(Translated by https://www.hiragana.jp/)
讃岐弁 - Wikipedia

讃岐さぬきべん

香川かがわけん使用しようされる日本語にほんご方言ほうげん

讃岐さぬきべん(さぬきべん)は、香川かがわけんきゅう讃岐さぬきこく)で使用しようされる日本語にほんご方言ほうげんである。四国しこく方言ほうげん一種いっしゅ。アクセントは京阪けいはんしきアクセント亜種あしゅである讃岐さぬきしきアクセント県内けんないではひがし西にしちがいがあり、おおまかにひがしさんべん西にしさんべん区別くべつされるが、現在げんざい[いつ?]東西とうざいすくなくなっており、メディアの発達はったつともない、わか世代せだい中心ちゅうしん共通きょうつうすすんでいる。

綾上あやかみまちげん綾川あやかわまち)にて
塩江しおえまちげん高松たかまつ)のバス停ばすてい

概要がいよう 編集へんしゅう

古来こらいより瀬戸内海せとないかいとおした海上かいじょう交通こうつうさかんであったため、関西かんさい方面ほうめんほか各地かくちからの影響えいきょうつねけてきた。四国しこく方言ほうげん分類ぶんるいされるが、徳島とくしまべん同様どうよう近畿きんき方言ほうげんちか部分ぶぶんがある。それ四国しこく方言ほうげん近畿きんき方言ほうげんれないひと讃岐さぬきべん徳島とくしまべんくと、近畿きんき方言ほうげんであると勘違かんちがいする場合ばあいがある。一方いっぽうで、讃岐さぬきべん四国しこく方言ほうげん同様どうよう中国ちゅうごく方言ほうげん共通きょうつうする表現ひょうげん存在そんざいする。たとえば、「〜だから」にたる「〜やけん」の使用しようは、岡山おかやまべん広島ひろしまべん使つかわれる「〜けん」「〜けえ」と共通きょうつうしている。

地域ちいきはあるが、「アウ」などのれん母音ぼいんきら傾向けいこうられる。たとえば関西かんさいでは「〜ちゃうん?(〜じゃないの?)」といういいまわしがあり、「アウ」はそのまま発音はつおんされるが、讃岐さぬきべんのそれに対応たいおうする表現ひょうげんではれん母音ぼいん変化へんかして「〜ちゃん」や「〜ちゃあん」にちか発音はつおんとなる。このような疑問ぎもんぶんには、さらに疑問ぎもん意思いし強調きょうちょうするために語尾ごびに「な」をしばしばける。 れいなにやっとんな? そうちゃんな? ってくんな?(ってくかい?)

方言ほうげんにもあることだが、前後ぜんごぶんから意味いみらないと意味いみわからないほどに音節おんせつみじかくなることがしばしばある。 れい)「なんこといよん?」→「なによん?」 「なんでそうやってげんうん?」→「なんそやってゅん?」

また、促音便そくおんびん撥音便はつおんびんとく促音便そくおんびん地域ちいきくらべて発達はったつしている。「おもしろい」→「おもっしょい」、「なぐりあい」→「なぐっりゃい」、「わりをす」→「わっりょす」、「にぎやか」→「にんぎゃか・にっぎゃか」、「おしえる」→「おっせる」、「わすれる」→「わっせる」、「おこられる」→「おんかれる・おっかれる」

アクセント 編集へんしゅう

讃岐さぬきべんのアクセントは京阪けいはんしきアクセント一種いっしゅではあるが、讃岐さぬきしきアクセントばれ、近畿きんき地方ちほう徳島とくしまけん愛媛えひめけん松山まつやま高知こうちけんもちいられる主流しゅりゅう京阪けいはんしきアクセントとはいくつかの相違そういてんる。たとえばやま(やま)、はな(はな)などのはく名詞めいしだいさんるいぞくする語彙ごいは、主流しゅりゅう京阪けいはんしきアクセントでは高低こうてい(-てい)(括弧かっこない助詞じょし接続せつぞくした場合ばあい発音はつおん)とあたまだかがた発音はつおんされるが、讃岐さぬきしきアクセントでは高高たかだか(-こう)と平板へいばん発音はつおんされ、うし(うし)、かお(かお)などのだい一類いちるいおなじになる[1]。これは、平安へいあん時代じだいにはていてい(-こう)と発音はつおんされていただいさんるい語彙ごいが、主流しゅりゅう京阪けいはんしきアクセントでは高低こうてい(-ていがたへ、讃岐さぬきしきでは高高たかだか(-こうがた統合とうごうし、ことなった方向ほうこう変化へんかしたためとされる。

讃岐さぬきしきアクセントは、香川かがわけん大半たいはんもちいられるほか愛媛えひめけん新居浜にいはま以東いとう徳島とくしまけん北西ほくせいでももちいられている。また、観音寺かんおんじ伊吹島いぶきじまのアクセントは讃岐さぬきしきとも主流しゅりゅう京阪けいはんしきともことなる。先述せんじゅつやまはななどは高高たかだか(-くだがたとなっており、従来じゅうらいからったこうだか(-こうがただい一類いちるい)や高低こうてい(-ていがただいるい)との統合とうごうこしていない。

