藤原ふじわら有ゆう相しょう

藤原ふじわら 有ゆう相しょう（ふじわら の ありすけ）は、平安へいあん時代じだい中期ちゅうきの公卿くぎょう。藤原ふじわら北きた家か、右大臣うだいじん・藤原ふじわら恒ひさし佐さの長男ちょうなん。官位かんいは正せい四よん位い下か・参議さんぎ。

凡例はんれい 藤原ふじわら有ゆう相しょう
時代じだい	平安へいあん時代じだい前期ぜんき - 中期ちゅうき
生誕せいたん	延喜えんぎ8年ねん（908年ねん）
死没しぼつ	天徳てんとく3年ねん5月9日にち（959年ねん6月17日にち）
官位かんい	正せい四よん位い下か、参議さんぎ
主君しゅくん	醍醐天皇だいごてんのう→朱雀すざく天皇てんのう→村上むらかみ天皇てんのう
氏族しぞく	藤原ふじわら北きた家か冬ふゆ嗣流
父母ちちはは	父ちち：藤原ふじわら恒ひさし佐さ、母はは：源みなもと定じょう有ゆうの娘むすめ
兄弟きょうだい	有ゆう相しょう、有ゆう時じ、有ゆう章あきら、真ま忠ちゅう、陳ちん忠ただし、則のり忠ちゅう、懐ふところ忠ただし、国くに忠ちゅう、常明つねあき親王しんのう室しつ
妻つま	藤原ふじわら伊い衡の娘むすめ
子こ	方ほう儀ただし、藤原ふじわら遠とお量りょう室しつ

経歴けいれき

醍醐だいご朝あさにて、左ひだり兵衛ひょうえ少尉しょうい・左近さこん将監しょうげんと武官ぶかんを歴任れきにんする。

朱雀すざく朝あさの即位そくいに伴ともなって六ろく位い蔵人くろうどになると、承うけたまわ平ひらた2年ねん（932年ねん）従したがえ五ご位い下かに叙爵じょしゃくし、翌よく承うけたまわ平ひら3年ねん（933年ねん）侍従じじゅうに任にんぜられる。承うけたまわ平ひら5年ねん（935年ねん）摂津せっつ守もりとして地方ちほう官かんに転てんずるが、任期にんき中ちゅうの承うけたまわ平ひら8年ねん（938年ねん）正月しょうがつに従したがえ五ご位い上じょうに叙じょされ、同年どうねん7月がつに摂津せっつ守もりに再任さいにんしている。天てん慶けい3年ねん（940年ねん）正月しょうがつに右みぎ衛門えもん権けん佐さとして京きょう官かんに復ふくすが、同年どうねん12月がつに右みぎ少しょう弁べんに遷ると、天てん慶けい4年ねん（941年ねん）左ひだり少しょう弁わきまえ、天てん慶けい8年ねん（945年ねん）正せい五ご位い下か・右みぎ中ちゅう弁べんと朱雀すざく朝あさ後半こうはんは弁わきまえ官かんを歴任れきにんした。

天てん慶けい9年ねん（946年ねん）村上むらかみ天皇てんのうが即位そくいすると従したがえ四よん位い下かに叙じょされ、天てん暦れき2年ねん（948年ねん）蔵人くろうど頭あたま（頭あたま弁べん）に任官にんかんする。その後ごも、天てん暦れき5年ねん（951年ねん）従したがえ四よん位い上じょう・右みぎ大だい弁べん、天てん暦れき8年ねん（954年ねん）左ひだり大だい弁べんと引ひき続つづき弁わきまえ官かんを歴任れきにんし、天てん暦れき9年ねん（955年ねん）に参議さんぎに任にんじられ公卿くぎょうに列れっす。議ぎ政官せいかんとして左ひだり大だい弁べんや讃岐さぬき権守ごんもり・播磨はりま権守ごんもりを兼かね、天徳てんとく2年ねん（958年ねん）には正せい四よん位い下かに叙じょせられている。

天徳てんとく3年ねん（959年ねん）5月がつ9日にち薨去こうきょ。享年きょうねん52。最終さいしゅう官位かんいは参議さんぎ正せい四よん位い下か左ひだり大だい弁べん。

