無 む 停電 ていでん 電源 でんげん 装置 そうち (むていでんでんげんそうち)とは、停電 ていでん などによって電力 でんりょく が断 た たれた場合 ばあい にも電力 でんりょく を供給 きょうきゅう し続 つづ ける電源 でんげん 装置 そうち である。
パソコン用 よう 無 む 停電 ていでん 電源 でんげん 装置 そうち Scott Power Corporation Desklite
日本 にっぽん では一般 いっぱん に、商用 しょうよう 交流 こうりゅう 電源 でんげん に接続 せつぞく して使用 しよう する、交流 こうりゅう 入力 にゅうりょく ・交流 こうりゅう 出力 しゅつりょく のものをUPS (英 えい : Uninterruptible Power Supply )と呼 よ ぶことが多 おお いが、本来 ほんらい は入出力 にゅうしゅつりょく の種類 しゅるい に関係 かんけい なく、入力 にゅうりょく 断 だん に対 たい して出力 しゅつりょく が断 だん (off)にならない電源 でんげん 装置 そうち の全 すべ てを示 しめ す。このため日本 にっぽん では、交流 こうりゅう 出力 しゅつりょく の無 む 停電 ていでん 電源 でんげん 装置 そうち と直流 ちょくりゅう 出力 しゅつりょく の無 む 停電 ていでん 電源 でんげん 装置 そうち を区別 くべつ するため、交流 こうりゅう 出力 しゅつりょく のものをCVCF (英 えい : Constant Voltage Constant Frequency 、定 てい 電圧 でんあつ 定 てい 周波数 しゅうはすう )電源 でんげん と呼 よ ぶこともある。以下 いか 、交流 こうりゅう 入出力 にゅうしゅつりょく のものを中心 ちゅうしん として述 の べる。
データセンター用 よう 大型 おおがた UPS設備 せつび 東芝 とうしば TOSNIC
無 む 停電 ていでん 電源 でんげん 装置 そうち は、主 おも に、商用 しょうよう 電源 でんげん から電力 でんりょく を受 う ける装置 そうち 、電力 でんりょく を蓄積 ちくせき する装置 そうち と、前 ぜん 2者 しゃ のいずれかから一定 いってい 規格 きかく の電力 でんりょく (一般 いっぱん 的 てき には、商用 しょうよう 電源 でんげん と同様 どうよう のもの)を供給 きょうきゅう する装置 そうち で構成 こうせい される。接続 せつぞく している商用 しょうよう 電源 でんげん が断 だん になったときは、機器 きき に蓄積 ちくせき していた電力 でんりょく を供給 きょうきゅう し、瞬時 しゅんじ 電圧 でんあつ 低下 ていか や停電 ていでん が機器 きき に対 たい して起 お こらないようにしている。なお現在 げんざい では、瞬時 しゅんじ 電圧 でんあつ 低下 ていか は特 とく に雷 かみなり によるものが多 おお く、雷 かみなり サージ対策 たいさく として用 もち いられることが多 おお いが、無 む 停電 ていでん 電源 でんげん 装置 そうち 自身 じしん は概 おおむ ねサージ防護 ぼうご 機器 きき ではなく、雷 かみなり サージを受 う けると故障 こしょう するので、別途 べっと 、サージ防護 ぼうご 機器 きき と併 あわ せて使用 しよう する必要 ひつよう がある。
対応 たいおう できる停電 ていでん 時間 じかん は、数 すう 分 ふん - 30分 ふん 程度 ていど のものが多 おお い。無 む 停電 ていでん 電源 でんげん 装置 そうち の能力 のうりょく を超 こ える長時間 ちょうじかん の停電 ていでん に対 たい しては、別途 べっと 、発電 はつでん 機 き などと組 く み合 あ わせるか、停電 ていでん 後 ご 、無 む 停電 ていでん 電源 でんげん 装置 そうち から電力 でんりょく の供給 きょうきゅう が続 つづ いている間 あいだ に、コンピュータ などの需要 じゅよう 機器 きき の使用 しよう を終了 しゅうりょう させるといった措置 そち が必要 ひつよう である。
