自動ドア(じどうドア、英: Automatic door)は、扉の開閉を人力でなく、電気や荷重などの動力によって行う設備のこと。
人や物の接近をセンサー等で自動検出して扉を開き、通過を確認して扉を閉じる機構を持つ設備を「電動式自動ドア」という。また、駆動部への人の重さにより、テコの原理を用いて開閉する機構をもつ設備を「荷重式自動ドア」という。
また日本のタクシーのように動力が運転手による人力であっても、ドアに直接触れずに開閉操作できるものを自動ドアと称する場合もある。
電動式自動ドアは、オペレータ部、センサー部、ドア・サッシ部の3つから構成される。
- オペレータ部は、駆動装置と制御装置からなる開閉装置。
- センサー部は、人や物の出入りを自動的に検出する検出装置[* 1]。
- ドア・サッシ部は、ドア、枠、ガイドレールなどの部位。
また、荷重式自動ドアは、駆動装置部、ドア・サッシ部から構成される。
開閉方式としては、引き戸、開き戸、折り戸、回転ドアなどがある。
駆動方式としては、電気式、荷重式、空圧式、負圧式、油圧式などがある。
検出方式としては、マットスイッチ、超音波スイッチ、赤外線スイッチなどがある。
エレベータのように挟み込み防止のための安全装置がついている場合もある。
ドアエンジンは自動ドアの開閉動作に際して直接作動する動力装置。
現在、建物等の自動ドアに広く使われているのは電気モーターを動力とする方式である。
荷重を動力とする自動ドアは、作動速度は低いものの、センサーの死角からの衝突事故、子ども・高齢者などの挟まり事故などが起こりにくく、停電時にも稼働し、電気代も不要であることから、高速道路、自治体などの公共施設、商業施設で採用されている。
鉄道車両用には長らく空気圧作動式が多く用いられてきたが、平成期には電気スクリューやリニアモーター、ラック・アンド・ピニオンといった電動式も導入されており、空気配管の減少に伴うメンテナンスの簡素化に寄与している。
エアコンプレッサーを装備するバスでは空気圧作動式が用いられている。
例外的なものとして、日本のタクシーではてことリンケージ(てこクランク機構)を用いた人力によるものがある。運転席横のレバー操作により後部客席ドアを開閉する。一方ではインテークマニホールドの負圧でドアを開閉するものも増えており、通常はステアリングコラムの右インパネ部にボタンが設置されている。
- ^ なお、ドア前に十分な空間がない(「ドアから入ってくる人」と「ただの通行者」を見分けにくい)などの理由で「人の出入りを自動で検出する」ことが困難な場合、センサー部の代わりにドアに開扉ボタンを設け、入る人がこのボタンを押してドアを開けるような半自動式の運用を行うことがある。
- ^ 装備車両のみ。
- ^ 1993年以前は約30メートル
- ^ 小田急は最低でも4両編成である。
- ^ 琵琶湖線からの乗り入れ含む。
- ^ ただし、ワンマン運転を行っている路線では引き続き使用している。
- ^ 城井田勝仁『図解入門よくわかる機械制御の基本とメカニズム』秀和システム、2004年、30-31頁
- ^ 水戸計 『教科書には載っていない 江戸の大誤解』 彩図社 2016年 p.107.復元品の写真あり。
- ^ 「自動ドアの電車を試運転」『時事新報』1926年9月8日夕刊(大正ニュース事典編纂委員会 『大正ニュース事典第7巻 大正14年-大正15年』本編pp.477-478 毎日コミュニケーションズ刊 1994年)
- ^ “【お詫び】列車ドアの誤開扉について”. 東急電鉄 (2019年6月4日). 2021年9月12日閲覧。
- ^ ホームと反対側のドア全壊 少女が転落、けが『朝日新聞』1979年(昭和54年)6月7日朝刊 13版 23面
- ^ 車内換気のためのドア自動開閉について (PDF) - 東日本旅客鉄道八王子支社、2020年4月8日
- ^ スイス、旅のマニュアル HIS 2019年1月14日閲覧
ウィキメディア・コモンズには、
自動ドアに
関連するカテゴリがあります。