四国しこく各地かくち関西かんさい共通きょうつうする特徴とくちょう 編集へんしゅう

  • 名詞めいし否定ひてい(〜ではない)の表現ひょうげん。「〜とちがう」「〜ちゃう」などと表現ひょうげんする。
  • 動詞どうし否定ひてい原則げんそく未然みぜんがた+「ん/へん」。「べん」「かまへん」
    • 関西かんさいべんちがい、「へん」は「かまへん」など、特定とくてい使用しよう限定げんていされる。
  • 1はく1音節おんせつかたりが2はくする。(れいを「カァ」、を「キィ」と発音はつおんする。
  • 「よう」+動詞どうし否定ひていがたで、能力のうりょくくて出来できない意味いみしめす(古語こごの「え〜ず」)。
  • コピュラ「や」。讃岐さぬきべんに「だ」「じゃ」があり、これらの三種さんしゅ方言ほうげんとしてすべ使つか地域ちいきまれで、香川かがわけん以外いがいでは四国しこくきょく一部いちぶ地域ちいきがあるのみである。(れい)ほ"だ"きん、あれが屋島やしま"や"っていよる"じゃ"ろ。
  • 強調きょうちょう助詞じょし「んや/んじゃ」「のや/ねや」。「のや/ねや」は否定ひてい強調きょうちょう使つか場合ばあいおおい。(れい)あれが屋島やしまなんや。
    • 動詞どうし過去かこしめ助詞じょし「た」に「んや」がいた場合ばあいは、「〜したんよ」「〜したんや」とはなす(関西かんさいの「〜てん」はもちいない)。
  • 強調きょうちょうおわり助詞じょし 「で」(れい)あれが高松たかまつえきやで。
    • しかし、香川かがわけんでは「ぜ」が本流ほんりゅうであったという見方みかたる。(れい)ここでっちょるぜ。
  • 強調きょうちょうおわり助詞じょし 「が/がな」(れい)そんなんっとるが(関西かんさいでは「がな」のみ使つかわれる)。
    • 「が」は先述せんじゅつの「で」よりもつよ表現ひょうげん注意ちゅういうながさいによく使用しようされる。
  • 疑問ぎもん反語はんごおわり助詞じょし 「かいの(ひがしさん)/かいな(西にしさん)」(れい)この時計とけいめげとんかいの。
  • おわり助詞じょし 「わ」(れい)あれが屋島やしまやわ。
  • 仮定かていに「ば」はあまり使つかわず、「たら」を使つか場合ばあいおおい(関西かんさいでは「ば」はまった使用しようされない)。
  • シク活用かつよう形容詞けいようし否定ひてい助詞じょし「ない」をつける場合ばあい、「ク」がえ、直前ちょくぜん母音ぼいんちょう母音ぼいんする(ただし、地域ちいきによってはちょう母音ぼいんしないこともある)。(れいたのしくない→たのしぃない おもしろくない→おもしろぉない/おもっしょぉない 
  • 連用形れんようけい+とる」(現在げんざい完了かんりょうアスペクト)と「連用形れんようけい+よる」(現在げんざい進行しんこうアスペクト)を区別くべつして会話かいわもちいている(四国しこく方言ほうげん中国ちゅうごく方言ほうげん播州ばんしゅうべん神戸こうべべん共通きょうつう)。
    • れい1:「うわ、ゆきふっとるでないん!」・・・発話はつわ時点じてんゆきはじめてから時間じかんっていることを発話はつわしゃ意識いしきしている場合ばあいあらわ
    • れい2:「うわ、ゆきふんりょる/ふりよる/ふっりょる/ふっぢょる(西部せいぶ沿岸えんがん地域ちいき)でないん!」・・・いままさにゆきっている状態じょうたい
    • れい3:「宿題しゅくだいやっとん?」・・・もうすで宿題しゅくだいわっているかどうか質問しつもんしている
    • れい4:「宿題しゅくだいやんりょん/やりよん/やっりょん/やっぢょん(西部せいぶ沿岸えんがん地域ちいき)?」・・・いままさに宿題しゅくだいをしている最中さいちゅうなのかを質問しつもんしている(普段ふだんから宿題しゅくだいをする習慣しゅうかんがあるのか質問しつもんしている)
    • れい5:「なにができよん?」・・・調子ちょうしはどう?
  • うえれいにあるとおり、西部せいぶ沿岸えんがん地域ちいきではラぎょう活用かつよう動詞どうし現在げんざい進行しんこうアスペクトは「〜っりょる」ではなく「〜っじ(ぢ)ょる」となる。
    • れい:「る→っじょる/あやつる→あやつっじょる/る→っじょる/しゃべる→しゃべっじょる」
  • 動詞どうし疑問ぎもんで「〜しとるん?/〜しよるん?(〜しているの?)」のかたちとなる場合ばあい、「る」をくことがおおい(徳島とくしまべん岡山おかやまべん播州ばんしゅうべん神戸こうべべん共通きょうつう)。
    • れい1:なにやっとるん?→なにやっとん?
    • れい2:宿題しゅくだいやんりょるんか?→宿題しゅくだいやんりょんか?

讃岐さぬきべん地域ちいき 編集へんしゅう

 
丸亀まるがめ市内しないながれる土器川どきがわ

ひがしさん地域ちいき高松たかまつ三木みきまちさぬきひがしかがわなど)と西にしさん地域ちいき丸亀まるがめ多度津たどつまち善通寺ぜんつうじ三豊みとよ観音寺かんおんじなど)とでは語彙ごい用法ようほう若干じゃっかんことなり、ひがしさん地域ちいき讃岐さぬきべんひがしさんべん西にしさん地域ちいき讃岐さぬきべん西にしさんべんう。西にしさんべんのなかでも、さい西端せいたん観音寺かんおんじのものは観音寺かんおんじべんともばれる。東西とうざいおおまかに二分にぶんする境界きょうかいせんは、高松たかまつはん丸亀まるがめはん境界きょうかいであった土器川どきがわ付近ふきんとされ、ちゅうさん地域ちいき坂出さかいで綾歌あやうたぐんなど)ではその中間ちゅうかん方言ほうげん使つかわれているが、現在げんざいでは[いつ?]東西とうざいすくなくなっている。

