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大隊 - Wikipedia

大隊だいたい

軍隊ぐんたい部隊ぶたい編成へんせい単位たんいひと
だい隊長たいちょうから転送てんそう

大隊だいたい(だいたい)は、陸軍りくぐん編制へんせいじょう戦術せんじゅつ単位たんいひとつ。連隊れんたい下位かいで、中隊ちゅうたい上位じょうい通常つうじょうは、単一たんいつ兵科へいかによって編成へんせいする。隊長たいちょう中佐ちゅうさまたは少佐しょうさ。2 - 6程度ていど中隊ちゅうたいから編成へんせいされ、現代げんだいにおいてはおおむね500 - 600めい程度ていどとなるが、これらは時代じだい兵科へいか装備そうび作戦さくせん内容ないようなどによりおおきく増減ぞうげんされる。

NATOぐん歩兵ほへい大隊だいたいあらわ兵科へいか記号きごう

英語えいごでは「バタリオン」(battalion) と呼称こしょうする[ちゅう 1]大隊だいたい独立どくりつした活動かつどうおこなうことができるもっとちいさな戦術せんじゅつ単位たんいであるが、通常つうじょう師団しだん旅団りょだん連隊れんたい一部いちぶである[ちゅう 2]。ただし、中間ちゅうかん指揮しき結節けっせつばれる重要じゅうよう位置いちにあり、戦力せんりょく骨幹こっかん単位たんいである。

連隊れんたい旅団りょだん師団しだん隷下れいかはいらず、軍団ぐんだんながぐん司令しれいかんぐん集団しゅうだん司令しれいかんなど上級じょうきゅう部隊ぶたい指揮しきかん麾下きか特命とくめい従事じゅうじする大隊だいたい存在そんざいし、これはとく独立どくりつ大隊だいたいという。独立どくりつ大隊だいたいれいとしては、きゅう陸軍りくぐん独立どくりつ歩兵ほへい大隊だいたいなどや、日本にっぽんはじめて国連こくれん平和へいわ維持いじ活動かつどうとしてカンボジア派遣はけんしたカンボジア派遣はけん施設しせつ大隊だいたいやく600めい)、ドイツ陸軍りくぐんおよび武装ぶそう親衛隊しんえいたい独立どくりつじゅう戦車せんしゃ大隊だいたいなどがある。

各国かっこく大隊だいたい

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だい世界せかい大戦たいせんのころの各国かっこく歩兵ほへい大隊だいたいは3歩兵ほへい中隊ちゅうたい支援しえん火器かき装備そうびする1個いっこ火器かき中隊ちゅうたい本部ほんぶ小隊しょうたい指揮しきするかたち一般いっぱんてきだった。 一般いっぱんてきには1個いっこ大隊だいたいあたり12ちょう程度ていど機関きかんじゅう保有ほゆうしており、かる火砲かほう迫撃はくげきほうなどを装備そうびしていた。

大日本帝国だいにっぽんていこく陸軍りくぐん

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歩兵ほへい大隊だいたい

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明治めいじ23ねん11月1にち制定せいていの「陸軍りくぐん定員ていいんれい」(明治めいじ23ねん11月1にちみことのりれいだい267ごう)によると、当時とうじ歩兵ほへい大隊だいたい平時へいじ定員ていいんつぎとおりであった。1個いっこ大隊だいたいは4中隊ちゅうたいから構成こうせいされていた。なお、本章ほんしょうにおいてたんに「軍曹ぐんそう」としたものは1とう軍曹ぐんそう判任官はんにんかん3とう)または2とう軍曹ぐんそう判任官はんにんかん4とう)の意味いみである。また、じゅうこうちょうは1とう軍曹ぐんそう相当そうとうかんであり、じゅうこう下長しもながは2とう軍曹ぐんそう相当そうとうかんである。

  • 大隊だいたい本部ほんぶ人員じんいん16めい乗馬じょうば3とう
    • 大隊だいたいちょう少佐しょうさ
    • 副官ふっかん中尉ちゅうい
    • しも副官ふっかんたる曹長そうちょう
    • 武器ぶきかけ軍曹ぐんそう
    • 喇叭らっぱちょう軍曹ぐんそう
    • 書記しょき2めい軍曹ぐんそう
    • 炊事すいじかけ2めい軍曹ぐんそう
    • 各部かくぶ7めい(1・2・3とうぐん吏、1・2・3とう書記しょき、1とう軍医ぐんい、2・3とう軍医ぐんい、1・2・3とう看護かんごちょうじゅうこうちょうじゅうこう下長しもなが
  • 中隊ちゅうたい人員じんいん136めいうち将校しょうこう5めい下士かし10めい兵卒へいそつ120めい各部かくぶ1めい

