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日本音楽著作権協会 - Wikipedia

日本音楽著作権協会にほんおんがくちょさくけんきょうかい

日本にっぽん音楽おんがく著作ちょさくけん団体だんたい
JASRACから転送てんそう

一般いっぱん社団しゃだん法人ほうじん日本音楽著作権協会にほんおんがくちょさくけんきょうかい(にほんおんがくちょさくけんきょうかい、英語えいご: Japanese Society for Rights of Authors, Composers and Publishers)は、日本にっぽん著作ちょさくけんとう管理かんり事業じぎょうほう設立せつりつ根拠こんきょほうに、音楽おんがく著作ちょさくけん集中しゅうちゅう管理かんり事業じぎょう日本にっぽん国内こくないにおいていとな一般いっぱん社団しゃだん法人ほうじんである。公式こうしき英語えいご略称りゃくしょうである「JASRAC」の表記ひょうきをロゴとして使つかっており、「ジャスラック」と発音はつおんする[注釈ちゅうしゃく 1]以下いか、この記事きじでは「JASRAC」と表記ひょうきする。

一般いっぱん社団しゃだん法人ほうじん日本音楽著作権協会にほんおんがくちょさくけんきょうかい
Japanese Society for Rights of Authors, Composers and Publishers
日本音楽著作権協会本部
日本音楽著作権協会にほんおんがくちょさくけんきょうかい本部ほんぶ
団体だんたい種類しゅるい 一般いっぱん社団しゃだん法人ほうじん
設立せつりつ 1939ねん11月18にち
所在地しょざいち 〒151-8540
東京とうきょう渋谷しぶや上原うえはら3丁目ちょうめ6-12
北緯ほくい3540ふん4.5びょう 東経とうけい13940ふん48.8びょう / 北緯ほくい35.667917 東経とうけい139.680222 / 35.667917; 139.680222座標ざひょう: 北緯ほくい3540ふん4.5びょう 東経とうけい13940ふん48.8びょう / 北緯ほくい35.667917 東経とうけい139.680222 / 35.667917; 139.680222
法人ほうじん番号ばんごう 4011005003025 ウィキデータを編集
起源きげん 社団しゃだん法人ほうじんだい日本音楽著作権協会にほんおんがくちょさくけんきょうかい
主要しゅよう人物じんぶつ 伊澤いさわ一雅かずまさ理事りじちょう[1]
活動かつどう地域ちいき 日本の旗 日本にっぽん
主眼しゅがん 音楽おんがく著作ちょさくぶつ著作ちょさくけん保護ほごし、あわせて音楽おんがく著作ちょさくぶつ利用りよう円滑えんかつはかり、もって音楽おんがく文化ぶんか普及ふきゅう発展はってん寄与きよすること
活動かつどう内容ないよう
  • 音楽おんがく著作ちょさくぶつ著作ちょさくけんかんする管理かんり事業じぎょう
  • 音楽おんがく著作ちょさくぶつかんする外国がいこく著作ちょさくけん管理かんり団体だんたいとうとの連絡れんらくおよ著作ちょさくけん相互そうご保護ほご
  • 私的してき録音ろくおん録画ろくが補償ほしょうきんかんする事業じぎょう
  • 著作ちょさくけん思想しそう普及ふきゅう事業じぎょう音楽おんがく著作ちょさくけんかんする調査ちょうさ研究けんきゅう
  • 音楽おんがく文化ぶんか振興しんこうする事業じぎょう
収入しゅうにゅう 1167.3おくえん(2021年度ねんど使用しようりょう収入しゅうにゅう
122.6おくえん(2021年度ねんど管理かんり手数料てすうりょう収入しゅうにゅう
基本きほん財産ざいさん 6おく23まんえん
(2022ねん3がつ末日まつじつ現在げんざい[1]
従業じゅうぎょう員数いんずう 517にん
(2022ねん4がつ1にち現在げんざい[1]
ウェブサイト https://www.jasrac.or.jp/
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JASRACをしめ意匠いしょう種類しゅるいあり、あおせん集合しゅうごうかれたものは「ロゴ」とばれどう法人ほうじんめい利用りよう許可きょかあたえた店舗てんぽ表示ひょうじ使つかわれている。りょうはしとがった楕円だえん独自どくじ書体しょたいかれたものは「マーク」とばれ利用りよう許可きょかあたえた著作ちょさくぶつ表示ひょうじされている。

概要がいよう

編集へんしゅう

音楽おんがく楽曲がっきょく歌詞かし)の著作ちょさくけん作詞さくししゃ作曲さっきょくしゃ音楽おんがく出版しゅっぱんしゃから複製ふくせいけん演奏えんそうけんなどの著作ちょさくけん信託しんたくけて、音楽おんがく利用りようしゃたいする利用りよう許諾きょだく(ライセンス)、利用りようりょう徴収ちょうしゅう権利けんりしゃへの分配ぶんぱい著作ちょさくけん侵害しんがい監視かんし著作ちょさくけん侵害しんがいしゃたいする法的ほうてき責任せきにん追及ついきゅうなどをおも業務ぎょうむとしている。

本部ほんぶ東京とうきょう渋谷しぶや古賀こが政男まさお音楽おんがく文化ぶんか振興しんこう財団ざいだん所有しょゆうするビルない設置せっちされ、14の支部しぶ日本にっぽん全国ぜんこく主要しゅよう都市とし設置せっちされている。JASRACは現存げんそんする日本にっぽん国内こくない著作ちょさくけん管理かんり事業じぎょうしゃとしてはもっとふるく、1939ねん設立せつりつされた社団しゃだん法人ほうじんだい日本にっぽん音楽おんがく著作ちょさくけん協会きょうかいをその前身ぜんしんとする。

