大麻たいま唯男ただお

日本にっぽんの政治せいじ家か 大麻たいま 唯男ただお（おおあさ　ただお）
大麻たいま唯男ただおの肖像しょうぞう写真しゃしん
生年月日せいねんがっぴ	(1889-07-07) 1889年ねん7月がつ7日にち
出生しゅっしょう地ち	東京とうきょう府ふ（出身しゅっしん地ちは熊本くまもと県けん玉名たまな市し）
没ぼつ年月日ねんがっぴ	(1957-02-20) 1957年ねん2月がつ20日はつか（67歳さい没ぼつ）
死没しぼつ地ち	熊本くまもと県けん熊本くまもと市し
出身しゅっしん校こう	東京とうきょう帝国ていこく大学だいがく法科ほうか大学だいがく政治せいじ科か
前ぜん職しょく	内務ないむ官僚かんりょう
所属しょぞく政党せいとう	（政友せいゆう本ほん党とう→） （立憲りっけん民政みんせい党とう→） （翼賛よくさん議員ぎいん同盟どうめい→） （翼賛よくさん政治せいじ体制たいせい協議きょうぎ会かい→） （翼賛よくさん政治せいじ会かい→） （大だい日本にっぽん政治せいじ会かい→） （日本にっぽん進歩しんぽ党とう→） （無所属むしょぞく→） （民政みんせい旧友きゅうゆう会かい→） （新政しんせいクラブ→） （改あらため進しん党とう→） （日本にっぽん民主党みんしゅとう→） 自由民主党じゆうみんしゅとう
称号しょうごう	従したがえ二に位い 勲一等くんいっとう旭日大綬章あさひだいじゅしょう
配偶はいぐう者しゃ	大麻たいま世津子せつこ
親族しんぞく	大麻たいま勇次ゆうじ（兄あに）
第だい3-5代だい 国家こっか公安こうあん委員いいん会かい委員いいん長ちょう
内閣ないかく	第だい1次じ鳩山はとやま内閣ないかく 第だい2次じ鳩山はとやま内閣ないかく 第だい3次じ鳩山はとやま内閣ないかく
在任ざいにん期間きかん	1954年ねん12月10日にち - 1956年ねん12月23日にち
国務大臣こくむだいじん
内閣ないかく	東條とうじょう内閣ないかく
在任ざいにん期間きかん	1943年ねん4月がつ20日はつか - 1944年ねん7月がつ22日にち
衆議院しゅうぎいん議員ぎいん（8-10期き）
選挙せんきょ区く	熊本くまもと県けん第だい1区く
当選とうせん回数かいすう	3回かい
在任ざいにん期間きかん	1952年ねん10月2日にち - 1957年ねん2月がつ20日はつか
衆議院しゅうぎいん議員ぎいん（1-7期き）
選挙せんきょ区く	熊本くまもと県けん第だい1区く
当選とうせん回数かいすう	7回かい
在任ざいにん期間きかん	1924年ねん5月11日にち - 1945年ねん12月18日にち

大麻たいま 唯男ただお（おおあさ ただお、1889年ねん（明治めいじ22年ねん）7月がつ7日にち – 1957年ねん（昭和しょうわ32年ねん）2月がつ20日はつか）は、日本にっぽんの内務ないむ官僚かんりょう、政治せいじ家か。

来歴らいれき・人物じんぶつ

熊本くまもと県けん玉名たまな市し出身しゅっしん（出生しゅっしょう地ちは東京とうきょう府ふ）。兄あには後のちに剣道けんどう十じゅう段だんとなった大麻たいま勇次ゆうじ。

熊本くまもと中学ちゅうがく、第だい五ご高等こうとう学校がっこう、1914年ねん（大正たいしょう3年ねん）東京とうきょう帝国ていこく大学だいがく法科ほうかを卒業そつぎょう後ご、内務省ないむしょうに入省にゅうしょう。山梨やまなし県けん属ぞく。警察けいさつ畑はたけを歩あゆみ、山形やまがた・山梨やまなし・神奈川かながわ各かく県けんの警察けいさつ署長しょちょうを務つとめた。

1924年ねん（大正たいしょう13年ねん）、同郷どうきょうの小橋こはし一太かずた（元もと文部もんぶ大臣だいじん）の推挙すいきょにより、清浦きようら奎吾首相しゅしょう秘書官ひしょかんを務つとめる。徳川とくがわ家か広ひろによると、細川ほそかわ護立もりたつの宴会えんかいに出席しゅっせきした大麻たいまのスピーチの巧たくみさが清浦きようらの目めに止とまったのが秘書官ひしょかんになったきっかけという。同年どうねん政友せいゆう本ほん党とうから第だい15回かい衆議院しゅうぎいん議員ぎいん総そう選挙せんきょに立候補りっこうほし当選とうせん。以後いご当選とうせん10回かい。立憲りっけん民政みんせい党とうに合流ごうりゅう後ご、司法しほう・文部もんぶ各かく参与さんよ官かん、党とう筆頭ひっとう総務そうむを歴任れきにんし、1934年ねん（昭和しょうわ9年ねん）1月がつから1935年ねん（昭和しょうわ10年ねん）1月がつまでの間あいだは民政みんせい党とうの幹事かんじ長ちょうを務つとめた。民政みんせい党とうでは3代目だいめ総裁そうさいとなった町田まちだ忠治ただはるに可愛かわいがられたが、1940年ねん（昭和しょうわ15年ねん）の政党せいとう解消かいしょうに対たいしては町田まちだが民政みんせい党とうの解党かいとうに最後さいごまで抵抗ていこうしたのに対たいし、大麻たいまは裏うらで軍部ぐんぶと手てを握にぎって新しん体制たいせい運動うんどうに民政みんせい党とうを合流ごうりゅうさせた。このことから政界せいかいの寝業師ねわざしの異名いみょうが大麻たいまに付つけられた。

