IEEE Ku band 周波数 しゅうはすう 帯域 たいいき
12–18 GHz 波長 はちょう 域 いき
2.5–1.67 cm 関連 かんれん バンド
Ku バンド (ケーユーバンド)は電磁 でんじ スペクトル のマイクロ波 は の中 なか でも周波数 しゅうはすう 範囲 はんい 12– 18 GHz の帯域 たいいき のこと。この名前 なまえ は "K-under" (元 もと はドイツ語 ご の Kurz -unten )を略 りゃく したものであり、これは NATO Kバンド (英語 えいご 版 ばん ) の下 した の部分 ぶぶん であることが由来 ゆらい である。NATO Kバンドは真 ま ん中 なか の部分 ぶぶん に 22.24 GHz の大気 たいき 水蒸気 すいじょうき 共鳴 きょうめい ピークを含 ふく み、その部分 ぶぶん で長距離 ちょうきょり 伝送 でんそう が不可能 ふかのう であったため、 Ku , K (英語 えいご 版 ばん ) , Ka の3つに分割 ぶんかつ された。レーザ応用 おうよう においては、IEEE規格 きかく 521-2002のレーダ周波数 しゅうはすう 帯 たい 命名 めいめい 法 ほう の正式 せいしき な定義 ていぎ に従 したが い、その範囲 はんい は 12–18 GHz である[1] [2] 。
Ku バンドは主 おも に衛星 えいせい 通信 つうしん 、特 とく に衛星 えいせい 放送 ほうそう を流 なが すための直接 ちょくせつ 放送 ほうそう 衛星 えいせい により使 つか われるダウンリンク 、およびスペースシャトル と国際 こくさい 宇宙 うちゅう ステーション の両方 りょうほう の通信 つうしん に使用 しよう されるNASA のTDRS など特定 とくてい の用途 ようと に使用 しよう されている。Ku バンド衛星 えいせい はバックホール (英語 えいご 版 ばん ) 、特 とく に遠隔 えんかく 地 ち からテレビ のネットワークのスタジオに戻 もど して編集 へんしゅう および放送 ほうそう するための衛星 えいせい としても使 つか われる。このバンドはITU によって地域 ちいき により異 こと なる複数 ふくすう のセグメントに分割 ぶんかつ されている。NBC は1983年 ねん にKu バンドを介 かい して系列 けいれつ 局 きょく のフィードの大 だい 部分 ぶぶん をアップリンクした最初 さいしょ のテレビネットワークである。
この無線 むせん 周波数 しゅうはすう 帯 たい の一部 いちぶ の周波数 しゅうはすう は、特 とく にヨーロッパで自動車 じどうしゃ のスピード違反 いはん を見 み つけるために用 もち いられているレーダーガン で使 つか われている[3] 。
このバンドの1つの使用 しよう 例 れい は直接 ちょくせつ 放送 ほうそう 衛星 えいせい テレビ である。地球 ちきゅう から35,700km離 はな れた静止 せいし 軌道 きどう にある放送 ほうそう 通信 つうしん 衛星 えいせい からのKu バンドマイクロ波 は ビームを介 かい した衛星 えいせい テレビチャンネルを受信 じゅしん する住宅 じゅうたく の衛星 えいせい 放送 ほうそう 受信 じゅしん アンテナ
北米 ほくべい および南米 なんべい のほとんどは、ITU第 だい 2地域 ちいき であり、11.7-12.2 GHz (局部 きょくぶ 発振器 はっしんき 周波数 しゅうはすう (LOF) 10.75-11.25 GHz)がFSS(固定 こてい 衛星 えいせい 業務 ぎょうむ )に、14.0-14.5GHzがアップリンクに割 わ り当 あ てられている。北米 ほくべい の周 まわ りを回 まわ っているFSS Ku バンド衛星 えいせい が22以上 いじょう あり、1つ1つが12から48のトランスポンダを搭載 とうさい し、1つのトランスポンダあたり20-120ワット であり、はっきりと受信 じゅしん するためには0.8-1.5mのアンテナが必要 ひつよう である。
