電磁スペクトル

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電磁でんじスペクトル（てんじすぺくとる、英語えいご: Electromagnetic spectrum）とは、存在そんざいし得える、すべての電磁波でんじはの周波数しゅうはすう（または波長はちょう）帯域たいいきのことである。

電磁でんじスペクトルの周波数しゅうはすうは、超ちょう低てい周波しゅうは（長波ちょうは長ちょう側がわ）からガンマ線がんません（短波たんぱ長ちょう側がわ）にわたって広ひろがっており、その規模きぼは数すう千せんkm の長ながさから原子げんしの幅はばをも下回したまわる長ながさまで無限むげんにわたっている。

波長はちょう λらむだ における電磁波でんじはエネルギーは 周波数しゅうはすう νにゅー における光子こうしのエネルギーと関連かんれんしている。故ゆえに、電磁でんじスペクトルはこれらの等価とうかな3種類しゅるいの値ねによって表現ひょうげんされる。これら3つの値ねは真空しんくう中なかにおいて以下いかのような関係かんけいにある。

$\lambda ={\frac {c}{\nu }}\,\!$

$E=h\nu \,\!$

ここで

• c は真空しんくう中ちゅうの光速こうそくであり 299,792,458 m/s である。$(c\approx 3\cdot 10^{8}\ {\mbox{ m}}/{\mbox{s}}=300,000\ {\mbox{km}}/{\mbox{s}})$.
• h はプランク定数ていすうである。 $(h\approx 6.626069\cdot 10^{-34}\ {\mbox{J}}\cdot {\mbox{s}}\approx 4.13567\ \mathrm {\mu } {\mbox{eV}}/{\mbox{GHz}})$.

物体ぶったいのスペクトル特性とくせい

この世界せかいにあるすべて物体ぶったいは光ひかりを放射ほうしゃ、反射はんしゃ、伝播でんぱしている。この光ひかりの電磁でんじスペクトル分布ぶんぷ（物体ぶったいのスペクトル特性とくせいと呼よばれる）は物体ぶったいの組成そせいによって決きまる。スペクトルの型かたは物体ぶったいからの放射ほうしゃの性質せいしつによって区別くべつすることができる。

• もし、スペクトルが主しゅとして物体ぶったいの熱ねつ放射ほうしゃ（熱ねつ輻射ふくしゃ）によるものであれば、放射ほうしゃスペクトル（または輝線きせんスペクトル）が発生はっせいする。
  • 黒くろ体たいスペクトルより多おおい光ひかりの放射ほうしゃであることもあれば少すくない光ひかりの放射ほうしゃであることもある。
• スペクトルが背景はいけいから構成こうせいされたものであれば、光ひかりが伝播でんぱする物体ぶったいによって電磁波でんじはが吸収きゅうしゅうされ吸収きゅうしゅうスペクトルができる。

分光ぶんこう学がくは物理ぶつり学がくの一いち分野ぶんやで物質ぶっしつのスペクトル特性とくせいを扱あつかう分野ぶんやである。

分類ぶんるい

電磁でんじスペクトルの分類ぶんるいの体系たいけいは正確せいかくであるが、電磁でんじエネルギーの近隣きんりんとの分類ぶんるいが重複じゅうふくしていることがよくある。例たとえば、60Hzへるつ の低てい周波しゅうは電波でんぱ (SLF) は天文学てんもんがく者しゃによって研究けんきゅうされているが、これは電力でんりょく供給きょうきゅうの周波数しゅうはすう（注ちゅう：日本にっぽんでは西日本にしにほん）にもなる。また、低ていエネルギーガンマ線がんませんは高こうエネルギー X線せんを含ふくんでいる。これは、ガンマ線がんませんが原子核げんしかくの崩壊ほうかいなどの核かく反応はんのうによってできるものを指さすのに対たいし、X線せんが高こうエネルギー内部ないぶ電子でんしに伴ともなって遷移せんいする電子でんしによってできたものを指さすからである。それ故こ、ガンマ線がんませんとX線せんは波長はちょうではなく放射ほうしゃ源げんによって分類ぶんるいされる。一般いっぱん的てきに、核かく遷移せんいは電子でんし遷移せんいよりも高こうエネルギーであり、通常つうじょうガンマ線がんませんはX線せんよりも高こうエネルギーである。しかしながら、ガンマ線がんませんを出だす低ていエネルギー核かく遷移せんい（例たとえば Fe 57の核かく遷移せんいは 14.4 keV ）は高こうエネルギーX線せんよりも弱よわいことがある。

また、電波でんぱの分類ぶんるいは国くにや学会がっかいなどによりさまざまな分類ぶんるいが存在そんざいする。

電気でんきエネルギー

電気でんきエネルギーは電磁でんじスペクトルの低てい周波しゅうは、長波ちょうは長ちょうの終端しゅうたんに相当そうとうする。放射ほうしゃは2線せん式しき、もしくは3線せん式しきの伝送でんそう線せんにそって伝送でんそうされ、アンテナなどのさまざまな装置そうちによって送信そうしんされる。周波数しゅうはすう 0 のエネルギーは直流ちょくりゅう電源でんげんによって放出ほうしゅつされる。50 Hzへるつ や 60 Hzへるつ においては一般いっぱん的てきな発電はつでん所しょの交流こうりゅう発電はつでん機きで生成せいせいされる。20 Hzへるつ から 30 kHzきろへるつ までの電磁でんじエネルギーは電話でんわや拡声かくせい器き、音響おんきょう機器ききなどから放出ほうしゅつされる。これらの周波数しゅうはすうにおいてテレビの同軸どうじくケーブルを通とおる 超ちょう短波たんぱ(VHF)と電球でんきゅうに送おくられる 60 Hzへるつ の電気でんきとの間あいだには機能きのう上じょうの差異さいはまったく無ない。どちらもアンテナにつなげれば、空間くうかんに放出ほうしゅつされる。

その他たの電磁でんじスペクトル

• 電波でんぱ、電波でんぱの周波数しゅうはすうによる分類ぶんるい参照さんしょう

• 赤外線せきがいせん参照さんしょう

• 可視かし光線こうせん参照さんしょう

• 紫外線しがいせん参照さんしょう

• X線せん参照さんしょう

• ガンマ線がんません参照さんしょう

関連かんれん項目こうもく

• 電磁波でんじは
• 放射ほうしゃエネルギー
• 分光ぶんこう法ほう

外部がいぶリンク

• 環境かんきょう科学かがく概説がいせつ【電磁波でんじはの人体じんたいへの影響えいきょう】（国立こくりつ環境かんきょう研究所けんきゅうじょ）

この電磁でんじスペクトルは、英語えいご版ばんウィキペディアのen:Electromagnetic spectrum（13:51, 30 November 2005 版はん;著者ちょしゃ:en:User:Wayne Hardman en:User:Rjstott en:User:The Anome en:User:Andre Engels en:User:AxelBoldtほか）を基もとに訳出やくしゅつしたものを、更さらに新あらたな文献ぶんけんを参考さんこうに記述きじゅつしようとするものである。