補聴器 ほちょうき は、難聴 なんちょう による聞 き こえの問題 もんだい を解決 かいけつ することを目的 もくてき とした音 おと の増幅器 ぞうふくき である。形状 けいじょう は多種 たしゅ 多様 たよう であるが概 おおむ ね小型 こがた である。基本 きほん 的 てき に入力 にゅうりょく 部 ぶ 、増幅 ぞうふく 部 ぶ 、出力 しゅつりょく 部 ぶ 、電源 でんげん の4つの部分 ぶぶん から構成 こうせい される。増幅 ぞうふく は電気 でんき 的 てき あるいは電子 でんし 的 てき に行 おこな われ、単純 たんじゅん に音 おと を拡大 かくだい するだけでなく、音 おと の感度 かんど 、ダイナミックレンジ 、周波数 しゅうはすう 分解能 ぶんかいのう 、時間 じかん 分解能 ぶんかいのう 、方向 ほうこう 性 せい といった要素 ようそ を考慮 こうりょ しながら増幅 ぞうふく を行 おこな う。また必要 ひつよう に応 おう じて 不要 ふよう な雑音 ざつおん をカットし、SN比 ひ を向上 こうじょう させることにより聞 き こえやすさを追求 ついきゅう している。
2000年代 ねんだい に入 はい ると、アナログ補聴器 ほちょうき からデジタル補聴器 ほちょうき への移行 いこう が進 すす み、その後 ご はデジタル補聴器 ほちょうき が主流 しゅりゅう となりつつある。デジタル補聴器 ほちょうき は、ソフトウェア上 じょう でその特性 とくせい を変更 へんこう することが可能 かのう であり、調整 ちょうせい が非常 ひじょう に容易 ようい で即時 そくじ に行 おこな うことができる。また、デジタル制御 せいぎょ により高度 こうど で複雑 ふくざつ な処理 しょり が可能 かのう となり、最近 さいきん の補聴器 ほちょうき の飛躍 ひやく 的 てき な性能 せいのう 向上 こうじょう に貢献 こうけん している。補聴器 ほちょうき は、日本 にっぽん 国内 こくない では医薬品 いやくひん 医療 いりょう 機器 きき 等 とう 法 ほう において管理 かんり 医療 いりょう 機器 きき (クラスII)に指定 してい されており、法的 ほうてき な規制 きせい が行 おこな われている。医薬品 いやくひん 医療 いりょう 機器 きき 等 とう 法 ほう の規制 きせい を受 う けないものは集 しゅう 音 おん 器 き などに分類 ぶんるい され、補聴器 ほちょうき とは異 こと なる。使用 しよう にあたっては基本 きほん 的 てき に個人 こじん の聴力 ちょうりょく や使用 しよう 状 じょう 況 きょう に合 あ わせた調整 ちょうせい (フィッティング)が必要 ひつよう であり、補聴器 ほちょうき 専門 せんもん 店 てん 、取 と り扱 あつか いのある店 みせ または医療 いりょう 機関 きかん で調節 ちょうせつ する必要 ひつよう がある。
日本 にっぽん に身体 しんたい 障害 しょうがい 者 しゃ 福祉 ふくし 法 ほう が制定 せいてい されたのは1949年 ねん (昭和 しょうわ 24年 ねん )12月26日 にち であり、この法律 ほうりつ に対応 たいおう する為 ため に補聴器 ほちょうき の開発 かいはつ と発売 はつばい が始 はじ められた。小林 こばやし 理研 りけん 製作所 せいさくしょ (現 げん ・リオン )により1948年 ねん (昭和 しょうわ 23年 ねん )には国産 こくさん の最初 さいしょ の補聴器 ほちょうき が発売 はつばい され、1950年 ねん (昭和 しょうわ 25年 ねん )に身体 しんたい 障害 しょうがい 者 しゃ 福祉 ふくし 法 ほう 品目 ひんもく の指定 してい を受 う けた。また、1956年 ねん (昭和 しょうわ 31年 ねん )には国産 こくさん 初 はつ のトランジスター 補聴器 ほちょうき が発売 はつばい された。この様 よう にして、多 おお くの聴力 ちょうりょく 障害 しょうがい 者 しゃ に補聴器 ほちょうき が支給 しきゅう されるようになった。