美人びじん

美人びじん（びじん）または美女びじょ（びじょ）とは、主おもに人ひととなりに優すぐれ外見がいけん共ともに美うつくしい女性じょせいをさす言葉ことば。別嬪べっぴん（べっぴん）・麗人れいじん（れいじん）・佳人かじん（かじん）とも呼よばれる。男性だんせいに対たいして用もちいる際さいも美人びじんと呼称こしょうされる^[1]。しかし、男性だんせいに対たいしては美人びじんではなく、美男びなん、イケメン、美男びなん子こ、美少年びしょうねんなどの言葉ことばを用もちいることが一般いっぱん的てきである。少女しょうじょには美少女びしょうじょと呼よぶのが一般いっぱん的てきであり、少年しょうねんに対たいしては美少年びしょうねんという。

概要がいよう

Shin Bijin (1897) by Yōshū Chikanobu

何なにをもって美よしとするかは、主観しゅかん的てきなものであり、個人こじんの嗜好しこうによって美人びじんの基準きじゅんは異ことなる。ある共同きょうどう体たいにおいて一般いっぱん的てきとされる美人びじん像ぞうがその共同きょうどう体内たいないの全すべての個人こじんに共通きょうつうして美人びじんと見みなされるとは限かぎらず、価値かち観かんの多様たよう化かが進すすんだ社会しゃかいであれば美びの基準きじゅんにおいても個人こじん差さが大おおきくなる。

一方いっぽう、美人びじんとは多おおくの人ひとが一致いっちして美うつくしいと見みなす女性じょせいを指さすものであり、ある女性じょせいに対たいする美的びてき評価ひょうかにおいて、不ふ特定とくてい多数たすうの個人こじんの嗜好しこうが一致いっちする場合ばあいがあることも確たしかである。後述こうじゅつする平均へいきん美人びじん説せつや黄金おうごん比率ひりつ美人びじん説せつなどに見みられるように、多おおくの人ひとが美びと感かんじる容姿ようしを科学かがく的てきに説明せつめいしようという試こころみも行おこなわれている。

ただし、美びは社会しゃかい的てきに共有きょうゆうされるものでもあり、時代じだいや文化ぶんかによって美びの基準きじゅんも変動へんどうしており、形質けいしつに対たいする科学かがく的てきな分析ぶんせきだけでは説明せつめいのつかない要素ようそもある。ある時代じだいや文化ぶんかにおいて多おおくの人ひとに美びと認識にんしきされる要素ようそが、他たの時代じだいや文化ぶんかでも同様どうようの評価ひょうかを受うけるとは限かぎらない。同様どうように、ある社会しゃかいで一般いっぱん的てきに美びとされる要素ようそがすべての個人こじんの嗜好しこうを全面ぜんめん的てきに規定きていするわけではないが、その社会しゃかい固有こゆうの文化ぶんかとして多おおかれ少すくなかれ個人こじんに影響えいきょうを与あたえることもまた事実じじつである。日本にっぽんでも特定とくていの芸能人げいのうじんが時代じだいを代表だいひょうする美人びじん及および美女びじょとして扱あつかわれ、それに似にせたファッションが流行りゅうこうすることがある^{[注ちゅう 1]}。

このように、美人びじんという審美しんび的てき判断はんだんは、判断はんだん主体しゅたい個人こじんの嗜好しこう・その文化ぶんか的てき背景はいけい・対象たいしょうの客観きゃっかん的てき形質けいしつという複数ふくすうの要素ようそによって総合そうごう的てきに形成けいせいされ、いずれか一ひとつの要素ようそによって排他はいた的てきに決定けっていされるものではない。