東西とうざいちがいで特徴とくちょうてきなのが語尾ごびの「の」と「な」のちがいとされているが、おとこ言葉ことばとしてはけん全域ぜんいきで「の」が使つかわれており、男女だんじょども恒常こうじょうてきに「の」を使つか地域ちいき高松たかまつ周辺しゅうへんかぎられる。

れい:あれはね(共通きょうつう)=あれはの(ひがしさんべん) / あれはな(西にしさんべん

小豆島しょうどしま使つかわれる小豆島あずしまべんひがしさんべん基調きちょうとし、地理ちり関係かんけい関西かんさい方言ほうげん中国ちゅうごく方言ほうげんなどの語彙ごい表現ひょうげんおおられる。語尾ごびに「の」ではなく「な」をおお使つかい、香川かがわ県内けんないひろ使つかわれる「けん/きん」は使つかわれず、伝統でんとうてきには「さかい」「せに」とうが、関西かんさい同様どうようにこの表現ひょうげんはや時期じきから「から」にえられはじめている。小豆島あずしま島内とうないでも地域ちいきにより言葉ことば若干じゃっかんことなり、アクセントにかんしてもきゅう池田いけだまち付近ふきん高松たかまつしききゅう内海うつみまち北部ほくぶ観音寺かんおんじしき南部なんぶ本島ほんとうしき土庄とのしょうまち土庄とのしょうしき差異さいがある。

県内けんないおもちが
共通きょうつう 西にしさんべん ひがしさんべん 小豆島あずしまべん
〜から 〜けん/けに/きん/きに 〜けん/けに 〜さかい/せに/から
〜だね 〜やな/じゃな 〜やな/〜やの/じゃの/だの 〜やな
〜なんか 〜や/やかし/やか 〜や/やこし/やこ
〜してみなさい 〜してご/〜してごんな/しまい/せぇ 〜しまい/せぇ 〜してみい
ください つか/つかさい/つかいな いた/たー いた
〜けれど 〜けど/けんど/きんど 〜けど/けんど

表現ひょうげん 編集へんしゅう

こう・かこう 編集へんしゅう

  • あかい(い) 暖色だんしょくの。あかるい。「ななやゆうのにまだそとがあかいの」
  • あかん 駄目だめだ(いかん)。小豆島あずしまべん小豆島しょうどしま以外いがい香川かがわでは若者わかもの言葉ことば
  • 〜あげる  動詞どうしのちについて、動詞どうし意味いみつよめる。下品げひん言葉ことばになる。おもに「たたく」系統けいとう意味いみ動詞どうしく。「たたっきゃげる」「けっりゃげる」「おがっしゃげる」「ちゃっしゃげる」「きゃっしゃげる」「おごっきゃげる」「しばっきゃげる」「くらっしゃげる」「はっりゃげる」
  • あずる 【どう苦労くろうする。「あずんじょったんなあ?」「がいにあずったがあ」「もうあずんじょるけん、わりにうてた」
  • あななん あんなもの  「あななんいかんわ」
  • あほ 馬鹿ばか。「おまえあほやのお」
  • あんじゃるい 【かたち気持きもわるい、気味悪きみわるい。
  • いいかげん 【ふく】たくさん。おおく。十分じゅうぶんちゅうさんでの表現ひょうげん。「これまでしたたび記録きろく調しらべたら、意外いがいにいいかげん方々かたがたっとったわい」
  • いかさま 【かたち】ものすごく。「いかさま、おとっちゃまやのぉ」
  • いごく 【どううごく。ふる日本語にほんご転訛てんかである。「なんいごっきょん?」
  • いで 【みちはしなどにあるほそあさ水路すいろみぞ)のこと。上代じょうだい言葉ことば水路すいろせきで「いで」とあり、それに関係かんけいか。
  • いぬ 【どうかえる。古語こご保存ほぞん。「ぼちぼちいぬんな?」「そうやなぁ、いのか」
  • いまさっき つい先程さきほどやまさにいま意味いみ。「いまさっきかえったとこじゃが」
  • うれしげな 調子ちょうしっている、っている、おもいあがっている、というような様子ようすをさすが、讃岐さぬきべん独特どくとく感覚かんかくであり、完全かんぜんおな使つかかた出来でき単語たんごというのは共通きょうつうにはいとおもわれる。ニュアンスは名古屋なごやべんの「ちょうすいとる」(=調子付ちょうしづいている)にちかい。讃岐さぬきべんらないひとには、単純たんじゅんうれしそうという意味いみととられがちであるがちがう。「うれしげにしとるのお」(侮蔑ぶべつてきなニュアンスがつよ言葉ことばであり、不用意ふようい使つかうとめごとの発端ほったんになるので注意ちゅうい
  • うまげな・うまたげな 素敵すてきな。「うまげなくるまやのぉ」(西にしさん方言ほうげん
  • えらい 【かたちつかれた。しんどい。古語こご保存ほぞん。「えろうてうごけんわ」【ふく】とても かなり 「えらいおそくるまやのう」
  • おおかた もうちょっとで。「おおかたやられるとこやったがー」