音楽おんがく著作ちょさくけん管理かんり業務ぎょうむ

編集へんしゅう

概要がいよう

編集へんしゅう

音楽おんがく著作ちょさくけん管理かんりをJASRACに委託いたくしようとする作曲さっきょくしゃ作詞さくししゃ音楽おんがく出版しゅっぱんしゃは、みずからが保有ほゆうする音楽おんがく著作ちょさくけんささえ分権ぶんけん全部ぜんぶまたは一部いちぶをJASRACに移転いてんする(信託しんたく契約けいやく約款やっかん3じょう1こう)。JASRACは、作曲さっきょくしゃとうから著作ちょさくけん移転いてんけて、みずからが著作ちょさくけん保有ほゆうし、著作ちょさくけん対象たいしょうである著作ちょさくぶつ楽曲がっきょく歌詞かし)の利用りよう希望きぼうするものたいして利用りよう許諾きょだくおこなう。著作ちょさくぶつ利用りようした利用りようしゃからは使用しようりょう対価たいかとして徴収ちょうしゅうし、5パーセント - 25パーセントの管理かんり手数料てすうりょう[2]控除こうじょしたうえで、委託いたくしゃ分配ぶんぱいする。このように、JASRACの著作ちょさくけん管理かんりは「信託しんたく」によるものであり、作曲さっきょくしゃ作詞さくししゃ音楽おんがく出版しゅっぱんしゃが「委託いたくしゃ」、JASRACが「受託じゅたくしゃ」、音楽おんがく利用りようしゃが「受益じゅえきしゃ」に相当そうとうする。

著作ちょさくぶつ利用りようには、著作ちょさくけん効力こうりょくおよ利用りよう形態けいたいで、喫茶店きっさてん・レストラン・ダンス教室きょうしつ(1971ねんより社交しゃこうダンス教室きょうしつ、2015ねんよりすべてのダンス教室きょうしつ対象たいしょう拡大かくだい)・歌謡かよう教室きょうしつ(2016ねんより)・カラオケ(1987ねんより、1997ねんからは通信つうしんカラオケにも対象たいしょう拡大かくだい)・フィットネスクラブ(2011ねんより)・カルチャーセンター(2012ねんより)・音楽おんがく教室きょうしつ(2018ねんより)・コンサート会場かいじょうとう[3]における特定とくていまたは特定とくてい多数たすうけの音楽おんがく演奏えんそう、CD・DVD・映画えいが・オルゴールなどへの音楽おんがく複製ふくせい、テレビやラジオによる音楽おんがく放送ほうそう、インターネットによる音楽おんがく配信はいしんなどがある。

音楽おんがく許諾きょだく利用りようである著作ちょさくけん侵害しんがいかん業務ぎょうむ一環いっかんで、許諾きょだくによる音楽おんがく利用りよう発見はっけんした場合ばあい利用りよう許諾きょだく契約けいやく締結ていけつもとめるほかに過去かこ利用りようぶん遡及そきゅうして使用しようりょう請求せいきゅうおこなう。損害そんがい賠償ばいしょう請求せいきゅう使用しよう差止さしどめ請求せいきゅうなどの民事みんじ訴訟そしょう手続てつづきや、告訴こくそなどの刑事けいじ手続てつづきいた事例じれいもある。著作ちょさくけん侵害しんがいたいする法的ほうてき措置そちは、喫茶店きっさてんやレストランにおける許諾きょだく演奏えんそうもっとおおい。2005ねん事業じぎょう報告ほうこくしょでは演奏えんそうけん侵害しんがいたいする法的ほうてき措置そちそう件数けんすうは2995けんで3129てんだが、市場いちば縮小しゅくしょう適法てきほう利用りようりつ向上こうじょうから2009年度ねんどは1713けん、2010年度ねんどは1043けん、2011年度ねんどは970けん減少げんしょうしている[4][5]近年きんねんはインターネットじょう違法いほう配信はいしんされている歌詞かし音声おんせいファイルを発見はっけんするシステムである「J-MUSE」を2000ねん10月に導入どうにゅうし、違法いほう配信はいしんをするウェブサイトの管理かんりしゃには個別こべつ警告けいこく電子でんしメール送付そうふしている[6]

利用りよう形態けいたいごとの状況じょうきょう

編集へんしゅう

放送ほうそう

編集へんしゅう

著作ちょさくけんのうち、放送ほうそうけん著作ちょさくけんほう23じょう1こう公衆こうしゅう送信そうしんけん一種いっしゅ)の管理かんりをJASRACに委託いたくしているもの作品さくひん放送ほうそうするには、JASRACの許諾きょだく必要ひつようである。

2021年度ねんどにJASRACが放送ほうそう事業じぎょうしゃから徴収ちょうしゅうした使用しようりょうは279.8おくえんであった[7]。JASRACが放送ほうそう事業じぎょうしゃから徴収ちょうしゅうした使用しようりょうは、8.5パーセントの管理かんり手数料てすうりょう[2]実施じっしりょうりつ届出とどけでりょうりつは10パーセント)が控除こうじょされたうえ委託いたくしゃ分配ぶんぱいされている。

NHK民放みんぽう地上波ちじょうははJASRACと包括ほうかつてき利用りよう許諾きょだく契約けいやく締結ていけつしており、JASRACはかく放送ほうそうきょく年間ねんかん放送ほうそう事業じぎょう収入しゅうにゅうの1.5パーセントに楽曲がっきょく使用しよう割合わりあい反映はんえいしたものを放送ほうそう使用しようりょうとして徴収ちょうしゅうしている[8]

楽曲がっきょく使用しよう割合わりあい根拠こんきょとして、NHK全局ぜんきょく民放みんぽう地上波ちじょうはテレビ全局ぜんきょくおよ民放みんぽう地上波ちじょうはラジオきょく一部いちぶはJASRAC管理かんり楽曲がっきょく全曲ぜんきょく報告ほうこくおこなっている。一方いっぽう民放みんぽう地上波ちじょうはラジオきょく一部いちぶ一定いってい期間きかんあてて、その期間きかん使用しよう曲目きょくもくをサンプルとして報告ほうこくおこなっている。

