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補聴器 - Wikipedia

補聴器ほちょうき(ほちょうき、英語えいご: hearing aid)は、よわいなどで聴力ちょうりょくおとろえたひと聴覚ちょうかく障害しょうがいしゃのききとりを補助ほじょする装具そうぐである。マイクロホンアンプレシーバーから構成こうせいされ、交換こうかんよう補聴器ほちょうき専用せんよう空気くうき電池でんち電源でんげんである。またたんおと増幅ぞうふくする単純たんじゅんおと処理しょりではなく、聴力ちょうりょくわせた調整ちょうせい必要ひつようで、みみ障害しょうがいあたえかねないほどのつよぎるおと出力しゅつりょくしないようにする出力しゅつりょく制限せいげん装置そうちそなえていなければならない。聴覚ちょうかく障害しょうがい程度ていどめるためには聴力ちょうりょく検査けんさ測定そくてい)が必須ひっすであり、じゅんおと検査けんさかたりおん検査けんさのどちらも重要じゅうようになる。

日本にっぽんにおいては厚生こうせい労働省ろうどうしょう医薬品いやくひん医薬いやく部外ぶがいひん化粧けしょうひんおよ医療いりょう機器きき製造せいぞう販売はんばい安全あんぜん管理かんり基準きじゅんかんする省令しょうれいアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく米国べいこく)においてはアメリカ食品しょくひん医薬品いやくひんきょく(FDA)の規制きせいける。それ以外いがいのものは、日本にっぽんにおいては補聴器ほちょうき米国べいこくにおいてはhearing aidとしょうすることはできない。補聴器ほちょうき専門せんもんてん購入こうにゅうするのが一般いっぱんてきであるが、日本にっぽんではメガネてんられるケースもおおい。この理由りゆうには、がかすんだりろう老眼ろうがん)でちかくのものがえにくいきゃくと、みみとおくなり店員てんいんとの会話かいわ成立せいりつしにくいきゃくとの接客せっきゃくているてん指摘してきされる。このため、メガネを購入こうにゅうきゃく店員てんいんとの意思いし疎通そつうがスムーズにできない場合ばあいがあり、いつごろからかメガネてん補聴器ほちょうきあつかいだした[1]

概要がいよう

編集へんしゅう

補聴器ほちょうきは、難聴なんちょうによるこえの問題もんだい解決かいけつすることを目的もくてきとしたおと増幅器ぞうふくきである。形状けいじょう多種たしゅ多様たようであるがおおむ小型こがたである。基本きほんてき入力にゅうりょく増幅ぞうふく出力しゅつりょく電源でんげんの4つの部分ぶぶんから構成こうせいされる。増幅ぞうふく電気でんきてきあるいは電子でんしてきおこなわれ、単純たんじゅんおと拡大かくだいするだけでなく、おと感度かんどダイナミックレンジ周波数しゅうはすう分解能ぶんかいのう時間じかん分解能ぶんかいのう方向ほうこうせいといった要素ようそ考慮こうりょしながら増幅ぞうふくおこなう。また必要ひつようおうじて 不要ふよう雑音ざつおんをカットし、SN向上こうじょうさせることによりこえやすさを追求ついきゅうしている。