停電 ていでん 時 じ の補助 ほじょ 電源 でんげん として二 に 次 じ 電池 でんち や電気 でんき 二 に 重層 じゅうそう キャパシタ など(以下 いか 、単 たん に「二 に 次 じ 電池 でんち 」と表 あらわ す。)電池 でんち を使用 しよう するものを静止 せいし 型 がた 無 む 停電 ていでん 電源 でんげん 装置 そうち といい、フライホイール を用 もち いたものは回転 かいてん 型 がた 無 む 停電 ていでん 電源 でんげん 装置 そうち という。小規模 しょうきぼ 電源 でんげん 用 よう には古 ふる くから真空 しんくう 管 かん を用 もち いた静止 せいし 型 がた 無 む 停電 ていでん 電源 でんげん 装置 そうち が実用 じつよう に供 きょう されていたが、真空 しんくう 管 かん では大 だい 電流 でんりゅう を得 え ることが困難 こんなん であるため、大 だい 規模 きぼ 電源 でんげん 用 よう には過去 かこ 、回転 かいてん 型 がた 無 む 停電 ていでん 電源 でんげん 装置 そうち が実用 じつよう に供 きょう されていた。その後 ご 、半導体 はんどうたい デバイスの進歩 しんぽ に伴 ともな って静止 せいし 型 がた 無 む 停電 ていでん 電源 でんげん 装置 そうち でも大 だい 電流 でんりゅう を得 え ることが可能 かのう になり、今日 きょう では大 だい 規模 きぼ 電源 でんげん 用 よう にも静止 せいし 型 がた 無 む 停電 ていでん 電源 でんげん 装置 そうち が一般 いっぱん 的 てき となっている。
今日 きょう の無 む 停電 ていでん 電源 でんげん 装置 そうち には、データセンター などで使用 しよう される大型 おおがた ・集中 しゅうちゅう 型 がた [2] のものと、パーソナルコンピュータ などの個人 こじん 用 よう 機器 きき などを含 ふく め、小規模 しょうきぼ なサーバー用 よう や医療 いりょう 用 よう モニタなどに用 もち いられる小型 こがた ・分散 ぶんさん 型 がた [3] のものがある。いずれにしても無 む 停電 ていでん 電源 でんげん 装置 そうち には高 たか い信頼 しんらい 性 せい が要求 ようきゅう されることから、概 おおむ ね、専門 せんもん 家 か による定期 ていき 予防 よぼう 保守 ほしゅ により長期 ちょうき 継続 けいぞく 使用 しよう をするものと、規定 きてい 期間 きかん の使用 しよう 、いわゆる「使 つか い切 き り」にしたものの二 ふた つに分 わ かれる。無 む 停電 ていでん 電源 でんげん 装置 そうち の価格 かかく は、規模 きぼ ・保守 ほしゅ 性 せい などの要素 ようそ によって決 き まるが、一般 いっぱん に大型 おおがた ・集中 しゅうちゅう 型 がた になるほど高価 こうか になる傾向 けいこう がある。
信頼 しんらい 性 せい 確保 かくほ の手段 しゅだん には、故障 こしょう や保守 ほしゅ 点検 てんけん 時 じ も正常 せいじょう に給電 きゅうでん するためのインバータや二 に 次 じ 電池 でんち の冗長 じょうちょう 設置 せっち 、インバータの機能 きのう が完全 かんぜん に失 うしな われたときに、商用 しょうよう 電源 でんげん に無 む 瞬断 しゅんだん で切 き り替 か えることが可能 かのう なバイパス機能 きのう などがある。しかし使用 しよう 部品 ぶひん 数 すう の増加 ぞうか は故障 こしょう 率 りつ を上 あ げる原因 げんいん となるため、できるだけ少 すく ない部品 ぶひん 数 すう で必要 ひつよう な信頼 しんらい 性 せい を確保 かくほ する配慮 はいりょ がなされる。
無 む 停電 ていでん 電源 でんげん 装置 そうち の出力 しゅつりょく コンセント の例 れい
無 む 停電 ていでん 電源 でんげん 装置 そうち は、高 たか い供給 きょうきゅう 信頼 しんらい 性 せい が必要 ひつよう で一瞬 いっしゅん たりとも電圧 でんあつ 低下 ていか ・停電 ていでん が許 ゆる されない、病院 びょういん 内 ない の人工 じんこう 呼吸 こきゅう 器 き などを始 はじ めとした、生命 せいめい 維持 いじ 装置 そうち やコンピュータ・通信 つうしん ・防災 ぼうさい ・制御 せいぎょ 機器 きき 、および放送 ほうそう 機器 きき (演奏 えんそう 所 しょ ・送信 そうしん 所 しょ ・大 だい 規模 きぼ 中継 ちゅうけい 局 きょく )などで使用 しよう されている。そのほか、クリーンルーム ・溶鉱炉 ようこうろ の制御 せいぎょ 装置 そうち ・発電 はつでん 所 しょ ・航空 こうくう 管制塔 かんせいとう など、無 む 停電 ていでん 電源 でんげん 装置 そうち の用途 ようと は多岐 たき にわたる。
