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プロトン (自動車) - Wikipedia

プロトン (自動車じどうしゃ)

マレーシアの自動車じどうしゃメーカーである

プロトン・ホールディングスProton Holdings Berhad)は、マレーシア自動車じどうしゃメーカーである。本社ほんしゃスランゴールしゅうシャー・アラム名称めいしょうはマレーPerusahaan Otomobil Nasional国民こくみん自動車じどうしゃ会社かいしゃ)のりゃく

プロトン・ホールディングス
Proton Holdings Bhd
種類しゅるい 公開こうかい会社かいしゃ
略称りゃくしょう Proton
本社ほんしゃ所在地しょざいち マレーシアの旗 マレーシア
スランゴールしゅうシャー・アラム
設立せつりつ 1983ねん5月7にち
事業じぎょう内容ないよう 自動車じどうしゃ製造せいぞう
売上うりあげだか 49おく1000まんリンギット(2007ねん)
従業じゅうぎょう員数いんずう 12,000
主要しゅよう株主かぶぬし DRB-ハイコム (50.1%)
吉利よしとし汽車きしゃ (49.9%)
外部がいぶリンク http://www.proton.com/
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2017ねん以降いこうは、中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこく吉利よしとし汽車きしゃ株式かぶしきの49.9%を保有ほゆうして資本しほん参加さんかしている。

概要がいよう

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1980年代ねんだい当時とうじ首相しゅしょうマハティール国産こくさんしゃ構想こうそうもと1983ねん政府せいふのバックアップによって設立せつりつされた[1]

当初とうしょ三菱自動車工業みつびしじどうしゃこうぎょう資本しほん技術ぎじゅつめん緊密きんみつ提携ていけいしていたが、業績ぎょうせき向上こうじょうともなシトロエン・AXなど三菱みつびししゃ以外いがいをベースにした車種しゃしゅ生産せいさん開始かいし次第しだい独自どくじしょくつよめた。そして1990年代ねんだい後期こうきにイギリスのロータス・グループ・インターナショナルしゃ傘下さんかおさめて商品しょうひん開発かいはつりょく強化きょうか現在げんざい生産せいさん車種しゃしゅ大半たいはん自主じしゅ開発かいはつしゃとなっている。

また1980年代ねんだい後半こうはんから輸出ゆしゅつ拡大かくだいちかられ、とくふる宗主そうしゅこくであるイギリス・隣国りんごくシンガポールでははやくからてい価格かかく武器ぶき成功せいこうおさめた。現在げんざいでは北米ほくべいとうのぞ世界せかい大半たいはんくに地域ちいき販売はんばいされている。1990年代ねんだいから2000年代ねんだい前半ぜんはんはマレーシア経済けいざいきゅう成長せいちょうもあって繁栄はんえい謳歌おうかし、ロータス・MVアグスタというえい名門めいもんスポーツカー・モーターサイクル企業きぎょう買収ばいしゅう英国えいこくサッカークラブのメインスポンサーになるほどであった。

しかしその、マレーシア国内こくないにおいてプロトンしゃのシェアは低下ていかつづけた。2002ねんにはマレーシアの乗用車じょうようしゃ市場いちばの60%をさえていたが、2005ねんには30%に半減はんげん、さらにAFTAにより輸入ゆにゅうしゃ関税かんぜい今後こんご5%にげられることがまっており、さらなる窮地きゅうちたされる可能かのうせい危惧きぐされている。この不振ふしんダイハツ提携ていけい軽自動車けいじどうしゃベースの大衆たいしゅうしゃ生産せいさんするプロドゥア躍進やくしん、「Gen-2」などの自主じしゅ開発かいはつしゃ不評ふひょう原因げんいんとなっている。この苦境くきょうからだっするためフォルクスワーゲンなどとの提携ていけいばなし進行しんこうしていたが、結局けっきょく決裂けつれつしている。

2007ねんと2008ねん相次あいついで投入とうにゅうした「ペルソナ」と2代目だいめサガ」の販売はんばい好調こうちょうで、プロトンの業績ぎょうせきなおしている。2009ねんには「イグゾラ[2]投入とうにゅうし、MPV需要じゅようみをはかる。