この聴覚 ちょうかく 障害 しょうがい 度 ど 等級 とうきゅう 表 ひょう にはオージオメータでの聴力 ちょうりょく 測定 そくてい 結果 けっか による聴力 ちょうりょく 損失 そんしつ (後 のち に10db 加算 かさん され聴力 ちょうりょく レベルになる)での級 きゅう 別 べつ 以外 いがい に、「両 りょう 耳 みみ 全 ぜん ろう」「耳 みみ 介 かい に接 せっ しなければ大声 おおごえ を理解 りかい し得 え ないもの」「両 りょう 耳 みみ による普通 ふつう 話 ばなし 声 ごえ の最良 さいりょう の語 かたり 音 おん 明瞭 めいりょう 度 ど が50パーセント以下 いか のもの」「40センチメートル以上 いじょう の距離 きょり で発声 はっせい された会話 かいわ 語 ご を理解 りかい し得 え ないもの」との検査 けんさ 者 しゃ の発声 はっせい が現在 げんざい でも基準 きじゅん になっている。語 かたり 音 おん による検査 けんさ も同様 どうよう である。
補聴器 ほちょうき は、マイク 、アンプ 、レシーバー から成 な る。マイクは音波 おんぱ を電気 でんき 信号 しんごう に変換 へんかん し、アンプで電気 でんき 信号 しんごう を増幅 ぞうふく し、レシーバーで増幅 ぞうふく した電気 でんき 信号 しんごう を音波 おんぱ に変換 へんかん し、音 おと に戻 もど して出力 しゅつりょく する。このアンプがアナログ処理 しょり の物 もの をアナログ補聴器 ほちょうき と呼 よ び、デジタル処理 しょり の物 もの をデジタル補聴器 ほちょうき と呼 よ ぶ。また、補聴器 ほちょうき の調節 ちょうせつ がデジタルなアナログ補聴器 ほちょうき を、プログラマブル補聴器 ほちょうき と呼 よ ぶ。現在 げんざい 市場 いちば に出回 でまわ っているデジタル補聴器 ほちょうき は、アンプ・調節 ちょうせつ ともにデジタルな「フルデジタル補聴器 ほちょうき 」である。補聴器 ほちょうき の電源 でんげん としては主 おも に空気 くうき 亜鉛 あえん 電池 でんち が使用 しよう されている。最近 さいきん では耳 みみ 掛 か け型 がた 補聴器 ほちょうき において、充電 じゅうでん 式 しき のリチウムイオン電池 でんち や銀 ぎん 亜鉛 あえん 電池 でんち を使用 しよう したものも販売 はんばい されている。非 ひ 防水 ぼうすい の腕時計 うでどけい と同様 どうよう に、汗 あせ や雨 あめ などによる水分 すいぶん 侵入 しんにゅう に弱 よわ い(一部 いちぶ には、防水 ぼうすい の補聴器 ほちょうき もある)。
補聴器 ほちょうき の中 なか にはイヤモールドと呼 よ ばれる樹脂 じゅし 殻 から でできた耳 みみ せんを使用 しよう したタイプのものが存在 そんざい する。イヤモールドは装着 そうちゃく 者 しゃ の外耳 がいじ の形状 けいじょう に合 あ わせたオーダーメイドの耳 みみ 栓 せん であり、装着 そうちゃく の安定 あんてい やハウリング (音 おと 漏 も れ)の防止 ぼうし 、音響 おんきょう の安定 あんてい を得 え る目的 もくてき で作 つく られる。補聴器 ほちょうき 専門 せんもん 店 てん で相談 そうだん するのが望 のぞ ましい。
補聴器 ほちょうき の種々 しゅじゅ のタイプ
補聴器 ほちょうき はその装用 そうよう 部位 ぶい に対応 たいおう した形状 けいじょう によって、いくつかのタイプに分類 ぶんるい される。現在 げんざい 市販 しはん されている補聴器 ほちょうき について大 おお まかな分類 ぶんるい と特徴 とくちょう を下記 かき に示 しめ す。
箱 はこ 形 がた のタイプ。20世紀 せいき 初頭 しょとう にベル研究所 けんきゅうじょ のハーヴェイ・フレッチャー によって発明 はつめい された。この補聴器 ほちょうき はアンプが含 ふく まれるケースと、耳 みみ あなにはめ込 こ むイヤモールド と呼 よ ばれる樹脂 じゅし 殻 から で成 な り立 た つ。現在 げんざい ではおよそタバコ箱 ばこ 程度 ていど の大 おお きさになっており、ポケットかベルトに装着 そうちゃく する。メーカーによって異 こと なるが、重度 じゅうど 難聴 なんちょう に向 む いているとされる。
もっとも多 おお く使用 しよう されているタイプ[3] 。
