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サザンカ - Wikipedia

サザンカ

ツバキツバキぞく常緑じょうりょく広葉樹こうようじゅ

サザンカ山茶花さざんか[7]学名がくめい: Camellia sasanqua)は、ツバキツバキぞく常緑じょうりょく広葉樹こうようじゅ別名べつめいでは、オキナワサザンカともよばれる[1]童謡どうようたきび」の歌詞かし登場とうじょうすることでもよくられる。 神戸こうべにもなっている。

サザンカ
Camellia sasanqua
Camellia sasanqua
分類ぶんるいAPG III
さかい : 植物しょくぶつかい Plantae
階級かいきゅうなし : 被子植物ひししょくぶつ angiosperms
階級かいきゅうなし : 真正しんしょうそう子葉しようるい eudicots
階級かいきゅうなし : コア真正しんせいそう子葉しようるい core eudicots
階級かいきゅうなし : キクるい asterids
: ツツジ Ericales
: ツバキ Theaceae
れん : Theeae
ぞく : ツバキぞく Camellia
たね : サザンカ C. sasanqua
学名がくめい
Camellia sasanqua Thunb.[1]
シノニム
英名えいめい
sasanqua
栽培さいばい品種ひんしゅ[6]
  • カンツバキ C. s. 'Shishigashira'

名称めいしょう 編集へんしゅう

漢字かんじ表記ひょうきの「山茶花さざんか」は中国ちゅうごくツバキるい一般いっぱんやまちゃ由来ゆらいし、サザンカの山茶花さざんか本来ほんらいみである「サンサカ」がなまったものといわれる。もとは「さんざか」とったが、おと転換てんかんした現在げんざいみが定着ていちゃくした[8]。 ツバキぞく一種いっしゅであるが、ツバキ(ヤブツバキ)よりもはながやや小形こがたであることから、ヒメツバキやコツバキなどの別名べつめいもある[9]

サザンカの全般ぜんぱんてき花言葉はなことばは、「謙遜けんそん」「ひたむきなあい」とされる[10]あかはな謙譲けんじょう」「あなたがもっともうつくしい」[よう出典しゅってん]しろはな愛嬌あいきょう」「あなたはわたしあい退しりぞける」[よう出典しゅってん]。ピンクのはな永遠えいえんあい[よう出典しゅってん]

形態けいたい生態せいたい 編集へんしゅう

常緑じょうりょく広葉樹こうようじゅしょう高木たかぎ[11]樹皮じゅひあわばい褐色かっしょく表面ひょうめん平滑へいかつである[7]樹皮じゅひ灰白色かいはくしょくのツバキにたいして褐色かっしょくびている[12]いちねんえだははじめ紅紫こうししょくえている[7]ながさ2 - 5センチメートル (cm) 程度ていど鋸歯きょしのある楕円だえんがたツバキよりもちいさく[7]、ややあつくツヤがあり、互生ごせいする[11][13]

花期かきは、あきわりから初冬しょとうにかけてのさむ時期じき(10 - 12月)で[11]えださきに5まい花弁はなびらはなかせる[10]野生やせい自生じせいしゅでは花色はないろ部分ぶぶんてきあわ桃色ももいろまじえた白色はくしょくであるのにたい[11]うえ栽される園芸えんげい品種ひんしゅはないろは、紅色こうしょく白色はくしょくピンクなど様々さまざまである[10]はなおくにはみつがあり、花粉かふん授受じゅじゅ昆虫こんちゅうとり両方りょうほうたよっている[10]。サザンカの開花かいかツバキよりもはや晩秋ばんしゅうで、花弁はなびらが1まいごとにるので、ツバキとの見分みわけのポイントになる[11][10][12]。また、サザンカの子房しぼうにはがあるが、ツバキにはない[10]はなかたもややことなり、ツバキが裏側うらがわについて葉陰はかげかせることがおおいのにたいし、サザンカはむしろ表面ひょうめんがわいて、目立めだちやすい[12]

はて翌年よくねんの9 - 10月[10]はないたあとに直径ちょっけい2 cm 程度ていど球形きゅうけい果実かじつがつく。果実かじつ表面ひょうめんにはみじかえていて[7]開花かいか翌年よくねんあき表皮ひょうひが3つにけて、ちゅうから2 - 3黒褐色こっかっしょくをした種子しゅし[11][13]

冬芽とうがにつき、花芽かがはツバキにるが全体ぜんたいぶりである[7]花芽かがこう楕円だえんがたしろがあり、なつごろられる[7]はややひらたいちょうたまごがたがあり、5 - 7まいうろこつつまれている[7]