政党せいとう解消かいしょうにより大政たいせい翼賛よくさん会かいが発足ほっそくすると、議会ぎかい局きょく議事ぎじ部長ぶちょうに就任しゅうにんし、同どう議会ぎかい局長きょくちょうの前田まえだ米蔵よねぞうを補佐ほさした。また院内いんないでは翼賛よくさん議員ぎいん同盟どうめいに所属しょぞくし、1942年ねん（昭和しょうわ17年ねん）翼賛よくさん政治せいじ体制たいせい協議きょうぎ会かい委員いいんとなり、翼賛よくさん選挙せんきょの推薦すいせん候補こうほ選考せんこうに関かかわる。自みずからも翼賛よくさん選挙せんきょで翼賛よくさん政治せいじ体制たいせい協議きょうぎ会かいの推薦すいせん候補こうほとして当選とうせん。同年どうねん、翼賛よくさん政治せいじ会かい常任じょうにん顧問こもんに就任しゅうにん。翼賛よくさん政治せいじ体制たいせい協議きょうぎ会かいの活動かつどうから翼賛よくさん政治せいじ会かいの設立せつりつに至いたるまで中心ちゅうしん的てきな役割やくわりを果はたした。1943年ねん（昭和しょうわ18年ねん）には東條とうじょう内閣ないかくの国務大臣こくむだいじんとして初はつ入閣にゅうかくを果はたす。「東條とうじょうの茶坊主ちゃぼうず」と呼よばれ、翼賛よくさん体制たいせいの枢要すうようを担になってきた親おや軍ぐん派は政治せいじ家かとしてその名なが知しられるようになった。しかし、1943年ねん10月がつの中野なかの正ただし剛つよし事件じけんでは身柄みがら拘束こうそく等とうあらゆる手段しゅだんで中野なかの正ただし剛つよしの議会ぎかい出席しゅっせき停止ていしを求もとめる東條とうじょうに対たいして、「憲法けんぽう上じょうの立法府りっぽうふの独立どくりつを侵害しんがいしかねないのでできません」と反論はんろんした。

敗戦はいせん後ごは大だい日本にっぽん政治せいじ会かいを母体ぼたいとした政党せいとう・日本にっぽん進歩しんぽ党とうの結成けっせいに尽力じんりょくするが、総裁そうさいの座ざを巡めぐって町田まちだと宇垣うがき一成いっせいの何いずれかにするかで党内とうないが揉もめることになった。大麻たいまは、町田まちだ総裁そうさい実現じつげんのため当時とうじ土建どけん会社かいしゃを経営けいえいしていた田中たなか角栄かくえい（田中たなかの会社かいしゃで大麻たいまが顧問こもんとなっていた）に政治せいじ資金しきんを用立ようだてさせて、町田まちだ総裁そうさいを実現じつげんさせた。しかし間まもなく町田まちだ共ども々大麻たいまは公職こうしょく追放ついほう、追放ついほう解除かいじょ後ごには同おなじく戦前せんぜん民政みんせい党とうに属ぞくしていた追放ついほう解除かいじょ組ぐみの松村まつむら謙三けんぞう・堤つつみ康次郎やすじろう・三好みよし英之ひでゆきらと民政みんせい旧友きゅうゆう会かいを結成けっせいした。だが、その後ご国民こくみん民主党みんしゅとうとの合流ごうりゅうを目指めざす大麻たいま・松村まつむら・堤つつみらと岸きし信介しんすけを担かついで新党しんとう結成けっせいを目論もくろむ三好みよし・武たけ知勇ちゆう記きらで意見いけんが対立たいりつし、結局けっきょく大麻たいまらは追放ついほう解除かいじょ後ご国民こくみん民主党みんしゅとうに復帰ふっきしていた旧きゅう民政みんせい党とう出身しゅっしんの宮沢みやざわ胤たね勇いさむや野田のだ武夫たけおらを加くわえて新政しんせいクラブを結成けっせい。一方いっぽう、三好みよし・武たけ知ともらは新しん日本にっぽん政治せいじ経済けいざい調査ちょうさ会かいを経へて日本にっぽん再建さいけん連盟れんめいを結成けっせいし、民政みんせい旧友きゅうゆう会かいは2つに分裂ぶんれつした。

