釜石線かまいしせん

釜石線かまいしせん（かまいしせん）は、岩手いわて県けん花巻はなまき市しの花巻はなまき駅えきと同どう県けん釜石かまいし市しの釜石かまいし駅えきを結むすぶ、東日本旅客鉄道ひがしにほんりょかくてつどう（JR東日本ひがしにっぽん）の鉄道てつどう路線ろせん（地方ちほう交通こうつう線せん）である。愛称あいしょうは「銀河ぎんがドリームライン釜石線かまいしせん」。

釜石線かまいしせん
宮守みやもり川がわ橋梁きょうりょう（宮守みやもり - 柏木平かしわぎだいら間あいだ）を渡わたるSL銀河ぎんが
基本きほん情報じょうほう
通称つうしょう	銀河ぎんがドリームライン釜石線かまいしせん
国くに	日本にっぽん
所在地しょざいち	岩手いわて県けん
起点きてん	花巻はなまき駅えき
終点しゅうてん	釜石かまいし駅えき
駅えき数すう	24駅えき
電報でんぽう略号りゃくごう	カマセ
開業かいぎょう	1913年ねん10月25日にち
全通ぜんつう	1950年ねん10月がつ10日とおか
所有しょゆう者しゃ	東日本旅客鉄道ひがしにほんりょかくてつどう（JR東日本ひがしにっぽん）
運営うんえい者しゃ	東日本旅客鉄道ひがしにほんりょかくてつどう（JR東日本ひがしにっぽん）
使用しよう車両しゃりょう	キハ100系けい、キハ110系けい
路線ろせん諸しょ元もと
路線ろせん距離きょり	90.2 km
軌間きかん	1,067 mm
線路せんろ数すう	単線たんせん
電化でんか方式ほうしき	全線ぜんせん非ひ電化でんか
閉塞へいそく方式ほうしき	特殊とくしゅ自動じどう閉塞へいそく式しき（軌道きどう回路かいろ検知けんち式しき）
保安ほあん装置そうち	ATS-SN
最高さいこう速度そくど	85 km/h
路線ろせん図ず

路線ろせんデータ

停車場ていしゃじょう・施設しせつ・接続せつぞく路線ろせん

凡例はんれい 花巻はなまき電鉄でんてつ軌道線きどうせん 花巻はなまき電鉄でんてつ鉄道てつどう線せん 電鉄でんてつ花巻はなまき駅えき 西にし花巻はなまき駅えき 0.0 花巻はなまき駅えき 東北本線とうほくほんせん 中央ちゅうおう花巻はなまき駅えき 花巻はなまき駅えき 鳥谷とりたにヶ崎さき駅えき 旧きゅう線せん -1943 瀬川せかわ橋梁きょうりょう 瀬川せかわ 北上川きたかみがわ ↙猿ヶ石川さるかいしがわ 3.5 似内にたない駅えき 北上川きたかみがわ橋梁きょうりょう 北上川きたかみがわ 釜石かまいし自動車じどうしゃ道どう 6.0 矢沢やさわ駅えき -1985 6.4 新しん花巻はなまき駅えき 東北新幹線とうほくしんかんせん 8.3 小山田おやまだ駅えき 12.7 土沢つちさわ駅えき 猿ヶ石川さるかいしがわ 15.9 晴山はれやま駅えき 渕ふちノ欠かけ（臨） -1925 21.7 岩根橋いわねばし駅えき 達曽部川たっそうべがわ橋梁きょうりょう 達曽部川たっそうべがわ ←田瀬たせダム 25.1 宮守みやもり駅えき 宮守みやもり川がわ橋梁きょうりょう 宮守みやもり川がわ 赤沢川あかさわかわ 31.2 柏木平かしわぎだいら駅えき 猿ヶ石川さるかいしがわ 33.6 鱒沢ますざわ駅えき (35.3) 中ちゅう鱒沢ますざわ駅えき -1936 36.4 荒谷前あらやまえ駅えき 山谷川やまやがわ 39.3 岩手二日町いわてふつかまち駅えき 砂子沢いさござわ川がわ 41.1 綾織あやおり駅えき 猿ヶ石川さるかいしがわ橋梁きょうりょう 猿ヶ石川さるかいしがわ 191.70 m 46.0 遠野とおの駅えき 早瀬川はやせがわ橋梁きょうりょう 早瀬川はやせがわ 河内川かわうちがわ橋梁きょうりょう 河内川かわうちがわ 50.3 青笹あおざさ駅えき (51.6) 青笹あおざさ（臨） 1914 (51.7) 関口せきぐち駅えき -1950 赤沢川あかさわかわ (52.2) 赤川あかがわ駅えき -1927 猫ねこ川かわ橋梁きょうりょう 猫ねこ川かわ 53.8 岩手いわて上郷かみごう駅えき 第だい2早瀬川はやせがわ橋梁きょうりょう 早瀬川はやせがわ 122.59 m 56.6 平ひら倉くら駅えき 佐さ生田いくたトンネル 88 m 61.2 足ケ瀬あしがせ駅えき 旧きゅう線せん↓ -1950 早瀬川はやせがわ 日ノ出ひので（臨） -1916 仙人峠せんにんとうげ駅えき 足ケ瀬あしがせトンネル 1,931 m 第だい1大洞おおほらトンネル 64 m 第だい2大洞おおほらトンネル 42 m 第だい3大洞おおほらトンネル 49 m 65.4 上有住かみありす駅えき 気仙川けせんがわ（土倉つちくら沢さわ） 26 m 土倉つちくらトンネル 2,975 m 荷物にもつ運搬うんぱん用よう索道さくどう 第だい1唄うた貝かいトンネル 346 m 第だい2唄うた貝かいトンネル 72 m 第だい3唄うた貝かいトンネル 42 m 第だい4唄うた貝かいトンネル 704 m 第だい5唄うた貝かいトンネル 94.5 m 第だい6唄うた貝かいトンネル 477 m 鬼おにヶ沢さわ橋梁きょうりょう 105.20 m 第だい1大橋おおはしトンネル 67 m 第だい2大橋おおはしトンネル 1,280 m 甲子川かっしがわ 大橋おおはし駅えき 73.7 陸中大橋りくちゅうおおはし駅えき 釜石かまいし鉱山こうざん鉄道てつどう -1965 第だい1甲子川かっしがわ橋梁きょうりょう 甲子川かっしがわ 131 m 枯松沢川そうごう橋梁きょうりょう 枯松沢川そうごう 五ご葉よう山川やまかわ橋梁きょうりょう 五ご葉よう山川やまかわ（荒川あらかわ） 釜石かまいし自動車じどうしゃ道どう 第だい2甲子川かっしがわ橋梁きょうりょう 甲子川かっしがわ 94 m 79.6 洞泉どうせん駅えき 釜石かまいし自動車じどうしゃ道どう 釜石かまいし仙人せんにん峠とうげIC 83.2 松倉まつくら駅えき 松倉まつくらトンネル 86.5 小佐野こさの駅えき 小川川おがわがわ 三陸さんりく自動車じどうしゃ道どう 釜石かまいし中央ちゅうおうIC 中妻なかつまトンネル 三陸さんりく鉄道てつどう：リアス線せん→ 釜石かまいし鉱業こうぎょう駅えき 90.2 釜石かまいし駅えき 大渡おおど川がわ（甲子川かっしがわ下流かりゅう部ぶ） ←三陸さんりく鉄道てつどう：リアス線せん おもに今尾いまお (2008)、宮脇みやわき・原田はらだ (1991) を参考さんこう