2000年代ねんだいはいると、アナログ補聴器ほちょうきからデジタル補聴器ほちょうきへの移行いこうすすみ、そのはデジタル補聴器ほちょうき主流しゅりゅうとなりつつある。デジタル補聴器ほちょうきは、ソフトウェアじょうでその特性とくせい変更へんこうすることが可能かのうであり、調整ちょうせい非常ひじょう容易ようい即時そくじおこなうことができる。また、デジタル制御せいぎょにより高度こうど複雑ふくざつ処理しょり可能かのうとなり、最近さいきん補聴器ほちょうき飛躍ひやくてき性能せいのう向上こうじょう貢献こうけんしている。補聴器ほちょうきは、日本にっぽん国内こくないでは医薬品いやくひん医療いりょう機器ききとうほうにおいて管理かんり医療いりょう機器きき(クラスII)に指定していされており、法的ほうてき規制きせいおこなわれている。医薬品いやくひん医療いりょう機器ききとうほう規制きせいけないものはしゅうおんなどに分類ぶんるいされ、補聴器ほちょうきとはことなる。使用しようにあたっては基本きほんてき個人こじん聴力ちょうりょく使用しようじょうきょうわせた調整ちょうせい(フィッティング)が必要ひつようであり、補聴器ほちょうき専門せんもんてんあつかいのあるみせまたは医療いりょう機関きかん調節ちょうせつする必要ひつようがある。

日本にっぽん身体しんたい障害しょうがいしゃ福祉ふくしほう制定せいていされたのは1949ねん昭和しょうわ24ねん12月26にちであり、この法律ほうりつ対応たいおうするため補聴器ほちょうき開発かいはつ発売はつばいはじめられた。小林こばやし理研りけん製作所せいさくしょげんリオン)により1948ねん昭和しょうわ23ねん)には国産こくさん最初さいしょ補聴器ほちょうき発売はつばいされ、1950ねん昭和しょうわ25ねん)に身体しんたい障害しょうがいしゃ福祉ふくしほう品目ひんもく指定していけた。また、1956ねん昭和しょうわ31ねん)には国産こくさんはつトランジスター補聴器ほちょうき発売はつばいされた。このようにして、おおくの聴力ちょうりょく障害しょうがいしゃ補聴器ほちょうき支給しきゅうされるようになった。この聴覚ちょうかく障害しょうがい等級とうきゅうひょうにはオージオメータでの聴力ちょうりょく測定そくてい結果けっかによる聴力ちょうりょく損失そんしつのちに10db加算かさんされ聴力ちょうりょくレベルになる)でのきゅうべつ以外いがいに、「りょうみみぜんろう」「みみかいせっしなければ大声おおごえ理解りかいないもの」「りょうみみによる普通ふつうばなしごえ最良さいりょうかたりおん明瞭めいりょうが50パーセント以下いかのもの」「40センチメートル以上いじょう距離きょり発声はっせいされた会話かいわ理解りかいないもの」との検査けんさしゃ発声はっせい現在げんざいでも基準きじゅんになっている。かたりおんによる検査けんさ同様どうようである。

構造こうぞう

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補聴器ほちょうきは、マイクアンプレシーバーから[2]。マイクは音波おんぱ電気でんき信号しんごう変換へんかんし、アンプで電気でんき信号しんごう増幅ぞうふくし、レシーバーで増幅ぞうふくした電気でんき信号しんごう音波おんぱ変換へんかんし、おともどして出力しゅつりょくする[2]。このアンプがアナログ処理しょりものをアナログ補聴器ほちょうきび、デジタル処理しょりものをデジタル補聴器ほちょうきぶ。また、補聴器ほちょうき調節ちょうせつがデジタルなアナログ補聴器ほちょうきを、プログラマブル補聴器ほちょうきぶ。現在げんざい市場いちば出回でまわっているデジタル補聴器ほちょうきは、アンプ・調節ちょうせつともにデジタルな「フルデジタル補聴器ほちょうき」である。補聴器ほちょうき電源でんげんとしてはおも空気くうき亜鉛あえん電池でんち使用しようされている。最近さいきんではみみがた補聴器ほちょうきにおいて、充電じゅうでんしきのリチウムイオン電池でんちぎん亜鉛あえん電池でんち使用しようしたものも販売はんばいされている。防水ぼうすい腕時計うでどけい同様どうように、あせあめなどによる水分すいぶん侵入しんにゅうよわい(一部いちぶには、防水ぼうすい補聴器ほちょうきもある)。