2010ねん3がつ、ロータス・エンジニアリングおよイタルデザイン・ジウジアーロ共同きょうどう開発かいはつした小型こがたプラグインハイブリッドカー「エマス」 (EMAS) コンセプトジュネーヴモーターショー公開こうかいした。発表はっぴょうにはプロトンのアドバイザーをつとめるマハティールもと首相しゅしょうった。

2012ねん1がつ16にち筆頭ひっとう株主かぶぬしであった政府せいふけい投資とうし会社かいしゃカザナ・ナショナルが、保有ほゆうするプロトンかぶ42.7%をDRB-ハイコム売却ばいきゃくすると発表はっぴょうした[3]あらたな筆頭ひっとう株主かぶぬしとなるDRB-ハイコムは輸出ゆしゅつ市場いちば注力ちゅうりょくする方針ほうしん表明ひょうめいしている[4]

2017ねん5がつには中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこく吉利よしとし汽車きしゃかぶの49.9%を保有ほゆうしてDRB-ハイコムに株主かぶぬしとなってロータス・カーズの株式かぶしきも51%を取得しゅとくした[5]

日本にっぽんにおけるプロトン

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パーツ販売はんばいやモータースポーツ活動かつどうおこなっているキャロッセはモータースポーツのベース車両しゃりょうとしてサトリアネオ注目ちゅうもくし、日本にっぽんへの輸入ゆにゅう計画けいかく2011ねん東京とうきょうオートサロンにサトリアネオのR3コンセプトとラリーコンセプトを参考さんこう出品しゅっぴんし、同年どうねんなつごろから日本にっぽんでの販売はんばい開始かいしした。ただし、モータースポーツのベース車両しゃりょうということもあり、日本にっぽん仕様しようのトランスミッションはMTのみで、ABS装備そうびである。

よく2012ねん東京とうきょうオートサロンではサトリアネオのほかに、サトリアネオをベースに製作せいさくした「アルティガ」コンセプトと「サガ」R3コンセプトを参考さんこう出品しゅっぴんした。

モータースポーツ

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マレーシアではモータースポーツのベース車両しゃりょうとしてアイリスR3MTCとサガR3MTCが発売はつばいされている。アイリスR3MTCはマレーシアチャンピオンシップとセパン1000kmで優勝ゆうしょうしている[6]