• 管轄かんかつ（事業じぎょう種別しゅべつ）：東日本旅客鉄道ひがしにほんりょかくてつどう（第だい一種いっしゅ鉄道てつどう事業じぎょう者しゃ）
• 区間くかん（営業えいぎょうキロ）：花巻はなまき駅えき - 釜石かまいし駅えき 90.2 km
• 軌間きかん：1,067 mm
• 駅えき数すう：24駅えき（起おこり終点しゅうてん駅えき含ふくむ）
  • 釜石線かまいしせん所属しょぞく駅えきに限定げんていした場合ばあい、起点きてんの花巻はなまき駅えき（東北本線とうほくほんせん所属しょぞく）が除外じょがいされ、23駅えきとなる。
  • 終点しゅうてんの釜石かまいし駅えきはかつては山田やまだ線せん所属しょぞくであったが、同線どうせんの一部いちぶ区間くかんが三陸さんりく鉄道てつどうへ移管いかんされたことに伴ともない、JRの駅えきとしては釜石線かまいしせん所属しょぞくに変更へんこうされた。
• 複線ふくせん区間くかん：なし（全線ぜんせん単線たんせん）
• 電化でんか区間くかん：なし（全線ぜんせん非ひ電化でんか）
• 閉塞へいそく方式ほうしき：特殊とくしゅ自動じどう閉塞へいそく式しき（軌道きどう回路かいろ検知けんち式しき）
• 保安ほあん装置そうち：ATS-SN
• 運転うんてん指令しれい所しょ：盛岡もりおか総合そうごう指令しれい室しつ（CTC・PRC）
• 最高さいこう速度そくど：85 km/h
• IC乗車じょうしゃカード対応たいおう区間くかん
  • Suica盛岡もりおかエリア：花巻はなまき駅えき - 新しん花巻はなまき駅えき間あいだ

全線ぜんせん盛岡もりおか支社ししゃの管轄かんかつである。

概要がいよう

岩手いわて県けん中部ちゅうぶの拠点きょてん都市としである花巻はなまき市しと沿岸えんがん地域ちいきの拠点きょてん都市としである釜石かまいし市しを結むすぶ路線ろせんである。2011年ねん（平成へいせい23年ねん）3月11日にちに発生はっせいした東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさいで一部いちぶが被災ひさいし運休うんきゅうしたものの、翌月よくげつには全線ぜんせんでの運行うんこうを再開さいかいした。

沿線えんせんには釜石かまいし製鐵せいてつ所しょや、そこに供給きょうきゅうする鉄鉱てっこう石せきを生産せいさんしていた釜石かまいし鉱山こうざんがあり、かつては貨物かもつ列車れっしゃも運行うんこうされていたが、現在げんざいは旅客りょかく輸送ゆそうのみのロろーカル線かるせんとなっている。

『銀河ぎんが鉄道てつどうの夜よる』などの文学ぶんがく作品さくひんで知しられる宮沢みやざわ賢治けんじは、沿線えんせんの花巻はなまき市し出身しゅっしんであり、それにちなんだ路線ろせん愛称あいしょうの付与ふよや観光かんこう列車れっしゃの運行うんこうを行おこなっている。『銀河ぎんが鉄道てつどうの夜よる』に登場とうじょうする沿線えんせん風景ふうけいのモデルは、当とう線せんの前身ぜんしんにあたる岩手いわて軽便鉄道けいべんてつどうといわれ、路線ろせん愛称あいしょうの「銀河ぎんがドリームライン釜石線かまいしせん」はそのことにちなむ。同おなじく宮沢みやざわ賢治けんじの『シグナルとシグナレス』は、東北とうほく本線ほんせんと釜石線かまいしせんの信号しんごう機きを擬人ぎじん化かし、男女だんじょに見立みたてた恋こい物語ものがたりである。また、宮沢みやざわ賢治けんじが作品さくひん中ちゅうにエスペラント語かたりの単語たんごをよく登場とうじょうさせていたことから、各駅かくえきにエスペラント語ごによる愛称あいしょうが付つけられている。

• 
  腕木うでき式しき信号しんごう機きと星ほしをモチーフとした「銀河ぎんがドリームライン」のマーク
• 
  遠野とおの駅えきの駅名えきめい標しるべ
  エスペラント語ごの「Folkloro」の愛称あいしょうも併記へいきされている。
• 
  宮守みやもり川がわ橋梁きょうりょう（宮守みやもり - 柏木平かしわぎだいら間あいだ）

歴史れきし

釜石線かまいしせんは岩手いわて軽便鉄道けいべんてつどうが敷設ふせつした花巻はなまき - 足ケ瀬あしがせ - 仙人峠せんにんとうげ間あいだの釜石西線かまいしさいせんと、国くにが敷設ふせつした陸中大橋りくちゅうおおはし - 釜石かまいし間あいだの釜石東線かまいしとうせんが、1950年ねん（昭和しょうわ25年ねん）の足ケ瀬あしがせ - 陸中大橋りくちゅうおおはし間あいだの開業かいぎょうによって結むすばれ成立せいりつしたものである。

釜石西線かまいしさいせん（花巻はなまき - 仙人峠せんにんとうげ間あいだ）

花巻はなまき - 仙人峠せんにんとうげ（1950年ねん廃止はいし）間あいだは、岩手いわて軽便鉄道けいべんてつどうが軌間きかん 762 mm の軽便鉄道けいべんてつどうとして敷設ふせつしたもので、1913年ねん（大正たいしょう2年ねん）から1915年ねん（大正たいしょう4年ねん）にかけて全通ぜんつうした。この間あいだ、終点しゅうてん側がわで部分ぶぶん開業かいぎょうしていたことから、花巻はなまき - 岩根橋いわねばし間あいだの西にし線せんと柏木平かしわぎだいら - 仙人峠せんにんとうげ間あいだの東ひがし線せんに分わかれて運営うんえいを行おこなっていた時期じきがある。この岩手いわて軽便鉄道けいべんてつどう時代じだいの西にし線せんと東ひがし線せんは、国有こくゆう化か後ごの路線ろせんではすべて釜石西線かまいしさいせん側がわに含ふくまれている。