イヤモールド

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補聴器ほちょうきなかにはイヤモールドとばれる樹脂じゅしからでできたみみせんを使用しようしたタイプのものが存在そんざいする。イヤモールドは装着そうちゃくしゃ外耳がいじ形状けいじょうわせたオーダーメイドのみみせんであり、装着そうちゃく安定あんていハウリングおとれ)の防止ぼうし音響おんきょう安定あんてい目的もくてきつくられる。補聴器ほちょうき専門せんもんてん相談そうだんするのがのぞましい。

補聴器ほちょうき種類しゅるい

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補聴器ほちょうき種々しゅじゅのタイプ

装用そうよう部位ぶいによる分類ぶんるい

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補聴器ほちょうきはその装用そうよう部位ぶい対応たいおうした形状けいじょうによって、いくつかのタイプに分類ぶんるいされる。現在げんざい市販しはんされている補聴器ほちょうきについておおまかな分類ぶんるい特徴とくちょう下記かきしめす。

ポケットがたはこがた補聴器ほちょうき

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はこがたのタイプ。20世紀せいき初頭しょとうベル研究所けんきゅうじょハーヴェイ・フレッチャーによって発明はつめいされた。この補聴器ほちょうきはアンプがふくまれるケースと、みみあなにはめイヤモールドばれる樹脂じゅしからつ。現在げんざいではおよそタバコばこ程度ていどおおきさになっており、ポケットかベルトに装着そうちゃくする。メーカーによってことなるが、重度じゅうど難聴なんちょういているとされる。

みみかけがた補聴器ほちょうき(BTE)

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もっともおお使用しようされているタイプ[3]英語えいごBTE(Behind The Ear)といい、みみかいうしろにけるかたち補聴器ほちょうき小型こがたのアンプケースとみじかいチューブ、カスタムメイドのイヤモールドでつ。オープンイヤーフィットタイプのBTEも存在そんざいする(くわしくはオープンイヤーフィット参照さんしょう)。機種きしゅのレパートリーがもっとも豊富ほうふで、軽度けいどから重度じゅうど難聴なんちょうまで対応たいおうできる[3]価格かかくたい幅広はばひろ[3]各種かくしゅ補聴ほちょう援助えんじょシステムとの接続せつぞく機能きのう充実じゅうじつしている[3]

みみあながた補聴器ほちょうき

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補聴器ほちょうき本体ほんたい小型こがたして、みみない挿入そうにゅうして使用しようする[4]既製きせいひんもあるが、みみがたり、イヤシェル(そとから)を作成さくせいするオーダーメイドタイプが主流しゅりゅうである[4]みみかい本来ほんらいしゅうおん効果こうか(マイクロホン位置いち効果こうか、マイクまで利得りとく)を利用りようすることができるため、自然しぜん音質おんしつ実現じつげんしやすい。一方いっぽう小型こがたのため操作そうさしにくい、搭載とうさいされる機能きのう制限せいげんされるなど、サイズがちいさくなることによるデメリットもしょうじる。レシーバーちいさくなるためおおきい出力しゅつりょくもとめられる重度じゅうど難聴なんちょうにはかない。 みみあながた補聴器ほちょうきはシェルのサイズがおおきいものから①ITE(In The Ear)②ITC(In The Canal)③CIC(Completely In the Canal)に区別くべつされる。

  • ITE(In The Ear)-みみかぶとかい(Concha)をおおうタイプ。サイズによってバリエーションがあり(みみかぶとかい完全かんぜんおおうフルサイズやそれよりもちいさいハーフサイズなど)、ややおおきい。みみかいがたともばれる。みみあか乾性かんせい場合ばあいはよいが、湿性しっせいひとにはかない[よう出典しゅってん]
  • ITC(In The Canal)-カナルがた補聴器ほちょうき(ITC)。みみたま付近ふきんまでおおうタイプ[4]
  • CIC(Completely In the Canal)-完全かんぜん外耳がいじどう挿入そうにゅうがた。サイズがもっとちいさくもっとも目立めだちにくい。