民放みんぽう衛星えいせいはJASRACと包括ほうかつてき利用りよう許諾きょだく契約けいやく締結ていけつしており、JASRACはかくチャンネルの放送ほうそう内容ないよう区分くぶんおうじて、かく放送ほうそうチャンネルの年間ねんかん放送ほうそう事業じぎょう収入しゅうにゅう使用しようりょうりつじょうじた金額きんがく放送ほうそう使用しようりょうとして徴収ちょうしゅうしている。使用しようりょうりつしゅとして音楽おんがく番組ばんぐみのチャンネルは2.25パーセント、総合そうごう編成へんせいのチャンネルは1.5パーセント、ニュース・スポーツとうのチャンネル0.75パーセントである。

コミュニティ放送ほうそう使用しようりょうについては、JASRACと当該とうがい事業じぎょうしゃとのあいだ別途べっと協議きょうぎをしている。放送大学ほうそうだいがく学園がくえんがJASRACと年間ねんかん包括ほうかつてき利用りよう許諾きょだく契約けいやく締結ていけつする場合ばあい放送ほうそう使用しようりょうは、著作ちょさくぶつ利用りよう目的もくてき利用りよう方法ほうほうとう考慮こうりょしJASRACと放送大学ほうそうだいがく学園がくえんあいだ協議きょうぎしてさだめる。

包括ほうかつてき利用りよう許諾きょだく契約けいやくは、音楽おんがく作品さくひん利用りようする放送ほうそう事業じぎょうしゃにとっては利便りべんせいたか契約けいやく形態けいたいである一方いっぽうで、放送ほうそうけん管理かんり分野ぶんやで99パーセントという圧倒的あっとうてきなシェアをもつJASRACが放送ほうそうきょくたいして包括ほうかつてき利用りよう許諾きょだく契約けいやくみとめた場合ばあい著作ちょさくけん管理かんり団体だんたいとの公正こうせい競争きょうそう阻害そがいされる。詳細しょうさいは「包括ほうかつてき利用りよう許諾きょだく契約けいやく運用うんよう問題もんだいふし参照さんしょうのこと。

インターネット

編集へんしゅう

インターネット配信はいしんサイトでは違法いほう投稿とうこう配信はいしん多発たはつし、削除さくじょ依頼いらいによる適時てきじ削除さくじょでも違法いほう状態じょうたい継続けいぞくがみられたが、2008ねん4がつニコニコ動画どうが、10月にYouTube2010ねん7がつUstream、など、かく動画どうがサイトと包括ほうかつてき利用りよう許諾きょだく契約けいやく締結ていけつしてサイト収入しゅうにゅうの2.5パーセントを著作ちょさくけんりょうとして徴収ちょうしゅうしており、今後こんご契約けいやくさき増加ぞうかさせる方針ほうしん[9]である。

Winnyなどファイル共有きょうゆうソフトのネットワークでは、著作ちょさくけん侵害しんがいコンテンツを公開こうかいしているユーザへ削除さくじょもとめるなどコンピュータソフトウェア著作ちょさくけん協会きょうかい協力きょうりょく活動かつどうしている[10]

私的してき録音ろくおん録画ろくが補償ほしょうきん分配ぶんぱい業務ぎょうむ

編集へんしゅう

JASRACは著作ちょさくけんしゃ地位ちいゆうしており著作ちょさくけんもとづく私的してき録音ろくおん録画ろくが補償ほしょうきん請求せいきゅうする権利けんりゆうする(著作ちょさくけんほう30じょう2こう)が、私的してき録音ろくおん録画ろくが補償ほしょうきん請求せいきゅうけんはJASRACではなく私的してき録音ろくおん補償ほしょうきん管理かんり協会きょうかい(sarah)と私的してき録画ろくが補償ほしょうきん管理かんり協会きょうかい(SARVH)が行使こうしする(著作ちょさくけんほう104じょうの2)ただしSARVHについては後述こうじゅつとお機能きのう不全ふぜんおちい最終さいしゅうてき解散かいさんした。

私的してき録音ろくおん補償ほしょうきん

編集へんしゅう

sarahは補償ほしょうきんをJASRACに36パーセント、実演じつえん団体だんたい日本にっぽん芸能げいのう実演じつえん団体だんたい協議きょうぎかいに32パーセント、レコード製作せいさくしゃ団体だんたい日本にっぽんレコード協会きょうかいに32パーセント、それぞれ分配ぶんぱいする。2018年度ねんどのJASRAC配分はいぶんやく845まんえんである。

私的してき録音ろくおん対象たいしょうには音楽おんがく著作ちょさくぶつ言語げんご著作ちょさくぶつがあり、JASRAC配分はいぶん補償ほしょうきん音楽おんがく著作ちょさくぶつかかるものと言語げんご著作ちょさくぶつかかるものに区分くぶんされ、2018年度ねんど音楽おんがく区分くぶんやく810まんえん言語げんご区分くぶんやく35まんえん[注釈ちゅうしゃく 2]である。音楽おんがく区分くぶん補償ほしょうきんは10パーセントの管理かんり手数料てすうりょう控除こうじょ権利けんりしゃ分配ぶんぱいされるが、委託いたくしゃぶん当該とうがいしゃ請求せいきゅうにより分配ぶんぱいしており[11]委託いたくしゃである音楽おんがく著作ちょさくけん録音ろくおんけん管理かんり事業じぎょうしゃNexToneへ2018年度ねんどやく35まんえん分配ぶんぱいされている。言語げんご区分くぶん補償ほしょうきん日本にっぽん脚本きゃくほん連盟れんめい分配ぶんぱいされ、連盟れんめい規程きていによりかく権利けんりしゃ分配ぶんぱいされる。

私的してき録画ろくが補償ほしょうきん

編集へんしゅう

SARVHは補償ほしょうきんをJASRACに16パーセント、日本にっぽん脚本きゃくほん連盟れんめい、NHKと日本民間放送連盟にほんみんかんほうそうれんめいなど映像えいぞう関連かんれん7団体だんたいから構成こうせいされる映像えいぞう製作せいさくしゃ委員いいんかい、などに合計ごうけい52パーセント、日本にっぽん芸能げいのう実演じつえん団体だんたい協議きょうぎかいに29パーセント、日本にっぽんレコード協会きょうかいに3パーセント、それぞれ分配ぶんぱいする。2007年度ねんどのJASRAC配分はいぶんは2おく400まんえんである。JASRAC配分はいぶん補償ほしょうきん管理かんり手数料てすうりょう控除こうじょ権利けんりしゃ分配ぶんぱいされていたが、2012ねん訴訟そしょう敗訴はいそして2015ねんにSARVHは解散かいさんし、制度せいど破綻はたんした。