仙人峠せんにんとうげ - 大橋おおはし間あいだは距離きょり約やく4 km に対たいして標高ひょうこう差さが 300 m あり、この間あいだに仙人峠せんにんとうげを越こえなければならず、建設けんせつ費ひの負担ふたんに耐たえられないことから、鉄道てつどうの敷設ふせつを断念だんねんした。代かわりに全長ぜんちょう3.6 kmの索道さくどう（ロープウェイ）により貨物かもつ・郵便ゆうびんを輸送ゆそうすることとし、旅客りょかくは同どう区間くかん約やく5.5 kmの山道さんどうを徒歩とほ連絡れんらくとされた。1927年ねん（昭和しょうわ2年ねん）には、ようやく鉄道てつどう敷設ふせつ法ほう別表べっぴょう第だい8号ごうの2に「岩手いわて県けん花巻はなまきヨリ遠野とおのヲ経けいテ釜石かまいしニ至いたりル鉄道てつどう」が追加ついかされ、1929年ねん（昭和しょうわ4年ねん）には現在げんざいの釜石線かまいしせんとなる路線ろせんの着工ちゃっこうが決定けっていした。1936年ねん（昭和しょうわ11年ねん）に岩手いわて軽便鉄道けいべんてつどうは政府せいふによって買収ばいしゅう、国有こくゆう化かされ、鉄道てつどう省しょうの釜石線かまいしせんとなった。この時ときに索道さくどうも買収ばいしゅうされ、国鉄こくてつ史上しじょう唯一ゆいいつの索道さくどう営業えいぎょうが行おこなわれることになった。1944年ねん（昭和しょうわ19年ねん）、釜石東線かまいしとうせんの開業かいぎょうにより釜石西線かまいしさいせん（かまいしさいせん）に改称かいしょうする。

岩手いわて軽便鉄道けいべんてつどうは軌間きかん 762 mm であったため、1067 mm への改あらため軌が順次じゅんじ実施じっしされた。またこれと並行へいこうして仙人峠せんにんとうげを越こえる鉄道てつどうの建設けんせつが始はじめられた。国有こくゆう化か前まえに岩手いわて軽便鉄道けいべんてつどうから国鉄こくてつへ依頼いらいして行おこなわれた検討けんとうでは、足ケ瀬あしがせ駅えきと仙人峠せんにんとうげ駅えきの間あいだに金山かなやま駅えきを設置せっちして分岐ぶんきし、仙人峠せんにんとうげの下したを長ながいトンネルでくぐって東側ひがしがわにループ線せんを設置せっちし、北進ほくしんしてスイッチバック式しきの甲子こうし駅えきを設置せっち、大おおきく南みなみへカーブして釜石かまいし鉱山こうざん鉄道てつどうの路線ろせんに並行へいこうして南東なんとうへ進すすみ、唄うた貝かい駅えきで合流ごうりゅうするという路線ろせん構想こうそうがあった。再さい検討けんとうの後のち、1936年ねん（昭和しょうわ11年ねん）6月がつに実際じっさいに国鉄こくてつが着工ちゃっこうしたのは、足ケ瀬あしがせ駅えきから分岐ぶんきして足ケ瀬あしがせトンネルで一旦いったん気仙川けせんがわ流域りゅういきへ出でて、上有住かみありす駅えきを経由けいゆして土倉つちくら峠とうげの下したを土倉つちくらトンネルで抜ぬけて仙人峠せんにんとうげ東側ひがしがわ斜面しゃめんを大おおきく北きたへ全長ぜんちょう1,280 m、半径はんけい250 mの「Ωおめが」（オメガ）字じ状じょうのカーブを描えがく第だい二に大橋おおはしトンネルを通とおり陸中大橋りくちゅうおおはし駅えきへ降おりていくルートとなった。

第だい二に大橋おおはしトンネルは急きゅうこう配ばい区間くかんであり、蒸気じょうき機関きかん車しゃが通過つうかするとトンネル内ないは煤煙ばいえんでいっぱいになった。開通かいつう後ご、列車れっしゃが頻繁ひんぱんに通過つうかするようになると、煤煙ばいえんがトンネル付近ふきんにあった釜石かまいし鉱業こうぎょう所しょの社宅しゃたくに押おし寄よせ、洗濯せんたく物ぶつが真まっ黒くろになるとのクレームが出だされたことから、盛岡もりおか鉄道てつどう管理かんり局きょくはトンネル出口でぐちに送風そうふう機きと組くみ合あわせた煙突えんとつを作つくることを発案はつあん。1950年ねん（昭和しょうわ25年ねん）12月より模型もけい実験じっけんを繰くり返かえし、実際じっさいに高たかさ25 mの角かく型がたの煙突えんとつが作つくられた。

改あらため軌工事こうじに関かんしては、1944年ねん（昭和しょうわ19年ねん）に花巻はなまき - 柏木平かしわぎだいら間あいだの工事こうじが完成かんせいした。花巻はなまき駅えきは、国鉄こくてつの駅前えきまえにあったものが国鉄こくてつの駅えきへ乗のり入いれるように改あらためられ、似内にたない駅えきまでの区間くかんはこの時ときに大おおきく線路せんろを付つけ替かえられている。元もとの花巻はなまき駅えきは花巻温泉はなまきおんせん電気でんき鉄道てつどう（後ごの花巻はなまき電鉄でんてつ）の駅えきとして残のこった。これ以降いこうの改あらため軌工事こうじは太平洋戦争たいへいようせんそうの激化げきかのため、仙人峠せんにんとうげの新しん線せん建設けんせつ工事こうじと共ともに中断ちゅうだんされた。この時点じてんでかなりの部分ぶぶんまで路盤ろばん工事こうじもできあがっており、新しん線区せんく間あいだの土倉つちくらトンネルも貫通かんつうしている状態じょうたいであった。戦後せんごの1946年ねん（昭和しょうわ21年ねん）にアイオン台風たいふうにより壊滅かいめつ的てきな被害ひがいを受うけて長期ちょうき不通ふつうとなった山田やまだ線せんの代替だいたい路線ろせんとして、釜石線かまいしせんの建設けんせつ・改築かいちくを優先ゆうせんすることとなり、1948年ねん（昭和しょうわ23年ねん）に工事こうじを再開さいかいし、翌年よくねんに柏木平かしわぎだいら - 遠野とおの間あいだの改あらため軌が完成かんせいした。1950年ねん（昭和しょうわ25年ねん）には遠野とおの - 足ケ瀬あしがせ間あいだの改あらため軌が完成かんせいし、足ケ瀬あしがせ - 陸中大橋りくちゅうおおはし間あいだが新しん線せんで連絡れんらくされて釜石線かまいしせんが全通ぜんつうした。なおこの際さい、新しん線せん建設けんせつルートから外はずれた足ケ瀬あしがせ - 仙人峠せんにんとうげ間あいだは軌間きかん 762 mm のまま、仙人峠せんにんとうげ - 陸中大橋りくちゅうおおはし間あいだの索道さくどうとともに廃止はいしされている。これにより、国有こくゆう鉄道てつどうの特殊とくしゅ狭軌きょうき線せん（軽便鉄道けいべんてつどう）はすべて姿すがたを消けした。