IICがた補聴器ほちょうき(IIC)

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英語えいごIIC(Invisible In the Canal もしくはInternal In the Canal)。従来じゅうらいからあったCICがた補聴器ほちょうきよりもさらに、小型こがたおさまり(鼓膜こまくから3mm~10mm程度ていどまで挿入そうにゅうされる)補聴器ほちょうき本体ほんたいまったえない形状けいじょう外耳がいじどうほそ製造せいぞう困難こんなん場合ばあいがあるので補聴器ほちょうき専門せんもんてん相談そうだんするのがのぞましい。軽度けいどから中等ちゅうとう難聴なんちょういている。

その分類ぶんるい

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オープンイヤーがた補聴器ほちょうき

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ITCタイプ、BTEタイプがる。イヤモールドが密閉みっぺいされていないため、自分じぶんこえひびき・こもりがすくない。ただし、ハウリングが発生はっせいやすくなるため補聴器ほちょうきにハウリングキャンセラーなどのハウリングをおさえる機能きのうそなわっていなければいけない。けいとうから中等ちゅうとう難聴なんちょうまでの適応てきおう

RICがた補聴器ほちょうき(RIC)

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英語えいごRIC(Receiver in the Canal)。おとすレシーバー(スピーカー)がみみなか外耳がいじどう)に配置はいちされたみみかけがた補聴器ほちょうき。レシーバーをえることによって、軽度けいどから高度こうど難聴なんちょうまで対応たいおうする。先端せんたんにイヤモールドを装着そうちゃくできる。

ほね伝導でんどうがた補聴器ほちょうき

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ほね伝導でんどう利用りようした補聴器ほちょうきで、おもつておんせい難聴なんちょう適応てきおうがある。みみかい後部こうぶちち突部に端子たんし圧着あっちゃくする眼鏡めがねがたやカチューシャがたなどがある。ほねしるべ端子たんし接触せっしょくめんつよ圧着あっちゃくする必要ひつようがあるため、装着そうちゃく不快ふかいかんしょうじる場合ばあいがある。

がた補聴器ほちょうき

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がたこつしるべ補聴器ほちょうきほねしるべインプラントともばれる)はがわ頭骨とうこつ振動しんどうエネルギーを直接ちょくせつつたえるためおと減衰げんすいがなく、音質おんしつ審美しんびせいからもすぐれている[5]BAHA(Bone Anchored Hearing Aids)やBONEBRIDGEが開発かいはつ臨床りんしょうされている。

軟骨なんこつ伝導でんどうがた補聴器ほちょうき

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2017ねん11月に販売はんばいとなった軟骨なんこつ伝導でんどう聴覚ちょうかく利用りようした補聴器ほちょうきで、既存きそん補聴器ほちょうき対応たいおうむずかしい外耳がいじどう閉鎖へいさしょうなどの症例しょうれいたいして非常ひじょう効果こうかがあり、あらたな補聴ほちょう手段しゅだんとして期待きたいされる[6]みみかけがた補聴器ほちょうき先端せんたん端子たんし搭載とうさいし、みみかぶとかい腔(concha)に圧着あっちゃくする。快適かいてき長時間ちょうじかん装用そうようつづけられるというてん評価ひょうかされている[7]

ベビーがた補聴器ほちょうき

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ている姿勢しせいおおく、みみかいやわらかい乳幼児にゅうようじのために、みみかけがた補聴器ほちょうき改造かいぞうしたもの[8]補聴器ほちょうき本体ほんたいとポケットがた補聴器ほちょうきようイヤホンをコードで接続せつぞくし、イヤホンをみみにつけ、補聴器ほちょうき本体ほんたい衣服いふくかた部分ぶぶんくびもと装着そうちゃくする[8]乳幼児にゅうようじのほか、日常にちじょうてきにバギーを使用しようする重複じゅうふく障害しょうがいみみがヘッドレストに頻繁ひんぱんたってしまう場合ばあいにも使用しようすることがある[8]

