ガーナード (潜水せんすい艦かん)

ガーナード (USS Gurnard, SS-254) は、アメリカ海軍かいぐんの潜水せんすい艦かん。ガトー級きゅう潜水せんすい艦かんの一いち隻せき。艦かん名めいは東大とうだい西洋せいよう〜西太平洋にしたいへいようの旧きゅう世界せかいに分布ぶんぷするホウボウ科か・セミホウボウ科かの総称そうしょうに因ちなむ。

USS ガーナード
基本きほん情報じょうほう
建造けんぞう所しょ	エレクトリック・ボート造船ぞうせん所しょ
運用うんよう者しゃ	アメリカ海軍かいぐん
艦かん種しゅ	攻撃こうげき型がた潜水せんすい艦かん (SS)
級きゅう名めい	ガトー級きゅう潜水せんすい艦かん
艦かん歴れき
起工きこう	1941年ねん9月2日にち
進水しんすい	1942年ねん6月1日にち
就役しゅうえき	1942年ねん9月18日にち
退役たいえき	1945年ねん11月27日にち
除籍じょせき	1961年ねん5月1日にち
その後ご	1961年ねん10月29日にちにスクラップとして売却ばいきゃく
要目ようもく
水上すいじょう排水はいすい量りょう	1,525 トン
水中すいちゅう排水はいすい量りょう	2,424 トン
全長ぜんちょう	311フィート9インチ (95.02 m)
水線すいせん長ちょう	307フィート (93.6 m)
最大さいだい幅はば	27フィート3インチ (8.31 m)
吃水きっすい	17フィート (5.2 m)（最大さいだい）
主おも機き	ホーヴェン＝オーエンス＝レントシュラー(H.O.R.)ディーゼルエンジン×4基き （換かわ装そう後ご）ゼネラルモーターズ278A 16気筒きとうディーゼルエンジン×4基き
電源でんげん	ゼネラル・エレクトリック製せい 発電はつでん機き×2基き
出力しゅつりょく	5,400馬力ばりき (4.0 MW)
電力でんりょく	2,740馬力ばりき (2.0 MW)
推進すいしん器き	スクリュープロペラ×2軸じく
最大さいだい速力そくりょく	水上すいじょう：21ノット 水中すいちゅう：9ノット
航続こうぞく距離きょり	11,000カイリ/10ノット時じ
航海こうかい日数にっすう	潜航せんこう2ノット時じ48時じ間あいだ、哨戒しょうかい活動かつどう75日間にちかん
潜航せんこう深度しんど	試験しけん時じ：300フィート (91 m)
乗員じょういん	（平時へいじ）士官しかん6名めい、兵員へいいん54名めい
兵へい装そう	21インチ魚雷ぎょらい発射はっしゃ管かん×10基き（前方ぜんぽう6，後方こうほう4）/魚雷ぎょらい×24本ほん 竣工しゅんこう時じ 3インチ砲ほう×1基き 20mm機銃きじゅう 1945年ねん7月がつ23日にち 5インチ砲ほう×1基き（艦かん後部こうぶ） 40mm機関きかん砲ほう×2基き（艦かん前部ぜんぶ甲板かんぱん上じょう） 20mm連装れんそう機銃きじゅう

なお、退役たいえきから23年ねん後ごにスタージョン級きゅう原子力げんしりょく潜水せんすい艦かん14番ばん艦かんとして2代目だいめ「ガーナード (SSN-662)」が就役しゅうえきしている。

ニシセミホウボウ（Flying gurnard）

スポッテッド・ガーナード（Spotted gurnard）

艦かん歴れき

「ガーナード」はコネチカット州しゅうグロトンのエレクトリック・ボート社しゃで起工きこうする。1942年ねん6月がつ1日にちにスーザン・スリングラフの手てによって進水しんすいし、艦長かんちょうチャールズ・H・アンドリュース少佐しょうさ（アナポリス1930年ねん組ぐみ）の指揮しき下か、9月18日にちに就役しゅうえきする。ニューロンドンでの整調せいちょう後ご、ヨーロッパ戦線せんせんに送おくられることとなった。