釜石東線かまいしとうせん（陸中大橋りくちゅうおおはし - 釜石かまいし間あいだ）

「釜石かまいし鉱山こうざん鉄道てつどう」も参照さんしょう

東ひがし（釜石かまいし）側がわは、1944年ねん（昭和しょうわ19年ねん）に開業かいぎょうした釜石東線かまいしとうせん（かまいしとうせん）以前いぜんに、民営みんえい鉄道てつどうがすでに開業かいぎょうしていた。

まず1880年ねん（明治めいじ13年ねん）8月がつ30日にちに、富国強兵ふこくきょうへいを目指めざす政府せいふの工こう部ぶ省しょうによって釜石かまいし桟橋さんばし - 大橋おおはし採鉱さいこう所しょ18.3 kmと、小佐野おさの - 小川おがわ山間さんかん4.9 kmなど支線しせんを含ふくんで26.3 kmを結むすぶ釜石かまいし鉱山こうざん専用せんよう鉄道てつどうが敷設ふせつされた。これは、釜石かまいし製鉄せいてつ所しょへの鉱石こうせきを輸送ゆそうするためのものであり、日本にっぽんで3番目ばんめとなる鉄道てつどう路線ろせんであったが、釜石かまいし製鉄せいてつ所しょでの製鉄せいてつが不振ふしんで銑鉄せんてつ生産せいさんを1883年ねん（明治めいじ16年ねん）に中断ちゅうだんしてしまったため、官営かんえい釜石かまいし鉱山こうざんは閉山へいざんし、そのための鉄道てつどうも開業かいぎょう僅わずか3年ねんで廃はい線せんとなった。このときの鉄道てつどう設備せつびと車両しゃりょうは阪堺はんかい鉄道てつどう（南海電気鉄道なんかいでんきてつどうの前身ぜんしん）へ譲渡ゆずりわたされている。

その後ご、1884年ねん（明治めいじ17年ねん）に釜石かまいし鉱山こうざん馬車ばしゃ鉄道てつどう（釜石かまいし町まち - 甲子こうし村むら間あいだ、軌間きかん 762 mm）が岩手いわて県けん下か初はつの民営みんえい鉄道てつどうとして開業かいぎょう、1911年ねん（明治めいじ44年ねん）に個人こじん（田中たなか長兵衛ちょうべえ）経営けいえいの鉱山こうざん鉄道てつどう（鈴子すずこ - 大橋おおはし間あいだ、軌間きかん 762 mm）に移行いこうした。これは、釜石かまいし製鉄せいてつ所しょの再建さいけんを目指めざす田中たなかによって開業かいぎょうさせたものである。1916年ねん（大正たいしょう5年ねん）に田中たなか鉱山こうざん（1924年ねん〈大正たいしょう13年ねん〉釜石かまいし鉱山こうざんに改称かいしょう）に譲渡ゆずりわたされ、1940年ねん（昭和しょうわ15年ねん）には日鉄鉱業にってつこうぎょうに譲渡ゆずりわたされた。前述ぜんじゅつの岩手いわて軽便鉄道けいべんてつどうはこれとの接続せつぞくを目指めざして計画けいかくされたものである。同どう鉄道てつどうは、釜石東線かまいしとうせん開業かいぎょう後ごは貨物かもつ専用せんよう線せんとして残のこり、1965年ねん（昭和しょうわ40年ねん）4月がつ1日にちに廃止はいしされた。国道こくどう283号ごうで仙人せんにん峠とうげを越こえて釜石かまいしに入はいると、釜石かまいし線せんと間近まぢかで並なみ走はしする片側かたがわ2車線しゃせん片側かたがわ1車線しゃせんの変則へんそく区間くかんがあるが、これが廃はい線せん跡あとである。

年表ねんぴょう

岩手いわて軽便鉄道けいべんてつどう

西にし線せん（花巻はなまき - 岩根橋いわねばし間あいだ）

• 1913年ねん（大正たいしょう2年ねん）
  • 10月25日にち：岩手いわて軽便鉄道けいべんてつどうが花巻はなまき - 土沢つちさわ間あいだを開業かいぎょう、花巻はなまき駅えき（国有こくゆう鉄道てつどう花巻はなまき駅えきとは別べつ駅えき）・矢沢やざわ停留ていりゅう場じょう・幸田こうだ停留ていりゅう場じょう・土沢つちさわ駅えきを新設しんせつ。
  • 12月25日にち：似内にたない停留ていりゅう場じょうを新設しんせつ。
• 1914年ねん（大正たいしょう3年ねん）。
  • 4月がつ6日にち：幸田こうだを停留ていりゅう場じょうから駅えきに改あらためる。
  • 4月がつ16日にち：土沢つちさわ - 晴山はりやま間あいだを延伸えんしん開業かいぎょう、晴山はれやま駅えきを新設しんせつ。
  • 12月15日にち：晴山はりやま - 岩根橋いわねばし間あいだを延伸えんしん開業かいぎょう、岩根橋いわねばし駅えきを新設しんせつ。
• 1915年ねん（大正たいしょう4年ねん）4月がつ10日とおか：鳥谷とりたにヶ崎さき停留ていりゅう場じょうを新設しんせつ。

東ひがし線せん（柏木平かしわぎだいら - 仙人峠せんにんとうげ間あいだ）

• 1914年ねん（大正たいしょう3年ねん）
  • 4月がつ18日にち：岩手いわて軽便鉄道けいべんてつどうが遠野とおの - 仙人峠せんにんとうげ間あいだの貨物かもつ線せんを開業かいぎょう、（貨）遠野とおの駅えき・（貨）上郷かみごう駅えき・足ケ瀬あしがせ給水きゅうすい所しょ・（貨）仙人峠せんにんとうげ駅えきを新設しんせつ。
  • 5月15日にち：遠野とおの - 仙人峠せんにんとうげ間あいだで旅客りょかく営業えいぎょうを開始かいし、遠野とおの・上郷かみさと・仙人峠せんにんとうげの各駅かくえきを貨物かもつ駅えきから一般いっぱん駅えきに改あらためる。
  • 10月25日にち：足ケ瀬あしがせを給水きゅうすい所しょから信号しんごう所しょに改あらためる。
  • 12月15日にち：鱒沢ますざわ - 遠野とおの間あいだを延伸えんしん開業かいぎょう、鱒沢ますざわ駅えき（初代しょだい）・二日ふつか町まち停留ていりゅう場じょう・綾織あやおり駅えきを新設しんせつ。
• 1915年ねん（大正たいしょう4年ねん）。
  • 5月1日にち：赤川あかがわ停留ていりゅう場じょうを新設しんせつ。
  • 7月がつ30日にち：柏木平かしわぎだいら - 鱒沢ますざわ間あいだを延伸えんしん開業かいぎょう、宇洞・柏木平かしわぎだいらの各駅かくえきを新設しんせつ。
  • 9月1日にち：青笹あおざさ停留ていりゅう場じょうを新設しんせつ。

