マレーシア航空370便墜落事故

マレーシア航空こうくう370便びん

事故じこ機き（9M-MRO） 2011年ねん、シャルルドゴール国際こくさい空港くうこうにて撮影さつえい。
事件じけん・インシデントの概要がいよう
日付ひづけ	2014年ねん3月がつ8日にち
概要がいよう	オーストラリア沖おきの海上かいじょうへの墜落ついらく（推定すいてい）
現場げんば	インド洋いんどよう周辺しゅうへん海域かいいき（正確せいかくな位置いちは不明ふめい）
乗客じょうきゃく数すう	227
乗員じょういん数すう	12
負傷ふしょう者しゃ数すう	0
死者ししゃ数すう	239 (全員ぜんいん)
生存せいぞん者しゃ数すう	0
機種きしゅ	ボーイング777-200ER
運用うんよう者しゃ	マレーシア航空こうくう
機体きたい記号きごう	9M-MRO
出発しゅっぱつ地ち	クアラルンプール国際こくさい空港くうこう
目的もくてき地ち	北京ぺきん首都しゅと国際こくさい空港くうこう

マレーシア航空こうくう370便びん墜落ついらく事故じこ（マレーシアこうくう370びんついらくじこ）は、マレーシアのクアラルンプールから中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこくの北京ぺきん市しに向むかっていたマレーシア航空こうくうの定期ていき旅客りょかく便びんである370便びんが2014年ねん3月8日にちに消息しょうそくを絶たち、その後ご、インド洋いんどように墜落ついらくしたと推定すいていされた事故じこである。

事故じこ後ご1年ねん以上いじょうにわたって行方ゆくえがわからなくなっていたが、2015年ねん7月がつ29日にちにフランス領りょうレユニオンで同機どうきの一部いちぶとみられる航空機こうくうきの残骸ざんがいが発見はっけんされ、8月がつ5日にちに370便びんのものであることが判明はんめいした。2015年ねん1月がつ29日にち、マレーシア政府せいふは、機体きたいが発見はっけんされるのに先行せんこうする形かたちで、マレーシア航空こうくう370便びんは消息しょうそくを絶たったあとに墜落ついらくして搭乗とうじょう者しゃは全員ぜんいん死亡しぼうしたと正式せいしきに発表はっぴょうした。なお、同年どうねんにマレーシア航空こうくう17便びん撃墜げきつい事件じけんやインドネシア・エアアジア8501便びん墜落ついらく事故じこが発生はっせいしているため、2014年ねんはマレーシアの航空こうくう業界ぎょうかいで大おおきなダメージとなった。2017年ねん1月がつ17日にち、海底かいてい捜索そうさく活動かつどうが終了しゅうりょうした。

概要がいよう

消息しょうそく不明ふめい

370便びんの飛行ひこう経路けいろ

マレーシア航空こうくう370便びん（中国ちゅうごく南方なんぽう航空こうくうとのコードシェア便びん〈748便びん〉）は、2014年ねん3月がつ8日にち午前ごぜん0時じ41分ふん（現地げんち時間じかん）、12人にんの乗員じょういんを含ふくむ239人にんを乗のせてクアラルンプール国際こくさい空港くうこうを出発しゅっぱつした。370便びんは同日どうじつ午前ごぜん6時じ30分ふんに北京ぺきん首都しゅと国際こくさい空港くうこうに着陸ちゃくりく予定よていであった。

370便びんは離陸りりくの約やく50分ふん後ご、ベトナム南部なんぶの海岸かいがん近ちかくの海上かいじょうを航行こうこう中ちゅうの午前ごぜん1時じ30分ふんにクアラルンプールの西南せいなん西にし約やく15キロメートルにあるスルタン・アブドゥル・アジズ・シャー空港くうこう（スバン空港くうこう）の管制かんせい当局とうきょくとの交信こうしんの終了しゅうりょう後ご、次つぎの予定よてい飛行ひこう空域くういきを担になう管制かんせい当局とうきょくとは交信こうしんを開始かいしせず、以後いご無線むせん電話でんわ通信つうしんによる管制かんせい当局とうきょくとの交信こうしんを絶たった。

救難きゅうなん信号しんごうは出だされていなかった。また、このフライトのフライトレーダーを見みると、南みなみに向むかっているのが確認かくにんされた。マレーシア空軍くうぐんは軍事ぐんじレーダーなどから、370便びんは消息しょうそくを絶たつ直前ちょくぜんに、出発しゅっぱつ地ちのクアラルンプールに引ひき返かえそうとした可能かのう性せいがあるとしている。その後ご、タイランド湾わんのトーチュー島とう付近ふきんに墜落ついらくしたとされていたが、マレーシアのヒシャムディン・フセイン運輸うんゆ大臣だいじん代理だいりにより否定ひていされた。

その後ご、3月11日にちにマレーシア空軍くうぐん幹部かんぶがCNNの取材しゅざいに対たいして「同機どうきはベトナム沖おき上空じょうくうでATCトランスポンダが自動じどう応答おうとうを返かえさなくなったあと、目的もくてき地ちの北京ぺきんとは逆ぎゃく方向ほうこうへ引ひき返かえしたとみられ、同どう空軍くうぐんは出発しゅっぱつ地ちクアラルンプールの北西ほくせい、マラッカ海峡かいきょうの上空じょうくうで機体きたいを見失みうしなった」と語かたった。