また、俗ぞくに言いう「世界せかいで最もっとも美うつくしい顔かおランキング」など、容姿ようしの美うつくしさを基準きじゅんにして人ひとを評価ひょうかすることは、ルッキズムを批判ひはんする者ものやフェミニストから問題もんだい視しされる傾向けいこうにあるが、こうした批判ひはんは美びを礼賛らいさんするという自然しぜんな欲求よっきゅうを抑圧よくあつし党派とうは的てき議論ぎろんを押おしつけるものとして反発はんぱつも強つよい^[2]。

しかし、結果けっかとして本質ほんしつ的てきな美人びじんのあり方かたについては主おもに国くにや世界せかいを代表だいひょうする「ミスインターナショナル」などの本格ほんかく的てきな「美人びじんコンテスト」においてスピーチ力りょくやパフォーマンス力りょくなどといった人ひととなりを近年きんねん一段いちだんと厳きびしく詮議せんぎし、いくら外見がいけんを磨みがいも内面ないめん性せいや品性ひんせいが劣おとっていれば「真しんの美人びじん」としてみなされないために「内面ないめん性せいの美うつくしさ」を強つよく問とわれる^[3]^[4]^[5]^[6]。よって、世界せかい全体ぜんたいが一般いっぱん的てきに示しめす美人びじん及および美女びじょの定義ていぎは一概いちがいに外見がいけんのみにとらわれるのではなく内面ないめん性せいの美うつくしさも美人びじんの要件ようけんの根幹こんかんとなる大切たいせつな要素ようそである。

黄金おうごん比率ひりつ美人びじん説せつ

カナダのトロント大学だいがくのカン・リー（Kang Lee）が視覚しかく研究けんきゅうの専門せんもん誌し「Vision Research」で白人はくじん女性じょせいのみを対象たいしょうにした研究けんきゅう結果けっかを発表はっぴょうした。そこで女性じょせいの見みた目めの美うつくしさは両目りょうめの間隔かんかくや目鼻めはなと口くちの距離きょりが顔かお全体ぜんたいに占しめる割合わりあいによって決きまるという研究けんきゅう結果けっかが発表はっぴょうされている。その研究けんきゅう結果けっかは目もくと口こうの距離きょりは顔かおの長ながさの36%のときに一番いちばん美うつくしいと感かんじられ、両目りょうめの間隔かんかくは顔かおの幅はばの46%のときに一番いちばん美うつくしいと感かんじられることが分わかった^[7]。これを数学すうがく理論りろんにおける「黄金おうごん比ひ」と関連付かんれんづけて論ろんじられることが多おおく、容姿ようしの美うつくしさの指標しひょうとしての黄金おうごん比ひは美容びよう業界ぎょうかいでもよく用もちいられ、身体しんたいにおいて足あし底そこから臍ほぞ（へそ）までの長ながさと臍ほぞから頭頂とうちょうまでの長ながさの比ひが黄金おうごん比ひであれば美うつくしい、また、顔面がんめんの構成こうせい要素ようそである目め、鼻はな、口くちなどの長ながさや間隔かんかく、細こまかな形態けいたいも黄金おうごん比ひに合致がっちすれば美うつくしいとされている。なお、黄金おうごん比ひに近ちかい容貌ようぼうはコーカソイド(白人はくじん)に多おおく^[8]、日本人にっぽんじんを含ふくむアジア人じんは黄金おうごん比ひとはかけ離はなれていることが多おおいため^[9]、日本にっぽんにおいてはアジア人じんに近ちかい「白銀はくぎん比ひ」(別名べつめい「大和やまと比ひ」)という比率ひりつで美うつくしさを論ろんじる審美しんび観かんが存在そんざいする^[10]^[11]^[12]^[13]。