沿革えんかく

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プラーゲ旋風せんぷう

編集へんしゅう

日本にっぽん1899ねんベルヌ条約じょうやく加盟かめいして著作ちょさくけんほう施行しこうされていたが、なま演奏えんそうほか録音ろくおん媒体ばいたい再生さいせいごとに使用しようりょう支払しはら概念がいねん皆無かいむであった。1931ねん旧制きゅうせいいちだかドイツひと教師きょうしであったウィルヘルム・プラーゲおもにヨーロッパの著作ちょさくけん管理かんり団体だんたいより日本にっぽんでの代理だいりけん取得しゅとくしたと主張しゅちょうして東京とうきょう著作ちょさくけん管理かんり団体だんたい「プラーゲ機関きかん」を設立せつりつし、放送ほうそうきょくオーケストラなど楽曲がっきょく使用しようするすべての事業じぎょうしゃ楽曲がっきょく使用しようりょう請求せいきゅうはじめた。

プラーゲの要求ようきゅうする使用しようりょう当時とうじ法外ほうがい手法しゅほう法的ほうてき手段しゅだんふく強硬きょうこうであることから、海外かいがい楽曲がっきょく使用しよう事実じじつじょう困難こんなんになった。日本にっぽん放送ほうそう協会きょうかい(NHK)もプラーゲ機関きかんとの契約けいやく交渉こうしょう不調ふちょうで1ねん以上いじょう海外かいがい楽曲がっきょく放送ほうそうできなくなった。プラーゲは日本にっぽん音楽おんがく作家さっかたいしても著作ちょさくけん管理かんり代行だいこうはたらきかけはじめた。プラーゲの目的もくてき金銭きんせんではなく著作ちょさくけん適正てきせい運用うんようだったともわれているが、楽曲がっきょく利用りようしゃとのみぞめることができずに日本人にっぽんじん作家さっか代理だいりけん取得しゅとくさらなる反発はんぱつまねいた。一連いちれんは「プラーゲ旋風せんぷう」とばれ日本にっぽんにおける著作ちょさくけん集中しゅうちゅう管理かんりのきっかけとなった。

仲介ちゅうかい業務ぎょうむほう成立せいりつ

編集へんしゅう

事態じたい打開だかいのため1939ねんに、著作ちょさくけん管理かんり仲介ちゅうかい業務ぎょうむ内務省ないむしょう許可きょかものかぎるとする「著作ちょさくけんせきスル仲介ちゅうかい業務ぎょうむせきスル法律ほうりつ」(仲介ちゅうかい業務ぎょうむほう)が施行しこうされてJASRAC前身ぜんしんだい日本音楽著作権協会にほんおんがくちょさくけんきょうかい設立せつりつされ、翌年よくねん1940ねん業務ぎょうむ開始かいしされた[12]。プラーゲは著作ちょさくけん管理かんり業務ぎょうむから排除はいじょされてどうほう違反いはん罰金ばっきんけいけ、1941ねん離日りにちした。文化庁ぶんかちょうだい日本音楽著作権協会にほんおんがくちょさくけんきょうかいほか4団体だんたい仲介ちゅうかい業務ぎょうむ許可きょかあたえて参入さんにゅうみとめず、音楽おんがく著作ちょさくけん仲介ちゅうかいだい日本音楽著作権協会にほんおんがくちょさくけんきょうかい独占どくせん業務ぎょうむとなった。

仲介ちゅうかい業務ぎょうむほう終焉しゅうえんとJASRACの今後こんご

編集へんしゅう
 
データカードダス表記ひょうきされている許諾きょだくマーク

著作ちょさくけん一元いちげん管理かんり効率こうりつたかいシステムとして運用うんようされてきたが、音楽おんがくソフトのデジタルネットワーク進展しんてんなどからJASRACの効率こうりつせい指摘してきされ、カラオケでも使用しようりょう権利けんりしゃへの分配ぶんぱい方法ほうほうけっしないままビジネスが先行せんこうする弊害へいがいまねいた。旧来きゅうらい録音ろくおん演奏えんそう楽譜がくふ出版しゅっぱんと、ゲーム着信ちゃくしんメロディネット配信はいしんなどの区分くぶん管理かんりにJASRACの著作ちょさくけん信託しんたく対応たいおう不備ふびあらためるもと[13]などもみられることから、2000ねん著作ちょさくけんとう管理かんり事業じぎょうほう成立せいりつして2001ねん施行しこうされ、イーライセンスジャパン・ライツ・クリアランス(コピナビ)、ダイキサウンドなどの株式会社かぶしきがいしゃ音楽おんがく著作ちょさくけん管理かんり事業じぎょう参入さんにゅうした。旧来きゅうらい仲介ちゅうかい業務ぎょうむほうことなり管理かんり団体だんたい設立せつりつ許可きょかせいから登録とうろくせい緩和かんわされたが、JASRACの占有せんゆうおおきい。

著作ちょさくけん政策せいさくへの影響えいきょう

編集へんしゅう

私的してき録音ろくおん補償ほしょうきん対象たいしょう機器きき拡大かくだい議論ぎろん

編集へんしゅう

JASRACは私的してき録音ろくおん補償ほしょうきん対象たいしょう機器きき拡大かくだい行政ぎょうせいはたらいており、2005ねん4がつ28にち文化庁ぶんかちょう文化ぶんか審議しんぎかい著作ちょさくけん分科ぶんかかい法制ほうせい問題もんだいしょう委員いいんかいあらたにデジタルオーディオプレーヤー私的してき録音ろくおん録画ろくが補償ほしょうきん制度せいど対象たいしょうとするように要請ようせいしたが、大半たいはん所有しょゆうしゃコンパクトディスク購入こうにゅう音楽おんがく配信はいしんサービスからダウンロードなど正規せいき入手にゅうしゅした音楽おんがくデータをプレーヤーに複製ふくせい(いわゆるメディアシフト)しており、「権利けんりしゃ損失そんしつい」「著作ちょさくけんりょう二重取にじゅうどり」など否定ひていてき意見いけんおおく、2005ねん9がつ以降いこうまで結論けつろん先送さきおくりされている[14]