一方 いっぽう 、最近 さいきん では、コンピュータの停電 ていでん 防止 ぼうし などを目的 もくてき に、家庭 かてい 用 よう の無 む 停電 ていでん 電源 でんげん 装置 そうち も製造 せいぞう ・発売 はつばい されている。また、光 ひかり 回線 かいせん 終端 しゅうたん 装置 そうち に電源 でんげん を要 よう する「ひかり電話 でんわ 」(FTTH ) においても、停電 ていでん 時 じ の通話 つうわ 不能 ふのう を回避 かいひ する手段 しゅだん として有効 ゆうこう である[4] 。
その他 た 、無 む 停電 ていでん 電源 でんげん 装置 そうち は電力 でんりょく のピークカット(ピークシフト) にも応用 おうよう 可能 かのう である[5] 。普通 ふつう 、短時間 たんじかん のピークカットを目的 もくてき としたものになるが、蓄電 ちくでん 力 りょく を大 おお きくすれば長時間 ちょうじかん のピークシフトにも適用 てきよう 可能 かのう なものとなる[6] 。
バッテリー自体 じたい の値下 ねさ がりにより、防災 ぼうさい の観点 かんてん から一般 いっぱん 家庭 かてい や小規模 しょうきぼ な事務所 じむしょ でも万 まん 一 いち に備 そな えて設置 せっち される場合 ばあい が増 ふ えている。詳 くわ しくはポータブル電源 でんげん を参照 さんしょう 。
無 む 停電 ていでん 電源 でんげん 装置 そうち の需要 じゅよう は古 ふる くからあったようで、静止 せいし 型 がた 無 む 停電 ていでん 電源 でんげん 装置 そうち は太平洋戦争 たいへいようせんそう 以前 いぜん には真空 しんくう 管 かん 式 しき マルチバイブレータ によるものが世界 せかい 的 てき に通信 つうしん 用 よう として既 すで に実用 じつよう 化 か されていたことが、残 のこ されている当時 とうじ のいくつかの通信 つうしん 機 き や通信 つうしん 設備 せつび などより知 し ることができる。また動力 どうりょく 用 よう としては、1946年 ねん に応用 おうよう 型 がた といえるジャイロバス が作 つく られている[7] 。
日本 にっぽん での本格 ほんかく 的 てき な需要 じゅよう は鉄道 てつどう の近代 きんだい 化 か に伴 ともな う。太平洋戦争 たいへいようせんそう 後 ご 、鉄道 てつどう 車両 しゃりょう 内 うち での電気 でんき 機器 きき の利用 りよう などの目的 もくてき で、発電 はつでん 機 き や蓄電 ちくでん 装置 そうち が鉄道 てつどう 車両 しゃりょう に搭載 とうさい され、例 たと えば1500Vの直流 ちょくりゅう モーターで交流 こうりゅう 100Vあるいは200Vの発電 はつでん 機 き を回 まわ すもの(電動 でんどう 発電 はつでん 機 き )、走行 そうこう 用 よう とは別途 べっと 搭載 とうさい した小型 こがた のディーゼル機関 きかん で交流 こうりゅう 発電 はつでん 機 き を回 まわ すもの、あるいはその複 ふく 合 ごう 型 がた 、応用 おうよう 型 がた など用途 ようと に応 おう じたものが数多 かずおお く作 つく られ、実用 じつよう に供 きょう されてきた。しかしこれらはここでいうところの無 む 停電 ていでん 電源 でんげん 装置 そうち の応用 おうよう 型 がた であるものが多 おお く、以下 いか 、本稿 ほんこう では割愛 かつあい する。