12.2-12.7 GHz (LOF 11.25-11.75 GHz) のセグメントはBSS(放送 ほうそう 衛星 えいせい 業務 ぎょうむ )に割 わ り当 あ てられる。BSS (DBS直接 ちょくせつ 放送 ほうそう 衛星 えいせい ) は100から240ワットの電力 でんりょく で動作 どうさ する27GHz帯域 たいいき 幅 はば のトランスポンダを通常 つうじょう 16から32個 こ 搭載 とうさい し、18インチ(450mm)ほどの小 ちい さい受信 じゅしん アンテナの使用 しよう を可能 かのう にする。
ヨーロッパ・アフリカでのセグメントはITU第 だい 一 いち 地域 ちいき で表 あらわ され、11.45-11.7および12.5-12.75GHz帯域 たいいき がFSS (固定 こてい 衛星 えいせい 業務 ぎょうむ , アップリンク14.0-14.5 GHz) に割 わ り当 あ てられている。ヨーロッパにおいてはKu バンドは10.7-12.75GHz (LOF低 てい 9.750 GHz, LOF高 だか 10.750 GHz) がアストラ 衛星 えいせい に搭載 とうさい されるような直接 ちょくせつ 放送 ほうそう 衛星 えいせい 業務 ぎょうむ に使用 しよう されている。11.7-12.5GHzはBSS(放送 ほうそう 衛星 えいせい 業務 ぎょうむ )に割 わ り当 あ てられている。
オーストラリアはITU第 だい 3地域 ちいき の一部 いちぶ であり、オーストラリアの規制 きせい 環境 かんきょう は11.70-12.75GHzのダウンリンクおよび14.0-14.5GHzのアップリンクに及 およ ぶクラスライセンスを提供 ていきょう している[4] 。
ITU はインドネシア を非常 ひじょう に高 たか い降雨 こうう 量 りょう である地域 ちいき Pに分類 ぶんるい している。これによりインドネシアでKu バンド (11 – 18 GHz) を使 つか うことについて多 おお くの人々 ひとびと が確信 かくしん を持 も てなくなった。もし豪雨 ごうう の地域 ちいき で10GHzを超 こ える周波数 しゅうはすう を使 つか うと、通信 つうしん の有効 ゆうこう 性 せい が低下 ていか する。この問題 もんだい は無線 むせん 通信 つうしん 回線 かいせん を設計 せっけい する際 さい に適切 てきせつ なリンクバジェットを使用 しよう することで解決 かいけつ することができる。高 たか いパワーにより雨 あめ の損失 そんしつ で減衰 げんすい するのを克服 こくふく できる。
インドネシアにおける降雨 こうう による減衰 げんすい の測定 そくてい は、パダン、チビノン、スラバヤ、バンドンの衛星 えいせい 通信 つうしん 回線 かいせん に対 たい して行 おこな われた。インドネシアにおいてITUモデルに加 くわ え、DAHモデルが雨 あめ による減衰 げんすい を予測 よそく するのに有効 ゆうこう である。DAHモデルは2001年 ねん よりITU勧告 かんこく となっている(勧告 かんこく 番号 ばんごう No. ITU-R P.618-7)。このモデルは99.7%利用 りよう 可能 かのう な回線 かいせん を作製 さくせい することができ、Ku バンドをインドネシアで適用 てきよう できるようになる。
インドネシアのような熱帯 ねったい 地域 ちいき の衛星 えいせい 通信 つうしん にKu バンドを使用 しよう することの頻度 ひんど が増 ふ えている。インドネシア上 じょう の衛星 えいせい のいくつかはKu バンドのトランスポンダ 、さらにKa バンド のトランスポンダを搭載 とうさい している。2002年 ねん 12月に打 う ち上 あ げられ95°東 ひがし に位置 いち するNewskies (NSS 6)にはインドネシア(スマトラ島 すまとらとう 、ジャワ島 じゃわとう 、ボルネオ島 とう 、スラウェシ島 とう 、バリ島 ばりとう 、小 しょう スンダ列島 れっとう 、モルッカ諸島 しょとう )で受信 じゅしん 可能 かのう なKu バンドトランスポンダのみ搭載 とうさい している。