英語 えいご でBTE (Behind The Ear)といい、耳 みみ 介 かい の後 うし ろに引 ひ っ掛 か ける形 かたち の補聴器 ほちょうき 。小型 こがた のアンプケースと短 みじか いチューブ、カスタムメイドのイヤモールドで成 な り立 た つ。オープンイヤーフィットタイプのBTEも存在 そんざい する(詳 くわ しくはオープンイヤーフィット参照 さんしょう )。機種 きしゅ のレパートリーがもっとも豊富 ほうふ で、軽度 けいど から重度 じゅうど 難聴 なんちょう まで対応 たいおう できる[3] 。価格 かかく 帯 たい は幅広 はばひろ い[3] 。各種 かくしゅ の補聴 ほちょう 援助 えんじょ システムとの接続 せつぞく 機能 きのう も充実 じゅうじつ している[3] 。
補聴器 ほちょうき 本体 ほんたい を小型 こがた 化 か して、耳 みみ 内 ない に挿入 そうにゅう して使用 しよう する[4] 。既製 きせい 品 ひん もあるが、耳 みみ 型 がた を採 と り、イヤシェル(外 そと 殻 から )を作成 さくせい するオーダーメイドタイプが主流 しゅりゅう である[4] 。耳 みみ 介 かい 本来 ほんらい の集 しゅう 音 おん 効果 こうか (マイクロホン位置 いち の効果 こうか 、マイクまで利得 りとく )を利用 りよう することができるため、自然 しぜん な音質 おんしつ を実現 じつげん しやすい。一方 いっぽう 、小型 こがた のため操作 そうさ しにくい、搭載 とうさい される機能 きのう が制限 せいげん されるなど、サイズが小 ちい さくなることによるデメリットも生 しょう じる。レシーバー が小 ちい さくなるため大 おお きい出力 しゅつりょく が求 もと められる重度 じゅうど 難聴 なんちょう には向 む かない。
耳 みみ あな型 がた 補聴器 ほちょうき はシェルのサイズが大 おお きいものから①ITE(In The Ear)②ITC(In The Canal)③CIC(Completely In the Canal)に区別 くべつ される。
ITE (In The Ear)-耳 みみ 甲 かぶと 介 かい (Concha)を覆 おお うタイプ。サイズによってバリエーションがあり(耳 みみ 甲 かぶと 介 かい を完全 かんぜん に覆 おお うフルサイズやそれよりも小 ちい さいハーフサイズなど)、やや大 おお きい。耳 みみ 介 かい 型 がた とも呼 よ ばれる。耳 みみ 垢 あか が乾性 かんせい の場合 ばあい はよいが、湿性 しっせい の人 ひと には向 む かない[要 よう 出典 しゅってん ] 。
ITC (In The Canal)-カナル型 がた 補聴器 ほちょうき (ITC)。耳 みみ 珠 たま 付近 ふきん まで覆 おお うタイプ[4] 。
CIC (Completely In the Canal)-完全 かんぜん 外耳 がいじ 道 どう 挿入 そうにゅう 型 がた 。サイズが最 もっと も小 ちい さくもっとも目立 めだ ちにくい。
英語 えいご でIIC (Invisible In the Canal もしくはInternal In the Canal)。従来 じゅうらい からあったCIC型 がた 補聴器 ほちょうき よりもさらに、小型 こがた に収 おさ まり(鼓膜 こまく から3mm~10mm程度 ていど まで挿入 そうにゅう される)補聴器 ほちょうき 本体 ほんたい が全 まった く見 み えない形状 けいじょう 。外耳 がいじ 道 どう が細 ほそ く製造 せいぞう が困難 こんなん な場合 ばあい があるので補聴器 ほちょうき 専門 せんもん 店 てん で相談 そうだん するのが望 のぞ ましい。軽度 けいど から中等 ちゅうとう 度 ど 難聴 なんちょう に向 む いている。
ITCタイプ、BTEタイプが有 あ る。イヤモールドが密閉 みっぺい されていないため、自分 じぶん の声 こえ の響 ひび き・こもりが少 すく ない。ただし、ハウリングが発生 はっせい し易 やす くなる為 ため 、補聴器 ほちょうき にハウリングキャンセラーなどのハウリングを抑 おさ える機能 きのう が備 そな わっていなければいけない。軽 けい 等 とう 度 ど から中等 ちゅうとう 度 ど の難聴 なんちょう までの適応 てきおう 。