平均へいきん美人びじん説せつ

Judith LangloisとLori Roggmanは、無む作為さくいに抽出ちゅうしゅつした顔写真かおじゃしんの合成ごうせい写真しゃしんを被験者ひけんしゃに示しめした時ときに、その写真しゃしんが魅力みりょく的てきであると判断はんだんされることが多おおいとする研究けんきゅう結果けっかを発表はっぴょうした(Psychological Science 1990)。この事ことから、美人びじんとはそのコミュニティにおいて最もっとも平均へいきん的てきな容姿ようしを持もつものであるという仮説かせつが提唱ていしょうされた。この説せつによると、美人びじん像ぞうの変遷へんせんは、そのコミュニティの構成こうせい員いんの変化へんかを背景はいけいとしているものと考かんがえられる（鼻はなが高たかい人ひとが多おおくなれば、鼻はなが高たかいことが美人びじんの要素ようそとなる）。このように平均へいきん的てきな女性じょせいが美うつくしいと感かんじられる理由りゆうとしては、平均へいきん的てきであるということが、当該とうがいコミュニティで失敗しっぱいのない生殖せいしょくを行おこなう可能かのう性せいが高たかいことを示しめしている（繁殖はんしょく実績じっせきが多おおい）と考かんがえられるためと説明せつめいされている。

欧米おうべいにおける美人びじん像ぞう

欧米おうべい社会しゃかいにおける理想りそうの美人びじん像ぞうは、ヨーロッパ系けいの白人はくじん女性じょせいであることが多おおい^[14]^[15]^[16]。世界せかい最大さいだいのファッションイベントの一ひとつであるニューヨーク·ファッションウィークの2014年ねんのレポートによると、参加さんかモデルの内訳うちわけは、白人はくじん82.7%、アジア系けい9%、黒人こくじん6%、ラテン系けい2%であり、白人はくじんモデルが圧倒的あっとうてき多数たすうを占しめている^[17]。

日本にっぽんにおける美人びじん像ぞう

小野小町おののこまち（鈴木すずき春信はるのぶ画が）

日本にっぽんの平安へいあん時代じだいには、肌理きめ（きめ）の細こまかい色白いろじろの肌はだ、ふっくらした頬ほお、長ながくしなやかな黒髪くろかみが典型てんけい的てきな美人びじんの条件じょうけんとして尊たっとばれた。ただし、一定いってい以上いじょうの身分みぶんのある女性じょせいは近親きんしん者しゃ以外いがいの男性だんせいに顔かおを見みせないものとされたため、男性だんせいはめあての女性じょせいの寝所ねどこに忍しのんで行いき、ほの暗ぐらい灯火ともしびの下したで初はじめてその姿すがたを見みるということが普通ふつうであった。化粧けしょうは、顔かおに白粉おしろいを塗ぬり、眉まゆを除去じょきょして墨すみで描えがき（引眉ひきまゆ）、歯はを黒くろく染そめる（お歯黒はぐろ）といったもので、健康けんこう美びよりはむしろ妖艶ようえんさが強調きょうちょうされた。当時とうじの女性じょせいの成年せいねん年齢ねんれいは初潮しょちょうを迎むかえる12～14歳さいであり、30代だいはすでに盛もりを過すぎた年齢ねんれいとみなされていた。ちなみに、しばしば言及げんきゅうされる引目鉤鼻ひきめかぎはなは源氏物語げんじものがたり絵巻えまき等ひとしの平安へいあん絵画かいがにおいて高貴こうきな人物じんぶつを描えがく際さいに用もちいられた表現ひょうげん技法ぎほうの名称めいしょうである。六歌仙ろっかせんの一人ひとりである女流じょりゅう歌人かじん小野小町おののこまちは、当時とうじの美人びじん像ぞうからして絶世ぜっせいの美女びじょであったとされている。

戦国せんごく時代じだいに日本にっぽんに30年ねん以上いじょう滞在たいざいした西洋せいよう人じんルイス・フロイスは「ヨーロッパ人じんは大おおきな目めを美うつくしいとしている。日本人にっぽんじんはそれを恐おそろしいものと考かんがえ、涙なみだの出でる部分ぶぶんの閉とじているのを美うつくしいとしている。」^[18]と、当時とうじの日本人にっぽんじんが大おおきな目めよりも絵巻物えまきものや美人びじん画がに描えがかれるような涼すずしい目めを理想りそうとしていた様子ようすを記しるしている。