捜索そうさく

遭難そうなん機きは離陸りりく約やく50分ふん後ごにレーダーから消失しょうしつしたが、ベトナム人民じんみん空軍くうぐんの捜索そうさくによってレーダー消失しょうしつ地点ちてんであるトーチュー島とうの南みなみ約やく140キロメートルの海面かいめんに油膜ゆまくの帯おびと煙けむりが確認かくにんされ、翌日よくじつには同機どうきの緊急きんきゅう脱出だっしゅつ用ようドアと思おもわれる物体ぶったいが浮ういているのを発見はっけんしたと同国どうこく政府せいふ関係かんけい者しゃが伝つたえた。しかし、ボーイング777型がた機きには緊急きんきゅう脱出だっしゅつ専用せんようのドアはないうえに、漂流ひょうりゅう物ぶつ発見はっけんの翌日よくじつにベトナム当局とうきょくは漂流ひょうりゅう物ぶつも油膜ゆまくも事故じことは無関係むかんけいとの見方みかたを示しめした。

3月がつ20日はつか、オーストラリア海洋かいよう安全あんぜん局きょく (AMSA) は、衛星えいせい画像がぞうの解析かいせきから、オーストラリア西部せいぶの都市としパースの南西なんせい沖おき約やく2,500キロメートルの地点ちてんで、同機どうきと関係かんけいがある可能かのう性せいのある大小だいしょう2つの物体ぶったいを見みつけたと発表はっぴょうした。大おおきいほうは24メートルぐらい、小ちいさいほうは5メートルほどの大おおきさだという。また3月がつ22日にちには、新華社しんかしゃ通信つうしんが、それら2つの物体ぶったいからさらに120キロメートル離はなれた地点ちてんで、長ながさ約やく22メートル、幅はば約やく13メートルの浮遊ふゆう物ぶつを発見はっけんしたと報ほうじた。しかし、これらが当該とうがい機きの残骸ざんがいであるとの確認かくにんは取とれないままであった。なおマレーシア航空こうくうは事故じこ後ごの3月がつ14日にちより、同どう区間くかんを飛行ひこうする便びん名めいをMH370/MH371からMH318/319に変更へんこうし、MH370を欠番けつばんとした。

墜落ついらく認定にんてい

370便びんの飛行ひこう経路けいろおよび探索たんさく領域りょういきと発見はっけんされた破片はへんの位置いち

レユニオン島とうで見みつかった翼つばさのフラップより墜落ついらく場所ばしょを仮定かてい

インド洋いんどようでの海流かいりゅう

3月24日にち、マレーシアのナジブ・ラザク首相しゅしょうは、イギリスの衛星えいせい通信つうしん会社かいしゃインマルサットとイギリスの航空こうくう事故じこ調査ちょうさ局きょく (AAIB) による衛星えいせい情報じょうほうの新あらたな解析かいせきの結果けっか、同機どうきがインド洋いんどよう南部なんぶに墜落ついらくしたとみられると発表はっぴょうした。生存せいぞん者しゃはいないとしている。このマレーシアの説明せつめいに不満ふまんを持もった中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこくの乗客じょうきゃくの親族しんぞくらが、北京ぺきん市しのマレーシア大使館たいしかんの前まえでデモを行おこなった。

マレーシア政府せいふは2015年ねん1月がつに、機体きたいがその残骸ざんがいさえ見みつかっていないことなどから乗員じょういん・乗客じょうきゃくは全員ぜんいん死亡しぼうしたと推定すいていした。

残骸ざんがい発見はっけん

2015年ねん7月がつ29日にち、フランス領りょうレユニオンにて、航空機こうくうきの残骸ざんがいと思おもわれる部品ぶひん、スーツケースが発見はっけんされた。フランス、トゥールーズに運はこばれて詳細しょうさいに調査ちょうさされたところ、ボーイング777の部品ぶひんであることが判明はんめいした。その後ご、8月がつ6日にちにナジブ首相しゅしょうが記者きしゃ会見かいけんを行おこない、「レユニオン島とうで発見はっけんされた航空機こうくうきの機体きたいについて、370便びんの機体きたいの一部いちぶであることを確認かくにんした」と発表はっぴょうした。発見はっけんされた機体きたいの一部いちぶは「フラッペロン」であった。

2016年ねん3月がつ21日にちにも南みなみアフリカで、搭載とうさいされていたエンジン「ロールス・ロイス トレント892」の一部いちぶと見みられるエンブレム入いりの破片はへんが見みつかっている。

このほか、370便びんのものと思おもわれる残骸ざんがいが、レユニオン島とうだけでなくモザンビーク、モーリシャス、マダガスカルなどで見みつかっている。このうち、マダガスカルには乗客じょうきゃくの所持しょじ品ひんと思おもわれる手荷物てにもつが2016年ねん6月がつごろに海岸かいがんへと漂着ひょうちゃくしていた。

そして同年どうねん9月がつ13日にちまでに、マダガスカル南東なんとう部ぶのサントルース近郊きんこうで、370便びんの機体きたいの一部いちぶと思おもわれる残骸ざんがいが焼やけ焦こげた状態じょうたいで漂着ひょうちゃくしているのが発見はっけんされた。そのため、370便びんの機内きないで火災かさいが発生はっせいした可能かのう性せいが浮上ふじょうしている。