当初 とうしょ 、大 だい 規模 きぼ 電源 でんげん に実用 じつよう されたのは回転 かいてん 型 がた 無 む 停電 ていでん 電源 でんげん 装置 そうち であった。これは電動 でんどう 発電 はつでん 機 き の応用 おうよう 、古 ふる くからあるワードレオナード方式 ほうしき (より正 ただ しくはイルグナ方式 ほうしき )の応用 おうよう である。すなわち交流 こうりゅう 電動 でんどう 機 き 、交流 こうりゅう 発電 はつでん 機 き 、発動 はつどう 機 き 、フライホイールの組 く み合 あ わせであり、それぞれを1つの回転 かいてん 軸 じく で直結 ちょっけつ 、商用 しょうよう 電源 でんげん によって交流 こうりゅう 電動 でんどう 機 き を回 まわ し、常時 じょうじ 、交流 こうりゅう 発電 はつでん 機 き から得 え られた電力 でんりょく を負荷 ふか に供給 きょうきゅう するものである。商用 しょうよう 電源 でんげん が瞬 まどか 停 とま し交流 こうりゅう 電動 でんどう 機 き が乱 みだ れても、フライホイールの大 おお きな慣性 かんせい モーメント により、交流 こうりゅう 発電 はつでん 機 き は暫 しばら くの間 あいだ 、安定 あんてい して回転 かいてん を続 つづ けることができることから、電圧 でんあつ と周波数 しゅうはすう の変動 へんどう を抑 おさ えることができる。さらにフライホイールに蓄 たくわ えられている回転 かいてん エネルギーによって発動 はつどう 機 き を起動 きどう させると、商用 しょうよう 電源 でんげん の停電 ていでん により交流 こうりゅう 電動 でんどう 機 き が停止 ていし しても、発動 はつどう 機 き によって交流 こうりゅう 発電 はつでん 機 き を回 まわ し続 つづ けることができ、無 む 停電 ていでん とすることができる。これが「CVCF」の原型 げんけい である。日本 にっぽん では主 おも に日本電気 にほんでんき 精 せい 器 き がこの方式 ほうしき のものを生産 せいさん した。また上述 じょうじゅつ 、ピークカットへの応用 おうよう も当初 とうしょ は回転 かいてん 型 がた 無 む 停電 ていでん 電源 でんげん 装置 そうち でなされており、これは超 ちょう 大型 おおがた のフライホイールを用 もち いたものであった。すなわち発動 はつどう 機 き を持 も たないもので、小型 こがた の電動 でんどう 機 き でゆっくりとフライホイールを回 まわ し始 はじ めて回転 かいてん エネルギーを蓄積 ちくせき 、所定 しょてい 回転 かいてん 速度 そくど まで達 たっ したところで大型 おおがた 発電 はつでん 機 き と負荷 ふか を接続 せつぞく 、負荷 ふか に瞬発 しゅんぱつ 的 てき な大 だい 電力 でんりょく を供給 きょうきゅう するものである。核 かく 融合 ゆうごう 実験 じっけん などの特殊 とくしゅ な用途 ようと に用 もち いられてきた。現在 げんざい もこれはフライホイール・バッテリー として、研究 けんきゅう 開発 かいはつ が続 つづ けられている。
1960年代 ねんだい 、静止 せいし レオナード方式 ほうしき の登場 とうじょう と並行 へいこう するようにサイリスタ を使用 しよう した静止 せいし 型 がた 無 む 停電 ていでん 電源 でんげん 装置 そうち の製品 せいひん 化 か が始 はじ まった。このサイリスタ自身 じしん には自分 じぶん で電流 でんりゅう を0にする能力 のうりょく (自己 じこ 遮断 しゃだん 能力 のうりょく )が無 な く、別 べつ の回路 かいろ で電流 でんりゅう 遮断 しゃだん を行 おこな う必要 ひつよう があった。
1980年代 ねんだい になると、自己 じこ 遮断 しゃだん 能力 のうりょく を持 も ったGTO ・パワートランジスタ が現 あらわ れ、素子 そし 自体 じたい の電流 でんりゅう を遮断 しゃだん する回路 かいろ (転 てん 流 りゅう 回路 かいろ )が不要 ふよう になった。これにより、高 こう 効率 こうりつ ・小型 こがた 化 か が進 すす み、最大 さいだい 容量 ようりょう もかつての300kVA程度 ていど から500kVA程度 ていど までの大 おお きなものが実用 じつよう 化 か できるようになった。
1990年代 ねんだい には、大 だい 電力 でんりょく かつ、GTO・パワートランジスタの約 やく 10倍 ばい 以上 いじょう にあたる高速 こうそく スイッチング動作 どうさ の可能 かのう な、IGBT が無 む 停電 ていでん 電源 でんげん 装置 そうち に使 つか われるようになった。これにより、従来 じゅうらい の素子 そし では難 むずか しかった高周波 こうしゅうは によるPWM制御 せいぎょ が可能 かのう になり、効率 こうりつ がさらに向上 こうじょう した。