CROS(クロス、contralateral routing of signals)補聴器ほちょうき

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聴力ちょうりょく左右さゆうおおきく、患側が補聴ほちょう困難こんなん場合ばあい使用しようされる。患側(こえにくいほう)の補聴器ほちょうきけた音信いんしんごうを、けんがわ(こえのほう)の補聴器ほちょうき微弱びじゃく電波でんぱ送信そうしんする[8]。CROS補聴器ほちょうきでは、送信そうしん機能きのうのみで増幅ぞうふく機能きのうはない[9]けんがわ軽度けいど難聴なんちょうで、患側が高度こうどから重度じゅうど難聴なんちょうなどの場合ばあいは、BICROS (バイクロ、Bilateral CROS) 補聴器ほちょうき使用しようされることがある[9]。BICROS 補聴器ほちょうきは、りょうみみあいだ通信つうしん機能きのうをもつ補聴器ほちょうきりょうみみ装用そうようして患側の補聴器ほちょうきけた音信いんしんごうを、けんがわ補聴器ほちょうき微弱びじゃく電波でんぱ送信そうしんする方式ほうしきで、送信そうしんくわえて増幅ぞうふく機能きのうくわわる[9]。 CROS補聴器ほちょうき使用しようによって、患側からのおと聴取ちょうしゅ改善かいぜんすることになるが、りょうみみによるおと方向ほうこうかん知覚ちかく改善かいぜんするわけではない[9]

補聴器ほちょうき進歩しんぽ

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補聴器ほちょうきはパワーをげ、なおかつちいさくなるように進歩しんぽしている。それは電子でんし工学こうがく進歩しんぽ歩調ほちょうそろえている。ただし、近年きんねんはファッションせい重視じゅうしして「せる補聴器ほちょうき」とする動向どうこうもある。

初期しょき補聴器ほちょうき真空しんくうかん使用しようしており、弁当べんとうばこほどのおおきさだった。1950年代ねんだい中頃なかごろにはトランジスタにより小型こがたされ、タバコばこぐらいのおおきさになった[10](ポケットがた補聴器ほちょうき)。いずれも、受信じゅしん・バッテリーがおさまったはこをポケットにれていた。そして「イヤモールド」とばれる、みみあなにはめ樹脂じゅしからほそいケーブルでつながっていた。

1960年代ねんだい中頃なかごろには集積しゅうせき回路かいろにより外耳がいじ上部じょうぶけるようなかたちみみかけがた補聴器ほちょうきあらわれた[10]外耳がいじ上部じょうぶける機具きぐなかに、受信じゅしん・バッテリーがはいった。これらとイヤモールドはみじかいチューブでつながっていた)。

1970年代ねんだい中頃なかごろにはみみ内部ないぶれるタイプのみみあながた補聴器ほちょうきあらわれた[10](イヤモールドのなか受信じゅしん・バッテリーなどがすべはいった)。

それまでの補聴器ほちょうき(アナログ補聴器ほちょうき)は単純たんじゅんおと増幅ぞうふくするだけだったが、1990年代ねんだいにはおとをデジタル信号しんごう変換へんかんして処理しょりするデジタル補聴器ほちょうきあらわれた[11]日本にっぽんでは1999ねんには毎年まいとし6月6にちが「補聴器ほちょうき」に制定せいていされた。

2010年代ねんだいから2020年代ねんだいにかけて、人工じんこう知能ちのう(AI)を利用りようした外国がいこく翻訳ほんやく機能きのうや、インターネット接続せつぞくしたスマートフォン連動れんどう機能きのうなどをゆうした補聴器ほちょうき開発かいはつ商品しょうひんされている[12]