公的こうてき機関きかんの捜索そうさく中止ちゅうしとその後ご

2017年ねん1月がつ、マレーシアおよび協力きょうりょく国こくによる捜索そうさくは、フライトレコーダーなどを含ふくむ機体きたいの残骸ざんがいの大だい部分ぶぶんを発見はっけんできないまま中止ちゅうしされた。捜索そうさくは、12万まん平方へいほうキロメートルに及およぶ海底かいてい調査ちょうさも行おこなわれたが空振からぶりとなった。その後ご、マレーシア政府せいふは民間みんかんの海底かいてい調査ちょうさ会社かいしゃ、オーシャン・インフィニティとの間あいだで機体きたいの残骸ざんがいの捜索そうさくを依頼いらいしている。

2020年ねん2月がつ18日にち、オーストラリアの放送ほうそう局きょくスカイニュースは、事故じこ当時とうじのマレーシア政府せいふ首脳しゅのうが「操縦そうじゅう士しによる自殺じさつ」との見方みかたを示しめしていたとする、トニー・アボット元もと豪ごう首相しゅしょうの証言しょうげんを伝つたえた。報道ほうどうによると、当時とうじ首相しゅしょうだったアボットは、航空機こうくうきの消息しょうそくが途絶とだえてから1週間しゅうかん以内いないの時点じてんで、「操縦そうじゅう士しによる自殺じさつであることはほぼ確実かくじつ。大量たいりょう無理心中むりしんじゅうだ」と、マレーシア政府せいふ内ないの「最高さいこうレベル」の人物じんぶつたちから伝つたえられたと述のべた。一方いっぽう、「誰だれが、誰だれに何なにを言いったか（詳細しょうさいを）述のべるつもりはない」とも話はなした。

原因げんいん

上記じょうきのように、機体きたいの一部いちぶが失踪しっそう後ご1年ねん半はんほど経過けいかして発見はっけんされてはいるが、2024年ねん1月がつ現在げんざい、ブラックボックスの発見はっけんには至いたっておらず、火災かさいが発生はっせいしていた可能かのう性せいやパイロット自身じしん、及および第三者だいさんしゃによるハイジャック説せつなどが提唱ていしょうされているが、同機どうきが墜落ついらくした原因げんいんは未いまだ不明ふめいである。また、乗客じょうきゃくと乗員じょういんの遺体いたいも発見はっけんされていない。

ウォール・ストリート・ジャーナル紙かみは2014年ねん3月がつ13日にち、アメリカの捜索そうさく担当たんとう者しゃの話はなしとして、同機どうきが「ピン（ping）」と呼よばれる位置いち、速度そくど、高度こうどの情報じょうほうを発はっしており、その電波でんぱを通信つうしん衛星えいせいが受信じゅしんしていたと報ほうじた。その情報じょうほうは、同機どうきがレーダーから消きえた地点ちてんから少すくなくとも4時じ間あいだ飛行ひこうしていたことを示しめしているという。また最後さいごの高度こうどは通常つうじょうの飛行ひこう高度こうどであり、そこで通信つうしんが途絶とぜつした理由りゆうは不明ふめいだが、機内きないの誰だれかが故意こいに発信はっしん装置そうちをオフにした可能かのう性せいがあるという。この報道ほうどうに関かんしてマレーシアの当局とうきょく者しゃは「データを受うけ取とっていない」としつつも、あらゆる可能かのう性せいが残のこっていると語かたった。

またABCニュースは、同機どうきが地上ちじょうに送信そうしんしている2つのシステムのうち、ACARS（エーカーズ、航空機こうくうき位置いち通報つうほう通信つうしんシステム。必要ひつような運航うんこう情報じょうほうをARINC〈エアリンク〉の通信つうしん網もうを介かいして航空機こうくうき側がわから地上ちじょうへ、または地上ちじょうから航空機こうくうき側がわへ自動的じどうてきに提供ていきょうする）が途切とぎれたのが1時じ7分ふん、ATCトランスポンダが切きれたのが1時じ21分ふんであり、時間じかん差さがあることから、機体きたいが破壊はかいされて一瞬いっしゅんにして通信つうしんが途絶とぜつしたのではなく、人為じんい的てきな操作そうさで通信つうしんが切断せつだんされたという見方みかたがあると伝つたえた。

3月15日にち、マレーシアのナジブ首相しゅしょうは会見かいけんを開ひらき、「何者なにものかが同機どうきから送信そうしんされる通信つうしんを切断せつだんして進路しんろ変更へんこうをした可能かのう性せいが高たかい」と発表はっぴょうした。「ハイジャックされた可能かのう性せいもある」という。この会見かいけんで、通信つうしん衛星えいせいが最後さいごに受信じゅしんした時刻じこくが、離陸りりくの7時じ間あいだ半はん後ごの8日にち午前ごぜん8時じ11分ふんであることが明あきらかにされ、またマレーシア軍ぐんのレーダーがとらえた西にしへ向むかう物体ぶったいを同機どうきと断定だんていした。これらの情報じょうほうに基もとづき、同機どうきが向むかった先さきはカザフスタンとトルクメニスタンの国境こっきょうからタイ北部ほくぶにかけての地域ちいき、あるいはインドネシアからインド洋いんどよう南部なんぶの海域かいいきになるという見方みかたを示しめした。旅客機りょかくきの新あらたな飛行ひこう先さきが判明はんめいしたことで南シナ海みなみしなかいでの捜索そうさくは打うち切きられ、当局とうきょくは捜索そうさく体制たいせいを立たて直なおすことになった。