オンライン方式 ほうしき ・ダブルコンバージョン型 がた とも呼 よ ばれ、商用 しょうよう 電源 でんげん を整流 せいりゅう 器 き で直流 ちょくりゅう に変換 へんかん し、二 に 次 じ 電池 でんち を充電 じゅうでん しながら常時 じょうじ 商用 しょうよう 電源 でんげん に同期 どうき した交流 こうりゅう を定 てい 電圧 でんあつ 定 てい 周波数 しゅうはすう 制御 せいぎょ インバータ で発生 はっせい させるものである。原理 げんり 的 てき に商用 しょうよう 電源 でんげん 停止 ていし 時 じ の切 き り替 か え変動 へんどう が起 お こらないため、特 とく に電圧 でんあつ 低下 ていか や電力 でんりょく 波形 はけい の乱 みだ れの許 ゆる されない用途 ようと に用 もち いられる。
インバータ及 およ び二 に 次 じ 電池 でんち が常時 じょうじ 動作 どうさ しているため、機器 きき 劣化 れっか や電力 でんりょく の損失 そんしつ が大 おお きいという欠点 けってん がある[注 ちゅう 1] [10] 。電気 でんき 二 に 重層 じゅうそう コンデンサ を二 に 次 じ 電池 でんち として使用 しよう した場合 ばあい には、蓄電 ちくでん 量 りょう が少 すく ないため停電 ていでん 補償 ほしょう 時間 じかん が短 みじか く、負荷 ふか が大 おお きい場合 ばあい 、インバータの機能 きのう 停止 ていし 時 じ のバイパス切 き り替 か えで瞬断 しゅんだん が発生 はっせい することもある。
二 に 次 じ 電池 でんち の充電 じゅうでん は、例 たと えば鉛 なまり 蓄電池 ちくでんち を使用 しよう しているものでは、インバータへの直流 ちょくりゅう 本線 ほんせん を分岐 ぶんき して、浮動 ふどう 充電 じゅうでん (バッテリーフロート)としているものが多 おお いが、発展 はってん 型 がた として、後述 こうじゅつ の常時 じょうじ 商用 しょうよう 給電 きゅうでん 方式 ほうしき に類 るい し、スイッチング素子 そし を利用 りよう して常時 じょうじ は二 に 次 じ 電池 でんち を分離 ぶんり 、別 べつ の充電 じゅうでん 回路 かいろ より充電 じゅうでん するものがある。このようにすると、トリクル充電 じゅうでん 、均等 きんとう 充電 じゅうでん 、あるいは長時間 ちょうじかん の停電 ていでん 補償 ほしょう によって空 そら になった二 に 次 じ 電池 でんち への、緊急 きんきゅう やむなしの定 てい 電流 でんりゅう 充電 じゅうでん (急速 きゅうそく 充電 じゅうでん )と、二 に 次 じ 電池 でんち の消耗 しょうもう まで鑑 かんが みた細 こま かな使用 しよう ができる、また二 に 次 じ 電池 でんち の種類 しゅるい 変更 へんこう への対応 たいおう も容易 ようい になるといったメリットが得 え られる。その他 た 、小型 こがた 化 か のためにチョッパ などを用 もち い、変圧 へんあつ 器 き を省略 しょうりゃく したものなどもある。
オフラインスタンバイ方式 ほうしき ともいう。商用 しょうよう 電源 でんげん が正常 せいじょう なときは商用 しょうよう 電源 でんげん を負荷 ふか に供給 きょうきゅう しながら、商用 しょうよう 電源 でんげん を整流 せいりゅう 器 き で直流 ちょくりゅう に変換 へんかん し、二 に 次 じ 電池 でんち を充電 じゅうでん する方式 ほうしき である。商用 しょうよう 電源 でんげん が停止 ていし または周波数 しゅうはすう が乱 みだ れたとき、商用 しょうよう 電源 でんげん を切 き り離 はな しインバータから機器 きき に供給 きょうきゅう する。常時 じょうじ インバータ給電 きゅうでん 方式 ほうしき と比較 ひかく して、商用 しょうよう 電源 でんげん が正常 せいじょう なときはインバータが動作 どうさ しないか無 む 負荷 ふか になり、損失 そんしつ が小 ちい さくなる利点 りてん がある。その反面 はんめん 、商用 しょうよう 電源 でんげん 停止 ていし 時 じ の切 き り替 か え変動 へんどう がやや大 おお きくなる欠点 けってん がある。