江戸えど時代じだいには、日本にっぽんでは色白いろじろできめ細こまかい肌はだ、細面ほそおもて、小こぶりな口くち、富士額ふじびたい、涼すずしい目元めもと、鼻筋はなすじが通とおり、豊ゆたかな黒髪くろかみが美人びじんの典型てんけいとされた（浮世絵うきよえで見みられる女性じょせいは、当時とうじの理想りそう的てきな美人びじんを様式ようしき化かした作品さくひんである。詳くわしくは美人びじん画がを参照さんしょう）。当時とうじ最もっとも売うれた化粧けしょう指南しなん書しょ『都と風俗ふうぞく化粧けしょう伝でん』において「目めの大だいなるをほそく見みする伝つて」という項こうが存在そんざいし、目めに関かんしては現在げんざいとは異ことなる美意識びいしきだったことを表あらわしている。井原いはら西鶴さいかくの『好色こうしょく五ご人にん女おんな』には、低ひくい鼻はなを高たかくしてほしいと神社じんじゃで無理むりな願ねがいことをする、との記述きじゅつがあり^[19]、当時とうじ鼻はなの高たかさを好このんだ傾向けいこうが窺うかがえる。こうした美意識びいしきは、明治めいじ時代じだいから大正たいしょう時代じだいに至いたるまで美人びじん像ぞうの基調きちょうとなった。

陸奥むつ亮子あきこ（1888年ねん頃ころ、亮子あきこ33歳さい頃ごろの写真しゃしん）

一方いっぽうで、明治めいじ時代じだいに入はいると欧化おうか主義しゅぎとそれに伴ともなう洋装ようそう化かの動うごきが起おこり、大正たいしょう時代じだいの関東大震災かんとうだいしんさい後ごからパーマネントや断髪だんぱつ、口紅くちべにを唇くちびる全体ぜんたいに塗ぬるなど、従来じゅうらいの美意識びいしきと相容あいいれないような西洋せいよう式しきの美容びようが広ひろまり^[20]、欧米おうべいの影響えいきょうを強つよく受うけて、白人はくじんに近ちかい顔立かおだちが美人びじんとされ、白人はくじんの特徴とくちょうであるブロンドや茶髪ちゃぱつ、大おおきな眼めや碧眼へきがん(青あおい目め)、薄うすい唇くちびる、高たかい鼻はな、スマートな体型たいけいなどが憧あこがれの対象たいしょうとなった^[21]。

戦後せんごでは雑誌ざっしやマスメディアを通つうじて化粧けしょう品ひんやメイクに関かんする情報じょうほうが広ひろく共有きょうゆうされ、白しろい肌はだ・ムダ毛げや毛穴けあなのない美肌びはだのための全身ぜんしん脱毛だつもう ^[22]^[23] 容貌ようぼうについては美容びよう外科げか界隈かいわいに基もとづく美肌びはだ・小顔こがお・やや細面ほそおもて・大おおきな目め・二重ふたえまぶた・鼻筋はなすじは細ほそく程ほど良よく高たかい鼻はなである。身体しんたい的てき特徴とくちょうについては美白びはく系けい美肌びはだや妊娠にんしん力りょくを示しめすセックスアピールとしての曲線きょくせん美び^[24]^[25]・細ほそくしなやかな脚線美きゃくせんび・女性じょせい自身じしんからも支持しじの高たかい人気にんきのある160cmを目安めやすとする身長しんちょう^[26]等ひとし・要ようは顔かおや姿すがたスタイル共ともに美肌びはださと端正たんせいでメリハリのある引ひき締しまった人相にんそうや痩やせ型がた体形たいけいなど、ファッションモデル産業さんぎょうからの理想りそう像ぞうならびに健康けんこう美びも合あわさり基もとづいた審美しんび観かんが現代げんだいでは普及ふきゅうしている^[21]^[27]。