大西洋たいせいようでの第だい1の哨戒しょうかい 1942年ねん11月 - 1943年ねん2月がつ

11月2日にち、「ガーナード」は最初さいしょの哨戒しょうかいに備そなえてスコットランドのロスネースへ向むかった。道中どうちゅう、特段とくだんの事ことなく13日にち後ごの11月15日にちにロスネースに到着とうちゃくした。11月28日にち、最初さいしょの哨戒しょうかいでビスケー湾わんに向むかい、スペインの沖合おきあいで、ビスケー湾わんの強行きょうこう突破とっぱを図はかるドイツの封鎖ふうさ突破とっぱ船せんに備そなえて待機たいきした。その哨戒しょうかいは平穏へいおん無事ぶじに終了しゅうりょうし、敵艦てきかんとの遭遇そうぐうは無なかった。12月27日にち、30日間にちかんの行動こうどうを終おえてロスネースに帰投きとうした。この後のち、修理しゅうりの改修かいしゅうのため帰国きこくすることとなり、1943年ねん1月がつ25日にちにロスネースを出航しゅっこうして2月がつ9日にちにニューロンドンに帰投きとうした。修理しゅうりが完了かんりょうすると真珠湾しんじゅわんに回航かいこうされ、5月26日にちに到着とうちゃくした。

第だい2、第だい3、第だい4の哨戒しょうかい 1943年ねん6月がつ - 1944年ねん1月がつ

6月12日にち、「ガーナード」は2回かい目めの哨戒しょうかいでパラオ方面ほうめんに向むかった。ミッドウェー島とうを経由けいゆし、パラオ環礁かんしょうへの入口いりくちであるトーゲル・ムルンギ水道すいどう（パラオ西にし水道すいどう）沖おきを哨戒しょうかいした。6月29日にち昼ひるごろ、水道すいどうに入はいりつつある水雷すいらい艇てい「鳩ばと」と海防かいぼう艦かん「壱岐いき」に護衛ごえいされたオ007船団せんだんを発見はっけんし、北緯ほくい07度ど38分ふん 東経とうけい134度ど23分ふんの地点ちてんで2隻せきの輸送ゆそう船せんに対たいして魚雷ぎょらいを3本ほんずつ発射はっしゃ、5本ほんを命中めいちゅうさせて2隻せきの輸送ゆそう船せんに打撃だげきを与あたえたと判定はんていされた。攻撃こうげき後ご、護衛ごえい艦かんから24発はつの爆雷ばくらい攻撃こうげきを受うけたが切きり抜ぬけた。2日にち後ごの7月がつ1日にち朝あさには、北緯ほくい07度ど37分ふん 東経とうけい134度ど26分ふんの地点ちてんでフ105船団せんだんを発見はっけんし、魚雷ぎょらいを3本ほんずつ発射はっしゃして5つの命中めいちゅうを確認かくにんしたが、実際じっさいには与あたえた損害そんがいはなかった。しばらく様子ようすをうかがっていると、今度こんどは北緯ほくい07度ど40分ふん 東経とうけい134度ど20分ふんの地点ちてんで陸軍りくぐん特殊とくしゅ船せん「あきつ丸まる」（日本にっぽん海運かいうん、9,433トン）を発見はっけんし、魚雷ぎょらいを計けい4本ほん発射はっしゃして3つの爆ばく発音はつおんを聴取ちょうしゅしたが、実際じっさいにはかわされていた。7月11日にち朝あさ、「ガーナード」は北緯ほくい13度ど08分ふん 東経とうけい132度ど00分ふんのパラオ北西ほくせい350海里かいりの地点ちてんでオ404船団せんだんを発見はっけんし、魚雷ぎょらいを4本ほん発射はっしゃしたが回避かいひされたため、さらに魚雷ぎょらいを4本ほん発射はっしゃし、陸軍りくぐん輸送ゆそう船せん「太ふとし興きょう丸まる」（太ふとし興きょう汽船きせん、1,925トン）に魚雷ぎょらいを3本ほん命中めいちゅうさせて轟沈ごうちんさせた。魚雷ぎょらいを全すべて使つかい果はたした「ガーナード」は、修理しゅうりと補給ほきゅうのため真珠湾しんじゅわんに針路しんろを向むけた。途中とちゅう、ミッドウェー島とうを経由けいゆ。7月26日にち、43日間にちかんの行動こうどうを終おえて真珠湾しんじゅわんに帰投きとうした。