NSS 6は2018年 ねん 6月 がつ に打 う ち上 あ げられ54個 こ のKu バンドトランスポンダを搭載 とうさい する同 おな じ場所 ばしょ にあるSES-12に置 お き換 か えられる予定 よてい である。2004年 ねん に打 う ち上 あ げられたiPSTAR衛星 えいせい もKu バンドを用 もち いている。Ku バンドを用 もち いてインドネシアで受信 じゅしん できる衛星 えいせい は他 た にパラパ D, MEASAT 3/3A, JCSAT-4B, AsiaSat 5, ST 2, Chinasat 11, Korea Telecom Koreasat 8/ABS 2 (2nd half 2013), SES-8がある。
Ku バンド内 ない のITUの他 ほか の割 わ り当 あ てには、固定 こてい 業務 ぎょうむ (マイクロ波 なみ 塔 とう )、電波 でんぱ 天文学 てんもんがく 業務 ぎょうむ 、宇宙 うちゅう 研究 けんきゅう 業務 ぎょうむ 、移動 いどう 業務 ぎょうむ 、無線 むせん 測位 そくい 業務 ぎょうむ (レーダー)、アマチュア無線 むせん 業務 ぎょうむ 、無線 むせん ナビゲーションなどがある。しかし、これらの業務 ぎょうむ のすべてが実際 じっさい にこの帯域 たいいき で動作 どうさ しているわけではなく、あまり使 つか われていないものもある。
Cバンド と比 くら べて、Ku バンドは地上 ちじょう マイクロ波 は システムとの干渉 かんしょう を避 さ けるために同 おな じようにパワーが制限 せいげん されておらず、アップリンク・ダウンリンクのパワーを増大 ぞうだい させることができる。この高 たか いパワーは小 ちい さいアンテナでも受信 じゅしん でき、衛星 えいせい の送信 そうしん 電力 でんりょく とアンテナの大 おお きさの間 あいだ は一般 いっぱん 的 てき な関係 かんけい がある。パワーが増大 ぞうだい すると、アンテナの皿 さら の大 おお きさは小 ちい さくなる[5] [要 よう ページ番号 ばんごう ] 。これはアンテナの皿 さら の目的 もくてき はある領域 りょういき にわたる入射 にゅうしゃ 波 は を集 あつ めそれらを全 すべ て皿 さら の前面 ぜんめん に取 と り付 つ けられた(面 めん に向 む いて後方 こうほう に向 む けられた)アンテナの実際 じっさい の受信 じゅしん 部 ぶ に集中 しゅうちゅう させることであるからであり、もし波 なみ が強 つよ い場合 ばあい 受信 じゅしん 部 ぶ で同 おな じ強度 きょうど を達成 たっせい するために集 あつ める必要 ひつよう がある波 なみ の数 かず は少 すく なくなる。波 なみ が強 つよ い場合 ばあい 、受信 じゅしん 素子 そし で同 おな じ強度 きょうど を達成 たっせい するために収集 しゅうしゅう する必要 ひつよう のある波 なみ の数 かず は少 すく なくなる。
マイクロ波 なみ 帯 たい での低 ひく い周波数 しゅうはすう の主 おも な魅力 みりょく は、短 みじか い波長 はちょう で小 ちい さい地上 ちじょう パラボラアンテナ で異 こと なる通信 つうしん 衛星 えいせい の信号 しんごう を分離 ぶんり するのに十分 じゅうぶん な角度 かくど 分解能 ぶんかいのう を達成 たっせい できることにある。レイリー基準 きじゅん により、所与 しょよ の角度 かくど ビーム幅 はば (利得 りとく )を有 ゆう する放射 ほうしゃ パターンを生成 せいせい するのに必要 ひつよう であるパラボラアンテナの皿 さら の直径 ちょっけい は波長 はちょう に比例 ひれい する、つまり、周波数 しゅうはすう に反比例 はんぴれい する。