その後ご新政しんせいクラブと国民こくみん民主党みんしゅとうの苫米地とまべち義三よしぞう最高さいこう委員いいん長ちょう・三木みき武夫たけお幹事かんじ長ちょうらとで新党しんとう結成けっせいの動うごきが進すすみ、重光しげみつ葵まもるを総裁そうさいに担かつぎ出だして1952年ねん（昭和しょうわ27年ねん）に改あらため進しん党とうが結党けっとうされ、同年どうねんに行おこなわれた第だい25回かい衆議院しゅうぎいん議員ぎいん総そう選挙せんきょで改あらため進しん党とうから代議士だいぎしに返かえり咲ざいた。改あらため進しん党内とうないでは吉田よしだ茂しげる率ひきいる自由党じゆうとうとの協調きょうちょう姿勢しせいが目立めだち、吉田よしだ首相しゅしょうがバカヤロー発言はつげんで懲罰ちょうばつ委員いいん会かいに付託ふたくするための動議どうぎが提出ていしゅつされた際さいには、自じ派はの議員ぎいんをも含ふくめて欠席けっせきし決議けつぎ案あんの成立せいりつ阻止そしを狙ねらったが、自由党じゆうとう内ないの鳩山はとやま一郎いちろう・三木みき武吉たけよしらの一派いっぱに加くわえ人事じんじ面めんでの冷遇れいぐうに不満ふまんを持もっていた廣川ひろかわ弘ひろし禅ぜんの一派いっぱも欠席けっせきしたことから決議けつぎ案あんは可決かけつ。衆議院しゅうぎいん解散かいさんへの流ながれを止とめられなかった。

第だい5次じ吉田よしだ内閣ないかく成立せいりつ後ごは主しゅとして自由党じゆうとうとのパイプ役ぱいぷやくとしての役割やくわりを担にない改あらため進しん党とうに閣外かくがい協力きょうりょくさせることで保守ほしゅ連携れんけいを図はかったが、造船ぞうせん疑獄ぎごくで自由党じゆうとう政権せいけんへの批判ひはんが強つよまると三木みき武吉たけよしらの日本にっぽん自由党じゆうとうや自由党じゆうとうを交まじえて単独たんどく保守ほしゅ政党せいとうの結成けっせいを主導しゅどうする。だがこの動うごきは結局けっきょく不調ふちょうに終おわり、自由党じゆうとうの鳩ばと山系さんけい・更さらには岸きし派はを巻まき込こむ格好かっこうで1954年ねん（昭和しょうわ29年ねん）に日本にっぽん民主党みんしゅとうが結成けっせいされるとこれに参加さんかし、第だい1次じ・第だい2次じ・第だい3次じ鳩山はとやま一郎いちろう内閣ないかくで国務大臣こくむだいじん（国家こっか公安こうあん委員いいん会かい委員いいん長ちょう）を務つとめる。その後ご、保守ほしゅ合同ごうどうを経へて自由民主党じゆうみんしゅとう顧問こもんとなる。

自民党じみんとうでは旧きゅう民政みんせい党とうの右派うはのメンバーからなる大麻たいま派はという小しょう派閥はばつを率ひきいていた。小泉こいずみ純じゅん也（第だい87～89代だい内閣ないかく総理そうり大臣だいじん・小泉こいずみ純一郎じゅんいちろうの父ちち）は、一時期いちじき宮沢みやざわ胤たね勇いさむ・野田のだ武夫たけお・浜野はまの清吾せいご・真鍋まなべ儀ただし十じゅう・山本やまもと粂吉くめきち・中村なかむら庸いさお一郎いちろうらとともにこの派はに所属しょぞくしていた。墓所はかしょは青山あおやま霊園れいえん。

口調くちょう

国政こくせい外がいでの発言はつげんにおいては、「でしゅ」や「ごじゃりましゅる」など抑おさえ場じょうの無ないユニークな平安へいあん時代じだいの喋しゃべり方かたで自民党じみんとうの役員やくいんや記者きしゃに応おうじ、友好ゆうこう的てきな態度たいどをとった。

栄典えいてん

• 1943年ねん（昭和しょうわ18年ねん）5月1日にち - 従したがえ三さん位い

参考さんこう文献ぶんけん

• 粟屋あわや憲太郎けんたろう 著ちょ 『文庫ぶんこ版ばん　昭和しょうわの歴史れきし 第だい6巻かん 昭和しょうわの政党せいとう』 小学館しょうがくかん、1988年ねん（昭和しょうわ63年ねん）11月1日にち第だい1版はん第だい1刷さつ発行はっこう、ISBN 4-09-401106-4

関連かんれん項目こうもく

ウィキソースには、私わたしの履歴りれき書しょ/大麻たいま唯男ただおの原文げんぶんがあります。

公職こうしょく
先代せんだい 小原おはら直ただし	国家こっか公安こうあん委員いいん会かい委員いいん長ちょう 第だい3-5代だい:1954年ねん - 1956年ねん	次代じだい 大久保おおくぼ留次郎とめじろう