問題もんだいてん批判ひはん裁判さいばん

編集へんしゅう

包括ほうかつてき利用りよう許諾きょだく契約けいやく運用うんよう問題もんだい

編集へんしゅう

JASRACは営利えいり目的もくてき運営うんえい法律ほうりつによりさだめられている一般いっぱん社団しゃだん法人ほうじんだが、スナックやジャズ喫茶きっさ、ライブハウスなどでJASRAC管理かんりきょく演奏えんそうする場合ばあい使用しようりょう負担ふたんおもぎるとの批判ひはんがある。JASRACは包括ほうかつてき利用りよう許諾きょだく契約けいやく[15]締結ていけつもとめているが、包括ほうかつてき利用りよう許諾きょだく契約けいやく演奏えんそう回数かいすうではなく店舗てんぽ客席きゃくせきすうゆか面積めんせきおうじて一律いちりつ演奏えんそう使用しようりょう決定けっていされるため、JASRAC管理かんりきょく利用りよう頻度ひんどひく店舗てんぽ使用しようりょう負担ふたん比率ひりつたかまり不評ふひょうである。飲食いんしょくてんとうには演奏えんそう曲目きょくもく記載きさいした演奏えんそう利用りよう明細めいさいしょ提出ていしゅつ原則げんそくもとめておらず、演奏えんそう楽曲がっきょく権利けんりしゃへの確実かくじつ分配ぶんぱい危惧きぐされるほかに、使用しようりょう支払しはらいしゃたい権利けんりしゃへの配分はいぶん情報じょうほう開示かいじされていないなどの批判ひはんもある。

さき使用しようしゃがわ著作ちょさくけん管理かんり事業じぎょうしゃわした包括ほうかつてき利用りよう許諾きょだく契約けいやくは、から参入さんにゅうした著作ちょさくけん管理かんり事業じぎょうしゃとの公正こうせい競争きょうそう阻害そがいするとの指摘してきがある。

放送ほうそう分野ぶんやでは、JASRAC管理かんりきょく放送ほうそうする場合ばあい放送ほうそう事業じぎょうしゃ包括ほうかつてき利用りよう許諾きょだく契約けいやく個別こべつ契約けいやくのいずれかを選択せんたくできる。包括ほうかつてき利用りよう許諾きょだく契約けいやく場合ばあい放送ほうそう事業じぎょうしゃ放送ほうそう事業じぎょう収入しゅうにゅうの1.5パーセントをJASRACに支払しはらえば、JASRAC管理かんりきょく無制限むせいげん放送ほうそう可能かのう[8][16]だった。そのため、JASRAC管理かんりきょく大量たいりょう放送ほうそうする事業じぎょうしゃ包括ほうかつてき利用りよう許諾きょだく契約けいやく選択せんたくすることが一般いっぱんてきになっていた。この状態じょうたいのまま放送ほうそう事業じぎょうしゃ著作ちょさくけん管理かんり事業じぎょうしゃ管理かんり楽曲がっきょく使用しようすると負担ふたんえてしまうので、著作ちょさくけん管理かんり事業じぎょうしゃ参入さんにゅう困難こんなんになると公正こうせい取引とりひき委員いいんかい判断はんだんした。包括ほうかつ契約けいやく問題もんだい指摘してきされたのは、後発こうはつイーライセンス当初とうしょ管理かんりしていた大塚おおつかあいの『恋愛れんあい写真しゃしん』の放送ほうそうきょくでのあつかいだった。

2008ねん4がつ23にちに、公正こうせい取引とりひき委員いいんかいはJASRACへ調査ちょうさ[17][18]2009ねん2がつ27にち独占どくせん禁止きんしほう違反いはん認定にんていして、排除はいじょ措置そち命令めいれいした[19][20][21]が、2009ねん7がつ9にち東京とうきょう高等こうとう裁判所さいばんしょは、JASRACによる執行しっこう免除めんじょもうてをみとめ、8がつ6にちにJASRACは保証ほしょうきん1おくえん一括いっかつ供託きょうたくし、命令めいれい確定かくていまで執行しっこう停止ていしされた[22]

排除はいじょ命令めいれいたいしてJASRACは審判しんぱん申立もうしたてて、2012ねん6月12にち公正こうせい取引とりひき委員いいんかい排除はいじょ命令めいれい審判しんぱんおこなった[23]。これにたいしてイーライセンスもうてた審決しんけつ取消とりけ訴訟そしょうで、2013ねん11月1にち東京とうきょう高等こうとう裁判所さいばんしょ飯村いいむら敏明としあき裁判さいばんちょう[注釈ちゅうしゃく 3]はこの審決しんけつ認定にんてい実質じっしつてき証拠しょうこもとづかないものでありその判断はんだんにもあやまりがあるとして審決しんけつした[24][25]。11月13にちにJASRACは上告じょうこく[26]、「イーライセンスたい公正こうせい取引とりひき委員いいんかい裁判さいばん訴訟そしょう結果けっかにより権利けんりがいされる第三者だいさんしゃ」(行政ぎょうせい事件じけん訴訟そしょうほう22じょう1こう)として訴訟そしょう参加さんかした。

2015ねん4がつ28にちに、放送ほうそう利用りよう割合わりあい反映はんえいされない徴収ちょうしゅう方法ほうほう管理かんり事業じぎょうしゃ参入さんにゅう困難こんなんにするとして最高裁判所さいこうさいばんしょ公正こうせい取引とりひき委員いいんかい上告じょうこく棄却ききゃくし、JASRACが新規しんき参入さんにゅういちじるしくさまたげているというイーライセンスのうったえを高裁こうさい判決はんけつみとめた判決はんけつ[27]確定かくてい判決はんけつとなった。公正こうせい取引とりひき委員いいんかい審決しんけつされ、従前じゅうぜん排除はいじょ措置そち命令めいれい復活ふっかつした[28]