また、プリクラや加工かこうアプリなどの画像がぞう加工かこうによる美びの追求ついきゅうも盛さかんに行おこなわれている。その反面はんめん、容姿ようしの美醜びしゅうが従来じゅうらい以上いじょうに女性じょせいの幸福こうふく感かんを左右さゆうするようになり、こうした傾向けいこうは摂食せっしょく障害しょうがいや美容びよう整形せいけいへの過度かどの依存いぞんなど、身体しんたい的てき・精神せいしん的てき健康けんこうをむしばむ新あらたな問題もんだいを抱かかえている者ものも中なかにはいる^[28]。

ただ、ここ近年きんねんになってより外見がいけんだけにとらわれずに女性じょせいの「人ひととなり」に焦点しょうてんを当あてて「内面ないめん性せいの美うつくしさ」などが注視ちゅうしされている^[29]^[30]。反対はんたいに外見がいけんだけが秀ひいでていても内面ないめん性せいがよくないと昨今さっこんの「美人びじん」や「美女びじょ」としての定義ていぎに入はいらず認知にんちされないケースも当あたり前まえにある。

日本にっぽんにおける美人びじんの比喩ひゆ表現ひょうげん

日本にっぽんでは木き花咲はなさき耶姫になぞらえて、正真正銘しょうしんしょうめいの美人びじんを比喩ひゆする際さいに花はなが多おおく用もちいられる。たとえば、日本にっぽんの美うつくしくしたたかな女性じょせいたちを撫子なでしこの花はなに見立みたてて大和撫子やまとなでしこと称しょうする他ほか、古来こらいより和歌わかなどのさまざまな場面ばめんで「花はなの比喩ひゆ」が登場とうじょうする。

立たてば芍薬しゃくやく座すわれば牡丹ぼたん歩あるく姿すがたは百ひゃく合ごうの花はな

花はなの色いろは移うつりにけりないたづらにわが身み世よにふるながめせしまに―小野小町おののこまち

これは日本にっぽんの文化ぶんか（大和やまと民族みんぞくの文化ぶんか）における伝統でんとう的てき美意識びいしきによる発想はっそうである。たとえば金田一きんだいち京助きょうすけは、アイヌに「お前まえ、桜さくらの花はなきれいだと思おもわないか」と訊きいたところ「きれいだ」と答こたえたので、「じゃ美人びじんのときに、花はなのようだと言いったら」と重かさねて問とうと、「だって全然ぜんぜん違ちがうじゃないか。花はなはこんな形がたをしているし、顔かおとは全然ぜんぜん違ちがう」と笑わらわれたと記しるしている^[31]。