3月16日にち、マレーシア運輸省うんゆしょうは、警察けいさつが機長きちょうと副ふく操縦そうじゅう士しの自宅じたくを捜索そうさくしたと発表はっぴょうした。機長きちょうの自宅じたくにあったフライトシミュレーターも調しらべたという。警察けいさつは通常つうじょうの手続てつづきの一環いっかんだとしている。また同日どうじつの会見かいけんで運輸うんゆ相しょう代理だいりは、パイロットと管制かんせいとの最後さいごの交信こうしんはエーカーズが切きられたあとで、その交信こうしんでは異常いじょうを伝つたえていなかったことから、パイロット自身じしんがエーカーズを切きった可能かのう性せいがあるとして調しらべていると語かたった。また空軍くうぐん幹部かんぶによると、同機どうきは高度こうどを大おおきく変化へんかさせながら飛行ひこうしており、捜査そうさ担当たんとう者しゃは操縦そうじゅうに熟達じゅくたつしていないと不可能ふかのうだと話はなした。警察けいさつによると、運航うんこう乗務じょうむ員いん以外いがいの乗員じょういんや、乗客じょうきゃく227人にんの中なかに航空機こうくうきの操縦そうじゅう技術ぎじゅつを持もつ人物じんぶつは見みつかっていない。

機長きちょうはマレーシアの野党やとう人民じんみん正義せいぎ党とう党首とうしゅアンワル・イブラヒムの熱烈ねつれつな支持しじ者しゃであり、個人こじん的てきな面識めんしきもあったという。事件じけんの前日ぜんじつにアンワルが同性愛どうせいあい容疑ようぎで有罪ゆうざいとなったことに対たいし、機長きちょうが乗客じょうきゃくを巻まき込こんで抗議こうぎするために自殺じさつしたという見方みかたが報ほうじられている。アンワルはインタビューで、機長きちょうが遠縁とおえんにあたることを認みとめたうえで、野党やとうやアンワルが事件じけんに間接かんせつ的てきにでも関与かんよしているという疑惑ぎわくをもたせる報道ほうどうを批判ひはんしている。

3月17日にち、マレーシア航空こうくうの関係かんけい者しゃは、同機どうきの操縦そうじゅう席せきから1時じ19分ふんに「了解りょうかい、おやすみ（All right, good night）」という最後さいごの交信こうしんをしたのが副ふく操縦そうじゅう士しであったことを明あきらかにした。またエーカーズの発信はっしんは30分ふん間隔かんかくで、1時じ7分ふんを最後さいごに、次つぎの1時じ37分ぶんの発信はっしんはなく、1時じ7分ふんから1時じ37分ぶんの間あいだのいつの時点じてんでエーカーズが停止ていししたのかは不明ふめいだと述のべた。

3月24日にち、CNNはエーカーズが最後さいごに発信はっしんした1時じ7分ぶんのデータでは目的もくてき地ちが北京ぺきんに設定せっていされていたと報ほうじた。西にしに方向ほうこう転換てんかんするようにシステムに入力にゅうりょくされたのはその後ごということになり、1時じ19分ぶんの「了解りょうかい、おやすみ」の交信こうしんよりも後ごだった可能かのう性せいが生しょうじる。その場合ばあい、操縦そうじゅう士しらにより計画けいかく的てきに針路しんろ変更へんこうされたのではなく、機体きたいに何なんらかの重大じゅうだいな故障こしょうが生しょうじた可能かのう性せいが高たかくなる。針路しんろ変更へんこう後ごに大おおきく高度こうどを下さげたという情報じょうほうを合あわせると、同機どうきは突然とつぜんの故障こしょうにより、緊急きんきゅう着陸ちゃくりくするために引ひき返かえしたという説せつが有力ゆうりょくになるという。

4月がつ1日にち、マレーシア当局とうきょくは、操縦そうじゅう室しつからの最後さいごの交信こうしんが「了解りょうかい、おやすみ」ではなく「おやすみ、マレーシア370（Good night, Malaysian three seven zero）」だったと訂正ていせいした。「了解りょうかい、おやすみ」に比くらべ、より正式せいしきな、標準ひょうじゅん的てきな表現ひょうげんになるという。また誰だれがこの交信こうしんを行おこなったのかは調査ちょうさ中ちゅうとし、副ふく操縦そうじゅう士しが交信こうしんしたとした以前いぜんの発表はっぴょうを訂正ていせいした。

2018年ねん5月がつ、カナダで航空こうくう事故じこ調査官ちょうさかんをしていたラリー・バンスや、同型どうけい機きの操縦そうじゅう士しで指導しどう員いんを務つとめた経験けいけんもあるサイモン・ハーディは、「機きは機長きちょう自身じしんによってハイジャックされレーダー捕捉ほそくを回避かいひし海上かいじょうに着水ちゃくすい、その後ご沈しずめられた大量たいりょう殺人さつじん」とする新説しんせつを唱となえた。

2017年ねん1月がつには公式こうしきな捜索そうさくは打うち切きられたが、個人こじん的てきに調査ちょうさを続行ぞっこうしている人ひとたちがいる。2021年ねん現在げんざい、原因げんいんは不明ふめいとされ、リチウムイオン二に次じ電池でんち爆発ばくはつ説せつ（同どう航空機こうくうきは頻繁ひんぱんに北京ぺきんへリチウムイオン二に次じ電池でんちを運搬うんぱんしていた）、ハイジャック説せつ、機長きちょう自殺じさつ説せつ（事故じこルートと同おなじルートを1か月げつ前まえに模擬もぎ飛行ひこうしていたことが機長きちょうのフライトシミュレーターから判明はんめいしている）などが唱となえられている。