このことから、電圧 でんあつ 低下 ていか や電力 でんりょく 波形 はけい の乱 みだ れがある程度 ていど 許 ゆる される需要 じゅよう 機器 きき に用 もち いられることが多 おお い。比較的 ひかくてき 安価 あんか であり、商用 しょうよう 電源 でんげん 停止 ていし 時 じ に電源 でんげん 補償 ほしょう 時間 じかん 内 ない に負荷 ふか 機器 きき を停止 ていし する装置 そうち と組 く み合 あ わせて、端末 たんまつ 機器 きき 用 よう に分散 ぶんさん 配置 はいち されることも多 おお い。
なお、常時 じょうじ 商用 しょうよう 給電 きゅうでん 方式 ほうしき でのインバータの動作 どうさ 形態 けいたい には、インバータが無 む 負荷 ふか で運転 うんてん ・待機 たいき しているホットスタンバイ、商用 しょうよう 電源 でんげん 供給 きょうきゅう 中 ちゅう はインバータが停止 ていし しているコールドスタンバイの2種類 しゅるい がある。
具体 ぐたい 的 てき な回路 かいろ 構成 こうせい としては、以下 いか の方法 ほうほう などがある。
スタンバイパワーシステム(SPS)
商用 しょうよう 電源 でんげん が停止 ていし 、または周波数 しゅうはすう が乱 みだ れたとき、素早 すばや く商用 しょうよう 電源 でんげん からインバータ供給 きょうきゅう に切 き り替 か える。この目的 もくてき から半導体 はんどうたい スイッチが使 つか われることが多 おお い。
トライポートUPS
2入力 にゅうりょく ・1出力 しゅつりょく のトライポート変圧 へんあつ 器 き を利用 りよう して、供給 きょうきゅう 元 もと の電源 でんげん を切 き り替 か える方式 ほうしき をとる。2つの入力 にゅうりょく 間 あいだ は絶縁 ぜつえん されている。
系統 けいとう 連携 れんけい 型 がた
二 に 次 じ 電池 でんち 接続 せつぞく 用 よう として、充電 じゅうでん 用 よう コンバータとインバータを兼用 けんよう した回路 かいろ を使用 しよう する。常時 じょうじ は商用 しょうよう 電源 でんげん から充電 じゅうでん 用 よう コンバータとして二 に 次 じ 電池 でんち に充電 じゅうでん し、異常 いじょう 時 じ にインバータ動作 どうさ に切 き り替 か え、商用 しょうよう 電源 でんげん と同期 どうき ・連携 れんけい を図 はか りながら供給 きょうきゅう する。
常時 じょうじ 商用 しょうよう 給電 きゅうでん 方式 ほうしき の無 む 停電 ていでん 電源 でんげん 装置 そうち には、商用 しょうよう 電源 でんげん 電圧 でんあつ が乱 みだ れたときに電圧 でんあつ 補償 ほしょう するものがある。
ラインインタラクティブ方式 ほうしき
タップ付 つ き変圧 へんあつ 器 き をバイパス回路 かいろ に設置 せっち するものである。負荷 ふか に応 おう じて変圧 へんあつ 器 き のタップ接続 せつぞく を切 き り替 か えるため不連続 ふれんぞく な出力 しゅつりょく 、また変圧 へんあつ 器 き を用 もち いていることから重量 じゅうりょう も大 おお きくなる。
パワーマルチプロセッシング方式 ほうしき
インバータを利用 りよう した個別 こべつ の昇圧 しょうあつ 回路 かいろ と降圧 こうあつ 回路 かいろ により電圧 でんあつ 補償 ほしょう を行 おこな うものである。細 こま かく連続 れんぞく した電圧 でんあつ 調整 ちょうせい の他 ほか 、高調 こうちょう 波 は 流出 りゅうしゅつ ・電源 でんげん ノイズを減 へ らすことができる。二 に 次 じ 電池 でんち からコンバータ・変圧 へんあつ 器 き を通 とお して直列 ちょくれつ に電源 でんげん 供給 きょうきゅう する直列 ちょくれつ 補償 ほしょう 方式 ほうしき と、前述 ぜんじゅつ の系統 けいとう 連携 れんけい 型 がた と同様 どうよう に、商用 しょうよう 電源 でんげん と並列 へいれつ にコンバータを経由 けいゆ して電源 でんげん 供給 きょうきゅう する並列 へいれつ 補償 ほしょう 方式 ほうしき がある。