花巻はなまき - 仙人峠せんにんとうげ間あいだ全通ぜんつうから国有こくゆう化か直前ちょくぜんまで

• 1915年ねん（大正たいしょう4年ねん）11月23日にち：岩根橋いわねばし - 柏木平かしわぎだいら間あいだを延伸えんしん開業かいぎょうし全通ぜんつう、宮守みやもり駅えき・平ひら倉くら停留ていりゅう場じょうを新設しんせつ、足ケ瀬あしがせを信号しんごう所しょから駅えきに改あらためる、幸田こうだ駅えきを小山田おやまだ駅えきに改称かいしょう。
• 1916年ねん（大正たいしょう5年ねん）
  • 2月がつ10日とおか：上郷かみごう駅えきを岩手いわて上郷かみごう駅えきに改称かいしょう。
  • 2月がつ25日にち：二日ふつか町まちを停留ていりゅう場じょうから駅えきに改あらためる。
• 1924年ねん（大正たいしょう13年ねん）12月16日にち：荒谷前あらやまえ駅えきを新設しんせつ、宇洞駅えきを鱒沢ますざわ駅えき（2代だい）に、鱒沢ますざわ駅えき（初代しょだい）を中ちゅう鱒沢ますざわ駅えきに、二日ふつか町まち駅えきを岩手二日町いわてふつかまち駅えきにそれぞれ改称かいしょう。
• 1926年ねん（大正たいしょう15年ねん）8月がつ15日にち：関口せきぐち停留ていりゅう場じょうを新設しんせつ。
• 1927年ねん（昭和しょうわ2年ねん）12月13日にち：赤川あかがわ停留ていりゅう場じょうを廃止はいし。
• 1928年ねん（昭和しょうわ3年ねん）6月1日にち：中ちゅう鱒沢ますざわ駅えきを廃止はいし。
• 1930年ねん（昭和しょうわ5年ねん）7月がつ16日にち：（貨）中ちゅう鱒沢ますざわ駅えきを新設しんせつ。
• 1936年ねん（昭和しょうわ11年ねん）3月25日にち：平ひら倉くらを停留ていりゅう場じょうから駅えきに改あらためる。

国有こくゆう化か後ご

釜石線かまいしせん → 釜石西線かまいしさいせん

• 1936年ねん（昭和しょうわ11年ねん）8月がつ1日にち ：岩手いわて軽便鉄道けいべんてつどうを買収ばいしゅう・国有こくゆう化かし花巻はなまき - 仙人峠せんにんとうげ間あいだ (64.4 km)を釜石線かまいしせんとする。（貨）中ちゅう鱒沢ますざわ駅えきを廃止はいし、鳥谷とりたにヶ崎さき・青笹あおざさを停留ていりゅう場じょうから駅えきに改あらためる。
• 1943年ねん（昭和しょうわ18年ねん）9月がつ20日はつか：花巻はなまき - 柏木平かしわぎだいら間あいだを762 mmから1067 mmに改あらため軌し似内にたない - 柏木平かしわぎだいら間あいだで+0.1 kmの改あらためキロ、花巻はなまき - 似内にたない間あいだを線路せんろ付づけ替かえし-0.2 kmの改あらためキロ、鳥谷とりたにヶ崎さき駅えきを廃止はいし。
• 1944年ねん（昭和しょうわ19年ねん）10月11日にち：釜石東線かまいしとうせん開業かいぎょうにともない釜石西線かまいしさいせんに改称かいしょう。
• 1949年ねん（昭和しょうわ24年ねん）12月10日にち：柏木平かしわぎだいら - 遠野とおの間あいだを762 mmから1067 mmに改あらため軌し-0.1 kmの改あらためキロ。

釜石東線かまいしとうせん

• 1944年ねん（昭和しょうわ19年ねん）10月がつ11日にち：釜石かまいし - 陸中大橋りくちゅうおおはし間あいだ（貨物かもつ線せん、16.5 km）を釜石東線かまいしとうせんとして開業かいぎょう、（貨）陸中大橋りくちゅうおおはし駅えき・洞泉どうせん信号しんごう場じょう・小佐野おさの信号しんごう場じょうを新設しんせつ。
• 1945年ねん（昭和しょうわ20年ねん）6月15日にち：釜石かまいし - 陸中大橋りくちゅうおおはし間あいだで旅客りょかく営業えいぎょうを開始かいし、松倉まつくら駅えきを新設しんせつ、洞泉どうせん・小佐野おさのを信号しんごう場じょうから駅えきに改あらためる。
• 1946年ねん（昭和しょうわ21年ねん）4月がつ1日にち：中妻なかつま操車そうしゃ場じょうを新設しんせつ。
• 1949年ねん（昭和しょうわ24年ねん）8月がつ1日にち：中妻なかつま操車そうしゃ場じょうを廃止はいし。