よって、大隊だいたい全体ぜんたいでは、将校しょうこう22めい下士かし47めい兵卒へいそつ480めい各部かくぶ11めい総計そうけい560めい定員ていいんであった。

後年こうねん編成へんせいつぎのようになった。

  • だい隊長たいちょう
  • 大隊だいたい本部ほんぶやく120めい
  • 中隊ちゅうたい(4):194めい
  • 機関きかんじゅう中隊ちゅうたいやく140めい、HMG×8またはやく80めい機関きかんじゅう4ちょう
  • 歩兵ほへいほう小隊しょうたい:56めい大隊だいたい歩兵ほへいほう小隊しょうたいかず、連隊れんたい歩兵ほへいほう中隊ちゅうたい場合ばあいもあった)

野砲やほう大隊だいたい

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  • だい隊長たいちょう
  • 大隊だいたい本部ほんぶ
  • 中隊ちゅうたい(3
  • 大隊だいたいだんれつかない場合ばあいもある)

陸上りくじょう自衛隊じえいたい

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大隊だいたい当該とうがいしゅとして2とうりくたすく指揮しきする大隊だいたいたい編成へんせい部隊ぶたい授与じゅよされているため2本線ほんせんはいっている。写真しゃしん対戦たいせんしゃたいはた

陸上りくじょう自衛隊じえいたいでは、師団しだんとく大隊だいたいとく連隊れんたい隷下れいか)・高射こうしゃとく大隊だいたい偵察ていさつ戦闘せんとう大隊だいたい施設しせつ大隊だいたい通信つうしん大隊だいたいだい1整備せいび大隊だいたいおよびだい2整備せいび大隊だいたい後方こうほう支援しえん連隊れんたい隷下れいか)を、旅団りょだん偵察ていさつ戦闘せんとう大隊だいたいおよび2とうりくたすく隊長たいちょうとする大隊だいたい規模きぼ高射こうしゃとくたい戦車せんしゃたい施設しせつたい通信つうしんたいいているほか、水陸すいりく機動きどうだんとく大隊だいたい戦闘せんとう上陸じょうりく大隊だいたい後方こうほう支援しえん大隊だいたいだい1空挺くうていだん普通ふつう大隊だいたいとく大隊だいたい方面ほうめん直轄ちょっかつ部隊ぶたい隷下れいか大隊だいたいだい1とくだんだい1とくぐん隷下れいかとく大隊だいたい方面ほうめんシステム通信つうしんぐん隷下れいか基地きちシステム通信つうしん大隊だいたい方面ほうめん後方こうほう支援しえんたい隷下れいか一部いちぶ)に全般ぜんぱん支援しえん大隊だいたいおよび直接ちょくせつ支援しえん大隊だいたい方面ほうめん混成こんせいだん隷下れいか教育きょういく大隊だいたい)などがかれている。

普通ふつう歩兵ほへい大隊だいたいだいいち空挺くうていだんのぞかれていない(そのため連隊れんたいした直接ちょくせつ中隊ちゅうたいかれることになる)が、わりに状況じょうきょうおうじて普通ふつう中隊ちゅうたい複数ふくすう兵科へいかからなる連合れんごう部隊ぶたいである中隊ちゅうたい戦闘せんとうぐん編成へんせいすることがあり、規模きぼとしてはしょ外国がいこく大隊だいたい相当そうとうとなる。そのような中隊ちゅうたい戦闘せんとうぐん指揮しきまかせるため、陸自りくじ中隊ちゅうたいちょうには、本来ほんらいなら大隊だいたいちょうクラスである3にんぜられることもすくなくない。

1952ねん昭和しょうわ27ねん)7がつ24にち国会こっかいにおける政府せいふ答弁とうべんによると、当時とうじ普通ふつう連隊れんたい大隊だいたい定員ていいんは805めいと、とく連隊れんたい大隊だいたい定員ていいんは609めい説明せつめいされている。