2016ねん2がつ、イーライセンスとJRC合併がっぺいしたしん会社かいしゃであるNexToneが、JASRACにたいする損害そんがい賠償ばいしょうとう請求せいきゅう訴訟そしょうげた。

2016ねん9がつ9にち、JASRACが公正こうせい取引とりひき委員いいんかいへの審判しんぱん請求せいきゅうげたため、公正こうせい取引とりひき委員いいんかい審判しんぱん終結しゅうけつし、2009ねん2がつ27にちされた『JASRACにたいする排除はいじょ措置そち命令めいれい』が確定かくていし、2015ねん平成へいせい27ねん)4がつ1にちから遡及そきゅう適用てきようされた[29]

訴訟そしょう審判しんぱん並行へいこうして、2015ねん2がつから著作ちょさくけん管理かんり事業じぎょうしゃがわのJASRAC、イーライセンスおよびJRCと、放送ほうそう事業じぎょうしゃがわNHK日本民間放送連盟にほんみんかんほうそうれんめいは「放送ほうそう分野ぶんやにおける音楽おんがく利用りよう割合わりあい算出さんしゅつ方法ほうほうかんする検討けんとうかい」(5しゃ協議きょうぎ)を開催かいさいするようになった。2015ねん9がつ17にちに2015年度ねんどぶん以降いこう放送ほうそう使用しようりょう適用てきようする利用りよう割合わりあい算出さんしゅつ方法ほうほうについて合意ごういがなされた。これをまえJASRACとNexToneはそれぞれ、NHKと民放連みんぽうれんとのあいだ楽曲がっきょく利用りよう割合わりあい反映はんえいした包括ほうかつてき利用りよう許諾きょだく契約けいやくわすことになった。

2015ねん9がつ合意ごういさい、イーライセンスは放送ほうそう以外いがい包括ほうかつ徴収ちょうしゅう方式ほうしき採用さいようしているほかささえ分権ぶんけん利用りよう区分くぶんでも、楽曲がっきょく利用りよう割合わりあい反映はんえいしたルールが使用しようされることを希望きぼうするむね表明ひょうめいした。

JASRACは放送ほうそう以外いがい分野ぶんやでも楽曲がっきょく利用りよう割合わりあい反映はんえいしたルールを導入どうにゅうしている。2021ねん4がつ以降いこう演奏えんそうけんのうち上演じょうえん形式けいしきによる演奏えんそう演奏えんそうかいにおける演奏えんそうおよ演奏えんそうかい以外いがい催物もよおしものにおける演奏えんそうについて、公演こうえんごとの実績じっせきもとづく利用りよう割合わりあいまたはみなしの利用りよう割合わりあい反映はんえいさせることになった。また、2022ねん10がつ以降いこうはカラオケ使用しようりょうについてみなしの利用りよう割合わりあい反映はんえいさせている。それぞれのみなしの利用りよう割合わりあいは1ねんごとに見直みなおしされる。

委託いたくしゃによる権利けんり侵害しんがいのチェック体制たいせい

編集へんしゅう

2005ねんにプロ野球やきゅう阪神はんしんタイガース私設しせつ応援おうえんだんであったちゅうとら連合れんごうかいが、作者さくしゃしょうだった阪神はんしんタイガース応援おうえん『ヒッティングマーチいちばんおよび『ヒッティングマーチばん』の作詞さくし作曲さっきょくしゃを「ちゅうとら連合れんごうかい」としてJASRACに届出とどけでして使用しようりょう分配ぶんぱい不正ふせいけていたことが発覚はっかくした[30]

JASRAC の著作ちょさくけん信託しんたく契約けいやく約款やっかん7じょう1こうは、委託いたく対象たいしょう著作ちょさくけん委託いたくしゃのものであり他人たにん著作ちょさくけん侵害しんがいしていないことを保証ほしょうするせめは、受託じゅたくしゃのJASRACではなく委託いたくしゃにあるとしている。この事件じけんからJASRAC内部ないぶ不正ふせいチェック体制たいせい不備ふび指摘してきされ、JASRACは作者さくしゃしょう楽曲がっきょく作品さくひんめい同一どういつもしくはきわめてている作品さくひんたいするチェックを強化きょうかすることを発表はっぴょうした[31]

マスメディアの批判ひはん記事きじ

編集へんしゅう

2005ねん9がつ17にち特大とくだいごう週刊しゅうかんダイヤモンドは、「企業きぎょうレポート 日本音楽著作権協会にほんおんがくちょさくけんきょうかい(ジャスラック) 使用しようりょう1000おくえん巨大きょだい利権りけん 音楽おんがくものにするあきれた実態じったい」とだいする記事きじ掲載けいさい[32]、JASRACによる著作ちょさくぶつ使用しようりょう徴収ちょうしゅう配分はいぶん文部もんぶ科学かがくしょう官僚かんりょう天下あまくだつづ組織そしき運営うんえいのありかた問題もんだいがあると主張しゅちょうした。文部もんぶ科学かがくしょうから役員やくいん天下あまくだりが50ねん以上いじょうつづいている[注釈ちゅうしゃく 4]、JASRACの役員やくいん報酬ほうしゅうめる役員やくいん審議しんぎかい非公開ひこうかいである、法外ほうがいたか報酬ほうしゅうっている、使用しようりょう徴収ちょうしゅう方法ほうほう、などの問題もんだいてんげ、「JASRACの職員しょくいん営業えいぎょうちゅうみせはいり『ドロボー』と大声おおごえさけ営業えいぎょう妨害ぼうがいともえるやくざまがいの徴収ちょうしゅう方法ほうほうった」「年間ねんかん利益りえきが20まんえんじゃくみせに550まんえんもの使用しようりょう徴収ちょうしゅうした」事例じれい紹介しょうかいしている。

