也？」曰：言げん其脩具ぐ謹潔，粢しとぎ牲肥香が，人にん臨見之の，意い飲食いんしょく之の。推己意い以況鬼神きじん，鬼神きじん有ゆう知ち，必享此祭，故こ曰『鬼おに享とおる之これ』祀まつ。

9 祀まつ義よし:
難なん曰：「《易えき》曰：『東ひがし鄰殺牛うし，不ふ如西鄰之礿祭。』夫おっと言げん東ひがし鄰不若わか西にし鄰，言げん東ひがし鄰牲大福だいふく少しょう，西にし鄰祭少しょう福ぶく多た也。今こん言げん鬼おに不ふ享とおる，何なに以知其福有ゆう多少たしょう也？」曰：此亦謂いい脩おさむ具ぐ謹潔與あずか不ふ謹潔也。紂殺牛うし祭さい，不ふ致其禮れい；文ぶん王おう礿祭，竭盡其敬。夫おっと禮れい不ふ至いたり，則のり人じん非ひ之の；禮れい敬けい盡つき，則のり人じん是ぜ之の。是ぜ之の，則のり舉事多助たすけ；非ひ之これ，則のり言行げんこう見み畔ほとり。見み畔ほとり，若わか祭さい不ふ見み享とおる之これ禍か；多助たすけ，若わか祭さい見み歆之福ぶく，非ひ鬼おに為ため祭祀さいし之の故こ有ゆう喜怒きど也。何なに以明之の？苟鬼神しん，不當ふとう須人而食；須人而食，是ぜ不能ふのう神しん也。信しん鬼神きじん歆祭祀さいし，祭祀さいし為ため禍福かふく，謂いい鬼神きじん居きょ處しょ何なん如狀哉？自じ有ゆう儲もうか偫邪？將はた以人食しょく為ため饑ひだる飽也？如自有ゆう儲もうか偫，儲もうか偫必與人じん異こと，不當ふとう食しょく人じん之の物もの；如無儲もうか偫，則のり人じん朝夕ちょうせき祭さい乃可耳みみ。壹いち祭さい壹いち否いな，則のり神しん壹いち饑ひだる壹いち飽；壹いち饑ひだる壹いち飽；則そく神かみ壹いち怒いか壹いち喜き矣。

10 祀まつ義よし:
且病人見ひとみ鬼おに，及臥夢ゆめ與あずか死し人相見にんそうみ，如人之の形かたち，故こ其祭祀さいし，如人之の食しょく。緣えん有ゆう飲食いんしょく，則のり宜よろし有ゆう衣服いふく，故こ復ふく以繒製せい衣ころも，以象生せい儀ぎ。其祭如生人じん之の食くえ，人にん欲よく食しょく之の，冀鬼饗きょう之の。其製衣ころも也，廣こう縱たて不ふ過か一いち尺しゃく若わか五ご六ろく寸すん。以所見長みなが大だい之の神かみ，貫ぬき一いち尺しゃく之の衣ころも，其肯喜き而加福ぶく於人乎？以所見しょけん之の鬼おに為ため審しん死人しにん乎？則すなわち其製衣ころも宜よろし若生わこう人じん之の服ふく。如以所しょ製せい之の衣ころも審しん鬼おに衣ころも之の乎？則すなわち所見しょけん之の鬼おに宜むべ如偶人じん之の狀じょう。夫おっと如是にょぜ也，世せい所見しょけん鬼おに，非ひ死人しにん之の神かみ；或ある所ところ衣ころも之の神かみ，非ひ所見しょけん之の鬼おに也。鬼神きじん未定みてい，厚あつ禮れい事ごと之の，安やす得とく福ぶく祐ゆう而堅信之のぶゆき乎？

URN: ctp:lunheng/si-yi