9月6日にち、「ガーナード」は3回かい目めの哨戒しょうかいで南シナ海みなみしなかいに向むかった。9月30日にち午後ごご、北緯ほくい22度ど58分ふん 東経とうけい119度ど48分ふんの地点ちてんで第だい429船団せんだんを発見はっけんし、魚雷ぎょらいを計けい6本ほん発射はっしゃ。2つの命中めいちゅうがあったと判断はんだんされたが、実際じっさいには魚雷ぎょらいはタンカー「図ず南丸みなみまる」（日本にっぽん海洋かいよう漁業ぎょぎょう、9,866トン）に向むかっていったものの、回避かいひされていた。10月7日にち深夜しんや、「ガーナード」は北緯ほくい19度ど00分ふん 東経とうけい119度ど10分ふんのルソン島るそんとうボヘヤドール岬みさき西北西せいほくせい120キロの地点ちてんで4隻せきからなる第だい772船団せんだんを発見はっけん。翌よく10月がつ8日にち1時じ39分ふんに2つの目標もくひょうに対たいして魚雷ぎょらいを4本ほんずつ発射はっしゃし、魚雷ぎょらいは2隻せきの陸軍りくぐん輸送ゆそう船せん、「大日だいにち丸まる」（板谷いたや商船しょうせん、5,813トン）と「大だい安丸やすまる」（太洋海運たいようかいうん、5,655トン）に命中めいちゅうして両船りょうせんとも撃沈げきちんした。10月9日にち夜よるにも北緯ほくい18度ど50分ふん 東経とうけい118度ど55分ふんの地点ちてんでレーダーにより目標もくひょうを探知たんちし、翌よく10月がつ10日にち未明みめいに入はいって魚雷ぎょらいを4本ほん発射はっしゃして2つの命中めいちゅうがあったと報告ほうこくされた。「ガーナード」は浮上ふじょうして追跡ついせきし、魚雷ぎょらいを計けい6本ほん発射はっしゃし1本ほんが爆発ばくはつしたと判定はんていされた。10月28日にち、52日間にちかんの行動こうどうを終おえて真珠湾しんじゅわんに帰投きとうした。

11月28日にち、「ガーナード」は4回かい目めの哨戒しょうかいで日本にっぽん近海きんかいに向むかった。12月22日にち22時じごろ、北緯ほくい33度ど25分ふん 東経とうけい136度ど00分ふんの潮岬しおのみさき90度ど6海里かいりの地点ちてんで、西にし航こう中ちゅうのドイツの柳やなぎ船せん「ハーフェルラント」を発見はっけんして浮上ふじょう攻撃こうげきで魚雷ぎょらいを4本ほん発射はっしゃし、1本ほんが命中めいちゅう。「ハーフェルラント」は串本くしもと、次ついで神戸こうべに曳航えいこうされていった。間あいだもなくレーダーで別べつの目標もくひょうを探知たんちした「ガーナード」は、北緯ほくい33度ど27分ふん 東経とうけい135度ど36分ふんの地点ちてんで輸送ゆそう船せん「美崎みさき丸まる」（松岡まつおか汽船きせん、4422トン）を発見はっけんし、魚雷ぎょらいを4本ほんずつ計けい12本ほんも発射はっしゃしたが、そのいずれもが外はずれた。2日にち後ごの12月24日にち朝あさ、北緯ほくい33度ど57分ふん 東経とうけい136度ど16分ふんの紀伊きい半島はんとう三木みき岬みさき沖おきの熊野灘くまのなだで第だい8222船団せんだんを発見はっけんし、7時じ10分ふんに2隻せきの輸送ゆそう船せんに対たいしてそれぞれ魚雷ぎょらいを2本ほんずつ発射はっしゃ。魚雷ぎょらいは輸送ゆそう船せん「第だい二に青山あおやま丸まる」（大だい興きょう汽船きせん、1,898トン）と陸軍りくぐん輸送ゆそう船せん「東ひがし福丸ふくまる」（大光おおみつ商船しょうせん、5,857トン）に命中めいちゅうし、2隻せきとも撃沈げきちんした。護衛ごえい艦艇かんていは80発はつ以上いじょうの爆雷ばくらいを投下とうかしたが、「ガーナード」はこれを切きり抜ぬけた。12月27日にち夜よる、北緯ほくい34度ど22分ふん 東経とうけい138度ど32分ふんの地点ちてんで特設とくせつ運送うんそう船せん「護国ごこく丸まる」（大阪おおさか商船しょうせん、10,438トン）を発見はっけんし、魚雷ぎょらいを4本ほん発射はっしゃして1本ほんを命中めいちゅうさせたが、「護国ごこく丸まる」はそのまま航行こうこうを続つづけた。1944年ねん1月がつ7日にち、40日間にちかんの行動こうどうを終おえて真珠湾しんじゅわんに帰投きとう。メア・アイランド海軍かいぐん造船ぞうせん所しょに回航かいこうされてオーバーホールに入はいり、折おりから、「H.O.R.エンジン搭載とうさい艦かんは1隻せき残のこらず、暫時ざんじエンジンを換かわ装そうするように」という合衆国がっしゅうこく艦隊かんたい司令しれい長官ちょうかん兼けん海軍かいぐん作戦さくせん部長ぶちょうアーネスト・キング大将たいしょうの命令めいれいが出でており、甚はなはだ旧式きゅうしきでトラブルが多おおく信頼しんらい性せいに欠かけていたH.O.R.エンジンを、本来ほんらい搭載とうさいされるGM社しゃ製せい278A16気筒きとうエンジンに換かわ装そうした。1944年ねん4月がつ1日にちに真珠湾しんじゅわんに戻もどった。