英語 えいご でRIC (Receiver in the Canal)。音 おと を出 だ すレシーバー(スピーカー)が耳 みみ の中 なか (外耳 がいじ 道 どう )に配置 はいち された耳 みみ かけ型 がた 補聴器 ほちょうき 。レシーバーを付 つ け替 か えることによって、軽度 けいど から高度 こうど 難聴 なんちょう まで対応 たいおう する。先端 せんたん にイヤモールドを装着 そうちゃく できる。
骨 ほね 伝導 でんどう を利用 りよう した補聴器 ほちょうき で、主 おも に伝 つて 音 おん 性 せい 難聴 なんちょう に適応 てきおう がある。耳 みみ 介 かい 後部 こうぶ の乳 ちち 突部に端子 たんし を圧着 あっちゃく する眼鏡 めがね 型 がた やカチューシャ型 がた などがある。骨 ほね 導 しるべ 端子 たんし は接触 せっしょく 面 めん に強 つよ く圧着 あっちゃく する必要 ひつよう があるため、装着 そうちゃく に不快 ふかい 感 かん を生 しょう じる場合 ばあい がある。
埋 う め込 こ み型 がた 骨 こつ 導 しるべ 補聴器 ほちょうき (骨 ほね 導 しるべ インプラント とも呼 よ ばれる)は側 がわ 頭骨 とうこつ に振動 しんどう エネルギーを直接 ちょくせつ 伝 つた えるため音 おと の減衰 げんすい がなく、音質 おんしつ 審美 しんび 性 せい からも優 すぐ れている[5] 。BAHA (Bone Anchored Hearing Aids)やBONEBRIDGEが開発 かいはつ ・臨床 りんしょう されている。
2017年 ねん 11月に販売 はんばい となった軟骨 なんこつ 伝導 でんどう 聴覚 ちょうかく を利用 りよう した補聴器 ほちょうき で、既存 きそん の補聴器 ほちょうき で対応 たいおう が難 むずか しい外耳 がいじ 道 どう 閉鎖 へいさ 症 しょう などの症例 しょうれい に対 たい して非常 ひじょう に効果 こうか があり、新 あら たな補聴 ほちょう 手段 しゅだん として期待 きたい される[6] 。耳 みみ かけ型 がた 補聴器 ほちょうき の先端 せんたん に端子 たんし を搭載 とうさい し、耳 みみ 甲 かぶと 介 かい 腔(concha)に圧着 あっちゃく する。快適 かいてき に長時間 ちょうじかん 装用 そうよう し続 つづ けられるという点 てん が評価 ひょうか されている[7] 。
寝 ね ている姿勢 しせい が多 おお く、耳 みみ 介 かい の柔 やわ らかい乳幼児 にゅうようじ のために、耳 みみ かけ型 がた 補聴器 ほちょうき を改造 かいぞう したもの[8] 。補聴器 ほちょうき 本体 ほんたい とポケット型 がた 補聴器 ほちょうき 用 よう イヤホンをコードで接続 せつぞく し、イヤホンを耳 みみ につけ、補聴器 ほちょうき 本体 ほんたい を衣服 いふく の肩 かた 部分 ぶぶん や首 くび 元 もと に装着 そうちゃく する[8] 。乳幼児 にゅうようじ のほか、日常 にちじょう 的 てき にバギーを使用 しよう する重複 じゅうふく 障害 しょうがい 児 こ で耳 みみ がヘッドレストに頻繁 ひんぱん に当 あ たってしまう場合 ばあい にも使用 しよう することがある[8] 。
CROS(クロス、contralateral routing of signals)補聴器 ほちょうき
編集 へんしゅう
聴力 ちょうりょく の左右 さゆう 差 さ が大 おお きく、患側が補聴 ほちょう 困難 こんなん の場合 ばあい に使用 しよう される。患側(聞 き こえにくい方 ほう )の補聴器 ほちょうき で受 う けた音信 いんしん 号 ごう を、健 けん 側 がわ (聞 き こえの良 よ い方 ほう )の補聴器 ほちょうき に微弱 びじゃく 電波 でんぱ で送信 そうしん する[8] 。CROS補聴器 ほちょうき では、送信 そうしん 機能 きのう のみで増幅 ぞうふく 機能 きのう はない[9] 。