ふゆ季語きごにされるなど、サザンカにはさむさにつよいイメージがあるが、開花かいか時期じき寒気さむけにさらされるとはなちること、四国しこく九州きゅうしゅうといったあたたかい地域ちいき北限ほくげんであることなどから、原種げんしゅのサザンカはとくさむさにつよいわけでは[13]品種ひんしゅ改良かいりょうされた園芸えんげいしゅにはさむさにつよく、真冬まふゆでもはなかせる品種ひんしゅすくなくない[13]

サザンカ、ツバキチャノキなどのツバキべるチャドクガられている。この毒蛾どくがたまごかたまり幼虫ようちゅうまゆ成虫せいちゅうにはどくはりがあり、れると皮膚ひふえん発生はっせいさせる。また、直接ちょくせつれなくても、したかよったり風下かざしもにいるだけでもどくはりれ、被害ひがいにあうことがある。

分布ぶんぷ 編集へんしゅう

自生じせいしゅは、日本にっぽん本州ほんしゅう山口やまぐちけん四国しこく南西なんせいから九州きゅうしゅうちゅう南部なんぶ南西諸島なんせいしょとう屋久島やくしまから西表島いりおもてじま)などに[11][10][7]日本にっぽん国外こくがいでは台湾たいわん中国ちゅうごくインドネシアなどに分布ぶんぷする[14][15]山地さんち自生じせいするほか、人手ひとでによってうえ栽されてにわでもよくられる[11]

なお、ツバキ植物しょくぶつ熱帯ねったいから亜熱帯あねったい自生じせいしており、ツバキ、サザンカ、チャは温帯おんたい適応てきおうしためずらしいしゅであり、日本にっぽん自生じせいとしては北限ほくげんである。

人間にんげんとのかかわり 編集へんしゅう

 
サザンカ(西脇にしわき
 
樹齢じゅれい600ねんのサザンカの大木たいぼく西方寺せいほうじ

ツバキともに、代表だいひょうてきふゆから早春そうしゅん花木はなのきで、庭木にわきとして人気にんきたか園芸えんげいしゅ多数たすうあり[11]生垣いけがきによく利用りようされる。サザンカもツバキも、ヨーロッパイギリスアメリカ愛好あいこうされ、おおくの園芸えんげい品種ひんしゅ作出さくしゅつされ、現在げんざいおおくの品種ひんしゅつくされている[12]。ちなみにおおくの言語げんごでもサザンカとばれている。種子しゅしからはあぶられる[11]

栽培さいばい品種ひんしゅ 編集へんしゅう

サザンカにはおおくの栽培さいばい品種ひんしゅ園芸えんげい品種ひんしゅ)があり、はな時期じき花形はながたなどで3つのぐんけるのが一般いっぱんてきである。サザンカぐん以外いがいはツバキとの交雑こうざつである。

  • サザンカぐん
  • カンツバキぐん
    • カンツバキ寒椿かんつばきCamellia sasanqua Thunb. 'Shishigashira'(シノニム C. x hiemalis Nakai、C. sasanqua Thunb. var. fujikoana Makino) - サザンカとツバキ C. japonica とのたねあいだ交雑こうざつ園芸えんげい品種ひんしゅぐんである。
  • ハルサザンカぐん
    • ハルサザンカ Camellia x vernalis (Makino) Makino