第だい5、第だい6、第だい7の哨戒しょうかい 1944年ねん4月がつ - 11月

建川たてかわ丸まる(1935年ねん)

4月がつ16日にち、「ガーナード」は5回かい目めの哨戒しょうかいでセレベス海かいに向むかった。5月6日にち14時じごろ、北緯ほくい02度ど42分ふん 東経とうけい124度ど07分ふんの地点ちてんで、第だい三さん十じゅう五ご師団しだんと第だい三さん十じゅう二に師団しだんの将兵しょうへいや軍需ぐんじゅ品ひんをハルマヘラ島とうへ向むけて輸送ゆそう中ちゅうの竹たけ一いち船団せんだんを発見はっけん。船団せんだんを横腹よこばらを突つく形かたちから魚雷ぎょらいを6本ほん発射はっしゃし、3隻せきの陸軍りくぐん輸送ゆそう船せん、「亜あ丁ひのと丸まる」（大洋たいよう興業こうぎょう、5,823トン）に2本ほん、「但馬たじま丸まる」（日本郵船にっぽんゆうせん、6,995トン）に3本ほん、「天津てんしん山さん丸まる」（三井みつい船舶せんぱく、6,886トン）に1本ほんがそれぞれ命中めいちゅうし、「亜あ丁ひのと丸まる」と「但馬たじま丸まる」はまもなく沈没ちんぼつし、「天津てんしん山さん丸まる」は依然いぜん浮ういていたものの、「ガーナード」は翌よく5月がつ7日にち未明みめいに魚雷ぎょらいを1本ほん発射はっしゃし、命中めいちゅうさせて止とめとした。竹たけ一いち船団せんだんはこの一連いちれんの攻撃こうげきで、兵員へいいんや装備そうび品ひんのそのほぼ半数はんすうを失うしなった。日本にっぽん側がわは約やく100発はつの爆雷ばくらいを投下とうかしたが、「ガーナード」はこれを回避かいひした。5月18日にちには北緯ほくい06度ど06分ふん 東経とうけい125度ど47分ふんの地点ちてんで「大型おおがた巡洋艦じゅんようかん」と2隻せきの駆逐くちく艦かんを発見はっけんし、魚雷ぎょらいを6本ほん発射はっしゃして2本ほんが命中めいちゅうしたと判断はんだんされた。「大型おおがた巡洋艦じゅんようかん」はのちの戦果せんか報告ほうこくで「長門ながと型がた戦艦せんかん」に「上方かみがた修正しゅうせい」されていた。5月24日にち午前ごぜん、北緯ほくい05度ど49分ふん 東経とうけい125度ど45分ふんの地点ちてんで2隻せきの輸送ゆそう船せんと2隻せきの駆潜艇くせんていを発見はっけんし、魚雷ぎょらいを2本ほん発射はっしゃするも命中めいちゅうしなかった。同おなじ日びの午後ごご、今度こんどは北緯ほくい05度ど45分ふん 東経とうけい125度ど43分ふんのミンダナオ島みんだなおとう東方とうほう25キロ地点ちてんで第だい一いち機動きどう艦隊かんたい（小沢おざわ治おさむ三郎さぶろう中将ちゅうじょう）に対たいする補給ほきゅう部隊ぶたいを発見はっけんして魚雷ぎょらいを4本ほん発射はっしゃし、うち3本ほんが特設とくせつ運送うんそう船せん（給油きゅうゆ）「建川たてかわ丸まる」（川崎汽船かわさききせん、10,090トン）に命中めいちゅうしてこれを撃沈げきちんした。護衛ごえいの駆逐くちく艦かん「浜風はまかぜ」は爆雷ばくらい攻撃こうげきを実施じっししたが、「ガーナード」に損傷そんしょうはなかった。5月31日にち朝あさ、北緯ほくい05度ど15分ふん 東経とうけい125度ど28分ふんの地点ちてんで、ダバオに向むかいつつある「戦艦せんかん3隻せき」を発見はっけんし、追跡ついせきした。渾作戦さくせんの支援しえんに向むかう戦艦せんかん「扶桑ふそう」と重じゅう巡洋艦じゅんようかん「妙みょう高だか」「羽黒はぐろ」に対たいして攻撃こうげきを試こころみたが、絶好ぜっこうのポジションにはどうしても近ちかづけなかった。6月11日にち、56日間にちかんの行動こうどうを終おえてフリーマントルに帰投きとうした。

