ツチフキ

ツチフキ（土ど吹、Abbottina rivularis）は、コイ科かカマツカ亜あ科かに属ぞくする淡水魚たんすいぎょ。別名べつめいにはスナモロコ・ドロモロコなどがある。

ツチフキ
ツチフキ ツチフキの成魚せいぎょ（筑後川ちくごがわ水系すいけい）
分類ぶんるい
界さかい : 動物界どうぶつかい Animalia 門もん : 脊索せきさく動物どうぶつ門もん Chordata 亜あ門もん : 脊椎動物せきついどうぶつ亜あ門もん Vertebrata 綱つな : 条じょう鰭ひれ綱つな Actinopterygii 目め : コイ目め Cypriniformes 科か : コイ科か Cyprinidae 亜あ科か : カマツカ亜あ科か Gobioninae 属ぞく : ツチフキ属ぞく Abbottina 種たね : ツチフキ A. rivularis
学名がくめい
Abbottina rivularis （Basilewsky, 1852年ねん）
和名わみょう
ツチフキ（土ど吹） スナモロコ ドロモロコ
英名えいめい
Chinese False Gudgeon

春はるの繁殖はんしょく期き、背せびれの伸長しんちょうしたオスのツチフキ。

分布ぶんぷ

日本にっぽん列島れっとうを含ふくむ、アムール川がわ流域りゅういきから紅べに河かわ流域りゅういきまでの広範囲こうはんいに分布ぶんぷする。メコン川がわ上流じょうりゅうからも記録きろくがある。日本にっぽんでは近畿きんき以西いせいの本州ほんしゅう、四国しこく、九州きゅうしゅうに分布ぶんぷしており、近年きんねんは東日本ひがしにっぽんにも多おおく移入いにゅうされている。淀川よどがわでは河川かせん改修かいしゅうや外来がいらい魚ぎょによる圧迫あっぱくで絶滅ぜつめつしたとみられていたが、2022年ねんにワンドで再さい発見はっけんされた。

九州きゅうしゅう北部ほくぶ（筑後川ちくごがわ水系すいけいを除のぞく）のツチフキは国外こくがい移入いにゅう種しゅの可能かのう性せいが高たかい。

形態けいたい

カマツカと似にているが、体長たいちょうが10 cm程度ていどまでしか大おおきくならないこと、吻が若干じゃっかん丸まるみを帯おびていること、背せびれの大おおきさが体長たいちょうに比くらべて大おおきめであるということなどの違ちがいがある。口くちは下した側がわに開ひらいていて、1対ついのひげを持もつ。

生態せいたい

流ながれのあまりない水路すいろ、河川かせんや湖みずうみに生息せいそくする。砂すな底そこを好このむカマツカに対たいし、本ほん種しゅは泥どろ底そこを好このむ。産卵さんらん期きは春はるから初夏しょかで、この期間きかん、オスが泥どろ底そこに産うみ付つけられた卵たまごを保護ほごする。婚姻こんいん色しょくは目立めだたない。

人間にんげんとの関係かんけい

ペットショップで、他たの日本にっぽん産さん淡水魚たんすいぎょの飼育しいく水槽すいそうにおけるタンクメイトとして販売はんばいされることがある。食用しょくようとすることはほぼない。