沿革えんかく

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  • 1983ねん5月7にち - HICOM(DRB-ハイコム)が70%、三菱自動車工業みつびしじどうしゃこうぎょうが15%、三菱商事みつびししょうじが15%を出資しゅっししてプロトンしゃ設立せつりつ
  • 1985ねん7がつ9にち - だいいち号車ごうしゃである「サガ」の生産せいさんはじまる。三菱みつびし・ランサーフィオーレ(代目だいめ)ベース。
  • 1992ねん - 「サガ」の改良かいりょうがた「サガイスワラ」発表はっぴょう
  • 1993ねん - 新型しんがたランサー(よん代目だいめ)ベースの小型こがたセダン「ウィラ」を発表はっぴょう。「サガイスワラ」も廉価れんかばんとして並行へいこう生産せいさん
  • 1994ねん - 小型こがたハッチバック「サトリア」を発表はっぴょう。5月、三菱自動車みつびしじどうしゃなどとともに合弁ごうべん会社かいしゃ「ビナスター・モーターズ」(Vinastar Motors )をベトナム設立せつりつする。
  • 1995ねん - 中型ちゅうがたセダン「ペルダナ」を発表はっぴょう三菱みつびし・エテルナベースの高級こうきゅうしゃ
  • 1996ねん - 小型こがたクーペ「プトラ」発表はっぴょう。またシトロエン提携ていけいしてシトロエン・AXベースの「ティアラ」を発表はっぴょうし、スモールカー市場いちば参入さんにゅうする。えいロータスをブガッティから買収ばいしゅう三菱自動車みつびしじどうしゃからの独立どくりつしょくはじめる。
  • 1997ねん3月 - 当時とうじのヤハヤ会長かいちょうヘリコプター事故じこ急逝きゅうせい
  • 1998ねん - 「ペルダナ V6」および「サトリアGTi」発売はつばい
  • 2000ねん3月 - DRB-ハイコムの保有ほゆうするプロトン株式かぶしき(27.2%)がペトロナス売却ばいきゃくされる。タウンボックスワイドベースのミニバスミニバン)・「ジュアラ」を発表はっぴょう販売はんばい不振ふしんのティアラが生産せいさん中止ちゅうしとなる。
  • 2001ねん - はつ自社じしゃ開発かいはつしゃである「ワジャ」を発表はっぴょう。ただしエンジンは三菱みつびしせい1600ccで、プラットフォームは三菱みつびし・カリスマのものを使用しよう
  • 2002ねん - ペトロナスが保有ほゆうするプロトン株式かぶしき一部いちぶ(15.4%)を政府せいふけい投資とうし会社かいしゃカザナ・ナショナル放出ほうしゅつ。ワジャの1800ccばんルノーせいエンジンを搭載とうさい)とSUT(スポーツ・ユーティリティー・トラック)の「アリーナ」を発売はつばい
  • 2003ねん - 傘下さんかのロータスとともにイングランドのサッカークラブ、ノーウィッチ・シティのスポンサーとなる。
  • 2004ねん
    • 2がつ - ロータスとの共同きょうどう開発かいはつによる「CamPro」エンジンを搭載とうさいしたはつ全面ぜんめん自社じしゃ開発かいはつしゃである「Gen-2」を発表はっぴょう
    • 3月9にち - 三菱自動車みつびしじどうしゃ保有ほゆうしていたプロトン株式かぶしき(7.93%)のぜんかぶ売却ばいきゃくし、資本しほん提携ていけい解消かいしょうする。
    • 4がつ8にち - 組織そしき再編さいへんによりプロトン・ホールディングスが発足ほっそく。マハティールぜん首相しゅしょう特別とくべつ顧問こもんむかえられる。
    • 10月 - ASEAN生産せいさん拠点きょてんっておらず、アジアけんでの市場いちばシェア下落げらく歯止はどめがかからないため、ASEAN地域ちいきばや生産せいさん拠点きょてん確保かくほをしたがっていたフォルクスワーゲンとの提携ていけい交渉こうしょう開始かいしする。しかしながら、フォルクスワーゲンがわ製品せいひん技術ぎじゅつ生産せいさん技術ぎじゅつのみならず、生産せいさん計画けいかく経営けいえい全般ぜんぱんいたるまで多岐たきにわたっての主導しゅどうけん主張しゅちょうしたことから交渉こうしょう難航なんこう長期ちょうき
    • 12月 - イタリアオートバイメーカー、MVアグスタを7000まんユーロで買収ばいしゅうした。
  • 2005ねん
    • 1がつ - 三菱商事みつびししょうじ保有ほゆうするプロトン株式かぶしきぜんかぶ(7.93%)がカザナ・ナショナルに売却ばいきゃくされる。
    • 6がつ - 「サヴィ」を発表はっぴょうふたたびスモールカー市場いちば参入さんにゅうする。発売はつばい当初とうしょから不振ふしんだったミニバン・ジュアラは生産せいさん中止ちゅうしされた。
    • 9月 - マハリールCEO同月どうげつまつ退任たいにん事実じじつじょう解任かいにんられ、しばらく経営けいえいトップの空席くうせきとなる。
    • 11月29にち - ザイナル・アビディンが2006ねん1がつ1にちづけ社長しゃちょう就任しゅうにんすると発表はっぴょうされる。高級こうきゅうセダン「チャンセラー」発表はっぴょう
    • 12月27にち - MVアグスタぜん保有ほゆうかぶ(57.75%)をイタリアの投資とうし会社かいしゃGEVIにわずか1ユーロで売却ばいきゃくすることを発表はっぴょう
  • 2006ねん
    • 2がつ3にち - 三菱自動車みつびしじどうしゃとの技術ぎじゅつ提携ていけい基本きほん合意ごういしょ調印ちょういん
    • 6月16にち - サトリアをモデルチェンジし、「サトリア・ネオ」として発表はっぴょう
  • 2007ねん5月 - フォルクスワーゲンとの2年間ねんかんわた提携ていけい交渉こうしょうがついに決裂けつれつ交渉こうしょう時間じかんをかけすぎているあいだに、プロトン、フォルクスワーゲン双方そうほう幹部かんぶ交代こうたい経営けいえい不振ふしん進行しんこうしたプロトンがわしん幹部かんぶ譲歩じょうほ姿勢しせいしめ前向まえむきに検討けんとうしはじめたころには、フォルクスワーゲンがわ方針ほうしん転換てんかんし、経営けいえい不振ふしんまらないプロトンに興味きょうみうしなったことが背景はいけいとみられる。
    • 7がつ - 中国ちゅうごく青年せいねん汽車きしゃ提携ていけい。「青年せいねん蓮花れんげ」(Youngman Lotus) ブランドでGen-2のOEM供給きょうきゅうおこなうことがまった。
    • 8がつ15にち - Gen-2派生はせいのセダン「ペルソナ」を発表はっぴょう
    • 11月20にち - フォルクスワーゲンにつづき、ゼネラルモーターズとの提携ていけい交渉こうしょうりが政府せいふけい投資とうし会社かいしゃカザナ・ナショナルによって発表はっぴょうされる。
  • 2008ねん
    • 1がつ9にち - 中国ちゅうごくでGen-2が「青年せいねん蓮花れんげ・RCRきおいそく」 ( Europestar RCR ) として正式せいしき販売はんばい開始かいしされる。
    • 1がつ18にち - 2代目だいめ「サガ」発表はっぴょう
    • 12月5にち - 三菱自動車みつびしじどうしゃとのあいだ新車しんしゃ開発かいはつ生産せいさんかんする契約けいやく締結ていけつされる[7]
  • 2009ねん
  • 2010ねん
  • 2013ねん
    • 8がつ24にち - Gen-2の後継こうけい車種しゃしゅとなる新型しんがたハッチバック「サプリマS」を発表はっぴょう
  • 2014ねん
    • 9月4にち - サヴィの後継こうけい車種しゃしゅとなる新型しんがたコンパクトカー「アイリス」を発表はっぴょう
  • 2016ねん
    • 3月 - 三菱自動車みつびしじどうしゃとの提携ていけい協業きょうぎょう解消かいしょう
    • 11月24にち - スズキ・エルティガのライセンス生産せいさん開始かいし。「プロトン・エルティガ」の名称めいしょう販売はんばい