7月がつ8日にち、「ガーナード」は6回かい目めの哨戒しょうかいでセレベス海かいに向むかった。途中とちゅうダーウィンで給油きゅうゆを行おこなった後のち、パレン海峡かいきょうからバンダ海うみに入はいり、モルッカ海かいを経由けいゆしてセレベス海かいに到着とうちゃくした。その後ごはセレベス海かい、スールー海うみ、ミンダナオ海かいで哨戒しょうかいを行おこなう。7月27日にち午後ごご、南緯なんい01度ど18分ふん 東経とうけい123度ど36分ふんの地点ちてんで3隻せきの輸送ゆそう船せんと4隻せきの護衛ごえい艦かんからなる輸送ゆそう船団せんだんを発見はっけんし、2隻せきの輸送ゆそう船せんに対たいして全すべての発射はっしゃ管かんを向むけ、魚雷ぎょらいを3本ほんずつ計けい6本ほん発射はっしゃ。魚雷ぎょらいは2番目ばんめの輸送ゆそう船せんに2本ほんが命中めいちゅうしたと判断はんだんされた。8月15日にちには北緯ほくい01度ど25分ふん 東経とうけい120度ど52分ふんの地点ちてんで「千鳥ちどり型がた水雷すいらい艇てい」を発見はっけんし、魚雷ぎょらいを4本ほん発射はっしゃして3つの爆発ばくはつを確認かくにんしたが、早期そうき爆発ばくはつの音おとだったらしく相手あいては無傷むきずだった。8月がつ20日はつかにも北緯ほくい09度ど01分ふん 東経とうけい123度ど11分ふんの地点ちてんで2,500トン級きゅう輸送ゆそう船せんと2隻せきのトロとろール船るせん型かた護衛ごえい艦かんを発見はっけんし、魚雷ぎょらいを4本ほん発射はっしゃして1つの爆発ばくはつを確認かくにんしたが、相手あいてには何事なにごとの変化へんかもなかった。9月5日にち、59日間にちかんの行動こうどうを終おえてフリーマントルに帰投きとう。艦長かんちょうがノーマン・D・ゲージ少佐しょうさ（アナポリス1935年ねん組ぐみ）に代かわった。