公式こうしき発表はっぴょうに対たいする疑問ぎもん

この事件じけんでは、マレーシア政府せいふの公式こうしき見解けんかいの発表はっぴょうの遅おくれ、南シナ海みなみしなかいでの目撃もくげき情報じょうほう、また状況じょうきょう説明せつめいが二に転てん三さん転てんする一方いっぽうで、別べつソースからも操縦そうじゅう士しの過去かこの問題もんだいがリークされるなど、情報じょうほうが錯綜さくそう、陰謀いんぼう論ろんを始はじめ、さまざまな憶測おくそくが飛とび交かっている。

乗客じょうきゃく・乗員じょういん

乗客じょうきゃく・乗員じょういんの無事ぶじを祈いのるメッセージカード

事故じこ機きには乗員じょういん12人ふたりと幼児ようじ5人にんを含ふくむ乗客じょうきゃく227人にんが乗のっていた。機長きちょうは53歳さいのマレーシア人じんで1981年ねんに入社にゅうしゃし、飛行ひこう時間じかんは18,365時じ間あいだだった。副ふく操縦そうじゅう士し は27歳さいのマレーシア人じんで、2007年ねんからマレーシア航空こうくうで勤務きんむし、飛行ひこう時間じかんは2,763時じ間あいだだった。客室きゃくしつ乗務じょうむ員いんも全員ぜんいんがマレーシア人じんだった。

マレーシア航空こうくうは、搭乗とうじょう客きゃくの国籍こくせきについて発表はっぴょうしたが、その中なかに含ふくまれていたイタリア人ひと1人にんは1年ねん前まえに、オーストリア人ひと1人にんは2年ねん前まえに、それぞれタイでパスポートを盗ぬすまれており、この2人ふたり分ぶんについては別人べつじんが搭乗とうじょうしていたことがわかった。

タイ国家こっか警察庁けいさつちょうと国際こくさい刑事けいじ警察けいさつ機構きこう（ICPO）はこの2人ふたりについて、監視かんしカメラの映像えいぞうなどから人物じんぶつを特定とくていし、オーストリアの旅券りょけんを使用しようしたのは、母親ははおやの住すむドイツに移住いじゅうする予定よていだった19歳さいの男性だんせい、イタリアの旅券りょけんを使用しようしたのは29歳さいの男性だんせいで、ともにイラン人ひとだったことを明あきらかにした。この2人ふたり分ぶんの航空こうくう券けんは、タイの旅行りょこう代理だいり店てんに2人ふたりとは別べつの「アリ」と名乗なのるイラン人じん男性だんせいが「もっとも安やすくヨーロッパに行いける航空こうくう券けん」を電話でんわで予約よやくしたものだった。予約よやくした男性だんせいは旅券りょけん偽造ぎぞう組織そしきの人物じんぶつとみられる。この男性だんせいは3年ねんほど前まえからこの代理だいり店てんを利用りようしていた。また、航空こうくう券けんは予約よやくした男性だんせいの友人ゆうじんを名乗なのる別べつのイラン人じん男性だんせいが受うけ取とっていた。当初とうしょは、北京ぺきんで乗のり継つぐアムステルダム行いき航空こうくう券けんも購入こうにゅうしていたことから、麻薬まやく密売みつばい組織そしきや人身じんしん売買ばいばい組織そしきが疑うたがわれていた。また、マレーシアのヒシャムディン・フセイン運輸うんゆ大臣だいじん代理だいりは、ほかにも2人ふたりがヨーロッパの国くにの不正ふせい旅券りょけんで搭乗とうじょうした疑うたがいがあると発表はっぴょうした。さらに、乗客じょうきゃく名簿めいぼに載のっていた中国人ちゅうごくじん男性だんせい1人にんの旅券りょけんは実際じっさいには一いち度ども出国しゅっこく履歴りれきがなく、本人ほんにんも出国しゅっこくしていなかった。このほか、5人にんが直前ちょくぜんに搭乗とうじょうを取とりやめていた。この5人にんの荷物にもつは、クアラルンプールで取とり出だされていた。

以下いかに示しめした国籍こくせき別べつ乗客じょうきゃく乗員じょういん人数にんずうは、マレーシア航空こうくうの発表はっぴょうした乗客じょうきゃく名簿めいぼに基もとづき、オーストリア人じんとイタリア人じんの2人ふたり分ぶんを実際じっさいに搭乗とうじょうしたイラン人じんに差さし替かえたものである。

国籍こくせき	乗客じょうきゃく	乗員じょういん	合計ごうけい
中国ちゅうごく	152	0	152
マレーシア	38	12	50
インドネシア	7	0	7
オーストラリア	6	0	6
インド	5	0	5
フランス	4	0	4
アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく	3	0	3
ニュージーランド	2	0	2
ウクライナ	2	0	2
カナダ	2	0	2
中華民国ちゅうかみんこく（台湾たいわん）	1	0	1
中国ちゅうごく香港ほんこん	1	0	1
オランダ	1	0	1
ロシア	1	0	1
イラン	2	0	2
総計そうけい（15の国くにと地域ちいき）	227	12	239