      大体だいたい、あらかたのことを場合ばあいもある。「仕事しごとおおかたわったわ」

  • おがす 【どう】(とうそこから)かえす。はしたがやさいに「んぼのへりをおがす」とう。
  • おがっしゃげる 【どう】ぶんなぐる。「ちゃっしゃげる」→「くらっしゃげる」→「おがっしゃげる」のじゅんつよくなる。
類語るいごに「おごっきゃげる」「きゃっしゃげる」「しばっきゃげる」「はっりゃげる」とうがある。すべて同様どうよう意味いみだが、つよさのニュアンスにがある。
  • おかっこまり 正座せいざ地域ちいきによっては、まりがれて「おかっこ」となることもある。
  • おきる 【どうはらふくれる。「はらおきてもうえんわ」「はら、おきたんな?(=「おなか、いっぱいになりましたか?」)
  • おじゅっさん 【】おぼうさん。
  • おたし 【だいわたし老人ろうじん。「おたしはらんぜ。」

その「ウ」が「オ」に変化へんか。「うみ(オミ)」「うさぎ(オサギ)」「(オシロ)」「うどん(おどん)」いずれも老人ろうじん

  • おとっちゃま 【臆病者おくびょうもの。「いかさま、おとっちゃまやのお」
  • おどれ おまえ。「おどれなめとんか」
  • おび さかな幼児ようじ
  • おぴっぴ うどん(幼児ようじ
  • おらぶ 【どうさけぶ。古語こご保存ほぞん。「なにおらんびょんな?」
  • おもっしょい【かたち】 面白おもしろい。「この漫画まんがおもっしょいのお」
  • がいな 【かたち】すごい。きつい。つよい。古語こご保存ほぞん。「がいにばすなぁ」「あのひとはがいな」
香川かがわオリーブガイナーズ四国しこくアイランドリーグplus)の名称めいしょうは、この讃岐さぬきべん(がいな)に由来ゆらいしている。愛媛えひめけんでは「意外いがいな」、高知こうちけんでは「乱暴らんぼうな」の意味いみ使つかわれる。ちゅう四国しこく九州きゅうしゅう一部いちぶ分布ぶんぷする言葉ことばである。
  • かく 【どう】かつぐ。若干じゃっかん意味いみ変化へんかはあるが、古語こご保存ほぞんである。「ちょっとそっちかいてつか(西にしさん)」「ちょっとそっちかいていた(ひがしさん)」
  • がち いやしい。意地汚いじきたない。「がちげにすな!」(ものほっしげにするな)
  • かど 【】(漠然ばくぜんと)そと玄関げんかんさき共通きょうつうの「ひょう(おもて)」。「かどんとこに、だれかおるで」
  • かまへん(かまん) かまわない。〜でもい。
  • 〜がん 〜だけ、〜ぶん。「あるがんまんで(あるだけ全部ぜんぶ)」「遠足えんそく菓子かしさんひゃくえんがんまでの」
  • きにょう 【昨日きのう。「きんにょ」とも
  • 〜きん(〜きに) 【すけ】〜から。理由りゆう原因げんいんあらわす。西にしさんちゅうさんでの表現ひょうげん。「あついきん、クーラーつけようで」「かかんきんこん、こんきんかかん(〔手紙てがみを〕しょかんきんん、んきんかん=かないのでない、ないのでかない)」
  • く いえ。「友達ともだちんくあそびにった(友達ともだちいえあそびにった)」「うちんくにるな?(わたしいえるかい?)」きょく西部せいぶでは「き」ともう。
  • くらっしゃげる なぐる。ちゃっしゃげる・くらっしゃげる・おがっしゃげるのじゅんつよくなる。
  • けっこい 【かたち】きれいな。うつくしい。「あのいかさまけっこいやの」「けっこにしてどこかけるん」
  • 〜げな 〜のような。動詞どうし形容詞けいようし名詞めいしく。これの多用たよう讃岐さぬきべん特徴とくちょうである。これにちか表現ひょうげん古語こごにも多々たたられる。「もうせんげなな(もうしないみたいだね)」「え? するげにいよったで(え? するようにっていたよ)」「あれげなな(あれっぽいね)」
  • 〜けん(〜けに) 【すけ】〜から。理由りゆう原因げんいんあらわす。ひがしさんから西にしさんでの表現ひょうげん。「〜きん」と同意どうい。「明日あしたはやいけん、もうまい」(明日あしたはやいからもうなさい)
  • けんびき 口内こうないえんかたこりなどからだ不調ふちょう状態じょうたい
  • ご しもじゅつの「ごんな」のちぢまったかたち
  • ごじゃはげ 無茶苦茶むちゃくちゃ。「ごじゃ」とも「もうごじゃはげじゃわ」 禿かぶろとは無関係むかんけいだが、県内けんない出身しゅっしんしゃけんがい出身しゅっしんしゃ禿かぶろひともいるいかけてあせることも。
  • こそばい くすぐったい。
  • こらえん 【どう承知しょうちしない。ゆるさない。「〜したらこらえんぞー」
  • こんこ 【】たくあん
  • ごんな 〜してください。丸亀まるがめ周辺しゅうへん使つかわれる。「まわってごんな、てごんな」
  • こんぴらさん 【かためい金刀比羅宮ことひらぐう