健 けん 側 がわ が軽度 けいど 難聴 なんちょう で、患側が高度 こうど から重度 じゅうど 難聴 なんちょう などの場合 ばあい は、BICROS (バイクロ、Bilateral CROS) 補聴器 ほちょうき が使用 しよう されることがある[9] 。BICROS 補聴器 ほちょうき は、両 りょう 耳 みみ 間 あいだ 通信 つうしん 機能 きのう をもつ補聴器 ほちょうき を両 りょう 耳 みみ に装用 そうよう して患側の補聴器 ほちょうき で受 う けた音信 いんしん 号 ごう を、健 けん 側 がわ の補聴器 ほちょうき に微弱 びじゃく 電波 でんぱ で送信 そうしん する方式 ほうしき で、送信 そうしん に加 くわ えて増幅 ぞうふく の機能 きのう が加 くわ わる[9] 。
CROS補聴器 ほちょうき の使用 しよう によって、患側からの音 おと の聴取 ちょうしゅ は改善 かいぜん することになるが、両 りょう 耳 みみ 聴 による音 おと の方向 ほうこう 感 かん 知覚 ちかく が改善 かいぜん するわけではない[9] 。
補聴器 ほちょうき はパワーを上 あ げ、なおかつ小 ちい さくなるように進歩 しんぽ している。それは電子 でんし 工学 こうがく の進歩 しんぽ と歩調 ほちょう を揃 そろ えている。ただし、近年 きんねん はファッション性 せい を重視 じゅうし して「魅 み せる補聴器 ほちょうき 」とする動向 どうこう もある。
初期 しょき の補聴器 ほちょうき は真空 しんくう 管 かん を使用 しよう しており、弁当 べんとう 箱 ばこ ほどの大 おお きさだった。1950年代 ねんだい 中頃 なかごろ にはトランジスタ化 か により小型 こがた 化 か され、タバコ箱 ばこ ぐらいの大 おお きさになった[10] (ポケット型 がた 補聴器 ほちょうき )。いずれも、受信 じゅしん 部 ぶ ・バッテリーが収 おさ まった箱 はこ をポケットに入 い れていた。そして「イヤモールド 」と呼 よ ばれる、耳 みみ の穴 あな にはめ込 こ む樹脂 じゅし 殻 から と細 ほそ いケーブルでつながっていた。
1960年代 ねんだい 中頃 なかごろ には集積 しゅうせき 回路 かいろ 化 か により外耳 がいじ の上部 じょうぶ に引 ひ っ掛 か けるような形 かたち の耳 みみ かけ型 がた 補聴器 ほちょうき が現 あらわ れた[10] (外耳 がいじ の上部 じょうぶ に引 ひ っ掛 か ける機具 きぐ の中 なか に、受信 じゅしん 部 ぶ ・バッテリーが入 はい った。これらとイヤモールドは短 みじか いチューブでつながっていた)。
1970年代 ねんだい 中頃 なかごろ には耳 みみ の内部 ないぶ に入 い れるタイプの耳 みみ 穴 あな 型 がた 補聴器 ほちょうき が現 あらわ れた[10] (イヤモールドの中 なか に受信 じゅしん 部 ぶ ・バッテリーなどが全 すべ て入 はい った)。
それまでの補聴器 ほちょうき (アナログ補聴器 ほちょうき )は単純 たんじゅん に音 おと を増幅 ぞうふく するだけだったが、1990年代 ねんだい には音 おと をデジタル信号 しんごう に変換 へんかん して処理 しょり するデジタル補聴器 ほちょうき が現 あらわ れた[11] 。日本 にっぽん では1999年 ねん には毎年 まいとし 6月6日 にち が「補聴器 ほちょうき の日 ひ 」に制定 せいてい された。
2010年代 ねんだい から2020年代 ねんだい にかけて、人工 じんこう 知能 ちのう (AI)を利用 りよう した外国 がいこく 語 ご 翻訳 ほんやく 機能 きのう や、インターネット と接続 せつぞく したスマートフォン と連動 れんどう 機能 きのう などを有 ゆう した補聴器 ほちょうき が開発 かいはつ ・商品 しょうひん 化 か されている[12] 。
補聴器 ほちょうき の扱 あつか い方 かた と注意 ちゅうい 事項 じこう
編集 へんしゅう
補聴器 ほちょうき は洗 あら わない。
補聴器 ほちょうき を着 つ けたまま、シャワーを浴 あ びたり、お風呂 ふろ やプールに入 はい ったりしない。
誤 あやま って水 みず につけた場合 ばあい でもオーブンや電子 でんし レンジで乾 かわ かさず、補聴器 ほちょうき 専門 せんもん 店 てん で点検 てんけん をしてもらうこと。