事故じこ機き

事故じこ機き (9M-MRO) のコックピット
（2004年ねん撮影さつえい）

事故じこ機きはボーイング777-2H6ER（製造せいぞう番号ばんごう28420、機体きたい記号きごう9M-MRO）で、2002年ねん5月がつ14日にちに初はつ飛行ひこうし、2002年ねん5月がつ31日にちからマレーシア航空こうくうが運用うんようしていた。エンジンはロールス・ロイス トレント892で、航空こうくう会社かいしゃによると総そう飛行ひこう時間じかんは20,243時じ間あいだで、離着陸りちゃくりくは3,023サイクルだった。しかし、航空こうくう会社かいしゃの広報こうほう担当たんとう者しゃは、総そう飛行ひこう時間じかんは53,400時間じかん以上いじょうで7,525サイクルをこなしていたと述のべている。事故じこ機きは2014年ねん2月がつに保守ほしゅ点検てんけんを受うけていた。

事故じこ機きの9M-MROがこれまでに重大じゅうだい事故じこに遭遇そうぐうした経歴けいれきはないものの、2012年ねん8月がつ9日にち、上海しゃんはい浦東ほとう国際こくさい空港くうこうでタキシング中なかに、中国ちゅうごく東方とうほう航空こうくうのエアバスA340-600の機体きたい後部こうぶと自じ機きの翼つばさ端はしを接触せっしょくさせ、ウィングレットを破損はそんする事故じこを起おこしている。

マレーシア航空こうくうは、アジアではもっとも安全あんぜんな航空こうくう会社かいしゃの1つという評価ひょうかを受うけていた。ボーイング777は1995年ねん6月がつの商業しょうぎょう飛行ひこう以来いらい、重大じゅうだい事故じこは2件けんしか起おこっていなかった。1つ目めの事故じこであるブリティッシュ・エアウェイズ38便びん事故じこは、着陸ちゃくりく進入しんにゅう中ちゅうに燃料ねんりょうが凍結とうけつしエンジンが停止ていしし、滑空かっくう状態じょうたいのまま滑走かっそう路ろ直前ちょくぜんに墜落ついらくした事故じこである。2度目どめの事故じこであり、初はつの死亡しぼう事故じこでもあるアシアナ航空こうくう214便びん着陸ちゃくりく失敗しっぱい事故じこは、サンフランシスコ国際こくさい空港くうこうの滑走かっそう路ろ28Lへの着陸ちゃくりくに失敗しっぱいして機体きたいが大破たいは・炎上えんじょう、乗客じょうきゃく3人にんが死亡しぼうし、181人にんが負傷ふしょうした事故じこである。また駐ちゅう機き中ちゅうの炎上えんじょう事故じこや飛行ひこう中ちゅうの撃墜げきつい事件じけん、エミレーツ航空こうくうの着陸ちゃくりく失敗しっぱい事故じこを含ふくめると、ボーイング777での全ぜん損そん事故じこは5件けんとなる。

各国かっこくの対応たいおう

マレーシア

航空機こうくうきの所属しょぞく先さきであり、また出発しゅっぱつ地ちでもあり多おおくの乗客じょうきゃく、乗員じょういんが搭乗とうじょうしていたマレーシア政府せいふは、8機きの固定こてい翼つばさ機き、6機きのヘリコプター、6隻せきのマレーシア海軍かいぐん艦かんおよび3隻せきのマレーシア海上かいじょう法令ほうれい執行しっこう庁ちょう所属しょぞく船舶せんぱくを捜索そうさく救難きゅうなんのために南シナ海みなみしなかいへ派遣はけんした。マレーシア航空こうくうは「GoTeam」と呼よばれるケアを担当たんとうするチームを旅客りょかくの家族かぞくの元もとに派遣はけんした。また、マレーシア政府せいふは国家こっか調整ちょうせいセンターを国家こっか災害さいがい調整ちょうせい評議ひょうぎ会かい（NDCC）内ないに設置せっちし、事態じたいの把握はあくに努つとめた。

3月8日にち、ナジブ・ラザク首相しゅしょうは中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこくに対たいして事故じこについて謝罪しゃざいした。

3月9日にち、ヒシャムディン・フセイン運輸うんゆ大臣だいじん代理だいりは記者きしゃ会見かいけんにて、レスキューチームが捜索そうさく海域かいいきに展開てんかいしたと発表はっぴょうした。

マレーシア当局とうきょくによる発表はっぴょうは矛盾むじゅん点てんが多おおく、対応たいおうの遅おそさ、情報じょうほうの欠如けつじょも目立めだち、大だい規模きぼな危機きき的てき状況じょうきょうにおいて「無能むのう」をさらけ出だしていると批判ひはんされている。マレーシアの対応たいおうに、中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこく外交がいこう部ぶ（外務省がいむしょうに相当そうとう）も苦言くげんを呈ていしている。ただ、情報じょうほう公開こうかいの遅おくれについては、領土りょうど問題もんだいの絡からむ南シナ海みなみしなかいで起おきた事件じけんであるため、隣国りんごくに対たいする公開こうかい情報じょうほうを制限せいげんする必要ひつようがあったと理解りかいを示しめす立場たちばもある。

中国ちゅうごく

オーストラリアのピアース空軍くうぐん基地きちに到着とうちゃくする中国ちゅうごく空軍くうぐん機きIl-76（2014年ねん3月がつ21日にち）

航空機こうくうきの到着とうちゃく地ちでもあり多おおくの乗客じょうきゃくが搭乗とうじょうしていた中国ちゅうごくの習近平ひらた国家こっか主席しゅせき、李り克かつ強きょう首相しゅしょう、王おう毅あつし外交がいこう部長ぶちょう、および秦はた剛つよし外交がいこう部ぶ報道ほうどう局長きょくちょうらは、同国どうこくは緊急きんきゅう事態じたいに対たいする行動こうどうをとる可能かのう性せいがあると表明ひょうめいし、その後ご2隻せきのレスキュー船せんを捜索そうさく活動かつどうの一環いっかんとして南シナ海みなみしなかいに派遣はけんした。