ぎょう・たこう 編集へんしゅう

  • さいさい たびたび。よく。漢字かんじくと「再々さいさい」。「あのじんさいさいらいよるで」
  • さかし さかさ。反対はんたい。「シャツさかしにとるで」
  • さきおととい 一昨日おととい。「さきおとつい」とも
  • さら あたらしいもの。新品しんぴん西日本にしにほんではよくられる表現ひょうげん。「このテレビさらやで」
  • 〜しい 〜するひとおもわる意味いみ使つかわれる。「おまえいらんことしいやな」
  • 〜しいまわる 〜してまわる、〜ばかりする 「わけからんことしいまわらんの!」「むかしっからげんしゃさんくのはごじゃしいまわるの」
  • 〜していた 〜してください。ひがしさんでの表現ひょうげん。「それっていた」「これいた(これをください)」
  • 〜してた 〜してください。〜していたの省略形しょうりゃくけい
  • 〜してつか 〜してください。西にしさんでの表現ひょうげん。「あれってつか」「これつか(これをください)」
  • 〜しな 〜の途中とちゅう、〜のさいりゃくして「〜し」とも。「いきしな」=途中とちゅうに。「かえりしな」=かえ途中とちゅうに。「ちょっと、ついでに」の意味いみあんふくむ。用例ようれい:「かえりしなにパンこうてきて」=かえ途中とちゅうに、(ついでに)パンをってきて。「てりしにこしがいとうてかなわん」=てるときこしいたくて仕方しかたい←「てる」も方言ほうげんなので、まさしくは「ときに・・・」
  • 〜しますな 〜するもんじゃないですよ、〜しないほうがいいですよ。「そななことしますな!」「そなんめんどげにいますな」
  • 〜かしゃん 〜(しよう)かな、〜だろうか、「〜かしら」の転訛てんか 「まだあかいきんはたけぎょうこかしゃん(まだあかるいしはたけこうかな)」「それでえんかしゃんな(それでよいのだろうか)?」
  • しゃんしゃん 手際てぎわよく、てきぱき、元気げんきよく、など。「しゃんしゃんしまい」
  • じゅじゅむ にじむ
  • じゅるい【かたち】(地面じめんが)ぬかるんでいる(西にしさん伊予いよべん起源きげん)。「ゆるい」の転訛てんかか。
  • しよい やりやすい、しやすい。「こなんしたらしよいで」「そっちのほうがしよいやろ」
  • しょうたれ 見苦みぐるしい、まりがない、だらしがない、体裁ていさいわるい、愚鈍ぐどんな、など。「あれはいかさましょうたれげなやっちゃの」
  • 〜じょる 〜ている。ラぎょう活用かつよう動詞どうし語尾ごびにつけて現在進行形げんざいしんこうけいつくる。「つくんじょる」=つくっている。「んじょる」=(西にしさん沿岸えんがんっている。
  • じょんならん やくにたない。どうしようもない。えない。「じょんならんやっちゃのぉ(やくにたないやつだなぁ)」「最近さいきんあつくてじょんならんわ~」
  • しんや 新家しんや分家ぶんけのこと。
  • すい っぱい。ふる日本語にほんご転訛てんか。「このものちょっとすいんちゃん」
  • すかん かない。きらい。「わたし納豆なっとうすかんのや」「おれあいつのことほんますかん」
  • すばる しなびる「ミカンがすばってしもとる」
  • ずんやり つづいて、ずっと、延々えんえんと。おもにマイナスイメージに使つかわれる。「あいつ、ずんやりあれにはまってすんだわ」
  • ぞろい ざつな 「いかさまぞろげなかっこしょってからに」
  • たいぎ 面倒めんどう 「宿題しゅくだいするんたいぎなわ」
  • だい だるい 「あるきすぎてあしがだいわ」
  • たく る。標準ひょうじゅんおな意味いみだが、ごはん以外いがいにおかずにももちいる「おかずをたく」
  • てる つ 「てってみて(ってみて)」 共通きょうつうの「てる」は讃岐さぬきでは「だててらす」になる。
  • たる 【どうきる。古語こご保存ほぞん。「そのおもちゃもぅたったわ」
  • ちっか 【竹輪ちくわ阿波あわべんでも使つかわれているが、西にしさんおお使つかわれる。
  • ちみきる(つめさきくらいで)つねる。いた度合どあいは「ひにしる」<「ちみきる」
  • 〜ちゃ 〜も(〜ない)。否定ひていもちいる。「なんちゃいやん」「だれちゃおらんけん」
  • 〜ちゃう 「〜じゃない」の意味いみ否定ひていもちいる。「それ鉛筆えんぴつちゃうわ」
  • ちゃっしゃげる たたくの意味いみ。ちゃっしゃげる・くらっしゃげる・おがっしゃげるのじゅんつよくなる。
  • 〜ちゃん 「〜じゃないの?」の意味いみ否定ひてい疑問ぎもんもちいる。「おまえアホちゃんな? 」
  • ちょっとこま すこしのあいだ。「ちっとこま」「ちょっとくま」「ちっとくま」とも「ちょっとこまてくるわ」
  • つい ている、おなじ。 ている度合どあいは 「つい」<「まっつい」<「まっつくつい」
  • つぶれる 故障こしょうする。「さらのテレビつぶれてもうたが」
  • つめる はさむ。「昨日きのうのぉ、玄関げんかんのドアでゆびつめもうたんやが」
  • つむ (やっとこじょうもので)る。共通きょうつう場合ばあい目的もくてき枝葉えだはなどに限定げんていされるが、讃岐さぬきべん場合ばあいはほとんどの場合ばあい使つかえる。「まっちゃえてゆびつんでもうた」
  • てがう 【どう】からかう、あやす、あそんでやる。「なにあいつのことてがいよんな?」「うちのいぬもてごてやって」
  • 手袋てぶくろく 手袋てぶくろをはめる、手袋てぶくろをつける、手袋てぶくろする 北海道ほっかいどうでもおな表現ひょうげん使用しようされる。
  • どくれる 【どう】ふくれる。不満ふまんげにする。「なにどくれとんな?」
  • どせこむ 転落てんらくする。「んぼにどせこんでどろまみれになる」
  • とっしょり お年寄としより「おまえ、とっしょりみたいなの」
  • どっかしゃん どこかしら。どこか。「オモチャがどっかしゃんいった」「あのやったらさっきどっかしゃんおこなったで」
  • どっちゃこっちゃ どうにもこうにも。どうしようも。おもうしろに否定ひていともなう。「ここまでごじゃやとどっちゃこっちゃならん」
  • どな どう(どのように) 「どなしよん?」
  • どななんな? 状況じょうきょうとか様子ようすとか調子ちょうし確認かくにんする質問しつもんぶん共通きょうつうだと「どんな様子ようす状況じょうきょう/調子ちょうし)なの?」
  • とり子紙こがみ 模造もぞう
  • どんどろさん 【かみなり。「どんどろはん」