10月9日にち、「ガーナード」は7回かい目めの哨戒しょうかいで南シナ海みなみしなかいに向むかった。10月22日にち夜よる、北緯ほくい01度ど25分ふん 東経とうけい105度ど38分ふんの地点ちてんで15隻せき以上いじょうの輸送ゆそう船団せんだんを発見はっけんし、3つの目標もくひょうに対たいして魚雷ぎょらいを計けい10本ほん発射はっしゃしたが、すべて外はずれた。11月3日にち未明みめいには北緯ほくい05度ど53分ふん 東経とうけい111度ど12分ふんの地点ちてんでミ20船団せんだんを発見はっけんして魚雷ぎょらいを6本ほん発射はっしゃし、輸送ゆそう船せん「大明だいめい丸まる」（大阪おおさか商船しょうせん、6,723トン）に魚雷ぎょらいを2本ほん命中めいちゅうさせ撃沈げきちんした。11月6日にちにはサラワク沖おきで機雷きらいを敷設ふせつした。哨戒しょうかい期間きかんの後半こうはんはアナンバス諸島しょとう近海きんかいで救助きゅうじょ任務にんむに就ついた。11月8日にち夜よる、北緯ほくい02度ど42分ふん 東経とうけい106度ど25分ふんの地点ちてんでレーダーにより2つの目標もくひょうを探知たんちし、魚雷ぎょらいを4本ほん発射はっしゃするも命中めいちゅうしなかった。11月17日にち、38日間にちかんの行動こうどうを終おえてフリーマントルに帰投きとうした。

第だい8、第だい9の哨戒しょうかい 1944年ねん12月 - 1945年ねん5月がつ

12月11日にち、「ガーナード」は8回かい目めの哨戒しょうかいで「ギターロ」 (USS Guitarro, SS-363) とともに南シナ海みなみしなかいに向むかった。12月28日にち、北緯ほくい11度ど48分ふん 東経とうけい109度ど25分ふんのカムラン湾わん沖おきで礼れい号ごう作戦さくせんを終おえて帰投きとう中ちゅうの第だい二に水雷すいらい戦隊せんたい（木村きむら昌福まさとみ少将しょうしょう）以下いかの艦艇かんていを発見はっけんしたが、艦艇かんていは高速こうそくで通過つうかしていったため、同おなじく発見はっけんしていた「ギターロ」ともども攻撃こうげきの機会きかいがなく報告ほうこくだけにとどめた。1945年ねん1月がつ13日にちには、テンゴール島とう近海きんかいで哨戒しょうかい中ちゅうに "ATLAS MARU OSAKA" と書かかれた浮うき輪わをいくつか発見はっけんした。この "ATLAS MARU" とは、1944年ねん11月2日にちに北緯ほくい12度ど57分ふん 東経とうけい120度ど12分ふんのバタン諸島しょとう近海きんかいで、「ポンフレット」 (USS Pomfret, SS-391) の攻撃こうげきで座礁ざしょうののち破壊はかいされた海軍かいぐん徴ちょう傭船ようせん「あとらす丸まる」（大阪おおさか商船しょうせん、7,347トン）を指さし、浮遊ふゆう物ぶつが2カ月かげつの月日つきひを経へてマレまれー半島はんとう沿岸えんがん部ぶに到達とうたつしたことになる。この哨戒しょうかいでは攻撃こうげきの機会きかいはなかった。2月1日にち、51日間にちかんの行動こうどうを終おえてフリーマントルに帰投きとう。艦長かんちょうがジョージ・S・シモンズ3世せい少佐しょうさ（アナポリス1939年ねん組ぐみ）に交代こうたいした。

3月がつ10日とおか、「ガーナード」は9回かい目めの哨戒しょうかいで「ハンマーヘッド」 (USS Hammerhead, SS-364)、「ボアフィッシュ」 (USS Boarfish, SS-327) とウルフパックを構成こうせいし南シナ海みなみしなかいに向むかった。3月26日にち、「ガーナード」は北緯ほくい15度ど25分ふん 東経とうけい108度ど52分ふんの地点ちてんで2隻せきの駆逐くちく艦かんを発見はっけんし、魚雷ぎょらいを4本ほん発射はっしゃしたが回避かいひされた。3月29日にちには、「ハンマーヘッド」から目標もくひょう発見はっけんの知しらせが届とどいた。「ハンマーヘッド」は南みなみ号ごう作戦さくせん最終さいしゅう船団せんだんであるヒ88J船団せんだんを発見はっけんして攻撃こうげきを行おこなっていた。しかし、「ガーナード」にはそのような機会きかいは訪おとずれなかった。4月がつ20日はつか、サイパン島とうタナパグ港こうに針路しんろを向むけて東進とうしんし、4月がつ29日にちにタナパグ港こうに到着とうちゃくして一服いっぷくついた。5月9日にち、48日間にちかんの行動こうどうを終おえて真珠湾しんじゅわんに帰投きとう。9日にち後ごにメア・アイランド海軍かいぐん造船ぞうせん所しょに回航かいこうされオーバーホールに入はいった。オーバーホール中ちゅうに終戦しゅうせんを迎むかえた。