デュアルコンバージョン(直 ちょく 並列 へいれつ 補償 ほしょう )方式 ほうしき
負荷 ふか への供給 きょうきゅう 回路 かいろ に並列 へいれつ ・直列 ちょくれつ それぞれのコンバータを接続 せつぞく し電圧 でんあつ 補償 ほしょう を行 おこな うものである。電圧 でんあつ 補償 ほしょう 範囲 はんい を大 おお きくすることができる。
商用 しょうよう の正弦 せいげん 波 は 交流 こうりゅう 波形 はけい (紫 むらさき )と、UPS出力 しゅつりょく の矩形 くけい 波 は 交流 こうりゅう 波形 はけい (黄 き )の比較 ひかく
無 む 停電 ていでん 電源 でんげん 装置 そうち のインバータで生成 せいせい する波形 はけい は、正弦 せいげん 波 は ・ステップ波 は ・矩形 くけい 波 は などがある。矩形 くけい 波 は インバータのものは交流 こうりゅう 電動 でんどう 機 き を商用 しょうよう 電源 でんげん 直結 ちょっけつ で利用 りよう する機器 きき や、電源 でんげん からのノイズに弱 よわ い機器 きき 、電源 でんげん ユニット にPFC(力 ちから 率 りつ 改善 かいぜん 回路 かいろ )を搭載 とうさい したパーソナルコンピュータには使用 しよう できない。
常時 じょうじ 商用 しょうよう 電源 でんげん に同期 どうき した交流 こうりゅう を定 てい 電圧 でんあつ 定 てい 周波数 しゅうはすう 制御 せいぎょ インバータで発生 はっせい させるものである。インバータの機能 きのう が完全 かんぜん に失 うしな われた場合 ばあい は、商用 しょうよう 電源 でんげん に無 む 瞬断 しゅんだん で切 き り替 か えることが可能 かのう である。従来 じゅうらい は高炉 こうろ 排 はい 熱 ねつ を利用 りよう した製鉄 せいてつ 所 しょ の汽力発電 はつでん 所 しょ と電力 でんりょく 会社 かいしゃ との電力 でんりょく 融通 ゆうずう システム(売買 ばいばい 電 でん システム)に用 もち いるものなどに必須 ひっす であったが、近年 きんねん では家庭 かてい 用 よう 太陽光 たいようこう 発電 はつでん システム、燃料 ねんりょう 電池 でんち 発電 はつでん システムに用 もち いるものなどにも必須 ひっす になっている。
商用 しょうよう 電源 でんげん と無関係 むかんけい に定 てい 電圧 でんあつ ・定 てい 周波数 しゅうはすう の交流 こうりゅう を定 てい 電圧 でんあつ 定 てい 周波数 しゅうはすう 制御 せいぎょ インバータで発生 はっせい させるものである。回路 かいろ 構成 こうせい が簡単 かんたん で安価 あんか 、短 たん 寿命 じゅみょう の部品 ぶひん を少 すく なくすることができることから長寿 ちょうじゅ 命 いのち である。パーソナルコンピュータや医療 いりょう 用 よう モニタなどの小型 こがた の機器 きき に用 もち いられるようになってきている。
そもそも交流 こうりゅう は変圧 へんあつ 器 き (トランス)による変圧 へんあつ が容易 ようい であることから、広 ひろ く用 もち いられているのであるが、需要 じゅよう 機器 きき の多 おお くは実際 じっさい には直流 ちょくりゅう 需要 じゅよう 機器 きき である[11] 。これらの機器 きき 内部 ないぶ 、もしくはACアダプタ の内部 ないぶ では交流 こうりゅう を直流 ちょくりゅう に変換 へんかん して用 もち いており、ここで電力 でんりょく 損失 そんしつ が生 しょう じる。また従来 じゅうらい の交流 こうりゅう 入出力 にゅうしゅつりょく 無 む 停電 ていでん 電源 でんげん 装置 そうち では交流 こうりゅう →直流 ちょくりゅう →交流 こうりゅう と変換 へんかん を行 おこな うため、同様 どうよう に電力 でんりょく 損失 そんしつ が大 おお きくなり、変換 へんかん 段数 だんすう が多 おお い分 ぶん 、装置 そうち も大型 おおがた となる。そこで近年 きんねん 、直流 ちょくりゅう を直接 ちょくせつ 機器 きき へ供給 きょうきゅう する方式 ほうしき が見直 みなお され、非常 ひじょう に多 おお くの機器 きき を取 と り扱 あつか う大型 おおがた データセンターなどでは交流 こうりゅう 入力 にゅうりょく 直流 ちょくりゅう 出力 しゅつりょく 無 む 停電 ていでん 装置 そうち が広 ひろ く使 つか われるようになってきている[12] 。