外耳 がいじ 道内 どうない に部品 ぶひん を落 お としたりせぬように注意 ちゅうい する。
補聴器 ほちょうき にヘアスプレーをかけない。万 まん が一 いち 補聴器 ほちょうき に噴射 ふんしゃ した場合 ばあい は補聴器 ほちょうき 専門 せんもん 店 てん でメンテナンスを行 おこな うこと。
日 ひ の当 あ たる車内 しゃない に補聴器 ほちょうき を放置 ほうち しないこと。
近年 きんねん 、新聞 しんぶん 広告 こうこく やインターネットによる通信 つうしん 販売 はんばい により消費 しょうひ 者 しゃ トラブルが急増 きゅうぞう している(下記 かき の表 ひょう を参照 さんしょう )。特 とく に代金 だいきん 前払 まえばらい 後 ご に「商品 しょうひん が届 とど かない」「別 べつ の商品 しょうひん が届 とど いた」「トラブル後 ご に連絡 れんらく がつかない」「サイトそのものが架空 かくう であった」などの相談 そうだん が2012年 ねん から急激 きゅうげき な増加 ぞうか 傾向 けいこう を示 しめ している。
年 とし
2009
2010
2011
2012
2013
相談 そうだん 件数 けんすう
542
687
876
1841
4165
補聴器 ほちょうき には、電話 でんわ の声 こえ がき取 きと りやすくなるよう、受話器 じゅわき のスピーカーが発 はっ する磁気 じき を受信 じゅしん し、その信号 しんごう を増幅 ぞうふく する機能 きのう がついているものがある(この機能 きのう がついている補聴器 ほちょうき には「T」(テレコイル)という切 き り換 か えスイッチがついている。「T」に切 き り換 か えると、内蔵 ないぞう マイクからの音声 おんせい を拾 ひろ わなくなるため雑音 ざつおん が低下 ていか し、声 こえ をき取 きと りやすくなる。また、最近 さいきん では磁気 じき 誘導 ゆうどう ループ という磁界 じかい を発生 はっせい させる装置 そうち もあり、そのサービスを提供 ていきょう してもらえる場所 ばしょ では、同 おな じく「T」に切 き り換 か えることでクリアな音声 おんせい を得 え られる。
補聴器 ほちょうき の中 なか には、無線 むせん による信号 しんごう の送受信 そうじゅしん を可能 かのう とする機能 きのう を持 も っているものがある。別途 べっと 、レシーバーが必要 ひつよう となる製品 せいひん が多 おお いが、内蔵 ないぞう されている補聴器 ほちょうき もある。
無線 むせん により送話 そうわ 者 しゃ の音声 おんせい を直接 ちょくせつ 、補聴器 ほちょうき に伝達 でんたつ する機能 きのう 。周波数 しゅうはすう 変調 へんちょう (FM)方式 ほうしき を採用 さいよう している。教室 きょうしつ での講義 こうぎ など、比較的 ひかくてき 広 ひろ い場所 ばしょ でノイズ、反響 はんきょう 音 おん の影響 えいきょう を受 う けやすい状況 じょうきょう 下 か での聞 き こえやすさを向上 こうじょう することができる。電波 でんぱ 法 ほう 令 れい で補聴 ほちょう 援助 えんじょ 用 よう として次 つぎ の周波数 しゅうはすう が割 わ り当 あ てられている。
無線 むせん の伝達 でんたつ 手段 しゅだん として、Bluetooth を採用 さいよう しているものも存在 そんざい する。携帯 けいたい 電話 でんわ や携帯 けいたい オーディオ機器 きき などから補聴器 ほちょうき へと、デジタル信号 しんごう の直接 ちょくせつ 送信 そうしん が可能 かのう となる為 ため 、ノイズ、雑音 ざつおん の影響 えいきょう をほとんど抑制 よくせい した状態 じょうたい で外部 がいぶ 入力 にゅうりょく を受信 じゅしん することが可能 かのう となっている。デジタル機器 きき との親和 しんわ 性 せい が高 たか い。日本 にっぽん では2014年 ねん 頃 ごろ からスマートフォン連動 れんどう 型 がた のものが登場 とうじょう している。
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