組織そしき編成へんせいつぎのとおり。

  • 大隊だいたいちょう2とうりくたすくまたはそれにじゅんずる3上官じょうかん指揮しき監督かんとくけ、大隊だいたい本部ほんぶ事務じむ掌理しょうりし、大隊だいたいたいつとむ統括とうかつする。駐屯ちゅうとん司令しれい兼任けんにんする大隊だいたいちょう在任ざいにんあいだに1とうりくたすくさん)へ昇任しょうにんもしくは当該とうがい階級かいきゅうもの着任ちゃくにんする場合ばあいもある[ちゅう 3]
  • 大隊だいたい本部ほんぶ
    • ふく大隊だいたいちょう3とうりくたすく大隊だいたいたいつとむにつきだい隊長たいちょうたすけ、大隊だいたい本部ほんぶ部内ぶない事務じむ整理せいりし、大隊だいたいちょう事故じこがあるとき、または大隊だいたいちょうけたときは、大隊だいたいちょう職務しょくむおこなう。近年きんねん幹部かんぶしょく充足じゅうそくりつ低下ていかともな師団しだんとう直轄ちょっかつ大隊だいたいのぞき必置でなく、3がかり主任しゅにんまたは隷下れいか中隊ちゅうたい先任せんにん中隊ちゅうたいちょう兼務けんむしている場合ばあいもある)
    • だい1がかり主任しゅにん人事じんじ庶務しょむ)3しくは1じょう補職ほしょく
    • だい2がかり主任しゅにん情報じょうほう保全ほぜん)1じょう補職ほしょく
    • だい3がかり主任しゅにん運用うんよう訓練くんれん)3補職ほしょく(ただしふく大隊だいたいちょう兼務けんむしくはだい2がかり主任しゅにんだい3がかり主任しゅにんとが兼任けんにんされる場合ばあいもある)
    • だい4がかり主任しゅにん兵站へいたん後方こうほう)1じょう補職ほしょく
    • 幕僚ばくりょう
  • 中隊ちゅうたいしくはそれにじゅんずるたい(2以上いじょうしくは直轄ちょっかつ小隊しょうたいまたははん[ちゅう 4]

アメリカぐん

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だい世界せかい大戦たいせん歩兵ほへい大隊だいたい

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歩兵ほへい中隊ちゅうたい3支援しえんおこな重火器じゅうかき中隊ちゅうたいっており同年代どうねんだい日本にっぽんぐんなどにくらべると大隊だいたいレベルで豊富ほうふ支援しえん火器かき保有ほゆうしていた。

歩兵ほへい中隊ちゅうたい小銃しょうじゅう3小隊しょうたい火器かき小隊しょうたい1個いっこから編成へんせいされ、火器かき小隊しょうたいはM2 60mm 迫撃はくげきほうはん3機関きかんじゅう分隊ぶんたい2からなっており、歩兵ほへい3小隊しょうたいを3もんのM2 60mm 迫撃はくげきほう支援しえんするようになっていた。M1 81mm 迫撃はくげきほうは、重火器じゅうかき中隊ちゅうたい迫撃はくげきほう小隊しょうたいに6もん配備はいびされていた。

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ ただし、だい1騎兵きへい師団しだんなどの騎兵きへい部隊ぶたいでは「スコードロン」(Squadron) とぶ(「騎兵きへい大隊だいたい」とやくされることもある)
  2. ^ 大日本帝国だいにっぽんていこく陸軍りくぐんでは大隊だいたい以上いじょうを「部隊ぶたい」とび、中隊ちゅうたい以下いかを「たい」とぶ。
  3. ^ 1さんるい)が指定していされる理由りゆうとしては、大隊だいたいちょう駐屯ちゅうとん司令しれいしょく兼務けんむするための処置しょちであり、たとえ2のままで司令しれいしょく就任しゅうにんしたとしても通常つうじょうの1同列どうれつ待遇たいぐうであるしろ台座だいざ帽章ぼうしょう1個いっこによる車両しゃりょう標識ひょうしき提示ていじした業務ぎょうむしゃ3ごう73しき小型こがたトラックなどが通勤つうきん移動いどうなどに使用しようされ、ほとんどの場合ばあい在任ざいにんちゅうに1昇任しょうにんするれいおお
  4. ^ 後方こうほう支援しえん連隊れんたい隷下れいか整備せいび大隊だいたいにおいては、運用うんようじょう都合つごうにより隷下れいか中隊ちゅうたい編成へんせいせず大隊だいたい直轄ちょっかつ整備せいび小隊しょうたい回収かいしゅう小隊しょうたいなどが編成へんせいされる場合ばあいがあるほかに、10めい前後ぜんこうはん編制へんせい大隊だいたい直轄ちょっかつとして隷下れいか編成へんせいされる場合ばあいもある

出典しゅってん

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関連かんれん項目こうもく

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