官かん歴れき

『公卿くぎょう補任ほにん』による。

• 延長えんちょう5年ねん（927年ねん） 正月しょうがつ13日にち：昇殿しょうでん
• 延長えんちょう6年ねん（928年ねん） 正月しょうがつ29日にち：左ひだり兵衛ひょうえ少尉しょうい
• 延長えんちょう7年ねん（929年ねん） 9月がつ23日にち：左ひだり近衛このえ将すすむ監かん
• 延長えんちょう8年ねん（930年ねん） 日付ひづけ不ふ詳しょう：六ろく位い蔵人くろうど
• 承うけたまわ平ひらた2年ねん（932年ねん） 正月しょうがつ27日にち：近江おうみ少しょう掾じょう。11月16日にち：従したがえ五ご位い下か
• 承うけたまわ平ひら3年ねん（933年ねん） 10月がつ24日にち：侍従じじゅう
• 承うけたまわ平ひら5年ねん（935年ねん） 2月がつ23日にち：摂津せっつ守もり
• 承うけたまわ平ひら8年ねん（938年ねん） 正月しょうがつ7日にち：従したがえ五ご位い上じょう。7月16日にち：摂津せっつ守もり（復ふく任にん）
• 天てん慶けい3年ねん（940年ねん） 正月しょうがつ15日にち：右みぎ衛門えもん権けん佐さ。12月16日にち：右みぎ少しょう弁べん
• 天てん慶けい4年ねん（941年ねん） 3月がつ28日にち：左ひだり少しょう弁べん
• 天てん慶けい7年ねん（944年ねん） 4月がつ23日にち：兼けん春宮とうぐう大進たいしん（皇太子こうたいし・成明しげあき親王しんのう）
• 天てん慶けい8年ねん（945年ねん） 正月しょうがつ7日にち：正せい五ご位い下か。10月14日にち：右みぎ中ちゅう弁わきまえ、春宮とうぐう大進たいしん如元
• 天てん慶けい9年ねん（946年ねん） 7月がつ24日にち：昇殿しょうでん。閏うるう7月がつ17日にち：兼けん播磨はりま守まもる。10月28日にち：昇殿しょうでん、従したがえ四よん位い下か
• 天てん暦れき2年ねん（948年ねん） 正月しょうがつ23日にち：内蔵ないぞう頭あたま。2月19日にち：蔵人くろうど頭あたま
• 天てん暦れき4年ねん（950年ねん） 7月がつ23日にち：春宮とうぐう権けん亮あきら（皇太子こうたいし・憲けん平ひら親王しんのう）
• 天てん暦れき5年ねん（951年ねん） 正月しょうがつ7日にち：従したがえ四よん位い上じょう。正月しょうがつ30日にち：右みぎ大だい弁べん
• 天てん暦れき8年ねん（954年ねん） 3月がつ14日にち：左ひだり大だい弁べん、内蔵ないぞう頭あたま如元
• 天てん暦れき9年ねん（955年ねん） 7月がつ24日にち：参議さんぎ、左ひだり大だい弁べん如元
• 天てん暦れき10年ねん（956年ねん） 正月しょうがつ27日にち：讃岐さぬき権守ごんもり
• 天てん暦れき11年ねん（957年ねん） 6月がつ27日にち：兼けん播磨はりま権守ごんもり
• 天徳てんとく2年ねん（958年ねん） 正月しょうがつ7日にち：正せい四よん位い下か
• 天徳てんとく3年ねん（959年ねん） 5月がつ9日にち：薨去こうきょ（参議さんぎ正せい四よん位い下か左ひだり大だい弁べん）

系譜けいふ

『尊卑そんぴ分脈ぶんみゃく』による。

• 父ちち：藤原ふじわら恒ひさし佐さ
• 母はは：源みなもと定じょう有ゆうの娘むすめ
• 妻つま：藤原ふじわら伊い衡の娘むすめ
  • 男子だんし：藤原ふじわら方ほう儀ただし
  • 女子じょし：藤原ふじわら遠とお量りょう室しつ
• 生母せいぼ不ふ詳しょうの子女しじょ
  • 女子じょし：藤原ふじわら有ゆう序じょ（弁べん更衣ころもがえ） - 村上むらかみ天皇てんのう更衣ころもがえ

出典しゅってん

• 『公卿くぎょう補任ほにん 第だい一いち篇へん』吉川弘文館よしかわこうぶんかん、1982年ねん
• 『尊卑そんぴ分脈ぶんみゃく 第だい二に篇へん』吉川弘文館よしかわこうぶんかん、1987年ねん