戦後せんご

「ガーナード」はオーバーホールが終おわった後のち、再ふたたび真珠湾しんじゅわんとミッドウェー島とうを往復おうふくし、9月11日にちにサンフランシスコに帰還きかん。11月27日にちに退役たいえきした。その後ごは1949年ねん7月がつ1日にちまで予備よび役やくとして保管ほかんされ、その後ごサンフランシスコ海軍かいぐん造船ぞうせん所しょで予備よび役やく兵へいの訓練くんれん用よう兵器へいき庫ことして現役げんえき復帰ふっきする。11月27日にちから12月9日にちまで真珠湾しんじゅわんに曳航えいこうされ訓練くんれん任務にんむに従事じゅうじ、1953年ねん5月がつ18日にちにワシントン州しゅうタコマに曳航えいこうされ、1960年ねん6月がつまで同どう任務にんむに従事じゅうじした。廃棄はいきに向むけて不ふ活性かっせい化かされ、1961年ねん5月がつ1日にちに除籍じょせき、9月26日にちにスクラップとしてカリフォルニア州しゅうロサンゼルスのナショナル・メタル・アンド・スチール社しゃに売却ばいきゃくされた。

「ガーナード」は第だい二に次じ世界せかい大戦たいせんの戦功せんこうで6個この従軍じゅうぐん星章せいしょうおよび海軍かいぐん殊勲しゅくん部ぶ隊章たいしょうを受章じゅしょうした。第だい2回かいから第だい7回かいまでの哨戒しょうかいが成功せいこうとして記録きろくされた。