2005ねん11月11にちにJASRACは、記事きじ内容ないよう裏付うらづけがないほか恣意しいてきふる情報じょうほうもちいるなど読者どくしゃあく印象いんしょう誘導ゆうどうしているとして、けいやく4300まんえん損害そんがい賠償ばいしょう名誉めいよ回復かいふく措置そち謝罪しゃざい広告こうこく掲載けいさい東京とうきょう地方裁判所ちほうさいばんしょ提訴ていそ[33]、2008ねん2がつ13にち東京とうきょう地裁ちさいは、記事きじ表現ひょうげん体裁ていさいはかなり一方いっぽうてきかつ独断どくだんてき調査ちょうさ不足ふそく誤解ごかい悪意あくいもとづく構成こうせい疑念ぎねんなどからJASRACの主張しゅちょう全面ぜんめんてきみとめてけい550まんえん支払しはらいをめいじたが、謝罪しゃざい広告こうこく掲載けいさい必要ひつようないとした[34]

2018ねん3がつ9にちにはアメリカのフェアユース制度せいど著作ちょさくけんほうについて詳細しょうさい米国べいこく弁護士べんごし城所きどころ岩生いわおにより『JASRACと著作ちょさくけん、これでいいのか~強硬きょうこう路線ろせんに100まんにん異議いぎ~』を刊行かんこうしており、坂本さかもと龍一りゅういちがJASRACに苦言くげんしていること[35]大政たいせい直人ただびとがJASRACへの批判ひはんてき意見いけん[36]後述こうじゅつ意見いけんしょでもあるとおりに東京とうきょう大学だいがく名誉めいよ教授きょうじゅである中山なかやま信弘のぶひろも「えだみすぎてみきころしてはいけない。音楽おんがく教室きょうしつたいして必要ひつよう以上いじょう著作ちょさくけんしゃ権利けんり主張しゅちょうすれば、音楽おんがく文化ぶんか発展はってんしなくなるかもしれない」と言及げんきゅうしている。現行げんこうほうでは将来しょうらいせいつぶすことや著作ちょさくけんほう自体じたい[注釈ちゅうしゃく 5]緊急きんきゅう医療いりょうでの危険きけんせい指摘してきしている。また、後述こうじゅつのライブハウスにあるとおりに正当せいとう著作ちょさくけんしゃへの分配ぶんぱいされていない可能かのうせい指摘してきものとなっている[39]

ライブハウスの音楽おんがく著作ちょさくけん利用りようりょう支払しはら裁判さいばん

編集へんしゅう

2009ねん9がつファンキー末吉すえきち運営うんえいするロックバーにJASRACから送付そうふされた使用しようりょう徴収ちょうしゅうほうは、ライブハウスで演奏えんそうされた楽曲がっきょく印税いんぜいがアーティストへただしく分配ぶんぱいされるか不鮮明ふせんめいで、末吉すえきちは、「これではヤクザのみかじめとおなじである。ちゃんと著作ちょさくけんしゃ分配ぶんぱいしろよ!!」と[40][41]自身じしんのブログで苦言くげんした。末吉すえきち弁護士べんごしとともに交渉こうしょうちゅう、2013ねん11月にJASRACは「著作ちょさくけん侵害しんがい差止さしどめとう請求せいきゅう事件じけん」として提訴ていそした[42][43]同年どうねん12がつ末吉すえきち支援しえんしゃらが「ファンキー末吉すえきちたいするJASRACの訴訟そしょうスラップではないか?」と『ファンキー末吉すえきち 支援しえんしゃかい[44]おこし、江川えがわほーじんも「徴収ちょうしゅうするほうるが、分配ぶんぱいするシステムが存在そんざいしていない。」と非難ひなんしている[45]

2016ねん3がつ25にち東京とうきょう地方裁判所ちほうさいばんしょではライヴハウスとして定常ていじょうてき利用りようしていることから、いわゆるカラオケ法理ほうり適用てきよう範囲はんいであり、配分はいぶんりつなどは作曲さっきょくしゃとしてのファンキー末吉すえきちとJASRACの問題もんだいでありライブハウス経営けいえいしゃとしての問題もんだいではないとし本裁ほんだちばんでは審議しんぎされず、また自身じしん作曲さっきょく作詞さくしした楽曲がっきょく演奏えんそうした場合ばあいにおいても、JASRACとの信託しんたく契約けいやくでこれら権利けんり信託しんたくされており、信託しんたく仕組しくじょう請求せいきゅう主体しゅたいからげん著作ちょさくけんしゃであっても使用しようりょう請求せいきゅうおこなわれることとなることを認定にんていされた。ただ請求せいきゅうの700まんあまりより大幅おおはば減額げんがくされた、著作ちょさくけん利用りようりょう280まんあまりのみ賠償ばいしょうみとめられ、訴訟そしょう費用ひようはそれぞれが負担ふたんすることとされた[46][47]

2016ねん10がつ19にち知的ちてき財産ざいさん高等こうとう裁判所さいばんしょ判決はんけつでは、地裁ちさい判決はんけつ踏襲とうしゅう賠償金ばいしょうきん算出さんしゅつ方式ほうしき変更へんこうともない550まんあまりにわったほか訴訟そしょう費用ひようもファンキー末吉すえきちがわが1しん2しんとも負担ふたんすることを判決はんけつとしてされた[48][49]

音楽おんがく教室きょうしつから著作ちょさくけんりょう徴収ちょうしゅう

編集へんしゅう

2017ねん平成へいせい29ねん)に、河合楽器製作所かわいがっきせいさくしょ島村しまむら楽器がっき山野やまの楽器がっき開進かいしんどう楽器がっき宮地みやじ商会しょうかいヤマハ音楽振興会やまはおんがくしんこうかい全日本ぜんにほんピアノ指導しどうしゃ協会きょうかいが、音楽おんがく教室きょうしつでの演奏えんそうにJASRACが著作ちょさくけんりょうもとめること反対はんたいする団体だんたい音楽おんがく教育きょういくまもかい』を設立せつりつ[50][51]音楽おんがく教室きょうしつでの練習れんしゅうなどは「演奏えんそうけん」に該当がいとうしない、JASRACの方針ほうしん著作ちょさくけんほう目的もくてき文化ぶんか発展はってん寄与きよする」に沿わない、としている[51]