花巻はなまき - 釜石かまいし間あいだ全通ぜんつう以後いご

• 1950年ねん（昭和しょうわ25年ねん）10月がつ10日とおか：足ケ瀬あしがせ - 陸中大橋りくちゅうおおはし間あいだ (12.5 km)を延伸えんしん開業かいぎょうし全通ぜんつう、上有住かみありす駅えきを新設しんせつ、遠野とおの - 足ケ瀬あしがせ間あいだを762 mmから1067 mmに改あらため軌し-0.2 kmの改あらためキロ、綾織あやおり - 遠野とおの間あいだを-0.1 kmの改あらためキロ、足ケ瀬あしがせ - 仙人峠せんにんとうげ間あいだ (-3.9 km)を廃止はいし、仙人峠せんにんとうげ・関口せきぐちの両りょう駅えきを廃止はいし、釜石東線かまいしとうせんを釜石西線かまいしさいせんに編入へんにゅうして花巻はなまき - 釜石かまいし間あいだ (90.2 km)を釜石線かまいしせんと改称かいしょう。
• 1967年ねん（昭和しょうわ42年ねん）3月がつ20日はつか：蒸気じょうき機関きかん車しゃ（D50・D51）の運転うんてんを終了しゅうりょうし無煙むえん化か。
• 1981年ねん（昭和しょうわ56年ねん）
  • 8月がつ23日にち：台風たいふう15号ごうの影響えいきょうにより、足ケ瀬あしがせ - 上有住かみありす間あいだが不通ふつうとなる。
  • 9月17日にち：足ケ瀬あしがせ - 上有住かみありす間あいだが営業えいぎょう再開さいかいし、全線ぜんせんで運行うんこう再開さいかい。
• 1985年ねん（昭和しょうわ60年ねん）3月14日にち：矢沢やさわ駅えきを廃止はいし、新しん花巻はなまき駅えきを新設しんせつ（実質じっしつ的てきに矢沢やさわ駅えきの移転いてん改称かいしょう）。
• 1987年ねん（昭和しょうわ62年ねん）4月がつ1日にち：国鉄こくてつ分割ぶんかつ民営みんえい化かに伴ともない東日本旅客鉄道ひがしにほんりょかくてつどう（第だい一種いっしゅ）および日本にっぽん貨物かもつ鉄道てつどう（第だい二に種しゅ）が承継しょうけい。
• 1991年ねん（平成へいせい3年ねん）7月がつ7日にち：キハ100系けい気動車きどうしゃの運用うんようを開始かいし。
• 1993年ねん（平成へいせい5年ねん）10月1日にち：全線ぜんせんCTC化か。
• 1994年ねん（平成へいせい6年ねん）3月30日にち：ワンマン運転うんてん開始かいし
• 1995年ねん（平成へいせい7年ねん）3月1日にち：「銀河ぎんがドリームライン釜石線かまいしせん」の路線ろせん愛称あいしょうと、各駅かくえきにエスペラント語ごによる愛称あいしょうを設定せってい。
• 1997年ねん（平成へいせい9年ねん）10月6日にち：天皇てんのう・皇后こうごうの岩手いわて訪問ほうもん（全国ぜんこく豊ゆたかな海うみづくり大会たいかいへの臨席りんせきなど）に伴ともない、1号ごう御料ごりょう車しゃ編成へんせいによるお召めし列車れっしゃを釜石かまいしから釜石線かまいしせん経由けいゆで花巻はなまきへ運転うんてん（片道かたみちのみ、途中とちゅう遠野とおの駅えきで一旦いったん下車げしゃ。同月どうげつ4日にちには盛岡もりおかから山田やまだ線せん経由けいゆで宮古みやふるへ運転うんてん）。DD51 842牽引けんいん（予備よび機き：DD51 895）。
• 1999年ねん（平成へいせい11年ねん）4月がつ1日にち：日本にっぽん貨物かもつ鉄道てつどうが花巻はなまき - 釜石かまいし間あいだの第だい二に種しゅ鉄道てつどう事業じぎょうを廃止はいし。
• 2011年ねん（平成へいせい23年ねん）
  • 3月11日にち：東北とうほく地方ちほう太平洋たいへいよう沖おき地震じしんが発生はっせいし、全線ぜんせんが不通ふつうとなる。
  • 3月28日にち：花巻はなまき - 遠野とおの間あいだを営業えいぎょう再開さいかい。
  • 4月がつ6日にち：遠野とおの - 釜石かまいし間あいだを営業えいぎょう再開さいかいし、全線ぜんせんで運行うんこう再開さいかい。
  • 4月がつ8日にち：7日にちに発生はっせいした東北とうほく地方ちほう太平洋たいへいよう沖おき地震じしんの余震よしんにより再ふたたび全線ぜんせん不通ふつうとなる。
  • 4月がつ12日にち：全線ぜんせんで運行うんこう再開さいかい。
• 2023年ねん（令れい和わ5年ねん）5月27日にち：花巻はなまき - 新花巻しんはなまき間あいだにおいてICカード「Suica」の利用りようが可能かのうとなる。

運行うんこう形態けいたい

国道こくどう283号ごうと並行へいこうして走はしる釜石線かまいしせんのキハ100形かたち（2008年ねん8月がつ）

キハ110系けい3両りょう編成へんせいで運行うんこうされる快速かいそく「はまゆり」（2006年ねん10月がつ、遠野とおの駅えき）

各駅かくえきに停車ていしゃする普通ふつう列車れっしゃは、基本きほん的てきに花巻はなまき駅えき - 釜石かまいし駅えき間あいだで2時じ間あいだに1本ほん程度ていど運行うんこうされているが、朝あさには遠野とおの発はつ釜石かまいし行いきの区間くかん列車れっしゃがある。また、一部いちぶの列車れっしゃは東北本線とうほくほんせんを経由けいゆして盛岡もりおか駅えき発着はっちゃくで運転うんてんしている。東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさい前まえには山田やまだ線せんに直通ちょくつうする宮古みやふる駅えき発着はっちゃく列車れっしゃもあった。2010年ねん12月3日にちまでは釜石かまいし発はついわて銀河ぎんが鉄道てつどう線せん直通ちょくつう好摩こうま行いきも1本ほん設定せっていされていた。1994年ねん3月がつ30日にちから、盛岡もりおか車両しゃりょうセンター配置はいちのキハ100形かたち気動車きどうしゃによるワンマン運転うんてんが行おこなわれている。

このほか、盛岡もりおか駅えき - 釜石かまいし駅えき間あいだに一部いちぶ指定してい席せきの快速かいそく「はまゆり」が3往復おうふく運転うんてんされている。2002年ねん11月30日にちまでは、急行きゅうこう「陸中りくちゅう」として運転うんてんされていた列車れっしゃで、回転かいてんリクライニングシートを装備そうびした専用せんようのキハ110系けい気動車きどうしゃが使用しようされている。このキハ110系けいは釜石線かまいしせんに初はつ投入とうにゅうされ、はじめは前面ぜんめんが黒色こくしょくのブラックフェイスであったが視認しにん性せい向上こうじょうのために白しろ系けいに塗ぬり替かえられたものである。快速かいそく「はまゆり」は基本きほん的てきに3両りょう編成へんせいである。当初とうしょキハ110系けい0番台ばんだいだけを使用しようしていたが、2007年ねんから指定してい席せきに0番台ばんだいを使用しよう（一部いちぶ自由じゆう席せきにも使用しよう）し、自由じゆう席せきは100番台ばんだいを使用しようしている。従来じゅうらい使用しようしていた0番台ばんだいの一部いちぶは、気仙沼線けせんぬませんの快速かいそく「南みなみ三陸さんりく」の指定してい席せき車両しゃりょうに充当じゅうとうされている。震災しんさい前まえの2010年ねん3月がつ13日にち改正かいせい時点じてんでは4号ごうが宮古みやふる発はつで運転うんてんされていたが、震災しんさいによる山田やまだ線せんの不通ふつうに伴ともない釜石かまいし駅えき - 盛岡もりおか駅えき間あいだのみの運転うんてんとなった。

列車れっしゃ番号ばんごうは花巻はなまきから釜石かまいし方面ほうめんが「下くだり」列車れっしゃに付つける奇数きすうで、その逆ぎゃく（釜石かまいしから花巻はなまき方面ほうめん）が「上のぼり」列車れっしゃに付つける偶数ぐうすうである。

キハ100形かたち導入どうにゅう前まえにはキハ52系けいやキハ58系けいが使用しようされていた。

かつては東北本線とうほくほんせん - 釜石線かまいしせん - 山田やまだ線せんを回まわる盛岡もりおか発はつ盛岡もりおか行いきの循環じゅんかん急行きゅうこう列車れっしゃ「五ご葉よう」と、逆ぎゃく回まわりの「そとやま」が存在そんざいした。また、かつての「五ご葉よう」・「そとやま」辺あたりと同様どうようのルートを走はしる観光かんこう列車れっしゃとして、一時期いちじき「ぐるっとさんりくトレイン」なる列車れっしゃが運行うんこうされたこともあった。

釜石かまいし製鉄せいてつ所しょが高炉こうろを24時じ間あいだ体制たいせいで操業そうぎょうしていた時代じだいには、山田やまだ線せんとともに夜勤やきん者しゃ用ように時刻じこく表ひょう非ひ掲載けいさいの深夜しんや列車れっしゃが運行うんこうされていた。1979年ねん当時とうじのダイヤでは、釜石かまいしを深夜しんやの1時じ20分ふんに発車はっしゃし、終着しゅうちゃくの遠野とおのには午前ごぜん2時じ54分ふんに到着とうちゃくしていた。