12GHzでは1メートルの皿 さら で2つの衛星 えいせい に焦点 しょうてん を合 あ わせることができるが、わずか2度 ど 離 はな れた別 べつ の衛星 えいせい からの信号 しんごう は十分 じゅうぶん 拒否 きょひ する。FSS(固定 こてい 衛星 えいせい 業務 ぎょうむ 、アメリカでは11.7-12.2GHz)の衛星 えいせい はたった2度 ど しか離 はな れていないため、これは重要 じゅうよう である。4GHz(Cバンド)では、この狭 せま い角度 かくど 分解能 ぶんかいのう を達成 たっせい するためには3メートルの皿 さら が必要 ひつよう である。皿 さら の大 おお きさと周波数 しゅうはすう の間 あいだ には逆 ぎゃく 線形 せんけい 相関 そうかん があることに注意 ちゅうい する。DBS(直接 ちょくせつ 放送 ほうそう 衛星 えいせい )業務 ぎょうむ (アメリカでは12.2-12.7GHz)におけるKu 衛星 えいせい の場合 ばあい 、これらの衛星 えいせい は9度 ど 離 はな れていたため1mよりずっと小 ちい さいアンテナを使 つか うことができる。CバンドおよびKu バンド衛星 えいせい のパワーレベルは長年 ながねん にわたり増加 ぞうか しているため、皿 さら のビーム幅 はば は利得 りとく よりもはるかに重要 じゅうよう になってきている。
Ku バンドは使用 しよう 者 しゃ に多 おお くのフレキシビリティを提供 ていきょう する。皿 さら の小 ちい ささと地上 ちじょう 操作 そうさ から自由 じゆう になったKu バンドシステムにより適切 てきせつ な皿 さら の位置 いち を見 み つけることが簡単 かんたん になる。エンドユーザーにとってKu バンドは一般 いっぱん 的 てき に安 やす く、小型 こがた アンテナを可能 かのう にする(どちらも高周波 こうしゅうは 数 すう や集束 しゅうそく ビームにより)[6] 。Ku バンドはKa バンドの周波数 しゅうはすう スペクトルよりも雨 あめ による減衰 げんすい を受 う けにくい。
しかし、Ku バンドのシステムにはいくつかの欠点 けってん がある。10GHz周辺 しゅうへん では液体 えきたい 水 すい の中 なか の分子 ぶんし の配向 はいこう 緩和 かんわ に起因 きいん する吸収 きゅうしゅう ピークがある[7] 。10GHzより上 うえ ではミー散乱 さんらん がそれを継 つ ぐ。この効果 こうか は大雨 おおあめ (100mm/h)のときの一般 いっぱん 的 てき にレインフェードと呼 よ ばれる顕著 けんちょ な減衰 げんすい である[8] 。 ただし、衛星 えいせい ネットワークを設計 せっけい する際 さい に適切 てきせつ なリンクバジェット戦略 せんりゃく を展開 てんかい し、かつ高 たか い電力 でんりょく 消費 しょうひ を割 わ り当 あて てレインフェードのロスを補償 ほしょう することによりこの問題 もんだい は軽減 けいげん することができる。したがって、Ku バンド衛星 えいせい は通常 つうじょう Cバンド衛星 えいせい よりもかなり多 おお くの送信 そうしん 電力 でんりょく を必要 ひつよう とする。
「スノーフェード」と呼 よ ばれる同様 どうよう の現象 げんしょう はKu バンドに特有 とくゆう のものではない。これは皿 さら に雪 ゆき や氷 こおり がつもったことにより焦点 しょうてん が大 おお きく変 か わるためである。
衛星 えいせい オペレーターのEarth Stationアンテナは、与 あた えられた大 おお きさの皿 さら においてKu バンドで動作 どうさ するときはCバンドと比 くら べてはるかに狭 せま いフォーカスビームのため、より正確 せいかく な位置 いち 制御 せいぎょ を必要 ひつよう とする。位置 いち フィードバック精度 せいど は高 たか く、アンテナが皿 さら 表面 ひょうめん の風 ふう 荷重 かじゅう の下 した での位置 いち を維持 いじ するための閉 へい ループ制御 せいぎょ システムを必要 ひつよう としうる。