サザンカを題材だいざいにした楽曲がっきょく 編集へんしゅう

サザンカがてくる短歌たんか 編集へんしゅう

  • 山茶花さざんかしょうめでたし寒天かんてんにきらめくしょしろはなばな, 窪田空穂くぼたうつぼ, 晴明せいめいふし

都道府県とどうふけん市区しく町村ちょうそんとうはな 編集へんしゅう

行政ぎょうせいはな

かつて指定していしていた自治体じちたい 編集へんしゅう

脚注きゃくちゅう 編集へんしゅう

  1. ^ a b 米倉よねくら浩司こうじ梶田かじたただし (2003-). “Camellia sasanqua Thunb.”. BG Plants 和名わみょう学名がくめいインデックス(YList). 2014ねん1がつ23にち閲覧えつらん
  2. ^ 米倉よねくら浩司こうじ梶田かじたただし (2003-). “Camellia drupifera auct. non Lour.”. BG Plants 和名わみょう学名がくめいインデックス(YList). 2021ねん10がつ9にち閲覧えつらん
  3. ^ 米倉よねくら浩司こうじ梶田かじたただし (2003-). “Thea miyagii Koidz.”. BG Plants 和名わみょう学名がくめいインデックス(YList). 2021ねん10がつ9にち閲覧えつらん
  4. ^ 米倉よねくら浩司こうじ梶田かじたただし (2003-). “Camellia oleosa auct. non (Lour.) Rehder”. BG Plants 和名わみょう学名がくめいインデックス(YList). 2021ねん10がつ9にち閲覧えつらん
  5. ^ 米倉よねくら浩司こうじ梶田かじたただし (2003-). “Camellia miyagii (Koidz.) Makino et Nemoto”. BG Plants 和名わみょう学名がくめいインデックス(YList). 2021-10-0閲覧えつらん
  6. ^ 米倉よねくら浩司こうじ; 梶田かじたただし (2003-). “BG Plants簡易かんい検索けんさく結果けっか表示ひょうじ”. 「BG Plants 和名わみょう学名がくめいインデックス」(YList). 千葉大学ちばだいがく. 2014ねん1がつ23にち閲覧えつらん
  7. ^ a b c d e f g h i 鈴木すずき庸夫みちお高橋たかはしふゆやすのべ尚文なおふみ 2014, p. 60.
  8. ^ 金田一きんだいち秀穂ひでほ (2010ねん3がつ17にち). “連載れんさいコラム】『金田一きんだいち先生せんせい日本語にほんごのココロ』だい12かいおと転換てんかん倒語とうご”. 学研がっけん出版しゅっぱんサイト. 学研がっけんマーケティング. 2014ねん1がつ23にち閲覧えつらん
  9. ^ 辻井つじいたちいち 1995, p. 253.
  10. ^ a b c d e f g h 田中たなかきよし 2011, p. 142.
  11. ^ a b c d e f g h i j 平野ひらの隆久たかひさ監修かんしゅう 永岡書店ながおかしょてんへん 1997, p. 141.
  12. ^ a b c d 辻井つじいたちいち 1995, p. 254.
  13. ^ a b c d 渡辺わたなべ 2017, pp. 13–20.
  14. ^ 島袋しまぶくろ敬一けいいち編著へんちょ 1997, p. 201.
  15. ^ 大野おおのあきらこう監修かんしゅう へん野田のだ逸朗いつろうちょ 1999, p. 135.

参考さんこう文献ぶんけん 編集へんしゅう

  • 大野おおのあきらこう監修かんしゅう へん野田のだ逸朗いつろうちょ琉球りゅうきゅう野山のやまはなfrom Amami : 太陽たいようおくもの南方みなかたしんしゃ、1999ねん、135ぺーじISBN 4-931376-21-5 
  • 島袋しまぶくろ敬一けいいち編著へんちょ琉球りゅうきゅう列島れっとう維管たば植物しょくぶつしゅうらん』(改訂かいていばん九州大学きゅうしゅうだいがく出版しゅっぱんかい、1997ねん、201ぺーじISBN 4-87378-522-7 
  • 鈴木すずき庸夫みちお高橋たかはしふゆやすのべ尚文なおふみ樹皮じゅひ冬芽とうが四季しきつうじて樹木じゅもく観察かんさつする 431しゅまことぶんどう新光しんこうしゃ〈ネイチャーウォチングガイドブック〉、2014ねん10がつ10日とおか、60ぺーじISBN 978-4-416-61438-9 
  • 田中たなかきよしっておきたい100の日本にっぽんらしをささえる樹木じゅもくたち』主婦しゅふ友社ともしゃ主婦しゅふともベストBOOKS〉、2011ねん7がつ31にち、142ぺーじISBN 978-4-07-278497-6 
  • 辻井つじい達一たついち日本にっぽん樹木じゅもく中央公論社ちゅうおうこうろんしゃ中公新書ちゅうこうしんしょ〉、1995ねん4がつ25にち、251 - 254ぺーじISBN 4-12-101238-0 
  • 平野ひらの隆久たかひさ監修かんしゅう 永岡書店ながおかしょてんへん樹木じゅもくガイドブック』永岡書店ながおかしょてん、1997ねん5がつ10日とおか、141ぺーじISBN 4-522-21557-6 
  • 渡辺わたなべ一夫かずお『アジサイはなぜにアルミどくをためるのか:樹木じゅもく19しゅ個性こせいのこ戦略せんりゃく築地つきじしょかん、2017ねんISBN 9784806715368 
  • 茂木もきとおる 写真しゃしんはなはなれべんはな 2』高橋たかはし秀男ひでお勝山かつやま輝男てるお 監修かんしゅうやま溪谷社けいこくしゃやまけいハンディ図鑑ずかん〉、2000ねん、174-175ぺーじISBN 4-635-07004-2 

関連かんれん項目こうもく 編集へんしゅう

外部がいぶリンク 編集へんしゅう