現行げんこう車種しゃしゅ

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旧来きゅうらい車種しゃしゅ

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サガ
 
プレヴェ
 
インスピラ

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ https://www.proton.com/en/saga/
  2. ^ 【マレーシア】テイクオフ:ついに発売はつばいされたプロト…[社会しゃかい]/NNA.ASIA”. NNA. 2009ねん4がつ17にち閲覧えつらん
  3. ^ プロトンかぶ42.7%、DRBハイコムに売却ばいきゃく 国営こくえい投資とうし会社かいしゃ発表はっぴょう”. マレーシアナビ! (2012ねん1がつ17にち). 2012ねん1がつ21にち閲覧えつらん
  4. ^ プロトン事業じぎょう今後こんご輸出ゆしゅつ市場いちば注力ちゅうりょく筆頭ひっとう株主かぶぬしのDRBハイコム社長しゃちょう”. マレーシアナビ! (2012ねん1がつ20日はつか). 2012ねん1がつ21にち閲覧えつらん
  5. ^ 中国ちゅうごく吉利よしとし汽車きしゃ、マレーシアのプロトンかぶの49%取得しゅとく” (2017ねん5がつ24にち). 2017ねん5がつ24にち閲覧えつらん
  6. ^ PROTON - Motorsports Cars”. www.proton.com. 2021ねん12がつ10日とおか閲覧えつらん
  7. ^ 三菱自動車みつびしじどうしゃとプロトンしゃ協業きょうぎょうについて” (2008ねん12月5にち). 2010ねん11月11にち閲覧えつらん

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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