直流 ちょくりゅう 給電 きゅうでん の持 も つ優位 ゆうい 性 せい は古 ふる くから知 し られており、交流 こうりゅう 入力 にゅうりょく 直流 ちょくりゅう 出力 しゅつりょく 無 む 停電 ていでん 装置 そうち は回転 かいてん 型 がた 、静止 せいし 型 がた のいずれも古 ふる くからある。静止 せいし 型 がた についてみると、過去 かこ 、小規模 しょうきぼ でも重要 じゅうよう な無線 むせん 設備 せつび などには固体 こたい 化 か 、すなわち機器 きき が半導体 はんどうたい 素子 そし によって構成 こうせい され、低 てい 電圧 でんあつ 動作 どうさ となった時点 じてん で、バッテリーフロート方式 ほうしき が採用 さいよう され、商用 しょうよう 交流 こうりゅう をトランスで降圧 こうあつ 、ダイオード で整流 せいりゅう して(初期 しょき は主 おも にセレン整流 せいりゅう 器 き )、鉛 なまり 蓄電池 ちくでんち あるいはアルカリ蓄電池 ちくでんち を充電 じゅうでん 、この蓄電池 ちくでんち 端子 たんし から無線 むせん 機器 きき への直流 ちょくりゅう 無 む 停電 ていでん 給電 きゅうでん がなされた。これは現在 げんざい のものと基本 きほん 的 てき に同 おな じ構造 こうぞう である。過去 かこ のものとの違 ちが いは、トランスとダイオードの構成 こうせい 部分 ぶぶん を、効率 こうりつ のよいスイッチングレギュレータ に代 か えていること、より効率 こうりつ のよい二 に 次 じ 電池 でんち を使用 しよう していることぐらいである。すなわち直流 ちょくりゅう 無 む 停電 ていでん 給電 きゅうでん への「回帰 かいき 」は、需要 じゅよう 機器 きき の進歩 しんぽ により消費 しょうひ 電力 でんりょく が抑 おさ えられ、必要 ひつよう な蓄電 ちくでん 容量 ようりょう 、すなわち施設 しせつ 内 ない で二 に 次 じ 電池 でんち の占 し める容積 ようせき が抑 おさ えられるようになったことが最大 さいだい の理由 りゆう である。このため従来 じゅうらい 、ごく一部 いちぶ の重要 じゅうよう 無線 むせん 局 きょく などに適用 てきよう されてきた直流 ちょくりゅう 無 む 停電 ていでん 給電 きゅうでん システムは今後 こんご 、事業 じぎょう ベースでは広 ひろ く一般 いっぱん に展開 てんかい される方向 ほうこう にある。
例 たと えば携帯 けいたい 電話 でんわ 基地 きち 局 きょく の場合 ばあい 、従来 じゅうらい は無線 むせん 設備 せつび から付帯 ふたい 設備 せつび に至 いた るまで全 すべ て交流 こうりゅう 需要 じゅよう 機器 きき であったが、1998年 ねん 頃 ころ を境 さかい に、ほとんどが直流 ちょくりゅう 需要 じゅよう 機器 きき とされた。これにより、各 かく 機器 きき 内 ない での交流 こうりゅう - 直流 ちょくりゅう 変換 へんかん が不要 ふよう になり、一層 いっそう の省 しょう 電力 でんりょく 化 か と大幅 おおはば な設備 せつび 小型 こがた 化 か (容積 ようせき でおよそ1/3)が実現 じつげん された。また太陽 たいよう 電池 でんち を利用 りよう し、商用 しょうよう 電力 でんりょく を必要 ひつよう としない設備 せつび などでは全 すべ て直流 ちょくりゅう 需要 じゅよう 機器 きき によって構成 こうせい されるようになっている。
^ 特 とく に二 に 次 じ 電池 でんち の劣化 れっか については致命 ちめい 的 てき な欠点 けってん の一 ひと つとなり、経年 けいねん によって非常 ひじょう に大 おお きな劣化 れっか が発生 はっせい する。製品 せいひん にもよるが出荷 しゅっか 時 じ のバッテリー容量 ようりょう の20%から50%を下回 したまわ った段階 だんかい でいわゆる"寿命 じゅみょう "が訪 おとず れ、内蔵 ないぞう バッテリーの交換 こうかん もしくは製品 せいひん の入 い れ替 か えを行 おこな う必要 ひつよう がある。