補聴器ほちょうきあつかかた注意ちゅうい事項じこう

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  • 補聴器ほちょうきあらわない。
  • 補聴器ほちょうきけたまま、シャワーをびたり、お風呂ふろやプールにはいったりしない。
  • あやまってみずにつけた場合ばあいでもオーブンや電子でんしレンジでかわかさず、補聴器ほちょうき専門せんもんてん点検てんけんをしてもらうこと。
  • 外耳がいじ道内どうない部品ぶひんとしたりせぬように注意ちゅういする。
  • 補聴器ほちょうきにヘアスプレーをかけない。まんいち補聴器ほちょうき噴射ふんしゃした場合ばあい補聴器ほちょうき専門せんもんてんでメンテナンスをおこなうこと。
  • たる車内しゃない補聴器ほちょうき放置ほうちしないこと。

通信つうしん販売はんばいによるトラブル

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近年きんねん新聞しんぶん広告こうこくやインターネットによる通信つうしん販売はんばいにより消費しょうひしゃトラブルが急増きゅうぞうしている(下記かきひょう参照さんしょう)。とく代金だいきん前払まえばらいに「商品しょうひんとどかない」「べつ商品しょうひんとどいた」「トラブル連絡れんらくがつかない」「サイトそのものが架空かくうであった」などの相談そうだんが2012ねんから急激きゅうげき増加ぞうか傾向けいこうしめしている。

とし 2009 2010 2011 2012 2013
相談そうだん件数けんすう 542 687 876 1841 4165

補聴器ほちょうきには、電話でんわこえがききとりやすくなるよう、受話器じゅわきのスピーカーがはっする磁気じき受信じゅしんし、その信号しんごう増幅ぞうふくする機能きのうがついているものがある(この機能きのうがついている補聴器ほちょうきには「T」(テレコイル)というえスイッチがついている。「T」にえると、内蔵ないぞうマイクからの音声おんせいひろわなくなるため雑音ざつおん低下ていかし、こえをききとりやすくなる。また、最近さいきんでは磁気じき誘導ゆうどうループという磁界じかい発生はっせいさせる装置そうちもあり、そのサービスを提供ていきょうしてもらえる場所ばしょでは、おなじく「T」にえることでクリアな音声おんせいられる。

無線むせん周波しゅうは送信そうしん

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補聴器ほちょうきなかには、無線むせんによる信号しんごう送受信そうじゅしん可能かのうとする機能きのうっているものがある。別途べっと、レシーバーが必要ひつようとなる製品せいひんおおいが、内蔵ないぞうされている補聴器ほちょうきもある。

無線むせんにより送話そうわしゃ音声おんせい直接ちょくせつ補聴器ほちょうき伝達でんたつする機能きのう周波数しゅうはすう変調へんちょう(FM)方式ほうしき採用さいようしている。教室きょうしつでの講義こうぎなど、比較的ひかくてきひろ場所ばしょでノイズ、反響はんきょうおん影響えいきょうけやすい状況じょうきょうでのこえやすさを向上こうじょうすることができる。電波でんぱほうれい補聴ほちょう援助えんじょようとしてつぎ周波数しゅうはすうてられている。

周波数しゅうはすう 送信そうしん出力しゅつりょく 特徴とくちょう
169.4125 - 169.7875MHz 25kHzきろへるつ間隔かんかく 16

75.2125 - 75.5875MHz 12.5kHzきろへるつ間隔かんかく 31
75.2250 - 75.5750MHz 25kHzきろへるつ間隔かんかく 15
75.2625 - 75.5125MHz 62.5kHzきろへるつ間隔かんかく 5