こう・はこう 編集へんしゅう

  • な 語尾ごびについて疑問ぎもんあらわす。「れよるの、かさってくんな?」=れているね、かさはいってくかい? 讃岐さぬきべんでは「な」は疑問ぎもん禁止きんし(〜しますな、間違まちがえな〔間違まちがえるな〕)、詠嘆えいたん(〜やな、西にしさん)、感動かんどう(なぁ、西にしさん)などおおくの意味いみり、讃岐さぬきべん話者わしゃ讃岐さぬきべんさいおおきなハードルとなることもある。
  • なにがでっきょんな 時候じこうのあいさつ。そのままの意味いみである「なにつくっているの?/なにをしているの?」という質問しつもんぶんもちいることもある。植松うえまつおさみ西日本放送にしにっぽんほうそう在籍ざいせきに『ズームイン!!あさ!』でキャスターをつとめていたころ地元じもとひとにインタビューするとき第一声だいいっせいかならずこの言葉ことばだった。
  • なんちゃでっきょらん 時候じこうのあいさつとして「なにがでっきょんな」とかれた場合ばあい定型ていけいてき返答へんとう直訳ちょくやくすると「(べつに)なにもしていない」。
  • なんしょん なにをしているのという意味いみ。さらに疑問ぎもんめて「なんしょんな」とも。つよむことでしかるときにももちいられることもある。意味いみとしては「なんてことしてくれたの!?」にちかい。
  • なにとかー!(なんとか!) なにだって!? おどろきをあらわす。地域ちいきによっては「なんとな!」になる。めんどおりだんちょおそれるべきさぬきうどん』の香川かがわけんがい読者どくしゃせた「本文ほんぶんちゅう不可解ふかかい方言ほうげん」のひとつ。
  • なし く  「全部ぜんぶなし(ん)なってもうた」
  • なに【】あれ。あのもの。(だいいち音節おんせつこうアクセント)「あの、なにがもうなかったやろ?(あの、あれがもうりなくなっていただろ?)」
  • 未然みぜんがた+なんだ 〜なかった 否定ひてい過去かこがた。「らなんだ」(らなかった)
  • 未然みぜんがた+なんだら 〜なかったら。〜なければ。 逆接ぎゃくせつ否定ひてい)の仮定かてい。 「やらなんだら」(やらなければ)
  • なにちゃ →「〜ちゃ」を参照さんしょう
  • なんな こえをかけられたとき返答へんとう共通きょうつうの「なにか御用ごよう?」に相当そうとう
  • なんなんな なになんだい。「なぁ、あななんはなんなんな?(ねぇ、ああいうのってなになんだい?)」
  • なんぼ いくら(かずのかずくときに使用しようされる。  「テストなんぼやったん?」「なんぼなんでもそれは・・・」「こりばでなんぼいや(これだけでいくらだい)」
  • 〜なんや 〜なの。「〜なんじゃ」とも。 「わたし抹茶まっちゃきなんや」
  • なんや(じゃ)・・・  なんだか・・・ 「なんやほっこげなのぅ」
  • 〜なんやんか 〜なんだよね。相手あいてはなし内容ないようっていることを前提ぜんてい使つかう。「おれ病気びょうきなんやんか」「るとこあるんやんか」
    • 関西かんさいべんう「〜やねんやん(か)/〜やねんか」にたる。
  • ねき がわちかく   「えきのねきのうどん
  • ねぶる める、まわす。古語こご保存ほぞん。「そなんねぶりまわりますな(=そんなにまわしてはいけませんよ)」「あめちゃんでもねぶっじょりな(=あめでもめておきなさい)」
  • はがい はがゆい。むかつく。 「あいつは、はがいなあ」「てれるまえ西瓜すいかカラスにわれてよいよはがい」 状況じょうきょうによって、ニュアンスがことなる。
  • はじかい ちくちく、むずむずする様子ようす。「かゆい」とはニュアンスがちがう。「このセーター、ウールやきん、はじかいわ」「わらうえよこになってみたけど、はじかかった」
  • はみ 【】(1)まむし、毒蛇どくへび。(2)家畜かちくのエサ。
  • はみる 仲間外なかまはずれになる。香川かがわ若者わかもの言葉ことば
  • ばんげ よる夕飯ゆうはんくらいの時間じかん。「ばんげにまい(=今晩こんばんいらっしゃい)」
  • ひしてがい【いちにち交替こうたい。「れとあめとがひしてがいじゃ」
  • ひど (おものち否定ひていともなって)たいして、ほとんど。「なんしたってひどわらんわ」「ひどおもっしょもないきんかしゃん、われんな」
  • ひにしる(ゆびはらで)つねる。いた度合どあいは「ひにしる」<「ちみきる」
  • ひろげさがす らかしている
  • ぶいぶい コガネムシ。「ぶいぶい使つかうてさかなるんや」
  • ふがわるい 体裁ていさいわるい。格好かっこうわるい。「ふうがわるい」とも「ぞろげにしてからによいよふがわるいわ」
  • ふたかわめ 二重ふたえまぶた
  • ぶる 【どうれる。 「みずせきからぶっじょるが」
  • ベエスケ 大型おおがたのあなご。
  • へらこい 【かたち】ずるい。「ずべらこい」とも。「あんた、へらこいわ!」/「小才こさいく」の意味いみで、讃岐さぬきじんとき阿波あわじん気質きしつしめ表現ひょうげんとしてももちいられる[2]
  • ぼしこむ む。
  • ぼてこむ ちる。どせこむとほぼ同義どうぎだが若干じゃっかん意味いみかるい。「こないだいでにぼてこんでケガしたんじゃが」
  • ほっこ 【】ばか、あほ。つよめて「ほっこたれ」とも。「あんたがいにほっこやのお」さらにつよ侮蔑ぶべつてき表現ひょうげんになると「くそぼっこ」と変化へんかする場合ばあいもある。
  • ほんに 本当ほんとう
  • ほんま 本当ほんとう
  • ほんだら さようなら。または「それじゃあ」。れい:「ほんだらな。」[よう説明せつめい]「ほんだらの。」