また、日本にっぽんや中国ちゅうごくでは、美人びじんを比喩ひゆしたことわざ・四よん字じ熟語じゅくごが多数たすう存在そんざい

別嬪べっぴん -
詳細しょうさいは「別嬪べっぴん」を参照さんしょう
「別品べっぴん」（特別とくべつに良よい品しな）から転てんじて美うつくしいを表あらわすようになり、のちに美人びじんを表あらわすようになった。
「定評ていひょうの別嬪べっぴんさん」「町まち一番いちばんの別嬪べっぴんさん」
やまとなでしこ-
詳細しょうさいは「やまとなでしこ」を参照さんしょう
容姿ようし端麗たんれいで淑しとやかさと内面ないめん性せいに優すぐれ家庭かていを大切たいせつにする日本にっぽんの理想りそうの美人びじん像ぞう。女性じょせいのこと。
名花めいか - 美人びじんを花はなでたとえた比喩ひゆ的てき表現ひょうげん。周囲しゅういから華はなやかで際立きわだって美うつくしい女性じょせいのこと。
「舞踏ぶとう界かいの名花めいか」「社交しゃこう界かいの名花めいか」
小町こまち - 平安へいあん時代じだいの美人びじんで有名ゆうめいな小野小町おののこまちの名なが由来ゆらいで、「若わかく美うつくしいと評判ひょうばんの名高なだかい女性じょせい」や未婚みこん女性じょせいをいう語かたり。
「ミスグランプリ秋田あきた小町こまち」「評判ひょうばんの小町こまち娘むすめ」
シャン - ドイツ語ごのschön（美うつくしい。の意い）から美人びじんをいう語かたり。
「バックシャン」(後うしろ姿すがたが美うつくしい女性じょせいのこと)
才色兼備さいしょくけんび(さいしょくけんび) - 知性ちせい及および品性ひんせいと容姿ようしの美うつくしさを併あわせ持もつ女性じょせいのこと。
「才色兼備さいしょくけんびは女性じょせいの鑑かん」「憧あこがれの才色兼備さいしょくけんび」
マドンナ - 多おおくの男性だんせいからあこがれの対象たいしょうとなる女性じょせい。美人びじん。
「クラスのマドンナ」「会社かいしゃのマドンナ」
傾城けいせい(けいせい) - 。君主くんしゅが政せいにかまけて国くにを滅ほろぼしかねない蠱惑こわく的てきで絶世ぜっせいの美女びじょ。
「傾国けいこくの美女びじょ」「傾国けいこく傾城けいせい」
色女いろおんな - 魅惑みわく的てきで妖艶ようえんな美女びじょ。美人びじん。
「色女いろおんなの艶姿あですがた」「婀娜あだっぽい色女いろおんな」
美人びじんには容姿ようし端麗たんれい、美男びなん子こには眉目びもく秀麗しゅうれい。
美人びじん薄命はくめい - 美人びじんは薄幸はっこうであるという意味いみ。佳人かじん薄命はくめい、美女びじょ薄命はくめいともいう。
手弱女たおやめ - しなやかでたおやかな優美ゆうびな女性じょせい。気立きだての優やさしい女性じょせい。
八方美人はっぽうびじん - どこから見みても美人びじんという意味いみから、誰だれからもよく思おもわれようとする人ひとを表あらわす言葉ことば
明眸皓歯めいぼうこうし - 杜もり甫はじめの哀あい江頭えがしらで楊貴妃ようきひについて書かかれた表現ひょうげん
雲くも鬢びん花はな顔がお・雲くも鬢びん花はな顔がお金きむ歩あゆみ揺ゆら - 白楽はくらく天たかしの長恨ちょうこん歌かで楊貴妃ようきひについて書かかれた表現ひょうげん
朱唇しゅしん皓歯こうし - 微笑ほほえむ女性じょせいの口紅くちべにと白しろい歯はを表あらわした表現ひょうげん
仙せん姿すがた玉だま質しつ - 仙女せんにょの様ような優雅ゆうがな姿すがたと玉たまのように滑なめらかな肌はだを表あらわした表現ひょうげん

日本にっぽんにおける美人びじん統計とうけい

喜多川きたがわ歌麿うたまろの「寛政かんせい三さん美人びじん」

日本にっぽん国内こくないにおいて、特とくに美人びじんが多おおいのは日本海にほんかい側がわであるとする主張しゅちょうがある^[32]^[33]。具体ぐたい的てきには、秋田あきた美人びじんをはじめ、津軽つがる美人びじん、庄内しょうない美人びじん、越後えちご美人びじん、加賀かが美人びじん、越前えちぜん美人びじん、京きょう美人びじん、出雲いずも美人びじん、博多はかた美人びじんなどである。

また、本州ほんしゅう日本人にっぽんじんと遺伝いでん的てきに異ことなる沖縄おきなわ美人びじんは芸能げいのう界かいで多おおく活躍かつやくしており、県民けんみん自体じたいも美人びじんの多おおさを自負じふしている傾向けいこうにある^[34]。