2017ねん7がつ理事りじちょう浅石あさいし道夫みちおは「音楽おんがく教室きょうしつから徴収ちょうしゅうする方針ほうしん」の反対はんたい署名しょめいには、JASRACをきらっているだけのものもあるとべている[52]

2018ねん平成へいせい30ねん)3がつ5にち文化庁ぶんかちょう長官ちょうかん諮問しもんである文化ぶんか審議しんぎかいでは、音楽おんがく教室きょうしつ著作ちょさくけん使用しようりょう受講じゅこうりょう収入しゅうにゅうから2.5パーセントの徴収ちょうしゅうみとめる答申とうしん提出ていしゅつした[53]。それをけ「音楽おんがく教育きょういくまもかい」は「使用しようりょう徴収ちょうしゅう是非ぜひについてんだ判断はんだんをしてもらえなかったてんで、大変たいへん残念ざんねんだ」とする声明せいめい発表はっぴょうしている[54][55][56]。ただし、「JASRACの提出ていしゅつした使用しようりょう規程きていについては裁定さいていから有効ゆうこうとする。」とはしているものの、演奏えんそうけんにおいては音楽おんがく教室きょうしつ事業じぎょうしゃの「請求せいきゅうけん存在そんざい確認かくにん事件じけん東京とうきょう地方裁判所ちほうさいばんしょ平成へいせい 29 ねん(ワ)だい 20502 ごう)」の司法しほう判断はんだん確定かくていまでは督促とくそくしないことや演奏えんそうけんあらそわない事業じぎょうしゃたいしては利用りよう適切てきせつとする使用しようりょうがく制定せいていするとしている[57]

ただ、2017ねん11月14にちづけ中山なかやま信弘のぶひろ意見いけんしょでは音楽おんがく教育きょういく練習れんしゅうまでの徴収ちょうしゅうが、まずは「文化ぶんか発展はってん」(著作ちょさくけんほうだい1じょう)に根本こんぽんてき疑問ぎもんてんがあると指摘してきしている。また、演奏えんそうけん著作ちょさくけんほう22じょう)の制定せいていにおいてもカラオケのような「公衆こうしゅう直接ちょくせつまたかせることを目的もくてき」として演奏えんそうではないことや音楽おんがく学校がっこうにおける演奏えんそう著作ちょさくけんほう38じょう適用てきようにおける使用しようであり、音楽おんがく教育きょういくついやされる費用ひようも「著作ちょさくぶつ提供ていきょうまた提示ていじにつきける対価たいか」ではなく指導しどう練習れんしゅう費用ひようであることからJASRACの請求せいきゅう権利けんり濫用らんよう解釈かいしゃくとおり、「請求せいきゅうけん存在そんざい確認かくにん事件じけん」にも有識者ゆうしきしゃ意見いけんとして提出ていしゅつされる[58]

なお、フェアユースの導入どうにゅうがあればこのような裁判さいばんこらなかったとする批判ひはん存在そんざいするが、フェアユースを導入どうにゅうしているアメリカでは音楽おんがく教室きょうしつのレッスンは徴収ちょうしゅう対象たいしょうであるため徴収ちょうしゅう反対はんたいする意見いけんとしてもちいるのは不適切ふてきせつである。

2020ねんれい2ねん)2がつ28にち東京とうきょう地方裁判所ちほうさいばんしょ音楽おんがく教室きょうしつでの演奏えんそう利用りよう全般ぜんぱん演奏えんそうけんおよび、音楽おんがく教室きょうしつ事業じぎょうしゃ請求せいきゅうけん存在そんざい確認かくにん請求せいきゅう棄却ききゃくするむね判決はんけつをいいわたした[59]。3月4にち音楽おんがく教室きょうしつ事業じぎょうしゃ判決はんけつ不服ふふくとして知的ちてき財産ざいさん高等こうとう裁判所さいばんしょ控訴こうそした[60]。2022ねんれい4ねん)10がつ24にち最高裁さいこうさいはJASRACがわうったえを退しりぞ上告じょうこく棄却ききゃくした[61]

アノニマスによるサイバー攻撃こうげき

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2012ねん6月27にち違法いほうダウンロード刑事けいじばつ抗議こうぎとして、アノニマスからサイバー攻撃こうげき被害ひがいこうむ[62]

広報こうほう活動かつどう

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役員やくいん

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歴代れきだい会長かいちょう

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歴代れきだい理事りじちょう

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(1957ねんから1965ねんは「専務せんむ理事りじ」)[83]

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ ジャスラックのカタカナ表記ひょうき公式こうしき使つかわれていないが、JASRACの子供こども紹介しょうかいページの『ジャスラの音楽おんがく著作ちょさくけんレポート』では括弧かっこきで「ジャスラック」とかた説明せつめいされている。[1]
  2. ^ 音楽おんがく:言語げんご=34.5:1.5
  3. ^ 公正こうせい取引とりひき委員いいんかい行政ぎょうせい委員いいんかいとしてじゅん司法しほうてき機能きのうゆうし、審決しんけつ不服ふふくがある場合ばあいには東京とうきょう高等こうとう裁判所さいばんしょ上訴じょうそすることになっていたが2013ねん12月からはじゅん司法しほうてき機能きのううしなった。
  4. ^ 2006ねん10がつ人事じんじ事務じむきょく出身しゅっしんプロパーの加藤かとうまもる常務じょうむ理事りじ理事りじちょう昇任しょうにんし、記事きじ批判ひはんされた天下あまくだ人事じんじ系譜けいふ途絶とだえた。
  5. ^ フェアユースについては「ラストメッセージin最終さいしゅうごう事件じけん」にみとめない判例はんれいがあり[37]、2010ねん1がつ20日はつかにはフェアユースについての報告ほうこくしょ文化庁ぶんかちょう文化ぶんか審議しんぎかい著作ちょさくけん分科ぶんかかい法制ほうせい問題もんだいしょう委員いいんかい提出ていしゅつされたさいにも限定げんていてきなものとなった[38]

出典しゅってん

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関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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