こう・やくだり 編集へんしゅう

  • 〜まい 〜しなさい/〜してみてください。つよ発音はつおんすると前者ぜんしゃ、やさしくうと後者こうしゃ意味いみになる。「べまい」
  • まける 【どう】こぼれる。「しるがまけよるが」
  • まけまけいっぱい 【かたち】(うつわれたみずなどが)こぼれそうなほど、いっぱいにはいっている様子ようすたんに「まけまけ」とも。また、ようすことを我慢がまんしていて限界げんかいときにも使つかわれる。「ちょっとみずれすぎた。まけまけいっぱいやわ」「一時いちじあいだ以上いじょう我慢がまんしょおるきんもうまけまけじゃ」
  • まっちゃう 間違まちがえる。 「まっちゃうこともあるわ」
  • まっつい とてもている、おなじ。 ている度合どあいは 「つい」<「まっつい」<「まっつくつい」 ちゅう:「つい」は実質じっしつじょう使つかわない。
  • まっつくつい ものすごくている、おなじ。「まっついつい」とも。ている度合どあいは 「つい」<「まっつい」<「まっつくつい」
  • 〜まへ =〜まい。この変化へんかから「まい」が「たまえ(い)」の変化へんか推測すいそくできる。「そななもんがでにしまへ(そんなこと自分じぶんでしなさいよ)」
  • まるた まるごと。そのまま全部ぜんぶ。「おかいがこっこまるたでくれたが(おかいさんがたくあんをまるごとくれたよ)」
  • まんで 全部ぜんぶ。「泥棒どろぼうにやられて、まんでっていかれた」
  • まんでがん 全部ぜんぶ非常ひじょう意味いみひろ言葉ことばで、最大限さいだいげん意味いみつ。「まんで」にくらべてる「だけ」全部ぜんぶ、と意味いみつよい。「まんでがんあそんでえろおてえろおて(全力ぜんりょくあそんでつかれてて、つかれてて)」「まんでがんはしった(全部ぜんぶはしった/全速力ぜんそくりょくはしった)」
  • 〜みい 〜みろ。(命令めいれい) 「はしってみい」
  • むつごい 【かたち】あぶらっこい。くどい。もの以外いがいにももちいる。「てんかすれすぎてむつごいが」「このむつごいわ」感覚かんかくとしては、たくさんケーキをべたあとにふたたびケーキをたときの感情かんじょう
  • めぐ 【どう】(1)こわす。「あんたはようものめぐやのお」「まためいだんか?」 (2)両替りょうがえする。「このせんえんひゃくえんにめいでいた」
  • めげる 「つぶれる」におなじ。
  • めんて おでこ
  • めんどい むずかしい 「がいにめんどいが」
  • めんめ めいめいで。自分じぶんで。「めんめでしぃまい」(自分じぶんでやりなさい)
  • もうた (1)もらった。「お土産みやげもうたん?」 (2)しまった。「テレビつぶしてもうた」
  • もっかい もういちかい
  • もろた 「もうた」(1)におなじ。 「〜してもらった」の使つかうこともしばしば。「部下ぶか仕事しごとしてもろた」
  • やぎろし うっとうしい。「やぎろしうな」(うっとうしいことわないで)
  • 〜や 〜なんか。「ねえちゃんやどっかってしまえ!」
  • 〜やかし 〜なんか。〜なんて。 「〜や」と意味いみおなじだが、限定げんてい意味いみ強調きょうちょう度合どあいがよりつよい。「わたしやかしなぁ、昨日きのうねつが40もあったんで(わたしなんてね、昨日きのうねつが40もあったのよ)」
  • 〜やないんな 近代きんだい関西かんさいべん影響えいきょうはいってきた言葉ことば讃岐さぬきべんでは「ない」は「で」でける(れい:それはいぬでない)ため、讃岐さぬきべんでは「でないんな(でん)」がただしいといえる。「やん」は戦後せんご女性じょせいとして使つかわれはじめたらしい。「まえまえからげんよるやないんな!」
  • やむ 【どう湿気しっけ(しけ)る。湿気しっけ(しっけ)るの意味いみではい。とく西にしさん方言ほうげん。「そのお菓子かしやんどるが」
  • 〜やんか 〜じゃないか・〜だよね 後者こうしゃ相手あいてはなし内容ないようっていることを前提ぜんてい使つかう(「〜なんやんか」を参照さんしょう)。
  • 〜やんな/〜やんの 〜だよね。付加ふか疑問ぎもん確認かくにん意味いみ。 「あのいえ最近さいきんできたんやんな」
  • 〜よおる(ゆーよる) 〜っている(現在げんざい進行しんこう) 「なによぉるんかサッパリからん」
  • よっけ(ようけ) 【ふく】たくさん。 「ひとがよっけおんのお」
  • よもよも ぐずぐず。「よもよもうな」→ よもい(とろい)
  • 〜よん(〜ゆん) 〜っているんだ。〜っているのか。 「おまえによんや。」「ほなけん、おまえのことやとよん」