脚注きゃくちゅう

参考さんこう文献ぶんけん

• (issuu) SS-254, USS GURNARD. Historic Naval Ships Association. https://issuu.com/hnsa/docs/ss-254_gurnard 
• アジア歴史れきし資料しりょうセンター（公式こうしき）（防衛ぼうえい省しょう防衛ぼうえい研究所けんきゅうじょ）
  • Ref.C08030368200『昭和しょうわ十じゅう八はち年ねん六ろく月がつ一いち日にち昭和しょうわ十じゅう八はち年ねん六ろく月がつ三さん十じゅう日にち 呉ご防備ぼうび戦隊せんたい戦時せんじ日誌にっし』。 
  • Ref.C08030368300『昭和しょうわ十じゅう八はち年ねん七なな月がつ一いち日にち昭和しょうわ十じゅう八はち年ねん七なな月がつ三さん十じゅう一いち日にち 呉ご防備ぼうび戦隊せんたい戦時せんじ日誌にっし』。 
  • Ref.C08030139800『自じ昭和しょうわ十じゅう八はち年ねん九きゅう月がつ一いち日にち至いたり同どう九きゅう月がつ三さん十じゅう日にち （第だい一いち海上かいじょう護衛ごえい隊たい）戦時せんじ日誌にっし』、21-46頁ぺーじ。 
  • Ref.C08030511200『自じ昭和しょうわ十じゅう八はち年ねん九きゅう月がつ一いち日にち至いたり昭和しょうわ十じゅう八はち年ねん九きゅう月がつ三さん十じゅう日にち 高雄たかお警備けいび府ふ戦時せんじ日誌にっし』。 
  • Ref.C08030139900『自じ昭和しょうわ十じゅう八はち年ねん十じゅう月がつ一いち日にち至いたり同どう十じゅう月がつ三さん十じゅう一いち日にち 第だい一いち海上かいじょう護衛ごえい隊たい戦時せんじ日誌にっし』、1-26頁ぺーじ。 
  • Ref.C08030428700『自じ昭和しょうわ十じゅう八はち年ねん十二月じゅうにがつ一いち日にち 至いたり昭和しょうわ十じゅう八はち年ねん十二月じゅうにがつ三さん十じゅう一いち日にち 紀伊きい防備ぼうび隊たい戦時せんじ日誌にっし』。 
  • Ref.C08030428800『自じ昭和しょうわ十じゅう八はち年ねん十二月じゅうにがつ一いち日にち 至いたり昭和しょうわ十じゅう八はち年ねん十二月じゅうにがつ三さん十じゅう一いち日にち 紀伊きい防備ぼうび隊たい戦時せんじ日誌にっし』。 
  • Ref.C08030654500『自じ昭和しょうわ十じゅう八はち年ねん十二月じゅうにがつ一いち日にち至いたり昭和しょうわ十じゅう八はち年ねん十二月じゅうにがつ三さん十じゅう一いち日にち 特設とくせつ運送うんそう船せん護国ごこく丸まる戦時せんじ日誌にっし』。 
  • Ref.C08030050500『自じ昭和しょうわ十じゅう九きゅう年ねん五ご月がつ一いち日にち至いたり昭和しょうわ十じゅう九きゅう年ねん五ご月がつ三さん十じゅう一いち日にち 第だい十じゅう戦隊せんたい戦時せんじ日誌にっし』。 
• Roscoe, Theodore. United States Submarine Operetions in World War II. Annapolis, Maryland: Naval Institute press. ISBN 0-87021-731-3 
• 財団ざいだん法人ほうじん海上かいじょう労働ろうどう協会きょうかい（編へん）『復刻ふっこく版ばん 日本にっぽん商船しょうせん隊たい戦時せんじ遭難そうなん史し』財団ざいだん法人ほうじん海上かいじょう労働ろうどう協会きょうかい/成山なりやま堂どう書店しょてん、2007年ねん（原著げんちょ1962年ねん）。ISBN 978-4-425-30336-6。 
• Blair,Jr, Clay (1975). Silent Victory The U.S.Submarine War Against Japan. Philadelphia and New York: J. B. Lippincott Company. ISBN 0-397-00753-1 
• 木俣きまた滋しげる郎ろう『日本にっぽん戦艦せんかん戦史せんし』図書としょ出版しゅっぱん社しゃ、1983年ねん。 
• 木俣きまた滋しげる郎ろう『日本にっぽん水雷すいらい戦史せんし』図書としょ出版しゅっぱん社しゃ、1986年ねん。 
• 駒こま宮みや真しん七なな郎ろう『戦時せんじ輸送ゆそう船団せんだん史し』出版しゅっぱん協同きょうどう社しゃ、1987年ねん。ISBN 4-87970-047-9。 
• 木俣きまた滋しげる郎ろう『日本にっぽん軽けい巡じゅん戦史せんし』図書としょ出版しゅっぱん社しゃ、1989年ねん。 
• Bauer, K. Jack; Roberts, Stephen S. (1991). Register of Ships of the U.S. Navy, 1775-1990: Major Combatants. Westport, Connecticut: Greenwood Press. pp. 271-273. ISBN 0-313-26202-0 
• Friedman, Norman (1995). U.S. Submarines Through 1945: An Illustrated Design History. Annapolis, Maryland: United States Naval Institute. ISBN 1-55750-263-3 
• 野間のま恒ひさし『商船しょうせんが語かたる太平洋戦争たいへいようせんそう 商船しょうせん三井みつい戦時せんじ船ふね史し』野間のま恒ひさし（私家版しかばん）、2004年ねん。 
• 林はやし寛ひろし司し（作表さくひょう）、戦前せんぜん船舶せんぱく研究けんきゅう会かい（資料しりょう提供ていきょう）「特設とくせつ艦船かんせん原簿げんぼ/日本にっぽん海軍かいぐん徴用ちょうよう船舶せんぱく原簿げんぼ」『戦前せんぜん船舶せんぱく』第だい104号ごう、戦前せんぜん船舶せんぱく研究けんきゅう会かい、2004年ねん。 
• Wiper, Steve (2006). Gato Type Fleet Submarines(Warships Pictorial #28). Tucson, Arizona: Classic Warships Publishing. ISBN 0-9745687-7-5 

外部がいぶリンク

• history.navy.mil: USS Gurnard - ウェイバックマシン（2004年ねん5月がつ30日にちアーカイブ分ぶん）
• hazegray.org: USS Gurnard
• navsource.org: USS Gurnard
• この記事きじはアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく政府せいふの著作ちょさく物ぶつであるDictionary of American Naval Fighting Shipsに由来ゆらいする文章ぶんしょうを含ふくんでいます。 記事きじはここで閲覧えつらんできます。