10mW 補聴ほちょう援助えんじょようラジオマイクよう特定とくていしょう電力でんりょく無線むせんきょくとして免許めんきょ必要ひつようとせず使用しようできる。

169MHzたい欧州おうしゅう補聴ほちょう援助えんじょようてられた周波数しゅうはすうふくむ。

無線むせん伝達でんたつ手段しゅだんとして、Bluetooth採用さいようしているものも存在そんざいする。携帯けいたい電話でんわ携帯けいたいオーディオ機器ききなどから補聴器ほちょうきへと、デジタル信号しんごう直接ちょくせつ送信そうしん可能かのうとなるため、ノイズ、雑音ざつおん影響えいきょうをほとんど抑制よくせいした状態じょうたい外部がいぶ入力にゅうりょく受信じゅしんすることが可能かのうとなっている。デジタル機器ききとの親和しんわせいたかい。日本にっぽんでは2014ねんごろからスマートフォン連動れんどうがたのものが登場とうじょうしている。

脚注きゃくちゅう

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出典しゅってん

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  1. ^ なぜメガネてん補聴器ほちょうきるのか 大手おおてチェーンにいた 日刊にっかんゲンダイDIGITAL(2016ねん3がつ27にち)2022ねん8がつ21にち閲覧えつらん
  2. ^ a b 言語げんご発達はったつ障害しょうがいがくだい3はん, p. 130.
  3. ^ a b c d 言語げんご発達はったつ障害しょうがいがくだい3はん, p. 131
  4. ^ a b c 言語げんご発達はったつ障害しょうがいがくだい3はん, p. 132
  5. ^ 宇佐美うさみ真一しんいちがたこつしるべ補聴器ほちょうき」『日本にっぽん耳鼻咽喉科じびいんこうか学会がっかい会報かいほうだい118かんだい3ごう日本にっぽん耳鼻咽喉科じびいんこうか学会がっかい、2015ねん、252-253、doi:10.3950/jibiinkoka.118.252ISSN 0030-6622 
  6. ^ 西村にしむらただしおのれ細井ほそい裕司ゆうじ森本もりもと千裕ちひろ ほか「軟骨なんこつ伝導でんどう補聴器ほちょうき希望きぼうしゃ受診じゅしん契機けいきについて」『日本にっぽん耳鼻咽喉科じびいんこうか学会がっかい会報かいほうだい122かんだい12ごう日本にっぽん耳鼻咽喉科じびいんこうか学会がっかい、2019ねん12がつ20日はつか、1522-1527、doi:10.3950/jibiinkoka.122.1522ISSN 0030-6622 
  7. ^ したくら良太りょうた細井ほそい裕司ゆうじ西村にしむらただしおのれ ほか「質問しつもんもちいた軟骨なんこつ伝導でんどう補聴器ほちょうき自己じこ評価ひょうか」『AUDIOLOGY JAPAN』だい60かんだい3ごう日本にっぽん聴覚ちょうかく学会がっかい、2017ねん、168-176ぺーじdoi:10.4295/audiology.60.168ISSN 0303-8106 
  8. ^ a b c d 言語げんご発達はったつ障害しょうがいがくだい3はん, p. 133
  9. ^ a b c d 言語げんご発達はったつ障害しょうがいがくだい3はん, p. 134
  10. ^ a b c 小林こばやし理研りけんニュース No.21. 小林こばやし理学りがく研究所けんきゅうじょ. (1988). http://www.kobayasi-riken.or.jp/news/No21/21_3.htm 2021ねん5がつ5にち閲覧えつらん. 
  11. ^ デジタル補聴器ほちょうきとアナログ補聴器ほちょうき | 補聴器ほちょうきについて”. 補聴器ほちょうき | Panasonic. 2021ねん9がつ27にち閲覧えつらん
  12. ^ おぎなうをえて 人工じんこう感覚かんかくえる世界せかい】<聴覚ちょうかく>米国べいこくはつ 進化しんかする補聴器ほちょうき自動じどう翻訳ほんやく転倒てんとう通知つうち みみにAIはしまつ朝日新聞あさひしんぶん朝刊ちょうかん2022ねん6がつ19にち Asahi Shimbun GLOBE(G1めん

参考さんこう文献ぶんけん

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関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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