ぎょう・わぎょう 編集へんしゅう

  • わが 自分じぶん自身じしん。「わがの都合つごうばっかりわんと、わがのことはわがでせんか(自分じぶん都合つごうばっかりわないで、自分じぶんこと自分じぶんでしなさい)」
  • わがでに 自分じぶんで。
  • わや =ごじゃ。無茶苦茶むちゃくちゃ関西かんさい北海道ほっかいどうなど全国ぜんこく各地かくち使つかわれるが、香川かがわけんでは「ごじゃ」の存在そんざいってかかげうすい。「台風たいふういえが、わやなってもうたわ」
  • わやくちゃ =ごじゃはげ。無茶苦茶むちゃくちゃをさらにつよった言葉ことば。「おまえ髪型かみがたわやくちゃやな」
  • んごんご=せみがら小豆島あずしま坂手さかてでのみ使つかわれる言葉ことば

近畿きんき方言ほうげんとのちが 編集へんしゅう

このふしでは、讃岐さぬきべん近畿きんき方言ほうげんとく大阪おおさかべん)との具体ぐたいてきちがいをげる。ただし、関西かんさい方面ほうめんからの転勤てんきんしゃおお地域ちいきでは、近畿きんき方言ほうげん影響えいきょうされてちがいがくなってきている場合ばあいがある。以下いか近畿きんき方言ほうげんしたれい(「」ない現在げんざい讃岐さぬき若者わかもの使つか言葉ことば、( )ない本来ほんらい讃岐さぬきべん、【】ない共通きょうつう

  • 「〜やん」(〜でん)【〜じゃないか】
  • 「あかん」(いかん)【ダメだ】
  • 「なんでやねん」(なんでなんな・なんしにな)【何故なぜなんだ】(「〜ねん」という表現ひょうげんはそれほどひろまってはいないものの、「なんでやねん」に限定げんていしては使つか若者わかものおおい)
県内けんないおもちが
共通きょうつう 讃岐さぬきべん 近畿きんき方言ほうげん大阪おおさか
じゃ/や/だ
〜ない 〜ん 〜へん
〜なんだ 〜なんや/じゃ
〜なんよ
〜やねん
〜たのだ 〜たんや/たんじゃ
〜たんよ
〜てん/〜たんや
〜している 〜しょうる(進行しんこう 〜しとる/してる
〜しとる(結果けっか継続けいぞく
駄目だめ いかん/あかん あかん
バカ ホッコ アホ
つかれた、気分きぶんわる えらい えらい
しんどい
おもしろい おもっしょい おもろい
〜かな? 〜かいの? 〜かいな?
から けん/きん から
さかい/よって
〜じゃないの? 〜ちゃん?/ちゃあん? 〜ちゃうん?
どう/どのように どな どない
っている よおる(進行しんこう ゆうとる/ゆうてる
うとる(結果けっか継続けいぞく
してみろ してみい・してんまい
したれ・してんま
してご・してごんなしてみい
してみい
たくさん よっけ・ようけ ようけ
ぎょうさん/ようさん
〜してしまう 〜してしまう 〜してまう
あいだちがっている まっちゃいよる(進行しんこう まちごうとる/まちごうてる
まっちゃっとる(結果けっか継続けいぞく
本当ほんとう ほんま・ほんに
ほん・ほんどり
ほんま

讃岐さぬきべん現況げんきょう 編集へんしゅう

全国ぜんこく地域ちいき同様どうよう東京とうきょう中心ちゅうしんとしたメディアの発達はったつともない、わか世代せだい中心ちゅうしん東京とうきょうべん共通きょうつうすすんでいる。とく香川かがわけん支店してん経済けいざい都市としである高松たかまつかかえているため、首都しゅとけんからの転勤てんきんしゃ単身たんしん赴任ふにんしゃおおく、東京とうきょうとのつながりがつよい。このことがさらに言葉ことば共通きょうつう拍車はくしゃをかけているものかんがえられている[だれによって?]県庁けんちょう所在地しょざいちである高松たかまつ地区ちく転勤てんきんぞくおおく、完全かんぜん東京とうきょうしきアクセントまたは完全かんぜん京阪けいはんしきアクセント、もしくはそれらの中間ちゅうかんのアクセントを使つかうものがおおく、讃岐さぬきしきアクセントを使つかものすくないわれている[だれによって?]

脚注きゃくちゅう 編集へんしゅう

  1. ^ 金田一きんだいち春彦はるひこ(2005)『金田一きんだいち春彦はるひこ著作ちょさくしゅうだい7かん玉川大学たまがわだいがく出版しゅっぱん、70ぺーじ-81ぺーじ
  2. ^ たけひかりまこと県民けんみんせい日本にっぽん地図ちず文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう文春ぶんしゅん新書しんしょ〉、2001ねん、199ぺーじISBN 4-16-660166-0 

参考さんこう文献ぶんけん 編集へんしゅう

関連かんれん項目こうもく 編集へんしゅう

外部がいぶリンク 編集へんしゅう