中国ちゅうごく人民じんみん解放かいほう軍ぐん海軍かいぐんは071型がた揚陸ようりく艦かんおよび江こう衛まもる型がたフリゲートを370便びんが墜落ついらくしたと推定すいていされる海域かいいきに派遣はけんした。

同国どうこくの国家こっか国防こくぼう科技かぎ工業こうぎょう局きょくは、漂流ひょうりゅう物ぶつらしきものが写うつっている2014年ねん3月がつ9日にちに撮影さつえいした衛星えいせい画像がぞうを3月がつ12日にちに公開こうかいした。しかし、撮影さつえいから公表こうひょうまで3日にちという間あいだが開ひらいていることや、漂流ひょうりゅう物ぶつとされる物体ぶったいが異様いように大おおきいことなどの疑問ぎもん点てんが出でている。アメリカ国家こっか運輸うんゆ安全あんぜん委員いいん会かいの元もと幹部かんぶは、写真しゃしんの公開こうかいが遅おくれた理由りゆうについて、同国どうこく政府せいふが自国じこくの衛星えいせい探知たんち能力のうりょくをさらけ出だすことを逡巡しゅんじゅんしたとの見方みかたを示しめしている（アメリカも冷戦れいせん時代じだいには偵察ていさつ写真しゃしんは必かならずイラストに直なおして公表こうひょうしていた）。なお、この衛星えいせい写真しゃしんは3月がつ13日にち、中国ちゅうごくからマレーシアに「誤あやまって公表こうひょうされたもの」との連絡れんらくがあり、漂流ひょうりゅう物ぶつらしきものは飛行機ひこうきの残骸ざんがいではなかったと発表はっぴょうされた。

同国どうこくが新型しんがた艦船かんせんや、高こう解像度かいぞうどの衛星えいせい画像がぞうを提供ていきょうする目的もくてきの一ひとつは、同国どうこくを中心ちゅうしんに領海りょうかい争あらそいが頻発ひんぱつしている南シナ海みなみしなかいにおける軍事ぐんじ力りょくの誇示こじであるとも指摘してきされており、周辺しゅうへん国こくには警戒けいかい感かんが広ひろがっている。

フィリピン

当初とうしょ消息しょうそくを絶たったとされた南シナ海みなみしなかいにおける沿岸えんがん国こくであるフィリピン海軍かいぐんの西部せいぶ方面ほうめんコマンドは3隻せきの軍艦ぐんかん（グレゴリオ・デル・ピラール（PF-15）フリゲート、ジャシント級きゅうコルベットのエミリオ・ジャシント（PS-25）、アポリナリオ・マビニ（PS-36））および救難きゅうなん捜索そうさく用よう航空機こうくうきを南シナ海みなみしなかいに派遣はけんした。

シンガポール

マレーシアの隣国りんごくのシンガポール空軍くうぐんはロッキードC-130輸送ゆそう機きを、370便びんが行方ゆくえ不明ふめいになった初日しょにちの捜索そうさくを援助えんじょするために派遣はけんしたと発表はっぴょうした。続つづいて、シンガポール海軍かいぐんがフリゲート、ミサイルコルベット1隻せきずつおよびシコルスキー S-70ヘリコプター1機きを派遣はけんし、その後ご潜水せんすい艦かん救難きゅうなん艦かんのMV Swift Rescueも捜索そうさくに加くわわった。

アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく

アンダマン海かいを捜索そうさくするアメリカ海軍かいぐんの駆逐くちく艦かんキッド（2014年ねん3月がつ17日にち）

捜索そうさく任務にんむにあたるP-8の機内きない

当該とうがい機きの製造せいぞう国こくであるアメリカも調査ちょうさに協力きょうりょくしている。南シナ海みなみしなかいおよびインド洋いんどように基地きちを置おくアメリカ海軍かいぐんはP-8Aポセイドン哨戒しょうかい機きを沖縄おきなわ県けんの嘉手納かでな基地きちから派遣はけんし、またミサイル駆逐くちく艦かんピンクニーに救難きゅうなん捜索そうさくが可能かのうなMH-60R艦載かんさいヘリコプターを搭載とうさいして、ベトナム南部なんぶの海岸かいがんに派遣はけんした。

マレーシア政府せいふの要請ようせいを受うけて、捜索そうさくのためにミサイル駆逐くちく艦かんキッドをインド洋いんどように派遣はけんした。

日本にっぽん

2014年ねん3月がつ10日とおか、マレーシア政府せいふから日本国にっぽんこく政府せいふに支援しえん要請ようせいがあったため、防衛ぼうえい省しょうは自衛じえい官かん4人にんをクアラルンプールに派遣はけんすることを決定けっていした。さらに、マレーシア政府せいふが航空機こうくうきの増援ぞうえんを要請ようせいしていることから、国際こくさい緊急きんきゅう援助えんじょ隊たいとして航空こうくう自衛隊じえいたいのC-130輸送ゆそう機きと、海上かいじょう自衛隊じえいたいのP-3C哨戒しょうかい機きをそれぞれ2機き派遣はけんすることも決定けっていした。航空こうくう事故じこに際さいして自衛隊じえいたいが国際こくさい緊急きんきゅう援助えんじょ隊たいを派遣はけんするのは本件ほんけんが初はつの事例じれいとなる。派遣はけん人員じんいんは約やく100名めいだった。自衛隊じえいたい機きは3月がつ13日にち、マレーシアの空軍くうぐん基地きちに到着とうちゃくした。海上保安庁かいじょうほあんちょうが保有ほゆうするジェット機じぇっとき「うみわし」と、海上かいじょう保安ほあん官かん12人にんも国際こくさい緊急きんきゅう援助えんじょ隊たいとしてマレーシアに派遣はけんされた。