JR東日本ひがしにっぽんの路線ろせんにおけるニホンジカ・カモシカと列車れっしゃ車両しゃりょうとの接触せっしょく事故じこは釜石かまいし線せんと山田やまだ線せんで約やく5割わりを占しめるなど問題もんだいとなっていたことから、2004年ねん以降いこうは岩手大学いわてだいがくと共同きょうどう開発かいはつした忌避きひ剤ざいの散布さんぷ、2007年ねん以降いこうは線路せんろ沿線えんせんへの侵入しんにゅう防止ぼうしネット設置せっち、早朝そうちょうと夜間やかんのレーザー光こう照射しょうしゃなどの対策たいさくを山間さんかん部ぶで行おこなってきた。2017年ねん2月がつには運行うんこう車両しゃりょうのキハ100系けい1両りょうに排はい障さわ器うつわを試験しけん的てきに採用さいようし、車両しゃりょうに接触せっしょくしても運行うんこうへの影響えいきょうが少すくなくなるようにしている。

臨時りんじ列車れっしゃの運転うんてん

宮守みやもり橋梁きょうりょうを走はしるSL銀河ぎんが

このほか、当とう線せんには様々さまざまな列車れっしゃが臨時りんじに運行うんこうされる。その代表だいひょう的てきな列車れっしゃが2014年ねん4月がつ12日にちから運行うんこうを開始かいしした蒸気じょうき機関きかん車しゃC58 239牽引けんいんによる列車れっしゃ「SL銀河ぎんが」である。前身ぜんしんは、1989年ねんから2001年ねんにかけて毎年まいとし運行うんこうされた蒸気じょうき機関きかん車しゃによるイベント列車れっしゃ「SL銀河ぎんがドリーム号ごう」で、路線ろせん愛称あいしょうである「銀河ぎんがドリームライン釜石線かまいしせん」と、「銀河ぎんが鉄道てつどうの夜よる」にちなんだもの。2001年ねんで一旦いったん運行うんこうは打うち切きりとなったが、その後ごも2004年ねん、2012年ねんと運行うんこうされた。2014年度ねんどより、専用せんようの蒸気じょうき機関きかん車しゃとなるC58 239を新あらたに動態どうたい復元ふくげんし、「SL銀河ぎんが」として週末しゅうまつを中心ちゅうしんに定期ていき運行うんこうが行おこなわれたが、客車きゃくしゃの老朽ろうきゅう化かにより、2023年ねん6月がつ11日にちを最後さいごに運行うんこうを終了しゅうりょうした。

後継こうけいとして2023年ねん12月23日にちから主おもに土ど休日きゅうじつを中心ちゅうしんにHB-E300系けい気動車きどうしゃによる観光かんこう列車れっしゃ「ひなび（陽ひ旅たび）」が運行うんこうされている。

また、当とう線せんを管理かんりする盛岡もりおか支社ししゃは、宮沢みやざわ賢治けんじの名前なまえにちなんだジョイフルトレイン「Kenji」を所有しょゆうしていた。この列車れっしゃも、時折ときおり入線にゅうせんし、イベント運行うんこうを行おこなっていた。

2020年ねん12月から冬ふゆの2泊はく3日にちコースで周遊しゅうゆう型がた寝台しんだい列車れっしゃ「TRAIN SUITE 四季しき島とう」が花巻はなまき駅えき - 遠野とおの駅えき間あいだに乗のり入いれている。専用せんようバスで乗客じょうきゃくが遠野とおの市しに入はいり観光かんこうをしている間あいだ、車両しゃりょうは遠野とおの駅えきまで回送かいそう。客きゃく乗のせ後ご、折おり返かえし花巻はなまき経由けいゆで次つぎの目的もくてき地ちに向むかう。なお、途中とちゅう駅えきの有効ゆうこう長ちょうの関係かんけいなどから花巻はなまき駅えき - 遠野とおの駅えき間あいだは全ぜん駅えき通過つうか、ノンストップで走行そうこうする。

駅えき一覧いちらん

• 停車駅ていしゃえき
  • 普通ふつう…すべての駅えきに停車ていしゃ
  • 快速かいそく＝快速かいそく「はまゆり」…●：全ぜん列車れっしゃ停車ていしゃ、▲：一部いちぶの列車れっしゃが停車ていしゃ、｜：全ぜん列車れっしゃ通過つうか
    • 快速かいそく「はまゆり」の全ぜん停車駅ていしゃえきは列車れっしゃ記事きじを参照さんしょう
• 線路せんろ（全線ぜんせん単線たんせん） … ◇・∧：列車れっしゃ交換こうかん可か、｜：列車れっしゃ交換こうかん不可ふか
  • ※：花巻はなまき駅えきの釜石線かまいしせん用よう旅客りょかくホームは1面めん1線せんのみだが、ホームのない副ふく本線ほんせんを用もちいた列車れっしゃ交換こうかんは可能かのう
• 全ぜん駅えき岩手いわて県けん内うちに所在しょざい