2014年ねん4月がつ28日にち、捜索そうさく活動かつどうの中心ちゅうしんが艦艇かんていによる海中かいちゅう捜索そうさくに切きり替かわったため、防衛ぼうえい省しょうは自衛隊じえいたいの活動かつどうを終了しゅうりょうした。

ニュージーランド

2名めいの行方ゆくえ不明ふめい者しゃを出だしたニュージーランド政府せいふはマレーシア政府せいふへ支援しえんを申もうし出で、同年どうねん3月がつ10日とおかにマレーシア政府せいふからの正式せいしき支援しえん申もうし出でを受託じゅたくした。同日どうじつ、王立おうりつニュージーランド空軍くうぐん（RNZAF）オークランド基地きち所属しょぞくのP-3（1機き）のほか、多た用途ようと支援しえん機き3機きをマレーシア・バターウォース空軍くうぐん基地きちへ派遣はけんした。中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこく・オーストラリアとの国際こくさい合同ごうどう捜索そうさく隊たいとして南みなみインド洋いんどようを中心ちゅうしんとする海域かいいきを捜索そうさくした。また、映画えいが監督かんとくのピーター・ジャクソンは自身じしんが所有しょゆうするガルフストリーム G650を捜索そうさく機きとして現場げんばへ派遣はけんした。

映像えいぞう化か

• ミッシング～迷宮めいきゅう事件じけんの謎なぞ 第だい1シーズン第だい1話わ「消きえたマレーシア航空こうくう370便びん」（ディスカバリーチャンネル）
• メーデー!:航空機こうくうき事故じこの真実しんじつと真相しんそう オリジナル版ばんシーズン14第だい11話わ「What Happened to Malaysian 370?」（ナショナルジオグラフィックチャンネル） - 同どうシーズンは日本にっぽんにおいても放送ほうそうされたが、このエピソードのみ放送ほうそうされていない。劇げき中ちゅうでは機体きたいの墜落ついらく原因げんいんを、機長きちょうの自殺じさつ説せつとして描写びょうしゃしている。
• 仰天ぎょうてん！海うみの底そこ まる見みえ検証けんしょう 第だい1シーズン第だい8話わ「 マレーシア航空こうくう370便びん (原題げんだい:Malaysia Airlines 370) 」（ナショナルジオグラフィックチャンネル） - 同おなじくナショナルジオグラフィック放送ほうそう。墜落ついらくした機体きたいの捜索そうさくに特とく化かした内容ないようになっている。
• 1番ばんだけが知しっている「消きえたマレーシア航空こうくう370便びんの謎なぞ！隠蔽いんぺいされた真実しんじつとは！」（2019年ねん5月がつ20日はつか、TBSテレビ）
• MH370: マレーシア航空機こうくうき失踪しっそう事件じけん - Netflixにて事故じこから9年ねんとなる2023年ねん3月がつ8日にちより配信はいしん中ちゅう。

関連かんれん項目こうもく

• フライング・タイガー・ライン739便びん失踪しっそう事故じこ
• ヴァリグ・ブラジル航空こうくう967便びん遭難そうなん事故じこ - 370便びん同様どうよう航空機こうくうきが失踪しっそうし、原因げんいんが不明ふめいになっているケース。
• マレーシア航空こうくう17便びん撃墜げきつい事件じけん - 本件ほんけんの約やく4か月げつ後ごに同どう一いちオペレーター・同どう一いち機種きしゅがウクライナで撃墜げきついされた。

外部がいぶリンク

• Flightaware, Flightradar24 - 当とう便びんの飛行ひこう経路けいろが一部いちぶ閲覧えつらんできる
• 乗客じょうきゃく名簿めいぼ（マレーシア航空こうくう公式こうしきウェブサイト） (PDF) （2014年ねん3月がつ8日にち時点じてんのアーカイブ）
• The Search for Malaysia Airlines Flight 370 - NYTimes.com - 空港くうこう出発しゅっぱつ後ごの飛行ひこう経路けいろや衛星えいせいが捉とらえた残骸ざんがいの位置いちについての図解ずかい
• Flight MH370: the search in the Indian Ocean (theguardian.com) - 衛星えいせいが捉とらえた残骸ざんがいの位置いちと発見はっけん日時にちじを閲覧えつらんできる
• マレーシア航空こうくう370便びん関連かんれん - ロイター - ウェイバックマシン（2014年ねん3月がつ21日にちアーカイブ分ぶん）
• 【航空機こうくうき史上しじょう最大さいだいの謎なぞ】乗客じょうきゃくを乗のせたまま消きえたマレーシア航空こうくう370便びん | ミッシング～迷宮めいきゅう事件じけんの謎なぞ～【ゾッとする】（ディスカバリーチャンネルYouTube2021/04/27） - 最新さいしんの研究けんきゅう・調査ちょうさ結果けっかを動画どうがにまとめたもの。