駅名えきめい	営業えいぎょうキロ		快速かいそく	接続せつぞく路線ろせん	線路せんろ	所在地しょざいち	エスペラント語かたりによる愛称あいしょうとその意味いみ
	駅えき間あいだ	累計るいけい
花巻はなまき駅えき	-	0.0	●	東日本旅客鉄道ひがしにほんりょかくてつどう：■東北本線とうほくほんせん	※	花巻はなまき市し	Ĉielarko（チェールアルコ：虹にじ）
似内にたない駅えき	3.5	3.5	｜		◇		La Marbordo（ラ・マールボルド：海岸かいがん）
新しん花巻はなまき駅えき	2.9	6.4	●	東日本旅客鉄道ひがしにほんりょかくてつどう： 東北新幹線とうほくしんかんせん	｜		Stelaro（ステラーロ：星座せいざ）
小山田おやまだ駅えき	1.9	8.3	｜		｜		Luna Nokto（ルーナ・ノクト：月夜つきよ）
土沢つちさわ駅えき	4.4	12.7	●		◇		Brila Rivero（ブリーラ・リヴェーロ：光ひかる川かわ）
晴山はれやま駅えき	3.2	15.9	｜		｜		Ĉeriz-arboj（チェリーズ・アルボイ：桜さくら並木なみき）
岩根橋いわねばし駅えき	5.8	21.7	｜		｜	遠野とおの市し	Fervojponto（フェルヴォイポント：鉄道てつどう橋きょう）
宮守みやもり駅えき	3.4	25.1	●		◇		Galaksia Kajo （ガラクシーア・カーヨ：銀河ぎんがのプラットホーム）
柏木平かしわぎだいら駅えき	6.1	31.2	｜		｜		Glanoj（グラーノイ：どんぐり）
鱒沢ますざわ駅えき	2.4	33.6	▲		◇		Lakta Vojo（ラクタ・ヴォーヨ：天あまの川がわ）
荒谷前あらやまえ駅えき	2.8	36.4	｜		｜		Akvorado（アクヴォラード：水車みずぐるま）
岩手二日町いわてふつかまち駅えき	2.9	39.3	｜		｜		Farmista Domo（ファルミスタ・ドーモ：農家のうか）
綾織あやおり駅えき	1.8	41.1	｜		｜		Teksilo（テクシーロ：機織はたおり機き）
遠野とおの駅えき	4.9	46.0	●		◇		Folkloro（フォルクローロ：民話みんわ）
青笹あおざさ駅えき	4.3	50.3	｜		｜		Kapao（カパーオ：カッパ）
岩手いわて上郷かみごう駅えき	3.5	53.8	▲		｜		Cervodanco（ツェルヴォダンツォ：鹿しか踊おどり）
平ひら倉くら駅えき	2.8	56.6	｜		｜		Monta Dio（モンタ・ディーオ：山やまの神かみ）
足ケ瀬あしがせ駅えき	4.6	61.2	｜		◇		Montopasejo（モントパセーヨ：峠とうげ）
上有住かみありす駅えき	4.2	65.4	｜		｜	気仙けせん郡ぐん 住田すみた町まち	Kaverno（カヴェルノ：洞窟どうくつ）
陸中大橋りくちゅうおおはし駅えき	8.3	73.7	｜		◇	釜石かまいし市し	Minaĵo（ミナージョ：鉱石こうせき）
洞泉どうせん駅えき	5.9	79.6	｜		｜		Cervoj（ツェルヴォイ：鹿しか）
松倉まつくら駅えき	3.6	83.2	●		｜		La Suda Kruco（ラ・スーダ・クルーツォ：南十字星みなみじゅうじせい）
小佐野こさの駅えき	3.3	86.5	●		◇		Verda Vento（ヴェルダ・ヴェント：緑みどりの風ふう）
釜石かまいし駅えき	3.7	90.2	●	三陸さんりく鉄道てつどう：■リアス線せん	∧		La Oceano（ラ・オツェアーノ：大洋たいよう）

2022年度ねんどの時点じてんで、JR東日本ひがしにっぽん自社じしゃによる乗車じょうしゃ人員じんいん集計しゅうけいの対象たいしょう駅えきは、花巻はなまき駅えき・新しん花巻はなまき駅えき・遠野とおの駅えき・釜石かまいし駅えきである。それ以外いがいの駅えきは完全かんぜんな無人むじん駅えきのため集計しゅうけい対象たいしょうから外はずされている。なお、新しん花巻はなまき駅えきについては釜石線かまいしせんの区画くかくは無人ぶにんであるが、接続せつぞくする東北新幹線とうほくしんかんせんの区画くかくが有人ゆうじんとなっている。

廃止はいし・廃はい駅えき

廃止はいし区間くかん

1943年ねん廃止はいし

花巻はなまき駅えき - 鳥谷とりたにヶ崎さき駅えき - 似内にたない駅えき (3.7 km)

1950年ねん廃止はいし

足ケ瀬あしがせ駅えき - 仙人峠せんにんとうげ駅えき (3.9 km)

廃はい駅えき

廃止はいし区間くかんの駅えきは前節ぜんせつ参照さんしょう。( ) 内ないは花巻はなまき駅えきからのキロ程ほど。

• 矢沢やさわ駅えき ： 1985年ねん3月がつ14日にち廃止はいし、似内にたない駅えき - 新しん花巻はなまき駅えき間あいだ (6.0 km)
• 中ちゅう鱒沢ますざわ駅えき ： 1936年ねん8月がつ1日にち廃止はいし、鱒沢ますざわ駅えき - 荒谷前あらやまえ駅えき間あいだ (35.3 km)
• 関口せきぐち駅えき ： 1950年ねん10月がつ10日とおか廃止はいし、青笹あおざさ駅えき - 赤川あかがわ停留ていりゅう場じょう間あいだ (51.7 km)
• 赤川あかがわ停留ていりゅう場じょう ： 1927年ねん12月13日にち廃止はいし、関口せきぐち駅えき - 岩手いわて上郷かみごう駅えき間あいだ (52.2 km)

過去かこの接続せつぞく路線ろせん

• 花巻はなまき駅えき：花巻はなまき電鉄でんてつ鉄道てつどう線せん（花巻温泉はなまきおんせん線せん）・軌道きどう線せん（鉛なまり線せん）（電鉄でんてつ花巻はなまき駅えき・中央ちゅうおう花巻はなまき駅えき）

参考さんこう文献ぶんけん

• 白土しらつち貞夫さだお「岩手いわて軽便鉄道けいべんてつどう 歴史れきし拾遺しゅうい」『鉄道てつどうピクトリアル』No. 813（2009年ねん1月がつ）pp. 130 - 137。電気でんき車しゃ研究けんきゅう会かい
• 今尾いまお恵めぐみ介かい（監修かんしゅう）『日本にっぽん鉄道てつどう旅行りょこう地図ちず帳ちょう - 全線ぜんせん・全ぜん駅えき・全廃ぜんぱい線せん』 2 東北とうほく、新潮社しんちょうしゃ、2008年ねん。ISBN 978-4-10-790020-3。 
• 曽根そね悟さとる（監修かんしゅう） 著しる、朝日新聞あさひしんぶん出版しゅっぱん分冊ぶんさつ百科ひゃっか編集へんしゅう部ぶ 編へん『週刊しゅうかん 歴史れきしでめぐる鉄道てつどう全ぜん路線ろせん 国鉄こくてつ・JR』 21号ごう 釜石線かまいしせん・山田やまだ線せん・岩泉線いわいずみせん・北上ほくじょう線せん・八戸はちのへ線せん、朝日新聞あさひしんぶん出版しゅっぱん〈週刊しゅうかん朝日あさひ百科ひゃっか〉、2009年ねん12月6日にち、5-11頁ぺーじ。 
• 宮脇みやわき俊三しゅんぞう、原田はらだ勝正かつまさ 編へん『全線ぜんせん全ぜん駅えき鉄道てつどうの旅たび』 2巻かん《東北とうほくJR私鉄してつ3000キロ》、小学館しょうがくかん、1991年ねん、170-172頁ぺーじ。ISBN 4-09-395302-3。 

関連かんれん項目こうもく

• 日本にっぽんの鉄道てつどう路線ろせん一覧いちらん
• 宮守みやもり川がわ橋梁きょうりょう：宮守みやもり - 柏木平かしわぎだいら間あいだにある釜石線かまいしせんの橋梁きょうりょう。2002年ねんに土木どぼく学会がっかい選奨せんしょう土木どぼく遺産いさんに選定せんてい。
• 国鉄こくてつの特殊とくしゅ狭軌きょうき線せん：花巻はなまき - 足ケ瀬あしがせ間あいだが該当がいとうした。旧きゅう線せん名めい「釜石西線かまいしさいせん」。
• 釜石かまいし自動車じどうしゃ道どう

外部がいぶリンク

• 検索けんさく結果けっか（釜石線かまいしせんの駅えき）：JR東日本ひがしにっぽん